JP2000137117A - 偏光分離素子および偏光変換光学素子 - Google Patents
偏光分離素子および偏光変換光学素子Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、大きな偏光分離角度を有し、かつ
波長変化や角度変化に対する性能劣化が少ない低コスト
な回折型偏光分離素子を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の回折型偏光分離素子は、表面レ
リーフ型の1次元の回折面を有する第1の基板と、表面
レリーフ型の1次元の回折面を有する第2の基板とを有
し、第1と第2の基板が回折面を向かい合わせる方向で
近接に配置され、2つの回折面の間を複屈折材料により
充填した構成とする。
波長変化や角度変化に対する性能劣化が少ない低コスト
な回折型偏光分離素子を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の回折型偏光分離素子は、表面レ
リーフ型の1次元の回折面を有する第1の基板と、表面
レリーフ型の1次元の回折面を有する第2の基板とを有
し、第1と第2の基板が回折面を向かい合わせる方向で
近接に配置され、2つの回折面の間を複屈折材料により
充填した構成とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶画像投
影装置の照明手段に用いられる偏光分離素子に関し、特
に複屈折材料と回折格子を用いた複屈折回折型偏光分離
素子に関するものである。また、前記複屈折回折型偏光
分離素子を用いた偏光変換素子に関するものである。
影装置の照明手段に用いられる偏光分離素子に関し、特
に複屈折材料と回折格子を用いた複屈折回折型偏光分離
素子に関するものである。また、前記複屈折回折型偏光
分離素子を用いた偏光変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】偏光分離素子とは、偏光を利用して光路
を分岐する光学素子である。代表的なものとしては、薄
膜のブリュースター反射を利用する偏光ビームスプリッ
タがある。図7に、薄膜のブリュースター反射を利用す
る偏光ビームスプリッタの一例を示す。偏光ビームスプ
リッタ100は、偏光分離膜101が所定の角度と間隔
で配設されて形成される。偏光分離膜101において、
偏光角でランダム光が入射したときP偏光成分は全て透
過し、反射光がS偏光成分になる。すなわち、光はブリ
ュースター反射される。このようにして光は二つの偏光
成分に分離される。
を分岐する光学素子である。代表的なものとしては、薄
膜のブリュースター反射を利用する偏光ビームスプリッ
タがある。図7に、薄膜のブリュースター反射を利用す
る偏光ビームスプリッタの一例を示す。偏光ビームスプ
リッタ100は、偏光分離膜101が所定の角度と間隔
で配設されて形成される。偏光分離膜101において、
偏光角でランダム光が入射したときP偏光成分は全て透
過し、反射光がS偏光成分になる。すなわち、光はブリ
ュースター反射される。このようにして光は二つの偏光
成分に分離される。
【0003】図7において、紙面に平行な方向の偏光成
分であるP偏光成分はダブルヘッドの矢印で、紙面に垂
直な方向の偏光成分であるS偏光成分は点印で示され
る。このことは、以下全ての図面に共通する。偏光ブー
ムスプリッタ100は、光の偏光方向を揃えて出射する
機能を備えているものである。従って、偏光ビームスプ
リッタ100には、P偏光光路上にP偏光成分をS偏光
成分に変換する1/2波長板102が配設されている。
分であるP偏光成分はダブルヘッドの矢印で、紙面に垂
直な方向の偏光成分であるS偏光成分は点印で示され
る。このことは、以下全ての図面に共通する。偏光ブー
ムスプリッタ100は、光の偏光方向を揃えて出射する
機能を備えているものである。従って、偏光ビームスプ
リッタ100には、P偏光光路上にP偏光成分をS偏光
成分に変換する1/2波長板102が配設されている。
【0004】P偏光成分は偏光分離膜101で透過され
た後、1/2波長板102でS偏光成分に変換され偏光
ビームスプリッタ100から出射される。S偏光成分は
最初に入射した偏光分離膜101で反射された後、さら
に隣接する偏光分離膜101で反射されて偏光ビームス
プリッタ100から出射される。
た後、1/2波長板102でS偏光成分に変換され偏光
ビームスプリッタ100から出射される。S偏光成分は
最初に入射した偏光分離膜101で反射された後、さら
に隣接する偏光分離膜101で反射されて偏光ビームス
プリッタ100から出射される。
【0005】上記のような薄膜のブリュースター反射を
利用する偏光ビームスプリッタは、薄膜層を複数設ける
ため製造が複雑であり、コストが高いという欠点があ
る。偏光分離素子として、複屈折結晶を用いた偏光プリ
ズムも知られているが、これはコストが高く作製が複雑
で量産性に欠けるという問題点がある。
利用する偏光ビームスプリッタは、薄膜層を複数設ける
ため製造が複雑であり、コストが高いという欠点があ
る。偏光分離素子として、複屈折結晶を用いた偏光プリ
ズムも知られているが、これはコストが高く作製が複雑
で量産性に欠けるという問題点がある。
【0006】このような背景から、複屈折材料である液
晶と表面レリーフ型の回折格子を組み合わせ、偏光によ
る回折効率の違いを利用して光路を分岐する複屈折回折
型偏光分離素子が例えば特開平10ー21576号公報
で提案されている。複屈折回折型偏光分離素子は、大量
生産可能な表面レリーフ型の回折格子と安価な複屈折材
料である液晶材料とを組み合わせた構成であるため、製
造が容易でコストを抑えることができる。
晶と表面レリーフ型の回折格子を組み合わせ、偏光によ
る回折効率の違いを利用して光路を分岐する複屈折回折
型偏光分離素子が例えば特開平10ー21576号公報
で提案されている。複屈折回折型偏光分離素子は、大量
生産可能な表面レリーフ型の回折格子と安価な複屈折材
料である液晶材料とを組み合わせた構成であるため、製
造が容易でコストを抑えることができる。
【0007】図8に、複屈折回折型偏光分離素子の一例
の断面図を示す。偏光分離素子103は、表面が平坦な
第1の基板104と、第1の基板104に対向する面が
ブレーズ化された回折面となっている表面レリーフ型の
第2の基板105と、第1の基板104と第2の基板1
05の間を充填する複屈折材料である液晶106とから
成る。第2の基板105は、液晶106の異常光屈折率
に等しい屈折率を有するものを用いる。
の断面図を示す。偏光分離素子103は、表面が平坦な
第1の基板104と、第1の基板104に対向する面が
ブレーズ化された回折面となっている表面レリーフ型の
第2の基板105と、第1の基板104と第2の基板1
05の間を充填する複屈折材料である液晶106とから
成る。第2の基板105は、液晶106の異常光屈折率
に等しい屈折率を有するものを用いる。
【0008】偏光分離素子103に入射したランダム偏
光のうち異常光であるS偏光成分は、第2の基板105
の回折面105aによる屈折率変調を受けないため直進
し、常光であるP偏光成分は回折面105aによる屈折
率変調を受けるため回折される。このようにして、光は
2つの偏光成分に分離される。尚、第2の基板105に
は、液晶106の常光屈折率に等しい屈折率を有するも
のを用いても良い。この場合、異常光が回折され、常光
が直進することにより常光と異常光の光路が分離され
る。また、第2の基板105の表面レリーフ型の格子面
はブレーズ状に限られない。しかし、ブレーズ状の回折
格子面は、一つの回折次数にエネルギーが集中するので
最も望ましい。
光のうち異常光であるS偏光成分は、第2の基板105
の回折面105aによる屈折率変調を受けないため直進
し、常光であるP偏光成分は回折面105aによる屈折
率変調を受けるため回折される。このようにして、光は
2つの偏光成分に分離される。尚、第2の基板105に
は、液晶106の常光屈折率に等しい屈折率を有するも
のを用いても良い。この場合、異常光が回折され、常光
が直進することにより常光と異常光の光路が分離され
る。また、第2の基板105の表面レリーフ型の格子面
はブレーズ状に限られない。しかし、ブレーズ状の回折
格子面は、一つの回折次数にエネルギーが集中するので
最も望ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来より、偏光分離素
子は、光ヘッド装置、液晶画像投影装置を始めとするさ
まざまな装置で用いられている。光ヘッド装置に用いる
場合、偏光分離素子の偏光分離角度はあまり大きいもの
でない方が望ましい。なぜなら、ディテクタとの相対位
置から、偏光分離角度を大きくとると光学系が大きくな
るからである。
子は、光ヘッド装置、液晶画像投影装置を始めとするさ
まざまな装置で用いられている。光ヘッド装置に用いる
場合、偏光分離素子の偏光分離角度はあまり大きいもの
でない方が望ましい。なぜなら、ディテクタとの相対位
置から、偏光分離角度を大きくとると光学系が大きくな
るからである。
【0010】一方、液晶画像投影装置に用いる場合は、
偏光分離素子の偏光分離角度は大きい方が望ましい。液
晶画像投影装置においては、偏光分離素子により二つの
偏光成分に分離し、一方の成分の光を他方の成分の光と
同じ偏光状態に変換することにより偏光状態を揃えて、
理論的に全ての光を照明光として用いることにより光の
利用効率を上げる。
偏光分離素子の偏光分離角度は大きい方が望ましい。液
晶画像投影装置においては、偏光分離素子により二つの
偏光成分に分離し、一方の成分の光を他方の成分の光と
同じ偏光状態に変換することにより偏光状態を揃えて、
理論的に全ての光を照明光として用いることにより光の
利用効率を上げる。
【0011】このとき、一方の光のみの偏光状態の変換
を行うためには、二つの偏光成分の分離幅が所定値以上
である必要がある。偏光分離角度が小さいと、この所定
値の分離幅が得られるまでの光学系の長さが長くなり、
装置が大型化してしまう。よって、偏光分離角度は大き
い方が望ましい。
を行うためには、二つの偏光成分の分離幅が所定値以上
である必要がある。偏光分離角度が小さいと、この所定
値の分離幅が得られるまでの光学系の長さが長くなり、
装置が大型化してしまう。よって、偏光分離角度は大き
い方が望ましい。
【0012】回折型偏光分離素子において、偏光分離角
度を大きくするためには、回折格子の周期を小さくすれ
ばよい。しかし、回折格子の周期を小さくすると、回折
効率の低下が生じる。
度を大きくするためには、回折格子の周期を小さくすれ
ばよい。しかし、回折格子の周期を小さくすると、回折
効率の低下が生じる。
【0013】格子の高さが数μm程度の薄いブレーズ回
折格子の場合において、格子周期が設計波長の20倍程
度までは、表面反射成分を除くとスカラ理論的に100
%の回折効率が得られるが、格子周期が小さくなるに従
って回折効率が低下する。
折格子の場合において、格子周期が設計波長の20倍程
度までは、表面反射成分を除くとスカラ理論的に100
%の回折効率が得られるが、格子周期が小さくなるに従
って回折効率が低下する。
【0014】図9に、図8に示した偏光分離素子103
について、ベクトル解析から厳密に計算した回折格子の
周期と回折効率の関係を示す。回折格子の周期をΛ、設
計中心波長をλ0として、Λ/λ0を横軸に、回折効率を
縦軸とし、格子周期が波長の20倍以下、すなわちΛ/
λ0が20以下となる範囲について示す。尚、設計中心
波長λ0を550nm、液晶106の常光屈折率を1.5
183、異常光屈折率を1.68049、最大の格子高
さを3.4μmとして計算を行った。図9においては、
表面反射成分を除いていない。
について、ベクトル解析から厳密に計算した回折格子の
周期と回折効率の関係を示す。回折格子の周期をΛ、設
計中心波長をλ0として、Λ/λ0を横軸に、回折効率を
縦軸とし、格子周期が波長の20倍以下、すなわちΛ/
λ0が20以下となる範囲について示す。尚、設計中心
波長λ0を550nm、液晶106の常光屈折率を1.5
183、異常光屈折率を1.68049、最大の格子高
さを3.4μmとして計算を行った。図9においては、
表面反射成分を除いていない。
【0015】図9から、格子周期が小さくなるにしたが
って、徐々に回折効率が低下することがわかる。これ
は、高次の回折光へのエネルギーの洩れが大きくなるか
らである。尚、波長が周期と同じオーダーとなるとスカ
ラ理論が成り立たなくなるため、ブレーズ化した回折格
子においても十分な回折効率が得られない。回折効率の
最も高いブレーズ回折格子においても十分な回折効率が
得られないので、他の種類の回折格子においてはなおさ
らである。
って、徐々に回折効率が低下することがわかる。これ
は、高次の回折光へのエネルギーの洩れが大きくなるか
らである。尚、波長が周期と同じオーダーとなるとスカ
ラ理論が成り立たなくなるため、ブレーズ化した回折格
子においても十分な回折効率が得られない。回折効率の
最も高いブレーズ回折格子においても十分な回折効率が
得られないので、他の種類の回折格子においてはなおさ
らである。
【0016】回折格子の周期を小さくすると、回折効率
が低下するという問題が生じるとともに、角度依存性、
色分散性が大きくなるという問題点が生じる。色分散性
が大きくなると、白色波長領域での適用が困難となる。
尚、たとえ格子周期を小さくすることにより発生する問
題点を無視して、偏光分離角度のみを優先して構成しよ
うとしても、ブレーズ格子の高さにより回折格子の周期
を小さくすることには限界があり、大きな偏光分離角度
を得ることが困難となる場合があった。
が低下するという問題が生じるとともに、角度依存性、
色分散性が大きくなるという問題点が生じる。色分散性
が大きくなると、白色波長領域での適用が困難となる。
尚、たとえ格子周期を小さくすることにより発生する問
題点を無視して、偏光分離角度のみを優先して構成しよ
うとしても、ブレーズ格子の高さにより回折格子の周期
を小さくすることには限界があり、大きな偏光分離角度
を得ることが困難となる場合があった。
【0017】回折格子の最適な最大の格子高さh
maxは、複屈折材料の異常光と常光の屈折率の差Δn、
設計中心波長λ0、回折次数mとした場合、hmax=mλ
0/Δnとなる。ここで、波長や角度変化による回折効
率の依存性を小さくするためには、hmaxはできるだけ
小さい方が望ましい。従って、m=1とする場合が多
い。さらには、Δnが大きい方がhmaxが小さくなる。
従って、複屈折性の大きな材料ほど偏光分離素子の性能
的には有利である。液晶は、各種複屈折材料の中でも非
常に大きな複屈折性を有する材料であり、大きなもので
Δnの値が0.2〜0.25となる 。よって、複屈折
材料として、液晶を用いることが望ましい。
maxは、複屈折材料の異常光と常光の屈折率の差Δn、
設計中心波長λ0、回折次数mとした場合、hmax=mλ
0/Δnとなる。ここで、波長や角度変化による回折効
率の依存性を小さくするためには、hmaxはできるだけ
小さい方が望ましい。従って、m=1とする場合が多
い。さらには、Δnが大きい方がhmaxが小さくなる。
従って、複屈折性の大きな材料ほど偏光分離素子の性能
的には有利である。液晶は、各種複屈折材料の中でも非
常に大きな複屈折性を有する材料であり、大きなもので
Δnの値が0.2〜0.25となる 。よって、複屈折
材料として、液晶を用いることが望ましい。
【0018】しかしながら、最適な最大格子高さhmax
は、液晶を用いて構成した複屈折回折型偏光分離素子に
おいても、大きな偏光分離角度となる周期を有する回折
格子を構成するために十分に小さい値とすることは困難
であった。例えば、設計中心波長λ0を550nm、Δn
を0.2とした場合、hmax=2.75μmとなる。
は、液晶を用いて構成した複屈折回折型偏光分離素子に
おいても、大きな偏光分離角度となる周期を有する回折
格子を構成するために十分に小さい値とすることは困難
であった。例えば、設計中心波長λ0を550nm、Δn
を0.2とした場合、hmax=2.75μmとなる。
【0019】上記のように、従来の複屈折回折型偏光分
離素子において、大きな偏光分離角度を有し、波長や角
度依存性の性能に対する影響が小さいものを構成するこ
とは困難であった。
離素子において、大きな偏光分離角度を有し、波長や角
度依存性の性能に対する影響が小さいものを構成するこ
とは困難であった。
【0020】本発明は、上記問題点を鑑みて、大きな偏
光分離角度を有し、かつ波長変化や角度変化に対する性
能劣化が少ない低コストな偏光分離素子を提供すること
を目的とする。また、複屈折回折型偏光素子を用いて、
製造が容易で低コスト、薄型の偏光変換光学素子を提供
することを目的とする。
光分離角度を有し、かつ波長変化や角度変化に対する性
能劣化が少ない低コストな偏光分離素子を提供すること
を目的とする。また、複屈折回折型偏光素子を用いて、
製造が容易で低コスト、薄型の偏光変換光学素子を提供
することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の回折型偏光分離素子は、表面レリ
ーフ型の1次元の回折面を有する第1の基板と、表面レ
リーフ型の1次元の回折面を有する第2の基板とを有
し、第1と第2の基板が回折面を向かい合わせる方向で
近接に配置され、2つの回折面の間を複屈折材料により
充填した構成とする。
に、請求項1に記載の回折型偏光分離素子は、表面レリ
ーフ型の1次元の回折面を有する第1の基板と、表面レ
リーフ型の1次元の回折面を有する第2の基板とを有
し、第1と第2の基板が回折面を向かい合わせる方向で
近接に配置され、2つの回折面の間を複屈折材料により
充填した構成とする。
【0022】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の回折型偏光分離素子において、第1と第2の基板の屈
折率の一方は前記複屈折材料の常光屈折率と略等しく、
他方は前記複屈折材料の異常光屈折率と略等しい構成と
する。
の回折型偏光分離素子において、第1と第2の基板の屈
折率の一方は前記複屈折材料の常光屈折率と略等しく、
他方は前記複屈折材料の異常光屈折率と略等しい構成と
する。
【0023】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の回折型偏光分離素子において、第1と第2の基板の屈
折率は略等しくかつ前記複屈折材料の常光屈折率または
異常光屈折率のいずれかに略等しい構成とする。
の回折型偏光分離素子において、第1と第2の基板の屈
折率は略等しくかつ前記複屈折材料の常光屈折率または
異常光屈折率のいずれかに略等しい構成とする。
【0024】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
いずれかに記載の回折型偏光分離素子において、前記複
屈折材料は液晶材料である構成とする。
いずれかに記載の回折型偏光分離素子において、前記複
屈折材料は液晶材料である構成とする。
【0025】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
に記載の回折型偏光分離素子において、第1及び第2の
基板は回折面が1次元のブレーズ形状であり、それぞれ
の回折面のブレーズの方向が逆方向となるように配置さ
れており、かつ、設計中心波長をλ0、前記複屈折材料
の異常光と常光の屈折率の差をΔnとすると、それぞれ
の回折面のブレーズの格子最大高さh1、h2はh1=h2
=λ0/Δnを満たす構成とする。
に記載の回折型偏光分離素子において、第1及び第2の
基板は回折面が1次元のブレーズ形状であり、それぞれ
の回折面のブレーズの方向が逆方向となるように配置さ
れており、かつ、設計中心波長をλ0、前記複屈折材料
の異常光と常光の屈折率の差をΔnとすると、それぞれ
の回折面のブレーズの格子最大高さh1、h2はh1=h2
=λ0/Δnを満たす構成とする。
【0026】また、請求項6に記載の偏光変換光学素子
は、入射する光を複数の光束に分割する第1のレンズア
レイと、第1のレンズアレイで分割された各光束を異な
る偏光状態を有する二つの光束に分離する請求項1に記
載の回折型偏光分離素子と、前記回折型偏光分離素子で
分離された二つの光束のうち一方の光束の偏光状態を他
方の光束の偏光状態と一致するように変換する変換素子
と、前記変換素子を透過した二つの光束を合成する第2
のレンズアレイとを備えている構成とする。
は、入射する光を複数の光束に分割する第1のレンズア
レイと、第1のレンズアレイで分割された各光束を異な
る偏光状態を有する二つの光束に分離する請求項1に記
載の回折型偏光分離素子と、前記回折型偏光分離素子で
分離された二つの光束のうち一方の光束の偏光状態を他
方の光束の偏光状態と一致するように変換する変換素子
と、前記変換素子を透過した二つの光束を合成する第2
のレンズアレイとを備えている構成とする。
【0027】
【発明の実施の形態】〈第1の実施形態〉図1に、本実
施形態の偏光分離素子の垂直断面図を示す。偏光分離素
子1は、回折面2aを有する第1の基板2、複屈折材料
である液晶3、回折面4aを有する第2の基板4から成
る。第1の基板2、第2の基板4は平板状の部材の片面
にブレーズ状の回折格子面が形成されている構成であ
る。第1の基板2、第2の基板4は互いに回折格子面2
a、4aを向かい合わせる方向でかつ互いの回折格子面
2a、4aのブレーズ方向が逆になるように配設されて
いる。液晶3により、第1の基板2と第2の基板4の間
が充填されている。回折面2a、4aは等しい格子周期
Λと格子最大高さhを有する。
施形態の偏光分離素子の垂直断面図を示す。偏光分離素
子1は、回折面2aを有する第1の基板2、複屈折材料
である液晶3、回折面4aを有する第2の基板4から成
る。第1の基板2、第2の基板4は平板状の部材の片面
にブレーズ状の回折格子面が形成されている構成であ
る。第1の基板2、第2の基板4は互いに回折格子面2
a、4aを向かい合わせる方向でかつ互いの回折格子面
2a、4aのブレーズ方向が逆になるように配設されて
いる。液晶3により、第1の基板2と第2の基板4の間
が充填されている。回折面2a、4aは等しい格子周期
Λと格子最大高さhを有する。
【0028】第1の基板2は、液晶3の常光屈折率n0
と略等しい屈折率を有する材料で形成されている。第2
の基板4は、液晶3の異常光屈折率neと略等しい屈折
率を有する材料で形成されている。液晶3は、これを挟
む回折面2a、4aの長手方向(紙面に垂直な方向)に
配向されている。液晶3の配向は、回折面2a、4aに
ポリイミドなどによる配向膜を設けることで可能であ
る。
と略等しい屈折率を有する材料で形成されている。第2
の基板4は、液晶3の異常光屈折率neと略等しい屈折
率を有する材料で形成されている。液晶3は、これを挟
む回折面2a、4aの長手方向(紙面に垂直な方向)に
配向されている。液晶3の配向は、回折面2a、4aに
ポリイミドなどによる配向膜を設けることで可能であ
る。
【0029】ランダム偏光として、基板2から入射する
光のS偏光成分(紙面に垂直な偏光成分)については、
液晶3の屈折率は基板2の屈折率より大きい異常光屈折
率となるため、回折面2aの作用により光は回折され
る。P偏光成分(紙面に平行な方向の偏光成分)につい
ては、液晶3の屈折率は基板2と略等しい屈折率である
ため、基板2の回折面2aは回折格子としては機能せず
光はそのまま透過する。
光のS偏光成分(紙面に垂直な偏光成分)については、
液晶3の屈折率は基板2の屈折率より大きい異常光屈折
率となるため、回折面2aの作用により光は回折され
る。P偏光成分(紙面に平行な方向の偏光成分)につい
ては、液晶3の屈折率は基板2と略等しい屈折率である
ため、基板2の回折面2aは回折格子としては機能せず
光はそのまま透過する。
【0030】液晶3の層を透過し基板4に入射するS偏
光成分に対しては、基板4の屈折率が液晶3の異常光屈
折率と略等しい屈折率となるため、回折面4aは回折格
子として機能せず光はそのまま透過する。
光成分に対しては、基板4の屈折率が液晶3の異常光屈
折率と略等しい屈折率となるため、回折面4aは回折格
子として機能せず光はそのまま透過する。
【0031】他方、基板4に入射するP偏光成分に対し
ては、基板4の屈折率が液晶3の常光屈折率よりも大き
い屈折率となるため、回折面4aは回折格子として機能
し光は回折される。尚、回折面2aで回折されるS偏光
成分の回折方向と、回折面4aで回折されるP偏光成分
の回折方向は逆方向である。
ては、基板4の屈折率が液晶3の常光屈折率よりも大き
い屈折率となるため、回折面4aは回折格子として機能
し光は回折される。尚、回折面2aで回折されるS偏光
成分の回折方向と、回折面4aで回折されるP偏光成分
の回折方向は逆方向である。
【0032】偏光分離素子1において、回折される光の
回折効率を最大とするために、第1、第2の基板2、4
のブレーズ格子の最大高さhはλ0/Δnとする。ここ
で、λ0は設計中心波長を、Δnは液晶3の異常光屈折
率neと常光屈折率n0の差を表す。
回折効率を最大とするために、第1、第2の基板2、4
のブレーズ格子の最大高さhはλ0/Δnとする。ここ
で、λ0は設計中心波長を、Δnは液晶3の異常光屈折
率neと常光屈折率n0の差を表す。
【0033】上記の構成により、偏光分離素子1は、ラ
ンダム偏光の光を効率よく分離することができる。S偏
光成分は、回折面2aにより回折され、P偏光成分は回
折面4aによって逆の方向に回折される構成としたこと
により、一つの回折面を持つ素子にくらべて、同じPS
偏光分離角度を得るために必要な回折格子の周期Λを大
きくとることができる。また、一つの回折面を持つ素子
と同じ格子周期とした場合は、より大きな偏光分離角度
が得られる。
ンダム偏光の光を効率よく分離することができる。S偏
光成分は、回折面2aにより回折され、P偏光成分は回
折面4aによって逆の方向に回折される構成としたこと
により、一つの回折面を持つ素子にくらべて、同じPS
偏光分離角度を得るために必要な回折格子の周期Λを大
きくとることができる。また、一つの回折面を持つ素子
と同じ格子周期とした場合は、より大きな偏光分離角度
が得られる。
【0034】例えば、偏光分離角度を約6度得るための
格子周期Λは、本実施形態の偏光分離素子1によると1
1μmであるのに対し、図8に示した従来の偏光分離素
子103によると5.5μmである。格子周期Λが大き
いほど、回折効率の入射角度依存性が小さくなる。
格子周期Λは、本実施形態の偏光分離素子1によると1
1μmであるのに対し、図8に示した従来の偏光分離素
子103によると5.5μmである。格子周期Λが大き
いほど、回折効率の入射角度依存性が小さくなる。
【0035】図2に、格子周期Λが11μmである本実
施形態の偏光分離素子1と、格子周期Λが5.5μmで
ある従来の偏光分離素子103における入射角度と回折
効率の関係を示す。計算は、ベクトル解析による厳密な
ものであり、設計中心波長λ0を550nm、液晶の常光
屈折率n0を1.5183、異常光屈折率neを1.68
049として計算を行った。横軸に入射角度を、縦軸に
回折効率を示す。点線13で示す関係が本実施形態の偏
光分離素子1のものであり、実線14に示す関係が従来
の偏光分離素子103のものである。
施形態の偏光分離素子1と、格子周期Λが5.5μmで
ある従来の偏光分離素子103における入射角度と回折
効率の関係を示す。計算は、ベクトル解析による厳密な
ものであり、設計中心波長λ0を550nm、液晶の常光
屈折率n0を1.5183、異常光屈折率neを1.68
049として計算を行った。横軸に入射角度を、縦軸に
回折効率を示す。点線13で示す関係が本実施形態の偏
光分離素子1のものであり、実線14に示す関係が従来
の偏光分離素子103のものである。
【0036】図2より明かなように、格子周期Λが大き
い方(点線13で示す方)が、回折効率の角度による低
下が少ないとともに、絶対的な効率の低下も少ない。こ
れは、先述のように、本実施形態の偏光分離素子1の格
子周期Λが設計中心波長λ0の20倍程度となるのに対
し、従来の偏光分離素子103の格子周期Λは20倍以
下であることに起因する。
い方(点線13で示す方)が、回折効率の角度による低
下が少ないとともに、絶対的な効率の低下も少ない。こ
れは、先述のように、本実施形態の偏光分離素子1の格
子周期Λが設計中心波長λ0の20倍程度となるのに対
し、従来の偏光分離素子103の格子周期Λは20倍以
下であることに起因する。
【0037】複屈折材料として用いられる液晶3は、屈
折率異方性が大きな液晶材料であれば高分子液晶、ネマ
ティック液晶、液晶ポリマーなどが適用可能である。
折率異方性が大きな液晶材料であれば高分子液晶、ネマ
ティック液晶、液晶ポリマーなどが適用可能である。
【0038】回折面2a、4aのブレーズ格子は、リソ
グラフィー製造方法による階段状のバイナリ形状で構成
しても、RIEやイオンエッチングなどのドライプロセ
ス、またルーリングエンジンなどによる切削加工による
ものでもよい。このようなさまざまな方法により作製さ
れた表面レリーフ型の金型を作製し、樹脂やガラスなど
を用いて成形することにより、大量生産が可能である。
また、基板上に樹脂や無機の透明膜により回折面を複合
させたものでもよい。
グラフィー製造方法による階段状のバイナリ形状で構成
しても、RIEやイオンエッチングなどのドライプロセ
ス、またルーリングエンジンなどによる切削加工による
ものでもよい。このようなさまざまな方法により作製さ
れた表面レリーフ型の金型を作製し、樹脂やガラスなど
を用いて成形することにより、大量生産が可能である。
また、基板上に樹脂や無機の透明膜により回折面を複合
させたものでもよい。
【0039】図3に、回折面2a、4aのブレーズ格子
を4値のバイナリ形状とした場合の偏光分離素子1の垂
直断面図を示す。偏光分離角度等、得られる作用は、格
子面が連続でスムーズな面である場合とほぼ同じであ
る。
を4値のバイナリ形状とした場合の偏光分離素子1の垂
直断面図を示す。偏光分離角度等、得られる作用は、格
子面が連続でスムーズな面である場合とほぼ同じであ
る。
【0040】〈第2の実施形態〉図4に、本実施形態の
偏光分離素子5の垂直断面図を示す。偏光分離素子5
は、回折面6aを有する第1の基板6、液晶7、回折面
8aを有する第2の基板8より成る。第1の基板6が液
晶7の異常光屈折率neと略等しい屈折率を有する点の
み第1の実施形態の偏光分離素子1と相違する。よっ
て、第1の実施形態と重複する説明は避ける。
偏光分離素子5の垂直断面図を示す。偏光分離素子5
は、回折面6aを有する第1の基板6、液晶7、回折面
8aを有する第2の基板8より成る。第1の基板6が液
晶7の異常光屈折率neと略等しい屈折率を有する点の
み第1の実施形態の偏光分離素子1と相違する。よっ
て、第1の実施形態と重複する説明は避ける。
【0041】ランダム偏光として基板6から入射する光
のS偏光成分については、液晶7の屈折率は基板6の屈
折率と略等しい異常光屈折率となるため、回折面6aは
回折格子として機能せず光はそのまま透過する。
のS偏光成分については、液晶7の屈折率は基板6の屈
折率と略等しい異常光屈折率となるため、回折面6aは
回折格子として機能せず光はそのまま透過する。
【0042】一方、基板6から入射するP偏光成分につ
いては、液晶7の屈折率は基板6の屈折率よりも小さい
常光屈折率となるため、回折面6aは回折格子として機
能し光は紙面右方向に回折される。
いては、液晶7の屈折率は基板6の屈折率よりも小さい
常光屈折率となるため、回折面6aは回折格子として機
能し光は紙面右方向に回折される。
【0043】液晶7の層を透過して、基板8に入射する
S偏光成分に対しては、基板8の屈折率は第1の基板6
と同じく液晶7の異常光屈折率と略等しくなっているた
め、回折面8aは回折格子として機能せず光はそのまま
透過する。
S偏光成分に対しては、基板8の屈折率は第1の基板6
と同じく液晶7の異常光屈折率と略等しくなっているた
め、回折面8aは回折格子として機能せず光はそのまま
透過する。
【0044】他方、基板8に入射するP偏光成分に対し
ては、基板8の屈折率が基板6と同じく液晶7の異常光
屈折率と略等しくなっているため、回折面8aは回折格
子として機能し光は紙面右方向に回折される。
ては、基板8の屈折率が基板6と同じく液晶7の異常光
屈折率と略等しくなっているため、回折面8aは回折格
子として機能し光は紙面右方向に回折される。
【0045】上記の構成により、ランダム偏光の光を効
率良く分離することができる。S偏光成分の光は、液晶
7の屈折率と第1、第2の基板6、8の屈折率が略等し
いため、回折面6a、8aで回折作用を受けずに偏光分
離素子5を透過する。P偏光成分の光は、二つの回折面
6a、6bで同じ方向に回折される構成とした。よっ
て、一つの回折面を持つ素子にくらべて、同じPS偏光
分離角度を得るために必要な回折格子Λの周期を大きく
とることができる。
率良く分離することができる。S偏光成分の光は、液晶
7の屈折率と第1、第2の基板6、8の屈折率が略等し
いため、回折面6a、8aで回折作用を受けずに偏光分
離素子5を透過する。P偏光成分の光は、二つの回折面
6a、6bで同じ方向に回折される構成とした。よっ
て、一つの回折面を持つ素子にくらべて、同じPS偏光
分離角度を得るために必要な回折格子Λの周期を大きく
とることができる。
【0046】〈第3の実施形態〉図5に、本実施形態の
偏光分離素子9の垂直断面図を示す。偏光分離素子9
は、回折面10aを有する第1の基板10、液晶11、
回折面12aを有する第2の基板12より成る。第2の
基板12が液晶11の常光屈折率neと略等しい屈折率
を有する点のみ第1の実施形態の偏光分離素子1と相違
する。よって、第1の実施形態と重複する説明は避け
る。
偏光分離素子9の垂直断面図を示す。偏光分離素子9
は、回折面10aを有する第1の基板10、液晶11、
回折面12aを有する第2の基板12より成る。第2の
基板12が液晶11の常光屈折率neと略等しい屈折率
を有する点のみ第1の実施形態の偏光分離素子1と相違
する。よって、第1の実施形態と重複する説明は避け
る。
【0047】ランダム偏光として基板10から入射する
光のS偏光成分については、液晶11の屈折率は第1の
基板10の屈折率より大きい異常光屈折率となるため、
回折面10aは回折格子として機能し光は紙面右方向に
回折される。
光のS偏光成分については、液晶11の屈折率は第1の
基板10の屈折率より大きい異常光屈折率となるため、
回折面10aは回折格子として機能し光は紙面右方向に
回折される。
【0048】一方、基板10に入射する光のP偏光成分
については、液晶11の屈折率は基板10の屈折率と略
等しい常光屈折率となるため、回折面6aは回折格子と
して機能せず光はそのまま透過する。
については、液晶11の屈折率は基板10の屈折率と略
等しい常光屈折率となるため、回折面6aは回折格子と
して機能せず光はそのまま透過する。
【0049】液晶11の層を透過し、基板12に入射す
るS偏光成分については、第2の基板12の屈折率が第
1の基板10と同じく液晶11の異常光屈折率より小さ
い屈折率であるため、回折面8aは回折格子として機能
し光は紙面右方向に回折される。
るS偏光成分については、第2の基板12の屈折率が第
1の基板10と同じく液晶11の異常光屈折率より小さ
い屈折率であるため、回折面8aは回折格子として機能
し光は紙面右方向に回折される。
【0050】他方、基板12に入射するP偏光成分に対
しては、基板12の屈折率は基板10と同じく液晶11
の常光屈折率と略等しい屈折率であるため、回折面8a
は回折格子として機能せず光はそのまま透過される。
しては、基板12の屈折率は基板10と同じく液晶11
の常光屈折率と略等しい屈折率であるため、回折面8a
は回折格子として機能せず光はそのまま透過される。
【0051】上記の構成により、ランダム偏光の光を効
率良く分離することができる。P偏光成分については、
液晶11の屈折率と第1、第2の基板10、12の屈折
率が同じであるため、光は回折面10a、12aでの回
折作用を受けず偏光分離素子9を透過する。S偏光成分
は、二つの回折面10a、12aで同じ方向に回折され
る。よって、それぞれの回折面10a、12aの偏光分
離角度の足し合わせが偏光分離素子9の偏光分離角度と
なるので、一つの回折面を持つ素子にくらべて、同じP
S偏光分離角度を得るために必要な回折格子Λの周期を
大きくとることができる。
率良く分離することができる。P偏光成分については、
液晶11の屈折率と第1、第2の基板10、12の屈折
率が同じであるため、光は回折面10a、12aでの回
折作用を受けず偏光分離素子9を透過する。S偏光成分
は、二つの回折面10a、12aで同じ方向に回折され
る。よって、それぞれの回折面10a、12aの偏光分
離角度の足し合わせが偏光分離素子9の偏光分離角度と
なるので、一つの回折面を持つ素子にくらべて、同じP
S偏光分離角度を得るために必要な回折格子Λの周期を
大きくとることができる。
【0052】上記第1〜第3の実施形態の偏光分離素子
は、いずれも回折格子面は2面であるが、これを3面以
上の構成にして1面あたりの回折角度を小さくするよう
にしてもよい。しかしながら、この場合性能上は好まし
いが、素子の数が多くなりコスト面において不利であ
る。
は、いずれも回折格子面は2面であるが、これを3面以
上の構成にして1面あたりの回折角度を小さくするよう
にしてもよい。しかしながら、この場合性能上は好まし
いが、素子の数が多くなりコスト面において不利であ
る。
【0053】〈第4の実施形態〉図6に、本実施形態の
偏光変換光学素子18の垂直断面図を示す。偏光変換光
学素子18は、第1の実施形態の偏光分離素子1を用い
て構成されている。複数のレンズセルから成る第1のレ
ンズアレイ15と、これに第1の基板2が接着するよう
に配置された偏光分離素子1と、偏光分離素子1の第2
の基板4から所定距離離れた位置に偏光方向を90度変
換する1/2波長板16aが複数交互に配置された波長
板アレイ16と、波長板アレイ16に接着されるように
配置された複数のレンズセルから成る第2のレンズアレ
イ17とから構成される。
偏光変換光学素子18の垂直断面図を示す。偏光変換光
学素子18は、第1の実施形態の偏光分離素子1を用い
て構成されている。複数のレンズセルから成る第1のレ
ンズアレイ15と、これに第1の基板2が接着するよう
に配置された偏光分離素子1と、偏光分離素子1の第2
の基板4から所定距離離れた位置に偏光方向を90度変
換する1/2波長板16aが複数交互に配置された波長
板アレイ16と、波長板アレイ16に接着されるように
配置された複数のレンズセルから成る第2のレンズアレ
イ17とから構成される。
【0054】ランダム偏光を出射する白色光源(不図
示)から偏光変換光学素子18に入射する光は、第1の
マイクロレンズアレイ15により複数の光束に分割され
て偏光分離素子1に入射する。そして、偏光分離素子1
によりP偏光成分とS偏光成分に分離される。
示)から偏光変換光学素子18に入射する光は、第1の
マイクロレンズアレイ15により複数の光束に分割され
て偏光分離素子1に入射する。そして、偏光分離素子1
によりP偏光成分とS偏光成分に分離される。
【0055】分離されたP、S偏光成分のうち、P偏光
成分については交互に配置された1/2波長板6aによ
り偏光方向が変換されS偏光成分となり第2のレンズア
レイ17に入射する。S偏光成分は、そのまま第2のレ
ンズアレイ17に入射する。これらの光は、第2のレン
ズアレイ17により進行方向が揃った光となる。このよ
うにして、偏光方向と進行方向の同じ光が偏光変換光学
素子18より出射される。
成分については交互に配置された1/2波長板6aによ
り偏光方向が変換されS偏光成分となり第2のレンズア
レイ17に入射する。S偏光成分は、そのまま第2のレ
ンズアレイ17に入射する。これらの光は、第2のレン
ズアレイ17により進行方向が揃った光となる。このよ
うにして、偏光方向と進行方向の同じ光が偏光変換光学
素子18より出射される。
【0056】尚、波長板アレイ16は、P偏光成分が入
射する位置に1/2波長板16aが交互に配置される構
成となっているが、P偏光成分とS偏光成分の分離幅が
所定値以上でないと、波長板アレイ16によりP偏光成
分を確実にS偏光成分に変換することは困難である。本
実施形態の偏光変換光学素子18においては、偏光分離
素子1により分離角を大きくできるので、P偏光とS偏
光分離後に所定値以上の分離幅が得られるまでに要する
光学系の距離が短くてよい。よって、偏光分離素子1と
波長板アレイ16の距離を短くでき、偏光変換光学素子
18全体を薄く構成できる。
射する位置に1/2波長板16aが交互に配置される構
成となっているが、P偏光成分とS偏光成分の分離幅が
所定値以上でないと、波長板アレイ16によりP偏光成
分を確実にS偏光成分に変換することは困難である。本
実施形態の偏光変換光学素子18においては、偏光分離
素子1により分離角を大きくできるので、P偏光とS偏
光分離後に所定値以上の分離幅が得られるまでに要する
光学系の距離が短くてよい。よって、偏光分離素子1と
波長板アレイ16の距離を短くでき、偏光変換光学素子
18全体を薄く構成できる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、表面レリーフ型の回折
格子と、複屈折材料を組み合わせて、特に偏光分離角度
が大きくても回折効率の入射角度や波長に対する依存性
の少ない特性の優れた偏光分離素子を構成することが可
能となる。さらに、偏光分離角度を得るために二つの回
折面を利用するために、回折格子周期の大きな偏光分離
素子が可能となる。
格子と、複屈折材料を組み合わせて、特に偏光分離角度
が大きくても回折効率の入射角度や波長に対する依存性
の少ない特性の優れた偏光分離素子を構成することが可
能となる。さらに、偏光分離角度を得るために二つの回
折面を利用するために、回折格子周期の大きな偏光分離
素子が可能となる。
【0058】また、表面レリーフ型の回折格子は大量生
産が可能であり、さらに、複屈折材料として例えば液晶
などの安価なものを用いれば用いて構成すれば、安価な
偏光分離素子が可能となる。
産が可能であり、さらに、複屈折材料として例えば液晶
などの安価なものを用いれば用いて構成すれば、安価な
偏光分離素子が可能となる。
【0059】本発明の偏光変換分離素子によれば、上記
偏光分離素子を用いて構成するので、製造が容易で安価
であり、しかも大きな偏光分離角により薄型の構成が可
能となる。
偏光分離素子を用いて構成するので、製造が容易で安価
であり、しかも大きな偏光分離角により薄型の構成が可
能となる。
【図1】 第1の実施形態の偏光分離素子の垂直断面
図。
図。
【図2】 第1の実施形態と従来技術の偏光分離素子に
おける入射角度と回折効率の関係を示す図。
おける入射角度と回折効率の関係を示す図。
【図3】 第1の実施形態のバイナリ形状の格子面を有
する偏光分離素子の垂直断面図。
する偏光分離素子の垂直断面図。
【図4】 第2の実施形態の偏光分離素子の垂直断面
図。
図。
【図5】 第3の実施形態の偏光分離素子の垂直断面
図。
図。
【図6】 第4の実施形態の偏光変換光学素子の垂直断
面図。
面図。
【図7】 従来技術の偏光ビームスプリッタの垂直断面
図。
図。
【図8】 従来技術の回折型偏光分離素子の垂直断面
図。
図。
【図9】 図8に示す偏光分離素子における格子周期と
回折効率の関係を示す図。
回折効率の関係を示す図。
1、5、9 偏光分離素子 2、6、10 第1の基板 2a、6a、10a 回折面 3、7、11 液晶 4、8、12 第2の基板 4a、8a、12a 回折面 15 第1のレンズアレイ 16 波長板アレイ 16a 1/2波長板 17 第2のレンズアレイ 18 偏光変換光学素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA13 AA50 AA64 BA42 BA45 BA47 BB62 BC22 2H091 FA07X FA07Z FA10X FA10Z FA19X FA29X FA29Z FA50X FA50Z FB02 FD01 FD06 JA01 KA01 LA12
Claims (6)
- 【請求項1】 表面レリーフ型の1次元の回折面を有す
る第1の基板と、 表面レリーフ型の1次元の回折面を有する第2の基板と
を有し、 第1と第2の基板が回折面を向かい合わせる方向で近接
に配置され、2つの回折面の間を複屈折材料により充填
した構成であることを特徴とする回折型偏光分離素子。 - 【請求項2】 第1と第2の基板の屈折率の一方は前記
複屈折材料の常光屈折率と略等しく、他方は前記複屈折
材料の異常光屈折率と略等しいことを特徴とする請求項
1に記載の回折型偏光分離素子。 - 【請求項3】 第1と第2の基板の屈折率は略等しくか
つ前記複屈折材料の常光屈折率または異常光屈折率のい
ずれかに略等しいことを特徴とする請求項1に記載の回
折型偏光分離素子。 - 【請求項4】 前記複屈折材料は液晶材料であることを
特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の回折型偏光
分離素子。 - 【請求項5】 第1及び第2の基板は回折面が1次元の
ブレーズ形状であり、それぞれの回折面のブレーズの方
向が逆方向となるように配置されており、かつ、設計中
心波長をλ0、前記複屈折材料の異常光と常光の屈折率
の差をΔnとすると、それぞれの回折面のブレーズの格
子最大高さh1、h2はh1=h2=λ0/Δnを満たすこ
とを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の回折型
偏光分離素子。 - 【請求項6】 入射する光を複数の光束に分割する第1
のレンズアレイと、 第1のレンズアレイで分割された各光束を異なる偏光状
態を有する二つの光束に分離する請求項1に記載の回折
型偏光分離素子と、 前記回折型偏光分離素子で分離された二つの光束のうち
一方の光束の偏光状態を他方の光束の偏光状態と一致す
るように変換する変換素子と、 前記変換素子を透過した二つの光束を合成する第2のレ
ンズアレイとを備えていることを特徴とする偏光変換光
学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10311102A JP2000137117A (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 偏光分離素子および偏光変換光学素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10311102A JP2000137117A (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 偏光分離素子および偏光変換光学素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000137117A true JP2000137117A (ja) | 2000-05-16 |
Family
ID=18013174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10311102A Pending JP2000137117A (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 偏光分離素子および偏光変換光学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000137117A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009139713A (ja) * | 2007-12-07 | 2009-06-25 | Dainippon Printing Co Ltd | 偏光分離・合成素子 |
JP2010128019A (ja) * | 2008-11-25 | 2010-06-10 | Samsung Electronics Co Ltd | 偏光変換光学系および液晶投影装置 |
-
1998
- 1998-10-30 JP JP10311102A patent/JP2000137117A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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