10・・・制御装置、110・・・回路ブロック、111・・・試験用ウエハ、112・・・接続パッド、120・・・選択部、130・・・試験回路、140・・・個別領域、150・・・接続用ウエハ、152・・・回路ブロック、154・・・中間パッド、156・・・ビアホール、180・・・回路用ウエハ、182・・・回路ブロック、184・・・中間パッド、186・・・ビアホール、200・・・試験用ウエハユニット、300・・・被試験ウエハ、310・・・被試験デバイス、312・・・入出力パッド、400・・・試験システム
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、試験システム400の概要を示す図である。試験システム400は、被試験ウエハ300に形成された複数の被試験デバイス310を試験する。本例の試験システム400は、試験用ウエハユニット200および制御装置10を備える。なお図1では、被試験ウエハ300および試験用ウエハユニット200の斜視図の一例を示す。
被試験ウエハ300は、例えば円盤状の半導体ウエハであってよい。より具体的には、被試験ウエハ300はシリコン、化合物半導体、その他の半導体ウエハであってよい。また、被試験デバイス310は、半導体ウエハにおいて露光等の半導体プロセスを用いて形成されてよい。
試験用ウエハユニット200は、被試験ウエハ300と電気的に接続する。より具体的には、試験用ウエハユニット200は、被試験ウエハ300に形成された複数の被試験デバイス310のそれぞれと一括して電気的に接続する。本例の試験用ウエハユニット200は、試験用ウエハ111を有する。
試験用ウエハ111は、被試験ウエハ300と同一の半導体材料で形成された半導体ウエハであってよい。例えば試験用ウエハ111は、シリコンウエハであってよい。また、試験用ウエハ111は、被試験ウエハ300と略同一の熱膨張率を有する半導体材料で形成されてもよい。また、試験用ウエハ111は、被試験ウエハ300と対応する形状を有してよい。ここで、対応する形状とは、同一の形状、および、一方が他方の一部分となる形状を含む。
例えば試験用ウエハ111は、被試験ウエハ300と同一形状のウエハであってよい。より具体的には、試験用ウエハ111は、被試験ウエハ300と略同一の直径を有する円盤状のウエハであってよい。また、試験用ウエハ111は、被試験ウエハ300と重ね合わせたときに、被試験ウエハ300の一部を覆う形状を有してもよい。被試験ウエハ300が円盤形状の場合、試験用ウエハ111は、例えば半円形状のように、当該円盤の一部を占める形状であってよい。
また、試験用ウエハ111には、複数の回路ブロック110が形成される。複数の回路ブロック110は、複数の被試験デバイス310と対応して設けられる。本例では、複数の回路ブロック110は、複数の被試験デバイス310と一対一に対応して設けられる。例えばそれぞれの回路ブロック110は、試験用ウエハ111を被試験ウエハ300に重ね合わせた場合に、対応する被試験デバイス310と重なる位置に設けられてよい。それぞれの回路ブロック110は、試験用ウエハ111が被試験ウエハ300に重ね合わせられることで、対応する被試験デバイス310と電気的に接続され、当該被試験デバイス310を試験する。
なお、回路ブロック110は、試験用ウエハ111において、被試験ウエハ300と対応する面の裏面に設けられてもよい。この場合、それぞれの回路ブロック110は、試験用ウエハ111に形成されるビアホールを介して、対応する被試験デバイス310と電気的に接続されてよい。
また、電気的に接続するとは、2つの部材間で電気信号を伝送可能となる状態を指してよい。例えば、回路ブロック110および被試験デバイス310の入出力パッドは、直接に接触、または、他の導体を介して間接的に接触することで、電気的に接続されてよい。例えば試験システム400は、被試験ウエハ300および試験用ウエハ111の間に、これらのウエハと略同一直径のメンブレンシート等のプローブ部材を備えてよい。メンブレンシートは、回路ブロック110および被試験デバイス310の、対応する入出力パッド間を電気的に接続するバンプを有する。また試験システム400は、メンブレンシートおよび試験用ウエハ111の間に異方性導電シートを備えてもよい。
また、回路ブロック110および被試験デバイス310の入出力パッドは、容量結合(静電結合とも称する)または誘導結合(磁気結合とも称する)等のように、非接触の状態で電気的に接続されてもよい。また、回路ブロック110および被試験デバイス310における入出力パッド間の伝送線路の一部が、光学的な伝送線路であってもよい。
本例の試験用ウエハ111は、被試験ウエハ300と同一の半導体材料で形成されるので、周囲温度が変動したような場合であっても、試験用ウエハ111と被試験ウエハ300との間の電気的な接続を良好に維持することができる。このため、例えば被試験ウエハ300を加熱して試験するような場合であっても、被試験ウエハ300を精度よく試験することができる。
また、試験用ウエハ111が半導体材料で形成されるので、試験用ウエハ111に高密度の回路ブロック110を容易に形成することができる。例えば、露光等を用いた半導体プロセスにより、試験用ウエハ111に高密度の回路ブロック110を容易に形成することができる。このため、多数の被試験デバイス310に対応する多数の回路ブロック110を、試験用ウエハ111に比較的に容易に形成することができる。
また、試験用ウエハ111に回路ブロック110を設ける場合、制御装置10の規模を低減することができる。つまり本例の試験システム400は、被試験デバイス310を試験する回路を試験用ウエハユニット200に設けるので、制御装置10は、試験用ウエハユニット200を制御することで、それぞれの被試験デバイス310を試験できる。例えば制御装置10は、回路ブロック110に対して試験の開始等のタイミングを通知する機能、回路ブロック110における試験結果を読み出す機能、回路ブロック110および被試験デバイス310の駆動電力を供給する機能の各機能を有すればよい。
なお、被試験ウエハ300に、同一の回路構成を有する複数の被試験デバイス310が形成される場合、試験用ウエハ111におけるそれぞれの回路ブロック110は、同一の回路構成を有してよい。また、試験用ウエハ111において、それぞれの被試験デバイス310に対応するそれぞれの個別領域には、対応する被試験デバイス310の入出力パッドと電気的に接続される複数の接続パッド112が形成される。それぞれの被試験デバイス310の入出力パッドの配列が同一の場合、それぞれの個別領域には、他の個別領域と同一配列の接続パッド112が形成される。
図2は、回路ブロック110の構成例を示す図である。上述したように、それぞれの回路ブロック110は、試験用ウエハ111において、それぞれの被試験デバイス310と対応する個別領域140に形成される。回路ブロック110は、それぞれの個別領域140において、被試験ウエハ300と対向する面の裏面に設けられてよい。また、それぞれの個別領域140において、被試験ウエハ300と対向する面には、複数の接続パッド112が形成されてよい。
それぞれの回路ブロック110は、複数種類の試験回路130および選択部120を有する。試験回路130の種類は、例えば試験回路130が有する機能、または、試験回路130が行う試験内容により定められてよい。また、試験回路130の種類は、試験回路130の入出力信号の仕様により定められてよい。一例として、それぞれの回路ブロック110には、アナログ信号を用いて、被試験デバイス310のアナログ回路を試験する試験回路130、デジタル信号を用いて、被試験デバイス310のデジタル回路を試験する試験回路130、高周波信号を用いて、被試験デバイス310の高周波回路を試験する試験回路130、被試験デバイス310のメモリを制御して当該メモリを試験する試験回路130、被試験デバイス310に電源電力を供給する試験回路130等のうち、複数種類の試験回路130が設けられてよい。
選択部120は、対応する被試験デバイス310のそれぞれの入出力パッドに、いずれの種類の試験回路130を電気的に接続するかを選択する。本例の選択部120は、被試験デバイス310に接続されるそれぞれの接続パッド112に、いずれの種類の試験回路130を電気的に接続するかを選択する。図1に示した制御装置10は、選択部120に対して、それぞれの接続パッド112にいずれの試験回路130を電気的に接続するかを指定する設定信号を供給してよい。また、選択部120は、制御装置10から与えられる設定信号を格納するレジスタを有してよい。
選択部120は、対応する回路ブロック110に設けられる複数の試験回路130の入出力端子と電気的に接続される。また、選択部120は、当該回路ブロック110に対応して設けられる複数の接続パッド112と、試験用ウエハ111を貫通するビアホールを介して電気的に接続される。選択部120は、それぞれの試験回路130の入出力端子と、それぞれの接続パッド112との接続関係を切り替えるスイッチを有してよい。
このような構成により、各ピンの機能が異なる複数種類の被試験デバイス310を、共通の試験用ウエハユニット200を用いて試験できる。つまり、被試験デバイス310の各ピンの機能に応じて、選択部120がそれぞれの接続パッド112およびそれぞれの試験回路130の接続関係を切り替えることで、複数種類の被試験デバイス310を試験できる。
なお、それぞれの回路ブロック110において、接続パッド112と接続されるべき試験回路130の入出力端子の数と、接続パッド112の数とが一致するように、複数の試験回路130が設けられてよい。この場合、回路ブロック110全体が出力する信号の種類は変わらないが、いずれの接続パッド112から、いずれの種類の信号を出力するかを切り替えることができる。
また、それぞれの回路ブロック110において、接続パッド112と接続されるべき試験回路130の入出力端子の数が、接続パッド112の数より多くなるように、複数の試験回路130が設けられてよい。例えば、接続パッド112ひとつ毎に、複数種類の試験回路130が設けられてもよい。このような場合、それぞれの接続パッド112にいずれの種類の試験回路130を接続するかを、接続パッド112毎に独立に選択することができるので、より多様な試験を実行することができる。また、それぞれの回路ブロック110において、接続パッド112の所定の個数毎に、複数の試験回路130が設けられてもよい。
図3は、回路ブロック110の他の構成例を説明する図である。なお、図3においては、回路ブロック110の一部の領域を示すが、他の領域も、図3と同様の構成を有してよい。本例の回路ブロック110は、接続パッド112より多数の試験回路130を有する。ここで、試験回路130の個数は、接続パッド112に接続されるべき試験回路130の入出力端子の個数であってよい。例えば、回路ブロック110は、接続パッド112毎に、同一の組み合わせによる複数種類の試験回路130を有してよい。
また、本例の回路ブロック110は、複数の接続パッド112と一対一に対応して、複数の選択部120を有する。それぞれの選択部120は、対応する複数の試験回路130のうち、いずれの種類の試験回路130を、対応する接続パッド112に接続するかを選択する。このような構成により、多様な被試験デバイス310を、共通の試験用ウエハ111を用いて試験することができる。
図4は、試験用ウエハユニット200の他の構成例を示す図である。本例の試験用ウエハユニット200は、回路用ウエハ180および接続用ウエハ150を有する。回路用ウエハ180は、試験用ウエハ111と同様に、複数の被試験デバイス310に対応する複数の回路ブロック182を有する。また、接続用ウエハ150も、複数の被試験デバイス310に対応する複数の回路ブロック152を有する。
回路用ウエハ180の複数の回路ブロック182と、接続用ウエハ150の複数の回路ブロック152とは、一対一に対応して設けられる。対応する回路ブロック182および回路ブロック152は、電気的に接続される。なお、回路用ウエハ180および接続用ウエハ150は、試験用ウエハ111と同様に、被試験ウエハ300と同一の半導体材料で形成され、被試験ウエハ300と略同一の直径を有するウエハであってよい。
回路用ウエハ180におけるそれぞれの回路ブロック182には、図1から図3に関連して説明した複数の試験回路130が設けられる。また、接続用ウエハ150におけるそれぞれの回路ブロック152には、図1から図3に関連して説明した複数の選択部120が設けられる。
接続用ウエハ150は、回路用ウエハ180および被試験ウエハ300の間に設けられ、回路用ウエハ180における試験回路130と、被試験ウエハ300における被試験デバイス310とを電気的に接続する。接続用ウエハ150は、異方性導電シートを介して回路用ウエハ180と電気的に接続してよい。また、接続用ウエハ150は、異方性導電シートおよびバンプ付きメンブレンシートを介して、被試験ウエハ300と電気的に接続してよい。また、制御装置10は、図1から図3に関連して説明した制御装置10と同様に、それぞれの試験回路130を制御してよい。
図5は、回路用ウエハ180における回路ブロック182の構成例を示す図である。回路ブロック182は、図2に関連して説明した回路ブロック110の構成に対して、選択部120を有さない点で相違する。他の構成は、図2に関連して説明した回路ブロック110と同一であってよい。
本例の回路ブロック182は、複数種類の試験回路130および複数の中間パッド184を有する。複数種類の試験回路130のそれぞれの入出力端子は、対応する中間パッド184に電気的に接続される。中間パッド184は、複数種類の試験回路130におけるそれぞれの入出力端子と一対一に対応して設けられてよい。
それぞれの中間パッド184は、接続用ウエハ150と電気的に接続される。なお、中間パッド184および試験回路130は、回路用ウエハ180において、接続用ウエハ150と対向する対向面に形成されてよく、対向面の裏面に形成されてもよい。中間パッド184が、対向面の裏面に形成される場合、それぞれの中間パッド184は、回路用ウエハ180に形成されるビアホールを介して、接続用ウエハ150に電気的に接続してよい。
図6は、接続用ウエハ150における回路ブロック152の構成例を示す図である。回路ブロック152は、選択部120および複数の中間パッド154を有する。回路ブロック152は、接続用ウエハ150において、回路用ウエハ180と対向する面に設けられてよい。また、接続用ウエハ150において、回路ブロック152の裏面には、被試験デバイス310と電気的に接続される複数の接続パッド112が設けられてよい。
複数の中間パッド154は、対応する回路ブロック182の中間パッド184と電気的に接続される。中間パッド154は、中間パッド184と一対一に対応して設けられてよい。中間パッド154は、中間パッド184と接続可能なように、中間パッド184と同一のパッド間隔で設けられる。
選択部120は、それぞれの接続パッド112に、いずれの中間パッド154を電気的に接続するかを選択する。例えば、接続パッド112と中間パッド154が一対一に対応する場合、選択部120は、複数の中間パッド154および複数の接続パッド112の接続関係を切り替えるスイッチを有してよい。
また、図3に示した例と同様に、回路ブロック152は、それぞれの接続パッド112に対して、選択部120を有してもよい。この場合、回路ブロック152には、接続パッド112より多数の中間パッド154が設けられてよい。また、回路ブロック152は、所定個数の接続パッド112毎に、選択部120を有してもよい。
図7は、回路用ウエハ180、接続用ウエハ150、および、被試験ウエハ300の接続関係を示す図である。なお図7は、回路用ウエハ180、接続用ウエハ150、および、被試験ウエハ300の一部の断面を示す。
回路用ウエハ180の表面には、複数の試験回路130が形成される。それぞれの試験回路130は、中間パッド184およびビアホール186を介して、回路用ウエハ180の裏面側に配置された接続用ウエハ150の中間パッド154と電気的に接続される。
接続用ウエハ150において、回路用ウエハ180と対向する表面には、選択部120が形成される。選択部120は、接続用ウエハ150の表面に設けられた中間パッド154を介して、回路用ウエハ180の中間パッド184と電気的に接続される。
また、選択部120は、接続用ウエハ150において、被試験ウエハ300と対向する裏面に設けられた接続パッド112と電気的に接続される。選択部120は、接続用ウエハ150を貫通して形成されるビアホール156を介して、接続パッド112と電気的に接続されてよい。選択部120は、それぞれの接続パッド112に接続させる中間パッド154を選択する。
ここで、接続パッド112は、被試験ウエハ300における入出力パッド312と同一のパッド間隔で設けられる。中間パッド154は、回路用ウエハ180における中間パッド184と同一のパッド間隔で設けられるので、中間パッド154は、接続パッド112とは異なるパッド間隔で設けられてよい。
このような構成により、実行すべき試験内容に応じた試験回路130を選択して、被試験デバイス310に接続することができる。このため、多様な被試験デバイス310を試験することができる。また、被試験デバイス310に対して多様な試験を実行することができる。
また、接続用ウエハ150は、回路用ウエハ180よりも厚いウエハであってよい。つまり、回路用ウエハ180は、比較的に薄いウエハであってよい。回路用ウエハ180として薄いウエハを用いることで、回路用ウエハ180におけるビアホール186を形成するのに要する時間を短くすることができ、ビアホール186を形成するときに、試験回路130に与えるダメージを低減することができる。また、回路用ウエハ180を、比較的に厚い接続用ウエハ150に固定することで、試験用ウエハユニット200の強度を向上させることができる。
以上、発明を実施の形態を用いて説明したが、発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。