JP2007247034A - 基板上に複数の粒子を有する構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナノメートルスケールの微細構造体を製造することが可能となるパターンを有する構造体の製造方法及び装置、パターンを有する構造体を提供する。
【解決手段】下記の(A)から(B)の各工程を備え、パターンを有する構造体を作製する。(A)弾性変形が可能な材料による被加工物の被加工面を少なくとも面内方向に弾性変形させる第1の弾性変形工程、(B)前記第1の弾性変形工程による変形状態の前記被加工面に、パターンを形成する第1のパターン形成工程、(C)前記被加工物を弾性変形前の定常状態に近づけ又は定常状態とすることにより、前記被加工面に前記第1のパターン形成時とはサイズあるいは形状の少なくとも一方が異なるパターンを形成する第2のパターン形成工程。
【選択図】図1
【解決手段】下記の(A)から(B)の各工程を備え、パターンを有する構造体を作製する。(A)弾性変形が可能な材料による被加工物の被加工面を少なくとも面内方向に弾性変形させる第1の弾性変形工程、(B)前記第1の弾性変形工程による変形状態の前記被加工面に、パターンを形成する第1のパターン形成工程、(C)前記被加工物を弾性変形前の定常状態に近づけ又は定常状態とすることにより、前記被加工面に前記第1のパターン形成時とはサイズあるいは形状の少なくとも一方が異なるパターンを形成する第2のパターン形成工程。
【選択図】図1
Description
本発明は、粒子パターンを形成した基板の延伸縮小による微細構造及びその製造方法に関する。
物体表面に微細な構造を作製する技術として、フォトリソグラフィー、電子線露光、X線露光、ナノインプリントリソグラフィー等といった手法が、従来より知られている。これらの手法のうち、例えば、ナノインプリントリソグラフィーは特許文献1等において開示されている。
また、上記以外の方法では、アルミニウム等の陽極酸化法や、分子自己組織構造を利用したボトムアップ手法による微細構造の形成法が知られている。例えば、アルミニウム等の陽極酸化法は特許文献2に、またボトムアップ手法による微細構造の形成法は特許文献3等に開示されている。一方、電子線露光装置やX線露光装置等で使用するマスクや基板を、ピエゾ素子によりパターン形成の面内方向に微小に変形させ、パターン形状の僅かなずれを補正する手法が、特許文献4、特許文献5等で提案されている。
また従来、金属の粒子パターンあるいはドットアレイパターンの形成は、各種微細加工技術単独あるいは2つ以上の組み合わせで行なわれている。各種微細加工技術は、紫外光や電子線を用いたリソグラフィとエッチング、金属やポリマー球状粒子の自己組織的配列、AFM/STM等の走査プローブ顕微鏡の探針を用いた粒子の配置、ブロック共重合ポリマーのミクロ相分離などで行なわれている。例えば、紫外光や電子線を用いたリソグラフィと、金属粒子の自己組織的配列法との組み合わせで、金属粒子を基板表面にパターン状に形成させる方法の先行技術として、特許文献6のようなものがある。この手法は、基板上に形成された有機コーティング膜にエネルギー線をパターン状に照射することで有機コーティング膜に化学反応基を形成し、その化学反応基、粒子表面の有機コーティング膜との間で化学結合を生じさせるものである。
一方、電子線露光装置やX露光装置等で使用するマスクや基板を、ピエゾ素子によりパターン形成の面内方向に微小に変形させ、パターン形状の僅かなずれを補正する手法が、特許文献7、特許文献8等で提案されている。
特開2005−101201号公報
特開2003−183888号公報
特開2000−251236号公報
特開平10−242033号公報
特許第3305188号公報
特開2003−168606号公報
特開平10−242033号公報
特許第3305188号公報
上記の従来例の電子線描画やイオンビーム描画のような直描技術では、微細な構造になる程パターン形成に要する時間が長くなってしまう。そのため、安価で且つ大量のパターン形成を必要とする場合は、露光用マスクやプレスモールドを直描技術等で精密に作製する。そして、それらをマスターとして、フォトリソグラフィーやナノインプリントリソグラフィーで一括して短時間に大量のパターンを形成するという手法が主流である。
しかしながら、これらのいずれの手法においても形成できる構造のサイズには限界がある。現在、最も微細な構造を作製することが出来る電子線露光においても、φ10nmの単一ドットを形成することはできるが、これをピッチ20nm以下に配列することは困難である。
また、上記の従来例のアルミニウム等の陽極酸化法や、分子自己組織構造を利用したボトムアップ手法による微細構造の形成法では、規則的な繰り返し構造を大面積に形成するには適している。したしながら、欠陥が多く、また任意の構造を形成することは困難であるため、磁気記録媒体などで要求される数インチスケールでの長周期秩序性、パターンの再現性には課題を有する。
また、前記特許文献6には、実施例としてガラス基板上に形成された不飽和アルキル基を有するクロロシラン化合物の単分子膜をパターン状にX線照射し、照射部の不飽和結合を励起し、粒子表面の単分子膜と結合させた実施結果が例示されている。しかしながら、上記先行技術には、エネルギー線照射部に十分に粒子が付着せず、欠陥が多いという課題があった。これは、不飽和結合基の励起状態は不安定であり、容易に基底状態へと失活するためである。
また、上記した従来例の特許文献7、特許文献8の手法では、ガラスや金属から成るマスク基板を変形させてパターン形状等を補正するものであり、延伸縮小率は1%にも満たない。したがって、このような手法を用いても、ナノメートルスケールの微細パターンを有する構造体を製造することは、不可能である。
本発明は、上記課題に鑑み、パターン精度・パターン制御性及び生産性に優れた粒子パターン形成方法用い、ナノメートルスケールの微細構造体を製造することが可能となる粒子パターンを有する微細構造およびその製造方法を提供するものである。
本発明の粒子からなるパターンを有する構造体の製造方法は、弾性変形が可能な材料から成る基板を少なくとも面内方向に弾性変形させる第1の工程と、第1の工程による変形状態にある前記基板表面に粒子によるパターンを形成する第2の工程と、前記第1の工程による弾性変形の変形倍率を変化することにより、前記基板上に前記第2の工程時とは粒子の配置が異なる構造を形成する第3の工程と、を有する構造体の製造方法である。
また、弾性変形が可能な材料から成る基板の表面に、粒子によるパターンを形成する第4の工程と、前記基板を弾性変形することにより、前記基板上に前記第4の工程時とは粒子の配置が異なる構造を形成する第5の工程と、を有する構造体の製造方法である。
また、第1及び第5の工程における前記基板の変形が、該工程の前後において相対的に、粒子を形成する面における面内方向の全方位に対して等しい割合で延伸するものであり、前記第3の工程における前記基板の変形は、粒子を形成する面における面内方向の全方位に対して等しい割合で縮小するものを含む。
また、第1及び第5の工程における前記基板の変形が、該工程の前後において相対的に、粒子を形成する面における面内方向のある1つ以上の方位における延伸と、異なる1つ以上の方位における縮小するものを含む。
また、塑性変形が可能な材料から成る基板の表面に、粒子によるパターンを形成する第6の工程と、前記基板を塑性変形することにより、前記基板上に前記第6の工程時とは粒子の配置が異なる構造を形成する第7の工程を含む。
また、本発明においては、サイズあるいは形状の少なくとも一方が異なる粒子パターンの形成において、互いに異なる周期を有する配列を形成することができる。
また、本発明においては、ある一方向における弾性乃至塑性変形の割合が、90%以下または110%以上とする構成も含む。
また、本発明においては、ある一方向における弾性乃至塑性変形の割合が、90%以下または110%以上とする構成も含む。
また、本発明においては、基板を1MPa以上20MPa以下の弾性率を有する材料によって構成することができる。その際、基板を架橋エラストマー、または熱可塑性エラストマーで構成することができる。
また、本発明においては、基板の表面形状を平面または曲面とすることができる。
また、本発明の別の骨子は、基板上に複数の粒子を有する構造体の製造方法であって、面内方向に収縮し得る基板を用意する工程1、該基板上に粒子配置用のパターンを設ける工程2、及び該工程2後、該基板を面内方向に収縮させてから、該基板上の該粒子配置用のパターンに関連した位置に、複数の粒子を配置するか、あるいは該工程2後、該基板上の該粒子配置用のパターンに関連した位置に、複数の粒子を配置してから、該基板を面内方向に収縮させる工程3を有することを特徴とする。
また、本発明の別の骨子は、基板上に複数の粒子を有する構造体の製造方法であって、面内方向に収縮し得る基板を用意する工程1、該基板上に粒子配置用のパターンを設ける工程2、及び該工程2後、該基板を面内方向に収縮させてから、該基板上の該粒子配置用のパターンに関連した位置に、複数の粒子を配置するか、あるいは該工程2後、該基板上の該粒子配置用のパターンに関連した位置に、複数の粒子を配置してから、該基板を面内方向に収縮させる工程3を有することを特徴とする。
上記本発明の骨子は、より具体的には、以下(1)から(3)の工程を有することになる。
(1)面内方向に収縮し得る基板を用意する工程、
(2)該基板に複数の粒子を配置するためのパターンを設ける工程、及び
(3)前記基板上のパターンを用いて複数の粒子を配置する工程、である。
(1)面内方向に収縮し得る基板を用意する工程、
(2)該基板に複数の粒子を配置するためのパターンを設ける工程、及び
(3)前記基板上のパターンを用いて複数の粒子を配置する工程、である。
前記(1)の工程は、外力を加えていない条件での基板に、面内方向に引っ張るように外力を加えて実現される基板でもよい(この場合、外力を解放することにより基板は収縮する)。
また、外力を加えていない条件での基板であって、熱などの影響により収縮する基板を用いることもできる。
また、前記パターンとは、粒子が(パターンの無い領域に比べて)接着し易い領域であったり、あるいは(パターンの無い領域に比べて)接着し難い領域である。前記(3)のパターンを用いて粒子を配置するとは、パターン上に粒子を配置する場合と、パターン上には粒子を配置しない両方の場合がある。
また、前記パターンとは、粒子が(パターンの無い領域に比べて)接着し易い領域であったり、あるいは(パターンの無い領域に比べて)接着し難い領域である。前記(3)のパターンを用いて粒子を配置するとは、パターン上に粒子を配置する場合と、パターン上には粒子を配置しない両方の場合がある。
更に、前記基板を拡大させた状態で粒子配置用のパターンを設け、拡大状態から縮小させた後、粒子を基板上に配置することができる。また、前記基板を拡大させた状態で、粒子配置用のパターンを設け、その状態で基板上に粒子自体を配置してもよい(その場合、粒子自体は、基板の変形に依存しない)。
上記(1)から(3)により、密度高く複数の粒子を配置できる。
本発明によれば、従来におけるパターン描画技術から形成される構造体に比して、それらよりも更に微細なナノメートルスケールの微細構造体を容易に得ることが可能となる。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態として、弾性変形をする材料からなる基板を延伸または縮小した後に、基板表面に粒子パターンを形成して、パターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
本発明の第1の実施の形態として、弾性変形をする材料からなる基板を延伸または縮小した後に、基板表面に粒子パターンを形成して、パターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
図1は、本発明の実施例1、実施例3における全方位へ均一延伸された被加工基板にパターンを形成した後、延伸前の定常状態に戻し、縮小されたパターン形状を形成する構成例を説明する図である。
まず、図1(a)の定常状態を有する基板表面2を、面内方向の全方位に対し均一に延伸して保持し、図1(b)のような変形後の基板4を得る。延伸方法は、例えば基板が平面状のシートであれば、機械的に引っ張っても良いし、基板を回転させて延伸しても良いし、風船のように空圧で延伸させても良い。
ここで、基板を形成する材料としては、弾性率が低く(1MPa以上20MPa以下程度)、ゴム弾性を有すると言われるものが適している。一般には、エラストマー(elastomer)と呼ばれるゴムのような弾力性の顕著な高分子材料が好ましい。エラストマーには、架橋エラストマー(天然ゴム及び合成ゴム加硫物)と熱可塑性エラストマーがある。これらは、弱い力でも非常に良く伸び、長さが5倍以上にも変形するが、力を解除すると直ちに元の形状に戻る。また、弾性率には一般に温度依存性がある。例えば、エラストマーには、スチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、塩ビ系(TPVC)、ウレタン系(PU)、エステル系(TPEE)、アミド系(TPAE)などがある。その中でも、架橋エラストマーとしてはガラス転移温度が室温以下のポリブタジエンやポリイソプレンなどがあり、これらは加温しても流動性は生じない。熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー(TPC)やスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体(SBS)などがある。これらは加温により流動性を示すため成型加工がし易いが、構造上熱可塑性プラスチックの要素をもっている。そのため、一般の架橋エラストマーと比較して永久ひずみが大きく、温度上昇によりゴム物性の低下が急激に進み、高温化では塑性変形を起こすことがある。
つぎに、変形状態を保ったまま、基板表面にオゾンアッシング処理や酸性溶液処理を施し、シランカップリング剤等の層を形成し、通常の光露光によりパターニングをし、露光部分に粒子パターン5を付着させ、粒子パターンを形成する。粒子パターンの形成法は、第2の実施の形態にて詳細に述べる。
つぎに、弾性変形の変形倍率を定常状態に近づけたり、或いは弾性変形状態を解除して基板表面を定常状態にする。これにより、上記の変形に伴ったパターン形状6が得られる。
一般には、ある方位の変形倍率が100%以上であれば、その方位のパターン形状は縮小し、100%以下であれば拡大する。なお、ここでの変形倍率とは、ある物体の変形前の長さに対する変形後の長さの割合を意味する。
本発明に適用し得る被加工物の変形倍率としては、外部からの力を解放した状態から絶対値で5%の変形をさせた場合に、破壊等しない材料であることが好ましい。より好適には、絶対値で10%以上の変形、更に好ましくは50%以上の変形に耐え得る材料である。
なお、上記した粒子とは、例えば、粒径が1μm以下の微粒子や、粒径が0.5nm以上500nm以下の微粒子である。より具体的には、粒径が10nmから50nmの範囲の金微粒子である。
基板上に当該微粒子によりパターンを作成する場合には、使用する粒径同士のバラツキは10%以内にしておくのが好ましい。センサとして用いる場合の精度を高めるためである。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態として、粒子パターンの製造方法について詳細に説明する。なお、本発明においては、粒子を平均粒径0.5nm以上500nm以下の粒子と定義する。
本発明の第2の実施の形態として、粒子パターンの製造方法について詳細に説明する。なお、本発明においては、粒子を平均粒径0.5nm以上500nm以下の粒子と定義する。
本発明におけるシランカップリング剤(B)は、露光前はチオール基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはスルホ基が光分解性保護基で保護されている構造を有するが、露光により前記官能基を発生する。
シランカップリング剤(B)は、具体的には、上記官能基含有シランカップリング剤のo−ニトロベンジルエーテルないしo−ニトロベンジルエステル、ベンゾインエーテルないしベンゾインエステルが好ましい。上記化合物は図7及び図8のように、露光により分解し、前記官能基を再生することが知られている。
より具体的には、下記の一般式(1)乃至(8)で表されるシランカップリング剤(B1)乃至(B8)が本発明では好ましく使用することができる。
シランカップリング剤(B1)は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
シランカップリング剤(B1)は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
(式中、Xは一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていても良いポリメチレン基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていても良いフェニレン基、または、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていても良いナフチレン基、あるいはこれら2価の基が複数結合された構造を有する2価の基である。R1、R2、R3のうち、少なくとも1つはアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかであり、その他はアルコキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、水素原子からなる群から選択される。R4は水素原子またはアルキル基である。R5、R6、R7、R8はニトロ基、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、一部または全ての水素原子がフッ素置換されたアルキル基またはアルコキシ基からなる群から選択される。)
シランカップリング剤(B2)は、下記一般式(2)で表される構造を有する。
(式中、X、R1からR8は式(1)と同義である。R9は水素原子またはアルキル基である。)
シランカップリング剤(B3)は、下記一般式(3)で表される構造を有する。
シランカップリング剤(B3)は、下記一般式(3)で表される構造を有する。
(式中、X、R1からR8は式(1)と同義である。)
シランカップリング剤(B4)は、下記一般式(4)で表される構造を有する。
シランカップリング剤(B4)は、下記一般式(4)で表される構造を有する。
(式中、X、R1からR8は式(1)と同義である。)
シランカップリング剤(B5)は、下記一般式(5)で表される構造を有する。
シランカップリング剤(B5)は、下記一般式(5)で表される構造を有する。
(式中、X、R1からR8は式(1)と同義である。)
シランカップリング剤(B6)は、下記一般式(6)で表される構造を有する。
シランカップリング剤(B6)は、下記一般式(6)で表される構造を有する。
(式中、X、R1からR3は式(1)と同義である。R10からR19は水素原子、フッ素原子、アルコキシ基またはチオアルコキシ基である。)
シランカップリング剤(B7)は、下記一般式(7)で表される構造を有する。
シランカップリング剤(B7)は、下記一般式(7)で表される構造を有する。
(式中、X、R1からR3は式(1)と同義である。R10からR19は式(6)と同義である。)
シランカップリング剤(B8)は、下記一般式(8)で表される構造を有する。
シランカップリング剤(B8)は、下記一般式(8)で表される構造を有する。
(式中、X、R1からR3は式(1)と同義である。R10からR19は式(6)と同義である。)
前記シランカップリング剤(B)は化学結合を介して基板上に固定化されることが好ましい。基板としては、シランカップリング剤(B)を固定化する表面にヒドロキシル基が生成していることが望ましい。
基板表面にヒドロキシル基を生成させるため、必要に応じて基板の前処理を行なう。前処理は、基板表面を酸性溶液または紫外線−オゾン雰囲気に曝露することにより行なう。酸性溶液としては、硫酸、塩酸、硝酸、過酸化水素等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよいが、硫酸及び過酸化水素の併用が好ましく、Si基板の前処理には特に硫酸及過酸化水素の併用が適している。酸性溶液による前処理の手段としては、例えば、塗布、スプレー、ディッピング等が挙げられる。
前記基板上にシランカップリング剤(B)を塗布及び加熱し、シランカップリング剤(B)層を形成する(図7(b))。シランカップリング剤(B)の塗布は、シランカップリング剤(B)単独の液体あるいはシランカップリング剤(B)を有機溶媒に溶解させた溶液を用い、浸漬法、スピン塗布、スプレー塗布、気相蒸着などで行なうことができる。本発明では浸漬またはスピン塗布が好ましい。シランカップリング剤(B)の塗布の後、適宜加熱して基板上のヒドロキシル基との反応を終結させることが好ましい。加熱は80乃至150℃で且つ基板が変形しない温度で行なう。以上の処理により、シランカップリング剤(B)の単分子層が形成される。
以上のようにして形成されたシランカップリング剤(B)層は通常、公知の露光装置を用い、パターン状に露光される(図7(c))。露光により、例えばシランカップリング剤(B2)の場合、図7のような光化学反応を生じ、露光部に選択的にアミノ基が発生する。例えばシランカップリング剤(B7)の場合、図8のような光化学反応を生じ、露光部に選択的にカルボキシル基が発生する。
露光用の放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等を適宜選択して使用することができるが、水銀灯光(波長436nm、365nm、254nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)が好ましい。また、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、F2エキシマレーザ光(波長157nm)、超遠紫外線(EUV、波長13nm)等の遠紫外線、電子線、あるいは近接場光が好ましい。これら放射線は1つまたは複数で使用できる。
前記露光により、露光部には基板に固定されたチオール基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはスルホ基がパターン状に発生する。本発明のシランカップリング剤(B)の光化学反応は不可逆な反応なので、露光部の化学活性基が失活することがない。なおかつ発生するチオール基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基およびスルホ基は化学的な活性が高いので、金属含有粒子(A)と迅速に、強固に結合する。また、未露光部においては、化学活性基が光分解性保護基で共有結合により保護されているので、金属含有粒子(A)との結合は生じ得ない。このように、本発明の粒子パターン形成方法を用いれば、露光部と未露光部のコントラストの高い粒子パターンを形成することができる。
なお、露光部には副生成物も生じているので、必要に応じて、露光が完了した前記基板を有機溶剤に浸漬し、副生成物を除去する。
露光が完了した前記基板を、金属原子含有粒子(A)が分散されたコロイド溶液に浸漬する。この工程により、金属原子含有粒子(A)が基板の露光部にのみ選択的に付着する(図7(d))。
露光が完了した前記基板を、金属原子含有粒子(A)が分散されたコロイド溶液に浸漬する。この工程により、金属原子含有粒子(A)が基板の露光部にのみ選択的に付着する(図7(d))。
前記金属原子含有粒子(A)が金粒子(A1)、金ナノロッド(A2)、磁気粒子(A3)または蛍光体粒子(A4)であるのが好ましい。
表面修飾されており、表面末端がマレイミド基となっている金属原子含有粒子(A)、表面修飾されており、表面末端がアミノ基となっている金属原子含有粒子(A)が好ましい。また、表面修飾されており、表面末端がカルボキシル基となっている金属原子含有粒子(A)または表面修飾されており、表面末端が無水カルボン酸となっている金属原子含有粒子(A)を用いるのが好ましい。
表面修飾されており、表面末端がマレイミド基となっている金属原子含有粒子(A)、表面修飾されており、表面末端がアミノ基となっている金属原子含有粒子(A)が好ましい。また、表面修飾されており、表面末端がカルボキシル基となっている金属原子含有粒子(A)または表面修飾されており、表面末端が無水カルボン酸となっている金属原子含有粒子(A)を用いるのが好ましい。
パターン状の放射線照射を、露光用光源の波長よりも狭い開口を有する遮光層を備えた露光用マスクから発生する近接場光を用いて行なうのが好ましい。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態として、弾性変形をする材料からなる基板に粒子パターンを形成した後に、基板表面を延伸または縮小してパターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
本発明の第3の実施の形態として、弾性変形をする材料からなる基板に粒子パターンを形成した後に、基板表面を延伸または縮小してパターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
延伸乃至縮小の変形形態を採ることができる。図2に示すように、基板表面2に粒子パターン5を形成し、基板1に延伸乃至縮小の変形をして、変形に伴ったパターン形状6を得るものである。
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態として、塑性変形をする材料からなる被加工物にパターンを形成した後に、被加工基板を延伸または縮小してパターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
本発明の第4の実施の形態として、塑性変形をする材料からなる被加工物にパターンを形成した後に、被加工基板を延伸または縮小してパターンを有する構造体を作製する構成例について説明する。
例えば、図5(a)に示すような塑性変形をする材料から成る基板1において、ある基板表面2上に粒子パターン5を形成する(図5(b))。次に、少なくとも被加工面に延伸乃至収縮が起こるような力を印加して塑性変形をし、図5(c)のような変形後の被加工基板と、それに伴ったパターン形状6を得る。
塑性変形により、被加工面内に均一な圧縮を起こすには、例えば、空圧や液圧等により球状の被加工基板に均一に圧力を印加する等の手法がある。基板としては、有機材料や無機材料で様々なものが適用できるが、均一に変形させるためには、表面は平滑であり且つ内部にはパターンよりも微細な細孔を均一な密度で有する物質が好ましい。また、加圧により分子構造が変化する結果として塑性変形を起こすような物質など(例えばプラスチックなど)が好ましい。
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態として、弾性変形をする材料の一部を基板とし、基板表面を延伸乃至縮小する。ある方位には延伸されていて、異なる方位には縮小されている場合も含む。この延伸乃至縮小状態を保ったまま治具に固定し、基板表面にレジストや塗布型ポリマーを塗布し、パターン形成層として薄膜を形成する。このとき、塗布材料は基板表面を侵さない材料であることが好ましい。次に、第2の実施の形態の手法で粒子パターンを形成する。
本発明の第5の実施の形態として、弾性変形をする材料の一部を基板とし、基板表面を延伸乃至縮小する。ある方位には延伸されていて、異なる方位には縮小されている場合も含む。この延伸乃至縮小状態を保ったまま治具に固定し、基板表面にレジストや塗布型ポリマーを塗布し、パターン形成層として薄膜を形成する。このとき、塗布材料は基板表面を侵さない材料であることが好ましい。次に、第2の実施の形態の手法で粒子パターンを形成する。
次に、基板を治具から外し、延伸乃至縮小状態を解除すると、その変形に伴ったパターンが形成される。パターンは基板に付着しているだけであるため、過度な延伸や縮小を行うと、剥離する恐れがある。そのため、基板表面と接する粒子パターンの断面積は、小さい方が剥離しにくい。
また、最終的に形成された粒子パターンを、別の基板に転写することも可能である。
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施の形態として、前記弾性体や塑性体に形成された粒子パターンを利用して、ウエハなどの別材料を加工する手法例について説明する。
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施の形態として、前記弾性体や塑性体に形成された粒子パターンを利用して、ウエハなどの別材料を加工する手法例について説明する。
第1の実施の形態に記載の方法で、弾性変形をする材料からなる基板表面を延伸し、基板表面に粒子パターンを形成し、延伸を解除して微細な粒子パターンを形成する。次に、表面に無電解メッキやスパッタ等の手法により、金属膜や有機膜を成膜し、前記弾性体からこれらの金属膜等を剥離して、新規な構造を作製することが出来る。また、これら粒子パターンをマスクとしてドライエッチング等の手法により任意基板を加工して、パターンを転写することも可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1
本発明の実施例1においては、基板の全方位への均一延伸と、粒子パターン形成技術とを組み合わせた、ナノスケールのパターンを有する構造体の製造方法について説明する。図1に、面内方向の全方位へ均一延伸された基板に粒子パターンを形成した後、延伸前の定常状態に戻し、粒子間の距離が縮小された粒子パターンを形成する構成例を説明する図を示す。
実施例1
本発明の実施例1においては、基板の全方位への均一延伸と、粒子パターン形成技術とを組み合わせた、ナノスケールのパターンを有する構造体の製造方法について説明する。図1に、面内方向の全方位へ均一延伸された基板に粒子パターンを形成した後、延伸前の定常状態に戻し、粒子間の距離が縮小された粒子パターンを形成する構成例を説明する図を示す。
弾性変形をする材料から成る基板1として、熱可塑性エラストマーのスチレン−イソプレンからなる重合体を使用する。これには、例えば、日本ゼオン社製QuintacR、また別の種のポリマーからなる熱可塑性エラストマーとして米国パイオニア社製QualatexR、等を用いることができる。この材料は、室温ではゴム弾性を示し、高温にすると徐々に軟化して蜂蜜状になる。
ここで、例えば、シリコーンエラストマーを厚さ100μm、直径3cmのシート状にして、面内方向に引張ると、長さは1割伸び、除荷すると元の形状に戻る。シート内部の密度、厚さ、周囲の温度分布が均一であれば、延伸方向に対し均一に形状変化する。
つぎに、図1を用いてその作製の手順を説明する。まず、シートの片面を基板表面2とし(図1(a))、変形の方位3のような向きの力を機械的に加え、面内方向の全方位に向けて均一に変形倍率を110%となるように延伸して、そのまま保持する(図1(b)、工程(1))。これを、変形後の基板4とする。
次に、粒子パターンの製造法について説明する。図7を参照する。まず前処理として、上記変形後の基板4を紫外線−オゾン雰囲気に暴露し、表面にヒドロキシル基を生成させる(図7(a))。延伸状態を保ったまま、この上にシランカップリング剤(B2)をスピンコート法により塗布し、シランカップリング剤の溶媒の揮発を促進させ、且つシリコーンエラストマー基板が変形しない温度(120℃)で加熱する(図7(b))。次に、公知の露光装置を用い、シランカップリング剤に所望のパターンを露光し、図7(c)のような光化学反応を起こし、露光部に選択的にアミノ基を生成させる。次に、この基板を金属原子含有粒子(A)が分散されたコロイド溶液に浸漬すると、露光部のみに金属原子含有粒子が付着する(図1(c)、図7(d))。
次に、延伸していた力を除荷して延伸前の形状に戻すと、粒子間の距離が縮まり、露光精度よりも小さな粒子パターンが得られる(図1(d))。この際、変形倍率を105%まで戻して、そのまま使用するようにしても良い。
以上の構成例とは逆に、拡大されたパターン形状を形成するようにしてもよい。図2は、定常状態の基板に粒子パターンを形成した後、基板を面内方向の全方位に均一に延伸することで、間隔の拡大した粒子パターンを形成する構成例である。
実施例2
以下、シランカップリング剤(B)と金属原子含有粒子(A)の具体的な組み合わせについて説明する。
以下、シランカップリング剤(B)と金属原子含有粒子(A)の具体的な組み合わせについて説明する。
シランカップリング剤(B1)のような、露光によりチオールを発生する化合物を使用した場合、図9及び図10に示すように、以下の粒子がよい。金属原子含有粒子(A)として金粒子(A1)や金ナノロッド(A2)、末端がマレイミド基となっている粒子を好ましく使用することができる。金原子とチオール基、またはマレイミド基チオール基は容易に反応し、強固な共有結合を形成することが知られている。
シランカップリング剤(B2)のような、露光によりアミノ基を発生する化合物を使用した場合、図11及び図12に示すように、以下の粒子がよい。金属原子含有粒子(A)として金粒子(A1)や金ナノロッド(A2)、末端がカルボキシル基や無水カルボン酸となっている粒子を好ましく用いることができる。金粒子(A1)や金ナノロッド(A2)は負に帯電しており、正に帯電するアミノ基と静電的結合を生じる。カルボキシル基とアミノ基はイオン結合で結合する。無水カルボン酸とアミノ基は室温で容易に反応してアミド結合を形成し、強固に結合する。
シランカップリング剤(B3)やシランカップリング剤(B6)のような、露光によりヒドロキシル基を発生する化合物を使用した場合、図13及び図14に示すように、以下の粒子がよい。金属原子含有粒子(A)として、末端がカルボキシル基や無水カルボン酸となっている粒子を好ましく用いることができる。カルボキシル基とヒドロキシル基は水素結合で結合する。無水カルボン酸とヒドロキシル基は室温で容易に反応してエステル結合を形成し、強固に結合する。
シランカップリング剤(B4)やシランカップリング剤(B7)のような、露光によりカルボキシル基を発生する化合物を使用した場合、以下のようになる。図15に示すように、金属原子含有粒子(A)として、末端がアミノ基となっている粒子を好ましく用いることができる。アミノ基とカルボキシル基はイオン結合で結合する。
シランカップリング剤(B8)のような、露光によりスルホ基を発生する化合物を使用した場合、図16に示すように、金属原子含有粒子(A)として、末端がアミノ基となっている粒子を好ましく用いることができる。アミノ基とスルホ基はイオン結合で結合する。
金属原子含有粒子(A)が基板の露光部に選択的に付着させた後、適切な処理を行なって、粒子を再配列させてもよい。再配列のための処理の例を以下に挙げる。
シランカップリング剤(B2)のような、露光によりアミノ基を発生する化合物を使用する。そして、露光部に金粒子(A1)を付着させた場合には、金粒子が帯電しているため、互いに反発しあい、コロイドが有する電荷量によって規定される距離だけ離れて存在している。
シランカップリング剤(B2)のような、露光によりアミノ基を発生する化合物を使用する。そして、露光部に金粒子(A1)を付着させた場合には、金粒子が帯電しているため、互いに反発しあい、コロイドが有する電荷量によって規定される距離だけ離れて存在している。
上記のような金粒子パターンを最密に再配列させるためには、「Chemical Communication, 1007(1997)」のような方法が知られている。上記基板をチオール溶液に浸漬すると、チオール基は金原子と結合しやすいため、基板上のアミノ基と金粒子との緩い静電的結合と置き換わって、金粒子表面はチオール分子で被覆される。チオールで被覆された金粒子は、基板上を拡散することが可能となり、ファンデルワールス力で金粒子が結合し合い、最密に再配列される。
実施例3
本発明の実施例3においては、弾性変形をする材料から成る被加工基板1の延伸に、機械的延伸を用いた実施例1に対して、空気圧を用いた構成例について説明する。
本発明の実施例3においては、弾性変形をする材料から成る被加工基板1の延伸に、機械的延伸を用いた実施例1に対して、空気圧を用いた構成例について説明する。
本実施例では、図1(b)に示す工程(1)において、空気圧を用いて延伸するように構成する。その際、被加工面の裏面をゴム製O(オー)リングでシーリングし、表面側の空気圧に対して裏面側の空気圧を上昇させる。これにより、表面側へ被加工基板1のシートが迫出し延伸される。ここで、延伸は被加工基板1の厚さ分布に依存し、薄い部位は厚い部位に比べ被加工面内方向の延伸が大きくなるため、シート密度や厚さは均一に作製することが好ましい。
実施例4
本発明の実施例4においては、基板の縦方向への延伸及び横方向への縮小と、パターン描画技術とを組み合わせた構成例について説明する。
本発明の実施例4においては、基板の縦方向への延伸及び横方向への縮小と、パターン描画技術とを組み合わせた構成例について説明する。
図3に、縦方向へ延伸され且つ横方向へ縮小された基板にパターンを形成した後、延伸前の定常状態に戻し、縮小されたパターン形状を形成する構成例を説明する図を示す。図1に示した構成と同様の構成には同一の符号を付し、重複する部分の説明は省略する。
つぎに、図3を用いてその作製の手順を説明する。まず、実施例1と同様の材料を使用し、サイズ1cm×3cm、厚さ100μmのシートを作製した(図3(a))。これを基板1とする。1cmの辺の方向をX方向、3cmの辺の方向をY方向とする。シートの片面を基板表面2とし、図3(b)に示すようにY方向に1.2倍の長さになるよう(変形倍率120%)機械的に延伸すると、形状変化に伴ってシート中心部のX方向には収縮が起こる。これを、変形後の基板4とする。実施例1と同様に、変形後の基板4の表面に粒子パターン5を形成し(図3(c))、除荷して定常状態に戻す(図3(d))。これにより、Y方向には粒子の間隔が約0.83倍に縮小され、且つX方向には拡大される。
実施例5
本発明の実施例5においては、基板の縦方向への1軸延伸及び横方向へのやや延伸と、パターン描画技術とを組み合わせた構成例について説明する。
本発明の実施例5においては、基板の縦方向への1軸延伸及び横方向へのやや延伸と、パターン描画技術とを組み合わせた構成例について説明する。
図4に、縦方向へ1軸延伸され且つ横方向へやや延伸された基板に粒子パターンを形成した後、延伸前の定常状態に戻し、粒子間の間隔が縮小されたパターン形状を形成する構成例を説明する図を示す。図3に示した構成と同様の構成には同一の符号を付し、重複する部分の説明は省略する。
図4を用いてその作製の手順を説明する。
本実施例においては、実施例4と同様の基板1を用いる(図4(a))。実施例3ではY方向のみに機械的に延伸したため、X方向へのパターン形状の収縮が起こる。これに対して、本実施例のように1軸のみにパターン形状の収縮を行いたい場合には、X方向への収縮を防ぐためにそれと同等の延伸をする必要がある。そのため、パターンを形成する付近の基板表面2において、基板の延伸がY方向のみになるように、図4に示す変位の方向3の荷重を印加することで、横方向へやや延伸させる(図4(b))。これを、変形後の基板4とする。実施例4と同様に、変形後の基板4の表面に粒子パターン5を形成し(図4(c))、除荷して定常状態に戻す(図4(d))。これにより、粒子間の距離がY軸方向に収縮しX方向には収縮も拡大もしないパターン6を得ることがきる。
本実施例においては、実施例4と同様の基板1を用いる(図4(a))。実施例3ではY方向のみに機械的に延伸したため、X方向へのパターン形状の収縮が起こる。これに対して、本実施例のように1軸のみにパターン形状の収縮を行いたい場合には、X方向への収縮を防ぐためにそれと同等の延伸をする必要がある。そのため、パターンを形成する付近の基板表面2において、基板の延伸がY方向のみになるように、図4に示す変位の方向3の荷重を印加することで、横方向へやや延伸させる(図4(b))。これを、変形後の基板4とする。実施例4と同様に、変形後の基板4の表面に粒子パターン5を形成し(図4(c))、除荷して定常状態に戻す(図4(d))。これにより、粒子間の距離がY軸方向に収縮しX方向には収縮も拡大もしないパターン6を得ることがきる。
実施例6
本発明の実施例6においては、塑性変形をする材料から成る被加工物として、アクリル樹脂からなる球を使用した構成例について説明する。
本発明の実施例6においては、塑性変形をする材料から成る被加工物として、アクリル樹脂からなる球を使用した構成例について説明する。
図5に、本実施例における塑性変形をする材料から成る基板として、アクリル樹脂からなる球を使用した構成例を示す。図2に示した構成と基本的に同様の機能を果たす構成には同一の符号を付し、重複する部分の説明は省略する。
図5を用いてその作製の手順を説明する。
本実施例においては、塑性変形をする材料から成る基板1として、アクリル樹脂からなる球基板を使用する。球の直径は1cmとする。基板(球基板)1内の密度や球の形状は均一であるほうが好ましい(図5(a))。
本実施例においては、塑性変形をする材料から成る基板1として、アクリル樹脂からなる球基板を使用する。球の直径は1cmとする。基板(球基板)1内の密度や球の形状は均一であるほうが好ましい(図5(a))。
次に、球基板1上のある部分を加工を施す表面2として、シランカップリング剤を塗布し、粒子パターン5を形成する(図5(b))。
次に、これを静水圧プレス機の水槽内に入れ、表面に均一に圧力を印加し、均一に塑性変形による圧縮が起こるように徐々に圧を増加する。これにより、粒子間距離が全方位に対し均一に縮小されたパターン形状6を得ることができる(図5(c))。
次に、これを静水圧プレス機の水槽内に入れ、表面に均一に圧力を印加し、均一に塑性変形による圧縮が起こるように徐々に圧を増加する。これにより、粒子間距離が全方位に対し均一に縮小されたパターン形状6を得ることができる(図5(c))。
実施例7
本発明の実施例7においては、基板に印加する機械的荷重による変形の方位により、パターン配列を変化させる構成例について説明する。
本発明の実施例7においては、基板に印加する機械的荷重による変形の方位により、パターン配列を変化させる構成例について説明する。
図6に、基板に印加する機械的荷重による変形の方位により、ピッチ・幅を共に減少させるようにした構成例を示す。図3に示した構成と同様の構成には同一の符号を付し、重複する部分の説明は省略する。
次に、図6を用いてその作製の手順を説明する。本実施例においては、実施例3と同様の弾性体の基板1を使用する。基板表面2上に、実施例3と同様の手法で粒子パターン5を形成する。粒子は球形のものを使用し、図6(a)のように正方格子状に配列する。図6(b)の3の矢印方向に機械的に荷重を印加すると、正方格子状に配列したパターンを三角格子状に配列変更することができる。電子線描画等において、同じ性能のビームを使用する場合には三角格子配列は正方格子配列と比較して作製が困難であるため、この問題を解消することができる。粒子の形状は不変であるため、パターンが基板に形成された円形凹構造や円形凸構造である場合には楕円形になってしまうが、ここでは球を使用しているため、変形しないパターンを得ることが出来る。
本発明は、従来におけるパターン描画技術から形成される構造体に比して、それらよりも更に微細なナノメートルスケールの微細構造体を得るのに利用することができる。
1 基板
2 基板表面
3 変位の方向
4 変形後の基板
5 粒子パターン
6 基板変形後の粒子パターン
7 シランカップリング剤
8 Si基板
2 基板表面
3 変位の方向
4 変形後の基板
5 粒子パターン
6 基板変形後の粒子パターン
7 シランカップリング剤
8 Si基板
Claims (23)
- 複数の粒子からなるパターンを有する構造体の製造方法であって、弾性変形が可能な材料から成る基板を少なくとも面内方向に弾性変形させる第1の工程と、前記第1の工程による変形状態にある前記基板表面に粒子によるパターンを形成する第2の工程と、前記第1の工程による弾性変形の変形倍率を変化することにより、前記基板上に前記第2の工程時とは粒子の配置が異なる構造を形成する第3の工程と、を有することを特徴とする構造体の製造方法。
- 複数の粒子からなるパターンを有する構造体の製造方法であって、弾性変形が可能な材料から成る基板の表面に、粒子によるパターンを形成する第4の工程と、前記基板を弾性変形することにより、前記基板上に前記第4の工程時とは粒子の配置が異なる構造を形成する第5の工程と、を有することを特徴とする構造体の製造方法。
- 前記第1及び第5の工程における前記基板の変形が、該工程の前後において相対的に粒子を形成する面における面内方向の全方位に対して等しい割合で延伸するものであり、前記第3の工程における前記基板の変形は、粒子を形成する面における面内方向の全方位に対して等しい割合で縮小するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の構造体の製造方法。
- 前記第1及び第5の工程における前記基板の変形が、該工程の前後において相対的に粒子を形成する面における面内方向のある1つ以上の方位における延伸と、異なる1つ以上の方位における縮小からなることを特徴とする請求項1または2に記載の構造体の製造方法。
- 複数の粒子からなるパターンを有する構造体の製造方法であって、塑性変形が可能な材料から成る基板の表面に、粒子によるパターンを形成する第6の工程と、前記基板を塑性変形することにより、前記基板上に前記第6の工程時とは粒子の配置が異なる構造を形成する第7の工程と、を有することを特徴とする構造体の製造方法。
- 前記変形による前記粒子の配置構造の変化は、前記変形前とは異なる周期を有する配列構造にすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の構造体の製造方法。
- 前記変形における、前記基板の前記面内方向の変形倍率は、前記変形前に対して前記変形後の大きさが、前記基板の変形可能な範囲において90%以下または110%以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載の構造体の製造方法。
- 前記基板が架橋エラストマーからなることを特徴とする請求項1乃至4、請求項7のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
- 前記基板が熱可塑性エラストマーからなることを特徴とする請求項1乃至4、請求項7のいずれか1項に記載の構造体の製造方法。
- 基板表面に粒子によるパターンを形成する工程は、基板上に、複数の金属原子含有粒子(A)を配して構成されるパターンを形成する方法であって、基板の最上面に光分解性保護基で保護されたチオール基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはスルホ基を有する有機材料層を積層する工程、前記有機材料層にパターン状に露光を行い、露光部にチオール基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはスルホ基を発生させる工程、及び前記露光部に金属原子含有粒子を配してパターンを形成する工程、を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかの項に記載の構造体の製造方法。
- 前記金属原子含有粒子(A)が互いに1nm以上の間隔で孤立していることを特徴とする請求項10記載の構造体の製造方法。
- 前記金属原子含有粒子(A)が、コロイド溶液を用いて配される請求項10または11記載の構造体の製造方法。
- 前記有機材料はアルコキシシリル基またはハロゲン化シリル基を含有するシランカップリング剤(B)である請求項10乃至12のいずれかの項に記載の構造体の製造方法。
- 前記シランカップリング剤(B)が、下記一般式(1)で表される構造を有するシランカップリング剤(B1)である請求項13記載の構造体の製造方法。
- 基板上に複数の粒子を有する構造体の製造方法であって、面内方向に収縮し得る基板を用意する工程1、該基板上に粒子配置用のパターンを設ける工程2、及び該工程2後、該基板を面内方向に収縮させてから、該基板上の該粒子配置用のパターンに関連した位置に、複数の粒子を配置するか、あるいは該工程2後、該基板上の該粒子配置用のパターンに関連した位置に、複数の粒子を配置してから、該基板を面内方向に収縮させる工程3を有することを特徴とする構造体の製造方法。
- 弾性変形状態を保持した弾性材料からなる基板上に、粒子から成るパターンが形成され、該基板表面の変形倍率を変化することによって、前記粒子の配置が変形することを特徴とする微細構造。
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JP2006075619A JP2007247034A (ja) | 2006-03-17 | 2006-03-17 | 基板上に複数の粒子を有する構造体の製造方法 |
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Cited By (2)
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JP2010277992A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-12-09 | Fujitsu Ltd | 導電性粒子及びその製造方法 |
JP2015137406A (ja) * | 2014-01-23 | 2015-07-30 | 岩谷産業株式会社 | 金属基材の表面処理方法、金属コード及び伝動ベルト |
-
2006
- 2006-03-17 JP JP2006075619A patent/JP2007247034A/ja active Pending
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