JP2005132032A - インクジェット記録材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基材/プライマー層/インク受容層の各層間の密着性に優れ、特にプライマー層上にインク受容層を形成する際のはじきが抑制されることにより、インク受容層の均一性が得られ、印字特性の向上に寄与することができるインクジェット記録材を提供する。
【解決手段】 基材、プライマー層、インク受容層をこの順で積層してなるインクジェット記録材において、プライマー層が下記ポリオレフィン樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)を含有することを特徴とするインクジェット記録材。
ポリオレフィン樹脂(A):不飽和カルボン酸単位(A1)を0.01〜5質量%、及びエチレン単位(A2)と(メタ)アクリル酸エステル単位(A3)を含有し、(A2)と(A3)の質量比(A2)/(A3)が55/45〜99/1。
ポリオレフィン樹脂(B):不飽和カルボン酸単位(B1)を0.01〜10質量%、炭素数3〜6の不飽和炭化水素単位(B2)を50〜98質量%。
【選択図】 なし


Description

本発明は、特定組成のポリオレフィン樹脂をプライマー層とするインクジェット記録材およびその製造方法に関するものである。
従来、コンピューターやワードプロセッサ等の出力プリントとして、ワイアードット記録方式、感熱発色記録方式、感熱溶融転写記録方式、感熱昇華転写記録方式、電子写真記録方式、インクジェット記録方式等の様々な方式が開発されている。中でも、インクジェット記録方式は、記録用シートとして普通紙を使用できること、プリントコストが安いこと、装置がコンパクトで騒音がなく、高速記録が可能である等の特徴がある。このため、コンピューター等によって作製した文字、図形などの画像情報を迅速かつ正確にアウトプットするプリンターとしての利用が注目されている。また、カラー化が容易であるという特徴も有している。
通常、インクジェットプリンターは、記録用インクを微細な圧電素子(ピエゾ素子)の圧力、あるいはサーマルヘッドの加熱によって発生するエアーの圧力によってノズルから噴出し、記録用シートに付着させることにより記録を行う。このため、インクジェット記録に使用される記録用インクとしては、インクの乾燥による粘度上昇に起因するノズルからのインク噴出不良を防止する為に、乾燥しにくいインクが用いられている。通常このインク成分は、染料、重合体、添加剤等を水及びアルコールに溶解したものが一般的である。したがって、インクジェットプリンターで記録を行う記録用材は、付着したインクの液状分を吸収し、インクを乾燥固化させることが要求される。このため基材上にインク受容層を形成してインク吸収性を高めた記録材が使用されている。
さらに近年、屋外広告ポスター用紙、立て看板、吊るし広告用紙等の印刷にも水性インクジェット記録が利用されるようになったが、基材としてパルプ抄造紙を用いる用紙は、支持体として用いられているパルプ抄造紙が吸水性であるので印字後の乾燥時間が長くなったり、印字された記録紙にしわやカールが発生する、破損し易い(特に屋外で雨にさらされた場合)、等の問題が生じていた。これを防ぐために、特許文献1、2には基材として熱可塑性樹脂フィルムを用いたり、特許文献3、4には無機微細粉末を含有する樹脂延伸フィルムよりなる合成紙を用いることが提案されている。しかしながら、基材とインク受容層が剥離し易いという問題があった。
この問題を解決するために、基材とインク受容層との間にプライマー層を設けることが提案されている(例えば、特許文献5〜7)。プライマーに用いる樹脂としては、塩素化プロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などが知られており、こうした樹脂の水系あるいは非水系の溶剤溶液を基材に塗布してプライマー層を形成することが知られている。
一方、特許文献8には、乳化剤類を使用しないポリオレフィン樹脂の水性分散体が提案されているが、このような水性分散体を上記プライマー層へ適用することは知られていなかった。
特開平7−76162号公報 特公平3−25352号公報 特開平7−89218号公報 特公平6−62003号公報 特開平9−99638号公報 特開平10−44587号公報 特開平10−309863号公報 国際公開第02/055598号パンフレット
上記のプライマー層に従来用いられていた樹脂は、さらにその上に各種樹脂のインク受容層をコーティングにより形成するにあたっては、プライマー層に対するコーティング液の濡れ性が必ずしも優れているとは言えず、はじきなどが生じて均一に塗れない場合があった。また、アクリル樹脂のように、基材が合成紙の場合には良好な接着性を有するが、基材がポリエチレンテレフタレートの場合には接着性は十分とはいえないものもあった。さらに、塩素化プロピレン樹脂のように、焼却時に酸性ガス等の有害物質を発生するものは、環境問題の観点から非塩素系材料への移行が強く望まれているのが現状である。
また、水性のコーティング剤を用いてプライマー層形成する場合には、従来のコーティング剤には乳化剤類が含まれているため、この成分がプライマー層中に残存し、使用量が多い場合は、プライマー層の耐水性や、基材との接着性を損ねたり、ブリードアウトにより環境的、衛生的にも好ましくないばかりか、経時的に性能が変化してしまう恐れもあった。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定組成のポリオレフィン樹脂をプライマー層として用いると、基材との良好な接着性に加えて、インク受容層のはじきのない優れた塗工性が得られ、また、このプライマー層を特定樹脂の水性分散体を用いて製造すれば、脱溶剤の観点から環境に配慮することができ、さらに水性分散体に乳化剤を使用しないことにより、各層間の接着性向上が図れるとともに衛生的にも優れたインクジェット記録材が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)基材、プライマー層、インク受容層をこの順で積層してなるインクジェット記録材において、プライマー層が下記ポリオレフィン樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)を含有することを特徴とするインクジェット記録材。
ポリオレフィン樹脂(A):
不飽和カルボン酸単位(A1)を0.01〜5質量%、及びエチレン単位(A2)と(メタ)アクリル酸エステル単位(A3)を含有し、(A2)と(A3)の質量比(A2)/(A3)が55/45〜99/1であるポリオレフィン樹脂。
ポリオレフィン樹脂(B):
不飽和カルボン酸単位(B1)を0.01〜10質量%、炭素数3〜6の不飽和炭化水素単位(B2)を50〜98質量%、含有するポリオレフィン樹脂。
(2)基材が合成紙または熱可塑性樹脂フィルムであることを特徴とする(1)記載のインクジェット記録材。
(3)プライマー層の厚みが0.1〜20μmであることを特徴とする(1)または(2)記載のインクジェット記録材。
(4)プライマー層中に乳化剤を実質的に含まないことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録材。
(5)ポリオレフィン樹脂(A)がエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体ある(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録材。
(6)プライマー層中に、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して架橋剤成分を0.1〜30質量部含有している(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェット記録材。
(7)請求項1記載のインクジェット記録材の製造であって、基材の少なくとも片面に、数平均粒子径が1μm以下の上記ポリオレフィン樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)を含有する水性分散体を塗布、乾燥し、プライマー層を設ける工程を含む製造方法。
本発明のインクジェット記録材は、プライマー層として特定のポリオレフィン樹脂を用いることによって、基材/プライマー層/インク受容層の各層間の密着性にすぐれた材料が得られる。特に、プライマー層上にインク受容層を形成する際のはじきが抑制されることにより、インク受容層の均一性が得られ、印字特性の向上に寄与することができる。また、プライマー層の形成の際に、特定ポリオレフィン樹脂の水性分散体を用いることによって、脱溶剤の観点から環境に配慮した製造工程を用いることができる。さらに水性分散体として乳化剤を含まないものを使用することにより、プライマー層中に乳化剤が残存せず、記録材を構成する各層間の接着性がさらに向上するとともに、衛生的にも改善されたインクジェット記録材が提供される。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録材は、基材、プライマー層、インク受容層をこの順で積層してなるものであり、プライマー層が後述するポリオレフィン樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)を含有している。ポリオレフィン樹脂(A)およびポリオレフィン樹脂(B)は、環境面から非塩素系(塩素原子を有していない)樹脂であることが好ましい。プライマー層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜20μmであることが好ましく、0.3〜15μmであることがより好ましく、0.3〜10μmであることがさらに好ましく、0.5〜8μmであることが特に好ましい。厚みが、0.1μm未満ではプライマーとしての効果が小さく、20μmを超えると乾燥時間が長くなる。
ポリオレフィン樹脂(A)は、不飽和カルボン酸単位(A1)を0.01〜5質量%、及びエチレン単位(A2)と(メタ)アクリル酸エステル単位(A3)を含有し、(A2)と(A3)の質量比(A2)/(A3)が55/45〜99/1であるポリオレフィン樹脂である。
不飽和カルボン酸単位(A1)は、ポリオレフィン樹脂(A)中に0.01〜5質量%含有していることが必要であり、より好ましくは0.1〜5質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%であり、1〜4質量%が最も好ましい。(A1)成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、インク受容層との接着性が低下する傾向がある。一方、(A1)成分の含有量が5質量%を超える場合には、ポリオレフィン樹脂(A)の極性が高くなり、極性の低い材料との接着性が低下する。
(A1)成分は、不飽和カルボン酸や、その無水物により導入され、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特
にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また不飽和カルボン酸単位(A1)は、ポリオレフィン樹脂(A)中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。なお、酸無水物を導入した場合には、樹脂の乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した酸無水物構造を形成しているが、特に塩基性化合物を含有する媒体中では、その一部、または全部が開環してカルボン酸、あるいはその塩の構造をとる場合がある。
さらに、(A2)成分と(A3)成分との質量比(A2)/(A3)は、この2成分の合計量を100質量%とした場合55/45〜99/1の範囲であることが必要であり、様々な基材やインク受容層との良好な接着性を持たせるために、この範囲は60/40〜97/3であることがより好ましく、65/35〜95/5であることがさらに好ましく、70/30〜92/8であることが特に好ましく、75/25〜90/10であることが最も好ましい。(A3)成分の比率が1質量%未満では、インク受容層との接着性が低下する恐れがある。一方、化合物(A3)の含有量が45質量%を超えるとオレフィン由来の樹脂の性質が失われ、基材との接着性が低下する恐れがある。
(メタ)アクリル酸エステル(A3)単位としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、基材やインク受容層との接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。(なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。)
ポリオレフィン樹脂(A)としては、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体が最も好ましい。共重合体の形態はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいが、入手が容易という点でランダム共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル(A3)単位は、樹脂を水性化した場合(後述)には、エステル結合のごく一部が加水分解してアクリル酸単位に変化することがあるが、その様な場合には、それらの変化を加味した各構成成分の比率が規定の範囲にあればよい。
本発明において、ポリオレフィン樹脂(A)は、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、通常0.01〜10000g/10分、好ましくは0.1〜1000g/10分、より好ましくは1〜500g/10分、さらに好ましくは2〜300g/10分、特に好ましくは2〜200g/10分のものを用いることができる。ポリオレフィン樹脂(A)のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、インク受容層との接着性が低下したり、樹脂の水性化が困難になったりする。一方、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが10000g/10分を超えると、塗膜は硬くてもろくなり、基材やインク受容層との接着性が低下してしまう。
ポリオレフィン樹脂(A)の合成法は特に限定されず、一般的には、ポリオレフィン樹脂を構成するモノマーをラジカル発生剤の存在下、高圧ラジカル共重合して得られる。また、不飽和カルボン酸単位はグラフト共重合(グラフト変性)されていてもよい。
また、上記成分以外に他の成分をポリオレフィン樹脂(A)全体の10質量%以下程度、含有していてもよく、他の成分としては、プロピレン、ブテン類、1−オクテン、ノルボルネン類等の炭素数3〜20のアルケン類やジエン類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、置換スチレン、一酸化炭素、二酸化硫黄、などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
ポリオレフィン樹脂(B)は、不飽和カルボン酸単位(B1)を0.01〜10質量%、炭素数3〜6の不飽和炭化水素単位(B2)を50〜98質量%、含有するポリオレフィン樹脂である。
不飽和カルボン酸単位(B1)は、ポリオレフィン樹脂(B)中に0.01〜10質量%含有していることが必要であり、より好ましくは0.1〜8質量%であり、さらに好ましくは0.5〜7質量%であり、1〜5質量%が最も好ましい。(B1)成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、インク受容層との接着性が低下する恐れがある。一方、(A1)成分の含有量が10質量%を超える場合には、ポリオレフィン樹脂(B)の極性が高くなり、極性の低い材料との接着性が低下する傾向にある。
(B1)は、不飽和カルボン酸や、その無水物により導入され、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また不飽和カルボン酸単位(B1)は、ポリオレフィン樹脂(B)中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。なお、酸無水物を導入した場合には、樹脂の乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した酸無水物構造を形成しているが、特に塩基性化合物を含有する媒体中では、その一部、または全部が開環してカルボン酸、あるいはその塩の構造をとる場合がある。
(B1)成分をポリオレフィン樹脂(B)へ導入する方法は特に限定されないが、例えば、ラジカル発生剤存在下、ポリオレフィン樹脂(B)と不飽和カルボン酸とをポリオレフィン樹脂(B)の融点以上に加熱溶融して反応させる方法や、ポリオレフィン樹脂(B)を有機溶剤に溶解させた後、ラジカル発生剤の存在下で加熱、攪拌して反応させる方法等によりポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸単位をグラフト共重合する方法が挙げられる。操作が簡便である点から前者の方法が好ましい。グラフト共重合に使用するラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、エチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーフタレート等の有機過酸化物類やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類が挙げられる。これらは反応温度によって適宜、選択して使用すればよい。
さらに、炭素数3〜6の不飽和炭化水素単位(B2)の含有量は、50〜98質量%である必要があり、好ましくは60〜98質量%、より好ましくは70〜98質量%、さらに好ましくは75〜98質量%である。炭素数3〜6の不飽和炭化水素の含有量が50質量%未満ではポリプロピレン等のポリオレフィン材料に対する接着性が低下し、98質量%を超えると相対的に後述する不飽和カルボン酸単位の含有量が低下してしまうために、インク受容層との接着性が低下す
る恐れがある。炭素数3〜6の不飽和炭化水素としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等のアルケン類やブタジエンやイソプレン等のジエン類が挙げられ、樹脂の製造のし易さ、各種材料に対する接着性等の点から、プロピレン成分またはブテン成分(1−ブテン、イソブテンなど)であることが好ましく、両者を併用することもできる。本発明で用いるポリオレフィン樹脂としては、上記した炭素数3〜6の不飽和炭化水素以外にさらにエチレン成分を2〜50質量%含有していることが好ましい。エチレン成分を含有することで、各種材料に対する接着性が向上する。
本発明に用いるポリオレフィン樹脂(B)として特に好ましい(B2)構成は、プロピレン成分、ブテン成分、エチレン成分の3成分を含有するものであり、その構成比率は、この3成分の総和を100質量部としたとき、プロピレン成分8〜90質量部、ブテン成分8〜90質量部、エチレン成分2〜50質量部である。
ポリオレフィン樹脂(B)において、(B2)成分の共重合形態は限定されず、ランダム共重合、ブロック共重合等が挙げられるが、重合のし易さの点から、ランダム共重合されていることが好ましい。また、本発明の構成成分比率となるように2種以上のポリオレフィン樹脂を混合してもよい。
また、上記成分以外に他の成分をポリオレフィン樹脂(B)全体の10質量%以下程度、含有していてもよく、他の成分としては、1−オクテン、ノルボルネン類等の炭素数6以上のアルケン類やジエン類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、置換スチレン、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類、一酸化炭素、二酸化硫黄、などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。中でも、基材やインク受容層との接着性、樹脂の水性化し易さの点から、(メタ)アクリル酸エステル類をポリオレフィン樹脂(B)全体の0.1〜10質量%含有していることがより好ましく、0.5〜10質量%含有していることがさらに好ましく、1〜10質量%含有していることが特に好ましい。(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂(B)はテトラヒドロフラン、トルエン等の有機溶剤に溶解し易いため、樹脂の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン樹脂を標準として求めることができる。ポリオレフィン樹脂(B)の重量平均分子量は5,000〜150,000であることが好ましく、20,000〜120,000であることがより好ましく、30,000〜100,000であることがさらに好ましく、35,000〜90,000であることが特に好ましく、40,000〜80,000であることが最も好ましい。重量平均分子量が5,000未満の場合は、基材との接着性が低下したり、得られる塗膜が硬くてもろくなる傾向がある。重量平均分子量が150,000を超える場合は、インク受容層との接着性が低下したり、樹脂の水性化が困難になったりする。
本発明において、ポリオレフィン樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)はそれぞれ単独で用いてもよいし、(A)/(B)=0〜100/100〜0の任意の質量比で混合して用いてもよい。基材の種類やインク受容層の種類によっては、接着性を向上させる目的で、ポリウレタン、ポリエステル、エチレンー酢酸ビニル重合体、ゴム系樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂等の重合体を、ポリオレフィン樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)の合計100質量部に対し、1〜50質量部、好ましくは3〜30質量部程度、添加してもよい。
本発明において、基材やインク受容層との接着性、耐水性、耐溶剤性等の性能をさらに向上させるために、架橋剤をポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜20質量部である。架橋剤の添加量が0.1質量部未満の場合は、各種性能の向上の程度が小さく、30質量部を超える場合は、加工性等の性能が低下してしまう。架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属等を用いることができ、このうちイソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。また、これらの架橋剤を組み合わせて使用しても良い。
プライマー層中には後述する乳化剤を実質的に含有していないことが特に好ましい。乳化剤は、耐水性、基材との接着性を低下させる原因となる。
基材としては、紙、合成紙、熱可塑性樹脂フィルム等が挙げられ、本発明のプライマー性能をより発現させるために、合成紙または熱可塑性樹脂フィルムを用いることが好ましい。
合成紙としては、ポリオレフィン系合成紙用を用いることが好適である。ここで、ポリオレフィン系とは、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂や、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を主体とすることを意味する。これらの樹脂は、単独で用いもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。これらの中では、ポリプロピレンを用いることが、耐薬品性、耐熱性、コストの面などから最も好ましい。ポリプロピレンの立体構造は特に限定されないが、例えば、アイソタクチック又はシンジオタクチック、及び種々の程度の立体規則性を有するプロピレン単独重合体や、主成分であるプロピレンと、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。これらの共重合体は、2元以上の多元共重合体であってもよく、ランダム共重合体、ブロック共重合体であってもよい。
合成紙は、フィラーを含有するものが好ましい(一般には75質量%以下)。合成紙に使用するフィラーとしては、無機系では、炭酸カルシウム、クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、アルミナ等を挙げることができる。フィラーの平均粒子径は0.01〜15μmのものが好ましい。有機系では、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12、環状ポリオレフィン等の重合体であって、ポリオレフィン樹脂の融点より高い融点ないしガラス転移温度を有するものを使用することができる。フィラーは無機系のものが好ましい。
合成紙の構造は、特に限定されない。したがって、単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造としては、例えば基材層と表面層の2層構造、基材層と表裏面に表面層が存在する3層構造、基材層と表面層の間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造を例示することができる。また、各層は無機や有機のフィラーを含有していてもよいし、含
有していなくてもよい。また、ポリオレフィン系合成紙としては、微細なボイドを多数有する微多孔性合成紙を使用することができる。中でも空孔率が5〜60%、好ましくは8〜40%のものを用いることが好ましい。ポリオレフィン系合成紙の厚みは特に限定されない。なお、一般に、こうした合成紙の厚みは通常20〜400μm程度である。
本発明のインクジェット記録材の基材に用いるポリプロピレン系合成紙としては、例えば、王子油化合成紙株式会社製のユポFPG、ユポFGS、ユポGFG、ユポKPK等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂フィルムとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂またはそれらの混合物よりなるフィルムまたはそれらのフィルムの積層体が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート系が好ましい。熱可塑性樹脂フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでも良く、製法も限定されるものではない。熱可塑性フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常5〜500μmであれば良い。
熱可塑性樹脂フィルムは、フィラーを含有していてもよい。フィラーとしては、無機系のものが好ましく、炭酸カルシウム、クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、アルミナ等を挙げることができる。
インク受容層は、特に限定されず公知のものを使用することができる。インク受容層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコールおよびシラノール基等で変性された誘導体、ポリビニルピロリドン、カゼイン等の蛋白質、澱粉およびその誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル化変性物、カチオン性基等の官能基含有変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化樹脂等の合成樹脂系の水性接着剤、無水マレイン酸共重合樹脂系、ポリアクリルアミド系 、ポリメチルメタクリレート系、ポリウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、飽和ポリエステル樹脂系、ポリビニルブチラール系、アルキッド樹脂系等の合成樹脂系接着剤などの高分子が、接着性が良く、かつ水性インクとの親和性が良いため、吸液性を向上させるので、好ましく用いられる。
インク受容層は、インクの吸収、インク中の顔料や染料の固着、及び顔料や染料の発色に寄与する層であり、インク受容層に用いられる顔料は多孔性でインクの吸収性が高く、且つ鮮明な発色を可能とする顔料を含有することが好ましい。このような顔料としては、微粒子合成シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、焼成クレー、カオリンクレー、タルク、ホワイトカーボン、有機顔料(プラスチックピグメント)等や、一般に紙塗工に用いられている顔料が例示できるが、特に微粒子合成シリカを用いることが好ましい。このような顔料の使用比率は限定しないが、受容層の総固形分の10〜90質量%である。10質量%未満ではインク吸収性が不十分となり、90質量%を越えるとインク受容層の強度の低下する恐れがある。
本発明のインクジェット記録材にポリオレフィン樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)を含有するプライマー層を形成させる方法として、(ア)樹脂を溶融して積
層する、(イ)樹脂を有機溶剤に溶解または分散したものを塗布、乾燥する、(ウ)樹脂を水性分散体としたものを塗布、乾燥する方法が挙げられる。
(ア)の方法は、比較的、耐熱性の高い熱可塑性樹脂フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートやナイロン6などの融点が150℃以上の樹脂からなるフィルム)を基材とする場合に用いることが好ましい。一方、基材としてポリオレフィン樹脂からなる合成紙等を用いた場合、溶融した樹脂の熱によって基材がダメージ(収縮、カール等)を受け、基材層やプライマー層の厚みを薄くできないことがあるので、こうした場合には(イ)や(ウ)の方法を用いればよい。
(イ)の方法の場合、有機溶剤としては、トルエン、キシレン、エチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、酢酸ブチル等を挙げることができ、これらの混合物も使用することができる。ポリオレフィン樹脂(B)は比較的、溶剤に溶解し易いためこの方法を良好に用いることができる。しかし、前述のように、環境保護、省資源、消防法等による危険物規制、職場環境改善の立場から有機溶剤の使用が制限される傾向にあることから。(ウ)の方法を用いることが特に好ましい。
以下、ポリオレフィン樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)の水性分散体として使用する方法(ウ)について説明する。ここで、水性分散体とは、樹脂微粒子が水性媒体中に分散または溶解したものをいう。また、水性媒体は、水を主成分とする媒体であり、後述する水溶性の有機溶剤(アルコール類、アミン類)を含有していてもよい。
ポリオレフィン樹脂の水性分散体を製造する方法は特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、水性媒体および必要に応じてその他の成分を密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができる。
容器としては、液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された水性媒体と樹脂との混合物を適度に撹拌できるものであればよい。そのような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機として広く当業者に知られている装置を使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好ましい。撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されない。
この装置の槽内に各原料を投入した後、好ましくは40℃以下の温度で攪拌混合しておく。次いで、槽内の温度を50〜200℃、好ましくは60〜200℃の温度に保ちつつ、好ましくは5〜120分間攪拌を続けることにより樹脂を十分に水性化させ、その後、好ましくは攪拌下で40℃以下に冷却することにより、水性分散体を得ることができる。槽内の温度が50℃未満の場合は、樹脂の水性化が困難になる。槽内の温度が200℃を超える場合には、ポリオレフィン樹脂の分子量が低下する恐れがある。
この際に、塩基性化合物を添加することが好ましい。塩基性化合物によってポリオレフィン樹脂のカルボキシル基または酸無水物基をアニオン化し、アニオンの静電気的反発力によって樹脂微粒子間の凝集を防ぎ、水性分散体を安定させることができる。塩基性化合物の添加量は、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基(酸無水物基1モルはカルボキシル基2モルとみなす)に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、0.8〜2.5倍当量がより好ましく、1.0〜2.0倍当量が特に好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、3.0倍当量を超えるとプライマー層形成時の乾燥時間が長くなったり、水分散液が着色する場合がある。
ここで添加される塩基性化合物としては、LiOH、KOH、NaOH等の金属水酸化物のほか、プライマー層の耐水性の面からは層形成時に揮発する化合物が好ましく、アンモニアまたは各種の有機アミン化合物が好ましい。有機アミン化合物の沸点は250℃以下であること
が好ましい。250℃を超えると樹脂塗膜から乾燥によって有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、塗膜の耐水性が悪化する場合がある。有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
また、ポリオレフィン樹脂の水性化の際に有機溶剤を添加することが好ましい。有機溶剤としては、良好な水性分散体を得るという点から、20℃における水に対する溶解性が20g/L以上のものが好ましく用いられ、さらに好ましくは100g/L以上である。有機溶剤の添加量はポリオレフィン樹脂の水性分散体100質量部に対して1〜40質量部であることが好ましく、2〜30質量部がより好ましく、3〜20質量部が特に好ましい。なお、有機溶剤は、常圧または減圧下で水性分散体を攪拌しながら加熱することで、その一部を系外へ除去(ストリッピング)することができ、最終的には、ポリオレフィン樹脂の水性分散体100質量部に対して1質量部以下とすることもできる。使用される有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられ、低温乾燥性の点からエタノール、イソプロパノール、n−プロパノールが特に好ましい。
水性分散体中の樹脂粒子の数平均粒子径(以下、mn)は、水性分散体の保存安定性が向上するという観点から、1μm以下が好ましく、プライマー層の平滑性や低温造膜性の観点から0.5μm以下がより好ましく、0.3μm以下がさらに好ましく、0.1μm以下が最も好ましい。さらに、重量平均粒子径(以下、mw)に関しては、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.2μm以下が特に好ましい。粒子径を小さくすることで、プライマー層の平滑性や低温造膜性が向上する。粒子の分散度(mw/mn)は、水性分散体の保存安定性、プライマー層の平滑性の観点から、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。粒子径の下限は特にないが、通常、mn、mwともに0.01μm程度である。
水性分散体における、樹脂含有率は、成膜条件、目的とする樹脂層の厚さや性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではないが、水性分散体の粘性を適度に保ち、かつ良好なプライマー層形成能を発現させる点で、1〜50質量%が好ましく、3〜50質量%がより好ましく、5〜45質量%がさらに好ましく、5〜40質量%が特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)の水性分散体は、耐水性、基材との接着性、衛生面の理由から、乳化剤の含有量は樹脂固形分100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、1質量部以下がさらに好ましく、0.1質量部以下が特に好ましく、乳化剤を実質的に含有しないことが最も好ましい。乳化剤が樹脂固形分100質量部あたり10質量部を超えると、プライマー層に残存した乳化剤成分が、プライマー層を可塑化して性能を悪化させたり、溶出しやすくなる。
本発明でいう乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
本発明の基材、プライマー層、インク受容層を有するインクジェット記録材の製造する方法としては、基材の少なくとも片面に、前述した方法で作成した数平均粒子径が1μm以下のポリオレフィン樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)を含有する水性分散体を塗布、乾燥し、プライマー層を設けることが好ましい。
基材にプライマー層を設ける際、水性分散体は、被膜形成能に優れているので、公知の成膜方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等により各種基材表面に均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥又は乾燥と焼き付けのための加熱処理に供することにより、均一な樹脂被膜を各種基材表面に接着させて形成することができる。このときの加熱装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや赤外線ヒーター等を使用すればよい。また、加熱温度や加熱時間としては、被コーティング物である基材の特性や後述する硬化剤の種類、配合量等により適宜選択されるものである。なお、架橋剤を添加した場合は、ポリオレフィン中のカルボキシル基と架橋剤との反応を十分進行させるために、加熱温度および時間は架橋剤の種類によって適宜選定することが望ましい。さらに架橋反応を進行させるためにエージング処理を行ってもよい。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、各種の特性については以下の方法によって測定または評価した。
1. 樹脂の特性
(1)ポリオレフィン樹脂(A)および(B)の構成
1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)より求めた。ポリオレフィン樹脂は、オルトジクロロベンゼン(d4)を溶媒とし、120℃で測定した。ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸含有量は樹脂の酸価をJIS K5407に準じて測定し、その値から不飽和カルボン酸の含有量を求めた。
(2)ポリオレフィン樹脂(A)の水性化後のエステル基残存量
ポリオレフィン樹脂の水性分散体を150℃で乾燥させた後、オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い、水性化前の(メタ)アクリル酸エステルのエステル基量を100%としてエステル基の残存率(%)を求めた。
(3)ポリオレフィン樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)
JIS 6730記載(190℃、2160g荷重)の方法で測定した。
(4)ポリオレフィン樹脂(B)の重量平均分子量
GPC分析(東ソー社製HLC-8020、カラムはTSK-GEL)を用いて、試料をテトラヒドロフランに溶解して40℃で測定し、ポリスチレン標準試料で作成した検量線から重量平均分子量を求めた。
2. 水性分散体の特性
(1)水性化収率
水性化後の水性分散体を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)した際に、フィルター上に残存する樹脂質量を測定し、仕込み樹脂質量より収率を算出した。
(2)水性分散体の固形分濃度
水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
(3)水性分散体の平均粒子径
日機装株式会社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340、動的光散乱法)を用い、数平均粒子径および重量平均粒子径を求めた。ここで、粒子径算出に用いる樹脂の屈折率は1.50とした。
(4)水性分散体のポットライフ
水性分散体を室温で30日放置した後の水性分散体の外観を次の3段階で評価した。
○:外観に変化なし。
△:増粘がみられる。
×:固化、凝集や沈殿物の発生が見られる。
3.材料特性
以下の評価においては、合成紙としてポリプロピレン系合成紙であるユポ紙(王子油化合成紙社製FGS-95、以下、合成紙)、熱可塑性樹脂フィルムとして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12、厚み12μm、以下、PET)、2軸延伸ナイロン6フィルム(ユニチカ社製エンブレム、厚み15μm、以下、Ny)、延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製、厚み20μm、以下、PP)を用いた。
(1)プライマーの耐水性評価方法
2軸延伸PETフィルムの未処理面にポリオレフィン樹脂水性分散体を乾燥後のプライマー層の厚が2μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、100℃で2分間、乾燥させた。得られたコートフィルムは室温で1日放置後、評価した。塗膜を水で濡らした布で10回擦り、塗膜の状態を目視で評価した。
○:変化なし、△:塗膜がくもる、×:塗膜が完全に溶解
(2)基材/プライマー層の接着性評価(接着性I)
各種基材の未処理面にポリオレフィン樹脂水性分散体を乾燥後のプライマー層の厚が2μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、100℃で2分間、乾燥させた。得られた積層体は室温で1日放置後、評価した。プライマー層表面にセロハンテープ(ニチバン社製TF-12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を目視で評価した。
○:全く剥がれなし、△:一部、剥がれた、×:全て剥がれた
(3)インク受容層のコート適性
(2)の方法で作製した積層体のプライマー層表面に、各種インク受容層を形成するためのコート剤を乾燥後の塗膜厚が20μmになるようにマイヤーバーを用いてコートし、コートした後、100℃で10分間、乾燥させた。インク受容層のコート適性を目視で以下のように評価した。
○:はじき、コートむらなし、×:はじき、コートむらあり
(4)基材/プライマー層/受容層の接着性評価(接着性II)
(2)の方法で作製した積層体のプライマー層表面に、各種インク受容層を形成するためのコート剤を乾燥後の塗膜厚が20μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、100℃で10分間、乾燥させた。得られた積層体(インクジェット記録材)は室温で1日放置後、評価した。インク受容層表面にセロハンテープ(ニチバン社製TF-12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を目視で評価した。
○:全く剥がれなし、△:一部、剥がれた、×:全て剥がれた
(5)印字部(インク)の接着性評価(接着性III)
(4)の方法で作製した積層体のインク受容層面に、インクジェットプリンタ(セイコ
ーエプソン社製 PM-770C、インクはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)で印字を行った(フィルムを用いた場合、紙に貼り付けて印字した)。印字面にセロハンテープ(ニチバン社製TF-12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を目視で評価した。
○:全く剥がれなし、△:一部、剥がれた、×:全て剥がれた
(6)印字性
(4)の方法で作製した積層体のインク受容層面に、インクジェットプリンタ(セイコーエプソン社製 PM-770C、インクはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)で印字を行った。印字部の状態を10倍のルーペで観察した。
○:全てのインクで印字部にむらなし、△:一部のインクで印字部にむらあり、×:全てのインクで印字部にむらあり
(ポリオレフィン樹脂P−1の製造)
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合体(ヒュルスジャパン社製、ベストプラスト708、プロピレン/ブテン/エチレン=65/24/11質量%)100g、トルエン500gを、攪拌機、冷却管、滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で加熱溶融させた後、系内温度を110℃に保って攪拌下、ラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド1.0gのヘプタン20g溶液を1時間かけて加えた後、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸7.0g、アクリル酸ラウリル9.0g、ジクミルパーオキサイド0.5gのヘプタン10g溶液をそれぞれ1時間かけて滴下し、その後30分間反応させた。反応終了後、室温まで冷却した後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応物を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥してポリオレフィン樹脂P−1を得た。P−1の重量平均分子量は50,000、酸価46mgKOH/g、アクリル酸オクチルの樹脂中の含有量は6質量%であった。
その他のポリオレフィン樹脂は市販のものを使用した。以下の水性分散体の製造において使用したポリオレフィン樹脂の組成を表1に示す。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の製造)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂〔ボンダインHX-8290、住友化学工業社製〕、60.0gのイソプロパノール(和光純薬社製)、2.5gのトリエチルアミン(和光純薬社製)および177.5gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を120℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を得た。水性分散体の各種特性を表2に示した。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2の製造)
ポリオレフィン樹脂としてボンダインHX8210(住友化学工業社製)を用いた以外はE−1の製造と同様の操作でポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を得た。水性分散体の各種特性を表2に示した。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3の製造)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂(P−1)、90.0gのn−プロパノール(和光純薬社製)、5.5gのN,N−ジメチルエタノールアミン(和光純薬社製)及び144.5gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白黄色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を得た。水性分散体の各種特性を表2に示した。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体H−1の製造)
ポリオレフィン樹脂としてエチレン−アクリル酸共重合体樹脂(プリマコール5980I、アクリル酸20質量%共重合体、ダウケミカル製)を用いた。ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、45.0gのエチレン−アクリル酸共重合体樹脂(プリマコール5980I(エ)、ダウケミカル社製)、12.8gのトリエチルアミン、および242.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を120℃に保ってさらに40分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、微白濁の水性分散体H−1を得た。水性分散体の各種特性を表2に示した。
(インク受容層A)
ポリウレタン系バインダー(三井武田社製、タケラックW-6010)の固形分100質量部に対し、微粉末シリカ(トクヤマ社製、ファインシール)20質量部を添加し、分散させたものを使用した。
(インク受容層B)
ポリウレタン系バインダー(大日本インキ工業社製、パテラコールIJ-30)を使用した。
実施例1
ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体E−1を用いて各種性能評価を行った。結果を表3に示す。
実施例2、3
ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体E−2、およびポリオレフィン樹脂(B)の水性分散体E−3を用いて各種性能評価を行った。結果を表3に示す。
実施例4
ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体E−1とポリオレフィン樹脂(B)の水性分散体E−3とを、樹脂の固形分質量比が50/50になるように混合したものをE−4とした。E−4を用いて各種性能評価を行った。結果を表3に示す。
比較例1
ポリオレフィン樹脂水性分散体H−1を用いて各種性能評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1〜4では、本発明の範囲の組成を有する特定ポリオレフィン樹脂をプライマー層とすることにより、耐水性、各種基材との接着性、インク受容層のコート適性、受容層との接着性、印字部の接着性、印字性等の性能は良好であった。一方、比較例1のように、本発明の範囲を外れる組成のポリオレフィン樹脂をプライマー層に使用した場合、各種接着性は劣っており、インクジェット記録材としては適していなかった。

Claims (7)

  1. 基材、プライマー層、インク受容層をこの順で積層してなるインクジェット記録材において、プライマー層が下記ポリオレフィン樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)を含有することを特徴とするインクジェット記録材。
    ポリオレフィン樹脂(A):
    不飽和カルボン酸単位(A1)を0.01〜5質量%、及びエチレン単位(A2)と(メタ)アクリル酸エステル単位(A3)を含有し、(A2)と(A3)の質量比(A2)/(A3)が55/45〜99/1であるポリオレフィン樹脂。
    ポリオレフィン樹脂(B):
    不飽和カルボン酸単位(B1)を0.01〜10質量%、炭素数3〜6の不飽和炭化水素単位(B2)を50〜98質量%、含有するポリオレフィン樹脂。
  2. 基材が合成紙または熱可塑性樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録材。
  3. プライマー層の厚みが0.1〜20μmであることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録材。
  4. プライマー層中に乳化剤を実質的に含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録材。
  5. ポリオレフィン樹脂(A)がエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録材。
  6. プライマー層中に、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して架橋剤成分を0.1〜30質量部含有している請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録材。
  7. 請求項1記載のインクジェット記録材の製造方法であって、基材の少なくとも片面に、数平均粒子径が1μm以下の上記ポリオレフィン樹脂(A)および/またはポリオレフィン樹脂(B)を含有する水性分散体を塗布、乾燥し、プライマー層を設ける工程を含む製造方法。
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