JP5459282B2 - ターミナル支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気部品が結合される部位のターミナル端子を樹脂材料で直接支持するターミナル支持装置に関し、例えば熱変動が与えられる部位に用いて好適な技術に関する。
背景技術を図6に示す具体的な一例を用いて説明する。なお、後述する[発明を実施するための形態]および[実施例]との関連物に同一符号を付したものである。
図6に示すターミナル支持装置は、平行配置された複数のターミナル端子2を備えている。平行配置された複数のターミナル端子2は、一部(図示下側)が樹脂部品1を成す樹脂材料にインサート(モールド)されており、その樹脂材料に直接支持されている。さらに、平行配置された複数のターミナル端子2は、電気部品3(例えば、チップ型電気部品)を介して橋渡結合される。
なお、橋渡結合は、電気部品3の一方の電極を複数のターミナル端子2のうちの1つに結合し、電気部品3の他方の電極を複数のターミナル端子2のうちの他の1つに結合して、2つのターミナル端子2を電気部品3を介して結合するものである。
以下では、
・平行配置されて電気部品3が結合される部位のターミナル端子2を「平行ターミナル部α」と定義し、
・この平行ターミナル部αが延びる方向を「長手方向β」と定義し、
・この長手方向βに対して直交し、複数の平行ターミナル部αが並ぶ方向を「直交方向γ」と定義して説明する。
樹脂部品1が、環境温度の影響や受熱の影響等により、温度上昇や温度低下すると、樹脂部品1を成す樹脂材料が熱膨張や熱収縮を生じる。
すると、樹脂材料の熱膨張や熱収縮に伴って、複数の平行ターミナル部αの間隔(直交方向γの間隔)が変化する。その結果、平行ターミナル部αと電気部品3の結合部(半田箇所など)に応力(物理的な力)が発生する。
そのため、樹脂部品1が温度負荷変動を繰り返して受けると、平行ターミナル部αと電気部品3の結合部に応力が繰り返し発生することになり、長期に亘って使用されるとターミナルと電気部品3の結合が破損する可能性があり、故障を招く要因になってしまう。
なお、特許文献1には、「樹脂材料にインサートされたターミナル端子」と「磁気検出部、磁電変換部、オペアンプのリード端子」を、溶接や半田によって結合する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術には、樹脂材料の熱膨張によって溶接や半田による結合箇所に加わる応力について何ら言及されていない。
特開2011−106314号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、樹脂部品が温度負荷変動を受けた際における平行ターミナル部と電気部品の結合部に加わる応力を低減し、長期に亘って平行ターミナル部と電気部品の結合を保つことのできる信頼性の高いターミナル支持装置の提供にある。
〔請求項1の手段〕
請求項1のターミナル支持装置は、少なくとも一部が平行配置される複数の導電性のターミナル端子と、複数のターミナル端子の平行配置される部位(平行ターミナル部)に橋渡結合される電気部品とを備え、ターミナル端子の平行ターミナル部を支持する部分の樹脂材料の内部に、樹脂材料より熱膨張率の小さい絶縁性の強化繊維を、直交方向(平行ターミナル部が延びる長手方向に対して直交し、複数の平行ターミナル部が並ぶ方向および電気部品が橋渡される方向)に配向して混入したものである。
樹脂部品は、強化繊維の配向方向に対して強度が強く、熱膨張および熱収縮が生じにくい。
これにより、樹脂部品が温度負荷変動を受けた際に、直交方向への熱膨張および熱収縮が抑えられるため、平行ターミナル部の間隔変化を抑えることができ、平行ターミナル部と電気部品の結合部に加わる応力を低減することができる。
その結果、長期に亘って樹脂部品が温度負荷変動を繰り返して受けても、平行ターミナル部と電気部品の結合の破損を回避することが可能になり、信頼性を高めることができる。
〔請求項2の手段〕
樹脂材料に混入される強化繊維は、樹脂部品の成形時に成形型の内部に流し入れる溶融樹脂の流れによって配向方向がコントロールされるものである。即ち、溶融樹脂を成形型に流し入れるゲート位置の設定など、成形型における溶融樹脂の流れ方向の設定により、強化繊維が直交方向に配向されるものである。
〔請求項3の手段〕
請求項3の強化繊維は、ガラス繊維である。
ガラス繊維は安価で且つ樹脂材料に比較して熱膨張率が小さいため、低コストで高い信頼性を得ることができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4の電気部品は、リード線を有しないチップ型である。
チップ型電気部品は、リード線を有しないため、樹脂材料の伸縮による応力がダイレクトに結合部に加わってしまう。
しかるに、上述したように、直交方向に配向した強化繊維によって直交方向への熱膨張および熱収縮が抑えられて、平行ターミナル部の間隔変化が抑えられるため、樹脂材料の伸縮による応力がダイレクトに結合部に加わっても、ターミナル端子とチップ型電気部品の結合部に加わる応力を小さく抑えることができる。
〔請求項5の手段〕
請求項5の平行ターミナル部は、樹脂材料に一部がインサートされたものである。
このように、平行ターミナル部の一部が樹脂材料にインサートされることで、樹脂材料の伸縮がダイレクトに平行ターミナル部の間隔を増減させてしまう。
しかるに、上述したように、直交方向に配向した強化繊維によって直交方向への熱膨張および熱収縮が抑えられるため、樹脂材料にダイレクトに支持される平行ターミナル部の間隔変化が抑えられる。
〔請求項6の手段〕
請求項6における複数のターミナル端子は、2つの部材の相対回転を非接触で検出する磁気型の回転角センサにおいて磁気検出を行うホールICのリード端子に電気的に接続されるものである。
即ち、本発明を磁気型の回転角センサに適用するものであり、回転角センサの信頼性を高めることができる。
〔請求項7の手段〕
請求項7の回転角センサは、通電により回転トルクを発生する電動モータと、この電動モータの出力を減速する減速装置とを備えた電動アクチュエータに搭載されるものであり、減速装置が駆動するシャフトの回転角度の検出を行うものである。
即ち、本発明を電動アクチュエータに適用するものであり、電動アクチュエータの信頼性を高めることができる。
〔請求項8の手段〕
請求項8の電動アクチュエータは、シャフトに伝えられる駆動力によってエンジンに吸気を導く吸気通路の開度を調整する電子スロットルに適用されるものであり、シャフトが吸気通路の内部に配置されるバルブと一体に回動するものである。
即ち、本発明を電子スロットルに適用するものであり、電子スロットルの信頼性を高めることができる。
スロットル装置の断面図である。 カバーの外観図である。 (a)図2のA部の断面図、(b)ポッティング剤が充填されていない状態における図2のA部の拡大図である。 平行ターミナル部に対する強化繊維の配向方向の説明図である。 (a)平行ターミナル部に対して垂直に橋渡結合されたチップコンデンサの搭載説明図、(b)平行ターミナル部に対して傾斜して橋渡結合されたチップコンデンサの搭載説明図である。 背景技術の説明用の一部を断面にした斜視図である。
図面を参照して[発明を実施するための形態]を説明する。
ターミナル支持装置は、絶縁性の樹脂材料を用いて形成される樹脂部品1(後述する実施例ではカバー)と、少なくとも一部に平行ターミナル部αを有する複数の導電性のターミナル端子2とを備え、複数の平行ターミナル部αが電気部品3を介して橋渡結合される構造を採用する。
そして、平行ターミナル部αを支持する部分の樹脂材料の内部には、樹脂材料より熱膨張率の小さい絶縁性の強化繊維(後述する実施例ではガラス繊維)が直交方向γに配向して混入されている。
以下において本発明が適用された具体的な一例(実施例)を図面を参照して説明する。実施例は、具体的な一例を開示するものであって、本発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。
なお、実施例において、上記[発明を実施するための形態]と同一機能物には同一符号を付して説明するものである。
この実施例は、本発明を電子スロットルに適用したものであり、本発明が適用された電子スロットルを図1〜図5を参照して説明する。
電子スロットルは、例えば車両走行用エンジンに吸引される吸気量の調整を行うものであり、エアクリーナとインテークマニホールドとの間の吸気管の途中部位に介在するように取り付けられる。
電子スロットルは、
・内部に吸気通路4aが形成されるハウジング4と、
・このハウジング4に対して回転自在に支持されるシャフト5と、
・吸気通路4aの内部においてシャフト5に固定されて吸気通路4aの開度調整を行うバルブ6と、
・シャフト5を介してバルブ6を駆動する電動アクチュエータ7と、
を備える。
また、電動アクチュエータ7は、
・通電により回転力を発生する電動モータ11と、
・この電動モータ11の回転出力を増幅してシャフト5を駆動する減速装置12と、
・シャフト5(バルブ6)を所定の開度へ戻すバネ力発生手段13と、
・シャフト5の開度(バルブ6の回転角度)を検出する回転角センサ14と、
を備える。
次に、上記の各構成部品を説明する。
ハウジング4は、金属材料または樹脂材料によって製造される通路部材であり、ハウジング4の外側には電子スロットルを車両に搭載して固定するためのボルト挿通穴が形成されている。
また、ハウジング4の内部には、円筒状の吸気通路4a(具体的には、エンジンに通じる吸気通路4aの一部)が形成されている。
ハウジング4には、シャフト5が挿入配置されるシャフト挿通穴が設けられている。シャフト5は、吸気通路4aを貫通し、吸気通路4aの流線方向(ボア軸:吸気の流れ方向に沿う吸気通路4aの中心軸)に直交する方向に組付けられる。
シャフト5の先端側(図1左側)が挿入配置される部位のシャフト挿通穴の内部には、シャフト5を回転自在に支持する滑りベアリング15(メタルブッシュ)が配置されている。
一方、シャフト5の根元側(図1右側)が挿入配置される部位のシャフト挿通穴の内部にも、シャフト5を回転自在に支持する転がりベアリング16(ボールベアリング)が配置されている。
シャフト5は、金属材料によって形成された略円柱体であり、吸気通路4a内に挿入配置されてバルブ6と一体に回動する。そして、上述したように、滑りベアリング15および転がりベアリング16により回転自在に支持されるものである。
バルブ6は、金属材料または樹脂材料により略円板形状に形成されたバタフライ形の回動弁であり、ハウジング4に組入れられたシャフト5にネジやカシメ等の固定手段6aによって固定されるものである。
電動アクチュエータ7は、上述したハウジング4に組付けられるものであり、ハウジング4にはネジ等の締結手段によって着脱可能なカバー1が装着される。
そして、ハウジング4に形成されたモータ収容室4bに電動モータ11が収容され、ハウジング4とカバー1との間に形成された空間に、減速装置12、バネ力発生手段13等が収容される。
電動モータ11は、通電方向が切り替わることで回転方向が切り替わるとともに、通電量に応じた回転トルクを発生する周知の直流モータであり、モータ収容室に挿入された後、ネジ等の締結手段によってハウジング4に固定される。
減速装置12は、複数のギヤの組み合わせにより電動モータ11の発生する回転トルクを減速してシャフト5に伝達する歯車式減速機であり、電動モータ11と一体に回転するモータギヤ(ピニオンギヤ)21と、このモータギヤ21によって回転駆動される中間ギヤ22と、この中間ギヤ22によって回転駆動される最終ギヤ(ギヤロータ)23とからなり、最終ギヤ23はシャフト5と一体に回動する。
モータギヤ21は、電動モータ11の出力軸に固定された小径の外歯歯車である。
中間ギヤ22は、大径ギヤ22aと小径ギヤ22bが同芯で設けられた2重歯車であり、ハウジング4とカバー1とにより支持される支持軸24によって回転自在に支持される。そして、大径ギヤ22aがモータギヤ21と常に噛合し、小径ギヤ22bが最終ギヤ23と常に噛合する。
最終ギヤ23は、シャフト5の端部のカシメ部によって固定された大径の外歯歯車であり、噛合歯(外歯)はバルブ6の回動に伴う範囲のみに設けられている。具体的に最終ギヤ23は、例えば樹脂材料によって設けられる。
バネ力発生手段13は、電動モータ11への電流供給が遮断された際に、バルブ6の開度を全閉位置と全開位置との中間位置に保持して、車両の退避走行を可能とするものであり、バルブ6を閉じる方向へ付勢力(閉弁力)を与えるリターンスプリング13aと、バルブ6を開く方向へ付勢力(開弁力)を与えるデフォルトスプリング13bとを用いて構成される。
回転角センサ14は、シャフト5の回転角度を検出することでバルブ6の開度を検出するスロットルポジションセンサであり、シャフト5の開度(バルブ6の開度)に応じた開度信号をECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)に出力する。
具体的に、回転角センサ14は、2つの部材の相対回転を非接触で検出する磁気型であり、最終ギヤ23の内部にインサートされてシャフト5と一体に回転し、内径方向に回転角度に応じた磁束変化を生じさせる略筒状を呈する磁気回路25と、カバー1に取り付けられて磁気回路25に対して非接触に配置される2つのホールIC26(磁気検出手段)とを備えて構成され、この2つのホールIC26の発生する電圧信号(出力信号)がECUに与えられる。
なお、ECUは、マイクロコンピュータを搭載した周知の電子制御装置であり、回転角センサ14によって検出される実際のバルブ開度が、アクセルペダル開度によって設定された目標開度となるように電動モータ11をフィードバック制御するように設けられている。
(ターミナル支持装置の説明)
電子スロットルの回転角センサ14に用いられるターミナル支持装置を、図2〜図5を参照して説明する。
この実施例のカバー1は、樹脂部品に相当するものであり、PBT(ポリ・ブチレン・テレフタレート:絶縁性の樹脂材料の一例)を用いて形成されている。
なお、以下では、図1におけるカバー1の左面(ハウジング4との間に空間を形成する面)を内面と称し、図1におけるカバー1の右面(ハウジング4とは異なる側の面)を外面と称して説明する。
カバー1の内面には、磁気回路25の内部に非接触で挿入配置されるセンサ凸部31がカバー1の一部によって形成されている。このセンサ凸部31の内部には、2つのホールIC26が組付けられるものであり、カバー1の外面には、カバー1の外側からセンサ凸部31の内部に2つのホールIC26(具体的には後述するIC本体33)を重ね合わせた状態で挿入配置するIC挿入穴32が形成されている。
ここで、IC挿入穴32の内部に組付けられるホールIC26について説明する。
ホールIC26は、周知なものであり、
・樹脂の内部に電気回路(外部より与えられる磁束密度に応じた出力変化が生じるホール素子、このホール素子の出力変化を増幅する増幅アンプ)をモールドした矩形板状を呈するIC本体33と、
・このIC本体33の端面から同方向へ伸びる3本のリード端子34(電源リード足34a、グランドリード足34b、出力リード足34c)と、
を具備する。
このため、上述したIC挿入穴32は、重ね合わせた2つのIC本体33を規定位置に挿入配置するのに適した穴形状(例えば、矩形穴)に形成されている。
また、IC挿入穴32は、図3(a)に示すように、穴の奥方にIC本体33が挿入されるものであり、IC挿入穴32の深さは、IC挿入穴32の底までIC本体33を挿入した状態において、3本のリード端子34の一部がIC挿入穴32より突き出る深さに設けられている。
なお、実際のリード端子34は、途中で直角(L字形)に曲げられて組付けられるものであり、後述するように、隣接するリード端子34、あるいはターミナル端子2の端部(具体的には平行ターミナル部αの端部)に半田接続されるものである{図3(b)参照}。
一方、カバー1には、外部コネクタ(配線類を介してECUと接続するための接続具)を接続するためのオスコネクタ35が設けられている。
オスコネクタ35は、
・内部に外部コネクタ挿入用の矩形穴を備える樹脂コネクタ部36と、
・この樹脂コネクタ部36の内部(矩形穴の内部)に露出配置される複数のターミナル端子2の端部と、
を備えて構成される。
具体的に、カバー1には、
・電動モータ11に接続される2つのモータ用ターミナル端子(図示しない)と、
・2つのホールIC26に電気的に接続される5つのターミナル端子2と、
がインサートされている。
各ターミナル端子2は、薄板金属(導電性金属)のプレス加工品であり、以下では、2つのホールIC26に電気的に接続される5つのターミナル端子2について、図2および図3(b)を参照して説明する。
この5つのターミナル端子2は、
・ECUから電力供給を受ける電源ターミナル端子2a、
・ECUのアース電位に接続されるグランドターミナル端子2b、
・ホールIC26のリード端子34(具体的には、グランドリード足34b)を介してグランドターミナル端子2bに接続される補助グランドターミナル端子2c、
・ECUに一方のホールIC26の出力を付与する第1出力ターミナル端子2d、
・ECUに他方のホールIC26の出力を付与する第2出力ターミナル端子2e、
よりなる。
5つのターミナル端子2の端部は、2つのホールIC26と接続するために、図3(b)に示すように、IC挿入穴32まで伸びて配置されている。
そして、IC挿入穴32付近では、
(i)ホールIC26のリード端子34と半田接続する目的と、
(ii)ホールIC26の近傍において、ノイズ除去や発振防止を行うチップコンデンサ3(電気部品の一例)を各ターミナル端子2に搭載する目的と、
により、カバー1を成すPBTより各ターミナル端子2の表面が露出するように設けられている。
具体的に、IC挿入穴32近傍で、且つチップコンデンサ3が搭載される部位のカバー1の外面には、浅い凹部37(以下、チップコンデンサ搭載凹部と称する)が形成されており、このチップコンデンサ搭載凹部37の底に各ターミナル端子2の表面が露出するように設けられている。
そして、チップコンデンサ3が搭載される部位の各ターミナル端子2は、図3(b)に示すように、平行に配置されている。
ここで、上述したように、
・平行配置されてチップコンデンサ3が橋渡結合される部位のターミナル端子2を平行ターミナル部αと定義し、
・この平行ターミナル部αが延びる方向を長手方向βと定義し、
・この長手方向βに対して直交し、複数の平行ターミナル部αが並ぶ方向およびチップコンデンサ3が橋渡される方向を直交方向γと定義している。
(平行ターミナル部αの説明)
以下において、図3(b)に示す5つの平行ターミナル部αを具体的に説明する。
各平行ターミナル部αは、IC挿入穴32に挿入された2つのホールIC26の長手面(IC本体33の板面:図示上下方向)に対して、垂直な方向(この方向が上述した長手方向β:図示左右方向)に伸びて配置されるものであり、IC挿入穴32の図示右側に2つの平行ターミナル部αが平行配置され、IC挿入穴32の図示左側に3つの平行ターミナル部αが平行配置されている。
IC挿入穴32の図示右側の2つの平行ターミナル部αのうち、図示上側の平行ターミナル部αは、グランドターミナル端子2bの一部であり、2つのホールIC26の一方のグランドリード足34bと半田接続されている。
なお、2つのホールIC26のグランドリード足34bは半田接続されるものであり、一方のグランドリード足34bがグランドターミナル端子2bに接続されることで2つのホールIC26のグランドリード足34bがグランドターミナル端子2bに電気的に接続される。
IC挿入穴32の図示右側の2つの平行ターミナル部αのうち、図示下側の平行ターミナル部αは、第1出力ターミナル端子2dの一部であり、2つのホールIC26の一方の出力リード足34cと半田接続されている。
IC挿入穴32の図示左側の3つの平行ターミナル部αのうち、図示上側の平行ターミナル部αは、電源ターミナル端子2aの一部であり、2つのホールIC26の一方の電源リード足34aと半田接続されている。
なお、2つのホールIC26の電源リード足34aは半田接続されるものであり、一方の電源リード足34aが電源ターミナル端子2aに接続されることで2つのホールIC26の電源リード足34aが電源ターミナル端子2aに電気的に導通するように設けられている。
IC挿入穴32の図示左側の3つの平行ターミナル部αのうち、図示中間の平行ターミナル部αは、補助グランドターミナル端子2cであり、2つのホールIC26の他方のグランドリード足34bと半田接続されている。
ここで、2つのホールIC26のグランドリード足34bは半田接続されている。このため、IC挿入穴32の図示左側の3つの平行ターミナル部αのうち、図示中間の平行ターミナル部αは、2つのホールIC26のグランドリード足34bを介してグランドターミナル端子2bと電気的に接続される。
IC挿入穴32の図示左側の3つの平行ターミナル部αのうち、図示下側の平行ターミナル部αは、第2出力ターミナル端子2eの一部であり、2つのホールIC26の他方の出力リード足34cと半田接続されている。
(チップコンデンサ3の説明)
そして、IC挿入穴32の図示右側の2つの平行ターミナル部α(一方の出力部)は、チップコンデンサ3を介して橋渡結合される。
具体的には、
・IC挿入穴32の図示右側の2つの平行ターミナル部αのうち、図示上側の平行ターミナル部α(グランドターミナル端子2bの端部)と、チップコンデンサ3の一方の電極部とが半田接続されるとともに、
・IC挿入穴32の図示右側の2つの平行ターミナル部αのうち、図示下側の平行ターミナル部α(第1出力ターミナル端子2dの端部)と、チップコンデンサ3の他方の電極部とが半田接続される。
その結果、IC挿入穴32の図示右側の2つの平行ターミナル部α(一方の出力部)は、チップコンデンサ3によって直交方向γに電気的で且つ機械的に結合される。
同様に、IC挿入穴32の図示左側の3つの平行ターミナル部αのうち、上側と中間の平行ターミナル部α(電源ターミナル端子2aの端部と補助グランドターミナル端子2c)も、チップコンデンサ3を介して橋渡結合される。
その結果、IC挿入穴32の図示左側の3つの平行ターミナル部αのうち、上側と中間の平行ターミナル部α(電源供給部)も、チップコンデンサ3によって直交方向γに電気的で且つ機械的に結合される。
同様に、IC挿入穴32の図示左側の3つの平行ターミナル部αのうち、中間と下側の平行ターミナル部α(補助グランドターミナル端子2cと第2出力ターミナル端子2eの端部)も、チップコンデンサ3を介して橋渡結合される。
その結果、IC挿入穴32の図示左側の3つの平行ターミナル部αのうち、中間と下側の平行ターミナル部α(他方の出力部)も、チップコンデンサ3によって直交方向γに電気的で且つ機械的に結合される。
なお、IC挿入穴32に2つのホールIC26を挿入し、各平行ターミナル部αにチップコンデンサ3を搭載して、各電気的接続部を半田接続した後、IC挿入穴32およびチップコンデンサ搭載凹部37は、シール用のポッティング剤38(シリコン樹脂等)によって充填されるものである。
(平行ターミナル部αとチップコンデンサ3の半田箇所に加わる応力の説明)
電子スロットルの搭載上の制約等により電子スロットルがエンジン排熱を受けやすい部位に搭載される可能性がある。
あるいは、ターボ車両の場合では、電子スロットルがタービンを受けやすい部位に搭載される可能性がある。
また、ターボ車両の場合で、インタークーラが電子スロットルの吸気下流側に配置される場合には、圧縮されて高温になった吸気により電子スロットルが高温になる可能性がある。
このように、カバー1が受熱等の影響(温度負荷)を受けると、温度変化によってカバー1を成すPBTが熱膨張や熱収縮を生じる。
すると、PBTの熱膨張や熱収縮に伴って、平行ターミナル部αの間隔が変化し、平行ターミナル部αとチップコンデンサ3の半田箇所(結合部)に応力(物理的な力)が発生し、故障を招く要因になってしまう。
そこで、この実施例のカバー1の内部(PBTの内部)に、
・ガラス繊維(PBTより熱膨張率の小さい絶縁性の強化繊維の一例)を混入するとともに、
・平行ターミナル部αを支持する部位(平行ターミナルの一部をインサートして、平行ターミナルを直接支持する部位)のPBTの内部におけるガラス繊維を直交方向γに配向している。
なお、ガラス繊維の混入量(混入割合)は、限定されるものではないが、カバー1の成形時に溶融樹脂が容易に流れる範囲で多い方が望ましいものである。
また、ガラス繊維の長さや太さも、限定されるものではないが、カバー1の成形時に溶融樹脂が容易に流れる範囲で強度が高い方が望ましいものである。
PBTに混入されるガラス繊維は、カバー1の成形時に成形型の内部に流し入れる溶融樹脂の流れ方向によって配向方向をコントロールするものである。
具体的な一例を説明すると(もちろん、限定されるものではない)、カバー1の図2下部に、溶融樹脂を成形型に流し入れるゲート位置を設け、成形型における溶融樹脂の流れ方向を、図4の破線矢印に示す方向(即ち、直交方向γ)に流すことで、平行ターミナル部αを支持する部分のPBTの内部に混入されるガラス繊維を直交方向γに配向するものである。
(実施例の効果)
この実施例の電子スロットルは、上述したように、カバー1において各平行ターミナル部αを支持する部分のPBTの内部に、ガラス繊維を直交方向γに配向して混入している。
その結果、カバー1は、ガラス繊維の配向方向に対して強度が強く、熱膨張および熱収縮が生じにくい。
これにより、カバー1が温度負荷変動を受けた際に、直交方向γへの熱膨張および熱収縮が抑えられるため、平行ターミナル部αの間隔変化を抑えることができ、平行ターミナル部αとチップコンデンサ3の半田箇所(結合部)に加わる応力を低減することができる。
具体的には、直交方向γに配向したガラス繊維によってPBTの直交方向γへの熱膨張および熱収縮が抑えられるため、
・図5(a)に示すように、平行ターミナル部αに対してチップコンデンサ3が直交方向γに半田付けされた場合であっても、
・図5(b)に示すように、平行ターミナル部αに対してチップコンデンサ3が傾いて半田付け場合であっても、
ターミナル端子2とチップコンデンサ3の半田箇所(結合部)に加わる応力を低減することができ、半田箇所の破損(電気的な分離)を防ぐことができる。
このため、チップコンデンサ3の搭載方向に関わらず、長期に亘ってカバー1が温度負荷変動を繰り返して受けても、平行ターミナル部αとチップコンデンサ3の電気的な接続を確保することができる。その結果、回転角センサ14および電動アクチュエータ7の信頼性を高めることができ、電子スロットルの信頼性を高めることができる。
上記の実施例では、強化繊維の一例としてガラス繊維を用いる例を示したが、限定されるものではなく、PBTの熱膨張を抑えることが可能な他の繊維物質(例えば、絶縁性の結晶繊維等)を強化繊維として用いても良い。
上記の実施例では、樹脂材料の一例としてPBTを用いる例を示したが、限定されるものではなく、他の絶縁性の樹脂材料であっても良い。
上記の実施例では、平行ターミナル部αの一部が樹脂材料(実施例ではPBT)にインサートされる例を示したが、平行ターミナル部αを電気部品3(実施例ではチップコンデンサ3)とともに樹脂材料の内部に完全に埋設するものであっても良い。
上記の実施例では、電気部品3の一例としてチップコンデンサ3を示したが、限定されるものではなく、チップ抵抗体、チップインダクタ、チップLED、チップダイオード、チップバリスタなど他のチップ型電気部品であっても良い。また、電気部品3はチップ型に限定されるものではなく、リード線を有する電気部品であっても、平行ターミナルに対して直交方向γに接続されると樹脂材料(実施例ではPBT)の熱膨張を結合部で受けるため、リード線を有する電気部品であっても良い。
上記の実施例では、電気部品3と平行ターミナル部αとの結合手段として半田接続を用いる例を示したが、限定されるものではなく、溶接(スポット溶接等)、ろう付けなど、他の結合手段を用いても良い。
上記の実施例では、具体的な一例として、電子スロットルの回転角センサ14に本発明を適用する例を示したが、限定されるものではなく、樹脂材料によって直接支持されるターミナル端子2が平行配置され、その平行配置される部分に電気部品3が橋渡結合される全てに対して本発明を適用しても良い。
1 カバー(樹脂部品)
2 ターミナル端子
3 チップコンデンサ(電気部品、チップ型電気部品)
4a 吸気通路
5 シャフト
6 バルブ
7 電動アクチュエータ
11 電動モータ
12 減速装置
14 回転角センサ
26 ホールIC
34 リード端子
α 平行ターミナル部
β 長手方向
γ 直交方向

Claims (8)

  1. 絶縁性の樹脂材料を用いて形成される樹脂部品(1)と、
    少なくとも一部に平行配置される部位を有し、この平行配置される部位が前記樹脂部品(1)を成す前記樹脂材料によって直接支持される複数の導電性のターミナル端子(2)と、
    前記複数のターミナル端子(2)の平行配置される部位に橋渡結合される電気部品(3)とを備え、
    平行配置されて前記電気部品(3)が結合される部位の前記ターミナル端子(2)を平行ターミナル部(α)と定義し、
    この平行ターミナル部(α)が延びる方向を長手方向(β)と定義し、
    この長手方向(β)に対して直交し、前記平行ターミナル部(α)が並ぶ方向および前記電気部品(3)が橋渡される方向を直交方向(γ)と定義した場合、
    前記平行ターミナル部(α)を支持する部分の前記樹脂材料の内部に、
    前記樹脂材料より熱膨張率の小さい絶縁性の強化繊維が直交方向(γ)に配向して混入したことを特徴とするターミナル支持装置。
  2. 請求項1に記載のターミナル支持装置において、
    前記樹脂材料に混入される前記強化繊維は、前記樹脂部品(1)の成形時に成形型の内部に流し入れる溶融樹脂の流れによって配向方向がコントロールされることを特徴とするターミナル支持装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のターミナル支持装置において、
    前記強化繊維は、ガラス繊維であることを特徴とするターミナル支持装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のターミナル支持装置において、
    前記電気部品(3)は、リード線を有しないチップ型であることを特徴とするターミナル支持装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のターミナル支持装置において、
    前記平行ターミナル部(α)は、前記樹脂材料に一部がインサートされていることを特徴とするターミナル支持装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のターミナル支持装置において、
    前記複数のターミナル端子(2)は、2つの部材の相対回転を非接触で検出する磁気型の回転角センサ(14)において磁気検出を行うホールIC(26)のリード端子(34)に電気的に接続されることを特徴とするターミナル支持装置。
  7. 請求項6に記載のターミナル支持装置において、
    前記回転角センサ(14)は、通電により回転トルクを発生する電動モータ(11)と、この電動モータ(11)の出力を減速する減速装置(12)とを備えた電動アクチュエータ(7)に搭載されるものであり、前記減速装置(12)が駆動するシャフト(5)の回転角度の検出を行うことを特徴とするターミナル支持装置。
  8. 請求項7に記載のターミナル支持装置において、
    前記電動アクチュエータ(7)は、前記シャフト(5)に伝えられる駆動力によってエンジンに吸気を導く吸気通路(4a)の開度を調整する電子スロットルに適用されるものであり、前記シャフト(5)が前記吸気通路(4a)の内部に配置されるバルブ(6)と一体に回動することを特徴とするターミナル支持装置。
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