JP5461826B2 - 偏光変換光学系および液晶投影装置 - Google Patents
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Description
このような偏光変換光学系として、例えば、特許文献1には、光源の前面に複数の偏光分離プリズムを配置した構成が記載されている。
また、特許文献2には、変角プリズム、レンズアレイ、偏光分離プリズムアレイ、および出射側レンズを組み合わせた構成が記載されている。
特許文献1、2に記載の技術では、いずれも、並列配置された複数の偏光分離プリズムのうち1つの偏光分離プリズム(以下、第1偏光分離プリズムという)によって、偏光方向が互いに直交する一方の偏光成分を光軸に沿って透過させ、他方の偏光成分を光軸と直交する方向に反射することで偏光分離を行う。そして、この第1偏光分離プリズムに隣接する他の偏光分離プリズム(以下、第2偏光分離プリズムという)によって、第1偏光分離プリズムで反射された偏光成分を光軸に沿う方向に反射し、第2偏光分離プリズムの出射面側に対向して配置された1/2波長板(1/2位相差板)などの偏光変換素子によって偏光方向を90°回転させることで偏光方向の変換を行い、第1および第2偏光分離プリズムの透過光のいずれか一方を他方と同じ偏光方向に揃えて出射する。
このため、例えば、特許文献1では、このような第1および第2偏光分離プリズムの対を第1偏光分離プリズム同士を隣接させて面対称に配置し、中央に配置された2つの第1偏光分離プリズムの範囲に光束を入射させることで、偏光方向が揃った光束径が略2倍の光束を出射させる。そしてこの光束の照度分布をロッドインテグレータによって均一化して、液晶パネルに照射している。この場合、偏光分離プリズムへの入射光束の光束径が略2倍に拡大されてから液晶パネルに照射されるので、投影スクリーンでの光量を確保するためには、光源を高出力化する必要があるという問題がある。特に、LEDなどの面発光源を用いる場合には十分な光量を確保できなくなるおそれがある。
また、特許文献2に記載の技術では、同様な第1および第2偏光分離プリズムと偏光変換素子との組を光軸に直交する方向に沿って第1偏光分離プリズム、第2偏光分離プリズムがこの順に交替するように並列配置している。このような偏光変換光学系は、本質的に特許文献1の構成と同じため、原理的に出射光束の光束断面積が入射光束の光束断面積の2倍になる。このため、特許文献2では、偏光分離プリズムアレイに入射する光束を変角プリズムとレンズアレイを用いて集光し、飛び飛びに配置された第1偏光分離プリズムに入射させている。
このため、光源からの光束の光束径と、偏光分離プリズムアレイからの出射側レンズで集光される光束の光束径とを略同等にすることはできるものの、変角プリズム、レンズアレイ、出射側レンズなどの光学系を必要とするため、光量損失が大きく、また構成が複雑で部品点数も増大してしまうという問題がある。
この発明によれば、光軸に沿って進む光束が、光入射部の光入射面に入射すると、この光束は、光入射面上で区分された複数の光入射領域に対応して、それぞれ配置された複数の偏光分離面によって、偏光方向が互いに直交する第1の偏光成分と第2の偏光成分に分離され、少なくとも一方の偏光成分は、光軸に斜交する方向に偏光される。これにより、第1の偏光成分は、光出射部の第1部分領域に出射され、第1部分領域に対向して配置された偏光変換素子によって、偏光方向が90°変えられて第2の偏光成分として透過する。
一方、第2の偏光成分は、光出射部の第2部分領域に出射され、偏光方向が変えられることなく第2の偏光成分として透過する。これにより、光入射部に入射された光束が、偏光方向が第2の偏光成分に揃えられた状態で出射される。
また、複数の偏光分離面は、第1および第2部分領域の少なくともいずれかの領域では、複数の光入射領域のうちの互いに異なる複数の光入射領域に入射した光束から分離された第1の偏光成分同士または第2の偏光成分同士が共通の透過領域を有するように配置されているため、光入射部の光入射面を超えない大きさの透過面積を有する光出射部であっても、光入射面に入射された光束をすべて透過させることが可能となる。
この発明によれば、本発明の偏光変換光学系を備えるため、本発明の偏光変換光学系と同様の作用を備える。
本発明の第1の実施形態に係る偏光変換光学系を用いた液晶投影装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液晶投影装置の概略構成を示す模式的な正面図である。図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係る偏光変換光学系の模式的な平面図である。図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。なお、各図面は模式図のため、寸法関係は誇張されている(以下の図面も同じ)。
液晶投影装置100の概略構成は、照明部1R、1G、1B、液晶パネル6R、6G、6B、クロスダイクロプリズム7、および投射レンズ8を備える。なお、液晶パネル6R、6G、6B、照明部1R、1G、1Bには、不図示の制御部がそれぞれ電気的に接続されており、この制御部によって、液晶パネル6R、6G、6Bを画像信号に応じて駆動したり、照明部1R、1G、1Bの点灯制御を行ったりできるようになっている。
集光レンズ3は、レンズ光軸が赤色LED2Rによって発生される発散光の放射中心軸と同軸となるように配置されている。このため、集光レンズ3と赤色LED2Rとの距離を変えることで、赤色LED2Rの集光状態を可変できるようになっている。
本実施形態のライトトンネル4は、一例として断面が矩形のロッドインテグレータを採用している。ライトトンネル4の一方の端部である入射端面4aは集光レンズ3に対向され、他方の端部である出射端面4bは偏光変換素子部5に近接させた状態に配置されている。また、ライトトンネル4の中心軸は集光レンズ3のレンズ光軸と同軸に配置されている。
出射端面4bは、液晶パネル6Rの矩形状の有効画素領域よりもわずかに大きい矩形状に設けられている。例えば、液晶パネル6Rの有効画素領域が、長辺幅W×短辺幅D(ただし、W>D)の矩形状であるとすると、出射端面4bの形状は、長辺幅(W+ΔW)×短辺幅(D+ΔD)(ただし、ΔW≧0、ΔD≧0)である。
このような配置により、赤色LED2Rから出射された照明光束LRは、集光レンズ3、ライトトンネル4を通して、照度分布が均一化された矩形状の光束とされる。そしてライトトンネル4の出射端面4bから出射端面4bの中心を通る軸に沿って出射される。この出射端面4bから出射される照明光束LRの中心軸を照明部1Rの光軸PRと称する。
それぞれのライトトンネル4の出射端面4bから出射される照明光束LG、LBの中心軸を、それぞれ照明部1Gの光軸PG、照明部1Bの光軸PBと称する。
偏光変換素子部5は、照明部1R、1G、1Bにそれぞれ設けられているが、各出射端面4b、および光軸PR、PG、PB、液晶パネル6R、6G、6Bに対する相対的な位置関係はいずれも同一である。また波長に依存する部分の仕様を光束の波長によって変更することは自明なので、以下の説明では、簡単のため、色を区別する添字R、G、Bを省略し、照明部1、光軸P、照明光束L、液晶パネル6などと称する場合がある。
ロションプリズム9およびセナルモンプリズム10の外形は、それぞれ高さh×幅w×厚さt/2の直方体状である。これらロションプリズム9およびセナルモンプリズム10は、厚さ方向に直方体の側面同士を対向させた状態に並列して配置されている。このため、この並列体の外形は、全体として高さh×幅w×厚さtの直方体状になっている。
ここで、幅w、高さtの寸法は、w×tの矩形が、液晶パネル6の有効画素領域のW×Dの矩形と同じか、もしくはわずかに大きくなる寸法とされる。また、w×tの矩形は、ライトトンネル4の出射端面4bの(W+ΔW)×(D+ΔD)の矩形と同じか、もしくわずかに小さくなる寸法とされる。ただし、幅wと厚さtとの大小関係は、以上に述べた関係を満たすならば、特に限定されない。すなわち、並列体の厚さ方向は、液晶パネル6の長辺方向に向けて配置してもよいし、短辺方向に向けて配置してもよい。
このため、ロションプリズム9およびセナルモンプリズム10の並列体は、光軸Pが入射側プリズム面9a、10aのなす矩形、および出射側プリズム面9c、10cのなす矩形の略中心を通るように配置されている。
このような構成により、ロションプリズム9の偏光分離面9bは、入射側プリズム面9aから光軸Pに沿って入射する照明光束Lのうちの偏光分離面9bに対するP偏光成分であるP偏光光束LP2を出射側プリズム面9cに向かって直進させるとともに、偏光分離面9bに対するS偏光成分であるS偏光光束LS2を光軸Pに斜交してセナルモンプリズム10側に近づく方向に偏向させる偏光分離素子を構成している。
このような構成により、セナルモンプリズム10の偏光分離面10bは、入射側プリズム面10aから光軸Pに沿って入射する照明光束Lのうちの偏光分離面10bに対するS偏光成分であるS偏光光束LS1を出射側プリズム面10cに向かって直進させるとともに、偏光分離面10bに対するP偏光成分であるP偏光光束LP1を光軸Pに斜交してロションプリズム9側に近づく方向に偏向させる偏光分離素子を構成している。
なお、1/2波長板11は、透過する光束の波長に合わせて作製される。
1/2波長板11の出射側プリズム面10cに対向する面を入射面11a、液晶パネル6に対向する面を出射面11bと称すると、入射面11aと出射側プリズム面10cとは光軸Pに沿う方向に離間され、出射面11bは、出射側プリズム面10cから距離Hだけ離間された位置に配置されている。
ここで、距離Hは、1/2波長板11の板厚以上の寸法であり、かつロションプリズム9の出射側プリズム面9cから出射されるS偏光光束LS2の出射角度に応じて、S偏光光束LS2が1/2波長板11を透過することができる距離に設定される。
これにより、1/2波長板11の出射面11b(第1部分領域S1と称する)を透過するP偏光光束LP3、LP4、および出射側プリズム面9cに対向する位置とともに出射面11bと同一平面上で隣接する位置のw×t/2の矩形状の第2部分領域S2を通過するP偏光光束LP1、LP2によって、有効画素領域が照明されるようになっている。
本実施形態の第1部分領域S1と第2部分領域S2とは、入射側プリズム面9a、10aに入射された照明光束Lを偏光変換素子部5から光束を透過させる光出射部を構成しており、入射側プリズム面9a、10aの合計の面積と同一の光透過面積を有している。
入射プリズム面7r、7g、7bの近傍には、出射プリズム面7aからの光学的な距離が等しくなる位置に、それぞれ液晶パネル6R、6G、6Bが配置されている。
このため、本実施形態の光軸PR、PG、PBは、それぞれ、入射プリズム面7r、7g、7bの法線方向に沿って配置されている。また、出射プリズム面7aから出射される合成光束の光軸は、光軸PGと同軸とされている。
図1に示すように、赤色LED2Rで発生された照明光束LRは、集光レンズ3で集光されて、ライトトンネル4の入射端面4aに入射する。
照明光束LRは、ライトトンネル4で内部反射されることで、偏光方向および断面内の照度分布が均一化された照明光束L(図2(b)参照)として、光軸PRに沿って出射端面4bから出射される。
図2(b)に示すように、出射端面4bに対して、偏光変換素子部5の入射側プリズム面9a、10aが近接して対向されているため、出射端面4bから出射された照明光束Lは、入射側プリズム面9a、10aによって2つに区画された領域を光入射領域として、偏光変換素子部5に入射する。
S偏光光束LS1は、出射側プリズム面10cから出射された後、1/2波長板11の入射面11aに入射し、偏光方向が90°変えられた状態のP偏光光束LP3として、第1部分領域S1である出射面11bから液晶パネル6に向けて出射される。
P偏光光束LP1は、出射側プリズム面10cから出射された後、距離Hの空間を斜めに進み、第2部分領域S2を通って液晶パネル6に向けて出射される。
P偏光光束LP2は、出射側プリズム面9cから出射された後、距離Hの空間を直進し、第2部分領域S2を通って液晶パネル6に向けて出射される。
S偏光光束LS2は、出射側プリズム面9cから出射された後、空間を斜めに進んで1/2波長板11の入射面11aに入射し、偏光方向が90°変えられた状態のP偏光光束LP4として、第1部分領域S1である出射面11bから液晶パネル6に向けて出射される。
このように、本実施形態では、第1部分領域S1は、異なる光入射領域である入射側プリズム面9a、10aに入射された照明光束LのS偏光成分同士の共通の透過領域になっている。また、第2部分領域S2は、異なる光入射領域である入射側プリズム面9a、10aに入射された照明光束LのP偏光成分同士の共通の透過領域になっている。
照明光束Lは、平行光ではないため、入射側プリズム面9a、10aに対する入射角によっては、1/2波長板11に入射しないS偏光や1/2波長板11に入射してS偏光に変換されるP偏光もわずかに発生する可能性もあるが、例えば、偏光分離面9b、10bの傾斜角や配置位置、および第1部分領域S1、第2部分領域S2の配置位置を適宜に設定することにより、照明光束Lの大部分がP偏光に変換されるようにすることができる。
同様にして、照明部1G、1Bの緑色LED2G、青色LED2Bで発生された照明光束LG、LBは、それぞれ液晶パネル6G、6Bによって空間変調された光束として、クロスダイクロプリズム7の入射プリズム面7g、7bに入射される。
クロスダイクロプリズム7によって合成された光束は、投射レンズ8を透過して、不図示のスクリーンに拡大投影される。これにより、スクリーン上に、液晶パネル6R、6G、6Bに印加された画像信号に応じたフルカラー画像が投影される。
また、このように、第1部分領域S1と第2部分領域S2とが、異なる光入射領域からの入射光の同一の偏光成分同士を、共通な透過領域から出射させるため、入射側プリズム面9a、10aの合計の面積と、第1部分領域S1および第2部分領域S2の合計の面積が等しく、かつ照度分布が均等になるようにすることができる。
本発明の第2の実施形態に係る偏光変換光学系について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る偏光変換光学系の模式的な斜視図である。図4(a)は、図3におけるy方向視の正面図である。図4(b)は、図4(a)におけるB−B断面図である。
なお、図中に示すxyz直角座標系は、相対的な方向参照の便宜のために、各図に共通する位置関係に描いたものである。z軸は光軸Pに沿う軸であり、液晶投影装置100においては、ライトトンネル4から液晶パネル6に向かう方向が正方向である。xy平面は、z軸に直交する平面であり、x軸は上記第1の実施形態の偏光変換素子部5の厚さtの方向に一致されている。x軸の正方向は、上記第1の実施形態の偏光変換素子部5のロションプリズム9からセナルモンプリズム10に向かう方向である。
このようなxyz直角座標系の配置の下では、偏光変換素子部5におけるS偏光の偏光方向はy軸方向に対応し、P偏光の偏光方向は、x軸方向に対応している。以下では、y軸方向の偏光方向を単にy方向偏光、x軸方向の偏光を単にx方向偏光と称する。y方向偏光とx方向偏光とは、偏光方向が互いに直交している。
図3、図4(a)、(b)に示すように、偏光変換素子部15は、偏光ホログラム素子16、および1/2波長板17を備え、これらが不図示の保持部材に相互に位置決めされた状態で保持されている。
これらのxy平面における位置関係は、偏光ホログラム面16a、16bがそれぞれy軸正方向側、y軸負方向側に配置され、偏光ホログラム面16aに対してx軸正方向側に隣接して偏光ホログラム面16dが配置され、偏光ホログラム面16bに対してx軸正方向側に隣接して偏光ホログラム面16cが配置されている。
以下では、偏光ホログラム素子16において、w×tの寸法を有する他方の端面(図示z軸正方向側)において、それぞれ偏光ホログラム面16a、16b、16c、16dに対向する領域を、出射領域16A、16B、16C、16Dと称する。
出射領域16Aに対してz軸方向に沿って距離Hだけ離れて対向する矩形領域である第1部分領域S1aには、y方向偏光光束Lyaおよびy方向偏光光束Lydが到達するように設定される。
また、出射領域16Bに対してz軸方向に沿って距離Hだけ離れて対向する矩形領域である第2部分領域S2bには、x方向偏光光束Lxbおよびx方向偏光光束Lxaが到達するように設定される。
また、出射領域16Cに対してz軸方向に沿って距離Hだけ離れて対向する矩形領域である第1部分領域S1cには、y方向偏光光束Lycおよびy方向偏光光束Lybが到達するように設定される。
また、出射領域16Dに対してz軸方向に沿って距離Hだけ離れて対向する矩形領域である第2部分領域S2dには、x方向偏光光束Lxdおよびx方向偏光光束Lxcが到達するように設定される。
ただし、距離Hは、後述する1/2波長板17の板厚以上の寸法である。
また、第1部分領域S1a、S1c、第2部分領域S2b、S2dは、それぞれw/2×t/2の寸法を有する矩形領域であり、これらを合わせて偏光変換素子部15の光出射部が構成されている。
液晶投影装置100の偏光変換素子部5に代えて偏光変換素子部15を配置すると、照明光束Lは、ライトトンネル4によって偏光方向および断面内の照度分布が均一化された照明光束Lとして、光軸Pに沿って出射端面4bから出射される。
例えば、図4(a)に示すように、偏光ホログラム面16bに照明光束Lが入射すると、偏光ホログラム面16bによって、出射領域16Bに向かって直進して、第2部分領域S2bに到達するx方向偏光光束Lxaと、zx平面内でx軸負方向側からx軸正方向側に向かって光軸Pに斜交する方向に偏向されて第1部分領域S1cに到達するy方向偏光光束Lybとに偏光分離される。
同様に、各偏光ホログラム面において、それぞれ上記に説明した固有の方向に偏光分離が行われる。
また、第1部分領域S1cには、偏光ホログラム面16cからy方向偏光光束Lycが、偏光ホログラム面16bからy方向偏光光束Lybがそれぞれ到達し、第1部分領域S1cに配置された1/2波長板17によって、いずれもx方向偏光に変換されて、出射面17bから液晶パネル6に向かって出射される。
また、第2部分領域S2bには、偏光ホログラム面16bからx方向偏光光束Lybが、偏光ホログラム面16aからx方向偏光光束Lxaがそれぞれ到達し、いずれもx方向偏光のままで、第2部分領域S2bから液晶パネル6に向かって出射される。
また、第2部分領域S2dには、偏光ホログラム面16dからx方向偏光光束Lydが、偏光ホログラム面16cからx方向偏光光束Lxcがそれぞれ到達し、いずれもx方向偏光のままで、第2部分領域S2dから液晶パネル6に向かって出射される。
また、このように、第1部分領域S1a、S1cと第2部分領域S2b、S2dとが、異なる光入射領域からの入射光の同一の偏光成分同士を、共通な透過領域から出射させるため、偏光ホログラム面16a、16b、16c、16dの合計の面積と、第1部分領域S1a、S1cおよび第2部分領域S2b、S2dの合計の面積が等しく、かつ照度分布が均等になるようにすることができる。
また、偏光ホログラム素子16は、4つの偏光分離面が一体化されているため、複数のプリズムを組み合わせて構成された偏光変換素子部5に比べてより簡素な構成となっている。
本発明の第3の実施形態に係る偏光変換光学系について説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る偏光変換光学系の模式的な拡大断面図である。
図5に示すように、偏光変換素子部25は、上記第1の実施形態の偏光変換素子部5に、1対のブレーズ化グレーティング21を追加したものである。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
例えば、S偏光光束LS2のブレーズ化グレーティング21の法線Nに対する入射角φを0°に近い浅い角度とし、角度θは光軸Pに略直交するように(90°−α)に近い角度とすることで、このような条件に設定することが容易となる。
また、P偏光光束LP1およびS偏光光束LS2は、それぞれブレーズ化グレーティング21によって、光軸Pに光軸に沿う方向に回折されて、第1部分領域S1および第2部分領域S2に到達する。
ここで、P偏光光束LP1およびS偏光光束LS2は、平行光束ではないので、入射角φはバラツキがあるが、ブレーズ化グレーティング21によって回折作用を受けて、光軸Pに近づく方向に偏向されるので、ブレーズ化グレーティング21がない場合に比べて、光軸Pに対する傾斜角が浅い光束として、第1部分領域S1および第2部分領域S2に到達することになる。
その際、液晶パネル6に入射する照明光束Lは、上記第1の実施形態の偏光変換素子部5に比べて、入射角のバラツキがより狭い範囲にばらつくことになる。このため、投射レンズ8の開口角に入らずに光量損失となる成分が低減されるので光利用効率が向上され、より明るい画像をスクリーンに投影することができる。
例えば、上記第2の実施形態の偏光変換素子部15において、偏光ホログラム面16aに代えてy方向偏光を直進させ、x方向偏光を出射領域16D側に偏光分離する偏光ホログラム面を設け、偏光ホログラム面16dに代えてx方向偏光を直進させ、y方向偏光を出射領域16C側に偏光分離する偏光ホログラム面を設ける。この場合、やはり第1部分領域S1a、S1cにy方向偏光が到達し、第2部分領域S2b、S2dにx方向偏光が到達するが、第1部分領域S1a、第2部分領域S2bには、それぞれ1つの光入射領域から偏光分離された光束しか到達しないため、共通の透過領域にはなっていないことになる。この場合でも、光束径を偏光することなく偏光方向を揃えることができている。
照明光束L、LR、LG、LBは光束に対応する。入射側プリズム面9a、10aは、光入射領域、光入射面、光入射部の一実施形態である。偏光ホログラム面16a、16b、16c、16dは、光入射領域、光入射面、光入射部および偏光分離面の一実施形態である。第1部分領域S1、S1a、S1c、第2部分領域S2、S2b、S2dは、光出射部の一実施形態である。1/2波長板11、17は、偏光変換素子の一実施形態である。S偏光光束LS1、LS2、y方向偏光光束Lya、Lyb、Lyc、Lydは第1の偏光成分の一実施形態である。P偏光光束LP1、LP2、x方向偏光光束Lxa、Lxb、Lxc、Lxdは、第2の偏光成分の一実施形態である。偏光変換素子部5、15、25は、偏光変換光学系の一実施形態である。セナルモンプリズム10は、第1プリズムの一実施形態である。ロションプリズム9は、第2プリズムの一実施形態である。
2R 赤色LED
2G 緑色LED
2B 青色LED
3 集光レンズ
4 ライトトンネル
4b 出射端面
5、15、25 偏光変換素子部
6、6R、6G、6b 液晶パネル
7 クロスダイクロプリズム
8 投射レンズ
9 ロションプリズム(第2プリズム)
9a、10a 入射側プリズム面(光入射領域、光入射面、光入射部)
9b、10b 偏光分離面
9c、10c 出射側プリズム面
10 セナルモンプリズム(第1プリズム)
11、17 1/2波長板(偏光変換素子)
11b、17b 出射面
16 偏光ホログラム素子
16a、16b、16c、16d 偏光ホログラム面(光入射領域、光入射面、光入射部、偏光分離面)
21 ブレーズ化グレーティング
100 液晶投影装置
L、LR、LG、LB 照明光束(光束)
LP1、LP2、LP3、LP4 P偏光光束(第2の偏光成分)
LS1、LS2 S偏光光束(第1の偏光成分)
Lxa、Lxb、Lxc、Lxd x方向偏光光束(第2の偏光成分)
Lya、Lyb、Lyc、Lyd y方向偏光光束(第1の偏光成分)
P、PR、PG、PB 光軸
S1、S1a、S1c 第1部分領域(光出射部)
S2、S2b、S2d 第2部分領域(光出射部)
Claims (5)
- 光軸に沿って進む光束を、前記光軸に略直交して配置され、複数の光入射領域に区分された光入射面から入射させる光入射部と、
該光入射部の前記光入射面の面積を超えない大きさの光透過面積を有し、前記光入射部に入射された前記光束を透過させる光出射部と、
該光出射部の一部である第1部分領域を覆うように対向して配置され、透過光束の偏光方向を90°変える偏光変換素子と、
前記光入射部の光入射面から前記光出射部までの間で、前記複数の光入射領域にそれぞれ入射された前記光束を、偏光方向が互いに直交する第1および第2の偏光成分に分離するとともに、分離された前記第1および第2の偏光成分のうち少なくとも一方を前記光軸に対して斜交する方向に偏向させることにより、前記第1の偏光成分を前記光出射部上の前記第1部分領域から出射させ、前記第2の偏光成分を前記光出射部上で前記第1部分領域の除く部分領域である第2部分領域から出射させる複数の偏光分離面とを備え、
該複数の偏光分離面は、
前記分離された前記第1および第2の偏光成分のうちのいずれかの偏向方向が、隣接する他の偏光分離面のいずれかにおいて分離された同一偏光成分の偏向方向と異なるとともに、
前記第1および第2部分領域の少なくともいずれかの領域で、前記複数の光入射領域のうちの互いに異なる複数の光入射領域に入射した光束から分離された偏向方向が互いに異なる前記第1の偏光成分同士または前記第2の偏光成分同士が共通の透過領域を有するように配置されたことを特徴とする偏光変換光学系。 - 前記偏光分離面は、偏光ホログラムによって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偏光変換光学系。
- 前記偏光分離面は、前記第1の偏光成分を直進させるとともに前記第2の偏光成分を斜め方向に分離する第1プリズムのプリズム面と、前記第2の偏光成分を直進させるとともに前記第1の偏光成分を斜め方向に分離する第2プリズムのプリズム面との組み合わせによって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偏光変換光学系。
- 前記光出射部から出射される前記光束を略一定方向の出射方向に揃えるために、偏光成分に応じて、透過方向を変更するブレーズ化グレーティングを、前記光出射部に対向する位置に配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光変換光学系。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の偏光変換光学系を備えることを特徴とする液晶投影装置。
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