JP5463641B2 - 耐油性紙包装材および耐油性紙包装容器 - Google Patents
耐油性紙包装材および耐油性紙包装容器 Download PDFInfo
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Description
また、本発明は、環境保全の観点から、有機溶媒や不揮発水性化助剤を実質的に含まずに得られる耐油性紙包装材を提供することを目的とする。
前記耐油層は、不飽和カルボン酸またはその無水物を0.01〜5質量%の範囲で含むポリオレフィン共重合樹脂が、不揮発水性化助剤を実質的に含まずに、数平均粒子径が1μm以下で分散された水性分散液を塗布および乾燥したものであること特徴とする、耐油性紙包装材を提供するものである。
前記紙基材層に、不飽和カルボン酸またはその無水物を0.01〜5質量%の範囲で含むポリオレフィン共重合樹脂が、不揮発水性化助剤を実質的に含まずに、数平均粒子径が1μm以下で分散された水性分散液を塗布および乾燥し、この水性分散液の塗布および乾燥を、複数回行って耐油層を形成することを特徴とする、耐油性紙包装材の製造方法を提供するものである。
本発明の耐油性紙包装材は、耐油性に優れるとともに耐水性にも優れ、バターなどの含水油脂の包装に好適である。
本発明の耐油性紙包装材の好適な態様の一例を図面を用いて説明する。
図1は、紙基材層(10)と耐油層(20)とが積層されてなる耐油性紙包装材の断面図である。図2に示すように、前記紙基材層(10)の表面には、クレーコート層(30)が積層されていてもよい。また、本発明の耐油性紙包装材は、図3に示すように、前記耐油層(20)が前記クレーコート層(30)の上層に積層されるものであってもよい。更に、印刷層やオーバーコート層、その他の層を含むものであってもよい。
本発明で使用する紙基材層は、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができる。紙基材層としては、例えば、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙基材層を使用することができる。紙基材層としては、これらの紙を複数層重ねたものであってもよい。また、紙は、坪量80〜600g/m2程度、好ましくは坪量100〜450g/m2程度であり、厚さ110〜860μm程度、好ましくは140〜640μm程度のものを使用することができる。なお、紙基材層には、例えば、文字、図形、記号、その他の所望の絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができる。
本発明では、紙基材層は、クレーコート層を積層したものであってもよい。紙基材層は、表面に凹凸があるため、紙基材層に印刷を施すと明瞭な印刷面を構成することができない。このため、紙基材層の上にクレーコート層を形成し、その上に印刷を行うことが望ましい。
クレーコート層の塗工方法は、特に限定されず、従来公知の塗工方法が用いられるが、エアナイフコート、ブレードコート、ショートドウェルコート、キャストコート等の塗工方法が用いられる。
紙基材層とクレーコート層としては、紙基材層にクレーコート層が既に形成された材料を用いることもできる。
本発明の耐油性紙包装材では、少なくとも紙基材層に耐油層が積層されるが、紙基材層にクレーコート層が積層された場合には、紙基材層に積層されてもクレーコート層に積層されてもよい。従って、例えば、図1に示すように耐油層と紙基材層とが積層されるものや、図2に示すように、耐油層、紙基材層、クレーコート層が順次積層されるもの、図3に示すように、耐油層、クレーコート層、紙基材層の順に積層されるものであってもよい。
本発明の耐油性紙包装材には、所望の印刷層を形成することができる。印刷層はいずれの層の上に形成してもよいが、好ましくは、クレーコート層の上である。
(7)耐油性紙包装材の製造方法
本発明の耐油性紙包装材の製造方法に限定はないが、紙基材層に、不飽和カルボン酸またはその無水物を0.01〜5質量%の範囲で含むポリオレフィン共重合樹脂が、不揮発水性化助剤を実質的に含まずに、数平均粒子径が1μm以下で分散された水性分散液を塗布および乾燥し、この水性分散液の塗布および乾燥を、1〜5回行って耐油層を形成して耐油性紙包装材の製造方法することができる。
上記耐油性紙包装材を使用して包装用容器を製造することができる。例えば、最内層が耐油層となるようにして上記耐油性紙包装材を所定形状に裁断し、包装容器を構成することができる。
(実施例1)
片面クレーコート紙(北越製紙(株)、NEWタフアイボリー:坪量260g/m2)のクレーコート層に、無水マレイン酸2質量%を含有するポリオレフィン共重合樹脂の水性分散液(分散樹脂の数平均粒子径0.6μm、不揮発性水性化助剤不使用、水分含有量60質量%)をマイヤーバー#3にて、乾燥時の厚みが1.6g/m2となるように塗布および乾燥させて耐油性紙包装材を得た。
片面クレーコート紙(北越製紙(株)、NEWタフアイボリー:坪量260g/m2)を用い、この比較耐油性紙包装材のクレーコート層側にバターを乗せて、実施例1と同様にしてバターの浸み込み状態を評価した。結果を表1に示す。
片面クレーコート紙(北越製紙(株)、NEWタフアイボリー:坪量260g/m2)の非クレーコート層に、実施例1で使用した水性分散液を乾燥時の厚みが1.6g/m2となるように塗布および乾燥させて比較耐油性紙包装材を得た。
(参考例3)
片面クレーコート紙(北越製紙(株)、NEWタフアイボリー:坪量260g/m2)の非クレーコート層に、実施例1で使用した水性分散液を乾燥時の厚みが1.6g/m2となるように塗布および乾燥させ、この操作を2回実施して比較耐油性紙包装材を得た。
(実施例2)
片面クレーコート紙(北越製紙(株)、NEWタフアイボリー:坪量260g/m2)の非コート層に、実施例1で使用した水性分散液を乾燥時の厚みが1.6g/m2となるように塗布および乾燥させ、この操作を3回実施して耐油性紙包装材を得た。
また、耐油性紙包装材の水性分散液塗工層側に、メチレンブルー水溶液を1滴たらし、常温にて5分経過後の水滴の染み込み度合いを観察した。結果を表2に示す。
片面クレーコート紙(北越製紙(株)、NEWタフアイボリー:坪量260g/m2)を用いて、非クレーコート層側にバターを乗せて、実施例1と同様にしてバターの浸み込み状態を評価した。結果を表1に示す。
(比較例5)
フッ素樹脂が使用された汎用耐油紙を用いて、上記コート層側にバターを乗せて、実施例1と同様にしてバターの浸み込み状態を評価した。結果を表1に示す。
フッ素樹脂が使用された汎用耐油紙を用いて、このコート紙の非コート層側にバターを乗せて、実施例1と同様にしてバターの浸み込み状態を評価した。結果を表1に示す。
(1) 実施例1、比較例1、比較例6の結果から、クレーコート層に前記水性分散液を塗工する場合には、フッ素樹脂を使用することなく、かつ実質的に不揮発水性化助剤を配合することなく、1回の塗工でフッ素樹脂による耐油コート紙(比較例6)と同程度の耐油性に優れる耐油層を形成することができた。
20・・・耐油層、
30・・・クレーコート層、
40・・・印刷層
Claims (7)
- 少なくとも紙基材層と、耐油層とを積層してなる紙包装材であり、前記耐油層は、不飽和カルボン酸またはその無水物を0.01〜5質量%の範囲で含み、かつ炭素数2〜6のアルケンと、他の共重合成分とを更に含むポリオレフィン共重合樹脂が、不揮発水性化助剤を含まない、または0.1質量%未満の不揮発水性化助剤を含み、数平均粒子径が1μm以下で分散された、前記ポリオレフィン共重合樹脂含有率を1〜60質量%とした水性分散液を塗布および乾燥したものであること
を特徴とする、耐油性紙包装材。 - 前記紙基材層は、片面にクレーコート層を有するものであることを特徴とする、請求項1記載の耐油性紙包装材。
- 前記耐油層は、前記クレーコート層に積層されることを特徴とする、請求項2記載の耐油性紙包装材。
- 前記紙基材層に、前記水性分散液を、複数回、塗布および乾燥して耐油層を積層してなることを特徴とする、請求項1または2記載の耐油性紙包装材。
- 前記耐油層における水性分散液の塗布量は、乾燥時、0.1〜100g/m2 であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の耐油性紙包装材。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の耐油性紙包装材からなる耐油性紙包装容器。
- 少なくとも紙基材層と耐油層とを積層してなる紙包装材の製造方法であって、
前記紙基材層に、不飽和カルボン酸またはその無水物を0.01〜5質量%の範囲で含み、かつ炭素数2〜6のアルケンと、他の共重合成分とを更に含むポリオレフィン共重合樹脂が、不揮発水性化助剤を含まない、または0.1質量%未満の不揮発水性化助剤を含み、数平均粒子径が1μm以下で分散された、前記ポリオレフィン共重合樹脂含有率を1〜60質量%とした水性分散液を塗布および乾燥し、この水性分散液の塗布および乾燥を、複数回行って耐油層を形成すること
を特徴とする、耐油性紙包装材の製造方法。
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