JP5459869B2 - ガラス繊維積層板に適用される高いガラス転移温度を有する新規なワニス組成物 - Google Patents

ガラス繊維積層板に適用される高いガラス転移温度を有する新規なワニス組成物 Download PDF

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Description

本発明は新規なワニス(Varnish;以下同じ)組成物に関し、特に、ガラス繊維積層板の製造工程において、新規なワニス組成物をガラスクロスに含浸させ、べーキングや乾燥などの工程によりガラス繊維プリプレグ(prepreg;以下同じ)を作成し、当該プリプレグと銅箔を加圧することによりガラス繊維積層板を製造するのに適用される、新規なワニス組成物に関するものである。
二官能性臭化エポキシ樹脂は、従来から広く使用されてきた成熟した化製品である。当該製品は長期的に渡って最適に整調するように鋭意検討がなされてきた。臭化エポキシ樹脂を用いたガラス繊維積層板は、機械的特性、電気特性や寸法安定性など物性がよく、ガラス繊維、銅箔などの材料に対する接着性にも優れているので、電子や航空宇宙分野などの産業上において汎用されている。しかし、ハロゲンは高温になると、人体や環境に対する有害物質として分解され、環境負荷になるため、ハロゲン含有樹脂基板の使用は制限されるようになってきた。使用制限に最も積極的である欧州連合(EU)では、2006年にWEEE指令(Directive on the Waste Electronics and Electrical Equipment,電気・電子機器の廃棄に関する欧州議会及び理事会指令)やRoHS指令(Directive on the Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment,電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令)を実施している。また、鉛フリーはんだの場合、鉛フリーはんだを用いてパッケージや実装のためのはんだ付けを行う溶接工程において、比較的高いソルダー温度(220℃から260℃)が必要なので、従来の二官能性臭化エポキシ樹脂から作製されたガラス繊維積層板の物性では対応できない。そこで現状では、多官能性ノボラック型エポキシ樹脂やノボラック型樹脂を配合することにより、鉛フリーはんだの工程に必要なガラス転移温度(Temperature of glass transition,Tg)まで到達できるように耐熱性を向上させている。なお、ハロゲンフリー基板として、ガラス繊維積層板のガラス転移温度や耐熱性を向上させるために、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(9,10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide,DOPO、以下同じ)とフェノールノボラック型エポキシ樹脂の重合体、またはDOPOとオルト位のメチルフェノールノボラック型エポキシ樹脂の重合体に、ジシアンジアミド(Dicyandiamide,Dicy)樹脂硬化剤やフェノールノボラック型樹脂のような多官能ノボラック型樹脂硬化剤を配合して使用する割合が高くなっている。
印刷配線板の材料特性は、ガラス繊維積層板の主な3種類の組合せの材料である(1)エポキシ樹脂(2)充填材(3)補強材によって左右されている。また、基板には、ガラス転移温度(Tg)や耐熱温度の向上、並びに熱膨張係数(coefficient of thermal expansion,CTE)の低下などの物性が求められている。エポキシ樹脂系の現状は、多官能性ノボラック型エポキシ樹脂により前記基板物性の改善を図ることが通常となっている。例えば、南亜プラスチック社製のテトラフェノール基エタンノボラック型エポキシ樹脂(商品名NPPN−431)とフェノール硬化剤とガラスクロス(ガラスの等級はE glass)からなるFR−4基板は、そのガラス転移温度が180℃(熱機械的分析装置)であって、耐熱性がはんだ槽288℃において10分間以上に達するが、これ以上のガラス転移温度や耐熱性を求めようとする高機能化基板材である場合、多官能性ノボラック型エポキシ樹脂だけでは、このような高機能化基板材が要求する高いガラス転移温度(Tg)や高耐熱性に対応するのに不充分である。
印刷配線板のコンパクト化に対応するために、使用されるガラス繊維積層板材も更なる高いガラス転移温度、低熱膨張係数、高い耐熱性が求められている。特に、新世代集積回路搭載板のような一部の特別な分野においては、ガラス転移温度(Tg)、低熱膨張係数、高い耐熱性など基板物性への要求も高いものになっている。しかし、現在市販されている殆どの多官能性ノボラック型エポキシ樹脂はこのような要求に対応できず、適用できるものとは言い難い。また、環境負荷に関する法規の制定による鉛とハロゲンの使用禁止は印刷配線板の産業にも影響を及ぼしており、鉛フリー工程に変換することでプロセス温度が高くなり、これにより、材料の信頼性に影響を与える可能性がある。また、ハロゲンフリーにすることで、板材のガラス転移温度(Tg)の低下や吸湿率の上昇などの欠点をもたらしている。特に、吸湿率の上昇は基板の耐熱性に悪影響を及ぼし、板材の信頼性にとって厳しい状況となる。よって、如何にしてハロゲンフリー基板のガラス転移温度を向上させ、吸湿率を低下させるかが当業者にとっての重大な課題となっている。
本発明は、かかる課題を解決すべく、成分(一):対称的な分子構造を有するベンゾキサジン(Benzoxazine;以下同じ)樹脂、及び成分(二):何れか1種類または多種類のナフトール型、アニリン型、フェノール型樹脂、並びに成分(三):充填剤や適量な難燃剤、硬化促進剤、溶媒からなる新規なワニス組成物において、成分(一)の新規なベンゾキサジン樹脂が、対称的な分子構造を有するとともに三官能性樹脂単量体または四官能性樹脂単量体を高い比率で含む分子構造を有する新規なワニス組成物を提供する。
本発明に係る新規なベンゾキサジン樹脂を用いた新規なワニス組成物により作製されたガラス繊維積層板によると、ガラス繊維積層板の熱膨張係数を低下させ、ガラス繊維積層板のガラス転移温度を高くさせることができ、ハイエンド製品が要求するコンパクト化に対応することができる。なお、ガラス繊維積層板の含浸、加圧等の製造工程や製造条件、及び下流の配線板の製造工程や製造条件を変更することなく、既存の加工設備や加工条件において製品を効率よく製造することができる。
本発明に係るワニス組成物は、成分(一):対称的な分子構造を有するベンゾキサジン(Benzoxazine;以下同じ)樹脂;及び、成分(二):例えば何れか1種類または多種類のナフトール型、アニリン型、フェノール型樹脂である硬化剤を含み、必要に応じて、成分(三):充填剤や適量な難燃剤、硬化促進剤、溶媒から選択されるものを更に含んでもよい。その内、成分(一)の使用量は、樹脂総量(成分(一)と成分(二)のトータル)に対して60乃至95重量%(wt%;以下同じ)であって、成分(二)の使用量は、樹脂総量に対して5乃至40重量%である。
その中、成分(一)のベンゾキサジン樹脂は、高い比率の三官能性樹脂単量体または高い比率の四官能性樹脂単量体を含む複素環構造を有するとともに、樹脂の分子が小さくて対称的な構造であるという特徴を持つので、成分(一)のベンゾキサジン樹脂から作製されたガラス繊維積層板は、高いガラス転移温度(Tg)、低熱膨張係数(CTE)、高い耐熱安定性などの優れた物性を持つ基板となり、集積回路搭載板に適用される。
対称的な分子構造を有するベンゾキサジン樹脂
成分(一)のベンゾキサジン樹脂は、下記工程1〜4に従い作製することが出来る。
1.p-ヒドロキシベンズアルデヒド(Para-hydroxybenzaldehyde)、4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンズアルデヒド(2,6-Dimethyl-4-hydroxybenzaldehyde)、サリチルアルデヒド(Salicylaldehyde)などのフェノールヒドロキシ基を有する芳香族アルデヒド類化合物(A)を、フェノール、m-クレゾールなどのフェノール類化合物(B)と反応させることで、高い対称型構造であって高い比率の三官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(C)を合成する。
2.グリオキサール(Glyoxal)、テレフタルジカルボキシアルデヒド(Terephthaldicarboxaldehyde)などの対称型ビスアルデヒドを有するアルデヒド類化合物(A)を、フェノール、m-クレゾールなどのフェノール類化合物(B)と反応させることで、高い対称型構造であって高い比率の四官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(D)を合成する。
3.高い比率の三官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(C)と、ホルムアルデヒド、アニリン(Aniline)、p-トルイジン(p-Toluidine)、3,5-ジメチルアニリン(3,5-Dimethyl aniline)などの第1級アミン類化合物(E)とを脱水環化反応することで、本発明の成分(一)であるベンゾキサジン樹脂(F1)を作成する。
4.高い比率の四官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(D)と、ホルムアルデヒド、アニリン(Aniline)、p-トルイジン(p-Toluidine)、3,5-ジメチルアニリン(3,5-Dimethyl aniline)などの第1級アミン類化合物(E)とを脱水環化反応することで、本発明の成分(一)であるベンゾキサジン樹脂(F2)を作成する。
高い比率の三官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(C)の合成
反応物として、アルデヒド類化合物であるテレヒドロキシベンズアルデヒド8乃至20重量%と、フェノール類化合物であるフェノール80乃至95重量%とを、フェノール/アルデヒドがモル比=10乃至20の範囲内になるように60〜100℃で溶解・混合し、酸性触媒(例えばメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素、三フッ化アルミニウムが挙げられる)の存在下、3乃至4時間縮合反応をさせることで、高い比率の三官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography,GPC;以下同じ)分析を行った結果、得られたクロマトグラムは、三官能性樹脂単量体が占める比率は70面積パーセント(Area%;以下同じ)を超えており、残りの30面積パーセント未満の部分は樹脂繰り返し単位の数が1〜4であるノボラック型樹脂であることが確認された。
三官能性樹脂単量体は下記[化1]で表される構造を持つものである。
Figure 0005459869
[化1]に示す化学式においてR1はH又はCHを示す。
高い比率の四官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(D)の合成
反応物として、アルデヒド類化合物であるグリオキサール5乃至20重量%と、フェノール類化合物であるフェノール80乃至95重量%とを、フェノール/アルデヒドがモル比=10乃至30の範囲内になるように60〜100℃で溶解・混合して、酸性触媒(例えばメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素、三フッ化アルミニウムが挙げられる)の存在下、3乃至5時間、縮合反応をさせることで、高い比率の四官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析を行った結果、得られたクロマトグラムは、四官能性樹脂単量体が占める比率は70面積パーセントを超えており、残りの30面積パーセント未満の部分は樹脂繰り返し単位の数が1〜4であるノボラック型樹脂であることが確認された。
四官能性樹脂単量体は下記[化2]で表される構造を持つものである。
Figure 0005459869
[化2]に示す化学式においてR2はH又はCHを示し、Xは、下記[化3]に示す構造のいずれか(単結合又はフェニル基)を示す。
Figure 0005459869
高い比率の三官能性樹脂単量体を含むベンゾキサジン樹脂(F1)の合成
高い比率の三官能性単量体を含むノボラック型樹脂(C)と、ホルムアルデヒドと、アニリン化合物であるアニリンと、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(propylene glycol monomethyl ether,PM、以下同じ)とを、モル比が1:2.1:1になるように仕込み、70乃至100℃で脱水環化反応を行うことで、ベンゾキサジン樹脂(F1)を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析を行った結果、得られたクロマトグラムにおいて、生成物の三官能性樹脂単量体が占める比率は60面積パーセント以上であると確認された。
三官能性ベンゾキサジン樹脂単量体は下記[化4]で表される構造を持つものである。
Figure 0005459869
[化4]に示す化学式においてR1はH又はCHを示し、R3は、下記[化5]に示す構造のいずれかを示す。
Figure 0005459869
高い比率の四官能性樹脂単量体を含むベンゾキサジン樹脂(F2)の合成
高い比率の三四官能性単量体を含むノボラック型樹脂(D)と、ホルムアルデヒドと、アニリン化合物であるアニリンと、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルとを、モル比が1:2.1:1になるように仕込み、70乃至100℃で脱水環化反応を行うことで、ベンゾキサジン樹脂(F2)を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析を行った結果、得られたクロマトグラムにおいて、生成物の四官能性樹脂単量体が占める比率は60面積パーセント以上であると確認された。
四官能性ベンゾキサジン樹脂単量体は下記[化6]で表される構造を持つものである。
Figure 0005459869
[化6]に示す化学式においてR2はH又はCHを示し、R3は、下記[化7]に示す構造のいずれかを示し、Xは下記[化8]に示す構造のいずれか(単結合又はフェニル基)を示す。
で表される構造を持つものである。
Figure 0005459869
Figure 0005459869
を示す。
合成例を下記に説明する。
高い比率の三官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(C)の合成
工程:マントルヒーター、温度制御機器、電動攪拌機、冷却管を取り付けた2L四口フラスコ反応槽に、テレヒドロキシベンズアルデヒド274.5gと、フェノール3172.5gとを仕込み、60℃にて溶解させ混合し、触媒としてメタンスルホン酸43.2gを添加した後、70℃まで昇温して3時間反応させた。その後、水酸化ナトリウム(Sodium hydroxide,NaOH)で中和し、フェノールを真空下で除去した。続いて、溶媒としてメチルイソブチルケトン(Methyl Isobutyl Ketone,MIBK,以下同じ)と水を添加して水洗を行い、水を除去してから溶媒であるメチルイソブチルケトンを真空下で除去して、高い比率の三官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(C)を得た。
前記樹脂(C)の合成例において、アルデヒド類化合物は、通常、テレヒドロキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等を使用することができるが、テレヒドロキシベンズアルデヒドを使用するのが特に好ましい。
原料であるフェノール類化合物は、通常、フェノール、m-クレゾール等を使用することができるが、フェノールを使用するのが最も好ましい。
高い比率の四官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(D)の合成
工程:マントルヒーター、温度制御機器、電動攪拌機、冷却管を取り付けた2L四口フラスコ反応槽に、グリオキサール(40wt%水溶液)135gとフェノール2188gを仕込み、70℃にて溶解させ混合し、触媒としてメタンスルホン酸3gを添加した後、98℃まで昇温して3.5時間反応させた。その後、水酸化ナトリウム(NaOH)で中和し、フェノールを真空下で除去した。続いて、溶媒としてメチルイソブチルケトンと水を添加して水洗を行い、水を除去してから溶媒であるメチルイソブチルケトンを真空下で除去して、高い比率の四官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(D)を得た。
前記樹脂(D)の合成例において、原料であるアルデヒド類化合物は、通常、グリオキサール、テレフタルジカルボキシアルデヒド等を使用することができるが、グリオキサールを使用するのが特に好ましい。
原料であるフェノール類化合物は、通常、フェノール、m-クレゾール等を使用することができるが、フェノールを使用するのが最も好ましい。
高い比率の三官能性樹脂単量体を含む新規なベンゾキサジン樹脂(F1)の合成:
工程:マントルヒーター、温度制御機器、電動攪拌機、冷却管を取り付けた2L四口フラスコ反応槽に、反応物として、高い比率の三官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(C)350gと、ポリホルムアルデヒド246gとを仕込み、プロピレングリコールモノメチルエーテル816gの溶媒存在下で、85℃にて反応物を充分溶解させ、アニリン334.4gを定量ポンプで反応槽に定速滴下し、85℃にて3時間滴下し反応させた。滴下が完了した後、85℃の温度を維持しながら2時間熟成させて、続いて105℃まで昇温し、水と一部の溶媒を除去することで、固形分が56重量%で含有されたベンゾキサジン樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析を行った結果、得られたクロマトグラムにおける三官能性樹脂単量体が占める比率は60面積パーセント以上であることが確認された。
高い比率の四官能性樹脂単量体を含む新規なベンゾキサジン樹脂(F2)の合成
工程:マントルヒーター、温度制御機器、電動攪拌機、冷却管を取り付けた2L四口フラスコ反応槽に、反応物として、高い比率の四官能性樹脂単量体を含むノボラック型樹脂(D)200gと、ポリホルムアルデヒド124.5gとを仕込み、プロピレングリコールモノメチルエーテル467gの溶媒存在下で、85℃にて反応物を充分溶解させ、アニリン169gを定量ポンプで反応槽に定速滴下し、85℃にて3時間滴下し反応させた。滴下が完了した後、85℃の温度を維持しながら2時間熟成させて、続いて105℃まで昇温し、水と一部の溶媒を除去することで、固形分が56重量%で含有されたベンゾキサジン樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析を行った結果、得られたクロマトグラムにおける四官能性樹脂単量体が占める比率は60面積パーセント以上であることが確認された。
前記(F1)と(F2)を合成する合成例において、対称型ベンゾキサジンを作成する工程に用いられるアルデヒド類化合物は、反応後に複素環構造を形成することを考慮して適当に選択すればよいが、ホルムアルデヒドを使用することが特に好ましい。アミン類化合物は、第1級アミン類から適当に選択すればよいが、アニリンを使用する事が特に好ましい。
硬化剤
成分(二)の硬化剤として本発明に係るワニス組成物に用いられることができる硬化剤の例としては、(1)ナフトール型ノボラック樹脂(Naphthol type novolac resin)として、例えば、2,7-ジヒドロキシナフタレン(2,7-dihydroxynaphthalene)とホルムアルデヒドから合成された四官能性ヒドロキシナフトール樹脂や、2,7-ジヒドロキシナフタレン、β-ナフトール(β-Naphthol)とホルムアルデヒドから合成された三官能性ヒドロキシナフトール樹脂や、ビスヒドロキシナフトールが挙げられ、(2)アニリン型ノボラック樹脂(Aniline type novolac resin, AN)として、例えばアニリンとホルムアルデヒドから合成されたアニリン型樹脂や、4,4-ジアミノジフェニルメタン(Diamino Diphenyl Methane, DDM)などが挙げられ、(3)フェノール型ノボラック樹脂として、フェノールとホルムアルデヒドから合成された樹脂(Phenolic novolac resin, PN)や、アミノトリアジンノボラック樹脂(Amino Triazine novolac resin,ATN)や、ビスフェノールA型ノボラック樹脂(Bisphenol A novolac resin,BN)やテトラフェノールエタン型ノボラック樹脂(Tetra phenyl ethane novolac resin, TPE)、トリフェノールメタン型ノボラック樹脂が挙げられる。
前記成分(二)の樹脂を硬化剤として使用する場合、硬化剤樹脂の使用量がベンゾキサジン樹脂に対して、好ましくは重量比値が乾量基準で0.05乃至0.5であって、最も好ましくは重量比値が乾量基準で0.1乃至0.3である。
充填剤
成分(三)の充填剤として本発明に係るワニス組成物に用いられることができる充填剤の例としては、シリカ、酸化*、石英粉、硫酸バリウム、アルミナ等が挙げられ、好ましくはシリカである。前記充填剤は単独または2種類以上を併用してもよい。その使用量は樹脂総量100質量部(ベンゾキサジン樹脂(一)+硬化剤(二))に対して80乃至200質量部(PHR;100部に対する質量部で、以下同じ)であって、好ましくは100乃至120質量部である。
難燃剤
本発明に係るワニス組成物には、難燃剤を更に含むことができる。難燃剤の例としては、リン含有有機難燃剤や、DOPO(9,10-Dihydro-9-Oxa-10-Phosphaphenanthrene-10-Oxide;以下同じ)、DOPO-Hydroxyquinone(DOPO-HQ)等のようなリン系樹脂が挙げられる。
硬化促進剤
本発明に係るワニス組成物には、硬化促進剤を更に含むことができる。硬化促進剤の例としては、第3級ホスフィン、第3級アミン、第4級ホスホニウム塩(第4級リン酸塩)、第4級アンモニウム塩、イミダゾール(imidazole;以下同じ)化合物が挙げられる。その内、第3級ホスフィンとしてトリフェニルホスフィンが例示され、第3級アミンとしてトリメチルアニリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が例示され、第4級ホスホニウム塩としてテトラブチル臭化ホスホニウム、テトラフェニル臭化ホスホニウム、エチルトリフェニル臭化ホスホニウム等のハロゲン化第4級ホスホニウムが例示され、第4級アンモニウム塩としてテトラメチル臭化アンモニウム、テトラエチル臭化アンモニウム、テトラブチル臭化アンモニウム等のハロゲン化第4級アンモニウムが例示され、イミダゾール化合物として2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-エチル-4-ヒドロキシメチルイミダゾール等が例示されるが、中でも、2-メチルイミダゾールや2-エチル-4-メチルイミダゾールが特に好ましい。前記硬化促進剤は単独または2種類以上を併用してもよい。
有機溶媒
本発明に係るワニス組成物には、有機溶媒を更に含むことができる。有機溶媒の例としては、有機芳香族系溶媒、プロトン性溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒やエステル系溶媒が例示される。適用される溶媒として、N,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethyl formamide)、アセトン(acetone)、メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が好ましい。有機溶媒は、ガラス繊維積層板の製作をスムーズに行うよう成分(一)、成分(二)を溶解させ均一に混合する効果や、ワニス粘度の調整を行う機能が働く。
本発明に係るワニス組成物を使用してガラス繊維積層板を製作するための具体的なプロセスは、下記のような工程を含む。
工程1: 上記のように、成分(一)である対称的な分子構造を有するベンゾキサジン樹脂及び成分(二)である硬化剤並びに成分(三)である充填剤と、難燃剤と、硬化促進剤と、有機溶媒を均一に混合することにより、ベンゾキサジンワニス組成物を調製する。その中、成分(一)であるベンゾキサジン樹脂の使用量は、樹脂総量(成分(一)と成分(二)のトータル)に対して60乃至95重量%である。成分(二)である硬化剤の使用量は、樹脂総量(成分(一)と成分(二)のトータル)に対して5乃至40重量%である。成分(三)である充填剤の使用量は樹脂総量100質量部(成分(一)と成分(二)のトータル)に対して80乃至200質量部であって、難燃剤の使用量は樹脂総量100質量部(成分(一)と成分(二)のトータル)に対して0乃至30質量部であって、硬化促進剤の使用量は成分(一)100質量部に対して0.01乃至1質量部であって、有機溶媒の使用量は樹脂総量100質量部(成分(一)と成分(二)のトータル)に対して30乃至60質量部である。
工程2:工程(1)で調製されたワニス組成物中にガラスクロスを1〜3分間浸漬して、ワニス組成物が含浸されたガラスクロスを170℃のオーブンに入れて2〜5分間加熱して有機溶媒を乾燥除去した。ガラスクロスをオーブンから取り出し放置冷却することにより、プリプレグが得られる。
工程3:工程2で得たプリプレグを複数枚積み重ねて積層シートとし、当該積層シートの片面または両面に銅箔を重ねて加熱圧着装置(thermal press)に投入する。加熱・加圧してガラス繊維積層板を硬化成形させることにより、各種の優れた特性を具備したガラス繊維積層板が得られる。
本発明に係るワニス組成物の硬化温度は100乃至300℃であって、好ましくは150乃至210℃である。硬化温度を低くすると、硬化速度が遅くなり硬化時間を長くする必要があるので、生産効率が低下してしまう。また、硬化温度を高くすると、樹脂の熱分解を起こし、ガラス繊維積層板の物性を損なってしまうおそれがある。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例と比較例に使用された符号や成分はそれぞれ下記のものを示す。
樹脂F1:本発明に係る高い比率の三官能性単量体樹脂を含むベンゾキサジン樹脂。
樹脂F2:本発明に係る高い比率の四官能性単量体樹脂を含むベンゾキサジン樹脂。
樹脂1:南亜プラスチック社製のテトラフェノールエタンノボラック型エポキシ樹脂であって、商品名NPPN−431で、エポキシ当量は200〜220g/eqであって、固形分は69乃至71重量%である。
樹脂2:大日本インキ化学工業社製の四官能性ナフタレン系エポキシ樹脂であって、商品名EXA―4700で、エポキシ当量は150乃至170g/eqである。
樹脂3:南亜プラスチック社製のビスフェノールA型ベンゾキサジン樹脂であって、商品名NPEX―230である。
硬化剤1:南亜プラスチック社製のテトラフェノールエタンノボラック型樹脂であって、商品名TPNである。
硬化剤2:南亜プラスチック社製の2,7-ジヒドロキシナフタレン、β-ナフトールとアルデヒドから合成された三官能ヒドロキシナフタレン系ノボラック型樹脂である。
硬化剤3:4,4-ジアミノジフェニルメタン(Diamino Diphenyl Methane,DDM)であって、窒素含有量14.1%である。
硬化剤4:アミノトリアジンノボラック樹脂であって、軟化点80〜85℃で、窒素含有量5〜20%である。
難燃剤1:大塚化学株式会社製のリン含有難燃剤であって、リンの含有量13.4%であって、商品名SPB―100。
硬化促進剤1:2-メチルイミダゾール(2MI)14.2gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)85.8gに溶解した2-メチルイミダゾール(2-Methyl Imidazole,2-MI)溶液。
充填剤1:シリカ(SiO2)充填剤。
ガラスクロス:南亜プラスチック社製のガラスクロス7628(ガラスの等級はE glass)。
実施例1
対称型で高い比率の三官能性単量体樹脂を含むベンゾキサジン樹脂F1乾量基準重量45.5 partsに、硬化剤1乾量基準重量4.5 partsと、充填剤1乾量基準重量60 partsを配合し、溶媒で固形分が50%になるように調整されたワニス組成物を作成した。(組成物の配合組成を下記[表3]に示す。)続いて、下記の公知方法によりガラス繊維積層板を作製した。ガラスクロス7628に前記ワニス組成物を含浸させ、170℃(含浸装置温度)にて数分間乾燥し、乾燥後のプリプレグの溶融粘度が8000乃至12000poiseの範囲内になるように乾燥時間を調整・制御した。そして、4枚のプリプレグを積み重ねて積層シートとし、当該積層シートを厚さ35μmの2枚の銅箔の間に挟み、330kg/cm2の圧力下で昇温を制御しながら加熱圧着することにより、銅張りガラス繊維積層板を作製した。なお、昇温を制御する工程は下記[表1]の通りである。
Figure 0005459869
実施例2
対称型で高い比率の三官能性単量体樹脂を含むベンゾキサジン樹脂F1乾量基準重量45.5 partsに、硬化剤2乾量基準重量4.5 partsと、充填剤1乾量基準重量60 partsを配合する以外に、実施例1と同様にして銅張りガラス繊維積層板を作製した。組成物の配合組成を下記[表3]に示す。
実施例3
対称型で高い比率の三官能性単量体樹脂を含むベンゾキサジン樹脂F1乾量基準重量45.5 partsに、硬化剤3乾量基準重量4.5 partsと、充填剤1乾量基準重量60 partsを配合する以外に、実施例1と同様にして銅張りガラス繊維積層板を作製した。組成物の配合組成を下記[表3]に示す。
実施例4
対称型で高い比率の三官能性単量体樹脂を含む新規なベンゾキサジン樹脂F1乾量基準重量45.5 partsに、硬化剤4乾量基準重量4.5 partsと、充填剤1乾量基準重量50 partsを配合する以外に、実施例1と同様にして銅張りガラス繊維積層板を作製した。組成物の配合組成を下記[表3]に示す。
実施例5
対称型で高い比率の四官能性単量体樹脂を含むベンゾキサジン樹脂F2乾量基準重量45.5 partsに、硬化剤1乾量基準重量4.5 partsと、充填剤1乾量基準重量60 partsを配合し、溶媒で固形分が50%になるように調整されたワニス組成物を作成した。組成物の配合組成を下記[表3]に示す。続いて、下記の公知方法によりガラス繊維積層板を作製した。ガラスクロス7628に前記ワニス組成物を含浸させ、170℃(含浸装置温度)にて数分間乾燥し、乾燥後のプリプレグの溶融粘度が8000乃至12000poiseの範囲内になるように乾燥時間を調整・制御した。そして、4枚のプリプレグを積み重ねて積層シートとし、当該積層シートを厚さ35μmの銅箔の2枚の間に挟み、30kg/cm2の圧力下で昇温を制御しながら加熱圧着することにより、銅張りガラス繊維積層板を作製した。なお、昇温を制御する工程は下記[表2]の通りである。
Figure 0005459869
実施例6
対称型で高い比率の四官能性単量体樹脂を含む新規なベンゾキサジン樹脂F2乾量基準重量45.5 partsに、硬化剤2乾量基準重量4.5 partsと、充填剤1乾量基準重量60 partsを配合する以外に、実施例5と同様にして銅張りガラス繊維積層板を作製した。組成物の配合組成を下記[表3]に示す。
実施例7
対称型で高い比率の四官能性単量体樹脂を含む新規なベンゾキサジン樹脂F2乾量基準重量45.5 partsに、硬化剤3乾量基準重量4.5 partsと、充填剤1乾量基準重量60 partsを配合する以外に、実施例5と同様にして銅張りガラス繊維積層板を作製した。組成物の配合組成を下記[表3]に示す。
実施例8
対称型で高い比率の四官能性単量体樹脂を含む新規なベンゾキサジン樹脂F2乾量基準重量45.5 partsに、硬化剤4乾量基準重量4.5 partsと、充填剤1乾量基準重量50 partsを配合する以外に、実施例5と同様にして銅張りガラス繊維積層板を作製した。組成物の配合組成を下記[表3]に示す。
比較例1〜3
下記[表4]に示す配合組成で樹脂1、樹脂2、樹脂3と硬化剤1、硬化剤4によりワニス組成物を作成し、アセトンで固形分が65%になるように調整された以外に、実施例1と同様にして銅張りガラス繊維積層板を作製した。
各実施例と比較例で得られたワニス組合物と銅張りガラス繊維積層板を下記の基準に従ってその物性を評価した。評価結果を下記[表3]と下記[表4]に示す。
<評価>
1.ガラス転移温度(Temperature of glass transition)の測定:
熱機械的分析装置(Thermal Mechanical Analyzer, TMA)を利用して、30℃から300℃まで昇温し、昇温速度を20℃/minとする。
2.熱膨張係数(Coefficient of thermal expansion ,CTE )の測定:
熱機械的分析装置(Thermal Mechanical Analyzer, TMA)を利用して、30℃から300℃まで昇温し、昇温速度を20℃/minとする。
3.吸水率試験:
銅張りガラス繊維積層板は塩化鉄水溶液によりその表面の銅箔を溶解除去して、5cmx5cm四方状に裁断されたものを試験片とする。105℃にてオーブン内に2時間べーキングした後、試験片を蒸気圧力容器内に放置し、2atm×120℃の条件で蒸気加圧試験(Pressure Cooker Tester,PCT)を120minした。各試験片の試験前後の重量差を試験片の初期重量で除した数値を吸水率とした。
4.耐熱試験:
表面の銅箔が除去されたガラス繊維積層板を5cmx5cm四方状に裁断したものを試験片とする。吸水率試験を受けた試験片を288℃のはんだ槽内に層間剥離が発生するまで放置した。
5.難燃性試験:
0.5in×4.7inの短冊状に裁断された試験片を5本用意した。高さ2cmの青い炎であるバーナー炎を試験片にあてて10秒間保ち、その後バーナー炎を試験片から離す。このように10秒間接炎を2回行い、接炎終了後の自己消火時間を記録した。各試験片の自己消火時間が10秒以内で、且つ5本の試験片の自己消火時間の合計が50秒以内となる場合を90V0と認める。
下記[表3]は、実施例に係るワニス組合物の組成及びガラス繊維積層板の物性を示す。なお、[表3]において、partsは、溶媒を含まない乾量基準を示す。
Figure 0005459869
下記[表4]は、比較例に係るワニス組合物の組成及びガラス繊維積層板の物性を示す。なお、[表4]において、partsは、溶媒を含まない乾量基準を示す。
Figure 0005459869
前記の試験結果から、四官能性テトラフェノールエタンノボラック型エポキシ樹脂や四官能性ナフタレン系エポキシ樹脂から作製されたガラス繊維積層板に比べて、本発明に係る高い比率の三官能性単量体樹脂を含む新規なベンゾキサジン樹脂及び高い比率の四官能性単量体樹脂を含む新規なベンゾキサジンから作製されたガラス繊維積層板は、ガラス転移温度が187乃至200℃から213℃以上も向上し、吸水率は0.5重量%程度から0.3重量%以下に低下した。これにより、熱膨張係数が小さく耐熱性に優れたという物性を有することが認められるので、特に高性能集積回路搭載板に好ましく適用できる。
本発明に係る新規なワニス組成物によると、高いガラス転移温度と低熱膨張係数を有するとともに、難燃性、耐熱性に優れた特性を有し、高性能の印刷配線板に適用されるガラス繊維積層板を得ることができる。

Claims (3)

  1. 高ガラス転移温度ワニス組成物であって、
    成分(一):対称的な分子構造を有するベンゾキサジン樹脂と、
    成分(二):硬化剤と、を含み、
    前記成分(一)の使用量は、樹脂総量に対して60乃至95重量%であって、前記成分(二)の使用量は、樹脂総量に対して5乃至40重量%であるガラス繊維積層板に適用される高ガラス転移温度ワニス組成物において、
    前記成分(一)の対称的な分子構造を有するベンゾキサジン樹脂は、
    下記[化4]で表される構造を持つ三官能性樹脂単量体ベンゾキサジン樹脂(F1)であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析によるクロマトグラムにおいて、三官能性樹脂単量体ベンゾキサジン樹脂(F1)に含まれた三官能性樹脂単量体のベンゾキサジン樹脂の面積の占める比率は60パーセント以上であり、
    又は、
    下記[化6]で表される構造を持つ四官能性樹脂単量体ベンゾキサジン樹脂(F2)であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析によるクロマトグラムにおいて、四官能性樹脂単量体ベンゾキサジン樹脂(F2)に含まれた四官能性樹脂単量体のベンゾキサジン樹脂の面積の占める比率は60パーセント以上である
    ことを特徴とする、ガラス繊維積層板に適用される高ガラス転移温度ワニス組成物。
    Figure 0005459869
    ([化4]に示す化学式において、R はH又はCH を示し、R は下記[化5]に示す構造のいずれかを示す)
    Figure 0005459869
    Figure 0005459869
    ([化6]に示す化学式において、R はH又はCH を示し、R は下記[化7]に示す構造のいずれかを示し、Xは下記[化8]に示す構造のいずれかを示す)
    Figure 0005459869
    Figure 0005459869
  2. 成分(三):充填剤、難燃剤、硬化促進剤及び溶媒から選択されるものを更に含み、前記成分(三)である充填剤の使用量は、前記成分(一)と成分(二)の総量に対して80乃至200質量部であることを特徴とする、請求項1に記載のガラス繊維積層板に適用される高ガラス転移温度ワニス組成物。
  3. 前記成分(二)は、(1)ナフトール型ノボラック樹脂、(2)アニリン型ノボラック樹脂や4,4-ジアミノジフェニルメタン、(3)フェノール型ノボラック樹脂、テトラフェノールエタン型ノボラック樹脂、アミノトリアジンノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリフェノールメタン型ノボラック樹脂から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のガラス繊維積層板に適用される高ガラス転移温度ワニス組成物。
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