JP5458519B2 - 偽造防止構造体及びそれを用いた偽造防止媒体 - Google Patents

偽造防止構造体及びそれを用いた偽造防止媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP5458519B2
JP5458519B2 JP2008183569A JP2008183569A JP5458519B2 JP 5458519 B2 JP5458519 B2 JP 5458519B2 JP 2008183569 A JP2008183569 A JP 2008183569A JP 2008183569 A JP2008183569 A JP 2008183569A JP 5458519 B2 JP5458519 B2 JP 5458519B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
spherical fine
resin
fine particles
counterfeit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008183569A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010025974A (ja
Inventor
英誉 井出
一尋 屋鋪
直彰 新藤
直樹 南川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2008183569A priority Critical patent/JP5458519B2/ja
Publication of JP2010025974A publication Critical patent/JP2010025974A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5458519B2 publication Critical patent/JP5458519B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Description

本発明は、偽造防止構造体及びそれらを商品券やクレジットカード等の有価証券類、或いはブランド品や高級品等のステッカー等に用いた、偽造防止媒体に関する。
近年、紙幣、商品券、クレジットカード等の偽造防止対策として、またブランド品及び高級品の真正品である事の証明として、所謂OVDが利用されている。ここでいう、OVDとは、“Optical(ly) Variable Device”の略である。尚、OVDの同義語としてDOVIDもあり、これは“Diffractive Optical(ly) Variable Imaging Device”の略である。
このOVDの製造には高度な技術を要する事、また、独特な視覚効果を有し一瞥で真偽が判定できる事等から、有効な偽造防止手段としてクレジットカード、有価証券、証明書類等に広く利用されている。また最近では、有価証券以外にもスポーツ用品やコンピュータ部品をはじめとする電気製品、ソフトウェアー等に貼り付けられ、その製品の真正さを証明する認証ステッカーとして、またそれらの商品のパッケージに貼り付けられる封印ステッカーとしても使われるようになった。
OVDは、一般に精巧な偽造が難しく、真偽判定が容易な偽造防止手段であり、商品券、紙幣、パスポート若しくは株券等の紙媒体に貼付する場合には貼り替えが容易でない熱転写方式が多くの場合採用されている。これは、熱転写されたOVDを貼り替えようとすると、このOVDに利用されている光学薄膜が物理的に破壊され、本来の視覚効果が損なわれる事により、貼り替え防止及び改竄防止効果を付与できる故である。
しかしながら、近年のエンボス技術の発達により、レリーフ型回折構造を用いたOVDが以前より低難易度化している事、及び多層薄膜フィルムが一般の包装用フィルムとして販売され始めた事等から、その偽造防止効果が低下してきている。
これに対して、近年のレリーフ型回折構造は、更に微細な構造による複雑なデザインの提案や、光の波長以下の微細な周期的凹凸パターンからなる素子(サブ波長構造素子)による反射防止機能、変更分離機能、位相差機能等を有する物品や、計算機ホログラム等の提案がなされている。
通常のレリーフ型回折格子は、約1.0μmの幅で0.2μm程度の深さの凹凸が刻まれているが、これに比べて前述のサブ波長構造素子、及び計算機ホログラムの場合は、光の波長以下の微細な凹凸である故、偽造が困難である。
このような偽造防止構造体について、例えば、以下に示す特許文献がある。
特開2002−40219号公報 特開2004−205990号公報 特開2005−10231号公報
しかしながら、上記微細な凹凸形状を形成する為には、熱エンボス法やフォトポリマー法等の公知の技術が利用されており、何れの方法においても、成型時にレリーフ型に樹脂が取られる事により、良品率の低下を招いている。特に、より微細な構造やアスペクト比の高い構造にすると、このレリーフ型への樹脂取られが顕著である。加えて、高速での加工が困難であるが故に生産性が悪く、また、単に回折格子の周期を狭くしただけでは、目新しい光学効果を得られないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、本発明の目的は、生産性が良く、簡単な検証方法によって誰でも一瞥でその真偽が判定でき、更には固有パターンを付与する事も可能であるような、生産性と真贋判定の容易性と偽造防止効果とを兼ね備えた偽造防止構造体及びそれを用いた偽造防止媒体を提供する事にある。
また、本発明は、支持体上に、少なくとも樹脂層上に球状微粒子を複数密集配置させてなる球状微粒子樹脂層、球状微粒子反射層、回折構造形成層及び回折構造反射層がこの順に積層されてなる偽造防止構造体であって、該球状微粒子反射層が、パターン状に設けられている事を特徴とする。
また、本発明は、前記偽造防止構造体において、前記球状微粒子反射層と前記回折構造形成層との間の、少なくとも該球状微粒子反射層に対応する部分に、更に耐薬品保護層を積層してなる事を特徴とする。
また、本発明は、前記偽造防止構造体において、前記球状微粒子樹脂層を構成する複数
の球状微粒子の平均粒径が2.5μm以下で、且つその粒度分布が平均粒径の0.8〜1.2倍の範囲内に70%以上の粒子個数を有しており、更に該球状微粒子は、その高さの半分以下が前記樹脂層に埋没固定され、前記樹脂層の表面積に対する面積充填率が30%以上である事を特徴とする。
また、本発明は、前記偽造防止構造体において、前記球状微粒子樹脂層が、2つ以上の領域からなり、第1の領域を構成する球状微粒子と第2の領域を構成する前記球状微粒子とは異なる平均粒径を有し、各々の領域内において、該平均粒径の0.8〜1.2倍の範囲内に70%以上の粒子個数を有しており、更に該球状微粒子は、その高さの半分以下が前記樹脂層に埋没固定され、該偽造防止構造体の表面積に対する面積充填率が30%以上である事を特徴とする。
また、本発明は、前記偽造防止構造体において、前記支持体側と反対の面に、更に接着層を積層した事を特徴とする。
また、本発明は、前記偽造防止構造体において、前記支持体側と反対の面に接着層を積層し、該支持体上に更に剥離保護層を設けた事を特徴とする偽造防止構造体である。
また、本発明は、前記偽造防止構造体又は偽造防止転写箔を、基材に貼付してなる偽造防止媒体である。
本発明は以上の構成であるから、以下に示す如き効果がある。
即ち、本発明によれば、ホログラムや回折格子等からなる回折構造を有する従来の一般的な回折構造形成層及びそれに対応する回折構造反射層と、球状微粒子を樹脂層に複数密集配置されてなる球状微粒子樹脂層及びそれに対応する球状微粒子反射層とを積層し、該回折構造反射層と該球状微粒子反射層のうち、視認側にある反射層をパターン状に設ける事によって、両者の光学効果がパターン状に観察され、従来にはない視覚効果が付与された偽造防止構造体、偽造防止転写箔及びそれらを用いた偽造防止媒体の提供が可能となる。
また、球状微粒子樹脂層を、2つ以上の領域に分け、第1の領域を構成する球状微粒子と第2の領域を構成する球状微粒子との平均粒径を変化させる事で、球状微粒子層による反射光又は回折光が、パターン状に視認され、更に高度な視覚効果及び偽造防止効果を付与する事が可能となる。
以下、本発明に係る偽造防止構造体及びそれらを用いた偽造防止媒体の実施形態例を、図面を参照にして詳細に説明する。
図1は、本発明に係る偽造防止構造体の実施形態例を示す断面図である。この偽造防止構造体(1)は、支持体(11)上に、回折構造形成層(12)、回折構造反射層(13)、球状微粒子樹脂層(14)、球状微粒子反射層(15)及び接着層(16)がこの順に積層されている。尚、回折構造反射層は、パターン状に設けられている。球状微粒子樹脂層(14)は、樹脂層(141)と球状微粒子(142)とを有しており、複数の球状微粒子が樹脂層上に密集配置された構成となっている。球状微粒子の樹脂層に埋没している高さは、球状微粒子の粒径の半分以下となるように調整され、且つ互いに重なり合う事なく配置され、樹脂層の表面積に対する面積充填率が30%以上であるように形成されている。
図1に示す偽造防止構造体は、回折構造反射層がパターン状に設けられている故、回折構造反射層が形成されている部分においては、回折構造形成層で形成された回折構造による回折光が視認される。また、回折構造反射層が形成されていない部分においては、回折構造反射層の下部に位置する球状微粒子樹脂層による以下の様な光学効果が得られる。
球状微粒子樹脂層から観察される光学効果は、球状微粒子樹脂層の垂直方向に対して0°〜60°の範囲では、回折光を含む散乱光により乳白色をした灰色のような淡い色調の濃淡による光学変化が観察され、垂直方向に対して60°以上の、水平に近い角度では、乳白色の灰色から青緑色の様な鮮やかな色調へと変化する事が確認できる。
図2は、図1に示した偽造防止構造体(1)の、回折構造反射層(13)と球状微粒子樹脂層(14)との間に、更に耐薬品保護層(17)を積層した偽造防止構造体の断面図である。耐薬品保護層は、パターン状の回折構造反射層に対応した形状に形成されている。
図3は、図1に示した偽造防止構造体(1)の支持体(11)と回折構造形成層(12)との間に剥離保護層(18)を積層してなる偽造防止構造体(3)の断面図である。剥離保護層は、偽造防止転写箔を熱、圧力等によって被転写基材に貼付した後に、支持体を剥離除去する為の層であり、この偽造防止構造体は、偽造防止転写箔として使用可能である。
図4は、本願に係る偽造防止構造体の別の実施形態例を示す断面図である。この偽造防止構造体(4)は、支持体(11)上に、球状微粒子樹脂層(14)、球状微粒子反射層(15)、回折構造形成層(12)、回折構造反射層(13)、接着層(16)がこの順に積層されている。尚、球状微粒子反射層(15)はパターン状に設けられている。
図4に示す偽造防止構造体(4)は、球状微粒子反射層(15)がパターン状に設けられている故、球状微粒子反射層(15)が形成されていない部分においては、球状微粒子反射層(15)の下部に位置する回折構造形成層(12)による光学効果が視認される。また、球状微粒子反射層(15)が形成されている部分においては、前述した様な球状微粒子樹脂層(14)による光学効果が得られる。但し、層構成が異なるため、回折構造形成層(12)の輝度や球状微粒子樹脂層(14)による色彩の変化は偽造防止構造体(1)とは異なる。
図5は、図1に示した偽造防止構造体(1)の、球状微粒子樹脂層(14)が、平均粒径が小さい球状微粒子からなる領域(143)と、平均粒径が大きい球状微粒子からなる領域(144)とを組み合わせた複数の領域からなる構造となっている場合の実施形態例の断面図である。本構成では、平均粒径が異なる球状微粒子を使用する事により、領域(143)と領域(144)とでは、各々光学的に変化する色彩や、その色彩を観察する事が可能な角度範囲が各々異なる。
図6は、本発明に係る偽造防止媒体の実施形態例を示す断面図である。この偽造防止媒体(6)は、図1に示した偽造防止構造体(1)を、被転写基材(21)に貼付した構成である。
図7は、本発明に係る偽造防止媒体の別の実施形態例を示す断面図である。この偽造防止媒体(7)は、図3に示した偽造防止構造体(3)を、被転写基材(21)に転写し、支持体(11)を剥離して作製されたものである。
図8は、本発明に係る偽造防止媒体のさらに別の実施形態例を示す断面図である。この偽造防止媒体(8)は、図4に示した偽造防止構造体(4)を、被転写基材(21)に貼付して作製されたものである。
以下、本発明の構成要素について更に詳細に説明する。
支持体としては、樹脂フィルム等が使用できる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、耐熱塩化ビニルフィルム等が使用できる。特に、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムは、耐熱性が高く厚みが安定している事から好ましい。また、これらの樹脂フィルムに帯電防止処理、マット加工、エンボス処理、文字や絵柄の印刷、レーザーマーキング等の加工を施したフィルムも使用する事ができる。
回折構造形成層は、層表面に微細な凹凸パターンを形成する事により回折格子を記録したものであり、レリーフ型回折格子や体積型回折格子等の回折構造体が利用できる。
レリーフ型回折格子は、例えば、二光束干渉法を使用して感光性樹脂の表面に互いに可干渉の2本の光線を照射して干渉縞を生成させ、この干渉縞を凹凸の形態で感光性樹脂に記録する事により形成できる。尚、2本の光線の選択によって任意の立体画像を回折格子パターンとして記録する事も可能であり、観察する角度に応じて異なる画像(チェンジング画像)を記録する事も可能である。回折構造層に画像パターンを記録する方法については、前記二光束干渉法の他にも、イメージホログラムやリップマンホログラム、レインボーホログラム、インテグラルホログラム等の従来から知られているホログラムの製造方法により製造が可能である。
また、別の方法として、電子線硬化型樹脂の表面に電子線を照射して、回折格子となる縞状パターンに露光する事によってレリーフ型回折格子の凹凸パターンを形成する事も可能である。この場合、干渉縞を1本毎に制御する事ができるため、任意の立体画像やチェンジング画像を記録する事も可能である。また、画像をドット状の画素領域に分割し、この画素領域毎に異なる回折格子を記録し、これらの画素の集合で全体の画像を表現する事も可能である。画素は円形のドットのほか、星型等のドットでも良い。
また、誘起表面レリーフ形成法によって、凹凸パターンを形成する事とも可能である。即ち、アゾベンゼンを鎖側に持つポリマーのアモルファス薄膜に対して、青色〜緑色の範囲の波長を有した数十mW/cm程度の比較的弱い光を照射する事によって、数μmスケールでポリマー分子の移動を起こし、薄膜表面に凹凸パターンを形成する事が可能である。
回折構造形成層に適用される樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線或いは電子線硬化性樹脂等が使用できる。熱可塑性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等が挙げられる。また、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加して架橋させたウレタン樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等が使用できる。また、紫外線或いは電子線硬化性樹脂としては、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート等が使用できる。
回折構造反射層は、回折構造形成層に直接接触して設ける必要は無いが、回折構造形成層がレリーフ型回折格子の場合には、その凹凸パターンに回折構造反射層を直接接触して設ける必要がある。この場合、回折構造反射層によって反射した光は回折光である。
また、回折構造反射層の材料としては、反射輝度が高い点で金属薄膜が好ましく利用できる。金属としては、例えば、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、真鍮等が挙げられる。そして、真空製膜法を利用してこの金属薄膜を形成する事ができる。真空製膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等が適用でき、厚みは5〜1000nm程度に制御できれば良い。
また、金属光沢を持ったインキを、グラビア印刷法やスクリーン印刷法等の公知の印刷法にて塗布、乾燥させる事により、全面、若しくは任意の形状に回折構造反射層を形成する事も可能である。
この回折構造反射層上に、耐薬品保護層を形成する事により、回折構造反射層の耐薬品性を向上させる事が可能である。耐薬品保護層の材料としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、環状ポリオレフィン共重合体、変性ノルボルネン系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂等の単体もしくは複数の樹脂をブレンドしたものを使用する事ができる。この他、熱硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂、紫外線硬化性または電子線硬化性の樹脂を使用しても良い。なお、これら樹脂の比重を1とした場合の40重量%を上限として、フィラーや充填剤、着色剤等を添加する事ができる。40重量%を超えて添加した場合には、分散性が悪くなって塗膜強度が低下して耐熱性が劣る事がある。また、塗液の流動性が低くなって版上で乾燥してしまって印刷適性が悪化する事や、塗液中のそれら添加剤が、保存中または塗工中に沈降または凝集してしまう事等がある。
回折構造反射層を、任意の画像パターンや文字パターン等のパターン状に設ける場合には、次のような方法で、耐薬品保護層を、回折構造反射層の任意の画像パターンや文字パターンに対応した形状に形成する事ができる。
まず、全面一様に回折構造反射層を形成し、この回折構造反射層上に耐薬品性を持った樹脂を耐薬品保護層としてパターン状に設け、アルカリ性又は酸性のエッチング液を適用して露出している回折構造反射層を溶解して除去する方法があげられる。また、全面一様に形成された回折構造反射層上に観光性の樹脂を耐薬品保護層として形成し、パターン状に露光・現像した後、アルカリ性又は酸性のエッチング液を適用し、露出した回折構造反射層を溶解して除去する方法もあるが、回折構造反射層と耐薬品保護層とが対応した形状に形成できるのであれば、これらの方法に限定されるものではない。
尚、回折構造反射層及び耐薬品保護層が形成するパターンとしては、明確な意味を持たないランダムなパターンでも良いが、絵柄、図形、模様、文字、数字、記号等のパターンとして、認知可能な情報を付与させる事も可能である。
球状微粒子樹脂層として使用される球状微粒子は、平均粒径が2.5μm以下のものを使用する。球状微粒子樹脂層は、均一な球状微粒子を集積する事によって、微粒子による光の回折を効率よく得る事を特徴としている。特に、高い発色性及び観察角度による鮮やかな色調変化を得る為には、球状微粒子の形状、粒度分布、集積形状について重要となるため、詳細を以下に説明する。
球状微粒子樹脂層に用いる球状微粒子の形状はできるだけ真球状である事が望ましい。微粒子を真球状にすると、粒径の方向依存性が低減されて回折角のバラツキが低減され、鮮やかな色調変化を得る事ができるためである。具体的には、個々の微粒子の最大径と最小径との比が、1.0〜1.2の範囲内である事が望ましい。
球状微粒子により回折される波長領域は、紫外光領域、可視光領域、赤外光領域の全て(波長2500nm以下)にわたるため、使用する球状微粒子の粒径は2.5μm以下が望ましい。2.5μm以下であれば、2500nm以下の全ての回折光を得る事ができるためである。
球状微粒子の粒度分布は、粒度のバラツキが少ない狭い範囲にある事が好ましい。粒度分布を狭くする事で回折角のバラツキが低減され、より鮮やかな色調変化を得る事ができるためである。具体的には、平均粒径の0.8〜1.2倍の範囲内に70%以上の粒子個数を有していると良い。更には、平均粒径の0.9〜1.1倍の範囲内に90%以上の粒子個数を有するようなシャープな粒度分布の球状粒子を使用する事で、更に鮮やかな色調変化を得る事も可能である。
球状微粒子は、樹脂層上に、一重の平面状態でより多く集積されて配置する事が好ましい。二重以上にランダムに粒子を積層した場合には、一重目で回折された各波長の光が、二重目以降でランダムな方向へと散乱されてしまうため発色強度が低下し、更に観察角度による鮮やかな色調変化も得られなくなる。また、平面状態でなく凹凸のある面に配置された場合には、凹凸免状の微粒子に対し、入射光又は観察角度が浅い状況での発色強度が低下してしまい、結果、観察角度による鮮やかな色調変化が得られなくなってしまう。
ここで、平均粒径及び粒度分布は、SEM(走査型電子顕微鏡)又はTEM(透過型電子顕微鏡)によって確認する事が可能である。また、個々の粒子の最大径と最小径の比の確認も、SEM又はTEMによる観察で行う事ができる。この為、粒径の測定では1個の粒子の最大径又は最小径のどちらかに統一してデータを採取する必要がある。なお、本発明では最大径に統一してデータを採取している。
また、偽造防止構造体の表面積に対する球状微粒子の面積充填率が、30%以上である事が好ましく、60%以上であると更に好ましい。30%未満になると、発色強度が低下し、また観察角度による鮮やかな色調変化も得られないためである。この面積充填率とは、偽造防止構造体の平面に対して垂直上方方向から、SEM又はTEMで観察したときの単位面積あたりの粒子面積(粒子1つの粒子面積は、平均粒径の円の面積とする)によって算出し、測定する面積範囲としては400μm以上が好ましい、尚、本発明では、2500μmの範囲を任意に5箇所選定し、該範囲内の粒子数を計算して粒子の面積充填率を算出した。
球状微粒子の材料としては、有機材料系又は無機材料系の単分散性球状微粒子が好ましい。有機材料系の単分散性球状微粒子としては、アクリル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ナイロン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリルアミド等の樹脂やこれらの2種類以上の樹脂からなる共重合樹脂等を挙げる事ができる。また、無機材料系の単分散性球状微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸バリウム、珪酸マグネシウム、燐酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸マグネシウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、参加コバルト、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム、珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸銅、硫化亜鉛、ガラス、各種金属粒子等が挙げられる。また、これらの有機材料、無機材料のうち2種類以上を使った、表面修飾型の微粒子、コアシェル型粒子、積層球状形粒子、数珠状の球状粒子等も挙げられる。また、これらの有機材料及び無機材料を使用した中空球状粒子、微粒子の球状凝集体、ポーラス球状粒子、熱膨張性球状粒子等も例として挙げられるが、本発明の球状微粒子はこれに限定されるものではない。
更に、球状微粒子による回折効果を複数組み合わせる事、粒径の異なる球状微粒子をそれぞれの領域で集積する事、球状微粒子回折構造を複層化する事、更には複数の波長、波長領域の回折を検証光として利用する事等によって、より複雑な光学効果を得る事も可能となる。
樹脂層は、球状微粒子を固定するための層であり、例えば塗工によって樹脂層を設ける場合には、公知の塗工用(印刷用)樹脂、粘着性樹脂、熱粘着性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の樹脂を用いる事が可能で、球状微粒子との密着性が良く、球状微粒子を固定可能な樹脂の中から、要求される物性に応じて適宜選択すれば良く、溶媒についても、水系でも良く溶剤系を用いても良い。
また、樹脂層は、架橋剤自体か、または上記樹脂に架橋剤を添加したものであっても良い。架橋剤としては、イソシアネート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物、シラノール基含有化合物等が挙げられる。これらの架橋剤によって、樹脂層内架橋や球状微粒子間架橋、樹脂層と球状微粒子を架橋させても良い。また、樹脂層と球状微粒子との架橋に必要な反応基を付与したり、架橋密度を上げるための触媒を添加したりしても良い。また、上記架橋に必要な官能基をポリマー中に有する自己架橋型の樹脂を用いても良い。
球状微粒子樹脂層の形成方法としては、例えば、樹脂層の材料を液状化したもの、または樹脂層を構成する成分を溶媒によって希釈したものを公知の印刷法で塗布し、該樹脂層の上に球状微粒子を散布した後に、微粒子固定樹脂の架橋反応、熱硬化反応、光重合反応等の化学反応または溶媒乾燥させる事により、樹脂層上に球状微粒子を固定させ、樹脂層によって固定されていない過剰な球状微粒子を、吸引、送風、溶媒洗浄等の工程により、物理的に除去する事で形成可能であるが、所望の条件を満たせば他の方法で形成しても良い。
球状微粒子反射層は、球状微粒子樹脂層に接するように設けられた光学薄膜であり、球状微粒子樹脂層を透過した光を反射させる機能を有する。球状微粒子反射層の材料としては、回折構造反射層と同様、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、Ag又は真鍮等の金属材料の単体若しくはこれらの化合物等が挙げられ、形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング法等の真空製膜法を利用する事ができ、厚みは5〜1000nm程度に制御できれば良い。また、金属光沢を持ったインキによって形成しても良い。
尚、回折構造反射層と同様にして、球状微粒子反射層上に耐薬品保護層を形成しても良く、球状微粒子反射層を任意の画像パターン若しくは文字パターン等のパターン状に設ける場合にも、回折構造反射層の場合と同様にして、耐薬品保護層を球状微粒子反射層のパターンに対応した形状に形成すれば良い。
本発明の偽造防止構造体を転写箔構造とする場合には、剥離保護層を設ける。剥離保護層は、熱圧で転写した後に支持体から剥離する事ができ、且つ転写後には偽造防止構造体の保護層としての機能も果たす。剥離保護層の材料としては、樹脂に滑剤を添加したものが使用できる。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が使用でき、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。また、滑剤としてはポリエチレンパウダーや、カルナバロウ等のワックスを使用する事ができ、20重量部まで添加する事が可能である。剥離保護層は、支持体上にこれらの材料を用いてグラビア印刷法、マイクログラビア法等の公知の塗布方法によって形成する。
該偽造防止構造体を、被転写基材に接着させて偽造防止媒体とするためには最外層に接着層を設ける必要がある。接着層としては、熱及び圧力によって被転写基材に接着するものであれば良く、被転写基材の材質や表面形状等を考慮し、公知の接着材料から適当な材料を選択し、使用する事ができる。尚、被転写基材としては、紙、プラスチック、合成紙等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、意匠性を向上すべく、上述した各層、球状微粒子を着色する事や、表面若しくは層間に印刷を施す事も可能であり、パターン状に形成した層の段差を目立たなくさせるためにオーバーコートを施しても良い。また、各層の接着性を鑑み、各層間に接着アンカー層を設ける事や、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理等の各種易接着処理を施しても良い。
更には、球状微粒子の回折光以外の光を除去する目的で、偽造防止構造体の下部に、黒色層(光吸収層)又は着色層(特定波長吸収層)を全面又は任意のパターンで設置したり、球状微粒子の回折光以外の光を正反射方向へ反射、散乱させる為の反射層や散乱層を追加で設けたりする事も可能である。
(実施例1)
支持体(11)として厚さ25μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用し、この支持体(11)の片面に、下記組成物からなるインキをバーコート法にて塗布し、100℃で1分間乾燥させて膜厚1μmの層とした後、ロールエンボス法により回折格子形成用のプレス版を160℃に過熱し、5m/minの加工速度で表面に回折格子を発生させるためのエンボス形状を形成し回折構造形成層(12)とした。
次に、この回折構造形成層(12)上に、任意の形状に回折構造反射層(13)を形成するための蒸着マスクを配置し、真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を膜厚50nmにて均一に形成した後、蒸着マスクを除去し、任意のパターン形状をした回折構造反射層(13)を形成した。
次に、樹脂層(141)要の樹脂として下記組成物からなるインキをバーコート法にて塗布し、120℃で3分間乾燥し、膜厚0.2μmの層を形成した後、球状微粒子(142)として3500B((株)モリテックス社製スチレン粒子:粒径500nm、平均粒径の0.8〜1.2倍の範囲内に90%以上の粒子個数を含有)を前記樹脂層上に散布し、再度120℃で3分間乾燥させた後、吸引機にて固定されていない微粒子を吸引除去して球状微粒子樹脂層(14)とした。ここで、粒子が一重平面状に70%以上の面積充填率で配置されている事をSEMによって確認した。
次に、この球状微粒子樹脂層(14)上に、真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を膜厚50nmにて均一に形成し、球状微粒子反射層(15)とした。
次に書き組成物からなるインキをバーコート法にて塗布し、120℃で3分間乾燥させて厚さ8μmの接着層(16)を形成し、偽造防止構造体(1)のステッカーを製造した。
「回折構造形成層インキ組成物」
ウレタン樹脂 20.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
「樹脂層インキ組成物」
アクリル樹脂(粘着剤) 35.0重量部
メチルエチルケトン 35.0重量部
トルエン 30.0重量部
「接着層インキ組成物」
アクリル樹脂(粘着剤) 40.0重量部
メチルエチルケトン 30.0重量部
トルエン 30.0重量部
こうして得られた偽造防止構造体(1)は接着層(16)が粘着剤であるステッカーであるため、予め文字や絵柄など所望の印刷を行った紙にそのまま貼付して偽造防止媒体(3)を作製した。
この偽造防止媒体(1)は、通常の光源下で正面付近から観察すると、回折構造反射層が形成されている部分においては、回折構造形成層による回折光の綺麗な画像を観察する事ができた。また、回折構造反射層が形成されていない部分においては、正面付近から観察した場合には、回折構造形成層による回折光は観察されずに球状微粒子樹脂層による回折光が観察され、更に偽造防止媒体の水平方向に対して30°以下の角度から観察した場合には乳白色を帯びた濃灰色から青緑色の色彩の変化が観察され、従来に無い光学変化を有している事が確認できた。
(実施例2)
支持体(11)として、厚さ25μmの透明なPETフィルムを使用した。この支持体(11)の片面に、下記組成物からなるインキをバーコート法にて塗布し、100℃で1分間乾燥して膜厚2μmの剥離保護層(18)を形成した。
次に、下記組成物からなるインキをバーコート法にて塗布し、100℃で30秒間乾燥し、膜厚1μmの層を形成した後、ロールエンボス法により回折格子形成用のプレス版を160℃に加熱し、5m/minの加工速度で表面に回折格子を発生させるためのエンボス形状を形成し、回折構造形成層(12)とした。
次に、この回折構造形成層(12)上に、任意の形状に回折構造反射層(13)を形成するための蒸着マスクを配置し、真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を膜厚50nmにて均一に形成した後、蒸着マスクを除去し、任意の形状をした回折構造反射層(13)を形成した。
次に、樹脂層(141)用の樹脂として下記組成物からなるインキをバーコート法にて塗布し、120℃で3分間乾燥し、膜厚0.2μmの層を形成した後、球状微粒子(142)として、3500B((株)モリテックス社製スチレン粒子:粒径500nm、平均粒径の0.8〜1.2倍の範囲内に90%以上の粒子個数を含有)を樹脂層上に散布し、再度120℃で3分間乾燥させた後、吸引機にて固定されていない微粒子を吸引除去して球状微粒子樹脂層(14)とした。ここで、粒子が一重平面状に70%以上の面積充填率で配置されていることをSEMによって確認した。
次に、この球状微粒子樹脂層(14)上に、真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を膜厚50nmにて均一に形成し、球状微粒子反射層(15)とした。
次に、下記組成物からなるインキをバーコート法にて塗布し、120℃で1分間乾燥させて厚さ3μmの接着層(16)を形成し、偽造防止構造体(3)を製造した。
「剥離保護層インキ組成物」
ポリアミドイミド樹脂(Tg.250℃) 19.2重量部
ポリエチレンパウダー 0.8重量部
ジメチルアセトアミド 45.0重量部
トルエン 35.0重量部
「回折構造形成層インキ組成物」
ウレタン樹脂 20.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
「樹脂層インキ組成物」
アクリル樹脂(粘着剤) 35.0重量部
メチルエチルケトン 35.0重量部
トルエン 30.0重量部
「接着層インキ組成物」
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 15.0重量部
アクリル樹脂(Tg.20℃) 10.0重量部
シリカ 1.0重量部
メチルエチルケトン 44.0重量部
トルエン 30.0重量部
この偽造防止構造体(3)を、予め文字や絵柄など所望の印刷を行ったプラスチックカードに重ね、温度140℃に熱した円型の熱ロールタイプの転写機を用いてプラスチックカードに熱転写後、すぐに支持体(11)を剥離除去し、偽造防止媒体(7)を製造した。
この偽造防止媒体(7)も、通常の光源下で正面付近から観察すると、回折構造反射層が形成されている部分においては、回折構造形成層による回折光の綺麗な画像を観察する事ができた。また、回折構造反射層が形成されていない部分においては、正面付近から観察した場合には、回折構造形成層による回折光は観察されずに球状微粒子樹脂層による回折光が観察され、さらに偽造防止媒体の水平方向に対して30°以下の角度から観察した場合には乳白色を帯びた濃灰色から青緑色の色彩の変化が観察され、従来に無い光学変化を有している事が確認できた。
(実施例3)
支持体(11)として、厚さ25μmの透明なPETフィルムを使用し、この支持体(11)の片面に下記組成物からなるインキをバーコート法にて塗布し、120℃で3分間乾燥し、膜厚0.2μmの樹脂層を形成した後、球状微粒子(142)として、3500B((株)モリテックス社製スチレン粒子:粒径500nm、平均粒径の0.8〜1.2倍の範囲内に90%以上の粒子個数を含有)を前記樹脂層上に散布し、再度120℃で3分間乾燥させた後、吸引機にて固定されていない微粒子を吸引除去し、球状微粒子樹脂層(14)とした。ここで、球状微粒子が一重平面状に70%以上の面積充填率で配置されていることをSEMによって確認した。
次に、この球状微粒子樹脂層(14)上に、任意の形状の球状微粒子反射層(15)を形成するための蒸着マスクを配置し、真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を膜厚50nmにて均一に形成した後、蒸着マスクを除去し、任意の形状をした球状微粒子反射層(15)を形成した。
次に、下記組成物からなるインキをバーコート法にて塗布し、100℃で1分間乾燥し、膜厚1μmの層を形成した後、ロールエンボス法により回折格子形成用のプレス版を160℃に過熱し、5m/minの加工速度で表面に回折格子を発生させるためのエンボス形状を形成し、回折構造形成層(12)とした。
次に、この回折構造形成層(12)上に、真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を膜厚50nmにて均一に形成して回折構造反射層(13)を形成した。
次に、下記組成物からなるインキをバーコート法にて塗布し、120℃で3分間乾燥させて厚さ8μmの接着層(16)を形成し、偽造防止構造体(4)のステッカーを製造した。
「樹脂層インキ組成物」
アクリル樹脂(粘着剤) 35.0重量部
メチルエチルケトン 35.0重量部
トルエン 30.0重量部
「回折構造形成層インキ組成物」
ウレタン樹脂 20.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
「接着層インキ組成物」
アクリル樹脂(粘着剤) 40.0重量部
メチルエチルケトン 30.0重量部
トルエン 30.0重量部
こうして得られた偽造防止構造体(4)は接着層(16)が粘着剤であるステッカーであるため、予め文字や絵柄など所望の印刷を行った紙にそのまま貼付して偽造防止媒体(8)を作製した。
この偽造防止媒体(8)は、通常の光源下で正面付近から観察すると、球状微粒子反射層(15)が形成されている部分においては、球状微粒子樹脂層による回折光が観察され、更に偽造防止媒体の水平方向に対して30°以下の角度から観察した場合には乳白色を帯びた濃灰色から青緑色の色彩の変化が観察する事ができる。また、球状微粒子反射層(15)が形成されていない部分においては、回折構造形成層による回折光の綺麗な画像を観察する事ができ、従来には無い光学変化を有している事が確認できた。
本発明に係る偽造防止構造体の実施形態例を示す断面図である。 図1の偽造防止構造体に耐薬品保護層を設けた偽造防止構造体を示す断面図である。 図1の偽造防止構造体に剥離保護層を設けた偽造防止構造体を示す断面図である。 本発明に係る偽造防止構造体の別の実施形態例を示す断面図である。 図1の偽造防止構造体の応用例を示す断面図である。 図1の偽造防止構造体を基材に貼付してなる偽造防止媒体を示す断面図である。 図3の偽造防止構造体を基材に転写してなる偽造防止媒体を示す断面図である。 図4の偽造防止構造体を基材に貼付してなる偽造防止媒体を示す断面図である。
符号の説明
1、2、3、4、5 偽造防止構造体
6、7、8 偽造防止媒体
11 支持体
12 回折構造形成層
13 回折構造反射層
14 球状微粒子樹脂層
141 樹脂層
142 球状微粒子
143 平均粒径が小さい球状微粒子からなる領域
144 平均粒径が大きい球状微粒子からなる領域
15 球状微粒子反射層
16 接着層
17 耐薬品保護層
18 剥離保護層
21 被転写基材

Claims (7)

  1. 支持体上に、少なくとも樹脂層上に球状微粒子を複数密集配置させてなる球状微粒子樹脂層、球状微粒子反射層、回折構造形成層及び回折構造反射層がこの順に積層されてなる偽造防止構造体であって、該球状微粒子反射層が、パターン状に設けられている事を特徴とする偽造防止構造体。
  2. 前記球状微粒子反射層と前記回折構造形成層との間の、少なくとも該球状微粒子反射層に対応する部分に、更に耐薬品保護層を積層してなる事を特徴とする請求項に記載の偽造防止構造体。
  3. 前記球状微粒子樹脂層を構成する複数の球状微粒子の平均粒径が2.5μm以下で、且つその粒度分布が平均粒径の0.8〜1.2倍の範囲内に70%以上の粒子個数を有しており、更に該球状微粒子は、その高さの半分以下が前記樹脂層に埋没固定され、該偽造防止構造体の表面積に対する面積充填率が30%以上である事を特徴とする請求項1または2に記載の偽造防止構造体。
  4. 前記球状微粒子樹脂層が、2つ以上の領域からなり、第1の領域を構成する球状微粒子と第2の領域を構成する前記球状微粒子とは異なる平均粒径を有し、各々の領域内において、該平均粒径の0.8〜1.2倍の範囲内に70%以上の粒子個数を有しており、更に該球状微粒子は、その高さの半分以下が前記樹脂層に埋没固定され、該偽造防止構造体の表面積に対する面積充填率が30%以上である事を特徴とする請求項1または2に記載の偽造防止構造体。
  5. 前記支持体側と反対の面に接着層を積層した事を特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の偽造防止構造体。
  6. 前記支持体側と反対の面に接着層を積層し、該支持体上に更に剥離保護層を設けた事を特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の偽造防止構造体。
  7. 請求項、又は6の何れかに記載の偽造防止構造体を、被転写基材に貼付してなる偽造防止媒体。
JP2008183569A 2008-07-15 2008-07-15 偽造防止構造体及びそれを用いた偽造防止媒体 Active JP5458519B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008183569A JP5458519B2 (ja) 2008-07-15 2008-07-15 偽造防止構造体及びそれを用いた偽造防止媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008183569A JP5458519B2 (ja) 2008-07-15 2008-07-15 偽造防止構造体及びそれを用いた偽造防止媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010025974A JP2010025974A (ja) 2010-02-04
JP5458519B2 true JP5458519B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=41731907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008183569A Active JP5458519B2 (ja) 2008-07-15 2008-07-15 偽造防止構造体及びそれを用いた偽造防止媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5458519B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6163892B2 (ja) * 2013-06-06 2017-07-19 凸版印刷株式会社 微細凹凸回折構造を有する表示体

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5656360A (en) * 1996-02-16 1997-08-12 Minnesota Mining And Manufacturing Company Article with holographic and retroreflective features
JP2003255115A (ja) * 2002-03-06 2003-09-10 Toppan Printing Co Ltd パターン状の金属反射層を有する回折構造形成体とその製造方法、並びに回折構造体転写箔、回折構造体ステッカー、及び回折構造体付き情報記録媒体
JP3995242B2 (ja) * 2003-03-05 2007-10-24 綜研化学株式会社 視感される有彩光色が構造色である光発色部材、その製造方法及びその製造方法を用いる電着カラー板の製造方法
EP1854642B1 (en) * 2006-05-12 2015-05-27 JDS Uniphase Corporation A security device formed by a hologram and a color shifting ink
JP4929901B2 (ja) * 2006-07-26 2012-05-09 凸版印刷株式会社 ホログラムシートの製造方法およびホログラムシート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010025974A (ja) 2010-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5477046B2 (ja) 表示体及びその製造方法
JP5228666B2 (ja) 偽造防止構造体、偽造防止ステッカー、偽造防止転写箔、偽造防止インキ、偽造防止媒体、偽造防止用紙、及び真偽判定方法
JP6269482B2 (ja) 異方性反射表示体、並びに異方性反射表示体を用いた情報記録体
JP5169083B2 (ja) 偽造防止積層体、偽造防止転写箔、偽造防止シール、偽造防止媒体、およびこれらの製造方法
JP2009134094A (ja) 回折構造転写箔及びそれを用いた偽造防止媒体
JP5256751B2 (ja) 回折構造転写箔及び回折構造被転写媒体
JP2006251784A (ja) 複数図柄光輝性スレッド、及びそれを用いた光輝性複数図柄形成物
JP2009134093A (ja) 回折構造物及びそれを用いた偽造防止媒体、並びに偽造防止用紙
JP5633391B2 (ja) 金属薄膜層を有する偽造防止媒体及び偽造防止用紙
JP5458519B2 (ja) 偽造防止構造体及びそれを用いた偽造防止媒体
JP5256718B2 (ja) 転写箔及び表示体付き物品
WO2018216700A1 (ja) 情報記録体、および、個人証明体
JP5948732B2 (ja) 偽造防止媒体
JP5364992B2 (ja) 転写箔及び情報表示体
JP2011027832A (ja) 表示体および転写箔並びに偽造防止媒体
JP4910599B2 (ja) 回折構造転写箔及び偽造防止媒体の製造方法
JP2009107166A (ja) 情報表示体およびその製造に用いる転写箔
JP4967566B2 (ja) 転写シート
JP5509843B2 (ja) ホログラムラベル
JP4967567B2 (ja) 転写シート
JP4978139B2 (ja) 偽造防止媒体
JP5621308B2 (ja) 偽造防止媒体
JP5407922B2 (ja) ホログラムラベル
JP2013076799A (ja) ホログラムシート
JP2014092648A (ja) ホログラムラベル及びホログラム転写箔

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131230

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5458519

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250