JP5458677B2 - 金属箔表面への画像形成方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第1実施態様によって作製される画像形成製品1について、図面を参照しながら簡単に説明する。図1(a)は、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第1実施態様により作製された画像形成製品の一例を示す平面図である。図1(b)は、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第1実施態様により作製された画像形成製品の一例を示す拡大断面図である。
まず、マスク形成工程について説明する。この工程は、レジストを使用して、金属箔3の表面に網点状の貫通部を有するマスクを形成する工程である。
次に、ハーフエッチング工程について説明する。この工程は、先に説明したマスク形成工程で形成されたマスク7を使用して、金属箔3の表面に金属箔3を貫通しない凹部である網点5をエッチングにより形成する工程である。
次に、マスク除去工程について説明する。この工程は、ハーフエッチング工程を経た金属箔3の表面から、マスク7を除去する工程である。
本実施態様の金属箔表面への画像形成方法は、所定の反射率を有する金属箔3の表面の所望の領域に、非貫通の網点5によって前記所定の反射率よりも低反射率の低反射部6(画像部)を形成する。このため、金属箔3の表面に設けられた画像部の反射率が非画像部の反射率よりも低くなり、画像部と非画像部のコントラストが向上して目視又は自動識別装置による画像の識別が容易になる。このような画像としては、製品情報コードが例示される。
次に、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第2実施態様によって作製される画像形成製品1について説明する。なお、第2実施態様の説明においては、上記第1実施態様と重複する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
本実施態様の金属箔表面への画像形成方法によれば、画像部が所定の面パターンとして形成される。この画像部は、非貫通の網点5によって形成されたものであり、非画像部に比べて反射率が低くなる。そのため、金属箔3の表面の一部又は全部の反射率を低下させることができ、意匠効果を付与することができる。例えば、このような画像(面パターン)を金属箔3からなる電気配線に設けることにより、当該電気配線の反射率を低下させて目立ちにくくすることが可能になる。
次に、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第3実施態様によって作製される画像形成製品1aについて、図4を参照しながら説明する。図4(a)は、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第3実施態様により作製された画像形成製品の一例を示す平面図である。図4(b)は、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第3実施態様により作製された画像形成製品の一例を示す拡大断面図である。なお、第3実施態様の説明においては、上記第1実施態様及び上記第2実施態様と重複する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
黒化工程は、ハーフエッチング工程終了後、金属箔3の表面にマスク7が存在する状態で、金属箔3を構成する金属の表面を黒化させる黒化剤により、ハーフエッチング工程で形成された網点5の内部を黒化させる工程である。図5(d)に示すように、ハーフエッチング工程が終了した段階では、金属箔3の表面にマスク7が存在するので、金属箔3のうち、露出しているのは網点5の内面のみとなる。この状態で、金属箔3及びマスク7の表面に対して黒化剤を曝露することにより、図5(e)に示すように、網点5の内面が黒化処理される。金属箔3の表面のうち、マスク7に覆われている部分については、黒化剤による曝露を受けないので、黒化処理されない。黒化処理された網点5が集合することにより、第1実施態様と同様に、低反射部6aが形成される。
本実施態様の金属箔表面への画像形成方法は、ハーフエッチング工程とマスク除去工程との間に、さらに金属箔3を構成する金属の表面を黒化させる黒化剤により、ハーフエッチング工程で形成された網点5の内部を黒化させる黒化工程を有する。そのため、金属箔3の表面に形成された画像部の非画像部に対するコントラストを一層高くすることができる。また、金属箔3の表面のうち、網点5の存在しない部分については黒化処理がされないので、特に、画像形成製品1aが電気配線として使用される場合に、良好なハンダ適性を得ることができる。
次に、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第4実施態様によって作製される画像形成製品1aについて説明する。なお、第4実施態様の説明においては、上記第1実施態様〜第3実施態様と重複する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
本実施態様の金属箔表面への画像形成方法によれば、画像部が所定の面パターンとして形成される。この画像部は、非貫通の網点5によって形成されたものであり、非画像部に比べて反射率が低くなる。また、網点5の内面には、黒化部31が形成されるので、この画像部は、非画像部に対してコントラストが著しく増大する。そのため、金属箔3表面の一部又は全部の反射率を低下させることができ、意匠効果を付与することができる。例えば、このような面パターンを金属箔3からなる電気配線に設けることにより、当該電気配線は、黒ずんだ外観を呈し、反射率が著しく低下して目立ちにくくなる一方で、黒化部31が網点5の内面に設けられるので、良好なハンダ適性が維持される。
次に、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第5実施態様によって作製される画像形成製品1bについて、図6を参照しながら説明する。図6(a)は、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第5実施態様により作製された画像形成製品の一例を示す平面図である。図6(b)は、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第5実施態様により作製された画像形成製品の一例を示す拡大断面図である。なお、第5実施態様の説明においては、上記第1実施態様から第4実施態様と重複する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
次に、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第6実施態様によって作製される画像形成製品1cについて、図8を参照しながら説明する。図8(a)は、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第6実施態様により作製された画像形成製品の一例を示す平面図である。図8(b)は、本発明の金属箔表面への画像形成方法の第6実施態様により作製された画像形成製品の一例を示す拡大断面図である。
以上、第1実施態様〜第6実施態様を示して本発明を具体的に説明したが、本発明は、上記の実施態様に限定されるものではなく、本発明の構成の範囲内において適宜変更を加えて実施することができる。
基材の表面に積層された厚さ35μm、一辺3cmの正方形の銅箔の表面に、紫外線硬化性のネガ型レジスト(日立化成株式会社製)を厚さ15μmで全面に塗布し、ネガ型のフォトマスクを使用して網点部分以外に露光後、現像し、網点部分を貫通部とするパターニングされたレジスト膜からなるマスクを作製した。マスクは、一辺が2cmの正方形として形成し、その全面に亘って、直径50μmの貫通部をパターンとして設け、貫通部の中心と貫通部の中心との間隔を60μmとした。なお、貫通部は、隣接する3箇所の貫通部が全て一辺60μmの正三角形を形成する、いわゆる最密充填になるように形成した。また、マスクは、銅箔面の中央部分に位置するように配置した。表面にマスクが形成された銅箔に対して、エッチング液(鶴見曹達株式会社製、製品名:塩化鉄)をスプレー(液温50℃、2分間)により曝露し、銅箔の表面をエッチングした。その後、苛性ソーダ剥離液(鶴見曹達株式会社製)を使用してマスクを除去し、実施例1の画像形成製品を得た。実施例1の画像形成製品は、もとの銅箔よりも小さな、2cmの正方形にパターニングされており(低反射部)、マスクに設けた貫通孔の位置に対応して、直径100μm、深さ25μmの網点が形成されていた。
マスクに設けた貫通部の直径を40μmとしたこと以外は、実施例1と同様の手順にて実施例2の画像形成製品を得た。実施例2の画像形成製品は、もとの銅箔よりも小さな、2cmの正方形にパターニングされており、マスクに設けた貫通部の位置に対応して、直径60μm、深さ15μmの網点が形成されていた。
銅箔の表面をエッチングした後、マスクが形成されたままの銅箔に対して、アルカリ系黒化液(日本パーカライジング株式会社製)を浸漬(液温60℃、1分間)により曝露し、黒化処理を行ない、その後マスクを除去したこと以外は、実施例1と同様の手順にて実施例3の画像形成製品を得た。実施例3の画像形成製品は、もとの銅箔よりも小さな、2cmの正方形にパターニングされており、マスクに設けた貫通孔の位置に対応して、直径100μm、深さ25μmの網点が形成されていた。
実施例1において、ネガ型のフォトマスクの代わりにポジ型のフォトマスクを用いて、レジスト膜からなるマスクの貫通部と非貫通部を反転させ、直径60μmの非貫通部をパターンとしてマスク(レジスト膜)に設け、非貫通部の中心と非貫通部の中心との間隔(網点の中心同士の間隔)を80μmとした以外は実施例1と同様にして実施例4の画像形成製品を得た。実施例4の画像形成製品は、もとの銅箔よりも小さな、2cmの正方形にパターニングされており(低反射部)、マスクに設けた非貫通部の位置に対応して、非エッチング部が直径15〜24μmで銅箔厚さ(高さ)35μmの凸部と、その周囲に銅箔厚さ最小8μm(深さ最大27μm)のエッチング凹部による非貫通凹凸が形成されていた。
実施例4において、直径40μmの非貫通部をパターンとしてマスクに設け、非貫通部の中心と非貫通部の中心との間隔(網点の中心同士の間隔)を60μmとした以外は実施例4と同様にして実施例5の画像形成製品を得た。実施例5の画像形成製品は、もとの銅箔よりも小さな、2cmの正方形にパターニングされており(低反射部)、マスクに設けた非貫通部の位置に対応して、その頂部がエッチングされた銅箔厚さ(高さ)13μmの凸部と、その周囲に銅箔厚さ最小8μm(深さ最大5μm)のエッチング凹部による非貫通凹凸が形成されていた。
実施例4において、直径50μmの非貫通部をパターンとして設け、非貫通部の中心と非貫通部の中心との間隔(網点の中心同士の間隔)を60μmとし、非貫通部の形状を50μm角の正方形とした以外は実施例4と同様にして実施例6の画像形成製品を得た。実施例6の画像形成製品は、もとの銅箔よりも小さな、2cmの正方形にパターニングされており(低反射部)、マスクに設けた非貫通部の位置に対応して、その頂部がエッチングされた銅箔厚さ(高さ)14μmの凸部と、その周囲に銅箔厚さ最小10μm(深さ最大4μm)のエッチング凹部による非貫通凹凸が形成されていた。
図9に示すように、基材の表面に積層された厚さ50μm、一辺3cmの正方形の銅箔上に2cmの正方形の周囲に幅500μmの貫通部を形成して比較例1の(画像形成)製品とした。
2 基材
3 金属箔
31 黒化部
4 外周貫通部
5、5a、5b、5c 網点
6、6a、6b、6c 低反射部
7 レジスト膜(マスク)
71、72 貫通部
8、8a、8b、8c 画像
Claims (5)
- 所定の反射率を有する金属箔表面の所望の領域に網点を形成し、当該網点部分をエッチングすることで、前記網点部分を凹部とする非貫通の凹凸を形成し、この凹凸により前記所望の領域に前記所定の反射率よりも低反射率の画像部を形成する金属箔表面への画像形成方法であって、
レジストを使用して前記金属箔表面に、網点状の貫通部を有するマスクを形成するマスク形成工程と、
前記マスクを使用して、前記金属箔表面に前記金属箔を貫通しない凹部である網点をエッチングにより形成させるハーフエッチング工程と、
前記金属箔を構成する金属の表面を黒化させる黒化剤により、ハーフエッチング工程で形成された前記網点の内部を黒化させる黒化工程と、
前記ハーフエッチング工程を経た金属箔の表面から前記マスクを除去するマスク除去工程と、を備える金属箔表面への画像形成方法。 - 前記黒化剤がアルカリ系黒化液である請求項1記載の金属箔表面への画像形成方法。
- 前記画像部が所定の面パターンである請求項1又は2に記載の金属箔表面への画像形成方法。
- 前記画像部が製品情報コードである請求項1又は2に記載の金属箔表面への画像形成方法。
- 前記マスク形成工程において、前記網点状の貫通部に加えて、更に前記金属箔自体をパターン化するための貫通部を有するマスクを形成し、
前記ハーフエッチング工程において、前記金属箔自体のパターン化を同時に行なうことにより、当該金属箔のパターン化と、前記画像部の形成と、を同時に行なう請求項1から4いずれかに記載の金属箔表面への画像形成方法。
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