JP5459898B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。この実施形態における自動二輪車1は、車体フレーム2の前端部にヘッドパイプ3が取り付けられている。ヘッドパイプ3には操舵装置4が取り付けられ、操舵装置4に備えられたフロントフォーク5の下端部には前輪6が取り付けられている。車体フレーム2の下部には駆動ユニット9(エンジン7と変速機8)が搭載され、かつ後端側の下部には後輪10を支持するリアスイングアーム11がピボット軸12周りに回動可能に取り付けられている。なお、13は着座用のシート、14は燃料タンクである。
(1)調整溝37の周囲を、段差部40を設けて凹ませるようにしたため、固定ボルト39の頭部39Bをハンドルクラウン18から突出させずにすむ。したがって、固定ボルト39が無用な突出物となることを回避することができる。
(2)固定ボルト39の締め込みに際し、ハンドルクラウン18との間に高硬質のワッシャ48を介在させるようにしたため、締め込みによっても段差部40の底面を潰してしまう事態を回避することができる。
(3)固定ボルト39を挿通させる通し孔48Aを、ワッシャ48の端部寄りに配置し、表裏反転させて使用することによって、通し孔48Aを調整溝37の全長さ領域に亘って移動させることができる。したがって、ハンドル38の取り付け角度の調整範囲が大きく確保することができる。加えて、ワッシャ48自体も充分な長さ寸法をもって形成されることから、固定ボルト39の締め付け力を大きな面積をもって受けることができ、もって段差部40の底面の潰れを有効に回避することができる。
(4)固定ボルト39がねじ込まれるねじ受け部46が、ハンドル38の筒部42における一方のホルダー部44Aに配置されていることの意義は次の通りである。ハンドル38をフロントフォーク5に固定するべく、クランプボルト45を締め込むと、筒部42を構成する壁面の肉は割り溝43側へ向けての引張り力を受ける。このとき、仮に、ねじ受け部46が筒部42における割り溝43と反対側に配置されていると、クランプボルト45が締め込まれたときに、ねじ受け部46を設けた箇所において肉の伸びが阻害され、筒部42が真円に変形しない虞がある。しかし、ねじ受け部46を、筒部42のうち割り溝43に近い部位、という筒部42の伸び変形に影響を与えない箇所に設置することで、筒部42をできるだけ真円を保ったまま縮径変形させることができ、もってフロントフォーク5に対する固定状況を安定させることができる。
(5)調整溝37を、切欠き部32の車両前方に配置することによって次のような作用効果を発揮することができる。すなわち、切欠き部32は、前述したように、ハンドルクラウン18の剛性を適切に低め、自動二輪車が高速でコーナリングを行った場合に作用する横荷重を吸収しやすくする、という機能を有する。その場合において、切欠き部32の車両前方が調整溝37、段差部40という除肉された部位が設けられることで、切欠き部32の前方領域の剛性を適切に低下させている。調整溝37等を設けて剛性低下を生じさせた分だけ、切欠き部32の切り込み深さ(車両前後方向への切り込み長さ)を短くすることができる。その結果、ハンドルクラウン18の成形時において切欠き部37においてクラックあるいは「巣」を発生させたりする事態を有効に抑制することができる。
図7には本発明の実施形態2が示されている。実施形態2では、ワッシャ50の長さと通し孔50Aの形状を変更している。ワッシャ50は、段差部40の全領域に密着して適合する大きさに形成されている。通し孔50Aも、実施形態1と異なり、調整溝37と同一形状をもって形成され、調整溝37の全長さ範囲に亘って整合状態で連通するようにしてある。したがって、実施形態1と異なり、ハンドル38の取り付け位置の調整作業の際には、ワッシャ50を段差部40内で移動させる必要はない。固定ボルト39の軸部39Aを通し孔48A及び調整溝37に沿って移動させることで、ハンドル38の取付け角度を調整することができる。
他の構成は、実施形態1と同様であり、もって実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
5…フロントフォーク
6…前輪
16…ハンドル軸
18…ハンドルクラウン
21…(アッパ側)ハンドル軸挿通孔
22…(アッパ側)フォーク挿通部
32…切欠き部
37…調整溝
38…ハンドル
39…固定ボルト(取付け部材)
40…段差部
42…筒部
43…割り溝(割り部)
44A,44B…ホルダー部(他の取付け部)
45…クランプボルト(他の取付け部材)
46…ねじ受け部(取付け部)
48,50…ワッシャ
48A,50A…通し孔
Claims (7)
- 前輪を車幅方向に挟んで支持する左右一対のフロントフォークと、
車幅方向両端部に左右一対のフォーク挿通部を有し、この両フォーク挿通部に前記フロントフォークを挿通して、前記両フロントフォークの上端同士を連結するハンドルクラウンと、
前記両フォーク挿通部の下側に配置され前記フロントフォークに対し、その軸線周りに回動可能に挿通される筒部を有する左右一対のセパレート型ハンドルとを備え、
前記ハンドルクラウンには調整溝が長孔状に形成され、
前記筒部には径方向に沿って割り溝が切り入れられるとともに、この割り溝の開口縁部には前記割り溝を挟んで一対のホルダー部が径方向外方へ突出して形成され、かつ前記筒部は、前記一対のホルダー部のうち一方側から挿通され、他方側にねじ込まれるクランプボルトによって縮径可能となっており、
前記ホルダー部には、前記調整溝から挿通された固定ボルトがねじ込まれるねじ受け部が形成される一方、
前記ハンドルクラウンにおける車幅方向の中央部には、操向用のハンドル軸を挿通させるハンドル軸挿通孔が形成され、このハンドル軸挿通孔と前記フォーク挿通部との間にはハンドルクラウンの後縁から前方へ向けて切欠かれる切欠き部が形成され、
かつ前記調整溝は前記切欠き部の切欠き方向奥部より車両前方に位置しており、また前記切欠き部における車両前後方向に関する切り込み深さは、前記ハンドル軸挿通孔と前記フォーク挿通部の両中心同士を結ぶ線より車両前方であり、かつ前記フォーク挿通部の中心同士を結ぶ線より車両後方であることを特徴とする自動二輪車。 - 前記調整溝は、前記ハンドルクラウンにおいて前記フォーク挿通部と同心で貫通して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
- 前記ハンドルクラウンの上面には、前記調整溝を含みその周縁部周りに段差部が凹設され、この段差部内に少なくとも前記固定ボルトの頭部の一部が収容可能であることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
- 前記段差部内には、前記固定ボルトの軸部を挿通可能な通し孔が形成されたワッシャが嵌め入れられるとともに、前記ワッシャは前記ハンドルクラウンと等しいか、それよりも高硬度の材料によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の自動二輪車。
- 前記ワッシャは、前記段差部に嵌合可能な形状に形成されるとともに、前記通し孔は前記調整溝と連通可能な長孔状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の自動二輪車。
- 前記ワッシャは、前記段差部内を変位可能な大きさに形成されるとともに、前記通し孔は前記固定ボルトの軸部を挿通可能な円形に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の自動二輪車。
- 前記通し孔は前記ワッシャの端部側に配置され、
前記段差部は、両端部が対称の円弧状をなした長孔形状に形成され、
前記通し孔は、前記ワッシャを前記段差部の一方の端部に適合させたときに、前記調整溝の一方の端部に整合し、前記ワッシャを表裏反転させた状態で前記段差部の長さ方向における他方の端部に適合させたときに、前記調整溝の他方の端部に整合することを特徴とする請求項6に記載の自動二輪車。
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