JP5463305B2 - 制動装置および車椅子 - Google Patents

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Description

本発明は、使用者の乗降に応じて自動的に車椅子に制動をかける制動装置およびそれを備えた車椅子に関する。
従来の車椅子には手動のブレーキが設けられている。このブレーキでは、使用者が車椅子に座ろうとしたり、着座状態から立ち上がろうとしたりするときに、その都度、ブレーキの操作をすることが必要となる。そのため、使用者が勘違いなどでブレーキをかけ忘れることがある。ブレーキのかけ忘れは、転倒などにより使用者の骨折や怪我などにつながることから、安全上、極めて重要な問題である。
例えば、ブレーキがかかっていない状態で、使用者が着座状態から立ち上がろうとしたり、車椅子に移乗しようとしたりしたとする。そのとき、車椅子は使用者の意図に反して、使用者の動作に応じて移動してしまうので、使用者が転倒して、骨折したり怪我をしたりする可能性がある。そのため、従来から、使用者が着座状態から立ち上がったときに自動的にブレーキがかかり、着座したときにブレーキが解除される技術が多数、提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2004−16406号公報 特開2007−283082号公報
しかし、特許文献1の技術では、ブレーキ自体のコストは安価であるが、ブレーキを既存の車椅子に対して設置することができないという問題があった。また、特許文献2の技術では、ブレーキを既存の車椅子に対して設置することは可能であるが、装置が大型であり、車椅子を折り畳むことができないという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、折り畳み可能な状態で既存の車椅子に設置可能な制動装置およびそれを備えた車椅子を提供することにある。
本発明による第1の制動装置は、座部と、座部の両側に設けられた一対の車輪と、座部および一対の車輪を支持する本体フレームとを備えた車椅子に制動をかける装置である。ここで、車椅子において、本体フレームは、一対の車輪を支持する2本のサイドパイプと、各サイドパイプに1本ずつ接合され、かつ車椅子の前方から後方に延在すると共に所定の間隙を介して互いに対向する2本のボトムパイプとを有している。
この制動装置は、固定部と、ブロック状の第1回動部と、板形状の第2回動部とを備えている。固定部は、フレームと、フレームに連結されたおさえ板とを有し、おさえ板によってボトムパイプを挟み込むことによりボトムパイプに着脱可能に固定される。第1回動部は、フレームに回動可能に支持される。
以下では、サイドパイプの延在方向をx軸方向とし、x軸方向のうち車椅子の前方側をx軸正方向とし、車輪の回転軸方向をy軸方向とし、x軸方向およびy軸方向に垂直な方向をz軸方向とし、z軸方向のうち車椅子の接地面側をz軸負方向とする。
第2回動部は、第1回動部内の部位であって、かつ第1回動部のうち固定部に支持された第1部位との位置関係でx軸正方向に位置する第2部位に回動可能に支持される。
この制動装置は、さらに、センサ部、制動部および弾性部を備えている。センサ部は、第1回動部のうち、第2部位との位置関係でx軸正方向に位置する第3部位に固定された機械部品であって、かつ座部の下降に伴って座部によって押し下げられることにより第1回動部を、第1部位を支点として、第2部位が下方に変位するように回動させ、さらに、座部の上昇に伴って第1回動部によって押し上げられるようになっている。
制動部は、フレーム内の部位であって、かつフレームのうち第1部位との関係でy軸方向に位置すると共に第1回動部を支持する第4部位との位置関係でx軸正方向およびz軸負方向に位置する第5部位に回動可能に支持されると共に、第2回動部内の部位であって、かつ第2回動部のうち第2部位との関係でy軸方向に位置すると共に第1回動部に支持された第6部位との位置関係でx軸正方向およびz軸負方向に位置する第7部位に回動可能に支持されている。制動部は、さらに、センサ部の変位に応じた第1回動部および第2回動部の回動に伴って車輪に当接したり、車輪から離れたりするようになっている。弾性部は、フレームのうち、第4部位と第5部位との間の位置の第8部位と、制動部のうち、フレームに支持された部位とは異なる第9部位に連結されている。弾性部は、さらに、制動部を車輪に当接する方向に付勢するようになっている。
第5部位、第8部位および第9部位を線分で結ぶことにより形成される第1三角形のうち第5部位の位置の第1内角が、座部の下降や上昇に伴うセンサ部の変位に応じて第1回動部および第2回動部が回動するときに、常に、第5部位および第8部位を結ぶ線分を基準として第8部位から第9部位方向に向かう回転方向を正としたときに0°より大きく、+180°よりも小さくなっている。
本発明による第1の車椅子は、座部と、座部の両側に設けられた一対の車輪と、座部および一対の車輪を支持する本体フレームと、制動装置とを備えたものである。この車椅子に搭載された制動装置は、上記の第1の制動装置と同一の構成要素を有している。
本発明による第1の制動装置および第1の車椅子では、座部の下降に伴ってセンサ部が座部によって押し下げられると、第1回動部が第1部位を中心として回動すると共に、第1回動部の回動が第2回動部を介して制動部に伝達される。その結果、制動部が第5部位を中心として回動し、車輪から離れる。また、座部が上昇すると、センサ部が座部の上昇分だけ変位可能な状態となり、センサ部に固定された第1回動部と、第1回動部に回動可能に支持された第2回動部も変位可能となる。これにより、第1回動部および第2回動部が弾性部による付勢力によって回動し、第1回動部および第2回動部の回動に伴って、センサ部が押し上げられると共に、制動部が車輪に当接する。このように、本発明では、てこの原理と付勢力を利用して、座部の下降または上昇に応じて車輪に自動的に制動がかけられたり、車輪にかけられた制動が自動的に解除されたりする。
ここで、本発明による第1の制動装置および第1の車椅子において、第5部位、第8部位および第9部位を線分で結ぶことにより三角形が形成されている場合に、この三角形のうち第5部位に対応する第1内角が、センサ部の変位に応じて第1回動部および第2回動部が回動したときに、常に、0°より大きく、180°よりも小さくなっていることが好ましい。このようになっている場合には、センサ部を大きく変位させた場合であっても、制動部を弾性部によって車輪に当接する方向に付勢する状態(つまり、制動装置が正常に機能する状態)を維持することができる。
また、本発明による第1の制動装置および第1の車椅子において、第2部位は、第1部位と第3部位との間に位置していることが好ましい。このようになっている場合には、力点である第3部位と、作用点である第2部位と、支点である第1部位が、この順に並ぶことになる。これにより、例えば、センサ部が下方へ変位し、センサ部から第3部位に、下方への変位に対応する小さな力が加えられると、その力は第2部位で大きな力となり、その大きな力が弾性部の付勢力に反して、第2回動部を介して制動部を変位させることができる。
本発明による第1の制動装置および第1の車椅子では、例えば、固定部、第1回動部、第2回動部、制動部および弾性部によるトグル機構を利用して、センサ部88および制動部89を制御することが可能である。例えば、第1部位、第2部位および第7部位を線分で結ぶことにより三角形が形成されており、その三角形のうち第2部位に対応する第2内角が0°より大きく180°未満となっているときは、トグル機構が、センサ部を上方に付勢すると共に、制動部を車輪側に付勢するようになっている。また、第2内角が180°よりも大きく360°よりも小さくなっているときは、トグル機構が、センサ部を下方に付勢すると共に、制動部を車輪側に付勢するようになっている。つまり、トグル機構は、制動部を車輪側に付勢しつつ、第2内角の大きさが180°となるときを境にして、その境の前後で、センサ部の付勢方向を変化させている。ここで、センサ部の付勢方向が下方となっているときは、センサ部は、実質的に機能していないことになる。従って、トグル機構は、センサ部の下方への変位量が所定の大きさを超えると、センサ部の機能を停止させる機能停止機能を備えているとも言える。
第2内角が常に90°よりも大きくなっている場合には、センサ部を下方に、最大でも90°よりも小さな角度に相当する変位量だけ押し下げるだけで、第2内角が180°を超えるようになる。従って、第2内角が常に90°よりも大きくなっている場合には、第2内角が90°よりも小さくなることがある場合よりも、トグル機構の動作に必要なセンサ部のストロークが短くなるので、トグル機構の動作に必要な力が少なくて済む。
ところで、上述したようなトグル機構が設けられている場合には、第2内角が180°を超えたときに、制動部が車輪から離れた位置で停止するように、第1回動部および第2回動部の回動を停止させる停止機構が設けられていることが好ましい。このようにした場合には、第2内角が180°を超えると、センサ部が所定の位置で固定されると共に、制動部が車輪から離れた位置で固定される。これにより、センサ部を大きく押し下げ、第2内角が180°を超えるようにすることで、制動装置の機能を無効にすることができる。また、その逆に、センサ部を大きく押し上げ、第2内角が180°を下回るようにすることで、制動装置の機能を有効にすることができる。また、センサ部を大きく押し下げ、第2内角が180°を超えるようにしておくことで、弾性部が制動装置に取り付けられたままの状態で、制動装置を車椅子に取り付けることもできる。この場合には、制動部と車輪とのクリアランス(車輪が自由に回転するために必要な隙間)を確認しつつ、制動装置を車椅子に取り付けることができる。
本発明による第2の制動装置は、座部と、座部の両側に設けられた一対の車輪と、座部および一対の車輪を支持する本体フレームとを備えた車椅子に制動をかける装置である。この制動装置は、変換部、制動部および弾性部を備えている。変換部は、座部の下降に伴って座部によって押し下げられたときに、その押し下げによる下方への変位を、回転動作を利用して車椅子の前方向への変位に変換するようになっている。制動部は、変換部による、車椅子の前方向への変位を利用して、車椅子の前方向へ変位することにより車輪にかけられた制動を解除するようになっている。弾性部は、制動部が車椅子の前方向へ変位したときに、制動部の、車椅子の前方向への変位量を減少させる方向に付勢する付勢エネルギーを蓄積するようになっている。
制動部は、座部が上昇したときには、付勢エネルギーを利用して、車椅子の前方向への変位量を減少させる方向に変位し、車輪に当接したときに前記車輪に制動をかけるようになっている。変換部は、ブロック状の第1回動部および板形状の第2回動部を有している。第1回動部は、本体フレームに回動可能に固定され、下方への変位を、本体フレームに回動可能に固定された部分を支点として所定の方向に回転させる第1回転動作に変換するようになっている。第2回動部は、第1部品と回動可能に固定されると共に制動部とも回動可能に固定され、制動部を第1回転動作の回転方向とは反対方向に回転させる力を制動部に与えるようになっている。制動部は、本体フレームに回動可能に固定され、本体フレームに回動可能に固定された部分を支点として、第2部品からの力を、第1回転動作の回転方向とは反対方向に回転させる第2回転動作に変換し、第2回転動作に含まれる、車椅子の前方向への変位成分によって、車椅子の前方向へ変位することにより車輪にかけられた制動を解除するようになっている。
本発明による第2の車椅子は、座部と、座部の両側に設けられた一対の車輪と、座部および一対の車輪を支持する本体フレームと、制動装置とを備えたものである。この車椅子に搭載された制動装置は、上記の第2の制動装置と同一の構成要素を有している。
本発明による第2の制動装置および第2の車椅子では、座部の下降に伴って制動装置が座部によって押し下げられると、回転動作を利用して車輪にかけられた制動が解除される。また、座部が上昇し、座部の上昇量が所定の大きさを超えたときに、付勢エネルギーを利用して車輪に制動がかけられる。このように、本発明では、てこの原理と付勢エネルギーを利用して、座部の下降または上昇に応じて車輪に自動的に制動がかけられたり、車輪にかけられた制動が自動的に解除されたりする。
ここで、本発明による第2の制動装置および第2の車椅子において、回転動作が、センサ部の下方への変位を、所定の方向に回転させる第1回転動作に変換すると共に、第1回転動作を当該第1回転動作の回転方向とは反対方向に回転させる第2回転動作に変換する動作となっていることが好ましい。回転動作がこのようになっている場合には、制動装置に対してトグル機構を設けることが可能となる。これにより、制動装置の機能を無効にしたり、有効にしたりすることが可能となる。また、車輪への制動を解除したままの状態で、制動装置を車椅子に取り付けることも可能となる。この場合には、制動部と車輪とのクリアランス(車輪が自由に回転するために必要な隙間)を確認しつつ、制動装置を車椅子に取り付けることが可能となる。
本発明による第1および第2の制動装置ならびに第1および第2の車椅子によれば、てこの原理と付勢力(または付勢エネルギー)を利用して、座部の下降または上昇に応じて、車輪にかけられた制動を自動的に解除したり、車輪に自動的に制動をかけたりすることができるようにしたので、使用者が手動ブレーキをかけ忘れた場合であっても、使用者が転倒して、骨折したり怪我をしたりする可能性をなくすることができる。また、てこの原理と付勢力(または付勢エネルギー)が利用されていることから、座部のわずかな下降または上昇を利用して、車輪にかけられた制動を自動的に解除したり、車輪に自動的に制動をかけたりすることが可能である。これにより、既存の車椅子に対して第1の制動装置を取り付けるだけで、車輪に自動的に制動をかけることができ、既存の車椅子に特別な加工を施したり、特別な部品を使用したりする必要がない。また、機械的な原理しか利用されていないので、装置を小型化することができ、第1の制動装置を車椅子に取り付けた状態で、車椅子を折り畳むことが可能である。以上のことから、本発明では、折り畳み可能な状態で既存の車椅子に第1の制動装置を設置することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る自動ブレーキを備えた車椅子の外観図である。 図1の車椅子を背後から見たときの外観図である。 図1の自動ブレーキの斜視図である。 図3の自動ブレーキの、図3とは異なる方向からの斜視図である。 図3の自動ブレーキの正面図である。 図3の自動ブレーキの動作の模式図である。 図3の自動ブレーキを解除したときの自動ブレーキの斜視図である。 図7の自動ブレーキの、図8とは異なる方向からの斜視図である。 図3の自動ブレーキに使用されているネジの側面図および断面図である。 一変形例に係る自動ブレーキの動作の模式図である。
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態(図1〜図9)
制動部が時計回りに回動したときに車輪の制動が解除される例
2.変形例(図10)
制動部が反時計回りに回動したときに車輪の制動が解除される例
<1.実施の形態>
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動ブレーキ80(制動装置)が取り付けられた車椅子1の概略構成を表したものである。図2(A),(B)は、車椅子1を背後から見たときの概略構成を表したものである。図2(A)は車椅子1を展開したとき(使用時の状態)の背面図であり、図2(B)は車椅子1を折り畳んだとき(収納時の状態)の背面図である。なお、図2(A),(B)には、車椅子1の主要な骨組みが示されている。図3〜図7は、車椅子1のうち自動ブレーキ80およびその近傍の構成の一例を拡大して表したものである。図3、図6は自動ブレーキ80を車椅子1の内側から見たときの斜視図であり、図4、図7は自動ブレーキ80を車椅子1の外側から見たときの斜視図である。図5は、自動ブレーキ80を車椅子1の正面方向から見たときの平面図である。また、図3〜図5は、後述の各θ2(図8(A))が180°未満となっているときの自動ブレーキ80の斜視図であり、図6、図7は、後述の角θ2(図8(C))が180°を超えているときの自動ブレーキ80の斜視図である。図8(A)〜(C)は、自動ブレーキ80の動作を模式的に表したものである。図8(A),(B)は、後述の角θ2(図8(A))が180°未満となっているときの自動ブレーキ80の動作を模式的に表したものであり、図8(C)は、後述の角θ2(図8(A))が180°を超えているときの自動ブレーキ80の動作を模式的に表したものである。なお、図1ないし図8(A)〜(C)は、模式的に表したものであり、実際の寸法や形状と同一であるとは限らない。
この車椅子1は、従前の車椅子に対して、自動ブレーキ80を脱着可能に取り付けたものである。この車椅子1は、例えば、図1に示したように、本体フレーム10、車輪20、シート30、アームレスト40、フットレスト50、グリップ60、手動ブレーキ70および自動ブレーキ80を備えている。ここで、本体フレーム10、車輪20、シート30、アームレスト40、フットレスト50、グリップ60および手動ブレーキ70が、従前の車椅子の構成要素に相当するものであり、この従前の車椅子の構成要素に対して、自動ブレーキ80が追加されている。以下では、まず、従前の車椅子の構成要素について説明し、その後に、自動ブレーキ80について説明する。
[従前の車椅子]
本体フレーム10は、車椅子1の骨格をなすものであり、例えば、バックパイプ11、アームパイプ12、ボトムパイプ13、サイドパイプ14、クロスパイプ15およびフットパイプ16を含んで構成されている。これらのパイプは、例えば、金属製のパイプによって形成されている。
バックパイプ11は、背もたれに相当するバックシート31(後述)を保持するものである。バックパイプ11は、例えば、アームパイプ12に接合されており、車椅子1の後方に延在すると共に、所定の間隙を介して互いに対向する2本のパイプによって形成されている。この2本のパイプの先端には、看護師や付添人などの、使用者を介護する人が車椅子1を操作する際に使用するグリップ60が付設されている。なお、グリップ60は、例えば、自転車などに使われる把手などと同様の形状となっており、例えば、プラスチックなどによって形成されている。
アームパイプ12は、車椅子1の使用者が車椅子1に座ったときに腕を置くためのアームレスト40を支持するものである。アームパイプ12は、例えば、バックパイプ11およびボトムパイプ13に接合されている。アームパイプ12は、車椅子1の使用者が車椅子1に座る際の着座面を構成するボトムシート32(後述)と、ボトムシート32の両脇に設けられた後輪22(後述)との間に配置されている。アームパイプ12は、例えば、U字型に屈曲したパイプを含んで構成されている。このとき、U字型のパイプの先端がボトムパイプ13に接合されており、U字型のパイプとボトムパイプ13とによって形成された開口の全部または一部を塞ぐようにして、サイドシート33(後述)が付設されている。
ボトムパイプ13は、着座時にクロスパイプ15を支持するものである。ボトムパイプ13は、例えば、バックパイプ11、アームパイプ12、サイドパイプ14およびフットパイプ16に接合されており、ボトムシート32の両脇に配置されている。ボトムパイプ13は、例えば、車椅子1の前方から後方に延在すると共に所定の間隙を介して互いに対向する2本の水平パイプと、この2本の水平パイプに接続されると共に着座時にクロスパイプ15を支持するフック(図示せず)とを含んで構成されている。
サイドパイプ14は、車輪20を支持するものである。サイドパイプ14には、例えば、ボトムパイプ13が接合されており、かつクロスパイプ15が回動可能に連結されている。サイドパイプ14は、上から見たときに、ボトムシート32と、ボトムシート32の両脇に設けられた後輪22(後述)との間に配置されており、かつアームパイプ12の下方に配置されている。サイドパイプ14は、例えば、車輪20と連結されるボス(図示せず)と、このボスを支持するパイプとを含んで構成されている。
クロスパイプ15は、ボトムシート32を支持するものであり、車椅子1を折り畳む機構も備えている。クロスパイプ15は、例えば、図2(A)に示したように、ボトムシート32を支持する2本の水平パイプ15Aと、車椅子1を折り畳む機構を担う一組の斜めパイプ15Bとを有している。2本の水平パイプ15Aは、例えば、車椅子1の前方から後方に延在すると共に所定の間隙を介して互いに対向配置されている。一組の斜めパイプ15Bのうちの一本については、例えば、一端が右側の水平パイプに接続され、他端が左側のサイドパイプ14に接続されている。また、一組の斜めパイプ15Bのうちの残りの一本については、例えば、一端が左側の水平パイプに接続され、他端が右側のサイドパイプ14に接続されている。一組の斜めパイプ15Bは、例えば、図2(A)に示したように、中央部分に設けられた回転機構15Cと、サイドパイプ14側の端部に設けられた回転機構15Dとによって、車椅子1の幅を広げたり狭めたりすることができるようになっている。なお、斜めパイプ15Bの組数は、通常は2つであるが、必要に応じて調整可能である。
フットパイプ16は、車椅子1の使用者が車椅子1に座ったときに足を置くためのフットレスト50を支持するものである。フットパイプ16は、例えば、ボトムパイプ13に接合されており、車椅子1の前方に延在すると共に、所定の間隙を介して互いに対向する2本のパイプによって形成されている。この2本のパイプの先端には、フットレスト50が付設されている。なお、フットレスト50は、例えば、自転車などに使われるペダルなどと類似した形状となっており、例えば、プラスチックなどによって形成されている。フットレスト50は、車椅子1の使用者が車椅子1から降りる際に車椅子1の両脇に移動させることが可能なように、フットパイプ16の中心軸を中心として回転可能な構造となっていてもよい。
車輪20は、例えば、図1に示したように、前輪21および後輪22を含んでいる。前輪21は、車椅子1の走行を補助すると共に、車椅子1が前傾するのを防止するものである。前輪21は、例えば、サイドパイプ14に対して、回転可能に連結されており、後輪22の径よりも小さな径を有する円板を含んで構成されている。後輪22は、車椅子1を走行させるものであり、例えば、図1、図2(A),(B)に示したように、タイヤ22a、車軸22b、スポーク22c、ハンドリム22dおよびハブ22eを含んで構成されている。
タイヤ22aは、例えば、環状のリム(図示せず)の外周面を囲む帯状の構造となっており、路面や地面の上を転がる踏面(トレッド)を形成するものである。タイヤ22aは、例えば、ゴムによって形成されている。車軸22bは、後輪22の回転軸をなすものであり、ハブ22eに対して、回転可能に連結されている。車軸22bは、例えば、棒状の金属によって形成されている。スポーク22cは、タイヤ22aを装着するリムを支持するものであり、ハブ22eおよびリムに連結されると共に、ハブ22eとリムとの間に配置されている。スポーク22cは、例えば、細い金属によって形成されており、車軸22bを中心とする放射線と平行な方向に延在している。ハンドリム22dは、車椅子1の使用者が後輪22を駆動する際に手で操作するものである。ハンドリム22dは、例えば、リムよりも一回り小さな径を有する環状のプラスチックなどによって形成されている。ハンドリム22dは、例えば、リムなどに連結されている。ハブ22eは、後輪22の回転を制御するものである。ハブ22eは、車軸22bに対して回転可能に連結されている。ハブ22eは、例えば、車軸22bを中心軸とする円柱状の形状となっており、その外周面にスポーク22cが連結されている。
シート30は、車椅子1の使用者が車椅子1に座った際に使用者の体をソフトに支えるものである。シート30は、例えば、すでに上述されたバックシート31、ボトムシート32およびサイドシート33を含んでいる。なお、ボトムシート32は、本発明の「座部」の一具体例に相当する。
バックシート31は、車椅子1の使用者の背中を支持するものであり、例えば、バックパイプ11のうちグリップ60の連結された2本のパイプに連結されている。ボトムシート32は、車椅子1の使用者の臀部を支持するものであり、例えば、クロスパイプ15の水平パイプ15Aに連結されている。サイドシート33は、車椅子1の使用者の衣服などが後輪22に絡まるのを防止するものであり、例えば、サイドパイプ14に連結されている。
手動ブレーキ70は、使用者の操作により車椅子1に制動をかけるものであり、双方の後輪22に対して1つずつ設けられている。手動ブレーキ70は、例えば、図3に示したように、使用者が操作するグリップ71と、手動ブレーキ70をボトムパイプ13に固定する固定部72と、後輪22に制動をかけるブレーキフィン73とを有している。ブレーキフィン73は、グリップ71の動作に応じて動作するようになっており、例えば、グリップ71が車椅子1の前方に倒れると後輪22に接触し、グリップ71が車椅子1の後方に倒れると後輪22から離れるようになっている。
[自動ブレーキ80]
次に、自動ブレーキ80について説明する。自動ブレーキ80は、使用者の乗降に応じて自動的に車椅子1に制動をかけるものであり、双方の後輪22に対して1つずつ設けられている。自動ブレーキ80は、従前の車椅子に対して脱着可能に構成されたものであり、例えば、図3に示したように、ボトムパイプ13に取り付けられている。自動ブレーキ80は、全て機械部品で構成されており、例えば、図3、図4に示したように、フレーム81、おさえ板82、おさえ板83、フレーム延長部84、回動部85、回動部86、回動部延長部87、センサ部88、制動部89および弾性部90を含んで構成されている。
なお、フレーム81、おさえ板82、おさえ板83およびフレーム延長部84が、本発明の「固定部」の一具体例に相当する。回動部85および回動部延長部87が、本発明の「第1回動部」の一具体例に相当する。回動部86が、本発明の「第2回動部」の一具体例に相当する。
フレーム81は、おさえ板83、フレーム延長部84および回動部85を取り付けるものであり、例えば、板状となっている。フレーム81は、例えば、図4に示したように、切り欠き81Aを有している。切り欠き81Aは、制動部89が後輪22に当接しているときに後述のネジ85Bを収容するとともに、フレーム延長部84と制動部89とのなす角θ1(図8(A)〜(C)参照)が、常に、180°以上とならないように(つまり、0°よりも大きく180°よりも小さくなるように)回動部85の回動を規制するものである。これにより、センサ部88を大きく変位させた場合であっても、制動部89を弾性部90によって後輪22に当接する方向に付勢する状態(つまり、自動ブレーキ80が正常に機能する状態)を維持することができる。なお、ネジ85Bの位置によっては、切り欠き81Aを省略することが可能である。
おさえ板82,83は、フレーム81をボトムパイプ13に固定するものである。おさえ板82は、図3〜図5に示したように、U字形状となっており、例えば、1枚の板をU字形状に折り曲げることにより形成されたものである。おさえ板82のギャップ(U字形状のギャップ)は、既存の車椅子のボトムパイプ13の直径として採り得る最大値と、おさえ板83の厚さとの和よりも大きくなっている。従って、自動ブレーキ80を既存の車椅子に取り付ける際に、ボトムパイプ13およびおさえ板83を互いに重ね合わせた状態で、おさえ板82のギャップ内に配置すると共に、ボトムパイプ13をおさえ板82の両端部のうち一方の端部に当接した場合には、おさえ板82の両端部のうちボトムパイプ13と非接触の端部とおさえ板83との間には、所定のクリアランスが得られる。このクリアランスが、例えば図5に示した雄ネジ83Aの挿通量を規定することになる。
おさえ板82の両端部のうち一方の端部には、開口(図示せず)が設けられている。この開口は、雄ネジ82を嵌め込むことが可能となっており、この開口には雄ネジ82が嵌め込まれている。ここで、おさえ板82のギャップ内には、ボトムパイプ13およびおさえ板83が互いに重ね合わされた状態で配置されており、おさえ板83の裏面に雄ネジ82の先端が当接している。雄ネジ82の先端は、所定の圧力でおさえ板83の裏面を押圧している。従って、ボトムパイプ13およびおさえ板83は、おさえ板82のギャップ内に、雄ネジ82によって固定されている。
一方、おさえ板83は、図4、図5に示したように、板状となっている。おさえ板83は、例えば、側面に開口(図示せず)を有している。この開口は、図3に示したネジ83Bを嵌め込むことが可能となっている。この開口には、フレーム81を介してネジ83Bが嵌め込まれており、おさえ板83はネジ83Aによってフレーム81に固定されている。なお、おさえ板83は、フレーム81と一体に形成されていてもよい。
おさえ板83は、さらに、例えば、図4、図5に示したように、上面に帯状の凹部83Cを有している。凹部83Cは、何らかの衝撃などにより、フレーム81がボトムパイプ13から脱落したり、ボトムパイプ13とフレーム81との位置関係がずれたりするのを防止するものである。具体的には、凹部83Cは、おさえ板83の上面にボトムパイプ13を配置したときに、ボトムパイプ13が凹部83Cに嵌り込み、凹部83Cの延在方向と直交する方向に変位しないようにするものである。従って、例えば、図5に示したように、おさえ板82のギャップ内にボトムパイプ13とおさえ板83を配置し、おさえ板82の開口に雄ネジ83Aを挿通して、おさえ板82,83およびボトムパイプ13を互いに固定したときに、凹部83Cにボトムパイプ13を嵌め込むことにより、おさえ板82,83(またはフレーム81)の、ボトムパイプ13に対するがたつきをなくすることができる。なお、凹部83Cは、必要に応じて省略することも可能である。
フレーム延長部84は、図3〜図5に示したように、細長い板形状となっている。フレーム延長部84の一端がフレーム81に固定され、フレーム延長部84の他端が制動部89に回動可能に支持されている。例えば、フレーム延長部84の一端がネジ84Aによってフレーム81に固定され、フレーム延長部84の他端がネジ89Aによって制動部89を回動可能に支持している。フレーム延長部84は、フレーム81のうち回動部85を支持する部位とは異なる部位に固定されている。また、フレーム延長部84は、制動部89のうち回動部86を支持する部位とは異なる部位に固定されている。なお、フレーム延長部84のうち制動部89を支持する部位が、本発明の「第5部位」の一具体例に相当し、図8(A)〜(C)においてEで表される部位に相当する。また、フレーム81のうち回動部85を支持する部位が、本発明の「第4部位」の一具体例に相当する。
ここで、フレーム81とフレーム延長部84とのなす角θ3(図8(A)〜(C)参照)は、90°よりも大きく、180°よりも小さくなっていることが好ましい。角θ3が90°よりも大きく、180°よりも小さくなっていることにより、制動部89がフレーム81との関係で、車椅子1の前方に配置されることになり、フレーム81を車椅子1の前方だけでなく、それ以外の部分(例えば、車椅子1の中央部分または後方)にも配置することが可能となる。また、フレーム延長部84は、制動部89を手動ブレーキ70のブレーキフィン73よりも下側に配置することの可能な程度の長さとなっていることが好ましい。フレーム延長部84の長さがそのようになっている場合には、後輪22と手動ブレーキ70との間に隙間がほとんど無いときでも、自動ブレーキ80を既存の車椅子に設置することが可能となる。
回動部85は、例えば、ブロック状の形状となっている。回動部85は、フレーム81に回動可能に支持されたものである。具体的には、図3に示したように、回動部85は、フレーム81のうちフレーム延長部84が固定されている部位とは異なる部位に回動可能に支持されたものである。例えば、回動部85は、フレーム81のうちフレーム延長部84が固定されている部位とは異なる部位に、ネジ85Aによって回動可能に支持されたものである。なお、回動部85のうちフレーム81に支持された部位が、本発明の「第1部位」の一具体例に相当し、図8(A)〜(C)においてAで表される部位に相当する。
図9(A)は、ネジ85Aの構成の一例を表したものである。図9(B)は、図9(A)に示した機構の断面構成の一例を表したものである。ネジ85Aは、回動部85をフレーム81に対して回動可能に支持するものである。ネジ85Aは、例えば、図9(B)に示したように、キャップスクリュー85−1を有している。キャップスクリュー85−1には、例えば、スプリングターン85−2、ワッシャー85−3、スペーサ85−4およびワッシャー85−3がこの順に挿通されており、キャップスクリュー85−1の先端が若干、ワッシャー85−3からはみ出している。キャップスクリュー85−1の先端は、フレーム81に設けられた凹部81Cにねじ込まれており、キャップスクリュー85−1がフレーム81に固定されている。回動部85には、スペーサ85−4の直径よりも大きく、ワッシャー85−3の直径よりも小さな直径を有する貫通孔85Cが設けられている。従って、スペーサ85−4を回動部85の貫通孔85Cに挿通した状態で、スペーサ85−4を回動部85と一緒にキャップスクリュー85−1に挿通し、さらに、キャップスクリュー85−1をフレーム81に固定することにより、回動部85がフレーム81に対して回動可能に支持される。
回動部85は、例えば、図4に示したように、当該回動部85の回動を規制するネジ85Bを有している。ネジ85Bは、フレーム延長部84と制動部とのなす角θ1(図8(A)〜(C)参照)が180°以上とならないように回動部85,86の回動を規制するものである。なお、角θ1が、本発明の「第1内角」の一具体例に相当する。さらに、ネジ85Bは、図6、図7に示したように、回動部85と回動部86とのなす角θ2(図8(C)参照)が180°を超えたときに、制動部89が車輪22から離れた位置で停止するように、回動部85,86の回動を規制するものである。従って、ネジ85Bは、本発明の「停止機構」の一具体例に相当する。ネジ85Bは、回動部85とは異なる部位に設けられていてもよい。なお、角θ2が、本発明の「第2内角」の一具体例に相当する。
回動部86は、図3〜図5に示したように、細長い板形状となっている。回動部86は、回動部85および制動部89に回動可能に支持されたものである。具体的には、図3に示したように、回動部86は、回動部85のうちフレーム81に支持された部位とは異なる部位に回動可能に支持されたものである。例えば、回動部86は、回動部85のうちフレーム81に支持された部位とは異なる部位に、ネジ86Aによって回動可能に支持されたものである。また、回動部86は、制動部89のうちフレーム延長部84に支持された部位とは異なる部位に回動可能に支持されたものである。例えば、回動部86は、制動部89のうちフレーム延長部84に支持された部位とは異なる部位に、ネジ89Bによって回動可能に支持されたものである。回動部86の一端が回動部85に回動可能に支持され、回動部86の他端が制動部89に回動可能に支持されている。例えば、回動部86の一端がネジ86Aによって回動部85に回動可能に支持され、回動部86の他端がネジ89Bによって制動部89に回動可能に支持されている。
回動部86のうち回動部85に支持された部位(または回動部85のうち回動部86を支持する部位)は、回動部65のうちフレーム81に支持された部位との関係で、制動部89側に配置されていることが好ましい。なお、回動部86のうち回動部85に支持された部位(または回動部85のうち回動部86を支持する部位)が、回動部65のうちフレーム81に支持された部位との関係で、制動部89とは反対側に配置されていてもよい。なお、回動部86のうち回動部85に支持された部位が、本発明の「第6部位」の一具体例に相当する。回動部86のうち制動部89に支持された部位が、本発明の「第7部位」の一具体例に相当し、図8(A)〜(C)においてFで表される部位に相当する。回動部85のうち回動部86を支持する部位が、本発明の「第2部位」の一具体例に相当し、図8(A)〜(C)においてBで表される部位に相当する。
回動部86は、フレーム延長部84と同様、制動部89を手動ブレーキ70のブレーキフィン73よりも下側に配置することの可能な程度の長さとなっていることが好ましい。回動部86の長さがそのようになっている場合には、後輪22と手動ブレーキ70との間に隙間がほとんど無いときでも、自動ブレーキ80を既存の車椅子に設置することが可能となる。また、回動部85のうち回動部86を支持する部位は、回動部85のうちフレーム81に支持された部位との関係において、図3に示したように、フレーム延長部84側に配置されていることが好ましい。なお、図示しないが、回動部85のうち回動部86を支持する部位が、回動部85のうちフレーム81に支持された部位との関係において、フレーム延長部84とは反対側に配置されていてもよい。
回動部延長部87は、回動部85に固定されたものである。なお、回動部延長部87は、回動部85とともに一体に形成されたものであってもよい。回動部延長部87は、回動部85のうち、フレーム81に支持された部位よりも、回動部86を支持する部位に近接して固定されている。回動部延長部87は、図3、図4に示したように、細長い棒形状となっている。回動部延長部87の一端がフレーム81に固定され、回動部延長部87の他端はセンサ部88に固定されている。回動部86のうち回動部85に支持された部位は、回動部延長部87のうちセンサ部88が固定されている部位と、回動部65のうちフレーム81に支持された部位との間に配置されている。また、回動部延長部87のうちセンサ部88が固定されている部位は、回動部65のうちフレーム81に支持された部位との関係で、制動部89側に配置されていることが好ましい。なお、回動部延長部87のうちセンサ部88が固定されている部位が、回動部65のうちフレーム81に支持された部位との関係で、制動部89とは反対側に配置されていてもよい。これら3つの部位は、すべて、一本の直線状に配置されていることが好ましい。なお、回動部延長部87のうちセンサ部88を固定する部位が、本発明の「第3部位」の一具体例に相当し、図8(A)〜(C)においてCで表される部位に相当する。
制動部89は、後輪22に制動をかけるものである。制動部89は、例えば、L字型となっており、例えば、1枚の板を折り曲げることにより形成されたものである。なお、制動部89は、ブロック状となっていてもよい。制動部89は、フレーム延長部84および回動部86と回動可能に支持されている。ここで、制動部89のうちフレーム延長部84に支持された部位は、制動部89のうち回動部86と回動可能に支持された部位よりも上方に位置している。そのため、制動部89は、制動部89を車椅子1の内側から見たときに、制動部89のうちフレーム延長部84に支持された部位を回動中心軸として、時計回りに回動するようになっている。
弾性部90は、後輪22に当接する方向に付勢する力(付勢力)を制動部89に与えるものである。弾性部90の付勢力は、制動部89が車輪22に当接する方向を向いている。弾性部90は、例えば、バネなどによって形成されている。弾性部90の一端は、制動部89のうちフレーム延長部84に支持された部位との関係で、制動部89のうち回動部86寄りの部位に連結されており、例えば、ネジ89Bに連結されている。また、弾性部90の他端は、フレーム延長部84のうち制動部89を支持する部位とは異なる部位に連結されている。具体的には、弾性部90の他端は、フレーム延長部84のうち制動部89を支持する部位との関係で、フレーム81寄りに連結されている。例えば、弾性部90の他端は、フレーム延長部84において、制動部89を支持する部位と、フレーム81に支持された部位との中間部分に連結されている。なお、フレーム延長部84のうち弾性部90を固定する部位が、本発明の「第8部位」の一具体例に相当し、図8(A)〜(C)においてGで表される部位に相当する。制動部89のうち弾性部90を固定する部位が、本発明の「第9部位」の一具体例に相当し、図8(A)〜(C)においてHで表される部位に相当する。
センサ部88は、使用者が車椅子1のシート30に腰掛けたり、シート30から立ち上がったりしたときに、ボトムシート32に生じる変位を検知するものである。センサ部88は、機械的なセンサであり、電気、磁気、光を使用しておらず、また、使用者がシート30に腰掛けたときの圧力を油圧に変換するなどのエネルギー変換を使用していない。センサ部88は、例えば、図3に示したように、棒状となっており、ボトムシート32と接する部分に丸みを有している。センサ部88の一端が回動部延長部87の一端に連結されており、センサ部88の他端がボトムシート32の裏面側に向いている。
センサ部88は、図2(A)に示したように、ボトムシート32の直下に配置されている。センサ部88は、例えば、使用者がシート30に腰掛けていないときに、所定の間隙を介してボトムシート32と対向配置されている。なお、センサ部88は、使用者がシート30に腰掛けていないときに、ボトムシート32の裏面に接していてもよい。センサ部88は、使用者がシート30に腰掛けていないときに、制動部89による後輪22の制動が解除されることのない位置に配置されている。さらに、センサ部88は、使用者がシート30の所定の位置に腰掛けるなどして、ボトムシート32が降下したときに、ボトムシート32によって押し下げられる位置に配置されている。また、センサ部88は、ボトムシート32によって所定の位置まで押し下げられることにより、制動部89による後輪22の制動が解除される位置に配置されている。
ここで、センサ部88は、上から見たときに、ボトムシート32の中央部分または後方部分に配置されていることが好ましい。そのようにした場合には、使用者がボトムシート32の前方部分に腰掛けているときや、使用者がシート30からずり落ちてボトムシート32の前方部分でのけ反った状態となってしまったときなどに、センサ部88が使用者を検知できず、制動部89によって後輪22に制動がかかった状態となる。従って、そのようなときには、使用者の転倒事故を防止することができる。
センサ部88の感度の調整は、センサ部88の位置および向きを調整することによって可能である。例えば、センサ部88の向きを上方にシフトさせたとする。この場合には、センサ部88の先端とボトムシート32の裏面との間隙が狭くなったり、センサ部88がボトムシート32を押し上げる量が多くなったりするので、センサ部88の感度を上げることができる。一方、例えば、センサ部88の向きを下方にシフトさせたとする。この場合には、センサ部88の先端とボトムシート32の裏面との間隙が広くなったり、センサ部88がボトムシート32を押し上げる量が少なくなったりするので、センサ部88の感度を下げることができる。
ところで、本実施の形態の自動ブレーキ80では、回動部65のうちフレーム81に支持された部位が、てこの原理における支点(fulcrum) として機能している。また、回動部延長部87のうちセンサ部88が固定されている部位が、てこの原理における力点(point of effort)としての役割を有している。さらに、回動部86のうち回動部85に支持された部位が、てこの原理における作用点(point of load)として機能している。つまり、本実施の形態の自動ブレーキ80は、力点、作用点および支点がこの順に並んだ「てこの原理」を利用して、後輪22にかけられた制動を解除するようになっている。力点、作用点および支点がこの順に並んでいる場合には、センサ部と連結された力点に、センサ部の下方への変位に対応する小さな力が加えられると、その力は作用点で大きな力となり、その大きな力が弾性部90の付勢力に反して制動部89を変位させることができる。
自動ブレーキ80は、ボトムシート32の下降に伴ってセンサ部88がボトムシート32によって押し下げられたときに、その押し下げによる下方への変位を、回動部85,86および制動部89の回転動作を利用して横方向への変位に変換し、制動部89を後輪22から離すようになっている。具体的には、回動部85は、センサ部88の下方への変位を受けて、回動部85自身が回転することにより、センサ部88の下方への変位を第1回転動作に変換するようになっている。回動部86は、回動部85の第1回転動作を受けて、制動部89を第1回転動作の回転方向とは反対方向に回転させる力を制動部89に与えるようになっている。制動部89は、回動部86からの力を受けて、制動部89自身が回転することにより、回動部86からの力を、第1回転動作の回転方向とは反対方向に回転させる第2回転動作に変換するようになっている。つまり、回動部85,86および制動部89は、センサ部88の下方への変位を、所定の方向に回転させる第1回転動作に変換すると共に、第1回転動作を当該第1回転動作の回転方向とは反対方向に回転させる第2回転動作に変換するようになっている。このとき、第2回転動作には横方向へ変位する成分が含まれているので、制動部89が第2回転動作をすることにより、横方向へ変位するようになり、後輪22から離れるようになっている。
また、自動ブレーキ80は、弾性部90の付勢力(付勢エネルギー)を利用して、後輪22に制動をかけるようになっている。具体的には、自動ブレーキ80は、まず、ボトムシート32の下降に伴ってセンサ部88がボトムシート32によって押し下げられたときに、センサ部88の下方への変位を制動部89の横方向への変位に変換すると同時に、制動部89の横方向への変位量を減少させる方向に付勢する付勢エネルギーを弾性部90に蓄積するようになっている。そして、自動ブレーキ80は、ボトムシート32が上昇し始めたときに、弾性部90に蓄積した付勢エネルギーを利用して制動部89を後輪22側に変位させると共に、回動部85,86および制動部89の回転動作を利用してセンサ部88を上方に変位させるようになっている。自動ブレーキ80は、ボトムシート32がさらに上昇し、その上昇量が所定の大きさを超えたときに、弾性部90に蓄積した付勢エネルギーを利用して制動部89を後輪22に当接させ、それによって後輪22に制動をかけるようになっている。
さらに、自動ブレーキ80は、回動部85、回動部86、制動部89および弾性部90によるトグル機構を利用して、センサ部88および制動部89を制御するようになっている。例えば、図8(A),(B)に示したように、回動部85と回動部86とのなす角θ2が0°より大きく180°未満となっているときは、トグル機構が、センサ部88をボトムシート32が配置されている方向に付勢すると共に、制動部89を後輪22側に付勢している。また、例えば、図8(C)に示したように、回動部85と回動部86とのなす角θ2が180°よりも大きく360°よりも小さくなっているときは、トグル機構が、センサ部88をボトムシート32が配置されている方向とは反対方向に付勢すると共に、制動部89を後輪22側に付勢している。つまり、トグル機構は、制動部89を後輪22側に付勢しつつ、角θ2の大きさが180°となるときを境にして、その境の前後で、センサ部88の付勢方向を変化させている。ここで、センサ部88の付勢方向が、ボトムシート32が配置されている方向とは反対方向となっているときは、センサ部88は、実質的に機能していないことになる。従って、トグル機構は、センサ部88の下方への変位量が所定の大きさを超えると、センサ部88の機能を停止させる機能停止機能を備えているとも言える。
回動部延長部87と回動部86とのなす角θ4は、180°−θ2となり、鋭角となっている。そのため、角θ2が常に90°よりも大きくなっている場合には、センサ部88をボトムシート32が配置されている方向とは反対側に、最大でも90°よりも小さな角度に相当する変位量だけ押し下げるだけで、例えば、図8(C)に示したように、角θ2が180°を超えるようになる。従って、角θ2が常に90°よりも大きくなっている場合には、角θ2が90°よりも小さくなることがある場合よりも、トグル機構の動作に必要なセンサ部88のストロークが短くなるので、トグル機構の動作に必要な力が少なくて済む。
ところで、上述したようなトグル機構が設けられている場合には、角θ2が180°を超えたときに、制動部89が後輪22から離れた位置で停止するように、回動部85および回動部86の回動を停止させる停止機構が設けられていることが好ましい。本実施の形態では、この停止機構として、上述したように、ネジ85Bが設けられている。これにより、角θ2が180°を超えると、センサ部88が所定の位置で固定されると共に、制動部89が後輪22から離れた位置で固定される。その結果、センサ部88を大きく押し下げ、角θ2が180°を超えるようにすることで、自動ブレーキ80の機能を無効にすることができる。また、その逆に、センサ部88を大きく押し上げ、角θ2が180°を下回るようにすることで、自動ブレーキ80の機能を有効にすることができる。また、センサ部88を大きく押し下げ、角θ2が180°を超えるようにしておくことで、弾性部90が自動ブレーキ80に取り付けられたままの状態で、自動ブレーキ80を既存の車椅子に取り付けることもできる。この場合には、制動部89と後輪22とのクリアランス(後輪22が自由に回転するために必要な隙間)を確認しつつ、自動ブレーキ80を既存の車椅子に取り付けることができる。
次に、本実施の形態の自動ブレーキ80およびそれを備えた車椅子1の作用・効果について説明する。
本実施の形態では、ボトムシート32の下降に伴ってセンサ部88がボトムシート32によって押し下げられたときに、その押し下げによる下方への変位が、回動部85,86および制動部89の回転動作を利用して横方向への変位に変換され、制動部89が後輪22から離れる。その後、ボトムシート32が上昇し始めたときに、弾性部90に蓄積した付勢エネルギーを利用して制動部89が後輪22側に変位すると共に、回動部85,86および制動部89の回転動作を利用してセンサ部88が上方に変位する。その後、ボトムシート32がさらに上昇し、その上昇量が所定の大きさを超えたときに、弾性部904に蓄積した付勢エネルギーを利用して、制動部89が後輪22に当接し、それによって後輪22に制動がかけられる。
ところで、本実施の形態では、自動ブレーキ80によって、使用者の乗降に応じて自動的に車椅子1に制動がかけられる。具体的には、ボトムシート32の下降に伴ってセンサ部88がボトムシート32によって押し下げられると、回動部85,86および制動部89の回転動作を利用して後輪22にかけられた制動が解除される。また、ボトムシート32が上昇し始めると、弾性部90に蓄積した付勢エネルギーを利用して後輪22に制動がかけられる。このように、ボトムシート32の下降または上昇に応じて後輪22に自動的に制動がかけられたり、後輪22にかけられた制動が自動的に解除されたりする。これにより、使用者が手動ブレーキ70をかけ忘れた場合であっても、使用者が転倒して、骨折したり怪我をしたりする可能性をなくすることができる。
また、本実施の形態では、自動ブレーキ80には、てこの原理と付勢力が利用されていることから、ボトムシート32のわずかな下降または上昇を利用して後輪22にかけられた制動を解除したり、後輪22に制動をかけたりすることが可能である。これにより、既存の車椅子に対して自動ブレーキ80を取り付けるだけで、後輪22に自動的に制動をかけることができ、既存の車椅子に特別な加工を施したり、特別な部品を使用したりする必要がない。
また、本実施の形態では、自動ブレーキ80には機械的な原理しか利用されていないので、装置を小型化することができ、自動ブレーキ80を車椅子1に取り付けた状態で、車椅子1を折り畳むことが可能である。また、本実施の形態では、自動ブレーキ80は全て機械部品で構成されており、使用者の乗降を検知するセンサ部88においても、機械的なセンサとなっている。これにより、自動ブレーキ80自体のコストを安くすることができる。
さらに、本実施の形態では、自動ブレーキ80は、トグル機構を利用して、センサ部88および制動部89を制御するようになっている。そのため、回動部85と回動部86とのなす角θ2が常に90°よりも大きくなっている場合には、角θ2が90°よりも小さくなることがある場合よりも、トグル機構の動作に必要なセンサ部88のストロークが短くなり、トグル機構の動作に必要な力が少なくて済む。その結果、ボトムシート32の直下に設けられたセンサ部88によるボトムシート32の突き上げも小さくなるので、使用者は、車椅子1に座ったときに、センサ部88によるボトムシート32の突き上げ感をほとんど感じなくなる。
以上のことから、本実施の形態では、折り畳み可能な状態で既存の車椅子に自動ブレーキ80を設置することが可能である。
また、本実施の形態において、センサ部88が、上から見たときに、ボトムシート32の中央部分または後方部分に配置されている場合には、使用者が何らかの原因でシート30からずり落ちてボトムシート32の前方部分でのけ反った状態となってしまったときには、使用者がシート30からずり落ちた時点で、車椅子1の移動が停止する。従って、そのようなときにも、使用者の転倒事故を防止することができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。
例えば、上記実施の形態では、制動部89のうちフレーム延長部84に支持された部位が、制動部89のうち回動部86と回動可能に支持された部位よりも上方に位置していたが、例えば、図10(A)〜(C)に示したように、制動部89のうち回動部86と回動可能に支持された部位よりも下方に位置していてもよい。このようにした場合には、制動部89は、制動部89を車椅子1の内側から見たときに、制動部89のうちフレーム延長部84に支持された部位を回動中心軸として、反時計回りに回動するようになっている。
なお、図10(A)〜(C)は、自動ブレーキ80の動作の一変形例を模式的に表したものである。図10(A),(B)は、角θ2が180°未満となっているときの自動ブレーキ80の動作の一変形例を模式的に表したものであり、図10(C)は、角θ2が180°を超えているときの自動ブレーキ80の動作の一変形例を模式的に表したものである。図10(A)〜(C)から、自動ブレーキ80の動作は、図8(A)〜(C)と実質的に同一であることがわかる。
また、上記実施の形態では、自動ブレーキ80はボトムパイプ13に固定されていたが、他のパイプに固定されていてもよい。また、上記実施の形態では、センサ部88が棒状となっていたが、ボトムシート32と接触する部分に、ボトムシート32との接触面積を拡大する何らかの部材が設けられていてもよい。また、上記実施の形態では、自動ブレーキ80が手動ブレーキ70とは別体で構成されていたが、必要に応じて、手動ブレーキ70と一体に構成されていてもよい。
1…車椅子、10…本体フレーム、11…バックパイプ、12…アームパイプ、13…ボトムパイプ、14…サイドパイプ、15…クロスパイプ、15A…水平パイプ、15B…斜めパイプ、15C,15D…回転機構、16…フットパイプ、20…車輪、21…前輪、22…後輪、22a…タイヤ、22b…車軸、22c…スポーク、22d…ハンドリム、22e…ハブ、30…シート、31…バックシート、32…ボトムシート、33…サイドシート、40…アームレスト、50…フットレスト、60,71…グリップ、70…手動ブレーキ、72,87A,81D,83F…固定部、73…ブレーキフィン、80…自動ブレーキ、81…フレーム、81A…切り欠き、81C,83C…凹部、82,83…おさえ板、83A…雄ネジ、83B,84A,85A,85B,86A,87A,89A,89B,90A…ネジ、84…フレーム延長部、85,86…回動部、85C…貫通孔、85−1…キャップスクリュー、85−2…スプリングターン、85−3…ワッシャー、85−4…スペーサ、87…回動部延長部、88…センサ部、89…制動部、A…第1部位、B…第2部位、C…第3部位、E…第5部位、F…第7部位、G…第8部位、H…第9部位。

Claims (7)

  1. 座部と、前記座部の両側に設けられた一対の車輪と、前記座部および前記一対の車輪を支持する本体フレームとを備えた車椅子に制動をかける制動装置であって、
    前記本体フレームは、前記一対の車輪を支持する2本のサイドパイプと、各前記サイドパイプに1本ずつ接合され、かつ前記車椅子の前方から後方に延在すると共に所定の間隙を介して互いに対向する2本のボトムパイプとを有し、
    当該制動装置は、
    フレームと、前記フレームに連結されたおさえ板とを有し、前記おさえ板によって前記ボトムパイプを挟み込むことにより前記ボトムパイプに着脱可能に固定される固定部と、
    前記フレームに回動可能に支持されたブロック状の第1回動部と、
    前記サイドパイプの延在方向をx軸方向、前記x軸方向のうち前記車椅子の前方側をx軸正方向、前記車輪の回転軸方向をy軸方向、前記x軸方向および前記y軸方向に垂直な方向をz軸方向、前記z軸方向のうち前記車椅子の接地面側をz軸負方向とすると、
    前記第1回動部内の部位であって、かつ前記第1回動部のうち前記固定部に支持された第1部位との位置関係で前記x軸正方向に位置する第2部位に回動可能に支持された板形状の第2回動部と、
    前記第1回動部のうち、前記第2部位との位置関係で前記x軸正方向に位置する第3部位に固定された機械部品であって、かつ前記座部の下降に伴って前記座部によって押し下げられることにより前記第1回動部を、前記第1部位を支点として、前記第2部位が下方に変位するように回動させ、さらに、前記座部の上昇に伴って前記第1回動部によって押し上げられるセンサ部と、
    前記フレーム内の部位であって、かつ前記フレームのうち前記第1部位との関係で前記y軸方向に位置すると共に前記第1回動部を支持する第4部位との位置関係で前記x軸正方向および前記z軸負方向に位置する第5部位に回動可能に支持されると共に、前記第2回動部内の部位であって、かつ前記第2回動部のうち前記第2部位との関係で前記y軸方向に位置すると共に前記第1回動部に支持された第6部位との位置関係で前記x軸正方向および前記z軸負方向に位置する第7部位に回動可能に支持され、かつ、前記センサ部の変位に応じた前記第1回動部および前記第2回動部の回動に伴って前記車輪に当接したり、前記車輪から離れたりする制動部と、
    前記フレームのうち、前記第4部位と前記第5部位との間の位置の第8部位と、前記制動部のうち、前記フレームに支持された部位とは異なる第9部位に連結され、かつ前記制動部を前記車輪に当接する方向に付勢する弾性部と
    を備え、
    前記第5部位、前記第8部位および前記第9部位を線分で結ぶことにより形成される第1三角形のうち前記第5部位の位置の第1内角が、前記座部の下降や上昇に伴う前記センサ部の変位に応じて前記第1回動部および前記第2回動部が回動するときに、常に、前記第5部位および前記第8部位を結ぶ線分を基準として前記第8部位から前記第9部位方向に向かう回転方向を正としたときに0°より大きく、+180°よりも小さくなっている
    制動装置。
  2. 前記第1部位、前記第2部位および前記第7部位を線分で結ぶことにより形成される第2三角形のうち前記第2部位の位置の第2内角が、前記第1部位および前記第2部位を結ぶ線分を基準として前記第1部位から前記第7部位方向に向かう回転方向を正としたときに+90°よりも大きくなっている
    請求項1に記載の制動装置。
  3. 前記固定部、前記第1回動部、前記第2回動部、前記制動部および前記弾性部は、前記第1部位、前記第2部位および前記第7部位を線分で結ぶことにより形成される第2三角形のうち前記第2部位の位置の第2内角が、前記第1部位および前記第2部位を結ぶ線分を基準として前記第1部位から前記第7部位方向に向かう回転方向を正としたときに+180°未満となっているときは、前記センサ部を前記座部が配置されている方向に付勢し、前記第2内角が前記第1部位および前記第2部位を結ぶ線分を基準として前記第1部位から前記第7部位方向に向かう回転方向を正としたときに+180°を超えると、前記センサ部の付勢方向を、前記座部が配置されている方向から、前記座部が配置されている方向とは反対方向に変えるようになっている
    請求項1または請求項2に記載の制動装置。
  4. 前記第2内角が180°を超えたときに、前記第2内角がより大きくなる方向に前記第1回動部が回動するのを停止させる、機械部品からなる停止機構をさらに備えた
    請求項3に記載の制動装置。
  5. 座部と、前記座部の両側に設けられた一対の車輪と、前記座部および前記一対の車輪を支持する本体フレームとを備えた車椅子に制動をかける制動装置であって、
    前記座部の下降に伴って前記座部によって押し下げられたときに、その押し下げによる下方への変位を、回転動作を利用して前記車椅子の前方向への変位に変換する変換部と、
    前記変換部による、前記車椅子の前方向への変位を利用して、前記車椅子の前方向へ変位することにより前記車輪にかけられた制動を解除する制動部と、
    前記制動部が前記車椅子の前方向へ変位したときに、前記制動部の、前記車椅子の前方向への変位量を減少させる方向に付勢する付勢エネルギーを蓄積する弾性部と
    を備え、
    前記制動部は、前記座部が上昇したときには、前記付勢エネルギーを利用して、前記車椅子の前方向への変位量を減少させる方向に変位し、前記車輪に当接したときに前記車輪に制動をかけ、
    前記変換部は、ブロック状の第1回動部および板形状の第2回動部を有し、
    前記第1回動部は、前記本体フレームに回動可能に固定され、前記下方への変位を、前記本体フレームに回動可能に固定された部分を支点として所定の方向に回転させる第1回転動作に変換し、
    前記第2回動部は、前記第1部品と回動可能に固定されると共に前記制動部とも回動可能に固定され、前記制動部前記第1回転動作の回転方向とは反対方向に回転させる力を前記制動部に与え、
    前記制動部は、前記本体フレームに回動可能に固定され、前記本体フレームに回動可能に固定された部分を支点として、前記第2部品からの力を、前記第1回転動作の回転方向とは反対方向に回転させる第2回転動作に変換し、前記第2回転動作に含まれる、前記車椅子の前方向への変位成分によって、前記車椅子の前方向へ変位することにより前記車輪にかけられた制動を解除する
    制動装置。
  6. 座部と、
    前記座部の両側に設けられた一対の車輪と、
    前記車輪の近傍に設けられた制動装置と、
    前記座部、前記一対の車輪および前記駆動装置を支持する本体フレームと
    を備え、
    前記本体フレームは、前記一対の車輪を支持する2本のサイドパイプと、各前記サイドパイプに1本ずつ接合され、かつ前記車椅子の前方から後方に延在すると共に所定の間隙を介して互いに対向する2本のボトムパイプとを有し、
    当該制動装置は、
    フレームと、前記フレームに連結されたおさえ板とを有し、前記おさえ板によって前記ボトムパイプを挟み込むことにより前記ボトムパイプに着脱可能に固定される固定部と、
    前記フレームに回動可能に支持されたブロック状の第1回動部と、
    前記サイドパイプの延在方向をx軸方向、前記x軸方向のうち前記車椅子の前方側をx軸正方向、前記車輪の回転軸方向をy軸方向、前記x軸方向および前記y軸方向に垂直な方向をz軸方向、前記z軸方向のうち前記車椅子の接地面側をz軸負方向とすると、
    前記第1回動部内の部位であって、かつ前記第1回動部のうち前記固定部に支持された第1部位との位置関係で前記x軸正方向に位置する第2部位に回動可能に支持された板形状の第2回動部と、
    前記第1回動部のうち、前記第2部位との位置関係で前記x軸正方向に位置する第3部位に固定された機械部品であって、かつ前記座部の下降に伴って前記座部によって押し下げられることにより前記第1回動部を、前記第1部位を支点として、前記第2部位が下方に変位するように回動させ、さらに、前記座部の上昇に伴って前記第1回動部によって押し上げられるセンサ部と、
    前記フレーム内の部位であって、かつ前記フレームのうち前記第1部位との関係で前記y軸方向に位置すると共に前記第1回動部を支持する第4部位との位置関係で前記x軸正方向および前記z軸負方向に位置する第5部位に回動可能に支持されると共に、前記第2回動部内の部位であって、かつ前記第2回動部のうち前記第2部位との関係で前記y軸方向に位置すると共に前記第1回動部に支持された第6部位との位置関係で前記x軸正方向および前記z軸負方向に位置する第7部位に回動可能に支持され、かつ、前記センサ部の変位に応じた前記第1回動部および前記第2回動部の回動に伴って前記車輪に当接したり、前記車輪から離れたりする制動部と、
    前記フレームのうち、前記第4部位と前記第5部位との間の位置の第8部位と、前記制動部のうち、前記フレームに支持された部位とは異なる第9部位に連結され、かつ前記制動部を前記車輪に当接する方向に付勢する弾性部と
    を有し、
    前記第5部位、前記第8部位および前記第9部位を線分で結ぶことにより形成される第1三角形のうち前記第5部位の位置の第1内角が、前記座部の下降や上昇に伴う前記センサ部の変位に応じて前記第1回動部および前記第2回動部が回動するときに、常に、前記第5部位および前記第8部位を結ぶ線分を基準として前記第8部位から前記第9部位方向に向かう回転方向を正としたときに0°より大きく、+180°よりも小さくなっている
    車椅子。
  7. 座部と、
    前記座部の両側に設けられた一対の車輪と、
    前記車輪の近傍に設けられた制動装置と、
    前記座部、前記一対の車輪および前記駆動装置を支持する本体フレームと
    を備え、
    前記制動装置は、
    前記座部の下降に伴って前記座部によって押し下げられたときに、その押し下げによる下方への変位を、回転動作を利用して前記車椅子の前方向への変位に変換する変換部と、
    前記変換部による、前記車椅子の前方向への変位を利用して、前記車椅子の前方向へ変位することにより前記車輪にかけられた制動を解除する制動部と、
    前記制動部が前記車椅子の前方向へ変位したときに、前記制動部の、前記車椅子の前方向への変位量を減少させる方向に付勢する付勢エネルギーを蓄積する弾性部と
    を備え、
    前記制動部は、前記座部が上昇したときには、前記付勢エネルギーを利用して、前記車椅子の前方向への変位量を減少させる方向に変位し、前記車輪に当接したときに前記車輪に制動をかけ、
    前記変換部は、ブロック状の第1回動部および板形状の第2回動部を有し、
    前記第1回動部は、前記本体フレームに回動可能に固定され、前記下方への変位を、前記本体フレームに回動可能に固定された部分を支点として所定の方向に回転させる第1回転動作に変換し、
    前記第2回動部は、前記第1部品と回動可能に固定されると共に前記制動部とも回動可能に固定され、前記制動部前記第1回転動作の回転方向とは反対方向に回転させる力を前記制動部に与え、
    前記制動部は、前記本体フレームに回動可能に固定され、前記本体フレームに回動可能に固定された部分を支点として、前記第2部品からの力を、前記第1回転動作の回転方向とは反対方向に回転させる第2回転動作に変換し、前記第2回転動作に含まれる、前記車椅子の前方向への変位成分によって、前記車椅子の前方向へ変位することにより前記車輪にかけられた制動を解除する
    車椅子。
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