JP3049947B2 - 伸縮印刷方法 - Google Patents

伸縮印刷方法

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JP3049947B2
JP3049947B2 JP4159169A JP15916992A JP3049947B2 JP 3049947 B2 JP3049947 B2 JP 3049947B2 JP 4159169 A JP4159169 A JP 4159169A JP 15916992 A JP15916992 A JP 15916992A JP 3049947 B2 JP3049947 B2 JP 3049947B2
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朗 中西
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雅昭 葉山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主に回路基板、液晶表示
装置、透明タッチパネル、プラズマディスプレイ、更に
はセラミック多層基板等の電子部品を製造する際に用い
る微細パターンを任意の倍率で縮小(または拡大)印刷
する、伸縮印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、回路基板、液晶表示装置、プ
ラズマディスプレイ、透明タッチパネル等の電子部品の
製造時には微細な導電パターンの形成技術が用いられて
いる。更にその他の電子部品として、抵抗体、コイル、
コンデンサ、あるいはこれらの複合電子素子の製造時に
おいても、絶縁体(又は誘電体、磁性体等)のパターン
形成が、あるいはカラーフィルターやCRT等の発光体
部分の製造時においても、微細パターンの形成が必要不
可欠である。更にこれら微細パターンは、液晶表示装置
等の大型化に伴い、より大面積に形成される傾向があ
る。
【0003】このような背景の中で、近年、従来のフォ
トレジストを用いた微細パターンの製造方法に比べ、生
産性、コスト、大面積化の面にも有利な各種印刷法によ
る大面積での微細パターンの製造方法が提案されてい
る。
【0004】まず従来よりこのような目的のために、広
く用いられているスクリーン印刷方法について説明す
る。次に図10を用いてスクリーン印刷方法の原理につ
いて説明する。図10はスクリーン印刷方法の原理を説
明するためのものである。図10において、1はスクリ
ーン枠、2はスクリーンパターン、3はスキージ、4は
インキ、5はスキージ3の動く方向を示す矢印である。
スクリーンパターン2はレジスト材料等によってパター
ニングされており、スキージ3が矢印5の方向に移動す
る。この際インキ4は、スクリーンパターン2を介し
て、被印刷体表面に所定のパターンとして形成される。
このようなスクリーン印刷方法では、当然のことながら
印刷形成されるインキパターンは、スクリーン版と同一
寸法のものになる。言い替えるとスクリーン印刷方法の
場合は、スクリーン版に形成されたパターンを、被印刷
体上で拡大または縮小して印刷することはできない。無
理をすればスクリーン枠1内部に張ったスクリーンパタ
ーン20のテンションを上げたり下げたりすることがで
きる。そしてスクリーンパターンを1%程度ぐらいな
ら、前記スクリーンパターンを伸ばしたり縮めたりする
こともできる。しかしこの場合は、スクリーンパターン
を形成するポリエステル等のスクリーン自体は可逆的に
伸縮可能であるが、前記スクリーン上に感光性樹脂で形
成されたレジストパターンは、可逆的な伸縮を行うこと
ができない。そのため前記レジストパターンを無理やり
伸縮させた場合レジスト材料は、前記スクリーンの網の
表面に点(または線)状に接着しているため、不均一な
伸びやマイクロクラックの発生、前記スクリーン表面よ
りの剥離等の不良が発生してしまう。このような不良は
パターン精度を劣化させ、実用的ではない。またスクリ
ーン印刷方法では、前記レジストはスクリーン表面に張
りつけるものであるため、印刷面にどうしてもスクリー
ンメッシュの影響が残ってしまう。このため印刷のファ
イン化にも限度があった。
【0005】以上のようなスクリーン印刷での限度に対
して、オフセット凹版印刷が提案されている。次にオフ
セット凹版について、図11を用いて説明する。図11
はオフセット凹版の原理を説明するためのものであり、
特公昭55−36512号公報等で紹介されているもの
である。図11において、6は凹版、7はインキパター
ンであり、凹版6表面に形成されている。8はオフセッ
トブランケット、9は転写されたインキパターン、10
は被印刷体、11は印刷されたインキパターン、12は
オフセットブランケット8の回転方向を示す矢印であ
る。まず、凹版6表面に形成されたインキパターン7
が、オフセットブランケット8が矢印12の方向に回転
する際に、前記オフセットブランケット8表面に転写さ
れ、転写されたインキパターン9を形成する。次に前記
オフセットブランケット8の矢印12の方向への回転に
伴って、前記転写されたインキパターン9が、被印刷体
10表面に転写され、印刷されたインキパターン11を
形成することになる。しかし、このような凹版オフセッ
ト印刷の際も、よりファインな印刷を行うためには、そ
れだけファインかつ高精度の高価な凹版を作成しなけれ
ばならない。
【0006】以上で説明したように、従来の印刷方法で
は、版に形成されたパターンを原寸大で被印刷体上にパ
ターンとして印刷形成するものである。このため大きな
パターンに対しては大きな版を、ファインなパターンに
対しては、ファインなパターンの形成された版を用意す
ることが必要であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の印刷方法では、スクリーン印刷あるいは凹版オフセ
ット印刷の場合でも、版と同一寸法のパターンしか印刷
形成できなかった。このため、大面積の印刷を行う場合
は大面積の版が必要であった。逆に微細パターンの印刷
を行う場合は、よりファインな版、より高価な高精度の
版を作成する必要があった。つまり、従来の印刷とは、
版上に形成されたパターンを被印刷体表面にいかに精度
を落とすことなく転写形成するかというものであった。
このため被印刷体表面に形成された印刷パターンは、精
度やファイン性の点で版より、必ず劣るものであった。
更に版表面に付着した汚れ等の不良も、原寸大で、被印
刷体上に転写、印刷されていた。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、被印刷物の精度やファイン性が、版を越えることの
できる伸縮印刷方法を提供することを目的とする。更に
本発明で提案する伸縮印刷方法を用いることで、一般的
なフォトレジストプロセスで実行されているような、縮
小露光方法によるパターン形成と同様なことが、印刷方
法でも行うことができることになる。例えば本発明での
伸縮印刷方法の一部である、縮小印刷方法を用いれば、
従来ファイン印刷時に問題になった版上に発生したキズ
等の不良も、被印刷体上ではその大きさを縮小させるこ
とができる。このようにして容易に、ファイン印刷時で
の歩留り向上に貢献することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の伸縮印刷方法は、伸縮性ブランケット表面に
形成されたインキパターンを、所定寸法に拡大もしくは
縮小した後、被印刷体表面に転写するという構成を有し
ている。
【0010】
【作用】この構成によって、伸縮性を有するブランケッ
ト表面に形成されたインキパターンを、前記伸縮性ブラ
ンケットを所定の寸法に拡大もしくは縮小させることに
よって、同時に前記インキパターンも、希望する倍率ま
で自由に伸縮させることができる。このようにして所定
の大きさにまで伸縮させたインキパターンを、前記伸縮
性ブランケットゴム表面より、被印刷体表面に転写する
ことにより、前記ブランケット表面に形成されたインキ
パターンを、より拡大もしくは縮小した状態で被印刷体
表面に転写形成することができる。
【0011】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施例にお
ける一方向に対する拡大印刷の原理及び装置を説明する
ためのものである。図1において13aは版、14aは
インキパターンであり、版13aの上に所定のパターン
で形成されている。15aは伸縮性ブランケット、17
aは転写されたインキパターンである。伸縮性ブランケ
ット15aが、版13a上を矢印16aの方向に転がる
際に、伸縮性ブランケット15aの表面に転写されたイ
ンキパターン17aが形成されることになる。19aは
印刷されたパターン、20aは被印刷体である。伸縮性
ブランケット15aが矢印16aの方向に回転しながら
被印刷体20aの表面を移動する際に、転写されたイン
キパターン17aにより印刷されたパターン19aが形
成されることになる。21a,21bは伸縮性ブランケ
ットを引き延ばす方向を示すものであり、転写されたイ
ンキパターン17aは、一方向にのみ任意の倍率で引き
延ばされることになる。
【0012】次に、図2及び図3を用いて伸縮性ブラン
ケットの一例を説明する。図2及び図3は、図1におけ
る伸縮性ブランケットの構造を断面図として説明するた
めのものである。図2において、図2(A),(B)は
伸縮性ブランケットの異なる方向の断面を示したもので
ある。図2(A)において、22aはブランケットゴム
固定治具であり、ブランケットゴム24aを固定してい
る。23はブランケット胴である。前記ブランケットゴ
ム固定治具22aは、前記ブランケットゴム24aを固
定したまま、矢印25aの方向にエアシリンダー等によ
り引っ張ることができる。こうして、前記ブランケット
ゴム固定治具22aに固定された前記ブランケットゴム
24aは、ブランケット胴23に沿ってスライドしなが
ら伸縮することとなる。図3において、26は蛇腹であ
り、矢印25bの方向に引っ張ることで、ブランケット
ゴム固定治具22bに固定されたブランケットゴム24
bが、伸縮することになる。
【0013】以上のように構成された伸縮印刷装置につ
いて、更に詳しく説明する。まず版としては大きさ30
cm角の凸版を用いた。最初に回路基板のフィルムマスク
(リスフィルム製)を用意し、前記樹脂凸版の上に、前
記フィルムマスクを露光、現像することで前記回路基板
パターン(20cm角)の形成された樹脂凸版を作成し
た。伸縮性ブランケットとしては、厚み約1mmの市販の
金型成形したシリコンゴム膜を用意し、図2に示すよう
な形状にスライド式の治具(直径20cm、長さ30cm)
の周りに巻き付けたものを用意した。こうすることで、
前記伸縮性ブランケットを一軸方向にのみに引き延ばせ
るようになった。また被印刷体としては、市販の銅箔張
りのガラスエポキシ製プリント基板を用いた。インキと
しては、市販のスクリーン印刷用のエッチングレジスト
インキを用いた。次に本伸縮印刷装置を用いて、拡大印
刷を行った。
【0014】まず、前記樹脂凸版上にインキローラーを
用いて均一にインキを付着させ、図1のインキパターン
14aを形成した。次に前記インキパターン14aの上
に、前記伸縮性ブランケット15aを押し付けながら転
がすことで、転写されたインキパターン17aを形成し
た。次に前記伸縮性ブランケット15aを矢印21a,
21bの方向に引き延ばし、引き延ばした状態で固定し
た。この引き延ばしの際、前記伸縮性ブランケットは、
図2及び図3で説明したような構造のため、円周方向に
は寸法変化を起こさなかった。このとき前記伸縮性ブラ
ンケット表面に形成された転写されたインキパターン
は、前記伸縮性ブランケットの引き延ばされた方向に沿
って一方向に引き延ばされた。
【0015】次にこのように一方向に伸ばされた転写さ
れたインキパターンを、被印刷体表面に押し当て、前記
被印刷体20a表面に印刷されたパターン19aを形成
することができた。ここで伸縮性ブランケットの引き延
ばし倍率を1倍(原寸)から3倍まで連続的に変化させ
てみたところ、伸縮性ブランケット表面に形成された転
写されたインキパターン17a及び印刷されたパターン
19aも前記引き延ばし倍率に比例して連続的に変化し
た。このようにして、本実施例では、版に形成されたイ
ンキパターンを、所定の倍率で一方向に拡大することが
できた。
【0016】比較のため、従来のオフセット凸版(一般
名称はドライオフセット)印刷方法及びオフセット凹版
印刷方法を用いて拡大印刷を試みた。まず通常の印刷方
法ではブランケットは、厚み方向にはバルジ発生防止の
ため、多少の寸法変化に対応できるようになっている
が、平面方向に対しては寸法変化を起こさないようにな
っている。また前記ブランケットはブランケット胴に対
して一定の張力で張って固定されている。このようにし
て、従来のオフセット印刷は、版上に形成された所定の
パターンが、ブランケット上で寸法変化を起こすことな
く、そのまま原寸で被印刷体表面にインキパターンとし
て印刷形成されるようになっている。このため、従来例
における拡大印刷としては、版を伸ばすことにした。通
常版材料として広く用いられている金属、硬質樹脂、ガ
ラスを含むセラミック材料等は、もともと寸法変化を発
生させにくいものが選ばれており、このような材質の版
を引っ張っても可逆的な寸法変化が起きないだけでな
く、版自体を破壊してしまう。このため、版材料にはゴ
ム状感光性樹脂を用いた。
【0017】まず前記回路基板のフィルムマスクを用
い、凸版及び凹版状に加工し、拡大印刷用従来版とし
た。次に前記拡大印刷用従来版を、一方向にのみ伸びる
ようにした。次に前記拡大印刷用従来版を、図11に示
すオフセット凹版装置における、凹版6の位置に取り付
けた。こうして伸縮性版を取り付けた従来の拡大印刷用
オフセット印刷機を用意した。
【0018】次に、拡大印刷実験を行った。まず前記拡
大印刷用オフセット印刷機を用いて、前記拡大印刷用従
来版を、0%(原寸)、1%(拡大)、5%(拡大)、
10%(拡大)及び30%(拡大)と引き延ばし、拡大
印刷を行った。こうして、0%(原寸印刷)と、1%〜
30%の拡大されて印刷形成されたインキパターンの寸
法変化を測定した。この結果、従来の拡大印刷でも印刷
されたインキパターンは、全体的に伸びていることが確
かめられた。これは前記拡大印刷用従来版が、ゴム状材
料でできているため、引っ張った分だけ、全体として変
形したためと考えられた。
【0019】次に、印刷されたインキパターンを顕微鏡
を用いて観察したところ、インキパターンが不規則に変
形していることが確かめられた。この不規則な変形は、
引き延ばし倍率が高い印刷サンプルほど激しくなり、5
%引き延ばしたサンプルでは、複数の印刷パターンの刷
り重ね等を考えると、もはや実用に耐えない範囲であっ
た。これは前記拡大印刷用従来版の表面が、凸凹状形状
をしているため、引き延ばしの変形時にその形状の影響
を受けたものであると考えられた。このため、従来の拡
大印刷方法では、5%の拡大であっても、実用的な印刷
精度が得られなかった。
【0020】一方、本発明における伸縮性ブランケット
を用いた伸縮印刷の場合、歪で50%相当の伸縮を行
う、連続1000回の印刷を繰り返したが、1000回
目の印刷が終了した時点でも、初期の印刷精度を保つこ
とができた。また版自体には何等変化はなく、伸縮性ブ
ランケットも何等変化はなかった。また歪50%相当の
伸縮印刷を行う前後に、歪20%相当での伸縮印刷を行
ったが、前後とも何等変化は観察されなかった。
【0021】このように本実施例の場合は、版を変化さ
せる必要はなく、拡大印刷の際も伸縮性ブランケットに
表面の平滑なものを用いることができるため、前記伸縮
性ブランケット全体を引き延ばした場合でも、問題が生
じない。また本実施例の場合、前記伸縮性ブランケット
表面に凹凸を形成する必要がないため、これらブランケ
ット表面も均一に変形させることができ、引き延ばし倍
率の影響を受けにくい。このように本実施例の場合、被
印刷体表面に拡大して印刷形成されたインキパターンは
精度の高いものであった。
【0022】また本実施例の伸縮印刷方法の場合、伸縮
性ブランケットの拡大倍率を大きくするほど、印刷され
たパターン7のインキ膜厚が薄くなった。これは伸縮性
ブランケット表面に転写されたインキ量が一定のため、
伸縮性ブランケットを引き延ばすほど、相対的にインキ
膜厚が薄くなったためであると考えられた。この性質を
用いることでインキ膜厚を減少させることができる。例
えば電子部品の一つである積層セラミックコンデンサの
場合、内部電極に信頼性の面から、貴金属内部電極が用
いられることが多い。このような場合に、本実施例で提
案した拡大印刷方法を用いることで、内部電極の膜厚を
低下させ、より安価に積層セラミックコンデンサを製造
することができる。
【0023】伸縮性ブランケットを用いた拡大印刷方法
としては、複数段階での拡大方法も容易である。例え
ば、伸縮性ブランケットに力を加えて予め縮めた状態で
固定しておき、前記伸縮性ブランケットに版よりインキ
を転写し、転写されたインキパターンを形成する。次に
前記伸縮性ブランケットに加えられた力を緩めること
で、前記転写されたインキパターンを拡大させることが
できる。こうすることで安定した状態で拡大されたパタ
ーンを印刷形成することができる。
【0024】なお前記伸縮性ブランケットの拡大には、
機械に引っ張る以外に、あたかもゴム風船に空気や水を
入れるように、あるいは堅く絞ったスポンジに水を含ま
せると体積変化を起こすように、各種気体または液体を
充填させることでも容易に行うことができる。
【0025】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明
の第2の実施例における伸縮印刷の原理及び装置を説明
するためのものであり、第1の実施例と第2の実施例の
違いは、パターンを拡大して印刷するか、それとも縮小
して印刷するかの違いである。図2において13bは
版、14bはインキパターンであり、版13bの上に所
定のパターンで形成されている。15bは伸縮性ブラン
ケット、17bは転写されたインキパターンである。伸
縮性ブランケット15bが、版13b上を矢印16bの
方向に転がる際に、伸縮性ブランケット15bの表面に
転写されたインキパターン17bが形成されることにな
る。19bは印刷されたパターン、20bは被印刷体で
ある。伸縮性ブランケット15bが矢印16bの方向に
回転しながら被印刷体20bの表面を移動する際に、転
写されたインキパターン17bにより印刷されたパター
ン19bが形成されることになる。21c,21dは伸
縮性ブランケット15bの押し縮める方向を示すもので
あり、転写されたインキパターン17bが、一方向にの
み任意の倍率で押し縮められることになる。
【0026】以上のように構成された伸縮印刷装置につ
いて、更に詳しく説明する。まず第1の実施例同様に、
版としては大きさ30cm角の凸版を用いた。最初に回路
基板のフィルムマスク(リスフィルム製)を用意し、前
記樹脂凸版の上に、前記フィルムマスクを露光、現像す
ることで前記回路基板パターン(20cm角)の形成され
た樹脂凸版を作成した。伸縮性ブランケットとしては、
厚み約1mmの市販のシリコンゴム膜を用意し、図3に示
すような形状に蛇腹状の治具(直径20cm、長さ30c
m)の周りに巻き付けたものを用意した。こうすること
で、前記伸縮性ブランケットを一方向にのみに引き延ば
せるようになった。また被印刷体としては、市販の銅箔
張りのガラスエポキシ製プリント基板を用いた。インキ
としては、市販のスクリーン印刷用のエッチングレジス
トインキを用いた。
【0027】まず、前記樹脂凸版上にインキローラーを
用いて均一にインキを付着させ、図4のインキパターン
14bを形成した。次に前記インキパターン14bの上
に、前記伸縮性ブランケットを押し付けながら転がすこ
とで、転写されたインキパターン17bを形成した。次
に前記伸縮性ブランケット15bを矢印21c,21d
の方向に押し縮め、押し縮めた状態で固定した。この押
し縮めの際は、前記伸縮性ブランケットは、図2及び図
3で説明したような構造のため、円周方向には寸法変化
を起こさなかった。このとき前記伸縮性ブランケット表
面に形成された転写されたインキパターンは、前記伸縮
性ブランケットの縮めに伴い一方向に縮んだ。
【0028】次にこのように一方向に縮められた転写さ
れたインキパターンを、被印刷体表面に押し当てること
により、前記被印刷体表面に、印刷されたパターン19
bを形成することができた。ここで伸縮性ブランケット
の押し縮め倍率を1倍(原寸)から0.3倍(縮小)ま
で連続的に変化させてみたところ、伸縮性ブランケット
表面に形成された転写されたインキパターン17b及び
印刷されたパターン19bも連続的に変化した。このよ
うにして、本実施例では、版に形成されたインキパター
ンを、所定の倍率で一方向にのみ縮小することができ
た。このとき伸縮性ブランケットの押し縮め倍率を大き
くするほど(より小さく縮小するほど)、印刷されたパ
ターン19bのインキ膜厚が大きくなった。これは伸縮
性ブランケット表面に転写されたインキ量が一定のた
め、伸縮性ブランケットを押し縮めるほど、相対的にイ
ンキ膜厚が厚くなったためであると考えられる。この性
質を用いることでインキ膜厚を増加することもできる。
例えば電子部品の一つである多層セラミック回路基板等
の電極材料の印刷に本縮小印刷方法を用いることで、電
極パターンのファイン化(微細化)と同時に、電極イン
キの膜厚を増加させ、配線抵抗を低減することもでき
る。
【0029】なお前記伸縮性ブランケットの伸縮には、
機械に縮める以外に、あたかもゴム風船に充填した空気
や水を抜くように、あるいは水で体積を増やしたスポン
ジから水を絞り出すと体積変化が減少するように、各種
気体または液体を充填させることでも容易に行うことが
できる。
【0030】伸縮性ブランケットを用いた縮小印刷方法
としては、複数段階での縮小方法も容易である。例え
ば、伸縮性ブランケットに力を加えて予め引き延ばして
固定した状態で、前記伸縮性ブランケットに版よりイン
キを転写して転写されたインキパターンを形成する。次
に前記伸縮性ブランケットに加えられた力を緩めること
で、前記転写されたインキパターンを縮小させることが
できる。こうしてより安定した状態で縮小されたパター
ンを印刷形成することができる。
【0031】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて、図5及び図6を参照しながら説明する。図5
は、本発明の第3の実施例における伸縮印刷の原理及び
装置を説明するためのものである。図6は本発明の第3
の実施例に用いる伸縮性ブランケットの構造を説明する
ためのものである。また第1及び第2と、第3の実施例
の違いは、パターンを一方向にのみ伸縮させるか、異な
る二方向(X−Y方向)に伸縮させるかの違いである。
【0032】まず図5において13cは版、14cはイ
ンキパターンであり、版13cの上に所定のパターンで
形成されている。15cは伸縮性ブランケット、17c
は転写されたインキパターンである。伸縮性ブランケッ
ト15cが、版13cに押し当てられることによって、
伸縮性ブランケット15cの表面に転写されたインキパ
ターン17cが形成されることになる。19cは印刷さ
れたパターン、20cは被印刷体である。伸縮性ブラン
ケット15cが被印刷体20cの表面に押し当てられる
ことで、転写されたインキパターン17cにより印刷さ
れたパターン19cが形成されることになる。21d,
21e,21f,21gは伸縮性ブランケットを押し縮
める方向を示すものであり、実施例3においては、伸縮
性ブランケット15c表面に形成された転写されたイン
キパターン17cが、X−Yの二方向に任意の倍率で押
し縮めることができる。
【0033】図6において、26はブランケット固定治
具、27は固定枠、28はエアシリンダーである。実施
例3においては、固定枠27に固定されたエアシリンダ
ー28が、ブランケット固定治具26を押したり引いた
りされる。こうして伸縮性ブランケット15cが所定の
倍率に伸縮する。
【0034】以上のように構成された伸縮印刷装置につ
いて、更に詳しく説明する。まず第1及び第2の実施例
同様に版としては大きさ30cm角の凸版を用いた。最初
に回路基板のフィルムマスク(リスフィルム製)を用意
し、前記樹脂凸版の上に、前記フィルムマスクを露光、
現像することで前記回路基板パターン(20cm角)の形
成された樹脂凸版を作成した。伸縮性ブランケットとし
ては、四方にブランケット固定治具26をセットした厚
み約1mmの市販のシリコンゴム膜を用意した。ブランケ
ット固定治具26は60cm角のものを用い、複数本のエ
アシリンダー28を用いてブランケット固定枠27に固
定した。前記エアシリンダー28に印加する空気圧力を
制御することで、伸縮性ブランケット15cが、X−Y
方向に任意の倍率で伸ばされることを確かめた。
【0035】また被印刷体としては、市販の銅箔張りの
ガラスエポキシ製プリント基板を用いた。インキとして
は、市販のスクリーン印刷用のエッチングレジストイン
キを用いた。次に本発明で提案する伸縮印刷方法を説明
する。まず、前記樹脂凸版上にインキローラーを用いて
均一にインキを付着させ、図5のインキパターン14c
を形成した。次に前記インキパターン14cの上に、前
記伸縮性ブランケット15cを押し付けることで、転写
されたインキパターン17cを形成した。次に前記伸縮
性ブランケットを矢印21d,21e,21f,21g
の方向に伸縮させ、伸縮させた状態で固定した。
【0036】次にこのように平面方向に伸縮された転写
されたインキパターンを、被印刷体表面に押し当てるこ
とにより、前記被印刷体表面に、印刷されたパターン8
aを形成することができた。ここで伸縮性ブランケット
の伸縮倍率を0.5倍(縮小)から1倍(原寸)、そし
て2倍(拡大)まで連続的に変化させてみたところ、伸
縮性ブランケット15c表面に形成された転写されたイ
ンキパターン17c及び印刷されたパターン19cも連
続的に変化させることができた。
【0037】比較のために、従来のスクリーン印刷方法
で、伸縮印刷を試みた。まず従来のスクリーン印刷方法
の場合での伸縮印刷について説明する。スクリーン印刷
の場合、スクリーン版より直接被印刷体表面にインキパ
ターンを印刷形成するため、スクリーン版を伸縮させ
た。まず、スクリーンとしては、ポリエステル製及びス
テンレス製の200メッシュのスクリーンを用意した。
次に前記スクリーンをスクリーン固定治具に固定した
後、固定枠の内部で、油圧シリンダーを用いて任意の倍
率に引き延ばせるようにした。更に、前記スクリーンを
通常の張力で張った状態にして、表面に間接法を用いて
乳剤を張り付けた。ここに前記フィルムマスクを用い前
記乳剤に所定の回路基板パターン(20cm角)を形成
し、これを従来例の伸縮スクリーン版とした。この状態
でまず、原寸での印刷実験を行った。次に前記油圧シリ
ンダーを用いて、前記スクリーンを5%伸ばし、この状
態を5%の拡大印刷とした。このように原寸印刷、5%
拡大印刷と交互に500枚で計1000枚の連続印刷を
行った。次にこれら原寸印刷と、5%拡大印刷された印
刷パターンを観察したところ、原寸印刷及び5%拡大印
刷サンプル共に、印刷寸法が変動していることがわかっ
た。次に前記スクリーン版を、調べたところ、前記スク
リーン版が回復不可能な状態に、変形していることがわ
かった。このように従来の拡大印刷方法では、初期の印
刷精度を保つことができなかった。このことより、前記
スクリーンの機械的引き伸ばし量をこれ以上増加した場
合も、精度よい印刷ができないことが予想される。
【0038】一方、本発明における伸縮性ブランケット
を用いた伸縮印刷の場合、歪で50%相当の伸縮を伴
う、連続1000回の印刷を繰り返したが、1000回
目の印刷が終了した時点でも、初期の印刷精度を保つこ
とができた。また版自体には何等変化はなく、伸縮性ブ
ランケットも何等変化はなかった。また歪50%相当の
伸縮印刷を行う前後に、歪20%相当での伸縮印刷を行
ったが、前後とも何等変化は観察されなかった。
【0039】このように本実施例の場合は、版を変化さ
せる必要はなく、拡大印刷の際も伸縮性ブランケットに
表面の平滑なものを用いることができる。また変化させ
るものもパターンの形成されたスクリーンではなく、ゴ
ム状の弾性体であるため変形後の回復性も優れている。
また前記伸縮性ブランケット全体を引き延ばしてた場合
でも、前記伸縮性ブランケットを網等に張る必要もな
い。このため本発明の場合は、これらブランケット表面
も均一に変形させることができ、結果的に伸縮倍率の影
響を受けにくい。このように本発明の場合、被印刷体表
面に拡大または縮小状態で印刷形成されたインキパター
ンは精度の高いものが安定して得られる。
【0040】このようにして、本実施例では、版に形成
されたインキパターンを、所定の倍率で平面方向に伸縮
させることができた。このとき伸縮性ブランケットを伸
ばすことで、インキパターンを拡大すると同時に、印刷
されたパターン17cのインキ膜厚を薄くすることがで
きた。また伸縮性ブランケットを縮めることで、インキ
パターン17cを縮小すると同時にインキ膜厚を高める
ことができた。更に印刷時に版等にキズ等が発生した場
合でも、被印刷体表面に縮小印刷することで、歩留りを
上げることができる。
【0041】(実施例4)以下本発明の第4の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。図7(A),
(B),(C)は本発明の第4の実施例における伸縮印
刷の伸縮性ブランケットから被印刷体へのインキパター
ンの転写を説明するためのものである。図7(A),
(B),(C)において、29は伸縮性ブランケット、
30はインキパターンであり、伸縮性ブランケット29
表面に形成されている。31はプレス、32は被印刷
体、33は印刷されたパターンである。まず、図7
(A)に示したように、プレス31の下に、伸縮性ブラ
ンケット29をインキパターン30の形成された側が、
被印刷体32になるように置く。次に、図7(B)に示
したように、プレス31を動かし、伸縮性ブランケット
29を被印刷体32に加圧密着する。最後に、図7
(C)に示したように、プレス31を上げ、前記伸縮性
ブランケット29表面に形成されていたインキパターン
30を、被印刷体32表面に転写し、印刷されたパター
ン33を形成することになる。なお、図7(A)〜
(C)において、インキパターン30の表面に形成され
た伸縮性ブランケット29は、所定の割合で伸縮された
状態にある。
【0042】(実施例5)以下本発明の第5の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。図8は、本発明
の第5の実施例における伸縮性ブランケット表面へのイ
ンキパターンの描画方法による形成方法を説明するため
のものである。図8において、34は伸縮性ブランケッ
ト、35はディスペンサー、36はノズル、37はイン
キパターンである。第1〜第3の実施例では、伸縮性ブ
ランケット表面へのインキパターンの形成方法は、通常
の印刷方法のように固定されたパターンで行うものであ
り、量産性に富むものであった。しかし第5の実施例で
は、伸縮性ブランケット表面へのインキパターンの形成
は、インキパターンを一筆書きのように、個々に描画す
るものである。まず図8において、ディスペンサー35
内部にはインキが加圧充填されており、内部に外部信号
により開閉するバルブが内蔵されている。前記バルブを
介して、ノズル36よりインキが一定の流量で、外部信
号に応じて吐出されることになる。前記ディスペンサー
35及び前記ノズル36は、伸縮性ブランケット35の
表面に対して一定距離だけ離された状態で、サーボコン
トロールされたX−Y駆動系により、伸縮性ブランケッ
ト34上を自由に移動することができる。以上のように
して、伸縮性ブランケット34表面に任意のインキパタ
ーンを、あたかもX−Yペンレコーダーを用いて描画す
るように形成することができる。
【0043】以上のように構成された描画方法を用いた
伸縮パターンの形成方法について、セラミック多層基板
における各種電極の形成工程を用いて更に詳しく説明す
る。まずディスペンサーについては、圧空を用いた市販
のものを選び、市販の窒素焼成タイプの銅電極インキ及
び銀パラジウム電極インキを充填した。次に前記ディス
ペンサーを用いて、予め一定量だけ引っ張って伸ばして
おいて図6の構造を有する伸縮性ブランケット表面(2
0cm角)に、前記銅電極インキ及び銀パラジウム電極イ
ンキを使って配線パターンを描画できるようにした。配
線パターンとしては、各種印刷性評価用パターン及び実
回路パターンを10cm角に入るようにアレンジして用い
た。まず前記伸縮性ブランケットは、0%(原寸)か
ら、10%,20%,50%と引っ張った状態にし、こ
の上に前記銀パラジウム電極インキを描画した後、前記
伸縮性ブランケットの引っ張りを緩めることで、前記ブ
ランケット表面に形成されたインキパターンを縮小印刷
した。次にこの縮小されたインキパターンを、セラミッ
クグリーンシート上に転写した。次に前記セラミックグ
リーンシートは金型を用いてビアホールを形成し、ビア
ホール充填印刷を行った後、積層、焼成することでセラ
ミック多層基板を作成した。次に前記多層セラミック焼
結体表面に、前記窒素焼成タイプの銅電極インキを、銀
パラジウム電極インキの印刷同様に、伸縮性ブランケッ
トを用いて0%,10%,20%と縮小印刷した後、前
記縮小印刷された銅電極インキは、そのまま窒素焼成し
た。以上のように形成されたセラミック多層基板を評価
したところ、通常の印刷方法で形成されたものと同様の
結果が得られ、本発明で提案する縮小印刷を行うことで
の問題点は無かった。
【0044】従来のディスペンサーを用いた描画パター
ンの縮小化例として、より細いノズルを用いてより細か
く前記各種印刷性評価用パターン及び実回路パターン
を、直接前記セラミックグリーンシート及び前記多層セ
ラミック焼結体表面に直接、描画した。しかし、パター
ンを縮小して描画するほど、前記セラミックインキの詰
まり、パターンのショート等が数多く発生したため、満
足する結果は得られなかった。
【0045】このように、版を用いることなく伸縮性ブ
ランケット表面にインキパターンを形成することで、広
く望まれている各種パターンの小量多品種化に対して、
容易に対応することができる。同時に納期の短縮化及び
パターン変更の簡便化にも対応できる。
【0046】(実施例6)以下本発明の第6の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。第5の実施例と
第6の実施例の違いは、セラミックグリーンシート上に
縮小印刷する際に、第5の実施例の場合前記セラミック
グリーンシートの焼成時の収縮率を描画方法で吸収する
ことに対し、第6の実施例では前記焼成時の収縮率を伸
縮性ブランケットの伸縮度合で吸収するものである。図
9はセラミックグリーンシート上に伸縮印刷するよう子
を説明するものである。図9において13dは版、14
dはインキパターンであり版13dの上に所定のパター
ンで形成されている。15dは伸縮性ブランケット、1
7dは転写されたインキパターンである。伸縮性ブラン
ケット15dが、版13dに押し当てられることによっ
て、伸縮性ブランケット15dの表面に転写されたイン
キパターン17dが形成されることになる。19dは印
刷されたパターン、20dは被印刷体であり、本実施例
の場合はセラミックグリーンシートやセラミックグリー
ン積層体等の焼成によって寸法収縮するものである。伸
縮性ブランケット15dが、版13dに押し当てられる
ことによって、伸縮性ブランケット15dの表面に転写
されたインキパターン17dが形成されることになる。
図9においては、伸縮性ブランケット15dがX−Y方
法に対して所定の寸法に伸縮することになる。この際、
本実施例においては、前記伸縮性ブランケット15dの
伸縮度合を、被印刷体であるセラミックグリーンシート
等に調整しておくことになる。こうすることでセラミッ
クグリーンシート等の焼成時の収縮率やそのばらつきに
対しても、前記伸縮性ブランケットの伸縮率を調節する
ことで対応することができる。
【0047】次に更に詳しく説明する。まず被印刷体と
しては、第5の実施例で用いたセラミックグリーンシー
トと同様に作成した厚みの異なる数種類のものを使用し
た。また、第5の実施例で用いた各種印刷評価用パター
ン及び実回路パターンをスクリーン版におこしたものを
用いた。まず従来例として、伸縮性ブランケットを用い
ないプロセスを用いた。まず、電極インキは第5の実施
例で用いた銅電極インキ及び銀パラジウム電極インキと
同様のものを用い、前記セラミックグリーンシート上に
直接前記銀パラジウム電極インキを前記スクリーン版を
用いてスクリーン印刷した。次に前記セラミックグリー
ンシートは、金型を用いてビアホール形成を行い、ビア
ホール充填印刷を行った。その後、積層、焼成すること
でセラミック多層基板を作成した。最後に前記多層セラ
ミック焼結体表面に、前記窒素焼成タイプの銅電極イン
キを印刷し、そのまま窒素焼成した。
【0048】以上のように形成されたセラミック多層基
板を評価した。この結果、前記セラミックグリーンシー
トにおいて、セラミックグリーンシートの厚みによって
は、数%程度までの焼成時の収縮率の差が観察された。
このようにセラミックグリーンシートの場合、その厚み
が変化すると焼成時の収縮率の差が発生することはよく
経験することである。このため通常セラミック多層基板
を作成する際は、同じ厚みのセラミックグリーンシート
を用いる場合が多い。このような焼成時の収縮率の差は
1%程度であっても、電極パターンやビアホール径がフ
ァインになるほど大きな問題となる。従来のプロセスで
はこのような収縮率の差に対しては、パターンの大きさ
の多少異なるスクリーン版を1層当り複数枚(10層程
度のセラミック多層基板の場合は、数十枚)用意するこ
とで対応していた。
【0049】次に本実施例での伸縮印刷の技術を用い
て、前記焼成時の収縮率の差を吸収させた例を説明す
る。本実施例では、第3の実施例で用いた伸縮性ブラン
ケットを用いて、前記焼成時の収縮率の差を吸収させ
た。まず前記スクリーン版を用いて、前記伸縮性ブラン
ケット上に前記印刷評価用パターン及び実回路パターン
を印刷した。次に前記伸縮性ブランケットを、前記セラ
ミックグリーンシート毎の焼成時の伸縮率の差に応じ
て、数%程度伸縮印刷させた。こうして、前記焼成時の
収縮率の差を容易に吸収することができた。
【0050】なお本発明において、伸縮性ブランケット
表面にインキパターンを形成するには、一般的な印刷方
法より任意なものを選択することができる。つまり実施
例で説明したスクリーン印刷、凸版以外に、水無し平版
を含む平版、彫刻凹版を含む凹版を選べる。また前記伸
縮性ブランケット表面にインキパターンを形成するに
は、通常の印刷方法以外に、インキジェット方法、電子
写真法、サマールプリンティング方法等を用いてもよ
い。さらに印刷方法にこだわらなくとも、伸縮性ブラン
ケット表面に伸縮性を有するインキ状のフォトレジスト
材料を用いてフォト工程によりインキパターンを用意
し、これを前記伸縮性ブランケット表面で伸縮させても
よい。
【0051】更に伸縮性ブランケット用の材料は、安定
に伸縮させるためにゴム状弾性体が望ましい。このよう
なゴム状弾性体には、シリコン樹脂が安定性の点等で望
ましい。しかしシリコン樹脂以外でも、架橋した高分子
であって、ガラス転移温度が印刷に用いている温度より
も低いものであれば本発明で提案するゴム状弾性体とし
て用いることができる。またインキが水溶性あるいは有
機溶剤性であっても、表面に形成されたインキパターン
のインキで溶け出さないものであればよい。また、前記
ゴム状弾性体に、適当量のシリコン樹脂またはシリコン
オイルが含まれていると、前記伸縮性ブランケットから
被印刷体表面へのインキ転移性が向上する。しかし、本
発明においては、前記伸縮性ブランケット表面に形成さ
れたインキパターンが100%、被印刷体表面に転移す
る必要性はない。
【0052】また本発明における伸縮印刷方法の場合、
インキパターンは版から直接被印刷体表面に形成するの
ではなく、伸縮性ブランケット表面を介して転写印刷さ
れるため、インキパターンのにじみ等が発生しにくい。
これは版から伸縮性ブランケット表面にインキパターン
が転写されるとき、インキ中に含まれる溶剤が前記伸縮
性ブランケット表面に染み込むためである。このような
例としては、セラミックグリーンシート等の表面に電極
インキ等を印刷した際のインキ溶剤の染み込みによる現
象等がある。また伸縮性ブランケット表面に形成された
インキパターンを被印刷体表面に転写する際に、熱をか
けてもよい。また被印刷体表面に薄い樹脂層等の接着層
に相当するものを予め形成しておくことで、前記伸縮性
ブランケット表面からの前記インキパターンの転写性を
向上させることができる。
【0053】本発明における伸縮性ブランケット表面に
形成されるインキパターンとしては、前記伸縮性ブラン
ケットの伸縮に追従できる粘性、または粘弾性を有する
柔軟な材料で有ればよい。具体的には、各種印刷イン
キ、セラミック製品の作成に用いられるスラリー、熱転
写工法に用いる熱軟化性材料、更に粘着性を有するフィ
ルム状のものであっても、前記伸縮性ブランケットの伸
縮に追従できるもので有ればよい。また前記伸縮性ブラ
ンケット全面にドライフィルムのような材料を転写した
後、露光等の手法によりパターンを形成し、これを用い
てもよい。この場合は、感光性樹脂をバインダーとして
用いたセラミックスラリーインキ等を用いるとよりファ
インパターンを形成することができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明は、伸縮性ブランケ
ット表面に形成されたインキパターンを所定寸法に拡大
もしくは縮小した後、被印刷体表面に転写することによ
り、前記インキパターンを被印刷体表面に伸縮印刷する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における一方向に対する
拡大印刷の原理を説明するための概略図
【図2】(A),(B)は図1における伸縮性ブランケ
ットの構造を示す断面図
【図3】図1における伸縮性ブランケットの他の構造を
示す断面図
【図4】本発明の第2の実施例における伸縮印刷の原理
を説明するための概略図
【図5】本発明の第3の実施例における伸縮印刷の原理
を説明するための概略図
【図6】本発明の第3の実施例に用いる伸縮性ブランケ
ットの構造を説明するための斜視図
【図7】(A),(B),(C)は本発明の第4の実施
例における伸縮印刷の伸縮性ブランケットから被印刷体
へのインキパターンの転写を説明するための断面図
【図8】本発明の第5の実施例における伸縮性ブランケ
ット表面へのインキパターンの描画方法による形成方法
を説明するための概略図
【図9】セラミックグリーンシート上に伸縮印刷するよ
う子を説明する概略図
【図10】従来のスクリーン印刷方法の原理を説明する
ための概略図
【図11】従来のオフセット凹版の原理を説明するため
の概略図
【符号の説明】
13a,13b,13c,13d 版 14a,14b,14c,14d インキパターン 15a,15b,15c,15d 伸縮性ブランケット 17a,17b,17c,17d 転写されたインキパ
ターン 19a,19b,19c,19d 印刷されたパターン 20a,20b,20c,20d 被印刷体 21a,21b,21c,21d,21e,21f,2
1g 引き延ばす方向 22a,22b ブランケットゴム固定治具 23 ブランケット胴 24a,24b ブランケットゴム 26 蛇腹 27 固定枠 28 エアシリンダー 29 伸縮性ブランケット 30 インキパターン 31 プレス 32 被印刷体 33 印刷されたパターン 34 伸縮性ブランケット 35 ディスペンサー 36 ノズル 37 インキパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 葉山 雅昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 毛利 昇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−77386(JP,A) 特開 平5−69651(JP,A) 特開 平5−69650(JP,A) 特開 平4−279349(JP,A) 特開 昭56−38292(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 17/14 B41M 1/00 - 1/10 B41F 3/34 B41N 10/00 - 10/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】伸縮性ブランケット表面に形成したインキ
    パターンを所定寸法に拡大もしくは縮小した後、被印刷
    体表面に転写する伸縮印刷方法。
  2. 【請求項2】伸縮性ブランケットが所定の寸法になるよ
    うに伸縮する構造である請求項1記載の伸縮印刷方法。
  3. 【請求項3】伸縮性ブランケットを第1の寸法に伸縮さ
    せた後、前記伸縮性ブランケット表面にインキパターン
    を形成し、次に前記伸縮性ブランケットを第2の寸法に
    伸縮させた後、前記インキパターンを被印刷体表面に転
    写する伸縮印刷方法。
  4. 【請求項4】伸縮性ブランケットが一方向にのみ伸縮性
    を有する構造である請求項2記載の伸縮印刷方法。
  5. 【請求項5】伸縮性ブランケットが、中心体表面をスラ
    イドしながら伸縮することにより、一方向にのみ伸縮性
    を有する構造である請求項2記載の伸縮印刷方法。
  6. 【請求項6】伸縮性ブランケットが、蛇腹状の中心体の
    周りに巻き付けることにより、一方向にのみ伸縮性を有
    する構造である請求項2記載の伸縮印刷方法。
  7. 【請求項7】伸縮性ブランケットが、異なる二方向に伸
    縮性を有するブランケットゴムである請求項2記載の伸
    縮印刷方法。
  8. 【請求項8】伸縮性ブランケットが、内部に気体または
    液体を充填することで、所定の寸法に伸縮する構造であ
    る請求項2記載の伸縮印刷方法。
  9. 【請求項9】伸縮性ブランケットが、シリコン樹脂を含
    むゴム状弾性体を用いたものである請求項2記載の伸縮
    印刷方法。
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