JP5463101B2 - 手摺り用支柱のアンカー部品の製造方法 - Google Patents

手摺り用支柱のアンカー部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、手摺りの支柱のためのアンカー部品に係り、例えば、建物に設置される手摺りや、橋梁、階段等に設置される手摺りに利用することができるものである。
例えば、建物の躯体となっているバルコニの腰壁には手摺りが設置され、この手摺りの支柱には、支柱に結合されることによりこの支柱を補強するための補強部と、この補強部から下方へ延び、上記腰壁の内部に埋設されるアンカー部とを有するアンカー部品が設けられ、このアンカー部品により、支柱の強度が補強されるとともに、支柱が腰壁に強固に立設される。従来のアンカー部品は、下記の特許文献1に示されているように、上記補強部を曲げ加工等された板材で形成するとともに、上記アンカー部を異形鉄筋で形成し、これらの板材と異形鉄筋とを溶接で結合したものとなっている。
特開平9−78787号公報
従来のアンカー部品は、板材と異形鉄筋という二つの部材を溶接で結合することにより形成されたものとなっていたため、その製造のためには2種類の部材を用意する必要があり、また、これらの部材の管理や結合作業等を行わなければならず、したがって、煩雑な作業となっていた。
本発明の目的は、一つの部材によって形成することができる手摺り用支柱のアンカー部品及びその製造方法を提供するところにある。
本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品は、手摺りの支柱に結合されることによりこの支柱を補強するための補強部と、この補強部から下方へ延び、前記手摺りが設置される躯体の内部に埋設されるアンカー部とを有する手摺り用支柱のアンカー部品において、前記補強部と前記アンカー部とが1個の部材に一体となって形成されていることを特徴とするものである。
本発明では、補強部とアンカー部とが1個の部材に一体となって形成されているため、従来と異なり、アンカー部品を一つの部材によって形成できることになる。このため、複数の部材を用意する必要がなくなり、また、これらの部材の管理や結合作業等を行う必要もなくなり、このため、煩雑な作業を省略することができる。
本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品において、支柱を補強するための上記補強部は、支柱の内部に挿入されてこの支柱に結合されてもよく、支柱の内部に挿入されず、言い換えると、支柱の外面にあてがわれるなどしてこの支柱に結合されてもよい。また、補強部は、一部が支柱の内部に挿入され、他の部分が支柱の外部に露出するものでもよい。さらに、補強部は、直線状に延びるものでもよく、屈曲形状のものでもよい。また、補強部は、屈曲可能のもの、言い換えると、角度調節機能を有するものでもよい。
また、補強部を角度調節機能を有するものとし、このために補強部を、支柱に結合される上側部分と、アンカー部と結合されている下側部分とからなるものとするとともに、下側部分を上側部分に対して屈曲可能とする場合には、アンカー部と一体となって形成されるものは、下側部分だけでもよい。
また、本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品には、補強部とアンカー部との境界部において、手摺りが設置される上述の躯体の上面に当接する当接部を設けてもよい。
これによると、アンカー部を躯体の内部に埋設するために躯体に形成した穴にアンカー部を挿入する際に、当接部が躯体の上面に当接するまでアンカー部を躯体の穴に挿入することにより、穴に対するアンカー部の適切な挿入深さを得られることになる。
このように当接部が当接する躯体の上面は、水平の面でもよく、傾斜している面でもよい。上面が傾斜している躯体の一例は、階段の躯体であり、他の例は、デザイン壁である。
なお、補強部とアンカー部との境界部に設けられる上記当接部の形態は、任意である。その一例は、当接部を補強部の下面自体とすることであり、他の例は、当接部を、補強部の下面に折り曲げ等で形成した突片部とすることである。
また、アンカー部の表面には凹凸部を設けてもよい。
これによると、躯体の上述した穴に接着剤を充填することによりアンカー部を躯体に接着結合して埋設したときに、凹凸部において、アンカー部が躯体の穴から抜け出ることに対する抵抗力が生ずることになり、これにより、アンカー部を躯体に大きな強度で結合することができる。
このようにアンカー部の表面に凹凸部を設ける場合にも、この凹凸部の形態は、任意である。その一例は、凹凸部を、アンカー部の表面を変形加工することによって形成することであり、他の例は、凹凸部を、アンカー部に凹凸用部材を取り付けることによって形成することである。
凹凸部を、アンカー部の表面を変形加工することによって形成する場合には、この変形加工は、押し潰し加工でもよく、切削加工でもよく、折り曲げ加工でもよく、孔開け加工でもよく、アンカー部の表面に螺旋状のねじり変形部を形成するねじり加工等でもよい。
また、凹凸部を、アンカー部に凹凸用部材を取り付けることによって形成する場合には、この凹凸用部材は、ピンやリベット、ボルト等の棒状部材でもよく、ブロック状のものでもよく、また、アンカー部に雄ねじが形成されている場合には、この雄ねじに螺合させたナット等でもよい。さらに、アンカー部に凹凸用部材を取り付けるための手段は、アンカー部に形成した孔等へ凹凸用部材を圧入することでもよく、アンカー部へ凹凸用部材を溶接等によって結合することでもよく、アンカー部へ凹凸用部材を接着等することでもよく、そして、上述の雄ねじとナットの場合から分かるように、螺合でもよい。
また、上記凹凸部は、陥没、突起、孔、溝等の凹凸を形成するもののうち、一つによるものでもよく、複数の組み合わせによるものでもよい。
また、補強部に対するアンカー部の向きも、任意である、その一例は、補強部の長さ方向の延長上にアンカー部を真っ直ぐ延出させることであり、他の例は、アンカー部を補強部に対して角度をなす方向に延出させることである。
アンカー部を補強部に対して角度をなす方向に延出させると、アンカー部を前記接着剤が充填された躯体の穴に挿入する際に、このアンカー部は鉛直方向に対する傾き角度をもって挿入されることになるため、アンカー部を躯体に前記接着剤で接着結合したときに、アンカー部において、このアンカー部が躯体の穴から抜け出ることに対する大きな抵抗力を生じさせることができ、これにより、アンカー部を躯体に大きな強度で結合することができる。
また、アンカー部を補強部に対して角度をなす方向に延出させることは、例えば、手摺りが設置される躯体の上面が傾斜していて、この傾斜している躯体の上面に対して垂直にアンカー部を挿入し、補強部を鉛直の姿勢とする場合にも適用することができる。
さらに、アンカー部は直線状に延びるものでもよく、折り返し形状となっているものでもよく、円弧形状のものでもよく、ジグザグ形状等のものでもよい。
また、本発明において、アンカー部の個数は、1個でもよく、複数個でもよい。
アンカー部の個数を複数個とする場合には、これらのアンカー部の間隔を、補強部との接続部であるアンカー部の基端部からアンカー部の先端部まで同じとしてもよく、言い換えると、これらのアンカー部を平行としてもよく、あるいは、これらのアンカー部の間隔を、補強部との接続部であるアンカー部の基端部からアンカー部の先端部へと大きくしてもよい。
複数個のアンカー部の間隔を、補強部との接続部であるアンカー部の基端部からアンカー部の先端部へと大きくすると、アンカー部を前記接着剤が充填された躯体の穴に挿入することによりこれらのアンカー部を躯体に接着剤で接着結合したときに、複数個のアンカー部によって形成される形状は末広がり状となっているため、これによってもアンカー部が躯体の穴から抜け出ることに対する大きな抵抗力を生じさせることができ、アンカー部を躯体に大きな強度で結合することができる。
このような効果は、アンカー部品が設置された後にコンクリートやモルタル等で躯体を形成する場合にも得られる。
本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品の製造方法は、手摺りの支柱に結合されることによりこの支柱を補強するための補強部と、この補強部から下方へ延び、前記手摺りが設置される躯体の内部に埋設されるアンカー部とが1個の部材に一体となって形成されている手摺り用支柱のアンカー部品を製造するための方法であって、同一の断面形状が長さ方向に連続しているアンカー部品用素材を製造する工程と、このアンカー部品用素材の長さ方向の一方の端部から前記長さ方向の途中部までを、前記長さ方向と直交する前記アンカー部品用素材の幅方向の全体のうちの一部について切除することにより、前記アンカー部品用素材の長さ方向のうち、前記切除が行われていない部分を前記補強部となる部分とし、前記切除が行われている部分を前記アンカー部となる部分とする工程と、を含んでいることを特徴とするものである。
本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品の製造方法によると、補強部とアンカー部とが1個の部材に一体となって形成されるため、従来と異なり、このアンカー部品を一つの部材によって形成できることになる。
また、本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品の製造方法によると、同一の断面形状が長さ方向に連続しているアンカー部品用素材を製造した後に、このアンカー部品用素材の長さ方向の一方の端部から長さ方向の途中部までを、長さ方向と直交するアンカー部品用素材の幅方向の全体のうちの一部について切除するという作業を行うことにより、補強部となる部分と、アンカー部となる部分とを簡単に上記アンカー部品用素材に形成することができる。
なお、本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品において、補強部となる上記部分をそのまま補強部としてもよく、あるいは、補強部となる上記部分を、例えば、折り曲げ加工やカール加工等の加工を行うことにより、補強部としてもよい。
また、本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品において、アンカー部となる上記部分をそのままアンカー部としてもよく、あるいは、アンカー部となる上記部分を、例えば、カール加工や折り曲げ加工等の加工を行うことにより、アンカー部としてもよい。
また、本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品の製造方法において、同一の断面形状が長さ方向に連続しているアンカー部品用素材を製造する前述した工程は、屈曲していない平坦状となっている同一の断面形状が長さ方向に連続しているアンカー部品用素材を製造する工程としてもよく、あるいは、屈曲している同一の断面形状が長さ方向に連続しているアンカー部品用素材を製造する工程としてもよい。
同一の断面形状が長さ方向に連続しているアンカー部品用素材を製造する前述した工程を、屈曲している同一の断面形状が長さ方向に連続しているアンカー部品用素材を製造する工程とすると、前記補強部となる部分は、屈曲している同一の断面形状が長さ方向に連続している形状となるため、補強部の強度を大きくすることができ、この補強部で補強される前記支柱の強度も大きくすることができる。
なお、屈曲している同一の断面形状が長さ方向に連続している形状とは、例えば、アングル形状又は略アングル形状でもよく、チャンネル形状又は略チャンネル形状等でもよく、リップ部付きのチャンネル形状又はリップ部付きの略チャンネル形状でもよく、筒形状又は略筒形状等でもよい。
また、本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品の製造方法において、アンカー部品用素材について行う前述した切除は、切除される箇所のアンカー部品用素材の前記幅方向両側にアンカー部となる前記部分を残して行うようにしてもよい。
これによると、1個のアンカー部品用素材に複数個のアンカー部となる部分を設けることができるため、本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品に複数個のアンカー部を設けることが可能となる。
なお、前述した切除を、前記幅方向の複数個所で行うことにより、アンカー部の個数を3個以上とすることも可能となる。
以上説明した本発明に係る手摺り用支柱のアンカー部品は、任意な場所に任意な用途で設置される手摺りの支柱に適用することができ、この手摺りは、例えば、建物に設置される手摺りでもよく、橋梁や階段等に設置される手摺りでもよい。また、建物に設置される手摺りについては、支柱が立設される躯体は、バルコニ等の腰壁でもよく、屋上等に設けられるパラペット等でもよい。
本発明によると、補強部とアンカー部とを有する手摺り用支柱のアンカー部品を一つの部材によって形成することができるという効果を得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係るアンカー部品が用いられている手摺りを示す正面図である。 図2は、図1のS2−S2線断面図である。 図3は、図1の図1のS3−S3線断面図である。 図4は、アンカー部を建物の躯体に埋設する前におけるアンカー部品の全体を示す斜視図である。 図5(A)(B)(C)は、アンカー部品の製造工程を、その製造途中まで示す図である。 図6(A)(B)は、図5の(A)(B)(C)以降の製造工程を示す図である。 図7は、アンカー部の表面に別実施形態に係る凹凸部を設けた場合を示す側面図である。 図8は、アンカー部の表面にさらに別実施形態に係る凹凸部を設けた場合を示す側面図である。 図9は、2個設けられているアンカー部を平行としない実施形態を示す側面図である。 図10は、2個設けられているアンカー部の補強部に対する向きを逆向きとした実施形態を示す正面図である。 図11は、アンカー部の形状に関する別実施形態のアンカー部品を示す斜視図である 図12(A)(B)(C)は、補強部の一部とアンカー部の一部とが共通化されている実施形態に係るアンカー部品の製造工程を示す図である。 図13は、上面が傾斜している躯体に適用されるアンカー部品の実施形態を示す斜視図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る手摺りは、集合住宅等の建物のバルコニの腰壁に設置される手摺りである。図1には、建物の躯体となっている腰壁1に設置されている手摺り10が示されている。この手摺り10は、複数本の支柱11と、これらの支柱11の上端間に架け渡されたトップレール12と、互いに隣接する2本の支柱11同士の間に配置され、横部材13A及び縦部材13Bからなる手摺り用パネル13と、を含んで構成されている。この手摺り用パネル13は、互いに隣接する2本の支柱11の向かい合う側面に取り付けられた図示外のブラケットを介してこれらの支柱11に結合されている。
それぞれの支柱11は、本実施形態に係るアンカー部品20により腰壁1に立設固定されており、このアンカー部品20は、図1のS2−S2線断面図である図2と、図1のS3−S3線断面図である図3とに示され、また、アンカー部品20の全体は、図4に示されている。
図4に示されているように、アンカー部品20は、上側の補強部21と、下側のアンカー部22とからなり。これらの補強部21とアンカー部22は、1個の部材に一体に形成されている。すなわち、本実施形態に係るアンカー部品20は、補強部材とアンカー部材という2個の部材を溶接等で結合することにより形成したものではなく、結合部のない1個の部材のうち、上側の部分が補強部21となっていて、下側の部分がアンカー部22となっているものである。
このように本実施形態では、補強部21とアンカー部22を有しているアンカー部品20は、1個の部材によって形成されているため、補強部となる部材とアンカー部となる部材を用意する必要がなくなり、また、これらの部材の管理や、溶接等の結合作業を行う必要もなくなり、これにより、煩雑な作業を省略できるものとなっており、また、補強部21とアンカー部22との位置関係に関する精度を高度にできるものとなっている。
アンカー部品20のうち、補強部21は、図2及び図4に示されているように、アンカー部品20の幅方向へ延びているウェブ部21Aと、それぞれがアンカー部品20の奥行き方向に延び、互いに対向している一対のフランジ部21Bと、これらのウェブ部21Aとフランジ部21Bとの間で内側へ屈曲した形状で窪んでいる窪み部21Cとからなる断面略チャンネル形状となっており、この断面略チャンネル形状は、アンカー部品20の長さ方向である上下方向に連続している。また、補強部21の長さは前記支柱11の長さよりも短いが、補強部21の長さ方向と直交する2つの方向における補強部21の寸法(アンカー部品20の幅方向の寸法と奥行き方向の寸法)は、図2に示されているように、アルミ合金製の押し出し成形品又は引き抜き成形品となっている支柱11の内部空間の寸法と対応する寸法になっている。
このため、補強部21を中空となっている支柱11の内部空間に挿入することができ、また、図2に示されているように、支柱11に形成した孔11Aに、支柱11と補強部21とを止着する止着具であるビス30を挿入して、このビス30を、支柱11の内部に挿入された補強部21に設けられているねじ孔21Dに螺入することにより、支柱11と補強部21とをビス30により結合することができ、これにより、支柱11とアンカー部品20とを結合一体化することができる。
このようにアンカー部品20の補強部21が支柱11の内部に挿入され、これらの支柱11と補強部21とがビス30で結合されることにより、支柱11の強度は、アンカー部品20の補強部21で補強されることになる。そして、この補強部21は、上述したように断面略チャンネル形状が補強部21の長さ方向に連続したものとなっていて、この断面略チャンネル形状は、補強部21の長さ方向と直交する断面での形状が屈曲形状となっているものであるため、この屈曲形状により補強部21自体の強度を大きくすることができ、したがって、このような補強部21で補強される支柱11の強度も大きくすることができる。
また、図2に示されているように、支柱11の内部の四隅には、支柱11の長さ方向(上下方向)に連続しているビスポケット部11Bが設けられており、これらのビスポケット部11Bは、図1で説明したトップレール12が、下側のベース部材12Aと、このベース部材12Aに係止される上側のカバー部材12Bとで構成される場合において、ベース部材12Aを支柱11の上面に止着するためのビスを螺入させるためのものである。このようなビスポケット部11Bが支柱11の内部に形成されていても、この内部に挿入される補強部21には、ビスポケット部11Bの位置と対応する位置において、前述した窪み部21Cが設けられているため、これらの窪み部21Cにより、ビスポケット部11Bと補強部21とが干渉することを避けることができ、これにより、補強部21を支柱11の内部に所定どおり挿入できるようになっている。
図4に示されているように、補強部21の下面の一部からは前述したアンカー部22が下方へ延びており、このアンカー部22は、アンカー部品20の幅方向に2個あり、同じ長さとなっているそれぞれのアンカー部22は、互いに平行となって補強部21から下方へ延びている。また、それぞれのアンカー部22は、アンカー部22の長さ方向と直交する断面形状が円形となった筒状となっている。さらに、それぞれのアンカー部22の表面には凹凸部22Aが形成されており、この凹凸部22Aにより、アンカー部22の表面積は大きくなっている。
図1で示した手摺り10を建物の腰壁1に設置する作業を行うときには、先ずはじめに、この腰壁1の上面1Aに図4で示す2個の穴2を2個のアンカー部22と対応する間隔で形成し、鉛直下向きに穿設されたこれらの穴2の内部に図3で示すゲル状の接着剤3を充填した後に、これらの穴2にそれぞれのアンカー部22を鉛直下向きに挿入する。この挿入作業は、アンカー部22の配置位置から外れている補強部21の2個の下面21Eが腰壁1の上面1Aに当接するまで行う。すなわち、この実施形態では、アンカー部22の配置位置から外れていて、補強部21とアンカー部22との境界部に設けられている補強部21の2個の下面21Eは、腰壁1の上面1Aに当接する当接部となっており、これらの当接部により、アンカー部22を穴2の内部に所定深さ分だけ挿入できることになり、また、腰壁1の上面1Aから所定高さ分だけ立ち上がった補強部21を設けることができることになる。
なお、図3及び図4に示されているように、2個のアンカー部22の間における補強部21の下面に折り曲げ等による突片部21Fを形成することにより、アンカー部22の配置位置から外れている補強部21の2個の下面21Eだけではなく、この突片部21Fも、補強部21とアンカー部22との境界部に設けられていて、腰壁1の上面1Aに当接する当接部としてもよい。
図示のように当接部の個数を、アンカー部22の配置位置から外れている補強部21の2個の下面21Eと、これらの下面21Eの間に設けられている1個の突片部21Fとの合計3個とすると、これらの当接部は平面視で三角形をなすものとなるため、穴2の内部に挿入されたアンカー部22が上述したゲル状の接着剤3が固化して固定されるまでの間、アンカー部品20を腰壁1の上面1Aに対して自立した状態とさせておくことができる。
なお、当接部となっている突片部21Fの個数及び形状は、図示例のものに限定されず、任意の個数及び形状でよい。
本実施形態の腰壁1は、前述したようのバルコニの腰壁であるため、図3で分かるように、腰壁1の上面1Aは水勾配を有する傾斜面となっており、本実施形態では、アンカー部22の配置位置から外れている補強部21の2個の下面21Eと突片部21Fは、このような水勾配を有する傾斜面となっている腰壁1の上面1Aに適合するものとなっている。
上述したようにゲル状の接着剤3を充填した穴2にそれぞれのアンカー部22を挿入し、この接着剤3が固化すると、アンカー部22は腰壁1に接着剤3によって固定されて埋設されることになり、そしてアンカー部品20は腰壁1に結合されることになる。この結合作業を、それぞれの支柱11ごとに用意されているそれぞれにアンカー部品20について行い、次いで、それぞれのアンカー部品20の補強部21の外側にそれぞれの支柱11を被せる作業を行うとともに、補強部21と支柱11とを前述したビス30で結合する。
この後に、互いに隣接する2本の支柱11に図1で示した手摺り用パネル13を前述のブラケットを介して取り付ける作業や、それぞれの支柱11の上端に前述したベース部材12Aとカバー部材12Bとからなるトップレール12を架け渡す作業等を行うことにより、手摺り10の施工作業が終了する。
なお、それぞれのアンカー部品20の補強部21の外側にそれぞれの支柱11を被せる作業を行う前に、支柱11と手摺り用パネル13とトップレール13等からなる柵状の組合体を先に組み立てておき、この後に、この柵状の組合体を構成しているそれぞれの支柱11をそれぞれのアンカー部品20の補強部21の外側に被せ、次いで、腰壁1に結合されているアンカー部品20の補強部21と支柱11とを前述したビス30で結合するようにしてもよい。
本実施形態のアンカー部22は、前述したように下方へ延びる筒状となっており、このため、アンカー部22の長さ方向と直交する方向におけるアンカー部22の寸法は、アンカー部22の長さ方向と直交する方向における補強部21の寸法よりも小さくなっている。このため、アンカー部22を挿入するために腰壁1の上面1Aに下向きに形成する穴2の直径を小さくすることができ、また、図3に示されているように、腰壁1の内部に配置されている配筋材4にアンカー部22が干渉することを防止できる。
また、2個のアンカー部22の表面には、前述したように、アンカー部22の表面積を大きくする凹凸部22Aが形成されているため、接着剤3が周囲に付着固化した凹凸部22Aにおいて、アンカー部22が腰壁1の穴2から抜け出ることに対する大きな抵抗力が生ずることになり、これにより、アンカー部22を腰壁1に大きな強度で結合することができる。
なお、アンカー部22を腰壁1に結合するための接着剤は、その手摺り設置現場に対応して任意の種類のものを選択することができる。すなわち、この接着剤は、一般的な樹脂系の接着剤でもよく、モルタルやコンクリートでもよく、また、接着剤の代用となる固定手段であって、液状又はゲル状の状態から固形化することにより躯体の穴やアンカー部に係止するものでもよく、さらに、もともと定形のものであって変形することにより躯体の穴やアンカー部に係止するものでもよく、また、接着剤は、異なる種類の固定手段を組み合わせたものでもよい。
図5(A)(B)(C)及び図6(A)(B)は、以上説明した補強部21とアンカー部22とが一体に形成された1個の部材となっているアンカー部品20を製造するための工程を示している。
図5(A)で示すものは、高張力鋼板等の鋼板製の平板40であり、この平板40を折り曲げ加工することにより、図5(B)で示すように、同一の断面形状が長さ方向に連続しているアンカー部品用素材41を製造する。このアンカー部品用素材41の上記断面形状、言い換えると、このアンカー部品用素材41の長さ方向と直交する断面での形状は、前述した補強部21と同じ断面略チャンネル形状であり、このため、アンカー部品用素材41は、屈曲している同一の断面形状が長さ方向に連続しているものとなっている。
このような断面形状を有するアンカー部品用素材41を製造した後に、図5(C)で示すように、アンカー部品用素材41の長さ方向の一方の端部41Aからアンカー部品用素材41の長さ方向の途中部までを、アンカー部品用素材41の長さ方向と直交するアンカー部品用素材41の幅方向の全体のうちの一部について切除することにより、すなわち、本実施形態では、アンカー部品用素材41の長さ方向と直交するアンカー部品用素材41の幅方向の全体のうちの幅方向中央部について切除することにより、アンカー部品用素材41の長さ方向のうち、切除が行われていない部分41Bを補強部21となる部分とし、切除が行われている部分41Cをアンカー部22となる部分とする。また、上記幅方向中央部についての切除を行うことにより、アンカー部22となる部分41Cは、切除される箇所41Dの上記幅方向両側に2個残されることになり、したがって、アンカー部22となる部分41Cは、このように残された状態となってアンカー部品用素材41に2個設けられることになる。
なお、上述の切除を行うとき、前述した突片部21Fとなる突起部41Fを残してこの切除を行う。また、本実施形態では、図5(C)に示されているように、それぞれの部分41Cにおける上記幅方向と直交する前記奥行き方向の一部も切除されている。
次いで、図6(A)に示されているように、アンカー部22となるそれぞれの部分41Cについて、カール加工を行うことにより、これらの部分41Cを前述した筒状のアンカー部22とし、また、突起部41Fについての折り曲げ加工を行うことにより、この突起部41Fを突片部21Fとする。また、図6(B)に示されているように、それぞれのアンカー部22の表面について、アンカー部22の長さ方向に間隔を開けて押し潰し加工又は切削加工、さらには孔開け加工等の変形加工を行うことにより、それぞれのアンカー部22の表面に前述した凹凸部22Aを形成する。
これにより、図5(A)の平板40から、1個の部材に補強部21とアンカー部22とが一体に形成されているアンカー部品20が製造されるとともに、このアンカー部品20は、前述した当接部となっている補強部21の2個の下面21Eと1個の突片部21Fとを備えたものになっている。
なお、補強部21とアンカー部22との境界部に、例えば、溶接によって肉盛部や厚肉部を設けることにより、この境界部の強度を大きくしてもよい。
また、アンカー部22の表面に凹凸部22Aを形成するための作業を、図5(A)の段階、または図5(B)の段階、または図5(C)の段階で実施し、この後に、図6(A)で示すカール加工を行うようにしてもよい。
図7で示すそれぞれのアンカー部22には、これらのアンカー部22の先端部について、折り曲げ加工又は圧縮加工等の変形加工を行うことにより、これらの先端部から、アンカー部22の長さ方向に対して直交する横方向に突出した突出部22Bが設けられている。これらの突出部22Bは、図7で示す実施形態におけるアンカー部22の表面に形成された凹凸部を形成するものとなっている。このため、前述と同じく、接着剤3が充填された腰壁1の穴2にアンカー部22を挿入し、接着剤3が固化したときに、突出部22Bにおいて、アンカー部22が腰壁1の穴2から抜け出ることに対する大きな抵抗力が生ずることになり、これにより、アンカー部22を腰壁1に大きな強度で結合することができる。
なお、突出部22Bは、アンカー部22の長さ方向に対して直交する横方向からの傾き角度を有する方向へ突出するものとしてもよい。
図8で示すそれぞれのアンカー部22には、それぞれのアンカー部22ごとに複数個のピン部材22Cが取り付けられている。これらのピン部材22Cは、アンカー部22の長さ方向に対して直交する横方向にアンカー部22に貫通形成されている孔に圧入されることにより、アンカー部22に取り付けられており、そして、両端部がアンカー部22から突出しているこれらのピン部材22Cにより、アンカー部22の表面積は実質的に拡大されているため、ピン部材22Cは、図8におけるアンカー部22の表面積を大きくするための凹凸部を形成するものとなっているとともに、アンカー部22に取り付けられた凹凸用部材となっている。
また、図8で示されているピン部材22Cは、アンカー部22の長さ方向に複数個設けられているとともに、これらのピン部材22Cは、アンカー部22の長さ方向に対して直交する2つの横方向である前述したアンカー部品20の幅方向と奥行き方向とに延びてアンカー部22に配置されているため、腰壁1に対するアンカー部22の結合強度を一層大きくできるものとなっている。
図9で示す2個のアンカー部22は、補強部21から、この補強部21に対してアンカー部品20の幅方向に角度をなして下方へ延びている。このため、この実施形態では、腰壁1の前記接着剤3が充填された穴2にアンカー部22が挿入されるとき、アンカー部22は、鉛直方向に対する傾き角度をもって挿入されることになり、したがって、アンカー部22が腰壁1に接着剤3で結合されたときに、この実施形態でも、アンカー部22において、アンカー部22が穴2から抜け出ることに対する大きな抵抗力を生じさせることができる。
また、図9の実施形態では、2個のアンカー部22の間隔は、補強部21との接続部であるアンカー部22の基端部からアンカー部22の先端部へと大きくなっている。このため、これらのアンカー部22で形成される形状は末広がりの形状となっており、この末広がりの形状により、アンカー部22が穴2から抜け出ることに対する一層大きな抵抗力を生じさせることができるようになっている。
図10で示す2個のアンカー部22は、補強部21から、この補強部21に対してアンカー部品20の奥行き方向に角度をなして下方へ延びている。このため、この実施形態でも、腰壁1の接着剤3が充填された穴2にアンカー部22が挿入されるとき、アンカー部22は、鉛直方向に対する傾き角度をもって挿入されることになる。このため、アンカー部22が腰壁1に接着剤3で結合されたときに、この実施形態でも、アンカー部22において、アンカー部22が穴2から抜け出ることに対する大きな抵抗力を生じさせることができる。
また、図10の実施形態では、2個のアンカー部22が補強部21に対して角度をなして延びている方向は、互いに反対側の方向となっている。このため、この実施形態でも、アンカー部22が穴2から抜け出ることに対する一層大きな抵抗力を生じさせることができるようになっている。
なお、図7〜図10に示した実施形態のアンカー部22の表面にも、図4で示した凹凸部22Aが形成されているが、これらの図7〜図10の実施形態において、アンカー部22の表面に凹凸部22Aを設けてもよく、設けなくてもよい。
図11は、別実施形態に係るアンカー部品120を示す。このアンカー部品120の補強部121は、これまで説明した実施形態のアンカー部品20の補強部21と同じ形状になっているが、アンカー部品120のアンカー部122は、これまで説明した実施形態のアンカー部品20のアンカー部22と同じ形状になっておらず、アンカー部122の形状は、図5(C)で示したアンカー部品用素材41におけるアンカー部22となる部分41Cと同じ形状になっている。
ずなわち、図11の実施形態に係るアンカー部品120は、図5(A)の平板40から製造される図5(C)のアンカー部品用素材41に対して、図5(C)で示されている突起部41Fを折り曲げ加工することにより、この突起部41Fを、前述した当接部としての突片部121Fにしているが、図5(C)で示されているアンカー部22となる部分41Cについて、前述した実施形態と異なり、カール加工を行わず、この部分41Cの表面に押し潰し加工又は切削加工等の変形加工を行うことにより、この部分41Cを、凹凸部122Aが表面に形成されたアンカー部122としたものになっている。
このため、この実施形態によると、アンカー部22となる部分41Cについてのカール加工を省略することができるため、アンカー部品120を製造する作業を簡単化することができる。また、カール加工を省略しても、アンカー部122は、このアンカー部122の長さ方向に対して直交する2つの横方向である前述したアンカー部品20の幅方向と奥行き方向とに屈曲した屈曲断面形状を有するものとなっているため、アンカー部122についての強度を充分大きくすることができる。
なお、図11の実施形態において、アンカー部122の表面に設ける凹凸部122Aを省略してもよい。
また、1個のアンカー部品に複数個のアンカー部を設ける場合には、これらのアンカー部を、手摺りの長手方向と平行する方向に並設してもよく、手摺りの長手方向と直交する方向に並設してもよく、さらには、これらの両方の方向に並設してもよく、これらの両方の方向と角度をなす斜めの方向に並設してもよい。また、複数個のアンカー部を、これらのアンカー部を繋ぐ仮想線が多角形をなすように配置してもよく、あるいは、複数個のアンカー部をジグザグに配置してもよい。
また、1個のアンカー部品に複数個のアンカー部を設ける場合には、これらのアンカー部の長さを同じにしてもよく、少なくとも1個のアンカー部の長さを他のアンカー部の長さと異ならせてもよい。
さらに、補強部の長さとアンカー部の長さとを同じにしてもよく、これらの長さを異ならせてもよい。
図12(A)(B)(C)は、補強部221の一部とアンカー部222の一部とが共通化されている実施形態のアンカー部品220を製造するための工程を示している。
図12(A)で示すものは、高張力鋼板等の鋼板製の平板を折り曲げ加工することにより生産されたアングル状のアンカー部品用素材241であり、第1平坦部241Aと第2平坦部241Bとからなるこのアンカー部品用素材241は、同一の断面形状が長さ方向に連続したものになっている。このようなアンカー部品用素材241のうち、第1平坦部241Aの幅方向の一部をカール加工することにより、図12(B)に示されているように、この一部をカール部241Cとする。次いで、図12(C)に示されているように、カール部241Cを残しながら、第1平坦部241Aと第2平坦部241Bの両方を、アンカー部品用素材241の長さ方向の一方の端部241D(図12(B)を参照)からアンカー部品用素材241の長さ方向の途中までを切除する。この切除はカール部241Cを残して行われるため、この切除は、アンカー部品用素材241の長さ方向と直交するアンカー部品用素材241の幅方向の全体のうちの一部について行われることになる。
この切除が行われたときの状態が図12(C)に示され、また、この図12(C)は、カール部241Cのうち、切除されずに残っている第1平坦部241Aと第2平坦部241Bから突出している部分に、凹凸部222Aを形成した後を示している。
この実施形態では、図12(C)において、切除されずに残っている第1平坦部241Aと第2平坦部241Bが補強部221となり、カール部241Cがアンカー部222となる。そして、この実施形態のアンカー部品220では、アンカー部222の上端が補強部221の上端まで達しているため、アンカー部222は補強部221と重複した長さを有したものとなっており、このため、補強部221の一部とアンカー部222の一部とが共通化されている。
図13は、手摺り310が設置される躯体301の上面301Aが傾斜している場合に適用できるアンカー部品320の実施形態を示している。この実施形態における躯体301は、階段350の躯体である。アンカー部品320は、これまでの実施形態と同じく、手摺り310の支柱311に結合され、この支柱311を補強するための補強部321と、この補強部321から躯体301側へ延びるアンカー部322とからなる。
この実施形態では、アンカー部322が挿入されてこのアンカー部322が接着剤で固定される躯体301の穴302は、躯体301の上面301Aに対して直角に形成されるため、この穴302は水平方向に対する傾斜角度を有し、したがって、アンカー部322も水平方向に対する傾斜角度を有することになる。これに対して手摺り310の支柱311は躯体301の上面301Aに鉛直に設置しなければならないため、この実施形態に係る補強部321は、鉛直姿勢となっている上側部分321Aと、この上側部分321Aに対して屈曲している下側部分321Bとからなり、上側部分321Aが支柱311の内部に挿入されてビス等の止着具で支柱311に結合されるとともに、下側部分321Bからアンカー部322が斜め下方へ延出している。
また、この実施形態では、下側部分321Bは、屈曲角度が調節自在となって上側部分321Aに連結されており、このため、上側部分321Aと下側部分321Bのうち、一方に形成された円弧状のガイド長孔330に他方に設けられたガイド突起331がスライド自在に挿入され、これらのガイド長孔330とガイド突起331による案内作用により、上側部分321Aに対する下側部分321Bの屈曲角度を調節でき、これにより、上面301Aが任意な傾斜角度となっている階段350の躯体301に対応できるようになっている。
また、この実施形態では、アンカー部322と一体となっていて、アンカー部322と共に1個の部材を形成してものは、上側部分321Aと下側部分321Bからなる補強部321のうち、下側部分321Bだけである。カバー部材351が被せられる補強部321のうち、この下側部分321Bは支柱311の内部に挿入されない部分であり、また、この下側部分321Bは、支柱311の内部に挿入されてビス等の止着具で支柱311に結合される上側部分321Aを介して支柱311に結合される部分である。
この実施形態が示しているように、アンカー部と一体となっていて、アンカー部と共に1個の部材を形成しているものは、補強部のうちの一部だけでもよく、また、支柱の内部に挿入されず、支柱の外部に露出するものでもよい。
また、補強部の全体が支柱の内部に挿入されず、支柱の外部に露出してもよい。
本発明は、例えば、建物に設置される手摺りや、橋梁、階段等に設置される手摺りに利用することができる。
1 建物の躯体であるバルコニの腰壁
301 階段の躯体
1A 腰壁の上面
301A 躯体の上面
10,310 手摺り
11,311 支柱
20,120,220,320 アンカー部品
21,121,221,321 補強部
22,122,222,322 アンカー部
22A,122A,222A 凹凸部
22B 凹凸部となっている突出部
22C 凹凸用部材であるピン部材
21E 当接部である補強部の下面
21F,121F 当接部である突片部
41,241 アンカー部品用素材
41A,241D アンカー部用素材の長さ方向の一方の端部
41B 切除が行われていない部分
41C 切除が行われている部分

Claims (2)

  1. 手摺りの支柱に結合されることによりこの支柱を補強するための補強部と、この補強部から下方へ延び、前記手摺りが設置される躯体の内部に埋設されるアンカー部とが1個の部材に一体となって形成されている手摺り用支柱のアンカー部品を製造するための方法であって、
    平板の折り曲げ加工により、同一の断面形状が長さ方向に連続しているアンカー部品用素材を製造する工程と、
    このアンカー部品用素材の長さ方向の一方の端部から前記長さ方向の途中部までを、前記長さ方向と直交する前記アンカー部品用素材の幅方向の全体のうちの一部について切除することにより、前記アンカー部品用素材の長さ方向のうち、前記切除が行われていない部分を前記補強部となる部分とし、前記切除が行われている部分を前記アンカー部となる部分とする工程と、
    を含んでおり、
    前記支柱は、長さ方向と直交する断面が複数の辺部で形成された中空の断面となっているものであり、前記複数の辺部のうち、互いに隣接する二つの辺部は角度をなしており、前記支柱の内部に挿入される前記補強部は、前記複数の辺部のうち、一つの辺部と接触するウェブ部と、前記一つの辺部に隣接している他の辺部と接触するフランジ部とを有し、
    前記アンカー部となる前記部分についてカール加工を行うことにより、この部分を筒状の前記アンカー部とすることを特徴とする手摺り用支柱のアンカー部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の手摺り用支柱のアンカー部品の製造方法において、前記切除は、切除される箇所の前記幅方向両側に前記アンカー部となる前記部分を残して行われることを特徴とする手摺り用支柱のアンカー部品の製造方法。
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