JP5459095B2 - エンジンの上部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、オイル分離室を備えたエンジンの上部構造に関し、特にブローバイガスのガス導入部とカム軸との間の位置にガスケットのシール部間を連結する帯状連結部を設けたエンジンの上部構造に関する。
従来より、エンジンのクランク室にはエンジンの燃焼に伴い未燃炭化水素(HC)を含むブローバイガスが滞留するため、このブローバイガスをエンジンの吸気通路に戻して再燃焼させることが知られている。このとき、エンジンのクランク室のエンジンオイルがオイルミストとなりブローバイガス内に混入するため、ブローバイガスが通過する通路中にオイル分離装置を設けてブローバイガスに含まれるオイル成分を分離し、吸気負圧を利用してブローバイガスを吸気中に還流している。
一般に、オイル分離装置は、シリンダヘッド上部の動弁機構を覆うシリンダヘッドカバーの上部に一体的に形成され、シリンダヘッドカバーの天井壁部を壁部として利用したオイル分離室を備えている。オイル分離装置では、オイルの分離性能を高めるため、オイル分離室をシリンダヘッドカバーの気筒列方向に細長く形成してオイル分離室容積を確保し、オイル分離室内におけるブローバイガスの滞留時間の長期化を図っている。
特許文献1のオイル分離装置は、吸気カム軸と排気カム軸を気筒列方向に備えた火花点火式4気筒エンジンのシリンダヘッドと、このシリンダヘッドの上部を覆うシリンダヘッドカバーと、このシリンダヘッドカバーの排気カム軸の上部に気筒列方向に細長く延びたオイル分離室を有し、オイル分離室内は気筒列直交方向に延びる2つの仕切壁により3つの分離室に区分けされ、一端側の分離室に設けられたブローバイガスのガス導入部と、他端側の分離室に設けられ吸気通路に連通されたガス流通部と、仕切壁に設けられ隣接した分離室を連通する絞り通路とを備え、これら絞り通路は上流側の上位開口から下流側の下位開口に亙って気筒列直交方向に傾斜して設けられている。
特開2009−47141号公報
特許文献1のオイル分離装置では、オイル分離室の気筒列直交方向の全幅を有効に利用してブローバイガスの進行径路を長くでき、ブローバイガスのオイル分離室内の滞留時間を長期化することができ、ブローバイガス中に含まれるオイル成分の分離性能を高めている。しかし、吸気カム軸と排気カム軸の回動に起因した液滴等の飛散オイルがガス導入部からオイル分離室内へ直接的に持ち込まれ、オイル分離室におけるオイル分離性能を低下させる虞がある。
特許文献1のオイル分離装置は、ガス導入部が排気カム軸の上部位置に開口しているため、ガス導入部と排気カム軸との離隔距離が小さく、排気カムが跳ね上げた飛散オイルがガス導入部に侵入する虞がある。また、吸気カム軸は、排気カム軸に比べてガス導入部との離隔距離が大きく形成されるものの、ガス導入部の開口部が吸気カム軸に対向しているため、吸気カムから放射状に跳ね上げられたオイル液滴が直接的にオイル分離室内へ侵入する可能性がある。これにより、オイル分離室内に存在するオイル量が増加し、オイル分離室内ではブローバイガスに含まれるオイルミストの分離に加えて侵入した飛散オイルの除去を行う必要が生じ、結果的にオイル分離室による分離性能の低下を招く虞がある。
ボンネットライン等の車両デザイン上の要求からエンジン全高が制約を受ける場合には、シリンダヘッドカバーの上部に十分な空間の確保が困難であるため、シリンダヘッドカバー内部にオイル分離室を配置し、空間容積を確保することも可能である。しかし、シリンダヘッドカバー内部にオイル分離室を配置した場合、ガス導入部と吸気カム軸及び排気カム軸との離隔距離が接近し、オイル分離室内へ侵入する飛散オイルの増加が懸念される。
本発明の目的は、簡単な構成でオイル分離室内へ侵入する飛散オイルを低減できるエンジンの上部構造、オイル分離室のコンパクト化とオイル分離性能の確保を両立できるエンジンの上部構造等を提供することである。
請求項1のエンジンの上部構造は、複数の気筒を列状に設け気筒列方向に延びる吸気カム軸と排気カム軸を備えた火花点火式エンジンのシリンダヘッドと、このシリンダヘッドの上部を覆うシリンダヘッドカバーと、このシリンダヘッドカバーの前記一方のカム軸の上部に気筒列方向に細長く延びたオイル分離室を備えたエンジンの上部構造において、前記複数の気筒の点火ユニットを装着するための点火ユニットボス部の上部と前記シリンダヘッドカバーの裏面部をシールする複数の環状シール部と、前記シリンダヘッドの上部外縁とシリンダヘッドカバーの裏面部外縁をシールする外縁シール部を備えたガスケットを有し、前記オイル分離室に、所定の環状シール部とこの環状シール部に隣接した環状シール部又は前記外縁シール部との間に配設されたブローバイガスをオイル分離室内へ導入可能なガス導入部であって、オイル分離室の下端部から前記一方のカム軸に略平行且つこの一方のカム軸を迂回して下方へ延びると共に他方のカム軸側へ開口した断面略コ字状の遮蔽壁部を備えたガス導入部を設け、前記ガスケットが、前記遮蔽壁部と他方のカム軸との間で且つ前記遮蔽壁部に隣接した位置に、前記所定の環状シール部とこの環状シール部に隣接した環状シール部又は前記外縁シール部を連結する帯状連結部を有すると共に、前記遮蔽壁部の気筒列方向の幅が、前記隣接した環状シール部の離隔距離または環状シール部と外縁シール部との離隔距離よりも狭く形成されたことを特徴としている。
このエンジンの上部構造においては、前記オイル分離室に、所定の環状シール部とこの環状シール部に隣接した環状シール部又は前記外縁シール部との間に配設されたブローバイガスをオイル分離室内へ導入可能なガス導入部であって、オイル分離室の下端部から前記一方のカム軸に略平行且つこの一方のカム軸を迂回して下方へ延びると共に他方のカム軸側へ開口した断面略コ字状の遮蔽壁部を備えたガス導入部を設けているため、一方のカム軸とオイル分離室の離隔距離を小さくでき、オイル分離室の容積を確保できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、記シリンダヘッドカバーの裏面部に、前記遮蔽壁部と少なくとも一部が重複するように気筒列直交方向に延びる第1リブ部が設けられたことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記シリンダヘッドカバーの裏面部の気筒列直交方向の略中央且つ前記第1リブ部と直交する位置に気筒列方向に延びる補強リブ部が設けられたことを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記オイル分離室は、上部天井壁部と、この上部天井壁部の気筒列直交方向の両端部から下方に延びる1対の側壁部と、この1対の側壁部の下端を仕切る底壁部を有し、前記ガス導入部は、前記底壁部に一体的に形成されたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、ガスケットの所定の環状シール部とこの環状シール部に隣接した環状シール部又は外縁シール部を帯状連結部により連結するため、ガスケットの構成を簡単化でき、部品点数の低減、更には、ガスケットのシリンダヘッドカバーへの組付け作業性向上を図ることができる。また、ガス導入部と他方のカム軸との間で且つ前記遮蔽壁部に隣接した位置に帯状連結部を設けたため、部品点数を増すことなく、オイル分離室内へ侵入する他方のカム軸からの飛散オイルを低減でき、オイル分離性能を増すことができる。
しかも、一方のカム軸とオイル分離室の離隔距離を小さくすることにより、オイル分離室のシリンダヘッドカバーから上方へ突出する突出量を増すことなくオイル分離室の容積を確保できるため、オイル分離室をコンパクトにしつつ、ブローバイガスに含まれるオイル成分の分離性能を確保することができる。
請求項2の発明によれば、オイル分離室と他方のカム軸との間に遮蔽壁部と第1リブ部により方向変換径路を形成してブローバイガスや飛散オイルと接触する壁面面積を増加できるため、オイル分離室内へ侵入する他方のカム軸等からの飛散オイル等を低減でき、オイル分離性能を増すことができる。
請求項3の発明によれば、シリンダヘッドカバーの面剛性を高めつつ、ブローバイガスと接触する壁面面積を増加でき、オイル分離性能を増すことができる。
請求項4の発明によれば、オイル分離室の容積に影響を与えることなくガス導入部を形成でき、部品点数の低減とこれに伴うコスト低減を図ることができる。
本発明に係るエンジンカバーを取り外したエンジンの斜視図である。 エンジンの要部縦断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 シリンダヘッドカバーを取り外したシリンダヘッド上部の平面図である。 シリンダヘッドカバー上部の平面図である。 シリンダヘッドカバー裏面部の平面図である。 図5のVII−VII線断面図である。 図5のVIII−VIII線断面図である。 図5のIX −IX 線断面図である。 図5のX−X線断面図である。 底壁部を取り外したオイルセパレータの下方から見た斜視図である。 底壁部の斜視図である。 底壁部の平面図である。 底壁部の側面図である。 ガスケットの平面図ある。 シリンダヘッドカバーと遮蔽壁部とガスケットを示す平面図である。 シリンダヘッドカバーと遮蔽壁部とガスケットを示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
尚、以下の実施例において、車両の前後方向を前後方向とし、図における左右方向を左右方向として説明する。
以下、本発明の実施例1について図1〜図17に基づいて説明する。
図1,図2に示すように、火花点火式直列4気筒エンジン1は、出力軸が車幅方向に延びるようエンジンルーム内に横置き搭載され、上側程車両後方に位置するようボンネット5に沿うように後傾状にスラント配置されている。エンジン1は、ピストン(図示略)やクランクシャフト(図示略)等を設けたシリンダブロック2と、このシリンダブロック2の下部に設置され内部にオイルを収容するオイルパン(図示略)と、シリンダブロック2の上部に設置され内部に吸排気カム軸4a,4b等を収容するシリンダヘッド3と、このシリンダヘッド3の上部を覆う合成樹脂製(例えば、PA66)のシリンダヘッドカバー20等を備えている。
エンジン1には、前側側部に吸気装置6が装着されている。
吸気装置6には、エアクリーナ(図示略)から導入された吸入吸気量を調整可能なスロットルバルブ(図示略)を備えたスロットルボディ7と、スロットルボディ7の下流側に設置されたサージタンク8と、このサージタンク8の下流側に設置され各気筒の吸気ポート(図示略)へ吸気を導入する吸気マニホールド9等が設けられている。吸気装置6は、外部から吸入した外気をエアクリーナにて浄化してフレッシュエアを生成した後、このフレッシュエアをスロットルボディ7、サージタンク8、吸気マニホールド9を通過させて各気筒の燃焼室(図示略)に導入している。サージタンク8は、PCVバルブを備えた部分負荷用オイル分離室(図示略)を介してクランク室と接続されている。
図3,図4に示すように、シリンダヘッド3の上部には、点火ユニット18(図10参照)が挿入可能な開口部3aと、開口部3aの周囲に形成された点火ユニットボス部3bと、シリンダヘッド3の上部外縁に形成されたシリンダヘッド上部外縁部3c等が形成されている。開口部3aは、各気筒の燃焼室に対応して気筒列方向に4箇所設けられている。点火ユニットボス部3bは、夫々の開口部3aの回りに平坦且つ環状に形成されている。シリンダヘッド上部外縁部3cは、シリンダヘッドカバー20を固定する複数のボルト穴を備え、平坦状に形成されている。点火ユニットボス部3bとシリンダヘッド上部外縁部3cは、同一平面上に設けられ、同じ高さ位置になるよう形成されている。
次に、シリンダヘッドカバー20について説明する。
図1〜図3,図5〜図10に示すように、シリンダヘッドカバー20は、シリンダヘッド3の上部を覆うようにガスケット10を介してシリンダヘッド3の上部に装着されている。シリンダヘッドカバー20は、車両前側に配置された吸気カム軸4aに対応した気筒列方向に延びるカムカバーとしての第1膨出部21と、車両後側に配置された排気カム軸4bに対応した気筒列方向に延びるカムカバーとしての第2膨出部22と、第1膨出部21と第2膨出部22との間を連結する中央天井壁部23等を備えている。
図15に示すように、合成ゴム製のガスケット10は、各気筒の点火ユニット18を装着するための点火ユニットボス部3bの上部とシリンダヘッドカバー20の裏面部をシールする4つの環状シール部11と、シリンダヘッド上部外縁部3cとシリンダヘッドカバー20の裏面部外縁をシールする略ロ字状の外縁シール部12と、各環状シール部11を略直線状に連結すると共に外縁シール部12と一体的に連結する帯状連結部13を備えている。
図1,図2,図8〜図10に示すように、第1膨出部21は、気筒列直交方向の基本断面形状が略コ字状に形成され、吸気カム軸4aの上部に配置された第1天井壁部24と、第1天井壁部24の前端部から下方に延びる第1前部側壁部25と、第1天井壁部24の後端部から下方に延びる第1後部側壁部26と、シリンダヘッド3へオイルを注入可能な開口を備えたオイル注入部27と、オイルレベルゲージ(図示略)を装着可能なゲージ装着部28等を備えている。
オイル注入部27は、第1膨出部21の気筒列方向略中央部分、所謂第2気筒と第3気筒との間の位置且つ第1膨出部21の前方位置に形成されている。オイル注入部27は、第1天井壁部24から上方へ突出した筒状部を備え、フィラーキャツプが上端開口を閉塞するよう螺合されている。オイル注入部27の周囲には、オイル注入部27の気筒列直交方向中央側を囲むように上方へ突出した略U字状の堰部27aが設けられている。これにより、オイル漏れが生じても、オイルが点火ユニット18側へ流れることを防止できる。
ゲージ装着部28は、オイル注入部27に隣接する位置に配置されている。ゲージ装着部28は、第1天井壁部24から上方へ突出した筒状部等を備え、オイルレベルゲージが上端開口を閉塞するよう装着される。
第2膨出部22は、気筒列直交方向の基本断面形状が略コ字状に形成され、排気カム軸4bの上部に配置されたオイル分離装置を形成するオイルセパレータ40(オイル分離室)と、オイルセパレータ40に連結され前方に延びる第2前部天井壁部29と、オイルセパレータ40に連結され後方に延びる第2後部天井壁部30と、第2前部天井壁部29の前端部から下方に延びる第2前部側壁部31と、第2後部天井壁部30の後端部から下方に延びる第2後部側壁部32等を備えている。
図5,図10に示すように、中央天井壁部23は、第1天井壁部24、第2前部天井壁部29及び第2後部天井壁部30等よりも下方位置に形成され、第1後部側壁部26と第2前部天井壁部29とに連結されている。中央天井壁部23には、各気筒の燃焼室に応じて気筒列方向に4つの点火ユニットホール33が設けられ、夫々の点火ユニットホール33に点火ユニット18が装着される。点火ユニット18は、ボルト19によりシリンダヘッドカバー20に固定される。点火ユニットホール33の近傍位置に対応した第2前部天井壁部29の高さ位置は、それ以外の第2前部天井壁部29の高さ位置よりも低く形成され、第2前部天井壁部29と第2前部側壁部31は、協働してボルト19が螺合可能な部分円形状のボルト取付部34を形成している。
図2,図6〜図11,図16,図17に示すように、シリンダヘッドカバー20の裏面部には、環状シール部11を装着可能な環状溝部35と、外縁シール部12を装着可能な外縁溝部36と、気筒列直交方向に延びる複数の第1リブ部37と、シリンダヘッドカバー20の気筒列直交方向の略中央部分において第1リブ部37と直交する位置に気筒列方向に延びる複数の補強リブ部38が形成されている。
図6に示すように、第1リブ部37は、前側補強リブ部38の後面からオイルセパレータ40の前端部に亙って1又は2列の縦リブが下方に延びるように形成されている。最も右側に位置する環状溝部35とシリンダヘッドカバー20の右側外縁部との間には1列の第1リブ部37が設けられ、各環状溝部35の間には所定間隔離隔するように各2列の第1リブ部37が設けられている。
第1膨出部21の裏面部には、第1リブ部37に連続するように前側補強リブ部38から複数の第2リブ部39が形成されている。第1膨出部21の気筒列方向略中央部分には、オイル注入部27の後部から前側補強リブ部38の前部に亙って第1リブ部37に連続する2列の縦リブとその間に位置する縦リブの計3列の第2リブ部39が形成されている。
補強リブ部38は、中央天井壁部23の裏面部に形成され、最も左側に位置する環状溝部35からシリンダヘッドカバー20の右側外縁部に亙って前後2列の横リブが下方に延びるように形成されている。右端の環状溝部35と隣り合う環状溝部35との間に位置する後側補強リブ部38は、それ以外の後側補強リブ部38よりも前側位置に配置されている。以上のように、第1,第2リブ部37,39と補強リブ部38を中央天井壁部23の裏面部に設けたため、中央天井壁部23の剛性を増すことができ、中央天井壁部23の振動騒音を抑制することができる。
オイルセパレータ40は、気筒列方向に細長く形成されブローバイガスに含まれるオイル成分を分離可能な所定容積のオイル分離空間を備えている。このオイルセパレータ40は、気筒列直交方向の幅が第2膨出部22の第2前部天井壁部29の前端部から第2後部天井壁部30の後端部までの幅、所謂第2膨出部22の天井壁部の幅より小さく形成され且つ第2膨出部22の天井壁部の一部を形成する上部天井壁部41と、上部天井壁部41の気筒列直交方向の前端部から下方に延びる前部側壁部42と、上部天井壁部41の気筒列直交方向の後端部から下方に延びる後部側壁部43と、これら側壁部42,43の下端に連結されオイルセパレータ40の下端を仕切る底壁部44等から構成されている。上部天井壁部41は、第2前部天井壁部29及び第2後部天井壁部30と協働して第2膨出部22の天井壁部の一部を形成している。
図1,図5に示すように、上部天井壁部41の右側端部上面には、オイルセパレータ40内部のオイル分離空間(第3分離室)と吸気装置6とを連通可能な連通開口部45が形成されている。この連通開口部45とスロットルバルブ上流側吸気通路とがブローバイガス供給通路(図示略)により連通され、オイル成分が分離されたブローバイガスが吸気通路に還流される。
図8〜図11に示すように、上部天井壁部41の下面には、オイル分離空間の気筒列直交方向の前後端部を形成した前部側壁部42と後部側壁部43の間において導入したブローバイガスをオイルセパレータ40へ導入可能な導入通路を形成する内壁部46と、上部天井壁部41の気筒列方向の左右端部から下方に延びる側壁部47,48と、オイルセパレータ40を3つの分離室に仕切るための上部仕切壁49,50と、ブローバイガスに含まれるオイル成分を付着させて分離させるための複数の補助壁部51等を一体的に備えている。
図11に示すように、前部側壁部42は、オイルセパレータ40の前側外壁を形成すると共にシリンダヘッドカバー20の気筒列方向右側端部から左側方向へ延びるように形成され、平面視にてボルト取付部34の外周形状の一部に沿うように後側に湾曲した略波形状に構成されている。図8,図9に示すように、前部側壁部42は、基本的に第2前部天井壁部29の後端部と上下方向中段位置の連結部で連結されている。
図10に示すように、ボルト取付部34に対向した前部側壁部42の一部分は、前記中段位置よりも下方位置の連結部で第2前部天井壁部29の後端部と連結されている。それ故、前部側壁部42と第2前部天井壁部29との連結部の高さ位置は、気筒列方向において上下方向に異なるように形成されている。図11に示すように、前部側壁部42の下端部には溶接ビード42aが設けられ、前部側壁部42は底壁部44の上面と押圧工具等を用いて振動溶着により接合される。
図8〜図11に示すように、後部側壁部43は、オイルセパレータ40の後側外壁を形成すると共にシリンダヘッドカバー20の気筒列方向右側端部から左側方向へ延びるように形成され、基本的に第2後部天井壁部30の前端部と上下方向中段位置の連結部で連結されている。前述のように、前部側壁部42は第2前部天井壁部29の後端部と上下方向中段位置で連結され、後部側壁部43は第2後部天井壁部30の前端部と上下方向中段位置で連結されているため、オイルセパレータ40の重心位置と第2前部天井壁部29及び第2後部天井壁部30との離隔距離を小さくすることができる。しかも、第2前部天井壁部29及び第2後部天井壁部30よりも下方へ延びる前部側壁部42及び後部側壁部43の長さを短くすることができる。
図11に示すように、後部側壁部43の下端部には溶接ビード43aが設けられ、後部側壁部43は底壁部44の上面と振動溶着により接合される。図8乃至図10に示すように、後部側壁部43の後面と第2後部側壁部32の前面との間には、第2後部天井壁部30の下面から下方に延びる複数の補強リブ32a,32bが設けられている。図10に示すように、気筒列方向にて点火ユニットホール33に対応する位置の補強リブ32bは、それ以外の補強リブ32aに比べて下方側程気筒列直交方向の幅が小さくなるようテーパ状に形成されている。これにより、第2後部天井壁部30の支持剛性を気筒列方向に異なせることができ、第2後部天井壁部30の膜振動を抑制している。
内壁部46は、平面視にて前部側壁部42の後面と所定間隔離隔して気筒列方向右側から左側方向へ延びるように形成され、前部側壁部42と同様に、一部分が後側に湾曲した略波形状に構成されている。内壁部46の気筒列方向右側端部は、前部側壁部42の後面に接合されている。内壁部46の気筒列方向左側端部は、側壁部47の左側壁面と所定距離離隔して配置されている。内壁部46の下端部には溶接ビード46aが設けられ、底壁部44の上面と振動溶着により接合される。
図11に示すように、側壁部47は、オイルセパレータ40の気筒列方向左側外壁を形成すると共に前部側壁部42から後部側壁部43に亙って気筒列直交方向へ延びるように形成されている。側壁部47の下端部には、溶接ビード47aが設けられ、底壁部44の上面と振動溶着により接合される。側壁部47には、溶接ビード47aを挟み込むように複数の凹部47bが設けられている。それ故、溶融した溶接ビード47aをオイル分離室へ流出させることなく凹部47b内に収容することができる。
側壁部48は、オイルセパレータ40の気筒列方向右側外壁を形成すると共に前部側壁部42から後部側壁部43に亙って気筒列直交方向へ延びるように形成されている。側壁部48の下端部には、溶接ビード48aが設けられ、底壁部44の上面と振動溶着により接合される。尚、前部側壁部42、後部側壁部43、内壁部46,側壁部47及び側壁部48の下端部は、何れも同じ高さ位置となるよう形成されている。
左側(側壁部47側)位置の上部仕切壁49は、内壁部46から後部側壁部43の間に亙って設けられ、平面視にて略クランク形状に形成されている。上部仕切壁49には、内壁部46と後部側壁部43との中間位置に気筒列方向に延びる高さ寸法の短い仕切部分49aを有し、仕切部分49aの右側端部から内壁部46の下端部側に亙り傾斜状に仕切る傾斜仕切部分49bと、仕切部分49aの左側端部から後部側壁部43の下端部側に亙り傾斜状に仕切る傾斜仕切部分49cが形成されている。
上部仕切壁49の下端部には溶接ビード49dが設けられ、傾斜仕切部分49b,49cに相当する部分には、溶接ビード49dを挟み込むように複数の凹部49eが設けられている。
右側(側壁部48側)位置の上部仕切壁50は、上部仕切壁49と同様に、内壁部46から後部側壁部43の間に亙って設けられ、平面視にて略クランク形状に形成されている。上部仕切壁50には、内壁部46と後部側壁部43との中間位置に気筒列方向に延びる高さ寸法の長い仕切部分50aを有し、仕切部分50aの右側端部から内壁部46の下端部側に亙り傾斜状に仕切る傾斜仕切部分50bと、仕切部分50aの左側端部から後部側壁部43の下端部側に亙り傾斜状に仕切る傾斜仕切部分50cが形成されている。上部仕切壁50の下端部には溶接ビード50dが設けられ、傾斜仕切部分50b,50cに相当する部分には、溶接ビード50dを挟み込むように複数の凹部50eが設けられている。
図12〜図14に示すように、底壁部44は、板状のプレート部52と、オイル分離空間を3つの分離室に仕切るための下部仕切壁53,54と、オイルセパレータ40にブローバイガスを導入可能なガス導入部55と、ブローバイガスに含まれるオイル成分を付着させて分離させるための複数の補助壁部56等を一体的に備えている。補助壁部56は、第2分離室中央部分と第3分離室中央部分とに、夫々、プレート部52の上面から上方へ突出するように形成されている。
プレート部52は、前部側壁部42、後部側壁部43、内壁部46,側壁部47及び側壁部48の下端部と当接可能な外形形状を有している。プレート部52の周縁部には、前部側壁部42、後部側壁部43、内壁部46との各接合部分の前後位置においてプレート部52の上面から上部へレール状に突出した3組のダム部52a,52b,52cが夫々設けられている。それ故、振動溶着の際、溶融した溶接ビード42a,43a,46aによるオイル分離空間内への流動が発生しても、ダム部52a,52b,52cによりダム外への流出を規制することができる。
ダム部52aからダム部52bが分岐する分岐位置の近傍には内壁部46に対向してガス導入部55が形成されている。ガス導入部55から導入されたブローバイガスは、上部天井壁部41と前部側壁部42と内壁部46とプレート部52により形成された導入通路を通りオイル分離空間の左側位置の第1分離室に導かれる。図13に示すように、導入通路の底面部52dは、第1分離室から離隔する程上下方向に低い位置、所謂下り傾斜状に形成されている。
図12〜図14に示すように、左側の下部仕切壁53は、プレート部52から上方に突出され、平面視にて略クランク形状に形成されている。下部仕切壁53には、内壁部46と後部側壁部43との中間位置に気筒列方向に延びる高さ寸法の長い仕切部分53aを有し、仕切部分53aの右側端部から内壁部46側へ下り傾斜状に仕切る傾斜仕切部分53bと、仕切部分53aの左側端部から後部側壁部43側へ下り傾斜状に仕切る傾斜仕切部分53cが形成されている。
下部仕切壁53は、上部仕切壁49と振動溶着により接合されて第1分離室と第1分離室に隣接した第2分離室とを仕切る仕切壁を形成している。振動溶着の際、溶融した上部仕切壁49の溶接ビード49dは複数の凹部49eに収容されるため、溶接ビード49dが分離室内へ流出することを防止できる。
下部仕切壁53には、第1分離室と隣接した第2分離室とを連通する筒状の絞り通路53dが形成されている。絞り通路53dは、傾斜仕切部分53bと傾斜仕切部分53cとの間の位置に気筒列直交方向に延びるように形成され、第1分離室側開口は上部位置に開口し、第2分離室側開口は上部位置よりも低い下部位置に開口している。絞り通路53dの第2分離室側開口は、プレート部52に凹入形成された凹入部52eに面している。
右側の下部仕切壁54は、プレート部52から上方に突出され、平面視にて略クランク形状に形成されている。下部仕切壁54には、内壁部46と後部側壁部43との中間位置に気筒列方向に延びる高さ寸法の長い仕切部分54aを有し、仕切部分54aの右側端部から内壁部46側へ下り傾斜状に仕切る傾斜仕切部分54bと、仕切部分54aの左側端部から後部側壁部43側へ下り傾斜状に仕切る傾斜仕切部分54cが形成されている。
下部仕切壁54は、上部仕切壁50と振動溶着により接合されて第2分離室と第2分離室に隣接した第3分離室とを仕切る仕切壁を形成している。振動溶着の際、溶融した上部仕切壁50の溶接ビード50dは複数の凹部50eに収容されるため、溶接ビード50dが分離室内へ流出することを防止できる。
下部仕切壁54には、下部仕切壁53と同様に、第2分離室と隣接した第3分離室とを連通する筒状の絞り通路54dが形成されている。絞り通路54dは、傾斜仕切部分54bと傾斜仕切部分54cとの間の位置に気筒列直交方向に延びるように形成され、第2分離室側開口は上部位置に開口し、第3分離室側開口は上部位置よりも低い下部位置に開口している。絞り通路54dの第3分離室側開口は、プレート部52に凹入形成された凹入部52fに面している。
図2,図3,図6,図12〜図14,図16,図17に示すように、ガス導入部55は、最も右側に位置する環状溝部35(環状シール部11)とこの環状溝部35に隣接した環状溝部35(環状シール部11)との間に配設され、プレート部52の前端部から排気カム軸4bに略平行且つこの排気カム軸4bを迂回して下方へ延びると共に吸気カム軸4a側へ開口した断面略コ字状の遮蔽壁部57を備えている。
図2,図9に示すように、遮蔽壁部57の下端部は、第1リブ部37及び補強リブ38の下端部と略同じ高さ位置に形成され、中央天井壁部23の後端部分近傍まで延設されている。図16,図17に示すように、遮蔽壁部57の気筒列方向の幅は、隣接した環状シール部11,11の離隔距離よりも狭く形成され、2列の第1リブ部37の離隔距離よりも広く形成されている。遮蔽壁部57の気筒列直交方向に延びる左右側部分は、第1リブ部37と少なくとも一部が重複するように配置されている。これにより、ブローバイガスは、第1リブ部37と遮蔽壁部57の気筒列直交方向に延びる左右側部分との間の間隙を通ってオイルセパレータ40内へ導入されるため、方向変換径路を形成することができ、ブローバイガスや飛散オイルと接触する壁面面積を増加できる。
図2,図16,図17に示すように、隣接した環状シール部11,11を連結した帯状連結部13が第1リブ部37及び後側補強リブ38の下端部近傍に配置され、遮蔽壁部57の開口と吸気カム軸4aとの間に位置している。これにより、遮蔽壁部57の開口と吸気カム軸4aとの間を遮断することができ、吸気カム軸4aの回動に起因した飛散オイルのセパレータ40内への侵入を抑制できる。
尚、ガス導入部55は、最も右側に位置する環状溝部35(環状シール部11)とこの環状溝部35に隣接した外縁溝部36(外縁シール部12)との間に配設しても良い。この場合、前述と同様に、遮蔽壁部57の気筒列直交方向に延びる左右側部分を第1リブ部37と少なくとも一部が重複するように配置し、環状シール部11と外縁シール部12を連結した帯状連結部13が遮蔽壁部57の開口と吸気カム軸4aとの間を遮断するように構成する。
次にブローバイガスの還流動作について説明する。
エンジン1の負荷が高負荷である全負荷状態又は略全負荷状態では、スロットルバルブ下流に負圧が発生しないため、前述した部分負荷用オイル分離手段のPCVバルブは閉鎖している。このとき、吸気流速が速いためスロットルバルブの上流部分に低負圧が発生するか、またはクランク室内のブローバイガスの増加により圧力上昇が生じることにより、連通開口部45とスロットルバルブ上流側吸気通路とに圧力差が生じる。これにより、クランク室内のブローバイガスが、排気系動弁室を経由してガス導入部55からオイルセパレータ40のオイル分離空間に導入される。
導入されたブローバイガスは、上部天井壁部41と前部側壁部42と内壁部46とプレート部52により形成された導入通路を通り第1分離室に導かれる。第1分離室では、補助壁部51や上部仕切壁49と下部仕切壁53による仕切壁にブローバイガスが衝突し、ブローバイガスに含まれるオイル成分が付着、分離される。
第1分離室のブローバイガスは、絞り通路53dを通過して、第2分離室へ移動する。この絞り通路53dでは通路断面が絞られているため、ブローバイガスの流速が増し、オイル成分の液化が促進される。第2分離室では、補助壁部51,56や上部仕切壁50と下部仕切壁54による仕切壁にブローバイガスが衝突し、ブローバイガスに含まれるオイル成分が付着、分離される。ブローバイガスから分離されたオイル成分は凹入部52eに貯留される。
第2分離室のブローバイガスは、絞り通路54dを通過して、第3分離室へ移動する。この絞り通路54dでは絞り通路53dと同様に、通路断面が絞られているため、ブローバイガスの流速が増し、オイル成分の液化が促進される。
第3分離室では、補助壁部51,56にブローバイガスが衝突し、ブローバイガスに含まれるオイル成分が付着、分離される。ブローバイガスから分離されたオイル成分は凹入部52fに貯留される。第3分離室にてオイル成分が分離されたブローバイガスは、スロットルバルブ上流の吸気通路に還流される。
エンジン1の負荷が低負荷である部分負荷状態では、吸気負圧の増大によりPCVバルブが開放され、クランク室にこの大きな負圧が発生するため、この低負圧がガス導入部55からオイルセパレータ40のオイル分離空間に作用する。これにより、凹入部52fに貯留されたオイル成分は絞り通路54dを通り第2分離室へ移動し、凹入部52eに貯留される。更に、凹入部52eに貯留されたオイル成分は絞り通路53dを通り第1分離室へ移動する。第1分離室内へ移動したオイル成分は、下り傾斜状の底面部52dに誘導されて排気系動弁室を経由し、クランク室へ戻される。
尚、エンジン1が部分負荷状態のとき、PCVバルブは開放動作し、部分負荷用オイル分離手段を介してブローバイガスはスロットルバルブの下流部分に還流されている。
次に、実施例1に係るエンジンの上部構造の作用・効果について説明する。
本エンジンの上部構造は、4つの気筒を列状に設け気筒列方向に延びる吸気カム軸4aと排気カム軸4bを備えた火花点火式エンジン1のシリンダヘッド3と、このシリンダヘッド3の上部を覆うシリンダヘッドカバー20と、このシリンダヘッドカバー20の排気カム軸4bの上部に気筒列方向に細長く延びたオイルセパレータ40を備えたエンジン1の上部構造において、前記複数の気筒の点火ユニット18を装着するための点火ユニットボス部3bの上部と前記シリンダヘッドカバー20の裏面部をシールする複数の環状シール部11と、前記シリンダヘッド3の上部外縁部3cとシリンダヘッドカバーの裏面部外縁をシールする外縁シール部12を備えたガスケット10を有し、前記オイルセパレータ40に、所定の環状シール部11とこの環状シール部11に隣接した環状シール部11又は前記外縁シール部12との間に配設されたブローバイガスをオイルセパレータ40内へ導入可能なガス導入部55であって、オイルセパレータ40の底壁部44から排気カム軸4bに略平行且つこの排気カム軸4bを迂回して下方へ延びると共に吸気カム軸4a側へ開口した断面略コ字状の遮蔽壁部57を備えたガス導入部55を設け、前記遮蔽壁部57と吸気カム軸4aとの間で且つ前記遮蔽壁部57に隣接した位置に、前記所定の環状シール部11とこの環状シール部11に隣接した環状シール部11又は前記外縁シール部12を連結する帯状連結部13を有すると共に、前記遮蔽壁部57の気筒列方向の幅が、隣接した環状シール部11の離隔距離または環状シール部11と外縁シール部12との離隔距離よりも狭く形成されたことを特徴としている。
本エンジンの上部構造によれば、ガスケット10の所定の環状シール部11とこの環状シール部11に隣接した環状シール部11又は外縁シール部12を帯状連結部13により連結するため、ガスケット10の構成を簡単化でき、部品点数の低減、更には、ガスケット10のシリンダヘッドカバー20への組付け作業性向上を図ることができる。また、ガス導入部55と吸気カム軸4aとの間で且つ遮蔽壁部57に隣接した位置に帯状連結部13を設けたため、部品点数を増すことなく、オイルセパレータ40内へ侵入する吸気カム軸4aからの飛散オイルを低減でき、オイル分離性能を増すことができる。しかも、排気カム軸4bとオイルセパレータ40の離隔距離を小さくすることにより、オイルセパレータ40のシリンダヘッドカバー20から上方へ突出する突出量を増すことなくオイルセパレータ40の容積を確保できるため、オイルセパレータ40をコンパクト化しつつ、ブローバイガスに含まれるオイル成分の分離性能を確保することができる。
リンダヘッドカバー20の裏面部に、遮蔽壁部57と少なくとも一部が重複するように気筒列直交方向に延びる第1リブ部37が設けられているため、オイルセパレータ40と吸気カム軸4aとの間に遮蔽壁部57と第1リブ部37により方向変換径路を形成しブローバイガスや飛散オイルと接触する壁面面積を増加でき、オイルセパレータ40内へ侵入する吸気カム軸4a等からの飛散オイル等を低減でき、オイル分離性能を増すことができる。
シリンダヘッドカバー20の裏面部の気筒列直交方向の略中央且つ第1リブ部37と直交する位置に気筒列方向に延びる補強リブ部38が設けられているため、シリンダヘッドカバー20の面剛性を高めつつ、ブローバイガスと接触する壁面面積を増加でき、オイル分離性能を増すことができる。
オイルセパレータ40は、上部天井壁部41と、この上部天井壁部41の気筒列直交方向の両端部から下方に延びる1対の側壁部42,43と、この1対の側壁部42,43の下端を仕切る底壁部44を有し、ガス導入部55は、底壁部44に一体的に形成されたため、オイルセパレータ40の容積に影響を与えることなくガス導入部55を形成でき、部品点数の低減とこれに伴うコスト低減を図ることができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、オイルセパレータの一部がシリンダヘッドカバー内部に収容された例を説明したが、オイルセパレータの底壁部をシリンダヘッドカバーの天井壁部と共用することも可能であり、また、オイルセパレータの全部をシリンダヘッドカバー内部に収容することもできる。
2〕前記実施例においては、4つの環状シール部と外縁シール部とを全て帯状連結部により連結し一体化形成したガスケットの例を説明したが、少なくともシール部同士を連結する帯状連結部が存在すればよく、4つの環状シール部のみを帯状連結部により連結し、外縁シール部と分離して2分割形成することもできる。また、3分割以上に分割したガスケットを用いることも可能である。
3〕前記実施例においては、第1リブについて、最も右側に位置する環状溝部とシリンダヘッドカバーの右側外縁部との間には1列の第1リブ部を設け、各環状溝部の間には所定間隔離隔するように各2列の第1リブ部を設けた例を説明したが、一様に2列の第1リブ部を設けても良く、3列以上の第1リブ部を設けることも可能である。また、補強リブについて、1列のみでも良く、3列以上の補強リブ部を設けることも可能である。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、オイルセパレータを備えたエンジンの上部構造において、ブローバイガスのガス導入部とカム軸との間の位置にシール部間を連結する帯状連結部を設けることにより、簡単な構成でオイルセパレータ内へ侵入する飛散オイルを低減でき、オイルセパレータのコンパクト化とオイル分離性能の確保を両立することができる。
1 エンジン
3 シリンダヘッド
3b 点火ユニットボス部
3c シリンダヘッド上部外縁部
4a 吸気カム軸
4b 排気カム軸
10 ガスケット
11 環状シール部
12 外縁シール部
13 帯状連結部
18 点火ユニット
20 シリンダヘッドカバー
37 第1リブ部
38 補強リブ部
40 オイルセパレータ
41 上部天井壁部
42 前部側壁部
43 後部側壁部
44 底壁部
55 ガス導入部
57 遮蔽壁部

Claims (4)

  1. 複数の気筒を列状に設け気筒列方向に延びる吸気カム軸と排気カム軸を備えた火花点火式エンジンのシリンダヘッドと、このシリンダヘッドの上部を覆うシリンダヘッドカバーと、このシリンダヘッドカバーの前記一方のカム軸の上部に気筒列方向に細長く延びたオイル分離室を備えたエンジンの上部構造において、
    前記複数の気筒の点火ユニットを装着するための点火ユニットボス部の上部と前記シリンダヘッドカバーの裏面部をシールする複数の環状シール部と、前記シリンダヘッドの上部外縁とシリンダヘッドカバーの裏面部外縁をシールする外縁シール部を備えたガスケットを有し、
    前記オイル分離室に、所定の環状シール部とこの環状シール部に隣接した環状シール部又は前記外縁シール部との間に配設されたブローバイガスをオイル分離室内へ導入可能なガス導入部であって、オイル分離室の下端部から前記一方のカム軸に略平行且つこの一方のカム軸を迂回して下方へ延びると共に他方のカム軸側へ開口した断面略コ字状の遮蔽壁部を備えたガス導入部を設け、
    前記ガスケットが、前記遮蔽壁部と他方のカム軸との間で且つ前記遮蔽壁部に隣接した位置に、前記所定の環状シール部とこの環状シール部に隣接した環状シール部又は前記外縁シール部を連結する帯状連結部を有すると共に、
    前記遮蔽壁部の気筒列方向の幅が、前記隣接した環状シール部の離隔距離または環状シール部と外縁シール部との離隔距離よりも狭く形成されたことを特徴とするエンジンの上部構造。
  2. 記シリンダヘッドカバーの裏面部に、前記遮蔽壁部と少なくとも一部が重複するように気筒列直交方向に延びる第1リブ部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの上部構造。
  3. 前記シリンダヘッドカバーの裏面部の気筒列直交方向の略中央且つ前記第1リブ部と直交する位置に気筒列方向に延びる補強リブ部が設けられたことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの上部構造。
  4. 前記オイル分離室は、上部天井壁部と、この上部天井壁部の気筒列直交方向の両端部から下方に延びる1対の側壁部と、この1対の側壁部の下端を仕切る底壁部を有し、
    前記ガス導入部は、前記底壁部に一体的に形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンの上部構造。
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