JP7271481B2 - 耐油板紙 - Google Patents

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Description

本発明は、食品を収容する袋、トレー及び包装箱などの包装容器に使用することができる耐油板紙に関する。
水や、蒸気などの水分を吸水・吸湿しながら、動植物油などの油分の吸収を抑制する、すなわち吸湿・耐油性を有し、さらに、印刷適性、リサイクル性に優れ、罫線割れの発生もなく、低コストで製造できる板紙として、基紙が少なくとも表層及び裏層の2層以上の紙層からなる板紙において、前記表層の表面及び/又は前記裏層の表面に、少なくともアクリル系樹脂と多孔質無機粒子とを含有する塗工液を、片面あたり固形分で2~40g/m塗布することにより塗工層を設けた吸湿・耐油板紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。
小売店及びテイクアウトフード店などでは、販売する食品を袋、トレー及び包装箱などの包装容器に収容する場合がある。このような包装容器としては、一般に、合成樹脂製容器を使用する。しかしながら、昨今の脱プラスチックの傾向から、業者は、包装容器を合成樹脂製容器から紙製包装容器に変更する傾向にある。
特開2009-013506号公報
紙製包装容器には、板紙を使用する場合が多い。板紙は、主たる構成材料としてパルプのセルロース繊維を有する。セルロース繊維は、食品から滲み出る油などを繊維間に吸収し易い、という欠点を有する。このため、例えば、ハンバーガー、ピザ、お好み焼き、タコ焼き、シュウマイ及び唐揚げなどで使用するテイクアウト用の紙製包装容器は、紙製包装容器の食品と接する面において油分を吸収しないように耐油性が必要である。耐油性が無い紙製包装容器からは油分が外側に染み出して外部を油分で汚染する。よって、紙製包装容器に使用する板紙には、食品と接する面において耐油性が必要になる。例えば単に、紙製包装容器を得るために板紙に耐油剤を塗工した場合では、耐油剤がセルロース繊維間に埋没して耐油性が十分発現できない。
また、テイクアウト用の紙製包装容器では、収容する食品を支える目的で、板紙を折り曲げる場合がある。一般には、食品が収容される側に板紙を折り曲げる、所謂「谷折り」を行う。紙製包装容器は、耐油性を有する板紙を使用する場合であっても、谷折り部分の耐油性が悪化する場合がある。谷折り部分の耐油性の悪化は、谷折り部分から油分の浸透をまねく。その結果、紙製包装容器の谷折り部分からは油分が外側に染み出して外部を油分で汚染する。例えば、特許文献1に開示された耐油板紙では谷折り部分の耐油性が悪化する場合がある。よって、紙製包装容器に使用する板紙には、谷折り部分の耐油性の悪化を抑制することが必要になる。
また、食品の多くは、内部に水分を含有する。紙製包装容器の食品と接する面は、撥水性が必要である。紙製包装容器の食品と接する面に撥水性が存在しない場合は、水分によって食品が紙製包装容器にくっつき易くなるからである。よって、紙製包装容器に使用する板紙には、食品と接する面において撥水性が必要にある。
さらに、テイクアウト用の紙製包装容器では、タコ焼き及び唐揚げのように比較的熱い食品を収容する場合がある。よって、紙製包装容器に使用する板紙には、比較的熱い食品を収容する場合に使用できる、断熱性が必要である。
以上から本発明の目的は、紙製包装容器に使用できる、下記(1)~(4)を満足する耐油板紙を提供することである。
(1)食品と接する面において耐油性を有すること。
(2)食品と接する面において撥水性を有すること。
(3)谷折り部分において耐油性の悪化を抑制できること。
(4)比較的熱い食品を収容できる断熱性を有すること。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、本発明の目的は以下によって達成される。
[1]表層及び裏層並びに前記表層と前記裏層との間に1層又は2層以上の芯層を有する3層以上を抄き合わせた基紙と、前記基紙の両面に対してそれぞれ白色無機顔料及びバインダーを含有する1層又は2層以上の塗工層と、前記塗工層中であって基紙を基準として最外に位置する最外塗工層に対して片面に耐油層とを有し、前記耐油層を有する側の最外塗工層の白色無機顔料がカオリンを含み、前記耐油層が白色無機顔料及びアクリル系樹脂を含有する耐油板紙。
[2]上記最外塗工層のバインダーがスチレンブタジエン共重合体を含む上記[1]に記載の耐油板紙。
[3]上記耐油層において、白色無機顔料とアクリル系樹脂との含有質量比が、[白色無機顔料:アクリル系樹脂]=4:6~6:4である上記[1]又は上記[2]に記載の耐油板紙。
本発明によって、食品と接する面において耐油性及び撥水性を有し、谷折り部分において耐油性の悪化を抑制でき、並びに断熱性を有する耐油板紙を提供することができる。
耐油板紙は、表層及び裏層並びに前記表層と前記裏層との間に1層又は2層以上の芯層を有する3層以上を抄き合わせた基紙と、前記基紙の両面に対してそれぞれ白色無機顔料及びバインダーを含有する1層又は2層以上の塗工層と、前記塗工層中であって基紙を基準として最外に位置する最外塗工層に対して片面に耐油層とを有する。耐油層を設ける側は、塗工層の数が多い方又は少ない方のいずれでもよく、塗工層の数に関係しない。耐油板紙は、前記耐油層を有する面が食品と接する面になる。
基紙の各層は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、及びDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる一種又は二種以上のパルプを分散したスラリーに、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらに、サイズ剤、歩留まり剤、定着剤及びカチオン化剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造して得ることができる。
基紙は、例えば、各層の紙料を抄造し、表層、裏層及び芯層の各層が湿紙の状態で抄き合わせ及び乾燥して得ることができる。いくつかの実施態様において、抄き合わせに先立って、表層と芯層との間、芯層と裏層との間及び芯層と芯層との間には澱粉、各種加工澱粉及びそれらの変性物などの接着剤を塗布する。この理由は、層間強度が良化するからである。
いくつかの実施態様において、基紙の各層は、各層中のパルプに対して各々LBKPが50質量%以上である。この理由は以下と考えられる。繊維長が長いNBKPが紙の強度に普通であれば有利であるものの、LBKPは、LBKPから成る層が平滑性に優れるために、LBKPが50質量%以上が抄き合せ後の紙の強度に対してむしろ有利に働く。紙の強度は、谷折り部分の耐油性に影響する。
抄造は、紙料を酸性、中性又はアルカリ性に調整して、従来公知の抄紙機を用いて行われる。抄紙機の例としては、長網多層抄紙機、円網多層抄紙機、及び長網円網コンビ多層抄紙機など3層以上の多層抄きができる各種抄紙機を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、基紙の坪量は260g/m以上である。この理由は、断熱性が良化するからである。後記するように耐油層を有する側の最外塗工層はカオリンを含有する。カオリンは、形状が平板上であって遮蔽性に優れるために耐油層から基紙への耐油剤の浸透拡散を抑制する。一方で、カオリンは、組成に金属を含むために熱伝導性が比較的に高い。そのために、耐油層を有する側の最外塗工層の白色無機顔料がカオリンを含む場合は、断熱性を得るために基紙のある程度の坪量が必要となる。
上記紙料には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの1種又は2種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
填料は、製紙分野で従来公知の白色顔料である。白色顔料は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、シリカ、珪酸アルミニウム、珪藻土、活性白土、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料を挙げることができる。さらにスチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂及びマイクロカプセルなどの白色有機顔料を挙げることができる。填料は、前記白色無機顔料及び前記白色有機顔料から成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
サイズ剤は、製紙分野で従来公知の内添サイズ剤である。内添サイズ剤は、例えば、酸性紙であればロジン系サイズ剤、中性紙であればアルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、中性ロジン系サイズ剤及びカチオン性スチレンアクリル系サイズ剤などを挙げることができる。
歩留まり剤は、製紙分野で従来公知のものである。歩留まり剤は、例えば、硫酸アルミニウム、ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリアミド及びポリエチレンオキサイドなどを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、食品を収容する包装容器に使用する場合、表層、裏層及び芯層の各層各々は、添加剤としてサイズ剤、歩留まり剤及び/又は着色剤のみを含有する、添加剤としてサイズ剤のみを含有する、又は添加剤を含有しない。この理由は、食品に対する安全性のためである。
また、少なくとも一つの実施態様において、基紙は、下記耐油層を設ける側に該当する表層にサイズ剤を含有する。この理由は、耐油性及び撥水性が良化するからである。
いくつかの実施態様において、基紙は、表面サイズ剤を含有する。この理由は、この理由は、耐油性及び撥水性が良化するからである。
表面サイズ剤は、外添サイズ剤とも称する。表面サイズ剤は、製紙分野で従来公知のものである。表面サイズ剤は、例えば、各種澱粉及びその変性物、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、各種ポリビニルアルコール及びその変性物、ポリアクリルアミド、スチレンアクリル共重合体及びワックスなどを挙げることができる。少なくとも一つの実施態様において、表面サイズ剤は、澱粉、各種加工澱粉及びそれらの変性物及びスチレンアクリル共重合体から成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
基紙は、表面サイズ剤を含有する表面サイズ液を従来公知のサイズプレス装置又は従来公知の塗工装置を用いて基紙に対して塗工により、表面サイズ剤を含有する。従来公知のサイズプレス装置は、例えば、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファー方式としてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレスを、ロッドメタリングサイズプレスではシムサイザー、オプティサイザー、スピードサイザー、フィルムプレスを、ロールメタリングサイズプレスではゲートロールコーターを挙げることができる。その他にも、ビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、カレンダーサイズプレスなどを挙げることができる。従来公知の塗工装置は、例えば、ブレードコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター、コンマコーター(登録商標)、グラビアコーター、バーコーター、Eバーコーター、カーテンコーターなどを挙げることができる。
塗工後は、従来公知の乾燥装置を用いて乾燥することができる。乾燥装置は、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機などを挙げることができる。
基紙には、カレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
塗工層は、1層又は2層以上である。塗工層中、原紙を基準として最も外側に位置する塗工層を最外塗工層という。塗工層が1層の場合は該塗工層が最外塗工層になる。最外塗工層は、下記の耐油層を設ける際に、耐油剤が基紙へ浸透拡散を抑制する目止め効果を有する。いくつかの実施態様において、塗工層は、1層又は2層である。この理由は、製造コストの点で有利になるからである。
最外塗工層を含め塗工層は、基紙又は塗工層に対して塗工層塗工液を塗工及び乾燥することによって得ることができる。最外塗工層を含め塗工層を基紙又は塗工層に対して設ける方法は、特に限定されない。例えば、製紙分野で従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて、塗工層塗工液を塗工及び乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、コンマコーター、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、及びフィルムトランスファーコーターなどを挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、及びマイクロ波を利用した乾燥機などの各種乾燥装置を挙げることができる。
塗工層には、カレンダー処理を施すことができる。
塗工層は、白色無機顔料を含有する。白色無機顔料は、塗工紙分野で従来公知の白色無機顔料である。白色無機顔料は、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、及び水酸化マグネシウムなどを挙げることができる。白色無機顔料は、これらから成る群から選ばれる1種または2種以上である。
塗工層は、バインダーを含有する。バインダーは、塗工紙分野で従来公知のバインダーであって、特に限定しない。バインダーの例としては、スチレンブタジエン共重合体及びアクリロニトリルブタジエン共重合体などの共役ジエン系樹脂、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合体若しくはメタクリル酸エステルブタジエン共重合体などのアクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体及び塩化ビニル酢酸ビニル共重合体などのビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びこれらの各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂、天然ゴム、澱粉、各種加工澱粉及び各種変性澱粉、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン及び大豆蛋白などの天然高分子樹脂若しくはその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール及びその各種変性ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール、並びにポリエチレングリコールなどを挙げることができる。バインダーは、これらからなる群から選ばれる一種又は二種以上である。
塗工層は、塗工層塗工液に白色無機顔料及びバインダーを配合することで、白色無機顔料及びバインダーを含有することができる。
耐油層を有する側の最外塗工層は、白色無機顔料としてカオリンを含む。いくつかの実施態様において、最外塗工層のカオリンは、最外塗工層中の白色無機顔料に対して80質量%以上である。この理由は、耐油性、撥水性及び谷折り部分における耐油性が良化するからである。
カオリンは、カオリンクレーと呼ばれることがある。カオリンは、天然に産出されたカオリン原鉱を工業的に精製及び加工したものであって、例えば、粉砕、洗浄、除鉄及び分級などの工程を経て製造されるものである。また、アスペクト比を向上させるためにせん断力をかけて薄板状としたデラミネーティッドカオリンや、粒度分布がシャープになるよう調整したエンジニアードカオリン、凝集性を高めた焼成カオリンといった加工性の高いものも含まれる。
いくつかの実施態様において、最外塗工層は、バインダーとしてスチレンブタジエン共重合体を含む。この理由は、谷折り部分において耐油性の悪化をより抑制できるからである。
最外塗工層を含め塗工層は、白色無機顔料及びバインダー以外に、塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤は、例えば、白色有機顔料、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、発泡剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤及び防バイ剤などを挙げることができる。添加剤は、食品に対する安全性に害の無いものを用いる。
最外塗工層を含め塗工層の塗工量は、特に限定されない。いくつかの実施態様において、最外塗工層を含め各塗工層の個々の塗工量は、乾燥固形分量で2g/m以上10g/m以下である。少なくとも一つの実施態様において、最外塗工層を含め塗工層の片面あたりの総塗工量は、2g/m以上24g/m以下である。これらの理由は、谷折り部分において耐油性の悪化をより抑制できるからである。
耐油層は、アクリル系樹脂を含有する。前記アクリル系樹脂は、撥水性を有する耐油剤として従来公知のアクリル系樹脂である。アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(単量体a)から成る群から選ばれる一種又は二種以上の単量体、又は前記単量体aから成る群から選ばれる一種又は二種以上の単量体とエチレン性不飽和カルボン酸含有の単量体(単量体b)から成る群から選ばれる一種又は二種以上の単量体及び/又は前記単量体aと共重合可能な他の単量体(単量体c)から成る群から選ばれる一種又は二種以上の単量体とから得られる共重合体である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(単量体a)は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、及び(メタ)アクリル酸ドデシルなどを挙げることができる。
エチレン性不飽和カルボン酸含有の単量体(単量体b)は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、モノアルキルマレイン酸、モノアルキルフマル酸、及びモノアルキルイタコン酸などを挙げることができる。さらに、前記単量体aには、例えば、カルボン酸がナトリウム塩などの塩を形成した単量体が含まれる。
上記単量体aと共重合可能な他の単量体(単量体c)は、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシプロピル、モノ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル、モノ(メタ)アクリル酸グリセロール、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,2-プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3-プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3-ブチレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、テトラ(メタ)アクリル酸テトラメチロールメタン、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸1,4-ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6-ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、(メタ)アクリル酸ジアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N′-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビニルスルホン酸ナトリウム、p-スチレンスルホン酸ナトリウム、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3-アリロキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスチレン化フェニル硫酸ナトリウム、グリセリンモノアリルエーテルモノスルホコハク酸ナトリウム、2-スルホエチル(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリルアミドステアリン酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸n-アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、(メタ)アクリロオキシアルキルプロペナール、(メタ)アクリル酸ジアセトン、(メタ)アクリル酸アセトニル、(メタ)アクリル酸アセトアセトキシエチル、(メタ)アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシル、ジアリルフタレート、及びトリアリルシアヌレートなどを挙げることができる。
アクリル系樹脂は、公知の乳化重合法によって合成できる。合成は、例えば、所定の反応容器に各種単量体、乳化剤及び水を配合し、ラジカル重合開始剤を加えて攪拌及び加温する方法である。撥水性を有する耐油剤としてのアクリル系樹脂は、例えば、ヘンケルジャパン、第一塗料製造所、クラリアントジャパン及びBASFなどから市販される。
耐油層は、白色無機顔料を含有する。白色無機顔料は、塗工紙分野で従来公知の白色無機顔料である。白色無機顔料は、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、及び水酸化マグネシウムなどを挙げることができる。白色無機顔料は、これらから成る群から選ばれる1種または2種以上である。
アクリル系樹脂に対して白色無機顔料を併用することによって、白色無機顔料へアクリル系樹脂が吸着することからアクリル系樹脂のマイグレーションを抑えることができ、結果、耐油層は、ピンホールなどの欠陥を有さない被膜を形成できる。
いくつかの実施態様において、耐油層中のアクリル系樹脂と白色無機顔料との含有質量比は、[アクリル系樹脂:白色無機顔料]=6:4~4:6である。また、少なくとも一つの実施態様において、耐油層の白色無機顔料は、重質炭酸カルシウムである。これらの理由は、良好に被膜を形成できるために耐油性、撥水性及び/又は谷折り部分における耐油性の悪化の抑制が、良化するからである。
耐油層は、アクリル系樹脂及び白色無機顔料以外に、塗工紙分野で従来公知の各種添加剤を含有することができる。添加剤は、例えば、白色有機顔料、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、発泡剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤及び防バイ剤などを挙げることができる。添加剤は、食品に対する安全性に害の無いものを用いる。
耐油層の塗工量は、特に限定されない。いくつかの実施態様において、耐油層の塗工量は、乾燥固形分量で5g/m以上20g/m以下である。これらの理由は、耐油性を有しながら、谷折り部分において耐油性の悪化をより抑制できるからである。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」及び「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」及び「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
下記パルプ、内添薬品配合によるパルプスラリーを調成し、基紙を抄造した。用いた抄紙機は、表層を長網抄紙機、芯層は円網5層抄き抄紙機、裏層は円網1層抄き抄紙機であり、160m/分の抄速で抄造した。なお、各層間には市販の澱粉をスプレーにて各0.6g/m付着させた。
<基紙1>
(表層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 100質量部
硫酸バンド 1.1質量部
ロジン系サイズ剤 0.7質量部
坪量 46g/m
(芯層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 40質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 30質量部
CGP(濾水度400mlcsf) 30質量部
硫酸バンド 0.6質量部
坪量 148g/m
(裏層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 85質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 15質量部
硫酸バンド 0.5質量部
坪量 46g/m
<基紙2>
(表層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 100質量部
硫酸バンド 1.1質量部
ロジン系サイズ剤 0.7質量部
坪量 46g/m
(芯層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 40質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 30質量部
CGP(濾水度400mlcsf) 30質量部
硫酸バンド 0.6質量部
坪量 168g/m
(裏層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 85質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 15質量部
硫酸バンド 0.5質量部
坪量 46g/m
<基紙3>
(表層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 100質量部
硫酸バンド 1.1質量部
ロジン系サイズ剤 0.7質量部
坪量 56g/m
(芯層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 40質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 30質量部
CGP(濾水度400mlcsf) 30質量部
硫酸バンド 0.6質量部
坪量 168g/m
(裏層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 85質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 15質量部
硫酸バンド 0.5質量部
坪量 56g/m
<基紙4>
(表層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 30質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 70質量部
硫酸バンド 1.1質量部
ロジン系サイズ剤 0.7質量部
坪量 56g/m
(芯層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 20質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 50質量部
CGP(濾水度400mlcsf) 30質量部
硫酸バンド 0.6質量部
坪量 168g/m
(裏層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 85質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 15質量部
硫酸バンド 0.5質量部
坪量 56g/m
<基紙5>
(表層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 30質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 70質量部
硫酸バンド 1.1質量部
ロジン系サイズ剤 0.7質量部
坪量 112g/m
(裏層)
LBKP(濾水度450mlcsf) 85質量部
NBKP(濾水度450mlcsf) 15質量部
硫酸バンド 0.5質量部
坪量 112g/m
<表面サイズ剤>
表面サイズ剤には、酸化澱粉及びスチレンアクリル共重合体を用いた。
<塗工層塗工液1>
塗工層塗工液1は下記の内容により調製した。
カオリン 10質量部
重質炭酸カルシウム 90質量部
リン酸エステル化澱粉 10質量部
スチレンブタジエン共重合体 10質量部
消泡剤 0.3質量部
アンモニア水 0.1質量部
上記の内容で配合し、水で混合及び分散して濃度58質量%に調整した。
<塗工層塗工液2>
塗工層塗工液2は下記の内容により調製した。
カオリン 0質量部
軽質炭酸カルシウム 100質量部
リン酸エステル化澱粉 1質量部
スチレンブタジエン共重合体 14質量部
消泡剤 0.3質量部
アンモニア水 0.1質量部
上記の内容で配合し、水で混合及び分散して濃度60質量%に調整した。
<塗工層塗工液3>
塗工層塗工液3は下記の内容により調製した。
カオリン 60質量部
軽質炭酸カルシウム 40質量部
リン酸エステル化澱粉 1質量部
スチレンブタジエン共重合体 14質量部
消泡剤 0.3質量部
アンモニア水 0.1質量部
上記の内容で配合し、水で混合及び分散して濃度60質量%に調整した。
<塗工層塗工液4>
塗工層塗工液4は下記の内容により調製した。
カオリン 80質量部
軽質炭酸カルシウム 20質量部
リン酸エステル化澱粉 1質量部
スチレンブタジエン共重合体 14質量部
消泡剤 0.3質量部
アンモニア水 0.1質量部
上記の内容で配合し、水で混合及び分散して濃度60質量%に調整した。
<塗工層塗工液5>
塗工層塗工液5は下記の内容により調製した。
カオリン 80質量部
軽質炭酸カルシウム 20質量部
リン酸エステル化澱粉 1質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 14質量部
消泡剤 0.3質量部
アンモニア水 0.1質量部
上記の内容で配合し、水で混合及び分散して濃度60質量%に調整した。
<耐油層塗工液>
耐油層塗工液は下記の内容により調製した。
白色無機顔料 部数は表1に記載
耐油剤 部数は表1に記載
上記の内容で配合し、水で混合及び分散して濃度40質量%に調整した。
耐油剤として、食品用紙パッケージ用水性ニスであるアクリル系樹脂、第一塗料製造所のハービル(登録商標)B-7を、食品包装用耐油紙のバリアー剤であるポリビニルアルコール、クラレのエクセバール(登録商標)を用いた。
<耐油板紙>
基紙に対して、ホリゾンタルサイズプレスを用いて、塗工量が片面あたり酸化澱粉3.0g/m及びスチレンアクリル共重合体0.05g/mとなるように基紙の両面に塗工及び熱風乾燥機を用いて乾燥した。
サイズプレス後の基紙について、基紙の裏層側に対して、上記塗工層塗工液1をブレードコーターを用いて塗工及び熱風乾燥機を用いて乾燥した。塗工量は10g/mになるように調整した。
次に、上記塗工層を設けた基紙について、上記塗工層を設けた側に対して、上記塗工層塗工液3をエアナイフコーターを用いて塗工及び熱風乾燥機を用いて乾燥した。塗工量は8g/mになるように調整した。
次に、基紙の表層側に対して最外塗工層として、上記塗工層塗工液2~5のいずれかをエアナイフコーターを用いて塗工及び熱風乾燥機を用いて乾燥した。塗工量は4g/mになるように調整した。用いた塗工層塗工液は表1に記載する。
次に、基紙の表層側に設けた塗工層(最外塗工層)に対して、耐油層塗工液をエアナイフコーターを用いて塗工及び熱風乾燥機を用いて乾燥した。塗工量は耐油剤が6g/mになるように調整した。
Figure 0007271481000001
得られた耐油板紙について下記の評価を行った。
<耐油性>
耐油性の評価は、J.TAPPIパルプ試験方法No.41:2000「紙及び板紙のはつ油度試験方法(キット法)」に準じて行った。キット法のはつ油度の測定結果から、下記の基準で評価した。本発明において、耐油板紙は、評価A、B又はCであれば耐油性を有するものとする。
A:値が10以上。
B:値が8以上10未満。
C:値が6以上8未満。
D:値が6未満。
<撥水性>
撥水性の評価は、下記の方法で行った。
縦20cm×横20cmの矩形形状の耐油板紙について、耐油板紙の表面(耐油層を有する側)を上向きに水平から45度に傾斜させて置き、耐油板紙の表面に垂直方向に10mm離れた位置からイオン交換水を連続して滴下(1滴=約0.1ml)して水滴の様子を観察した。観察結果から、下記の基準で評価した。本発明において、耐油板紙は、評価A、B又はCであれば撥水性を有するものとする。
A:耐油板紙の表面を、水滴が玉のように転げ落ちる。
B:耐油板紙の表面に、水滴跡は無いけれども、水滴が球形からやや崩れて落ちる。
C:耐油板紙の表面に、水滴跡は無いけれども、水流れ筋を示す。
D:耐油板紙の表面に、水滴跡が認められる。
<谷折り部分の耐油性>
谷折り部分の耐油性は、J.TAPPIパルプ試験方法No.41:2000「紙及び板紙のはつ油度試験方法(キット法)」に準じて行った。谷折り部分の耐油性は、耐油層を有する面を内側にして耐油板紙を1回折り、広げた谷折り部分にキット液を滴下して測定した。キット法のはつ油度の測定結果から、下記の基準で評価した。本発明において、耐油板紙は、評価A、B又はCであれば谷折り部分の耐油性の悪化を抑制できるものとする。
A:値が5以上。
B:値が4以上5未満。
C:値が3以上4未満。
D:値が3未満。
<断熱性>
断熱性の評価は、下記の方法で行った。
耐油板紙の表面(耐油層を有する側)にシャーレを置き、前記シャーレに90℃の熱湯30mlを注いだ。この時、耐油板紙の裏面(耐油層を有しない側)から耐油板紙を手のひらに載せ、感じる熱さから下記の基準で点数化して評価した。被験者は6人(女性3人及び男性3人)とし、点数の平均を求めて小数点以下を四捨五入した。本発明において、耐油板紙は、評価4、3又は2であれば断熱性を有するものとする。
4:苦も無く、持てる。
3:少し熱く感じるけれども、持てる。
2:熱いけれども、短時間であれば持てる。
1:持てない。
評価結果を表1に示す。
表1から、本発明に該当する実施例1~11は、食品と接する面において耐油性及び撥水性を有し、谷折り部分において耐油性の悪化を抑制でき、並びに断熱性を有する耐油板紙である、と分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1~5は、耐油性、撥水性、谷折り部分において耐油性及び断熱性に関する本発明の効果の少なくとも一つを満足できない、と分かる。
主に実施例3と実施例6との対比から、耐油板紙は、耐油層を有する側の最外塗工層がバインダーとしてスチレンブタジエン共重合体を含むと、谷折れ部分において耐油性の悪化を抑制できる。
主に実施例3、7、8、9及び10の間の対比から、耐油層において白色無機顔料とアクリル系樹脂との含有質量比が[白色無機顔料:アクリル系樹脂]=4:6~6:4であると、耐油性が良化できる、及び谷折れ部分において耐油性の悪化を抑制できる。
前述した本発明の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
<1>
表層及び裏層並びに前記表層と前記裏層との間に1層又は2層以上の芯層を有する3層以上を抄き合わせた基紙と、前記基紙の両面に対してそれぞれ白色無機顔料及びバインダーを含有する1層又は2層以上の塗工層と、前記塗工層中であって基紙を基準として最外に位置する最外塗工層に対して片面に耐油層とを有し、前記耐油層を有する側の最外塗工層の白色無機顔料がカオリンを含み、前記耐油層が白色無機顔料及びアクリル系樹脂を含有する耐油板紙。
<2>
上記最外塗工層のバインダーがスチレンブタジエン共重合体を含む上記<1>に記載の耐油板紙。
<3>
上記耐油層において、白色無機顔料とアクリル系樹脂との含有質量比が、[白色無機顔料:アクリル系樹脂]=4:6~6:4である上記<1>又は上記<2>に記載の耐油板紙。
<4>
上記耐油層において、白色無機顔料が重質炭酸カルシウムを含む上記<3>に記載の耐油板紙。
<5>
上記基紙において、各層が、各層中のパルプに対して各々LBKPが50質量%以上である上記<1>~<4>のいずれかに記載の耐油板紙。
<6>
上記基紙が、坪量260g/m以上である上記<1>~<5>のいずれかに記載の耐油板紙。
<7>
上記基紙が、澱粉、各種加工澱粉及びそれらの変性物及びスチレンアクリル共重合体から成る群から選ばれる一種又は二種以上の表面サイズ剤を含有する上記<1>~<6>のいずれかに記載の耐油板紙。

Claims (3)

  1. 表層及び裏層並びに前記表層と前記裏層との間に1層又は2層以上の芯層を有する3層以上を抄き合わせた基紙と、前記基紙の両面に対してそれぞれ白色無機顔料及びバインダーを含有する1層又は2層以上の塗工層と、前記塗工層中であって基紙を基準として最外に位置する最外塗工層に対して片面に耐油層とを有し、前記耐油層を有する側の最外塗工層の白色無機顔料がカオリンを含み、前記耐油層が白色無機顔料及びアクリル系樹脂を含有する耐油板紙。
  2. 上記最外塗工層のバインダーがスチレンブタジエン共重合体を含む請求項1に記載の耐油板紙。
  3. 上記耐油層において、白色無機顔料とアクリル系樹脂との含有質量比が、[白色無機顔料:アクリル系樹脂]=4:6~6:4である請求項1又は2に記載の耐油板紙。
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