JP2011026745A - 耐油紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐油層塗工時に、塗料の起泡による操業性低下を防止し、表面欠陥の発生を抑えることによって優れた耐油性を有し、さらに安全性の高い食品包装にも使用可能な耐油紙を提供する。
【解決手段】 紙支持体の少なくとも片面に、少なくとも1層の耐油層を設けた耐油紙において、前記耐油層中にポリエチレングリコールの重合度が6乃至10のジオレイン酸ポリエチレングリコールを耐油層全固形分中の0.01乃至1.0質量%含有させる。また、前記耐油層中に含有する耐油剤がアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらに前記耐油層の塗工量の合計が0.5〜20g/mであることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、動植物油等の油分の浸透を抑制する耐油紙に関するものである。
食品などの包装材料には、紙あるいは板紙が幅広く用いられている。それらの中でもチョコレートやピザ、ドーナツなどの油や油脂成分が多く含まれる食品には油が紙に浸透しないように耐油性を有する紙や板紙が使用される。
食品に含まれる油類が紙に浸透すると紙の表面にまで油が浸透して表面に油しみができて外観を損ねて商品価値を下げたり、印刷部分が油しみで黒くなり、文字が判読できなかったり、バーコード、QRコード等のOCR適性が低下するおそれがある。また、衣服に油が転移するなどの問題があるため、食品に接する部分に耐油性を付与した紙や板紙が使用される。
従来、耐油性を発現させるために、フッ素系耐油剤、特にパーフルオロフッ素系の耐油剤が使用されていた。しかし、パーフルオロフッ素系の化合物は、加熱処理によってパーフルオロオクタン酸やパーフルオロスルホン酸を発生するために安全性に懸念が持たれている。そのため、安全性を高めたフッ素系樹脂も各種開発されつつあるが、耐油性が不十分であったり、安全性に不安が残っているのが現状である。
一方、非フッ素系耐油剤としてアクリル系樹脂耐油剤が開発されている。アクリル系樹脂耐油剤は紙の表面に皮膜を形成して油の浸透を防ぐメカニズムである。さらに非フッ素系耐油剤としてポリビニルアルコール系樹脂が使用されている。ポリビニルアルコール系樹脂は親水性樹脂であり、強固な皮膜を形成するため油の浸透を防ぎ、耐油性に優れることが知られている。
フッ素系耐油剤は、紙中に浸透させてパルプ繊維表面に撥油性を付与することで耐油性を得ていたのに対し、アクリル系樹脂やポリビニルアルコール系樹脂は塗工層皮膜によるバリアー効果により耐油性を得るものであるため、塗工時に塗工欠陥が生じると耐油性が低下してしまう問題がある。
特に、バーコーターやエアーナイフコーター等比較的低粘度塗料を塗工する塗工機では、アクリル系樹脂やポリビニルアルコールを主成分とする塗料は泡立ちやすく、泡が塗工面にのることにより、塗工欠陥を生じたり、泡立ちが酷い場合は、塗りムラを生じることにより耐油性を低下させてしまうことがある。
塗料の起泡を改善する目的で消泡剤を添加することが、各種塗工紙用塗料で提案されている。例えば、インクジェット記録紙用塗料では、ポリビニルアルコール系塗料に脂肪酸エステル系、エーテル系、金属石鹸系、シリコーン系消泡剤を添加する方法(特許文献1)、ポリビニルアルコール系塗料に疎水性シリカ系消泡剤を添加する方法(特許文献2)等が挙げられる。
これら消泡剤を添加することにより、塗料の泡立ちは抑制されるものの、消泡剤自体が、塗工面上で疎水性部分を形成し、耐油塗料の非塗工部分(所謂ハジキ)を発生させて、耐油性を損ねたり、消泡剤自身の親油性が強い場合は、油を浸透させてしまうおそれがあるため、これら消泡剤を耐油紙塗料に応用しても満足な耐油性は得られないのが実情である。
さらに、アセチレン系の消泡剤もしくはアセチレンジオール系の界面活性剤を耐油層に含有させて、消泡性とレベリング性を両立させる技術が提案されている(特許文献3、4)。この場合においても、良好な消泡性、ハジキ防止性は得られるが、アセチレン系の消泡性もしくはアセチレンジオール系の界面活性剤自身の親油性によって、耐油性が低下してしまうため、満足な品質が得られない。
また、多層紙の層間に耐油層を設け、その耐油層に柔軟剤としてポリエチレングリコールやそのエーテル化合物、エステル化合物を添加することが提案されている(特許文献5)。この場合も層構成によっては満足な耐油性は得られるが、表面の油しみは防止できないため、商品イメージを損なうおそれがあり、好ましくない。
特開平11−277877号公報 特開2009−84404号公報 特開2001−303475号公報 特開2006−225772号公報 特開2005−35216号公報
本発明は、耐油層塗料の塗工時に、塗料の起泡による操業性低下を防止し、表面欠陥の発生を抑え、且つ優れた耐油性を有し、さらに高い安全性の要求される食品包装用途にも使用可能な耐油紙を提供しようとするものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、耐油層塗料中に特定の重合度のジオレイン酸ポリエチレングリコールを特定の割合で添加することにより、塗料の起泡による操業性低下を防止し、表面欠陥の発生を抑え、且つ優れた耐油性が発現することを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下の各発明を包含する。
(1)紙支持体の少なくとも片面に、少なくとも1層の耐油層を設けた耐油紙において、前記耐油層中にポリエチレングリコールの重合度が6乃至10のジオレイン酸ポリエチレングリコールを耐油層全固形分中の0.01乃至1.0質量%含有させた耐油紙。
(2)前記耐油層中に含有する耐油剤がアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選択される少なくとも1種である(1)に記載の耐油紙。
(3)前記耐油層の塗工量の合計が0.5〜20g/mである(1)または(2)に記載の耐油紙。
本発明により、耐油層塗料の塗工時に、塗料の起泡による操業性低下を防止し、表面欠陥の発生を抑えることによって、優れた耐油性を有し、さらに安全性の高い食品包装用途にも使用可能な耐油紙が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で耐油層に添加されるジオレイン酸ポリエチレングリコールの添加量としては、耐油層全固形分中に0.01乃至1.0質量%必要であり、より好ましくは0.05乃至0.3質量%である。ジオレイン酸ポリエチレングリコールの添加量が0.01質量%未満の場合、満足な消泡効果が得られない。また、1.0質量%を超える場合は、塗工面にハジキを発生させて耐油性が低下する。
また、ジオレイン酸ポリエチレングリコールの重合度は6乃至10であることが必要である。ジオレイン酸ポリエチレングリコールの重合度が6未満の場合、塗工面にハジキを発生させて耐油性が低下する。重合度が10を超える場合は、添加量を増加させても満足な消泡効果が得られない。
本発明の耐油層に使用する耐油剤としては、特に限定されず、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、カルボキシメチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、澱粉類、変性澱粉類、アミロース類、アミロペクチン類、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂とワックスの混合物、スチレン−アクリル系樹脂とワックスの混合物等が挙げられる。中でもアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
アクリル系樹脂としては、アクリルポリマー、アクリル−スチレンコポリマー等の共重合体エマルジョンや自己架橋型アクリル系共重合体エマルジョン等のエマルジョンが挙げられる。具体的には、スチレン及びスチレン誘導体、アクリル酸(メタクリル酸)及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル類やメタクリル酸メチル等のメタクリル酸アルキルエステル等を共重合したアクリル系コポリマーやエチレン−アクリル酸共重合体ナトリウム塩、エチレン−アクリル酸共重合体アンモニウム塩等のエチレン−アクリル酸共重合体水溶性塩、アクリルアミドとアクリル酸(メタクリル酸)との共重合体エマルジョン、アクリロニトリルとアクリル酸(メタクリル酸)との共重合体エマルジョン等が挙げられる。
アクリル系樹脂のガラス転移温度については、20℃以下のものが、高い成膜能力を有し、優れた耐油性が得られるため好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、未変性の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコールや変性ポリビニルアルコールが挙げられ、変性ポリビニルアルコールとしては、エチレン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジアセトン基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
本発明の耐油層に顔料を配合する場合には、バインダー成分を併用することも可能である。かかるバインダー成分の具体例としては、スチレン−ブタジエン系、エチレン−酢酸ビニル系等の各種共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸等の共重合体、酸化デンプン、酵素変性デンプン、リン酸エステル化デンプン、エーテル化デンプン、カチオン化デンプン、両性デンプン、熱化学変性デンプン、ゼラチン、カゼイン等の天然系接着剤等を挙げることができる。
本発明の耐油層において、特に耐油剤として、アクリル系樹脂を用いる場合は、板紙同士が圧着する所謂ブロッキングを防止する上で各種の無機または有機顔料を含有させることは有効である。無機顔料の具体例としては、カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、焼成カオリン等のカオリン類、合成マイカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物等が挙げられる。なかでもカオリンは優れた耐油性を示すため好ましい。
また、有機顔料の具体例としては、ポリイソプレン、ポリネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン等のポリアルケン類、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂等の密実型、中空型、あるいは貫通孔型粒子等が挙げられる。
顔料成分の使用量は、耐油層全固形分中の25〜75質量%程度の範囲で調整される。また、もちろんアクリル系樹脂以外の耐油剤の場合にも併用できる。
本発明の耐油層塗料には、必要に応じて、ポリカルボン酸などの分散剤、界面活性剤、保水剤等の助剤を添加することができる。
本発明の耐油層の塗工量は(多層の場合はその合計)0.5〜20g/m2の範囲であることが好ましい。塗工量が0.5g/m2未満の場合は、満足な耐油性能が得られない。また、20g/m2を超える場合は、耐油性能は得られるもののコストの面で好ましくない。より好ましい範囲は1.0〜10g/m2である。
本発明の耐油紙に用いられる紙支持体としては、特に限定するものではないが、例えば植物由来のパルプを主成分とするものとし、上質紙、中質紙、微塗工紙、塗工紙、片艶紙、晒または未晒クラフト紙(酸性紙又は中性紙)、又は段ボール用、建材用、白ボ−ル用、チップボ−ル用などに用いられる板紙、白板紙などが好適である。紙支持体の坪量は特に制限はないが、包装紙用としては20g/m〜150g/m、箱等の成型容器用としては150g/m〜500g/mが好適である。
本発明の耐油層の層構成としては、前記紙支持体の少なくとも片面に、少なくとも1層の耐油層を設けるものであるが、同じ塗工量を塗工する場合、多層構成とした方が単層構成よりも耐油性は得られやすい。多層構成の場合、各層は同じ構成(組成)でもよいし、異なっていてもよい。また、本発明で使用される特定のジオレイン酸ポリエチレングリコールは、少なくとも1層中に含有させるものである。
耐油層の塗工方法としては、一般に公知の塗工装置、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、スライドビードコーター、ツーロールあるいはメータリングブレード方式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター等が適宜用いられる。
本発明の耐油紙は耐油層形成後、必要に応じて平滑化処理を行うことができる。平滑化処理は通常のスーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、ソフトキャレンダー等の平滑化処理装置を用いて、オンマシン又はオフマシンで行われる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は特に断わらない限り、「質量部」及び「質量%」を示す。
<実施例1>
[耐油層塗料の調製]
水42質量部にカオリン(商品名:「ウルトラホワイト90」、BASFジャパン社製)62.5質量部を加えて撹拌し、60%濃度のカオリン分散液を得た。このものにさらに50%濃度のスチレン−ブタジエンラテックス(商品名:「OJ−2000H」、JSR社製)25質量部、40%濃度のアクリル系耐油剤(商品名:「ジョンクリルPDX−7326」、BASFジャパン社製)62.5質量部、ジオレイン酸ポリエチレングリコール(重合度:8)(商品名:EMALEX 400di−O、日本エマルジョン社製)0.1質量部、さらに調整水40.7質量部を加えて撹拌し、耐油層塗料を得た。
[耐油層塗料の起泡性テスト]
上記[耐油層塗料の調製]で得られた耐油層用塗料を200mlのデスカップに50ml入れ、高剪断撹拌機(商品名:「TKホモディスパfモデル」、インペラー直径:30mm、特殊機化社製)を用いて、1500rpmで1分間撹拌後の液比重を測定して、塗料の起泡性を評価した。
[耐油紙の製造−1]
坪量350g/mの非塗工板紙(商品名:「コラボファイン−W」、王子特殊紙社製)の片面に上記[耐油層塗料の調製]で得られた耐油層塗料を乾燥後の塗工量が5g/mとなるように塗布乾燥して、耐油紙(タイプ1)を得た。
[耐油紙の製造−2]
坪量350g/mの非塗工板紙(商品名:「コラボファイン−W」、王子特殊紙社製)の片面に、上記[耐油層塗料の起泡性テスト]で起泡させた塗料を乾燥後の塗工量が5g/mとなるように塗布乾燥して、起泡塗料による耐油紙(タイプ2)を得た。
<実施例2>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコール(重合度:8)の添加量を0.4質量部とした以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<実施例3>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコール(重合度:8)の添加量を0.04質量部とした以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<実施例4>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコールの重合度を6のもの(商品名:EMALEX 300di−O、日本エマルジョン社製)に代えた以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<実施例5>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコールの重合度を10のものに代えた以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<実施例6>
[耐油層塗料の調製]
水57質量部にカオリン(商品名:「ウルトラホワイト90」、BASFジャパン社製)85質量部を加えて撹拌し、60%濃度のカオリン分散液を得た。別途溶解した7%濃度のエチレン変性ポリビニルアルコール(商品名:「エクセバールHR3010」、クラレ社製)214.3質量部中に前記カオリン分散液を撹拌しながら投入し混合した。このものにさらにジオレイン酸ポリエチレングリコール(重合度:8)0.1質量部、さらに調整水144質量部を加えて撹拌し、耐油層塗料を得た。
[耐油層塗料の起泡性テスト]
上記[耐油層塗料の調製]で得られた耐油層用塗料を200mlのデスカップに50ml入れ、高剪断撹拌機(商品名:「TKホモディスパfモデル」、インペラー直径:30mm、特殊機化社製)を用いて、1500rpmで1分間撹拌後の液比重を測定して、塗料の起泡性を評価した。
[耐油紙の製造−1]
坪量350g/mの非塗工板紙(商品名:「コラボファイン−W」、王子特殊紙社製)の片面に上記[耐油層塗料の調製]で得られた耐油層塗料を乾燥後の塗工量が5g/mとなるように塗布乾燥して、耐油紙(タイプ1)を得た。
[耐油紙の製造−2]
坪量350g/mの非塗工板紙の片面に、上記[耐油層塗料の起泡性テスト]で起泡させた塗料を乾燥後の塗工量が5g/mとなるように塗布乾燥して、起泡塗料による耐油紙(タイプ2)を得た。
<実施例7>
実施例1の「耐油紙の製造−1、2」において、耐油層塗料を乾燥後の塗工量が5g/mとなるように塗布乾燥する代わりに、耐油層塗料を乾燥後の塗工量が2.5g/mとなるように塗布乾燥した後、該塗布面上にさらに乾燥後の塗工量が2.5g/mとなるように塗布乾燥した以外は実施例1と同様にして耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<実施例8>
実施例1の「耐油紙の製造−1、2」において、耐油層塗料を乾燥後の塗工量が1g/mとなるように塗布乾燥した以外は実施例1と同様にして耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<実施例9>
実施例1の「耐油紙の製造−1、2」において、耐油層塗料を乾燥後の塗工量が10g/mとなるように塗布乾燥した以外は実施例1と同様にして耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<比較例1>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコールを添加しなかった以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<比較例2>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコールの代わりにモノオレイン酸ポリエチレングリコール(重合度8)(商品名:「ペグノール14−O」、東邦化学社製)を添加した以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<比較例3>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコールの添加量を2.0質量部とした以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<比較例4>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコールの添加量を0.005質量部とした以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<比較例5>
実施例6において、ジオレイン酸ポリエチレングリコールを添加しなかった以外は実施例6と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<比較例6>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコールの重合度を12のもの(商品名:「EMALEX 600di−O」、日本エマルジョン社製)に代えた以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<比較例7>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコールの重合度を4のもの(商品名:「EMALEX 200di−O」、日本エマルジョン社製)に代えた以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
<比較例8>
実施例1において、ジオレイン酸ポリエチレングリコール(重合度8)(商品名:「EMALEX 400di−O」、日本エマルジョン社製)0.1質量部の代わりに、アセチレングリコール系界面活性剤(商品名:「サーフィノール104PA」、日信化学社製)0.02質量部を添加した以外は実施例1と同様にして耐油層塗料を調製し、起泡性テストを行った。また、耐油紙(タイプ1、タイプ2)を得た。
各実施例、比較例で得られた耐油紙を以下の方法で評価、結果を表1に示す。
[評価方法]
起泡性
起泡性テストで得られた塗料の容積をメスシリンダーで測定し、塗料重量(g)/塗料容積(cm)で液比重を算出して、起泡性を評価した。
2)耐油性
TAPPI UM−557に準拠して、キット液を用いて耐油性を評価した。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2011026745
本発明に係る耐油層塗料は、起泡しにくく、塗料調製時、または塗工時において安定操業性と優れた耐油性が得られるものである。また本発明で用いたジオレイン酸ポリエチレングリコールは安全性の高い化合物であるため、それを用いた耐油紙は食品包装にも使用可能なものであり、実用上極めて有用である。

Claims (3)

  1. 紙支持体の少なくとも片面に、少なくとも1層の耐油層を設けた耐油紙において、前記耐油層中にポリエチレングリコールの重合度が6乃至10のジオレイン酸ポリエチレングリコールを耐油層全固形分中の0.01乃至1.0質量%含有させたことを特徴とする耐油紙。
  2. 前記耐油層中に含有する耐油剤がアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の耐油紙。
  3. 前記耐油層の塗工量の合計が0.5〜20g/mであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐油紙。
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