JP5460686B2 - パターンを有する構造体の製造方法 - Google Patents
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また、一旦作製された描画パターンをその後、変化させることは困難である。
なお、ガラスや金属から成るマスク基板を変形させてパターン形状等を補正する技術もあるが(特開平10―242033号公報)、延伸縮小率は1%にも満たない。
したがって、このような手法を用いても、本発明が意図するパターンの変化は望めない。
弾性変形し得る被加工物を、第1の状態から面内方向に弾性変形させ、
変形状態の前記被加工物の表面上に、前記被加工物とは異なる材料を含み構成されるパターン被加工物を形成し、
前記パターン被加工物と前記被加工物との接触面積は維持したまま、前記被加工物を前記第1の状態に近づけ又は前記第1の状態に戻すことを特徴とする。
また、本発明のパターンを有する構造体の製造方法は、
弾性変形し得る被加工物上に、該被加工物とは異なる材料を含み構成されるパターン形成層を積層し、
前記パターン形成層を少なくとも面内方向に弾性変形させ、
変形状態の前記パターン形成層に、パターンを形成し、
前記パターン形成層と前記被加工物との接触面積が、前記パターン形成層を弾性変形させる前の状態における接触面積と等しくなるようにすることを特徴とする。
すなわち、本発明のパターンを有する構造体の製造方法は、つぎの(1−1)〜(1−3)の各工程を有することを特徴としている。
(1−1).弾性変形が可能な材料による被加工物の被加工面を少なくとも面内方向に弾性変形させる第1の弾性変形工程。
(1−2).前記第1の弾性変形工程による変形状態の前記被加工面に、パターンを形成する第1のパターン形成工程。
(1−3).前記被加工物を弾性変形前の定常状態に近づけ又は定常状態とすることにより、前記被加工面に前記第1のパターン形成時とはサイズあるいは形状の少なくとも一方が異なるパターンを形成する第2のパターン形成工程。
また、本発明のパターンを有する構造体の製造方法は、つぎの(2−1)〜(2−3)の各工程を有することを特徴としている。
(2−1).弾性変形が可能な材料による被加工物の被加工面を少なくとも面内方向に弾性変形させる第1の弾性変形工程。
(2−2).前記第1の弾性変形工程による変形状態の前記被加工面上に、前記被加工物とは異なる材料を含み構成されるパターンを形成する第3のパターン形成工程。
(2−3).前記被加工物を弾性変形前の定常状態に近づけ又は定常状態とすることにより、前記被加工面に前記第3のパターン形成時とは、サイズあるいは形状の少なくとも一方が異なるパターンを形成する第4のパターン形成工程。
また特に、前記被加工物とは異なる材料からなるパターン形成層は、前記被加工物よりも弾性率が高く、前記パターン形成層と前記被加工物の表面との接触面積が、前記第4のパターン形成工程の前後において不変である場合も含まれる。
また、本発明のパターンを有する構造体の製造方法は、次の(3−1)〜(3−2)の各工程を有することを特徴としている。
(3−1).弾性変形が可能な材料による被加工物の面上に、パターン形成層を形成する第5の工程。
(3−2).前記パターン形成層の表面を少なくとも面内方向に弾性変形させる第6の弾性変形工程。
これらの発明において、前記被加工物の面内方向への変形は、前記面内方向の全方位に対して等しい割合による延伸乃至縮小で行うことができる。
また、前記被加工面の面内方向への変形を、該面内方向のある1つ以上の方位における延伸と、異なる1つ以上の方位における縮小により行うことができる。
また、本発明のパターンを有する構造体の製造方法は、つぎの(4−1)〜(4−2)の各工程を有することを特徴としている。
(4−1).弾性変形が可能な材料による被加工物の被加工面にパターンを形成する第5のパターン形成工程。
(4−2).前記被加工物を少なくとも面内方向に弾性変形させる工程。
また、本発明のパターンを有する構造体の製造方法は、つぎの(5−1)〜(5−2)の各工程を有することを特徴としている。
(5−1).塑性変形が可能な材料による被加工物の被加工面にパターンを形成する第6のパターン形成工程。
(5−2).前記工程でパターンを形成した後に、前記被加工物を少なくとも面内方向に塑性変形させる工程。
また、本発明においては、ある一方向における弾性乃至塑性変形の割合が、90%以下または110%以上とする構成も含む。
また、本発明においては、前記被加工物を1〜20MPaの弾性率を有する材料によって構成することができる。
その際、前記材料を、架橋エラストマー、または熱可塑性エラストマーで構成することができる。
また、本発明においては、前記被加工面を平面または曲面とすることができる。
また、本発明のパターンを有する構造体は、つぎのような構成を有することを特徴としている。
すなわち、弾性変形状態を保持した弾性材料からなる被加工物の被加工面にパターンを形成し、該被加工面の変形倍率を定常状態に近づける或いは定常状態とすることによって、パターン形状が変形されている。
その際、弾性変形乃至塑性変形は、前記面内方向における全方位へ等しい割合で変形する場合も含む。
また、本発明においては、前記被加工面が、前記面内方向のある1つ以上の方位において延伸し、且つ異なる1つ以上の方位において縮小する場合も含む。
また、本発明においては、前記被加工物の被加工面に形成されるパターンを、ラインまたはドット形状とする構成を採ることができる。
また、本発明のパターンを有する構造体の製造装置は、被加工物上の被加工面を、面内方向に均一あるいは所定の方向に、所定の変形倍率で延伸する機構と、前記被加工面を冷却する機構と、前記被加工面にパターンを加工する機構と、を具備している。
その際、前記被加工面にパターンを加工する機構を、モールドを利用したインプリントとし、前記モールドを加熱する機構あるいは前記モールドに光を照射する機構の少なくとも一方と、前記モールドを押し付ける機構を具備させることができる。
以上の本発明において、「被加工面にパターンを形成する」という場合には、被加工面を形成する材料に加工を施すことを意味する。
また「被加工面上にパターンを形成する」という場合には、被加工面上を基板として、被加工面上部に被加工面とは異なる材料を含み構成される構造体をパターンとして構成するということを意味する。
被加工物よりも弾性率の大きい材料から成る転写パターンを剥離用基板表面に形成する工程(1)、
該被加工物を少なくとも面内方向に弾性変形する工程(2)、
該転写パターンの少なくとも一部を該被加工面より被加工物内に埋め込み該剥離用基板と該転写パターンを分離する工程(3)、
該転写パターンを該被加工面より埋め込んだ該非加工物の形状を定常状態に近づけ又は定常状態とし、該転写パターン同士の間隔を転写時と変化させる工程(4)、
により、被加工物表面に微細パターン形状を形成することを特徴としている。
更に、本発明における別の発明は、少なくとも表面が弾性変形可能な材料から成る被加工物の一部表面を被加工面とし該被加工面に微細構造を形成する工程であって、
被加工物よりも弾性率の大きい材料から成る転写パターンを剥離用基板表面に形成する工程(1)、
該転写パターンを該被加工面より被加工物内に埋め込み該剥離用基板と該転写パターンを分離する工程(3)、
該転写パターンの少なくとも一部を該被加工面より埋め込んだ該非加工物を弾性変形し、該転写パターン同士の間隔を転写時と変化させる工程(4)、
により、被加工物表面に微細パターン形状を形成することを特徴としている。
更に本発明における別の発明は、少なくとも表面が塑性変形可能な材料から成る被加工物の一部表面を被加工面とし該被加工面に微細構造を形成する工程であって、
被加工物よりも弾性率の大きい材料から成る転写パターンを剥離用基板表面に形成する工程(1)、
該転写パターンを該被加工面より被加工物内に埋め込み該剥離用基板と該転写パターンを分離する工程(3)、
該転写パターンの少なくとも一部を該被加工面より埋め込んだ該非加工物を塑性変形し、該転写パターン同士の間隔を転写時と変化させる工程(4)、
前記被加工面の少なくとも一部に埋め込まれた前記転写パターンの少なくとも一部を除去する工程(5)、
により、該被加工面に微細パターン形状を形成することを特徴としている。
また、本発明においては、被加工物との接触面積を最終的に元に戻すので、該パターン層内に応力が残存し難い構成が提供でき、これは、被加工物からパターン層が剥がれることを防止するのに有効である。
また、本発明において、縮小という概念には、等方的に縮小する場合は勿論、異方的な縮小(例えば、一軸方向に延伸することにより、当該軸と直交する方向に縮小する場合である。)をも包含する。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、以下の弾性変形をする材料からなる被加工物を延伸または縮小した後に、被加工物にパターンを形成してパターンを有する構造体を作製する例について説明する。
その1例として、面内方向の全方位へ均一延伸された被加工基板にパターンを形成した後、延伸前の定常状態に戻し、縮小されたパターン形状を形成する構成例について説明する。
まず、図1(a)の第1の状態(定常状態)を有する被加工基板1001の被加工面1002を、面内方向の全方位に対し均一に延伸して保持し、図1(b)のような変形後の被加工基板1004を得る。
延伸方法は、例えば被加工基板が平面状のシートであれば、機械的に引っ張っても良いし、基板を回転させて延伸しても良いし、風船のように空圧で延伸させても良い。なお、全方位ではなく、一軸方向への延伸であってもよい。
一般には、エラストマー(elastomer)と呼ばれるゴムのような弾力性の顕著な高分子材料が好ましい。
エラストマーには、架橋エラストマー(天然ゴム及び合成ゴム加硫物)と熱可塑性エラストマーがある。
これらは、弱い力でも非常に良く伸び、長さが5倍以上にも変形するが、力を解除すると直ちに元の形状に戻る。
また、弾性率には一般に温度依存性がある。
例えば、エラストマーには、スチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、塩ビ系(TPVC)、ウレタン系(PU)、エステル系(TPEE)、アミド系(TPAE)などがある。
その中でも、架橋エラストマーとしてはガラス転移温度が室温以下のポリブタジエンやポリイソプレンなどがあり、これらは加温しても流動性は生じない。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー(TPC)やスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(SBS)などがある。
これらは加温により流動性を示すため成型加工がし易いが、構造上熱可塑性プラスチックの要素をもっている。そのため、一般の架橋エラストマーと比較して永久ひずみが大きく、温度上昇によりゴム物性の低下が急激に進み、高温化では塑性変形を起こすことがある。
パターン1005は、被加工物に凹部を設けることで作製できる。勿論、被加工面より後退してパターンを形成するのであれば、当該パターンは、凹構造と凸構造との組み合わせから形成することもできる。
即ち、被加工基板に溝を設けることでパターンを形成するが、パターンの構成要素自体は凹構造と凸構造との少なくとも一方、あるいは両構造の組み合わせから形成することができる。
パターン形成手法は、紫外線や可視光線等を用いたフォトリソグラフィー、電子線描画、イオンビーム描画、X線露光、ナノインプリントリソグラフィー、機械加工、ウェットエッチング技術、ドライエッチング技術などを用いることができる。
これらの、被加工物に凹乃至凸のパターン1005を形成できる手法であれば、いずれのものでも良い。
このとき、例えば被加工基板が熱可塑性エラストマーであり、被加工面に熱がかかる恐れのある加工方法、例えば熱インプリントリソグラフィーなどを用いる場合には、変形状態の被加工基板が熱により流動してしまう。
そのため、変形前の形状に戻らない恐れがあるため注意が必要である。
また、変形状態の被加工面では微小なドリフトが起こることがあり、電子線描画のような手法を用いると、パターン形状が歪むことがある。このような場合には、被加工面を冷却することが効果的である。
これにより、上記の変形に伴ったパターン形状1006が得られる。
一般には、ある方位の変形倍率が100%以上であれば、その方位のパターン形状は縮小し、100%以下であれば拡大する。なお、ここでの変形倍率とは、ある物体の変形前の長さに対する変形後の長さの割合を意味する。
面内方向に均一に延伸した基板にラインの規則配列パターンを描画する場合、変形倍率がA%であるときの延伸解除後のピッチは100/A倍になる。
ここで例えば、変形倍率500%に延伸してパターンを形成した後に、変形倍率200%まで変形を緩めて、そのまま使用しても良い。
また、ラインの幅と深さは、パターン形状や変形前後のシート厚や被加工基板材料の表面張力に依存して、深くなったり浅くなったりする。
本発明に適用し得る被加工物の変形倍率としては、外部からの力を解放した状態から絶対値で5パーセントの変形をさせた場合に、破壊等しない材料であることが好ましい。より好適には、絶対値で10パーセント以上の変形、更に好ましくは50%以上の変形に耐え得る材料である。
本実施形態で被加工物に形成するパターンは、凹部あるいは溝で形成してもよいし、凸状のパターンでもよい。凸状のパターンは、被加工物と同じ材料でも、異なる材料でもよい。
なお、図3においては、まず被加工部材3001を用意し(定常状態)、それを一軸方向3003に延伸する(図3(a)、(b))。3002はそれによって形成されるパターン形成エリアである。3004は、延伸後の被加工部材である。
次に、パターン3005を形成する(図3(c))。
その後、外力を解放し、あるいは緩和し、前記被加工部材を定常状態にする(あるいはその状態に近づける)。3006は、変形したパターンであり、図3(c)における矢印は、部材の変形方向を示している。
本実施形態においては、被加工基板自体に、パターンを形成している。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、弾性変形をする材料からなる被加工物にパターンを形成した後に、被加工基板を延伸または縮小してパターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
延伸乃至縮小の変形形態を採ることができる。これは、例えば、図2に示す被加工基板2001の被加工面2002にパターン2005を形成後に、被加工基板2001に延伸乃至縮小の変形をして、変形に伴ったパターン形状2006を得るものである。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、塑性変形をする材料からなる被加工物にパターンを形成した後に、被加工基板を延伸または縮小してパターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
その作製手順は、例えば、後の実施例5において詳細に説明する、図5(a)に示すような塑性変形をする材料から成る被加工基板5001において、ある面を被加工面5002として、被加工面上にパターン5005を形成する(図5(b))。
つぎに、少なくとも被加工面に延伸乃至収縮が起こるような力を印加して塑性変形をし、図5(c)のような変形後の被加工基板と、それに伴ったパターン形状5006を得る。なお、5001は定常状態における被加工基板であり、その形状は平板状の円形を有するものでも、球状の基板でも適用可能である。5004は、変形後の被加工基板でる。
塑性変形により、被加工面内に均一な圧縮を起こすには、例えば、空圧や液圧等により球状の被加工基板に均一に圧力を印加する等の手法がある。
ここで被加工物としては、有機材料や無機材料で様々なものが適用できる。ここでいう被加工物とは、前記被加工基板であってもよいし、該被加工基板上に形成された有機材料等であってもよい。
なお、均一に変形させるためには、表面は平滑であり且つ内部にはパターンよりも微細な細孔を均一な密度で有する物質や、加圧により分子構造が変化する結果として塑性変形を起こすような物質など(例えばプラスチックなど)が好ましい。
なお、以上の各実施の形態におけるパターンを有する構造体の作製手法を適用することにより、例えば、ウエハにラインまたはドット形状を有する被加工物を作製することができる。また、上記の熱インプリント法には、例として図10のようなローラーモールドを使用することも出来る。この場合、長いシート状の被加工物に連続してパターンを形成することが可能となる。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、弾性変形をする材料の一部を被加工面とし、被加工面を延伸乃至縮小する。ある方位には延伸されていて、異なる方位には縮小されている場合も含む。この延伸乃至縮小状態を保ったまま治具に固定し、被加工面にレジストや塗布型ポリマーを塗布し、パターン形成層として薄膜を形成する。このとき、塗布材料は被加工面を侵さない材料であることが好ましい。被加工物の表面に形成するパターンよりも大きな凹凸がある場合でも、表面に塗布による膜を形成することにより平坦性が増し、微細なパターンを形成し易くなる。次に、パターン形成層に通常のマスクを使用したフォトリソグラフィやEB直描や熱乃至UVインプリント法などにより、パターンを形成する。
例えば、フォトレジストであれば、クロム蒸着マスクを用いて紫外線等を照射し、現像液で現像し、パターンを形成する。
また例えば、熱インプリント法であれば、塗布するポリマーの熱軟化点を被加工面よりも低くする方が好ましい。そして、ポリマーの軟化点以下且つ被加工面の軟化点以上の温度にプレス用モールドを加熱し、ポリマーに押付け、冷却後に剥離する。形成されるパターンの凹部にはポリマーが残るため、次に行う被加工面に施す延伸乃至縮小工程の後に障害となる場合には、ドライエッチングやウエットエッチング等の手法で、凹部のポリマーを除去する必要がある。
このとき、被加工面にもパターンが形成されても良いし、されなくても良い。また、形成されるパターンは凸構造であって、且つ隣合う構造は分離されている方が好ましい。
次に、被加工面を治具から外し、延伸乃至縮小状態を解除すると、その変形に伴ったパターンが形成される。パターンは被加工面に付着しているだけであるため、過度な延伸や縮小を行うと、剥離する恐れがある。そのため、被加工面と接するパターンの断面積は、小さい方が剥離しにくい。
また、最終的に形成されたパターンを、別の基板に転写することも可能である。また、上記の熱インプリント法には、例として図10のようなローラーモールドを使用することも出来る。この場合、長いシート状の被加工物に連続してパターンを形成することが可能となる。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、前記弾性体や塑性体に形成されたパターンを利用して、ウエハなどの別材料を加工する手法例について説明する。
第1の実施の形態に記載の方法で、弾性変形をする材料からなる被加工物表面を延伸し、被加工面に凹型ラインパターン等を加工し、延伸を解除して微細なパターンを形成する。次に、表面に無電解メッキやスパッタ等の手法により、金属膜や有機膜を成膜し、前記弾性体からこれらの金属膜等を剥離して、モールドとすることが出来る。樹脂シートや、半導体ウエハなどの任意基板上に樹脂薄膜層を形成したものへ前記モールドを加熱プレスすると、弾性体被加工面に形成したものと同様の凹パターンを形成することが出来る。
モールドを剥離した後に使用することも可能であるし、また前記のような樹脂薄膜層をマスクとしてドライエッチング等の手法により任意基板を加工して、パターンを転写することも可能である。
また例えば、前記弾性体に形成する凹パターンにおいて、凹部のような膜厚の薄い部分の膜厚が小さく、数μm〜数百nm程度である場合には、前記弾性体の被加工面を任意の基板上に載せる。
これをマスクとしてドライエッチング等の手法により基板へパターンを転写することも可能である。
またこのとき、パターンのアスペクト比は比較的大きい方がドライエッチング等による加工がし易い。
本発明の実施の形態として、被加工物上に被加工物とは異なる材料から成るパターン形成層を形成し、被加工基板を延伸または縮小してパターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。図8を参照する。
図8(a)の定常状態を有する弾性材料からなる被加工物8001を、図8(b)のように1方向に長くなるように延伸する。なお、8002はパターン形成面である。
パターン形成層は、被加工物よりも高い弾性率の材料であることが好ましく、パターン8005は、図8(c)のように突起形状(あるいは凸構造)のパターン構成部材からなる。
次に、被加工物を定常状態へ戻すか乃至は変形倍率を弱めて定常状態へ近づけると、パターン8006におけるパターン構成部材同士の間隔は図8(d)のように狭くなる。このとき、パターンの弾性率が高いと、被加工物とパターン構成部材との接触面積は不変である。すなわち、両者の接触面積は維持されていることになる。
そして、この断面における凸部パターン8005の長さの総和をA、パターンの無い部分の長さの総和をBとすると、つぎの関係が成り立つ。
すなわち、パターンの接触面積が不変な場合は、被加工物の表面近傍においてパターンの無い部分がパターンのある部分よりも大きく収縮するため、
A=A1+A2+・・・+An
B=B1+B2+・・・+Bn
(A/B) < (A'/B')
という関係が成り立つ。
また、パターン形成層の弾性率が被加工物と大差なく、被加工物の収縮に伴って長さAが変動する場合にも、パターンの無い部分の収縮の方が大きいため、この関係は成り立つ。
本発明の実施の形態として、つぎのようなパターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
すなわち、被加工物上に被加工物とは異なる材料から成るパターン形成層を形成し、被加工基板を弾性変形した後にパターンを形成する。
そして、再度弾性変形をして被加工基板の表面積が始めの定常状態と同等になる状態にする。
このようにして作製する構成例について説明する。図9を参照する。
弾性変形をする材料から成り且つ延伸乃至縮小の力が加わっていない定常状態にある被加工物9001上に(図9(a))、被加工物9001とは異なる材料からなるパターン形成層9007を形成する(図9(b))。
次に、例えばある一方向に延伸した形状になるように、図9(c)のような延伸を被加工物9001に加える。このとき、パターン形成層9007は延伸前と比べて薄くなる。図9(c)における工程は、弾性変形工程であってもよい。
次に、パターン形成層にパターン9005を形成する(図9(d))。そして、延伸のために付与されている力を被加工基板9004から解除し、パターン形成層を形成したときの定常状態(図9(b))と同じ表面積をもつ状態に戻す。
すなわち、パターン形成層と被加工物の表面との接触面積が、第5の弾性変形工程時における接触面積と等しくなるようにすることで、微細なパターンを形成することが出来る。
なお、本実施形態あるいは他の実施形態において、被加工物を変形(延伸や縮小)するためには、例えば、延伸可能な基板に当該被加工物を貼りつけておき、同基板を延伸する。
これによって、同基板の変形に引っ張られるようにして、該被加工物を変形させることができる。
また、被加工物の端部を挟持した状態で、引張り力を加えても良い。なお、静水圧下で圧力を加えて、被加工物を縮小変形させることもできる。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、被加工物にパターン形成する製造装置について説明する。
被加工物は予めシート形状に加工し、シートの一端をローラーに固定して巻き取り、ロール状にして装置に供給する。
被加工物であるシートは搬送ローラーにより搬送され、シートと搬送ローラー間の摩擦力や各搬送ローラーの周速を変化させることで、搬送中のシートに対する応力を調整し搬送方向に対するシートの延伸量を変化させることが可能となる。
シートと同一平面内で、搬送方向に対して垂直方向に基板を延伸するためには、シートの長辺側端部をクランプで固定して引き伸ばしても良いし、シートの長辺側両端に形成する穴に搬送ローラーや搬送ガイドの凸状物を引っ掛けてシートを引き伸ばしても良い。
以上により、変形倍率を部分的に変化させシートの変形倍率が1より大きい時にシート表面に加工を行うことが可能である。
図11は被加工物にパターン形成する製造装置の断面図である。
被加工物は予め長方形のシート状とし、短辺の一端を巻き取り用ロール118に固定した後に被加工物をロール118に巻き取る。
製造装置には巻き取り用ローラー118より被加工物を供給する。
巻き取り用ローラー118より供給されたシート状被加工物は、速度調整用搬送ローラー119により被加工物111の搬送方向を変化させた後、必要に応じて更に搬送ローラー110により搬送方向を変更する。
速度調整用搬送ローラー119の周速をシート巻き取り用ローラー118の周速よりも速くすることで、巻き取り用ローラー118と速度調整用搬送ローラー119間で被加工物111に応力をかけ延伸することができる。
また、上記巻き取り用ローラーと上記速度調整用搬送ローラー間で被加工物を延伸したときに発生する応力と、上記速度調整用搬送ローラーおよび上記搬送ローラーと被加工物間の摩擦力とが等しくなる場合には、各ローラーの被加工物搬送速度は同一で良い。
被加工物としてエラストマーを使用する場合、エラストマーは多くの材料に対して密着性が高いので、速度調整用搬送ローラー119や搬送ローラー110に対して摩擦力が強くなり、被加工物111の延伸量の調整が比較的容易である。
巻き取りローラー118と速度調整用搬送ローラー119間で被加工物を延伸した後に、前記の方法により被加工面1102にパターン1115を形成する。
速度調整用搬送ローラー119を通過した被加工物111は、必要に応じて搬送ローラー110により応力を減少することで定常状態となり、被加工物表面にパターン形成時より縮小された、定常状態のパターン1116を得ることができる。
被加工面1102にローラーが当たるときには、パターン未形成部のみにローラーが当たるように、ローラーの直径を部分的に変えても良い。
その後被加工物を更に次工程の加工装置に搬送し、断裁などにより所望の外観の形状とすることができる。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、つぎのように被加工物表面に微細構造体を作製する構成例について説明する。
この実施の形態においては、弾性変形可能な材料から成る被加工物を少なくとも面内方向に変形し、被加工基板よりも弾性率の大きい材料から成る転写パターンを被加工面より被加工物内に埋め込む。
そして、非加工物の形状を定常状態に近づけ、転写パターン同士の間隔を転写時と変化させることにより、被加工物表面に微細構造体を作製する。
まず図12(a)のように、基板1211上に転写パターン1212を形成する。
転写パターンを形成する材料は、弾性変形が可能な被加工物よりも弾性率が大きいものを用いる。
これにより、転写パターン1212を被加工面1214より被加工物1213内部に埋め込み、パターンを被加工面1214に転写した後に、非加工物1213の形状を変形させたとき、変形倍率を小さくすることができる。
すなわち、転写パターンを形成する材料の変形倍率を、被加工物の変形倍率よりも小さくすることが可能となる。
したがって、これにより所望の大きさの微細パターンを被加工物表面に容易に形成することができる。
プラスチック材料としては、弾性率が被加工物1213よりも大きな材料であればどのようなものでも良い。
例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチックなどが使用可能である。
プラスチック材料としては、パターン形成が容易であるため各種感光性レジスト類を使用しても良い。
また、上記に示した材料が2種類以上混合して使用しても良いし、異なる材料を多層化しても良い。
機械的に分離が容易な基板1211およびパターン1212の材料としては、パターン1212が金属から成るときは基板1211表面を構成する材料としてはプラスチック、半導体、酸化物が好ましい。
パターン1212がプラスチックから成るときに基板1211表面を構成する材料としては半導体、酸化物、金属が好ましい。
基板1211とパターン1212間に離型層を形成しても良い。
また、パターン1212転写後に基板1211のみを選択的にエッチング可能な組み合わせとしては、基板1211を形成している金属よりもパターン1212を形成している金属の方が電気化学的に溶解しにくいものを選択すれば良い。
例えば、Cu基板上にPtパターンを作製した場合、硫酸によりCuのみを選択的に溶解することが可能である。
ただし、基板1211とパターン1212を形成する材料の組み合わせはこれに限定されるものではない。
また、基板1211からパターン1212が容易に剥離できるよう、基板1211は容易に変形可能であっても良い。
パターン1212形成時には、スパッタ、蒸着、めっき、塗布などの薄膜形成方法、および紫外線や可視光線などを用いたフォトリソグラフィー、電子線描画、イオンビーム、X線露光、ナノインプリントリソグラフィーなどを用いることができる。
あるいは、機械加工、収束インビーム(FIB)、ウェットエッチング、ドライエッチングなどを用いることができる。
また、アルミニウムを陽極酸化することにより得られる、直径がナノメートルオーダーで基板に対して垂直方向に形成された細孔であるアルミナナノホールを鋳型として転写パターンを作製しても良い。
つまり、アルミナナノホール内に前記樹脂又は金属を充填した後にアルミナを溶解することで、転写用パターンとして突起構造を作製することもできる。
次に、図12(d)のように、上に形成した転写パターン1212を表面に形成した基板1211と被加工物(1213)を重ね合わせて、転写パターン1212を形成した面と垂直な方向より加圧する。
転写パターン1212が先鋭であれば、転写パターンを被加工面1214より被加工物内部に埋め込むことが可能である。
また、加圧時には転写パターンを加熱、被加工物を冷却しても良い。
次に、図12(e)のように、基板1211と被加工物1213を分離する。
分離する方法としては機械的に引き剥がしてもいいし、ドライエッチングやウェットエッチングで基板を選択的に溶解しても良い。
次に、図12(f)のように、パターン転写後の被加工物1213にかかる応力を調節して、被加工物1213を収縮する。応力を除去して引き伸ばす前と同じ大きさにしても良い。
この後にUV照射、また電子線照射、または加熱、または冷却により被加工物のゴム弾性を低下させても良い。これにより転写パターン1212は形状を維持しつつパターン間隔を変化させることが可能となる。
その後、必要に応てウェットエッチングまたはドライエッチングを用い図12(g)のよう転写パターンを除去しても良い。
転写パターン1212を除去する方法としては、ウェットエッチングまたはドライエッチングを用いることができる。
また、図14に示すように被加工面1214より被加工物1213の一部を除去しても良い。
転写パターンを除去する方法としては、ウェットエッチングまたはドライエッチングを用いることができる。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、つぎのように被加工物表面に微細構造体を作製する構成例について説明する。
この実施の形態においては、弾性変形可能な材料から成る被加工物よりも弾性率の大きい材料から成る転写パターンを被加工面より被加工物内に埋め込む。
そして、非加工物の形状を延伸または縮小し、転写パターン同士の間隔を転写時と変化させることにより、被加工物表面に微細構造体を作製する。
まず、第一の実施の形態と同様にして、基板上に転写パターンを形成する。次に、転写パターンを表面に形成した基板と被加工物を重ね合わせ、転写パターンを形成した面と垂直な方向より加圧する。
これにより、転写パターンを被加工面より被加工物内部に埋め込むとともに、転写パターンと被加工物を接着する。
ここで被加工物としては、第一の実施の形態と同様に弾性率が1〜20MPa程度と低く、ゴム弾性を有すると言われている材料が適している。
材料としては弾性変形を示せばどのようなものでもいいが、変形倍率の大きいエラストマー系の材料が好ましい。
次に、パターン転写後の被加工物に、少なくとも非加工面と同一面内に弾性変形し被加工物を延伸または収縮する。
次にパターン転写後の被加工物にかかる応力を調節して、被加工物を延伸または収縮する。
この後にUV照射、また電子線照射、または加熱、または冷却により被加工物のゴム弾性を低下させても良い。
その後に、図14のように、転写パターンの少なくとも一部除去しても良い。転写パターンを除去する方法としては、ウェットエッチング、ドライエッチングを用いることができる。
なお、図13、14において、1213は被加工物、1212は被加工面、1214は転写パターン、である。
また、図13に示すように被加工面より被加工物の一部を除去しても良い。転写パターンを除去する方法としては、ウェットエッチング、ドライエッチングを用いることができる。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、つぎのように被加工物表面に微細構造体を作製する構成例について説明する。
この実施の形態においては、塑性変形可能な材料から成る被加工物よりも弾性率の大きい材料によって形成される転写パターンを被加工面より被加工物内に埋め込む。
そして、非加工物の形状を延伸または縮小し、転写パターン同士の間隔を転写時と変化させることにより、被加工物表面に微細構造体を作製する。
次に、転写パターンを表面に形成した基板と被加工物を重ね合わせて、転写パターンを形成した面と垂直な方向に圧力をかける。転写パターンを被加工物表面より被加工物内部に埋め込む。
転写パターンが先鋭であれば、転写パターンを被加工物内部に埋め込むことが容易である。
次に転写パターンを表面に形成した基板と被加工物を分離する。
分離する方法としては機械的に引き剥がしてもいいし、ドライエッチングやウェットエッチングで基板を溶解しても良い。
その後、パターンを転写した被加工物に収縮が起こるような力を印加して塑性変形し、変形後の被加工物を得る。
塑性変形により均一な圧縮を起こすには、例えば弾性変形可能な材料上に塑性変形可能な材料を成膜し、弾性変形可能な材料を収縮することに伴って塑性変形可能な材料を収縮する手法がある。
その他の方法として、空気圧や液圧により被加工物に均一に圧力を印加する等の手法がある。
これにより転写パターンは形状を維持しつつパターン間隔を変化させることが可能となる。
その後、図13に示すように被加工面より被加工物の一部を除去しても良い。
転写パターンを除去する方法としては、ウェットエッチング、ドライエッチングを用いることができる。
また、図14のように、転写パターンの少なくとも一部を除去しても良い。
転写パターンを除去する方法としては、ウェットエッチング、ドライエッチングを用いることができる。
本発明の実施形態について、弾性変形する材料から成る被加工基板を繰り返し延伸及び収縮し、延伸又は伸縮する毎に被加工基板表面にパターン形成することで、微細パターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
図17を参照する。図17(a)、(b)に示すように、弾性変形可能な被加工基板1701を基板表面と同一面内方向に延伸する。
被加工基板を延伸した後、第6の実施の形態と同様にして、被加工基板1701よりも高弾性な材料から成るパターン7を被加工面1702に形成する(図17(b))。
ここで、パターン1707を、被加工基板1701よりも高弾性な材料Aにより形成する。
次に、延伸していた力を除荷または弱くして変形倍率をパターン形成時よりも小さくする(図17(d))。
被加工面1702に形成したパターン1707を成す材料は被加工基板1701より弾性率が高いため、パターン1707に接する部分は被加工基板1701の縮小量が小さくなる。
その結果、被加工面1702に形成された凸構造1709の断面形状は、逆テーパー状となる。
次に、逆テーパー状の断面形状を保ったまま、被加工基板1701よりも高弾性な第2の材料を被加工基板1701に成膜する。ここで、被加工基板よりも高弾性な第2の材料を材料Bとする。材料Bの成膜時には、材料Bが逆テーパー状の凸構造1709の側面に付かないことが好ましい(図17(e))。なお、材料Aと材料Bは同じ材料でも良い。
(図17(g))。エッチング後、表面形成したパターンを除去し、被加工基板の延伸を解除する。これにより、図17(c)に示す被加工基板表面形成したパターン1707よりも狭ピッチな凹凸パターンが得られる。
また、逆テーパー状の凸構造1709表面に材料Bを成膜し、被加工基板1701を延伸した(図17(f))後に、材料A及び材料A上の材料Bを剥離してから被加工基板をエッチングしても良い。1回目のエッチングにより形成された凸構造1709がエッチングで除去される速度と、成膜された材料Bが除去される速度が同一であれば、2回目のエッチング後に得られる凸構造の先端部が同一平面状に形成される。
以上の方法により凹凸構造を形成した被加工面1702に金属層を形成した後に金属物を剥離することで、被加工面の凹凸構造を転写した構造体1712を得ることができる(図18(h))。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、別のパターンを有する構造体の製造方法について説明する。
具体的には、以下の3つの工程を少なくとも有する。
(工程1)まず、表面上に凸構造からなるパターンを有する、弾性変形した平板状被加工物を用意する。
この工程1においては、上記実施形態において説明した手法により、あるいはそれに限定されることなく、他の方法で、平板状被加工物を用意する。
(工程2)該パターンをマスクとして用い、前記平板状被加工物をエッチングする。この工程により、平板状被加工物に所定のパターンが形成される。
(工程3)前記平板状被加工物をエッチングした後、前記平板状部材の弾性変形状態を緩和させる。平板状被加工物の弾性変形状態を完全に元に戻しても良いし、ある程度緩和した段階でとどめてもよい。
なお、工程2と3とは、その順番を逆に行ってもよい。
本発明に係るパターンを有する構造体の製造方法の参考例として、別のパターンを有する構造体の製造方法について説明する。
(工程1)凹部を含み構成されるパターンを有する第1の被加工物を用意する。
(工程2)前記第1の被加工物を縮小変形させ、縮小された状態の前記第1の被加工物を利用することによって、第2の被加工物に、該第1の被加工物が縮小された状態で有するパターンを転写する。
ここで、前記第1の被加工物のパターンが転写される被転写物は、金属や樹脂などである。
具体的には、前記第1の被加工物が縮小された状態で有するパターンに、スパッタ、蒸着、めっき、スピンコート、ディップコート、塗布などを行い転写するのである。
[実施例1]
本発明の実施例1においては、基板の全方位への均一延伸と、パターン描画技術とを組み合わせた、ナノスケールのパターンを有する構造体の製造方法について説明する。
図1に、面内方向の全方位へ均一延伸された被加工基板にパターンを形成した後、延伸前の定常状態に戻し、縮小されたパターン形状を形成する構成例を説明する図を示す。
図1において、1001は定常状態の被加工基板、1002は被加工面、1003は変形の方位、1004は変形後の被加工基板である。
また、1005は被加工基板が変形状態のもとで形成されたパターン、1006はパターン形成後に被加工基板が延伸前の定常状態に戻された状態におけるパターン形状である。
本実施例においては、弾性変形をする材料から成る被加工基板1001として、熱可塑性エラストマーのスチレン−イソプレンからなる重合体を使用する。これには、例えば、日本ゼオン社製QuintacR、また別の種のポリマーからなる熱可塑性エラストマーとして米国パイオニア社製QualatexR、等を用いることができる。この材料は、室温ではゴム弾性を示し、100℃を超えると徐々に軟化して蜂蜜状になる。
ここで、例えば、スチレン−イソプレンを厚さ100μm、直径3cmのシート状にして、面内方向に引張ると、長さは10倍以上に伸び、除荷すると元の形状に戻る。シート内部の密度、厚さ、周囲の温度分布が均一であれば、延伸方向に対し均一に形状変化する。
まず、シートの片面を被加工面1002とし(図1(a))、変形の方位1003のような向きの力を機械的に加え、面内方向の全方位に向けて均一に変形倍率を500%となるように延伸して、そのまま保持する(図1(b)、工程(1))。これを、変形後の被加工基板1004とする。
つぎに、上記変形後の被加工基板1004の被加工面に、イオンビーム描画によりパターン1005を形成する(図1(c)、工程(2))。
ここでは、図1(c)のように規則配列したラインパターン(1μm×3mm角が2μmピッチで配列したもの)や、ドットパターン(1μmφが2μmピッチで配列した正方格子)の凹構造を形成する。この際、表面にドリフトが起こるようであれば、液体窒素などで冷却しながらパターン加工を行う。
或いは、ナノインプリント法により、フッ素樹脂製のモールドを用いて、室温にてプレスを行い、同様のパターンを作製する。ナノインプリント法では一括してパターンを作製することが可能なので、被加工基板を冷却する必要は無い。
つぎに、延伸していた力を除荷して延伸前の形状に戻す(図1(d)、工程(3))。
これにより、図1(d)に示すように、定常状態のパターン形状1006に戻る。その際、変形倍率を200%まで戻して、そのまま使用するようにしても良い。
ここで、完全に除荷した場合の描画したパターンは、面内の全方位に対し均一に縮小された形状になり、ラインパターンのピッチは描画したパターンに対して約1/5倍になる。また、深さは浅くなる。
以上により、イオンビーム描画で描画したパターンよりも小さなパターンを得ることができる。
図2において、2001は定常状態の被加工基板、2002は被加工面、2003は変形の方位、2001は変形後の被加工基板である。
また、2005は被加工基板が定常状態のもとで形成されたパターン、2006はパターン形成後に被加工基板が面内方向の全方位へ均一延伸された状態におけるパターン形状である。
図2に示すように、定常状態(図2(a))における被加工面2002にパターン2005を形成し(図2(b))、その後に面内の全方位に均一に延伸することで、拡大したパターン形状2006を得ることも可能である(図2(c))。
本発明の実施例2においては、弾性変形をする材料から成る被加工基板2001の延伸に、機械的延伸を用いた実施例1に対して、空気圧を用いた構成例について説明する。
本実施例では、図1(b)に示す工程(1)において、空気圧を用いて延伸するように構成した。
その際、被加工面の裏面をゴム製O(オー)リングでシーリングし、表面側の空気圧に対して裏面側の空気圧を上昇させる。これにより、表面側へ被加工基板1001のシートが迫出し延伸される。
ここで、延伸は被加工基板1001の厚さ分布に依存し、薄い部位は厚い部位に比べ被加工面内方向の延伸が大きくなるため、シート密度や厚さは均一に作製することが好ましい。
本発明の実施例3においては、基板の縦方向への延伸及び横方向への縮小と、パターン描画技術とを組み合わせた構成例について説明する。
図3に、縦方向へ延伸され且つ横方向へ縮小された被加工基板にパターンを形成した後、延伸前の定常状態に戻し、縮小されたパターン形状を形成する構成例を説明する図を示す。
図1に示した構成と同様の構成には同一の符号を付し、重複する部分の説明は省略する。つぎに、図3を用いてその作製の手順を説明する。
まず、実施例1と同様の材料を使用し、サイズ1cm×3cm、厚さ100μmのシートを作製した(図3(a))。これを被加工基板3001とする。
1cmの辺の方向をX方向、3cmの辺の方向をY方向とする。シートの片面を被加工面3002とし、図3(b)に示すようにY方向に5倍の長さになるよう(変形倍率500%)機械的に延伸すると、形状変化に伴ってシート中心部のX方向には収縮が起こる。
これを、変形後の被加工基板3004とする。
実施例1と同様に、変形後の被加工基板3004の加工面にパターン3005を形成し(図3(c))、除荷して定常状態に戻す(図3(d))。
これにより、Y方向には約1/5倍に縮小され、且つX方向には拡大されたパターン形状3006が得られる。
本発明の実施例4においては、基板の縦方向への1軸延伸及び横方向へのやや延伸と、パターン描画技術とを組み合わせた構成例について説明する。
図4に、縦方向へ1軸延伸され且つ横方向へやや延伸された被加工基板にパターンを形成した後、延伸前の定常状態に戻し、縮小されたパターン形状を形成する構成例を説明する図を示す。
図3に示した構成と同様の構成には符号番号の下一桁が同一の符号を付し、重複する部分の説明は省略する。つぎに、図4を用いてその作製の手順を説明する。本実施例においては、実施例3と同様の被加工基板4001を用いる(図4(a))。
実施例3ではY方向のみに機械的に延伸したため、X方向へのパターン形状の収縮が起こる。これに対して、本実施例のように1軸のみにパターン形状の収縮を行いたい場合には、X方向への収縮を防ぐためにそれと同等の延伸をする必要がある。
そのため、パターンを形成する付近の被加工面4002において、基板の延伸がY方向のみになるように、図4に示す変位の方向4003の荷重を印加することで、横方向へやや延伸させる(図4(b))。これを、変形後の被加工基板4004とする。
実施例3と同様に、変形後の被加工基板4004の加工面にパターン4005を形成し(図4(c))、除荷して定常状態に戻す(図4(d))。
これにより、Y軸方向に収縮しX方向には収縮も拡大もしないパターン形状4006を得ることがきる。
本発明の実施例5においては、塑性変形をする材料から成る被加工物として、アクリル樹脂からなる球を使用した構成例について説明する。
図5に、本実施例における塑性変形をする材料から成る被加工基板として、アクリル樹脂からなる球を使用した構成例を示す。
図2に示した構成と基本的に同様の機能を果たす構成には下一桁が同一の符号番号を付し、重複する部分の説明は省略する。
本実施例においては、塑性変形をする材料から成る被加工基板5001として、アクリル樹脂からなる球基板を使用する。球の直径は1cmとする。被加工基板(球基板)5001内の密度や球の形状は均一であるほうが好ましい(図5(a))。
つぎに、球基板5001上のある部分を被加工面5002として、パターン5005を形成する(図5(b))。
凹球面状のNi製モールドを用い、モールドを160℃に加熱してアクリル表面に押し付け、ナノインプリントによるパターン形成を行う。形成するパターン5005は、100nmピッチのラインアンドスペース凹構造とホール構造であり、深さは共に50nmである。
つぎに、これを静水圧プレス機の水槽内に入れ、表面に均一に圧力を印加し、均一に塑性変形による圧縮が起こるように徐々に圧を増加する。
パターン形成領域は、球のサイズに対して微細であるため、均一な圧縮にはほぼ影響しない。
これにより、全方位に対し均一に縮小されたパターン形状5006を得ることができる(図5(c))。
本発明の実施例6においては、被加工基板に印加する機械的荷重による変形の方位により、パターン配列を変化させる構成例について説明する。
図6に、被加工基板に印加する機械的荷重による変形の方位により、ピッチ・幅を共に減少させるようにした構成例を示す。
図3に示した構成と同様の構成には同一の符号を付し、重複する部分の説明は省略する。
本実施例においては、実施例3と同様の弾性体のシートを被加工基板1を使用する。シート表面の一部を適宜被加工面6001とし、イオンビーム描画によりパターン6005を形成する。
ピッチ200nm、深さ100nmのラインアンドスペースパターンを形成し(図6(a))、図6(b)の6003の矢印方向に機械的に荷重を印加すると、ほぼ平行四辺形の形になる。
これにより、平行に配列したラインパターンは、破線部のような平行に配列したラインパターン形状6006となり、ピッチ・幅を共に減少させることができる。
また、図7に示すように構成することで、正方格子状に配列したパターンを三角格子状に配列変更することができる。
実施例3と同様の被加工基板7001にピッチ200nm、深さ100nmの正方格子状に配列したホール構造7005を形成し(図7(a))、図7(b)の7003の矢印方向に機械的に荷重を印加する。
その際、荷重を調整すると、正方格子状に配列したパターンを三角格子状に配列変更したパターン形状7006を得ることができる。電子線描画等において、同じ性能のビームを使用する場合には三角格子配列は正方格子配列と比較して作製が困難であるため、この問題を解消することができる。ここで、ホール形状は基板の延伸の方向によりやや楕円状に変形することがある。
本発明の実施例7においては、被加工基板上に被加工基板とは異なる材料から成る分離したパターンを形成し、被加工基板を縮小してパターン形状を形成する構成例を説明する。
図8に、本実施例の構成例を説明する図を示す。
まず、例えば、1軸延伸PETシート(厚さ500μm)を被加工基板8001とする。
次に、表面にフォトレジストからなる幅10μm角、高さ10μmの分離したパターン8005が間隔50μmで5つ配列したものを、別の基板から転写することによりPET上に形成する(図8(c))。
ここで、フォトレジストの弾性率はPETシートよりも高いものを使用する。その際、フォトレジストパターンは、この加熱温度で軟化しないものが好ましい。
次に、PETシートをガラス転移温度以下で加熱すると、延伸されている軸方向に収縮が始まる。間隔が30μmになったところで加熱収縮を終了し、冷却をすると、微細なパターンを得ることができる(図8(d))。
フォトレジストパターンの間隔は収縮に伴って狭まるが、パターン自体の形状は変化せず、PETシートとの接触面積は不変である。
また、延伸方向におけるパターンを通過するある断面のパターン長さの総和A(この場合は10μm)とパターンの間隔の総和B(この場合は50μm)の比は、
(A/B)<(A'/B')となる。
その場合、まず被加工基板が1軸方向にサイズが大きくなるように面内に延伸しておき(図8(b))、その後上部にパターンを形成し(図8(c))、変形倍率を小さくして間隔が30μmになったところで固定すれば良い(図8(d))。
本発明の実施例8においては、被加工基板上に被加工基板とは異なる材料から成るパターン形成層9007を形成し、被加工基板を弾性変形により延伸した後にパターンを形成し、再度弾性変形により収縮してパターン形状を形成する構成例を説明する。
図9に、本実施例の構成例を説明する図を示す。
まず、例えば、実施例1と同様の弾性材料であるシリコーンゴムのシートを被加工基板9001として作製する(図9(a))。
シートサイズは、3mm×5mm、厚さ500μmとする。
次に、シート上にスチレン−イソプレン重合体を希釈液で適宜薄めてスピンコートし、60℃で焼成して溶媒を揮発し、厚さ1μmのパターン形成層9007を形成する(図9(b))。これを、ある一方向に長くなるよう、面内方向に弾性変形による延伸をし(図9(c))、この延伸を保持したままスチレン−イソプレン層9007にモールドのプレスによるパターン形成を行う。
このとき、スチレン−イソプレン層9007は延伸前と比べて薄くなる。平坦な表面に10μm角×高さ10μmの立方体状の凸構造が間隔50μmで配列した構造を有するSiをモールドとし、モールドを100℃に加熱する。
そして、10kg/cm2の圧力を印加してインプリントを行い、対応した凹構造をスチレン−イソプレン層表面に形成する(図9(d))。
ここで使用するパターン形成層は、被加工基板と同等の弾性率を有しているため、延伸を解除するだけで初期の定常状態と同等の形状に戻る。
すなわち、スチレン−イソプレン層とシリコーンゴムとの密着層の接触面積は不変である。
形成後のパターン9006は、延伸した方向のサイズが小さくなり、5μm×10μm、深さ10μmとなる(図9(e))。
パターン9006底部の形状は、穴形状であるためやや盛り上がる。この後、必要に応じてドライエッチングによりパターン9006底部のスチレン−イソプレン残膜を除去しても良い。
本発明の実施例9においては、パターン形成層や被加工面にパターンを形成する際に、ローラーモールドを使用する構成例について説明する。
図10に、本実施例の構成例を説明する図を示す。
被加工物として、スチレン−イソプレン重合体からなるシート2210を用いる。
厚さ1mm、幅20mmのシートを用いる。
プラスチックの延伸成形フィルムを作製する一般的な手法であるフラット法と同様に、ベルト上にシートを流す。
Tダイ法と組み合わせて、スチレン−イソプレン重合体の塊からシートを作製する機構を有していても良い。
ローラーモールドはNi製であり、曲面の表面に500nmピッチで正方格子状に配列した凸構造体を有しており、1つの凸構造体の形状は、直径100nm・高さ200nmである。
ローラーモールド2208は、熱インプリントによりスチレン−イソプレンの表面にパターンを転写するために、80℃に加熱する。
また、ローラーモールドからシート表面へ、押付け圧力を10kg/cm2かける。フラット法と同様に、ローラーモールド2208の下部近傍の延伸領域2209においてシート両端を固定し、シート面内であり且つシートの流れる方向に垂直な方向に延伸を加え、シート幅を増加させる。
その状態でローラーモールドを押付けながら回転させることでパターンを転写し、その後にシートの延伸を解除して幅を元の定常状態に戻す。
これにより、ローラーモールド表面のパターンサイズよりも延伸した方向に対して縮小された連続的なパターンを、スチレン−イソプレン重合体の表面に形成することができる。また、ここで一般に用いられる同時フラット法のように、シートの流れる方向にも同時に延伸を行い、2軸延伸をしてもよい。
これにより、2軸方向に縮小されたパターンを得ることもできる。
本発明の実施例10において、被加工物にパターン形成する製造装置の構成例について説明する。
図11に、本実施例の被加工物にパターン形成する製造装置の構成例を説明する図を示す。
被加工物111として、30cm幅で長さ10mのスチレン−イソプレンから成る重合体である熱可塑性エラストマーのシートを用いる。
スチレン−イソプレンから成る重合体としては、例えば前記の日本ゼオン社製QuintacRを用いることができる。
前記のQuintacRは巻き取り用ローラー118より製造装置に供給することがでる。
その後に、長さ10cm幅3cmのエリアに2μm幅、6μmピッチのラインを作製したシリコン製金型117を用いて熱ナノインプリントすることで、QuintacR表面にパターン1115を形成する。
その後、速度調整用搬送ローラー119と、その後の搬送ローラー110間でシートの応力を減少させて定常状態とする。
これによりQuintacRシート表面に形成されたパターン1116の搬送方向に対するピッチは、パターン形成時に対して2/3となる。
本発明の実施例11においては、弾性変形可能な材料を全方位に均一に延伸した後にパターンを形成し、延伸前の形状に戻す構成例について説明する。
図12に、本実施例の構成例を説明する図を示す。
まず、図12(a)のように、転写パターン作製用基板1211としてシリコンウェハーを用い、シリコンウェハー上にレジストをスピンコートする。
露光・現像により4μmピッチで正方格子状に配置した直径500nmの開口を形成する。
その後、スパッタにより銅500nm厚を成膜した後にレジストを剥離する。
これにより、転写パターン1212として、シリコンウェハー上に直径500nm、高さ500nmの円柱状パターンが4μmピッチで形成される。
例えば、日本ゼオン社製QuintacR等を用いることができる。
この材料は室温でゴム弾性を示し、100℃を越えると徐々に軟化して蜂蜜状になる。
このスチレン−イソプレン共重合体を0.2mm厚のシート状に成型する(図12(b))。
これに水平方向に全方位均一な力をかけると、拡大倍率が最大1000%程度まで延伸可能である。
そこで、図12(c)のようにスチレン−イソプレン共重合体を拡大倍率200%に延伸した後に、図12(d)のように前記円柱状パターンを表面に形成したSiウェハーを熱プレスする。
その後にスチレン−イソプレン共重合体への荷重を開放し定常状態とす(図12(e))。
これにより、スチレン−イソプレン共重合体内の円柱状銅パターンは、直径500nm高さ500nmを維持しつつピッチが50%となる(図12(f))。
続いて、円柱状銅パターンが埋め込まれたスチレン−イソプレン共重合体を10%希塩酸に20秒浸漬することで銅を溶解することで、2μmピッチで直径500nm深さ500nmの細孔が形成される(図12(g))。
本発明の実施例12においては、弾性変形可能な材料にパターンを形成した後に弾性変形可能な材料を収縮する構成例について説明する。
実施例11と同様の方法により、シリコンウェハー上に幅1μm、高さ500nm、長さ1mmでピッチが4μmのNiラインパターンを1mm角のエリアに形成する。
被加工基板として、弾性変形する材料である熱可塑性エラストマーであるスチレン−イソプレンから成る重合体を使用する。
このスチレン−イソプレン共重合体を5mm角で厚さ10mmに成型する。
前記ラインパターンを表面に形成したSiウェハーを、スチレン−イソプレン共重合体の表面に熱プレスする。
この時、ラインパターンがスチレン−イソプレン共重合体に接するようにする。室温まで冷却後スチレン−イソプレン共重合体をSiウェハーより剥離することで、円柱状パターンはスチレン−イソプレン共重合体に転写される。
その後にスチレン−イソプレン共重合体の側面より荷重し、スチレン−イソプレン共重合体の圧縮方向の長さを変形倍率50%となるようにする。
これによりNiラインのスチレン−イソプレン共重合体にレジストから成るラインが埋め込まれており、Niラインは幅1μm高さ500nmであり、ピッチはライン形成時と比較して50%で2μmとなる。
なお、図13(a)は、変形後の被加工基板断面を示しており、図13(b)に示すようにスチレン−イソプレン共重合体を選択的にドライエッチングすることによりNi突起構造が形成される。
また、図14(a)は、変形後の基板断面を示しており、20wt%硫酸に浸漬することで図14(b)に示すような底部がNiの細孔が形成される。
本発明の実施例13においては、塑性変形可能な材料にパターンを形成した後に、塑性変形可能な材料を収縮する構成例について説明する。
図15に、本実施例の構成例を説明する図を示す。
まず、実施例11と同様の手法を用い、転写パターン1212としてシリコンウェハー上に直径500nm、高さ500nmの円柱状パターンが4μmピッチで形成される(図15(a))。
被加工物1221として、塑性変形する材料であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)を、弾性変形可能な材料であるシリコーンゴムシート1222上に形成したものを使用する。
次に、PMMAが液状となりシリコーンゴムは形状や物性を維持可能である温度においてPMMA−シリコーンゴム多層膜を延伸する。
PMMAの融点が160℃程度、シリコーンゴムの耐熱温度が300℃程度なので、被加工物を180℃で加熱した後に200%と成るように一軸方向に延伸する(図15(b))。
この後、前記円柱状パターンを表面に形成したSiウェハーを延伸したPMMA−シリコーンゴム多層膜に熱プレスする。
このとき円柱状パターンがPMMA−シリコーンゴム多層膜に接するようにする(図15(c))。
その後に被加工物への荷重を開放し定常状態とすることでPMMAは変形倍率50%に圧縮される。
これにより、圧縮方向に対しては2μmピッチで直径500nm高さ500nmの円柱状銅パターンがPMMA内に埋め込まれた状態で形成される。
その後、10%希塩酸に20秒浸漬することで銅を溶解する。
以上により、圧縮方向に対しては2μmピッチの直径500nmの細孔が、PMMA表面に形成される。
本発明の実施例14においては、硬化後に弾性変形可能な液状材料を用いてパターンを形成した後に、弾性変形可能な材料を収縮する構成例について説明する。シリコンウェハー上にレジストをスピンコートし、露光現像で直径80nmの開口を形成する。
その後、スパッタにより白金5nm厚、ニッケル25nm厚を順番に成膜した後にレジストを剥離する。
これによりシリコンウェハー上に直径80nm、高さ30nmの円柱状パターンが300nmピッチで形成される。
円柱の先端10nmは白金である。
液状シリコーンゴムとしては東レ・ダウコーニング株式会社製Sylgard 184 Silicone Elastmerなどを用いることができる。
フィルム状に成型したイソプレンゴムシートに液状シリコーンゴムを成膜し、硬化前にイソプレンゴムシートを全方位均一に定常状態に対して1.5倍の長さに延伸する。
その後、液状シリコーンゴムを表面に形成したイソプレンゴムシートに、前記円柱状パターンが接するようにシリコンウェハーを重ね合わせ、減圧して気泡を除去する。その後にシリコンウェハーを加圧しながら室温中で放置し、シリコーンゴムを硬化する。これにより、硬化した液状シリコーンゴム中に柱状パターンが埋め込まれる。
その後、シリコンウェハーを硬化した液状シリコーンゴム中から剥離することで、硬化したシリコーンゴムと供に円柱状パターンはスチレン−イソプレン共重合体に転写される。このとき円柱状パターンはシリコーンゴムおよびスチレン−イソプレン共重合体中に埋め込まれており、Niから成る底面の円形部のみ露出している。
これにより、硬化した液状シリコーンゴム中の円柱状パターンのピッチが300nmから200nmに縮小される。
次に、70℃の30wt%硫酸にてニッケルのみをエッチングする。
これによりイソプレンゴム表面に形成された硬化した液状シリコーンゴム中に直径50nmの細孔が200nmピッチ形成され、細孔底部にはム白金層が形成されている。
無電解ニッケルめっき液に浸漬することにより細孔底部の白金より無電解ニッケルめっきが析出し細孔を充填する。
この後、電解ニッケルめっきを行い、めっき物を剥離することで、直径80nmの円柱が200nmピッチで配列するナノインプリント用モールドが得られる。
本発明の実施例15においては、規則化配列した陽極酸化アルミナナノホールを鋳型としてめっきにより作製した転写パターンを用いてパターンを縮小する構成例について説明する。
図16に、本実施例の構成例を説明する図を示す。
シリコンウェハー1611上に導電層1632としてTi10nmおよびAl1631を200nm、スパッタにより成膜する(図16(a))。
Al上にはスピンコートによりレジスト層を形成する。
次に、160nmピッチの三角格子位置に突起が形成されたSiモールドを用い、熱ナノインプリント法によってレジスト層に160nmピッチの凹構造を形成する。
次に、ドライエッチングを行うことで、レジストの凹構造に相当する位置のAl表面に凹構造を形成する。
その後、しゅう酸を用いて64Vで陽極酸化を行うことアルミ酸化されてはアルミナ1633となり、160nmピッチの三角格子位置に基板と垂直方向にナノホール1634が形成される(図16(b))。
次に、りん酸溶液に浸漬してナノホール径を拡大した後に、細孔底部よりにNiめっき1635を50nm厚を行う。
その後、60℃1時間ベークすることでめっきにより得られたNiの表面に酸化膜1636を形成した上に、更にNiめっき1635を行う(図16(c))。2回目のNiめっきは、ナノホールがNiにより充填された後にナノホール外でNiが連続膜になるまで行い、研磨によりナノホール外のNiを除去する。その後に水酸化ナトリウム水溶液に浸漬しアルミナを除去する。
これによりSiウェハー上に直径80nm、高さ200nmの円柱状Niパターンが形成される。
スチレン−ブタジエン共重合体を変形倍率200%に延伸した後に、前記円柱状パターンを表面に形成したSiウェハーを熱プレスする。
このとき、円柱状パターンがスチレン−ブタジエン共重合体に接するようにする(図16(d))。
室温まで冷却後Siウェハーをスチレン−ブタジエン共重合体より剥離する時に円柱状パターンはNi酸化物層により分離され、円柱状パターンの先端部はスチレン−イソプレン共重合体に転写される。
その後にスチレン−ブタジエン共重合体への荷重を開放し定常状態とする。
これによりスチレン−ブタジエン共重合体の円柱状Niパターンはピッチが50%となる。
その後、円柱状Niパターンの一部が露出したスチレン−ブタジエン共重合体表面にスパッタを行った後にNiめっきを行い、スチレン−ブタジエン共重合体トルエンで溶解する。
これにより、熱ナノインプリントに使用可能な80nmピッチのNiモールドが形成される。
本発明の実施例16においては、弾性変形する材料から成る被加工基板を繰り返し延伸及び収縮し、延伸又は伸縮する毎に被加工基板表面にパターン形成することで、微細パターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
図17を参照する。
被加工基板1701としてはシリコーンゴムである東レ・ダウコーニング株式会社製Sygard 184 Silicon Elastmerを、予め薄膜状に加工して用いる。
被加工基板1701を縦方向に変形倍率が150%となるように延伸し、そのまま保持する(図17(b))。1704は変形後の基板を示している。
次に、被加工面1702にスパッタを用いてアルミニウムを成膜する。その後アルミニウム表面にレジストコートし、露光・現像・エッチング・レジスト薄膜を行うことで、1500nmピッチで600nm幅のライン状パターン1707及び被加工基板表面の凹構造1708を形成する(図17(c))。
次に、延伸していた力を除去し延伸前の形状に戻す(図17(d))。このときアルミニウムは被加工基板より低弾性のため、アルミニウムに接する被加工基板は縮小量が小さくなる。このため、エッチングで被加工基板表面に形成されたライン状パターンは逆テーパーとなる。
次に、被加工基板に再度アルミニウムのスパッタを行い、逆テーパーの凸構造の上部および凸構造間の領域にアルミニウム層1710を形成する(図17(e))。その後、縦方向に変形倍率が150%となるように延伸する(図17(f))。
延伸後再度エッチングによりシリコーンゴム表面を加工し、凹構造1711を形成する(図17(g))。
その後被加工基板を50wt%リン酸に浸漬することにより表面のアルミニウム層を除去し、シリコーンゴムの延伸を解除する。これにより表面に500nmピッチ400nm幅のラインパタ−ンを得る(図18(h))。
パターンを形成したシリコーンゴム表面にPtをスパッタした後にNiめっきを行い、めっき物をシリコーンゴムより剥離する。
これにより、被加工面に形成された凹凸構造を転写した構造体1712を得る(図18(i))。転写構造体1712は500nmピッチ400nm幅のラインパターンが表面に形成されており、ナノインプリントのモールドとして使用可能である。
1002:被加工面
1003:変形の方向
1004:変形後の被加工基板
1105:パターン
1006:定常状態のパターン
Claims (5)
- パターンを有する構造体の製造方法であって、
弾性変形し得る被加工物を、第1の状態から面内方向に弾性変形させ、
変形状態の前記被加工物の表面上に、前記被加工物とは異なる材料を含み構成されるパターン部材を形成し、
前記パターン部材と前記被加工物との接触面積は維持したまま、前記被加工物を前記第1の状態に近づけ又は前記第1の状態に戻すことを特徴とするパターンを有する構造体の製造方法。 - パターンを有する構造体の製造方法であって、
弾性変形し得る被加工物上に、該被加工物とは異なる材料を含み構成されるパターン形成層を積層し、
前記パターン形成層を少なくとも面内方向に弾性変形させ、
変形状態の前記パターン形成層に、パターンを形成し、
前記パターン形成層と前記被加工物との接触面積が、前記パターン形成層を弾性変形させる前の状態における接触面積と等しくなるようにすることを特徴とするパターンを有する構造体の製造方法。 - 前記被加工物の加工面が、曲面であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターンを有する構造体の製造方法。
- 前記パターン形成前後での前記被加工物の面内方向の変形率が、前記被加工物の変形可能な範囲において90%以下または110%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のパターンを有する構造体の製造方法。
- 前記弾性変形が可能な材料が、1MPa以上20MPa以下の弾性率を有する材料であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のパターンを有する構造体の製造方法。
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