JP2013241716A - 食品包装紙用コート剤および食品包装用コート紙 - Google Patents

食品包装紙用コート剤および食品包装用コート紙 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、安全性が高く、耐油性、撥水性およびスリップ性に優れ、例えば、薄紙に使用した場合にもその風合いを損ねず、ならびに塗工性が良好な食品包装紙用コート剤を提供することを目的とする。
【解決手段】コアシェル型アクリル樹脂水性エマルジョンと、パラフィンワックス水性分散体とを含有し、コアシェル型アクリル樹脂100重量部に対するパラフィンワックスの不揮発分比率が1重量部以上10重量部以下であることを特徴とする食品包装紙用コート剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品用包装紙に関する。
従来より食品包装用素材には、ラミネート紙や耐油紙等の加工紙が用いられ、食品由来の油分等が染み出して紙の強度が落ちたり手が汚れたりしないような処理が施されて来た。
ラミネート紙としてはポリエチレンラミネート紙などが一般的であるが、何れも紙リサイクルの観点からはフィルム部分が障害となり、効率の良いリサイクルには特殊な装置が必要となる。
一方、耐油紙にはフッ素系の耐油剤が使用されることが主流であったが、加熱により不活性ガスが発生する問題のほか、一部成分が人体に対して蓄積性があることから積極的に使用しにくいためフッ素系に代わる塗工剤が求められていたしかしながら、フッ素系材料はその低い表面張力から低塗布量でも耐油性を発現するという特徴を持っており、脱フッ素系は価格面で不利となるばかりでなく、必要な性能を得るために塗布量を増やす必要があることから塗工後の巻き取りでブロッキング性が生じる問題があった。
そこで、耐油性とリサイクル適性を両立する耐油紙としては合成樹脂エマルジョンを塗工したものが知られている。
特許文献1にはアンダーコート層とオーバーコート層を有するアクリル系合成樹脂エマルジョンを塗工して耐油性合成樹脂層を形成した食品用耐油紙が開示されており、アンダーコート層樹脂のガラス転移温度を−30〜0℃、オーバーコート層樹脂のガラス転移温度を0〜30℃とすることで耐油層のブロッキングが起こりにくく、製函時の罫線部分での破損が起こりにくいと記載されている。しかし、その塗工量は高くコスト高の原因となり、さらに坪量が低い薄紙に塗工する場合には紙の風合いを損ねてしまうという問題があった。
さらに、近年消費者の健康問題への関心の高まりから、食品包装素材については、今までよりもさらに高い基準の安全性が要求されるようになってきたために、上述したフッ素樹脂系耐油剤だけではなく、合成樹脂エマルジョンについても、使用することが望ましくないとされる成分についてはさまざまな制限がされている。
例えば、米国医薬品食品安全局(以下FDA)には、様々な規格が定められている。例えば、油脂分を含む食品に接する紙類についての規格( FDA §176.170)Components of paper and paperboard in contact with aqueous and fatty foods.) が存在し、食品を包装する紙容器としては、上記規格に適合した材質で設計することが望ましい。
また、例えば薄紙にコート剤を塗布する場合はコート剤が紙の目をすり抜けて塗工機の圧胴ロールやガイドロールに付着、粘着物となり原反の張力に悪影響を及ぼすという問題があった。
特許文献1はそのような薄紙は想定しておらずアンダーコート層塗工の際にガラス転移温度が低い樹脂を塗工しており、かような問題を発生させやすい。
一方、このような耐油紙についてもラミネート紙と同等のスリップ性が求められることが多い。これは塗工後のスリット工程におけるトラブル防止の観点、及び食品の包装をスムーズにするという観点から重要である。このようなスリップ性を付与する添加剤としては、ポリエチレン微粒子の水性分散体が知られている。しかし、充分なスリップ性を発現するには相応の粒子径が必要であり、そのような粒子径のポリエチレン微粒子を分散させる為には乳化剤が必要である。このような機能を有する乳化剤は食品素材への溶出、移行の虞が大きく用いるべきではない。
特開2006−028697号公報
本発明は、安全性が高く、耐油性、撥水性およびスリップ性に優れ、例えば、薄紙に使用した場合にもその風合いを損ねず、ならびに塗工性が良好な食品包装紙用コート剤を提供することを目的とする。
本発明は、コアシェル型アクリル樹脂水性エマルジョンと、パラフィンワックス水性分散体とを含有し、コアシェル型アクリル樹脂100重量部に対するパラフィンワックスの不揮発分比率が1重量部以上10重量部以下であることを特徴とする食品包装紙用コート剤である。
本発明により、安全性が高く、耐油性、撥水性およびスリップ性に優れ、例えば、薄紙に使用した場合にもその風合いを損ねず、ならびに塗工性が良好な食品包装紙用コート剤を提供することができた。
本発明は、コアシェル型アクリル樹脂水性エマルジョンと、パラフィンワックス水性分散体とを含有し、コアシェル型アクリル樹脂100重量部に対するパラフィンワックスの不揮発分比率が1重量部以上10重量部以下であることを特徴とする食品包装紙用コート剤である。コアシェル型アクリル樹脂水性エマルジョンの配合により耐油性が向上する。またパラフィンワックスの配合により耐油性が寄り向上し、撥水性およびスリップ性が得られる。
本発明のパラフィンワックスの不揮発分比率は、コアシェル型アクリル樹脂不揮発分に対して1重量部以上10重量部以下が好ましい。1重量%未満の場合、上記ワックスの機能を充分に得られない恐れがある。一方、10重量部を超えると、樹脂不揮発分が低下し過ぎる為、耐油性が得られない恐れがある。なお不揮発分比率は2重量部以上7重量部以下が好ましい。
コアシェル型アクリル樹脂は、コア部分のガラス転移温度(Tg1)が−40℃以上10℃以下であることが好ましい。−40℃を下回ると樹脂全体としてのガラス転移温度(Tg3)を後述の好ましい範囲内とすることが困難となる。10℃を上回ると塗工直後の樹脂の流動性が不足して充分な耐油性を得ることが困難となる。
コアシェル型アクリル樹脂は、シェル部分のガラス転移温度(Tg2)が90℃以上150℃以下であることが好ましい。90℃を下回ると巻取りの際にブロッキングが発生する恐れがある他、コート剤が原反を抜けて圧胴ロールやガイドロールに付着した際に粘着物となり、原反張力バランスを崩すリスクが高まる恐れがある。また、粘度が高くなり過ぎる恐れがある。150℃を超えるとコアシェル型アクリル樹脂全体としてのガラス転移温度(Tg3)を後述の好ましい範囲内とすることが困難となる。Tg2は100℃以上140℃以下であることがより好ましく、110℃以上130℃以下であることが最も好ましい。
コアシェル型アクリル樹脂の樹脂全体としてのガラス転移温度(Tg3)は5℃以上40℃以下であることが好ましい。5℃を下回ると巻取りの際にブロッキングが発生する恐れがあり、40℃を超えると塗工直後の樹脂の流動性が不足して充分な耐油性を得ることが困難となる。
コアシェル型アクリル樹脂の不揮発分酸価は50mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。50mgKOH/g未満では水溶性部分が不足であり塗工後の造膜が不十分となる恐れがある。100mgKOH/gを超えると水溶性部分が過多となりブロッキングが生じる恐れがある。より好ましい不揮発分酸価は60mgKOH/g以上90mgKOH/g以下であり、最も好ましい不揮発分酸価は70mgKOH/g以上80mgKOH/g以下である。
コアシェル型アクリル樹脂を合成するためのモノマーは、例えばブチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、アクリル酸、アクリロニトリル、ブタジエン、2エチルヘキシルアクリレート、フマル酸、グリシジルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、イタコン酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、イソブチレン、スチレン、ビニルアセテート、ビニリデンクロライドが挙げられる。これらは、1種類以上を使用することが出来る。
コアシェル型アクリル樹脂の不揮発分に占める残存モノマー量は樹脂不揮発分に対して1000ppm以下であることが好ましい。1000ppmを超えると食品素材への溶出及び臭気トラブルの恐れがある。
コアシェル型アクリル樹脂水性エマルジョンの最低造膜温度は0℃以上20℃以下であることが好ましい。本発明の食品包装紙用コート剤は塗工工程と巻き取り工程の間に加温乾燥工程を設けることが好ましく、塗工工程と乾燥工程の間でコート層が造膜して加温乾燥工程でレベリングが生じるが、樹脂の最低造膜温度が20℃を超えると加温乾燥工程までに造膜されずレベリングが不十分となる恐れがある。0℃以下ではそもそも溶媒たる水が凍結してしまい、塗工出来ない。
パラフィンワックスの融点は50℃以上130℃以下であることが好ましい。50℃未満では夏期にワックスが溶融し作業性が悪化する恐れがある。130℃を超えるとスリップ性を付与しにくく、場合によってはスリップ性を抑制してしまう恐れがある。より好ましい融点は50℃以上100℃以下であり、最も好ましくは50℃以上80℃以下である。パラフィンワックスは酸化ワックスであっても良い。
パラフィンワックスの分散剤は特に限定されないが、エマルジョンに添加した際の安定性の観点から非イオン系界面活性剤が好ましく、安全性の観点からエーテル型が更に好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが最も好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのエチレンオキサイドの付加数及びアルキル鎖の鎖長は分散安定性の観点から任意に選択される。
パラフィンワックスの水分散方法は特に限定されず、サンドミル,ホモジナイザー,ボールミル,ペイントシェーカー,超音波分散など、本発明を満たすために自由に選択することができる。
本発明の食品包装紙用コート剤はpHを7〜10に調整することが好ましい。pHが7より低いとコート剤の保存安定性が悪くなり、凝集物が発生する恐れがある。また、pHが10を超えると中和剤が揮発しにくいために速乾性が得にくい場合がある。
中和剤は、例えばアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアルコールアミン類、モルホリン等が挙げられる。これらの中でもアンモニアが好ましい。
本発明の食品包装紙用コート剤は、必要に応じて食品汚染による健康リスクの無い範囲で各種体質顔料、消泡剤、レベリング剤、その他各種改質剤、溶剤を添加することが出来る。
ただし、溶剤を添加する際は経口安全性の観点からエタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、グリセリンから成る群から選択されることが好ましい。
本発明の食品包装紙用コート剤が塗布される紙基材としては、各種の紙、板紙が使用可能であるが、各種未晒クラフト紙、純白ロール紙、各種晒クラフト紙、模造紙等の紙類に対する塗工適性がより優れており、坪量15g/m2以上30g/m2以下の紙類に対する塗工適性が更に優れている。一般的に、坪量30g/m2以下の場合は塗工時に圧胴ロールやガイドロールに付着したコート剤が粘着物となり原反張力バランスを崩すリスクが高くなるが、本発明のコート剤は粘着物となり難い為、かようなリスクが低い。しかし、坪量15g/m2を下回ると各種ロール汚れの頻度が高過ぎる為、トラブルが生じやすくなる恐れがある。坪量20g/m2以上25g/m2以下の紙類に対する塗工適性が最も優れている。
本発明の食品包装紙用コート剤の塗工方法は特に限定されないが、フレキソ方式またはグラビア方式が好ましい。フレキソ方式とは塗料をアニロックスロールと呼ばれる凹版から一旦樹脂版またはゴム版に転移させ、その樹脂版またはゴム版上のコート剤を原反に転移させる方式である。樹脂版またはゴム版をパターニングすることも可能である。グラビア方式は凹版から直接原反にコート剤を転移させる方式と、凹版から一旦平版に転移させた後原反に転移させる所謂グラビアオフセット方式を含む。凹版をパターニングすることも可能である。より好ましい方式はフレキソ方式である。
本発明の食品包装紙用コート剤の塗工は、食品と接触面に2回以上塗工することが好ましい。塗工環境によっては1回の塗工では塗膜欠陥が生じる恐れがあるが、2回以上塗工することでこの塗膜欠陥の頻度を低下させ耐油性を向上させることが可能である。また、紙基材の両面に塗工する場合は、食品接触面に対する2回以上の塗工と、食品非接触面に対する1回以上の塗工を組み合わせることがより好ましい。外面から塗工することで外面側の紙の目を埋めることが可能となり耐油性が増す他、両面塗工によりカールを抑制出来る効果がある。
本発明の食品包装紙用コート剤の塗布量は3g/m2以上5g/m2以下が好ましい。3g/m2未満では紙の目を充分に埋めることが出来ず充分な耐油性が得られない恐れがある。5g/m2を超えると紙特有の風合いが失われてしまう恐れがある。
本発明の食品包装紙は、あらゆる食品の包装材料として使用可能である。食品の例としては、チョコレート、スナック菓子、ドーナツ、クラッカー、ケーキ等の菓子類、ハンバーガー、フライドポテト、フライドチキン、天ぷら等の惣菜類が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお例中、「部」とあるのは「重量部」を、「%」とあるのは「重量%」を意味するものとする。
[コアシェル型エマルジョンの作成]
<樹脂製造例1>
攪拌機,温度計,滴下ロート,還流器を備えた反応容器にプロピレングリコールメチルエーテルアセテート100部を仕込み145℃まで加温する。ここに重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド2部、シェル部モノマー成分としてスチレン30部、メタクリル酸メチル30部、メタクリル酸40部を2時間かけて連続的に添加し、更に43時間反応した後、溶剤を減圧蒸留して除去し、25%アンモニア水0.32部と水を加えて不揮発分を調整して、不揮発分40%のシェル部共重合体(Tg2=113℃)の溶液を得た。撹拌機、温度計、還流器、窒素ガス導入管を備えた反応容器を別途用意し、水14.3部を仕込み、温度70℃まで加温する。重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.3部を加え、別に前記シェル部共重合体の溶液75部とコア部モノマー成分としてスチレン21部、メタクリル酸メチル9.8部、2−エチルヘキシルアクリレート39.2部及び水40.7部を乳化機にて乳化させて調製した乳化液を、窒素気流下にて2時間かけて連続添加し、更に3時間反応してコア部共重合体を重合し(Tg1=−6℃)、不揮発分48.2%、樹脂全体としてのガラス転移温度Tg3=21.3℃、樹脂酸価78.2mgKOH/g、GPC測定による、樹脂不揮発分に対する残留モノマー量300ppmのコアシェル型アクリルエマルジョン1を得た。
<樹脂製造例2>
シェル部モノマー成分をメタクリル酸メチル60部、メタクリル酸40部とし(Tg2=116℃)、25%アンモニア水添加量を0.33部とし、コア部モノマー成分をスチレン15部、メタクリル酸メチル15部、2−エチルヘキシルアクリレート70部とする(Tg1=−24℃)以外は製造例1と同様の製造方法で不揮発分48.0%、Tg3=7℃、樹脂酸価88.0mgKOH/g、樹脂不揮発分に対する残留モノマー量400ppmのコアシェル型アクリルエマルジョン2を得た。
<樹脂製造例3>
シェル部モノマー成分をスチレン50部、メタクリル酸メチル22部、メタクリル酸18部、アクリル酸10部とし(Tg2=107℃)、25%アンモニア水添加量を0.28部とし、コア部モノマー成分をスチレン25部、メタクリル酸メチル25部、2−エチルヘキシルアクリレート50部とする(Tg1=3℃)以外は製造例1と同様の製造方法で不揮発分48.5%、Tg3=28℃、樹脂酸価58.5mgKOH/g、樹脂不揮発分に対する残留モノマー量340ppmのコアシェル型アクリルエマルジョン3を得た。
<樹脂製造例4>
シェル部モノマー成分をスチレン26部、メタクリル酸メチル10部、アクリル酸ブチル10部、メタクリル酸エチル14部、メタクリル酸40部とし(Tg2=83℃)、コア部モノマー成分をスチレン21部、メタクリル酸メチル9.8部、2−エチルヘキシルアクリレート39.2部とする(Tg1=−6℃)以外は製造例1と同様の製造方法で不揮発分47.9%、Tg3=16℃、樹脂酸価78.2mgKOH/g、樹脂不揮発分に対する残留モノマー量680ppmのコアシェル型アクリルエマルジョン4を得た。
<樹脂製造例5>
コア部モノマー成分をスチレン21部、メタクリル酸メチル14部、メタクリル酸エチル7部、2−エチルヘキシルアクリレート28部とする(Tg1=15.7℃)以外は製造例1と同様の製造方法で不揮発分47.6%、Tg3=39℃、樹脂酸価78.2mgKOH/g、樹脂不揮発分に対する残留モノマー量730ppmのコアシェル型アクリルエマルジョン5を得た。
<樹脂製造例6>
米国特許第4529787号明細書に記載されている塊状重合法を使用してシェル部共重合体を作成した。シェル部モノマー成分はα−メチルスチレン13部、メタクリル酸メチル13部、アクリル酸8部(Tg2=127℃)とし、25%アンモニア水添加量を0.25部として、イオン交換水の添加により不揮発分を40.0%とした。別途用意する反応容器への前記シェル部共重合体の溶液の仕込み量を85部とし、コア部モノマー成分をスチレン28部、2−エチルヘキシルアクリレート38部(Tg1=−8℃)とし、その際の水添加量を39.3部とする以外は製造例1と同様のコア部共重合体製造方法で製造し、不揮発分48.8%、樹脂全体としてのガラス転移温度Tg3=26℃、樹脂酸価62.3mgKOH/g、樹脂不揮発分に対する残留モノマー量350ppmのコアシェル型アクリルエマルジョン6を得た。
<ワックス製造例1>
融点60℃、数平均粒子径3μmの未変性パラフィンワックス50部とペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル2部と水48部を羽根型ディスパーで30分間、回転数1000rpmで攪拌し、ワックス分散体1を得た。
<ワックス製造例2>
融点90℃、数平均粒子径5μmの酸化パラフィンワックス(酸化度5mg・KOH/g)34部とオクタエチレングリコールモノドデシルエーテル2部と水64部を羽根型ディスパーで60分間、回転数1000rpmで攪拌し、ワックス分散体2を得た。
<ワックス製造例3>
融点110℃、数平均粒子径5μmの酸化パラフィンワックス(酸化度5mg・KOH/g)30部とデカエチレングリコールモノドデシルエーテル3部と水67部を羽根型ディスパーで60分間、回転数1000rpmで攪拌し、ワックス分散体3を得た。
[コート剤の作成]
<実施例1>
コアシェル型アクリルエマルジョン1:207.5部にワックス分散体1:10部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。得られたコート剤をソロフレックス6色機(Windmoeller&Hoelscher KG社製、アニロックス容量:8cc、乾燥機温度80℃、塗工速度150m/分、版材はハードタイプ)で市販の衛生紙(坪量21g、原反幅850mm、片面光沢。)のザラ面に1度塗工して巻き取った後、ツヤ面に2度塗工して巻取り、耐油紙を得た。重量差より測定される塗布量は3.6g/m2であった。ツヤ面の耐油度(TAPPI UM−557によるキット値)は10、撥水度(JIS P8137)はR7、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数(荷重200gf、速度1cm/秒。以降の実施例でも同様の条件)は2.2、ツヤ面/ザラ面での耐ブロッキング性(荷重5kg/cm2、40℃80%、24時間。以降の実施例でも同様の条件)は「4」であった(1:剥がすことが出来ない、2:剥がす際に著しい破損有り、3:剥がす際にやや破損あり、4:破損は無いが剥離抵抗有り、5:剥離抵抗無し。各評価より僅かに劣る場合は「−」(マイナス)を付記)。
<実施例2>
コアシェル型アクリルエマルジョン2:208.3部にワックス分散体1:6部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。実施例1と同様に塗工して耐油紙を得た。塗布量は3.5g/m2、ツヤ面の耐油度は7、撥水度はR4、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は2.8、耐ブロッキング性は「4−」であった。
<実施例3>
コアシェル型アクリルエマルジョン3:206.2部にワックス分散体1:14部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。得られたコート剤をグラビア印刷4色機(富士機械工業製FB型グラビア印刷機、グラビア版深:7μm、乾燥機温度80℃、塗工速度250m/分)で実施例1と同様の市販衛生紙のザラ面に1度塗工して巻き取った後、ツヤ面に2度塗工して巻取り、耐油紙を得た。塗布量は3.7g/m2、ツヤ面の耐油度は8、撥水度はR9、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は1.9、耐ブロッキング性は「5」であった。
<実施例4>
コアシェル型アクリルエマルジョン1:207.5部にワックス分散体2:14.3部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。実施例1と同様に塗工して耐油紙を得た。塗布量は3.6g/m2、ツヤ面の耐油度は6、撥水度はR7、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は2.3、耐ブロッキング性は「4」であった。
<実施例5>
コアシェル型アクリルエマルジョン1:207.5部にワックス分散体3:16.7部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。実施例1と同様に塗工して耐油紙を得た。塗布量は3.6g/m2、ツヤ面の耐油度は5、撥水度はR7、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は2.4、耐ブロッキング性は「4」であった。
<実施例6>
コアシェル型アクリルエマルジョン1:207.5部にワックス分散体1:3部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。実施例1と同様に塗工して耐油紙を得た。塗布量は3.5g/m2、ツヤ面の耐油度は5、撥水度はR3、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は2.9、耐ブロッキング性は「4−」であった。
<実施例7>
コアシェル型アクリルエマルジョン1:207.5部にワックス分散体1:16部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。実施例1と同様に塗工して耐油紙を得た。塗布量は3.7g/m2、ツヤ面の耐油度は7、撥水度はR9、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は1.8、耐ブロッキング性は「5」であった。
<実施例8>
コアシェル型アクリルエマルジョン4:208.8部にワックス分散体1:10部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。実施例1と同様に塗工して耐油紙を得た。塗布量は3.6g/m2、ツヤ面の耐油度は11、撥水度はR6、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は2.8、耐ブロッキング性は「3」であった。
<実施例9>
コアシェル型アクリルエマルジョン5:210.1部にワックス分散体1:10部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。実施例1と同様に塗工して耐油紙を得た。塗布量は3.8g/m2、ツヤ面の耐油度は4、撥水度はR7、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は2.3、耐ブロッキング性は「5」であった。
<実施例10>
コアシェル型アクリルエマルジョン6:210.1部にワックス分散体1:10部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。実施例1と同様に塗工して耐油紙を得た。塗布量は3.8g/m2、ツヤ面の耐油度は10、撥水度はR7、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は1.9、耐ブロッキング性は「4」であった。
<比較例1>
コアシェル型アクリルエマルジョン1:207.5部にワックス分散体1:1部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。実施例1と同様に塗工して耐油紙を得た。塗布量は3.9g/m2、ツヤ面の耐油度は1、撥水度はR1、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は4.3、耐ブロッキング性は「3−」であった。
<比較例2>
コアシェル型アクリルエマルジョン1:207.5部にワックス分散体1:24部を添加してディスパーによる攪拌混合で均一化し、コート剤を得た。実施例1と同様に塗工して耐油紙を得た。塗布量は3.7g/m2、ツヤ面の耐油度は0、撥水度はR5、ツヤ面/ザラ面での動摩擦係数は1.7、耐ブロッキング性は「5」であった。
以上の結果から、実施例1〜10は比較例1〜2と比較して諸物性が優れていることが解る。
既に述べられたもの以外に、本発明の新規かつ有利な特徴から外れることなく、上記の実施形態に様々な修正や変更を加えてもよいことに注意すべきである。従って、そのような全ての修正や変更は、添付の請求の範囲に含まれることが意図されている。

Claims (3)

  1. コアシェル型アクリル樹脂水性エマルジョンと、パラフィンワックス水性分散体とを含有し、コアシェル型アクリル樹脂100重量部に対するパラフィンワックスの不揮発分比率が1重量部以上10重量部以下であることを特徴とする食品包装紙用コート剤。
  2. コアシェル型アクリル樹脂は、コア部分のガラス転移温度が−40〜10℃、シェル部分のガラス転移温度が90〜150℃で、
    前記コアシェル型アクリル樹脂全体のガラス転移温度が5〜40℃であり、その不揮発分酸価が50mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、
    コアシェル型アクリル樹脂水性エマルジョンの不揮発分に占める残留モノマーが1000ppm以下であり、その最低造膜温度が20℃以下であることを特徴とする請求項1記載の食品包装紙用コート剤。
  3. 請求項1または2に記載の食品包装紙用コート剤を紙基材に塗工してなる食品包装用コート紙。
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