JP5463520B2 - 円板状体繰出装置 - Google Patents
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Description
従来の円板状体繰出装置としては、連結機構によって装置本体の上に容器部が着脱自在に構成され、アース部としては、容器部に固着された金属板製の第1アース部と、その第1アース部に対応する状態で装置本体に固着された金属板製の第2アース部とを設けて構成してあるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
第1アース部は、容器部の内周面に露出して円板状体と接触可能な状態に形成された露出板部と、その露出板部から容器部の下面に沿って回り込む状態に屈曲した回り込み板部とで構成され、第2アース部は、装置本体に容器部を取り付けた状態で前記回り込み板部が接触する位置に固着された受け板部を備えて構成され、受け板部はグランド側にアース可能に構成されている。
従って、装置本体に容器部を取り付ければ、第2アース部の受け板部に、第1アース部の回り込み板部が面接触して、一連の導電経路が形成される。
従って、装置本体や容器部、及び、それらの連結機構、及び、第1アース部や第2アース部のそれぞれに、高い寸法精度や取付精度が要求される。
仮に、何れかの寸法精度が低かったり、取付姿勢に狂いがあったら、第1アース部と第2アース部との接触不良を生じる虞があり、その結果、安定したアース作用が期待し難くなる。
また、この種の装置においては、円板状体の繰り出し動作に伴って振動が発生する可能性が高く、この振動によって、何れかの部位に緩みが生じる虞もあるから、仮に、各部の寸法精度や取付精度が高かったにしても、前記緩みによって第1アース部と第2アース部との接触不良が発生する虞もある。
即ち、従来の円板状体繰出装置によれば、何れにしても、安定したアース作用が期待しにくい問題点がある。
即ち、第1アース部と第2アース部とは、容器部と装置本体との連結状態においては、相対的な位置関係が多少変化しようとも、前記付勢機構によって当接状態が維持されるから、装置本体や容器部、及び、それらの連結機構、及び、第1アース部や第2アース部等に、従来のような高い寸法精度や取付精度が確保されなくても、安定したアース作用が期待できる。その結果、アース作用を確保しながら、装置の製作コストの低減を図ることが可能となる。
この作用効果は、例えば、当該装置に振動が発生する場合にも有効で、装置の何れかの部位に多少の緩みが生じたにしても、前記付勢機構によって第1アース部と第2アース部との導通性能を確保して、安定したアース作用を維持することができる。
従って、例えば、ロック部を解除操作すると、自動的に、容器部と装置本体とを僅かに離間させて、両者のくっつき防止を図ったり、容器部と装置本体との取り外し操作を、より小さな力で(軽く)、且つ、簡単に行えるようになる。
また、上述のように、アース部での当接力の付与と、容器部と装置本体との連結解除力の付与との両方を、付勢機構によって兼用化が図られているので、部品点数を少なくできると共に、装置としてのコストダウンを図ることが可能となる。
従って、コイルスプリングによって、付勢機構としての機能と、一方のアース部と他方のアース部との間で一つの導電経路を構成する機能との両方の役割を担っている。
因みに、当接部での導電経路は、コイルスプリングを経由する導電経路と、一方のアース部の誘導凹部と他方のアース部とにわたる導電経路との両方が確保される。
そして、本発明の第1の特徴構成は、多数枚の円板状体を収容自在な容器部と、前記容器部に収容されている前記円板状体を1枚ずつ繰り出す装置本体と、前記容器部に収容されている前記円板状体から電荷を逃がすアース部とを備えた円板状体繰出装置であって、
前記容器部と前記装置本体とは、連結機構によって着脱自在に連結してあり、
前記アース部は、前記容器部に取り付けられた第1アース部と、前記装置本体に取り付けられた第2アース部とを当接自在に設けて構成してあり、前記第1アース部と第2アース部との当接力を強める方向に付勢力を作用させる付勢機構が設けられ、前記付勢機構は、前記第1アース部と前記第2アース部との何れか一方に導通状態に取り付けられるコイルスプリングを備えて構成してあり、前記コイルスプリングが取り付けられた一方のアース部には、前記コイルスプリングを外嵌させる芯部を設け、前記芯部の先端部には、前記容器部と前記装置本体との連結操作に伴って、他方のアース部を、前記コイルスプリングの先端に誘導する誘導凹部が形成されている点にある。
本発明の第2の特徴構成は、前記第1アース部の下端部に位置する端子部が、略V字形に屈曲形成したバネ性を備えた帯板部から構成されているとともに、前記第2アース部に設けられた前記芯部の誘導凹部が、前記第1アース部の端子部を受入自在な略V字状に構成されている点にある。
本発明の第3の特徴構成は、多数枚の円板状体を収容自在な容器部と、前記容器部に収容されている前記円板状体を1枚ずつ繰り出す装置本体と、前記容器部に収容されている前記円板状体から電荷を逃がすアース部とを備えた円板状体繰出装置であって、
前記容器部と前記装置本体とは、連結機構によって着脱自在に連結してあり、
前記アース部は、前記容器部に取り付けられた第1アース部と、前記装置本体に取り付けられた第2アース部とを当接自在に設けて構成してあり、前記第1アース部と第2アース部との当接力を強める方向に付勢力を作用させる付勢機構が設けられ、前記付勢機構は、前記第1アース部と前記第2アース部との何れか一方に導通状態に取り付けられるコイルスプリングを備えて構成してあり、前記コイルスプリングが取り付けられた一方のアース部には、前記コイルスプリングを外嵌させる芯部が導通状態で設けられ、前記第1アース部と前記第2アース部との当接部が、前記コイルスプリングを経由する第1導電経路と前記芯部を経由する第2導電経路とから構成されている点にある。
図1、図2は、本発明の円板状体繰出装置の一実施形態であるコイン繰出装置Kを示している。
当該コイン繰出装置Kは、通貨であるコイン或いは遊技設備で使用される代用貨幣(メダルやトークン等)などの円板状体(以後、単にコインという)1を(図2参照)、1枚ずつ繰出ながら、その枚数を測定できるように構成されており、単独で使用したり、例えば、スロットマシーン等の遊戯機器、又は、他の機器に組み込んで使用することが可能である。
容器部2は、装置本体3の上に設置してあり、これら両者は、連結機構5によって着脱自在に連結してある。
当該実施形態においては、前記連結機構5は、図4、図6に示すように、容器部2と装置本体3とを遠近方向に沿って揺動自在に枢支するヒンジ部6と、ヒンジ部6周りに容器部2と装置本体3とを近接させて合わせた状態を維持自在なロック部7とを備えて構成してある。
前記底部2Aの略中央部分には、円形の穴8が形成してある。この穴8は、装置本体3の繰出用円板10(後述)の寸法に合わせて形成してあり、容器部2を装置本体3に取り付けた状態で、穴8内に繰出用円板10が臨むように配置されている。
従って、容器部2内に収容されたコイン1は、すり鉢状の底部2Aの傾斜面に沿って穴8に誘導され、繰出用円板10に取り込まれて1枚ずつ装置外に繰り出される。
また、底部2Aの一部には、第1アース部4Aが上下に貫通する状態に設けてあり、第1アース部4Aの上端板部9が、底部2Aの表面に沿う状態に配置されている。従って、この上端板部9からアース部4を通して、容器部2内のコイン1に溜まった電荷を取り除くことができる。
また、底部2Aの前記一方の辺部に対向する他方の辺部には、一対のロック爪7a,7bで構成される前記ロック部7の一方のロック爪7aが設けられている。ロック爪7aは、辺の長手方向に間隔をあけて2ヵ所に設けてあり、装置本体3に形成された他方のロック爪7bと係合することで装置本体3に対して容器部2が離間しないようにロックできるように構成されている(図4参照)。
繰出機構部3Bは、矩形形状に形成してあり、その中央部には、前記繰出用円板10が、縦軸芯周りに回転駆動自在に設けてあり、繰出用円板10から繰出機構部3Bの一辺に向けてコイン繰出通路11が設けてある。
繰出用円板10は、周方向に間隔をあけて複数のコイン嵌入用凹部10aが設けてあり、このコイン嵌入用凹部10aに、コイン1が嵌り込み、繰出用円板10の回転によって、コイン繰出通路11まで移送される。
繰出機構部3Bは、コイン繰出通路11まで達したコイン1をコイン繰出通路11を通して装置外に1枚ずつ繰り出すことができるように構成されている。また、コイン1の繰出枚数をカウントできるようにも構成されている。
また、繰出機構部3Bの前記一方の辺部に対向する他方の辺部には、前記ロック部7の他方のロック爪7bが設けられている。他方のロック爪7bは、前記容器部2に備えた一対のロック爪7aに対応する位置に設けられている。
但し、他方のロック爪7bは、一方のロック爪7aとの係合準備状態と係合状態とにスライドできるように構成してあると共に、係合が深まる方向に他方のロック爪7bを付勢するスプリングHも設けられている。
従って、装置本体3のヒンジ軸6aに、容器部2の前記軸受け部6bを係合させて、ヒンジ軸6a周りに容器部2を下方へ揺動させ、装置本体3のロック爪7bに対して容器部2のロック爪7aを押し下げると、付勢力が作用しているロック爪7bをロック爪7aが乗り越えて係合準備状態から係合状態になり、両者をロックすることができる。
また、スプリングの付勢力とは反対側にロック爪7bを戻すことで、係合準備状態となり、両者をロック解除することができる。
第1アース部4Aは、図5に示すように、上端部の上端板部9と、その下方に延びる帯板状の埋設部12と、下端部に位置する端子部13とを一体に設けて構成してある。
上端板部9は、前述のとおり、底部2Aの上面と面一状態に配置されている。
埋設部12は、垂直部12aと、その下端部で横方向に屈曲する屈曲部12bとを備えており、屈曲部12bには、第1アース部4Aを容器部2に固定するネジ部材14を挿通自在なネジ挿通孔12cが設けられている。
端子部13は、第2アース部4Bとの当接部Jとなる部分であり(図4参照)、屈曲部12bから下方に伸びる断面形状略「V」字形状に屈曲形成したバネ性を備えた帯板部で構成してある。
尚、第1アース部4Aは、底部2Aの下方から合成樹脂製のキャップ部材15を被し
(図5参照)、前記端子部13のみが下方に見える状態で、前記ネジ部材14を使用して容器部2の下面に固定してある。
第2アース部4Bは、内接部18を、装置本体3の周壁部3Aに対して沿わせた状態でネジ部材20によって固定してあり、第1端子部16は、繰出機構部3Bに形成された窓部21内に位置している(図1参照)。
従って、装置本体3に対する容器部2の取付操作に伴って、第1アース部4Aの端子部13が、第2アース部4Bの切欠部16aに進入し、その際、端子部13の下縁部は、コイルスプリング22の上端部の2点に接触すると共に、端子部13の板面部は、切欠部16aの内周部の2点に接触し、合計4点で接触することになる。
即ち、コイルスプリング22の上端部も端子部としての機能を果たしており、第1アース部4Aと第2アース部4Bとの当接部Jにおいては、端子部13からコイルスプリング22の上端部を経由して第2アース部4Bの下方に導通する第1導電経路と、端子部13から切欠部16aの内周部を経由して第2アース部4Bの下方に導通する第2導電経路との二つが備わっている。
一方、第2導電経路においては、端子部13が切欠き部16aに進入するに伴ってコイルスプリング22は端子部13に押圧されて収縮方向に弾性変形するから、コイルスプリング22の弾性復元力によって端子部13への当接力が強まる。よって、コイルスプリング22も付勢機構Sに相当する。
以下に他の実施の形態を説明する。
(メダルやトークン等))を繰り出すように構成されたものを含む。
また、容器部2や装置本体3やアース部4の詳細な構成も、先の実施形態に限定されるものではない。
〈2〉 第1アース部4Aと第2アース部4Bとは、先の実施形態で説明した構成に限るものではなく、容器部2や装置本体3の仕様に合わせて、形状等の変更が可能である。
例えば、両者の当接部Jは、先の実施形態で説明した2つの導電経路を備えたものに限るものではなく、例えば、3つ以上備えていたり、単独の導電経路で構成してあってもよい。
〈3〉 付勢手段Sは、先の実施形態で説明したコイルスプリング22と、端子部13との両方を備えたものに限るものではなく、例えば、何れか一方を備えた構成であってもよい。また、詳細な構成は、コイルスプリングや板バネ以外にも、弾性復元力やシリンダ機構等によって付勢力を生み出すものであってもよい。
また、付勢手段Sは、アース部4どうしの当設部Jに組み込まれる構成に限らず、例えば、アース部4の基端部や中間部等に組み込んだり、それ以外の部分に備えるものであってもよい。更には、容器部2と装置本体3との何れか一方、又は、両方に備えるものであってもよい。
〈4〉 連結機構5は、先の実施形態で説明したヒンジ部6とロック部7とによる構成に限るものではなく、適宜、公知の機構を採用することができる。
2 容器部
3 装置本体
4 アース部
4A 第1アース部
4B 第2アース部
5 連結機構
7 ロック部
16 端子部(芯部の一例)
16a 切欠部(誘導凹部の一例)
22 コイルスプリング(付勢機構に相当)
J 当接部
S 付勢機構
Claims (3)
- 多数枚の円板状体を収容自在な容器部と、前記容器部に収容されている前記円板状体を1枚ずつ繰り出す装置本体と、前記容器部に収容されている前記円板状体から電荷を逃がすアース部とを備えた円板状体繰出装置であって、
前記容器部と前記装置本体とは、連結機構によって着脱自在に連結してあり、
前記アース部は、前記容器部に取り付けられた第1アース部と、前記装置本体に取り付けられた第2アース部とを当接自在に設けて構成してあり、前記第1アース部と第2アース部との当接力を強める方向に付勢力を作用させる付勢機構が設けられ、前記付勢機構は、前記第1アース部と前記第2アース部との何れか一方に導通状態に取り付けられるコイルスプリングを備えて構成してあり、前記コイルスプリングが取り付けられた一方のアース部には、前記コイルスプリングを外嵌させる芯部を設け、前記芯部の先端部には、前記容器部と前記装置本体との連結操作に伴って、他方のアース部を、前記コイルスプリングの先端に誘導する誘導凹部が形成されている円板状体繰出装置。 - 前記第1アース部の下端部に位置する端子部が、略V字形に屈曲形成したバネ性を備えた帯板部から構成されているとともに、前記第2アース部に設けられた前記芯部の誘導凹部が、前記第1アース部の端子部を受入自在な略V字状に構成されている請求項1記載の円板状体繰出装置。
- 多数枚の円板状体を収容自在な容器部と、前記容器部に収容されている前記円板状体を1枚ずつ繰り出す装置本体と、前記容器部に収容されている前記円板状体から電荷を逃がすアース部とを備えた円板状体繰出装置であって、
前記容器部と前記装置本体とは、連結機構によって着脱自在に連結してあり、
前記アース部は、前記容器部に取り付けられた第1アース部と、前記装置本体に取り付けられた第2アース部とを当接自在に設けて構成してあり、前記第1アース部と第2アース部との当接力を強める方向に付勢力を作用させる付勢機構が設けられ、前記付勢機構は、前記第1アース部と前記第2アース部との何れか一方に導通状態に取り付けられるコイルスプリングを備えて構成してあり、前記コイルスプリングが取り付けられた一方のアース部には、前記コイルスプリングを外嵌させる芯部が導通状態で設けられ、前記第1アース部と前記第2アース部との当接部が、前記コイルスプリングを経由する第1導電経路と前記芯部を経由する第2導電経路とから構成されている円板状体繰出装置。
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