JP5457080B2 - 電子部品実装装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルで電子部品を吸着して実装を行う電子部品実装装置に関する。
従来の電子部品実装装置は、吸着ノズルを搭載し、X−Y平面を自在に移動可能なヘッドを備え、電子部品のフィーダーから吸着により電子部品を受け取り、基板の部品実装箇所までヘッドが移動し、吸着ノズルから電子部品を解放することで電子部品の実装を行っている。この際、電子部品の吸着に必要な負圧は真空ポンプを発生源としている(例えば、特許文献1参照)。マウンタ内部には圧縮空気を動力源とするアクチュエータであるエアシリンダが多くの場合使用されている。圧縮空気発生源から供給される圧縮空気は、減圧装置により、例えば、0.49[MPa]前後に減圧され、マウンタ内部に引き込まれるのが通常である。ヘッドには、この約0.49[MPa]のエアーチューブが接続され、ヘッドの移動を妨げないよう、縦横に配管されている。
また、上記吸着ノズルが電子部品を解放する際には、真空ポンプを停止し、吸着ノズル内を大気開放するが、その際、吸着ノズル内部が大気圧状態となるまでに待ち時間を生じるため、大気開放の速度を上げるために低圧に調整された正圧を吸着ノズルに短時間付与する(以下、微弱ブローという)手法が採られる場合がある。かかる微弱ブローの付与には、先のマウンタ内部に引き込まれた圧縮空気を更に減圧する減圧装置と電磁弁とが用いられる。
特開平6−132698号公報
ところで、先に述べた負圧発生源である真空ポンプは定期的なメンテナンスが必要でかつ、騒音の発生源になるという問題があった。また、真空ポンプは大型で質量も大きいため、電子部品実装装置のベースフレーム等に固定し、エアーチューブでヘッドに負圧を供給しなければならないが、ヘッドがX−Y平面を自在に移動を行う必要があるため、当該ヘッドの動作を妨げないように非常に長いエアーチューブが必要となり、さらにエアーチューブがX−Yに自在に移動するヘッドの動作に追従可能とするためのガイド機構も必要となるという問題があった。
さらに、かかるエアーチューブは、油分や異物の混入を生じる場合があり、エアーチューブ含む経路の途中に電磁弁等を介在させた場合に、エアーに混入した油分や異物により性能の低下や応答時間の低下などを生じるという問題が発生する場合があった。
また、前述した微弱ブローも行うためには、正圧供給のエアーチューブも必要であり、当該エアーチューブも同様の問題が生じていた。
また、吸着ノズルの負圧の発生源として、真空ポンプを使用せず、圧縮空気の流動による負圧を利用して負圧状態を発生させる真空発生機等を用いることも考えられる。かかる真空発生器は小型でヘッドに搭載可能だが、真空発生器自体に正圧を供給する必要があり、上記エアーチューブの問題が同様に生じていた。
本発明は、ヘッドに対する長いエアーチューブの接続を不要とすることをその目的とする。
請求項1記載の発明は、電子部品の実装が行われる基板を保持する基板保持部と、実装される電子部品を供給する部品供給部と、前記基板に搭載する電子部品を吸着する昇降可能な吸着ノズルを備えたヘッドと、前記基板保持部と前記部品供給部との間の前記ヘッドの移動を行う移動機構とを備える電子部品実装装置において、可撓性を有する膜又は薄板からなる可撓部と、前記可撓部に貼設された圧電素子と、前記可撓部と共に空気室を構成する構造体とを有する吸排気装置を前記ヘッドに搭載し、当該吸排気装置を前記吸着ノズルによる吸着を行うための負圧発生源としたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記吸排気装置の排気による空気の流動から負圧を得る負圧発生装置を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記吸着ノズルの吸着を解除するための正圧発生源としての前記吸排気装置も前記ヘッドに搭載したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記吸排気装置の吸気口と排気口とを前記吸着ノズルに対して切り換え接続する吸排気切り換え手段を備え、前記吸着ノズルの負圧発生源と正圧発生源としての機能を一つの吸排気装置が果たすことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、電子部品の実装が行われる基板を保持する基板保持部と、実装される電子部品を供給する部品供給部と、前記基板に搭載する電子部品を吸着する昇降可能な吸着ノズルを備えたヘッドと、前記基板保持部と前記部品供給部との間の前記ヘッドの移動を行う移動機構とを備える電子部品実装装置において、可撓性を有する膜又は薄板からなる可撓部と、前記可撓部に貼設された圧電素子と、前記可撓部と共に空気室を構成する構造体とを有する吸排気装置を前記ヘッドに搭載し、当該吸排気装置を前記吸着ノズルの吸着を解除するための正圧発生源としたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記吸排気装置の構造体に、前記空気室から外部に抜ける排気流路と当該排気流路に交差して合流する吸気流路とを設け、前記吸排気装置が、前記圧電素子により前記空気室の容積を周期的に増減させて吸排気を行うことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記吸排気装置の可撓部に複数の前記圧電素子を円周に沿って配置し前記可撓部又は構造体の前記円周の中央となる位置に吸気口を設けると共に前記可撓部又は構造体の前記円周の外周となる位置に排気口を設け、前記各圧電素子を円周に沿って順番に駆動させることで前記可撓部と構造体との隙間領域を回転移動させる駆動回路を備え、前記隙間領域の回転移動による遠心力で排気口から排気を行うことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記圧電素子の駆動周波数又は印加電圧を調節して吸気圧又は排気圧の制御を行う制御手段を備えることを特徴とする。
請求項1記載の発明は、圧電素子により可撓部を変形させて空気室から吸排気を行う吸排気装置を吸着ノズルの負圧源とする(なお、負圧とは大気圧よりも低い圧力を意味し、正圧とは大気圧よりも高い圧力を意味するものとする、以下、同様)。一般に圧電素子は薄型化が容易であり、圧電素子が取り付けられる可撓部も膜又は薄板状であることから、吸排気装置全体を薄型化することが可能である。従って、従来の負圧源のようにブロアとその回転駆動を行うモータを備える構成に比べて、吸排気装置は軽量化及び小型化を容易に実現することができ、ヘッドに直接搭載することが可能となる。その結果、作業領域内を自在に移動するヘッドに対する負圧供給を行う長大なエアーチューブを不要とし、ヘッドの移動に対応したガイド機構も不要とすることが可能となる。これに伴い、ヘッドの動作を円滑化すると共に、装置構成の簡略化による生産コスト低減を図ることが可能となる。
さらに、エアーチューブを不要とすることから、油分や異物の混入の発生を低減し、電磁弁などの使用する場合でもその性能や応答時間の低下を抑止することが可能となる。
また、微小な電子部品の吸着に要する吸着の圧力程度であれば、その強度を考慮しても軽量な材料を選択することができ、かかる観点からも、吸排気装置の軽量化を図ることが可能となる。
また、吸排気装置は圧電素子により可撓部を振動させて吸排気を行うので、例えば、その振動周波数を調節することで可聴域から外すことができ、騒音を抑制することも可能となる。
請求項2記載の発明は、負圧発生装置を備えるので、吸排気装置の吸気ではなく排気を負圧の発生に利用することが可能となる。従って、例えば、レイアウト上の問題で、吸気口が吸着ノズルから離れてしまうような場合でも、排気口側を吸着ノズルに接続することができるので、ヘッド上の吸排気装置の配置の自由度を高めることが可能となる。
請求項3記載の発明は、吸着ノズルの吸着を解除するための正圧発生源も吸排気装置としたので、ヘッドに対する正圧供給を行う長大なエアーチューブ及びそのガイド機構をも不要とすることが可能となる。これに伴い、電磁弁などの使用する場合にも油分や異物の混入による性能や応答時間の低下を抑止することが可能となる。
また、吸着ノズル内部の負圧解除を行うための正圧の圧力程度であれば、その強度を考慮しても軽量な材料を選択することができ、吸排気装置の軽量化を図ることが可能となる。
請求項4記載の発明は、吸排気装置の吸気口と排気口とを吸着ノズルに対して切り換え接続するので、吸排気装置を負圧発生源と正圧発生源の両方として利用することができ、ヘッドに搭載する吸排気装置の個体数を低減し、ヘッドの軽量化及び小型化を図ることが可能となる。
請求項5記載の発明は、小型軽量化が容易な吸排気装置を吸着ノズルの吸着を解除するための正圧発生源としているので、ヘッドに直接搭載することで、ヘッドに対する負圧供給を行う長大なエアーチューブを不要とし、ヘッドの移動に対応したガイド機構も不要とすることが可能となる。
また、吸着解除のため正圧圧力程度であれば、軽量な材料を選択することができ、吸排気装置の軽量化を図ることが可能となる。
さらに、加圧付与時に可聴域を外すように振動させることで騒音を抑制することも可能となる。
請求項6記載の発明は、吸排気装置が排気流路に吸気流路を合流させる構造をとるので、可撓部の振動により空気室内の容積が減少から増加に転じた時でも、排気経路内の排気は慣性力で外部に吐出され、脈動を最小限に抑制して吸排気を行うことが可能となる。
また、可撓部を圧電素子で単純に振動させればよい構造なので、吸排気装置自体の構造の簡易化を図ることができると共に、制御が簡単であり、その制御回路を容易に製造することが可能となる。
請求項7記載の発明は、円周に沿って配設された複数の圧電素子により、隙間領域を回転移動させると共にその遠心力で吸排気を行うので、脈動のない吸排気を行うことが可能となる。
請求項8記載の発明は、圧電素子の駆動周波数又は印加電圧で吸排気の圧力を制御するので、圧力をいつでも容易に調節することが可能となる。また、圧力調節のための電空レギュレータを不要とすることができ、装置の生産コスト低減を図ることも可能である。
また、特に、吸着ノズルの負圧解除のための正圧付与を行う場合には、精細な圧力調節が要求されるが、その調節を制御により容易に行うことができ、調節作業負担の軽減を図ることも可能となる。
本実施の形態に係る電子部品実装装置の全体を示す斜視図である。 電子部品実装装置の制御系を示すブロック図である。 電子部品実装装置の吸排気系統を示すブロック図である。 吸排気装置の分解斜視図、 図5は吸排気装置の中心線方向に沿った断面図であって図5(A)は非作動時、図5(B)は作動時を示す。 圧電素子の配置を示す平面図である。 集合管を備える吸排気装置の中心線方向に沿った断面図である。 他の吸排気切り換え電磁弁を備える吸排気系統を示すブロック図である。 図9(A)は第二の実施形態の電子部品実装装置の吸排気系統を示すブロック図、図9(B)は負圧発生装置の断面図である。 第三の実施形態の電子部品実装装置の吸排気系統を示すブロック図である。 第三の実施形態で用いる吸排気装置の斜視図である。 第三の実施形態で用いる吸排気装置の図11のX−X線に沿った斜視図である。 第三の実施形態で用いる吸排気装置の図12のY−Y線に沿った斜視図である。 集合管を備える図11の吸排気装置の中心線方向に沿った断面図である。 第四の実施形態の電子部品実装装置の吸排気系統を示すブロック図である。 第五の実施形態の電子部品実装装置の吸排気系統を示すブロック図である。 第六の実施形態の電子部品実装装置の吸排気系統を示すブロック図である。 第七の実施形態の電子部品実装装置の吸排気系統を示すブロック図である。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態について、図1乃至図7に基づいて説明する。図1は、本実施形態たる電子部品実装装置100の斜視図である。以下、図示のように、水平面において互いに直交する二方向をそれぞれX軸方向とY軸方向とし、これらに直交する鉛直方向をZ軸方向というものとする。
電子部品実装装置100は、基板に各種の電子部品の搭載を行うものであって、図1に示すように、搭載される電子部品を供給する複数の電子部品フィーダー101及び電子部品フィーダー101を複数並べて保持するフィーダーバンク102からなる二組の部品供給部と、X軸方向に基板を搬送する基板搬送手段103と、当該基板搬送手段103による基板搬送経路の途中に設けられた基板に対する電子部品搭載作業を行うための基板保持部104と、複数(この例では三基)の吸着ノズル105を昇降可能に保持して電子部品Tの保持を行うヘッド106と、ヘッド106を二組の部品供給部と基板保持部104とを含んだ作業エリア内の任意の位置に駆動搬送するヘッド移動機構としてのX−Yガントリ107と、上記各構成を搭載支持するベースフレーム114と、上記各構成の動作制御を行う動作制御手段10とを備えている。
かかる電子部品実装装置100の動作制御手段10は、電子部品の実装に関する各種の設定内容が記録された実装データを保有し、実装データから実装すべき電子部品と、電子部品の電子部品フィーダー101の設置位置に基づく部品受け取り位置と、基板上の実装位置を示すデータを読み出すと共に、X−Yガントリ107を制御してヘッド106を電子部品の受け取り位置及び実装位置に移送し、各位置においてヘッド106を制御して吸着ノズル105の昇降動作及び吸着−解放動作を行い、さらに、移動中において、図示しない部品姿勢認識手段を用いて吸着時の電子部品の位置及びノズル回りの角度検出を行うと共に位置補正及び角度調節をなどの動作制御を実行する。
(基板搬送手段及び基板保持部)
基板搬送手段103は、図示しない搬送ベルトを備えており、その搬送ベルトにより基板をX軸方向に沿って搬送する。
また、前述したように、基板搬送手段103による基板搬送経路の途中には、電子部品を基板へ搭載する際の作業位置で基板を固定保持するための基板保持部104が設けられている。基板搬送手段103は、基板保持部104まで基板を搬送すると共に停止して、図示しない保持機構により基板の保持を行う。つまり、基板は保持機構により保持された状態で安定した電子部品の搭載作業が行われる。
(部品供給部)
各フィーダーバンク102は、ベースフレーム114のY軸方向両端部のそれぞれにX軸方向に沿った状態で設けられている。各フィーダーバンク102は、X−Y平面に沿った平坦部を備え、当該平坦部の上面に複数の電子部品フィーダー101がX軸方向に沿って羅列して載置装備される(図1では電子部品フィーダー101を一つのみ図示しているが実際にはいくつもの電子部品フィーダー101が並んで装備される)。
また、各フィーダーバンク102は、各電子部品フィーダー101を保持するための図示しないラッチ機構を備えており、必要に応じて、各電子部品フィーダー101を装着又は分離することを可能としている。
上述した電子部品フィーダー101は、後端部側に電子部品が均一間隔で無数に封入されたテープを巻回したテープリールを保持すると共に、先端部近傍には、上述したように、ヘッド106への電子部品の受け渡し部101aを有している。そして、フィーダーバンク102に取り付けられた状態では、電子部品の受け渡し部101aがY軸方向及びZ軸方向について一定の位置となるようになっている。なお、X軸方向についてはフィーダーバンク102上のX軸方向におけるいずれの位置に取り付けられるかによって電子部品の受け渡し部101aの位置も定まることとなる。
そして、実装作業の実行時には、電子部品の受け渡し部101aまでテープの搬送が行われて、当該受け渡し部101aに位置決めされたヘッド106に対して電子部品の供給が行われるようになっている。
(X−Yガントリ)
X−Yガントリ107は、X軸方向にヘッド106の移動を案内するX軸ガイドレール107aと、このX軸ガイドレール107aと共にヘッド106をY軸方向に案内する二本のY軸ガイドレール107bと、X軸方向に沿ってヘッド106を移動させる駆動源であるX軸モータ109と、X軸ガイドレール107aを介してヘッド106をY軸方向に移動させる駆動源であるY軸モータ110とを備えている。そして、各モータ109、110の駆動により、ヘッド106を二本のY軸ガイドレール107bの間となる領域のほぼ全体に搬送することを可能としている。
なお、各モータ109、110は、ぞれぞれの回転量が動作制御手段10に認識され、所望の回転量となるように制御されることにより、ヘッド106を介して吸着ノズル105の位置決めを行っている。
また、電子部品実装作業の必要上、前記した二つのフィーダーバンク102,基板保持部104とはいずれもX−Yガントリ107によるヘッド106の搬送可能領域内に配置されている。
(ヘッド)
図2は電子部品実装装置100の制御系を示すブロック図である。なお、この図2では一本の吸着ノズル105の制御構成のみを図示しているが、実際には、ヘッド106に搭載された吸着ノズル105ごとに制御構成が設けられている。
ヘッド106は、その先端部で空気吸引により電子部品Tを保持する三基の吸着ノズル105(図1参照)と、吸着ノズル105をそれぞれZ軸方向に沿って昇降させる三基のZ軸モータ111と、各吸着ノズル105をそれぞれ回転させて保持された電子部品をZ軸方向回りに角度調節するための三基の回転モータ112とが設けられている。
上記各吸着ノズル105は、Z軸方向に沿った状態で昇降可能且つ回転可能にヘッド106に支持されており、昇降による電子部品の受け取り又は実装及び回転による電子部品の角度調節が可能となっている。
図3はヘッド106内に設けられた電子部品の吸着及びその関連動作を行うための吸排気系統を示したブロック図である。この図3では一本の吸着ノズル105の吸排気系統のみを図示しているが、実際には、ヘッド106に搭載された吸着ノズル105ごとに吸排気系統が設けられている。
各吸着ノズル105の吸排気系統は、吸着ノズル105の電子部品吸着のための負圧発生源である吸排気装置20Aと、吸着ノズル105を吸排気装置20Aとを接続する主配管61と、吸着ノズル105の電子部品解放のための正圧(微弱ブロー)発生源である吸排気装置20Bと、主配管61から分岐して吸着ノズル105と吸排気装置20Bとを接続する分岐配管62と、吸着ノズル105に対して吸排気装置20Aと吸排気装置20Bとの接続状態を切り換えるための正負圧力切り換え手段として吸排気切り換え電磁弁63とを有する構成となっている。
上記主配管61は、その一端部が吸着ノズル105に接続されると共に他端部が吸排気装置20Aの吸気口に接続されている。
また、分岐配管62は、その一端部が主配管61の途中に接続されると共に他端部が吸排気装置20Bの排気口に接続されている。
また、吸排気切り換え電磁弁63は、分岐配管62の途中に設けられた、ノーマルクローズタイプの2ポート2位置のパイロット型電磁弁である。この吸排気切り換え電磁弁63は、後述する動作制御手段10により吸排気装置20Bと吸着ノズル105との接続と非接続とを切り換える機能を備えている。
(吸排気装置)
図4は吸排気装置20Aの分解斜視図、図5はその中心線方向に沿った断面図であって図5(A)は非作動時、図5(B)は作動時を示す。
吸排気装置20Aは、可撓性を有する薄板状の可撓部としての振動板21と、振動板21の上面に円周に沿って貼設された八つの圧電素子22と、振動板21と共に空気室を構成する構造体としての基板23とを備えている。
基板23は円形であり、その外周近傍には、その表裏に貫通するように、円周を四分割した円弧状の排気口24が四つ形成されている。
振動板21は基板と同径の円形であり、基板23の上面の外周近傍(各排気口24よりも外側)で全周に渡って固着されている。つまり、基板23の各排気口24よりも内側のエリアは振動板21と未接着状態であり、当該エリアにおける基板23と振動板21とのギャップが空気室A(隙間領域)となるようになっている(図5(B)参照)。また、振動板21の中央部にはその表裏に貫通する吸気口25が形成されており、当該吸気口25から空気室Aに大気が取り込まれ、基板23の排気口24から排気されるようになっている。
各圧電素子22は円環を八等分してなる円弧状であり、各圧電素子22は円環状となるようにその下面全体が振動板21の上面に貼着されている。八つの圧電素子22は、その円環の外径が振動板の外径より小さく設定され、円環の内径が振動板の21の吸気口25よりも大きく設定され、振動板21に対して同心となるように配置されている。
吸排気装置20Aは各圧電素子22に個別に作動電圧を印加する駆動回路26を備えており、この駆動回路26による正の駆動電圧の印加により、圧電素子22は円弧形状の両端部が下方に撓む特性を有しており、これにより、圧電素子22は半径方向から見て上方が凸となる円弧状に撓むようになっている。そして、この撓みを利用して振動板21と基板23との間に空気室Aの形成を行っている。
駆動回路26は、各圧電素子22に個別に駆動電圧を印加することが可能であり、図6に示すように、各圧電素子22の中で駆動電圧を印加する圧電素子22Xを円周に沿って一定方向(時計方向と反時計方向のいずれでも良い)に推移させるように通電を行う。これにより、空気室Aが円周に沿って回転移動を行うこととなり、これに伴い、空気室A内の空気は遠心力によってその半径方向外側に流動することとなる。その結果、空気室Aの中心側が低圧、外周側が高圧となり、吸気口25から空気が流入し、各排気口24からは空気が排出されるようになって、吸排気が行われる。
なお、駆動回路26は正弦曲線に従って電位が変化する交流電圧を、各圧電素子24に対して並び順に1/8周期の位相差或いは1/4周期の位相差で印加しても良い(この場合も時計方向と反時計方向のいずれに差を設けても良い)。1/8周期の位相差の場合には上記とほぼ同様に吸排気を行うことができ、1/4周期の位相差の場合には、円周の中心で対向する二つの圧電素子22により二つの空気室Aを形成することが可能となる。
また、各圧電素子22は、モノモルフでもバイモルフであっても良いが、バイモルフの場合には撓みを大きくでき、空気室Aの容積を大きくすることができるのでより好適である。
また、駆動回路26による印加電圧又はその周期(圧電素子22Xの推移する速度又は交流の周波数)は動作制御手段10により変更調節を行うことが可能であり、これらの変更により吸排気装置20Aによる吸排気の流量を自在に調節することが可能となっている。
図7は吸排気装置20Bの断面図である。吸排気装置20Bは吸排気装置20Aと全く同じ構成に加えて、四つの排気口24からの排気を集合させる集合管27を有している。吸排気装置20Bについて、吸排気装置20Aと同じ構成については同符号を付して説明を省略する。
吸排気装置20Bの集合管27は、上部が開口し、当該開口部に基板23が隙間なく嵌合して、各排気口24からの排気が全て集合管27内部に排出されるようになっている。そして、集合管27の中央下部には外部に貫通した排気口28が設けられ、各排気口24からの排気が全て一つの排気口28から排気されるようになっている。
前述した吸排気装置20Aは、各排気口24から順番に排気が行われるようになっているが、吸排気装置20Bは、一つの排気口28から排気が行われ、これにより、正圧を必要とする対象物に排気口28を接続することにより、脈動のない正圧を供給することが可能となっている。
(動作制御手段)
図2に示すように、動作制御手段10は、主に、X−Yガントリ107のX軸モータ109、Y軸モータ110、ヘッド106において吸着ノズル105の昇降を行うZ軸モータ111、吸着ノズル105の回転を行う回転モータ112、吸排気装置20Aと吸排気装置20Bの各駆動回路26,26について、所定の制御プログラムに従って各種の処理及び制御を実行するCPU30と、各種の処理及び制御を実行するためのプログラムが格納されたシステムROM12と、各種のデータを格納することで各種の処理の作業領域となるRAM13と、CPU30と各種の機器との接続を図るI/F(インターフェース)14と、基板に実装する電子部品のリストや各電子部品の実装位置及び電子部品の受け取り位置等の実装の動作制御に要する実装データ等が格納される不揮発性の記憶装置17と、各種の設定や操作に要するデータの入力を行うための操作パネル15と、各種設定の内容や必要情報の提示等を行う表示モニタ18とを有している。また、前述した各モータ109〜112はいずれもエンコーダを備えるサーボモータであり、図示しないサーボドライバを介してI/F14と接続されている。
上記CPU30は、電子部品の実装作業時には、記憶装置17から実装データの読み込みを行い、当該実装データから、基板に対する実装対象となる各種の電子部品のリスト、各電子部品の受け取り位置及び実装位置の情報を取得する。
そして、CPU30は、X軸及びY軸モータ109,110を制御してヘッド106を当該電子部品の受け取り位置に移送し、Z軸モータを制御して吸着ノズル105を下降させて電子部品を吸着し、吸着ノズル105を上昇させてさらに実装位置までヘッド106の移送を行う。そして、CPU30は、実装位置への移送中において、部品姿勢認識手段を用いて吸着された電子部品のノズルに対する位置及びノズル回りの角度の検出を行い、回転モータ112を制御して角度の補正を実行する。また、ヘッド106の実装位置への位置決めの際に、電子部品のノズルに対する位置を考慮して補正を行う。
さらに、Z軸モータにより吸着ノズル105を下降させて電子部品の実装を完了する。
CPU30は、基板に搭載される全電子部品について、上記動作を繰り返し実行する。
ここで、上記電子部品の実装動作に際して行われる吸着ノズル105の吸排気系統に対する制御についてさらに説明することとする。
電子部品の受け取り時には、CPU30は、吸排気切り換え電磁弁63の閉状態を維持しつつ、吸排気装置20Aの駆動回路26を制御して駆動を開始させ、吸着ノズル105の内部を負圧状態とする。かかる状態で電子部品の受け取りを行い、吸着ノズル105の先端部に電子部品の吸着させる。なお、吸排気装置20Aに印加する駆動電圧の電圧値又は周波数は、対象となる電子部品の吸着に適した圧力が得られるような値が予め設定され、これに基づいて駆動回路26の制御が行われるようになっている。かかる設定値は、例えば、電子部品ごとに実装データ内に用意しておくようにしても良い。
そして、電子部品の基板への実装においては、CPU30は、実装位置にヘッド106が到着し、吸着ノズル105の下降が開始されると、目標高さに到達する前に、所定の遅れを考慮したタイミングで吸排気装置20Aの駆動を停止させると共に、吸排気装置20Bの駆動を開始し且つ吸排気切り換え電磁弁63を接続状態に切り換える。これにより、負圧状態にあった吸着ノズル105の内部が速やかに正圧に切り替わり、吸着ノズル105の先端部から電子部品が離れて基板側に実装される。
(第一の実施形態の効果)
電子部品実装装置10では、吸着ノズル105の吸気のための負圧発生源である吸排気装置20Aと微弱ブローのための正圧発生源である吸排気装置20Bとが、いずれも、各圧電素子22により可撓部21を変形させて空気室Aから吸排気を行う構造となっている。かかる圧電素子22は板状で薄型化が容易であり、各圧電素子22が取り付けられる可撓部21も膜又は薄板状であることから、吸排気装置20A及び20Bはその全体を薄型化することが可能である。
従って、従来装置のようにブロアとモータからなる構成に比べて、吸排気装置20A,20Bは軽量化及び小型化を容易に実現することができ、ヘッド106に直接搭載することが可能である。従って、ヘッド106に対する負圧及び正圧の供給を行う長大なエアーチューブを不要とし、ヘッド106の移動に対応したガイド機構も不要とすることが可能となる。これにより、ヘッド106の動作を円滑化すると共に、装置構成の簡略化による電子部品実装装置10の生産コスト低減を図ることが可能となる。
また、これに伴い、エアーチューブを不要とするので、油分や異物の混入の発生を低減し、吸排気切り換え電磁弁63などの性能や応答時間の低下を抑止することが可能となる。
また、電子部品の吸着に要する負圧の圧力や電子部品の解放に要する正圧の圧力程度であれば、各吸排気装置20A,20Bについて、その強度を考慮しても軽量な材料を選択することができ、その軽量化を図ることができ、ヘッド106の軽量化も実現可能となる。
また、各吸排気装置20A,20Bについては、圧電素子22の振動周波数を可聴域から外れるように調節することで、騒音を抑制することも可能となる。
さらに、各吸排気装置20A,20Bは、各圧電素子22に印加する電圧値或いは電圧の周波数によって吸排気量を制御でき、これに伴い、発生する負圧又は正圧を制御することができるので、圧力調節のための電空レギュレータを不要とすることができ、装置の生産コスト低減を図ることも可能である。また、特に、吸着ノズルの負圧解除のための正圧付与を行う場合には、精細な圧力調節が要求されるが、その調節を動作制御手段10により容易に行うことができ、調節作業負担の軽減を図ることも可能となる。
なお、上述したヘッド106内における吸排気系統では、分岐配管62に吸排気切り換え電磁弁63を設けているので、微弱ブロー実行時の正圧付与の際には、主配管61を通じて吸着ノズル105側だけでなく、吸排気装置20A側にもエアーが流れてしまう。従って、正圧付与の際には、吸排気装置20A側への流出を考慮して吸排気装置20Bによる排気量を設定する必要がある。
従って、吸排気切り換え電磁弁64に替えて、図8に示すような、4ポート2位置のパイロット型電磁弁64Aを、主配管61と分岐配管62の結合位置に設けても良い。なお、図8では各吸排気装置20A、20Bの駆動回路26の図示は省略している。
かかる吸排気切り換え電磁弁64Aは、一方の位置では吸排気装置20Aから吸着ノズル105までを接続し、他方の位置では吸排気装置20Bと吸着ノズル105までを接続する。また、この他方の位置にあるときには、吸排気装置20Bと吸排気装置20Aとは接続されないようになっている。
このように、吸排気切り換え電磁弁64Aを図8に示す配置で使用することで、正圧付与の際に吸排気装置20A側への流出を生じることなく、吸排気装置20Bから正圧の供給を行うことができ、正圧の調節を容易とし、正圧付与の際の遅れも抑制することができる。
なお、かかる吸排気切り換え電磁弁64Aの例は、後述する第二〜第五の実施形態についても適用可能である。
(第二の実施形態)
図9に基づいて、電子部品実装装置10におけるヘッド106の吸着ノズル105に対する吸排気系統の他の例を第二の実施形態として説明する。なお、かかる吸排気系統以外の構成については前述した電子部品実装装置10の構成と同様なので重複する説明は省略することとする。
この吸排気系統では、図9(A)に示すように、吸着ノズル105の吸着のための負圧発生源として吸排気装置20Aに替えて吸排気装置20Bを利用し、当該吸排気装置20Bの排気口28(図7参照)から排気される正圧の空気の流動を利用する負圧発生装置65を新たな構成として加えている。なお、図9(A)では各吸排気装置20Bの駆動回路26の図示は省略している。
上記負圧発生装置65は、図9(B)に示すように、真っ直ぐな主管路65aと当該主管路65aに対して直交して分岐した分岐管路65bとから構成され、主管路65aの一端部は吸排気装置20Bの排気口28に接続され、他端部は大気に開放されている。また、分岐管路65bは主配管61を介して吸着ノズル105に接続されている。かかる構造により、主管路65a内を吸排気装置20Bの排気が流動すると、その流速に応じて主管路65a内が低圧となり、これに伴って分岐管路65bも低圧となることで、吸着ノズル105に負圧を供給することを可能としている。
上記第二の実施形態では、吸着ノズル105の電子部品の受け取りの際には、負圧発生装置65に接続された吸排気装置20Bを駆動させ、電子部品の実装(吸着解放)の際には、吸排気切り換え電磁弁54の切り換えを行い、分岐配管62側の吸排気装置20Bを駆動させる。
これにより、第二の実施形態に示す吸排気系統は第一の実施形態の吸排気系統と同様の効果を具備することが可能である。
また、この実施形態の例のように、負圧発生装置65を用いることで、吸排気装置20Bを負圧発生源として利用することができ、例えば、ヘッド105の搭載の配置の問題で、吸排気装置20Aよりも吸排気装置20Bを利用することが望ましいような場合に、その要求に対応することが可能である。
(第三の実施形態)
図10から図13に基づいて、電子部品実装装置10におけるヘッド106の吸着ノズル105に対する吸排気系統の他の例を第三の実施形態として説明する。なお、かかる吸排気系統以外の構成については前述した電子部品実装装置10の構成と同様なので重複する説明は省略することとする。
この吸排気系統では、図10に示すように、吸着ノズル105の吸着のための負圧発生源として吸排気装置20Aに替えて新たな吸排気装置30Bを利用し、電子部品の解放のための微弱ブローの正圧発生源としての吸排気装置20Bに替えて吸排気装置30Aを用いる例を示している。
図11は吸排気装置30Aの斜視図、図12は図11のX−X線に沿った断面図、図13は図12のY−Y線に沿った断面図である。
吸排気装置30Aは、可撓性を有する膜状の可撓部としてのダイヤフラム31と、ダイヤフラム31の下面中央部に貼設された圧電素子32と、ダイヤフラム31と共に空気室を構成する構造体33と、振動板31を構造体33に固定する固定板34と、ダイアフラム31が周期的にその厚さ方向に振動を行うように圧電素子32の制御を行う駆動回路38と備えている。
構造体33は、平面視正方形状であり、底面中央部に凹部33aが形成されている。そして、構造体33の平面視の形状と同形状で同サイズのダイヤフラム31がこの凹部33aを閉塞するように、構造体33と固定板34とで挟持固定されている。このようにして構造体33の凹部33aがダイヤフラム31で閉塞されることで空気室Aが形成されている。
そして、構造体33の上面中心部から空気室Aまで上下に貫通して排気流路35が形成されており、空気室Aの容積縮小時にこの排気流路35を通過して吸排気装置30Aの上方に排気が行われるようになっている。即ち、この排気流路35の上端部が吸排気装置30Aの排気口となっている。
また、構造体33の排気流路35の途中には径大となるバッファ部36が設けられており、当該バッファ部36から四方に向かっていずれも排気流路35に直交する方向に吸気流路37が形成されている。なお、バッファ部36を設けずに、排気流路35に対して各吸気流路37が直接合流する構造としても良い。
各吸気流路37は、構造体33の四隅において、後方に向かって屈曲し、ダイヤフラム31及び固定板34を貫通して吸排気装置30Aの下面で大気に開放されている。つまり、各吸気流路37の下端部が吸気口となっている。
固定板34は、その中央部が構造体33の凹部33aと同じサイズで上下に貫通した開口34aが形成されている。そして、この開口34aの内側に格納されるように、ダイヤフラム31の下面中央部に圧電素子32の上面が貼着されている。
駆動回路38は、圧電素子32に交流の作動電圧を印加しており、この駆動回路38による正極の電圧の印加により圧電素子32は上方に凸となるように撓みを生じ、負極の電圧の印加により圧電素子32は下方に凸となるように撓みを生じる。つまり、正極電圧で空気室Aが圧迫されて負極電圧で空気室が拡張されるようになっている。
ここで、空気室Aの圧迫時と拡張時の吸排気の流れについて説明する。
まず、駆動回路38による正極の電圧の印加により空気室Aが圧迫された時には、排気流路35内ではバッファ部36を通過して上方への空気の流動を生じる。これによりバッファ部36内は圧力低下を生じ、各吸気流路37を通じて外部から吸気が行われる。
次に、駆動回路38による負極の電圧の印加により空気室Aが拡張した時には、各吸気流路37から空気室A内へと空気が流入すると共に、排気流路35におけるバッファ部36よりも上方部分では慣性力により、各吸気流路37から排気流路35の上端部(排気口)への空気の流動が継続して行われる。つまり、吸排気装置30Aは、交流電圧の印加により圧電素子32が上下に交互に撓んで、空気室Aが伸縮を行っても、排気流路35の排気口からは排気が行われることとなり、脈動は抑制され、連続的な排気が行われるようになっている。
なお、圧電素子32もモノモルフでもバイモルフであっても良いが、バイモルフの場合には撓みを大きくでき、空気室Aの伸縮による容積変化を大きくすることができるのでより好適である。
また、駆動回路38による印加電圧とその周期(圧電素子22Xの推移する速度又は交流の周波数)は動作制御手段10により変更調節を行うことが可能であり、これらの変更により吸排気装置20Aによる吸排気の流量を自在に調節することが可能となっている。
図14は吸排気装置30Bの断面図である。吸排気装置30Bは吸排気装置30Aと全く同じ構成に加えて、四つの吸気流路37の各吸気口を集合させる集合管39を有している。吸排気装置30Bについて、吸排気装置30Aと同じ構成については同符号を付して説明を省略する。
吸排気装置30Bの集合管39は、上部が開口し、当該開口部に固定板34が隙間なく嵌合している。そして、集合管39の下面中央部には上下に貫通する一つの吸気口40が形成されており、各吸気流路37の吸気口からの吸気は、この一つの吸気口40から集合管39の内部を通じて供給されるようになっている。
この集合管39により、吸気口40を一つにまとめることができ、吸排気装置30Bを負圧供給源とする場合には、この吸気口40と接続を行えば良いようになっている。
第三の実施形態の吸排気系統では、第一の実施形態の吸排気系統と同様の効果を得ることができることに加えて、吸排気装置30A、30Bは一つの圧電素子32を駆動源とする構造であり、且つ、ダイヤフラム31を圧電素子32で単純に厚さ方向に往復振動させればよい構造なので、吸排気装置自体の構造の簡易化を図ることができると共に、駆動回路38を簡易化できると共に、その制御の簡易化も可能となる。
また、制御が簡単であり、その制御回路を容易に製造することが可能となる。
(第四の実施形態)
図15に基づいて、電子部品実装装置10の吸排気系統の他の例を第四の実施形態として説明する。なお、かかる第四の実施形態の吸排気系統は使用する吸排気装置以外は前述した第二の実施形態の吸排気系統と同様なので重複する説明は省略することとする。また、図15では各吸排気装置30Aの駆動回路38の図示は省略している。
この吸排気系統では、図15に示すように、吸着ノズル105の吸着のための負圧発生源として吸排気装置30Aを利用し、当該吸排気装置30Aの排気口40(図12参照)から排気される正圧の空気の流動を利用して負圧発生装置65により負圧を発生させて、吸着ノズル105に供給を行っている。また、負圧を解除するための微弱ブローを行うための正圧発生源としても吸排気装置30Aを利用している。
上記第四の実施形態では、第二の実施形態の吸排気系統と同様の効果を具備することが可能である。また、負圧発生源も正圧発生源も同じ構造の吸排気装置30Aを使用するので、部品共通化により装置の生産性の向上を図ることが可能となる。
(第五の実施形態)
図16に基づいて、電子部品実装装置10の吸排気系統の他の例を第五の実施形態として説明する。なお、かかる第五の実施形態の吸排気系統は使用する吸排気装置以外は前述した第一の実施形態の吸排気系統と同様なので重複する説明は省略することとする。また、図16では各吸排気装置20A、30Aの駆動回路26,38の図示は省略している。
この吸排気系統では、図16に示すように、吸着ノズル105の吸着のための負圧発生源として吸排気装置20Aを利用し、負圧を解除するための微弱ブローを行うための正圧発生源として吸排気装置30Aを利用している。
上記第五の実施形態では、第一の実施形態の吸排気系統と同様の効果を得ることが可能である。また、吸排気装置20A及び吸排気装置30Aのように集合管27,39を必要としないものを利用するので、製品コストの低減を図ることが可能となる。
(第六の実施形態)
図17に基づいて、電子部品実装装置10におけるヘッド106の吸着ノズル105に対する吸排気系統の他の例を第六の実施形態として説明する。なお、かかる第六の実施形態は吸排気系統以外は前述した第一の実施形態と同様なので重複する説明は省略することとする。また、図17では吸排気装置20Bの駆動回路26の図示は省略している。
この吸排気系統では、図17に示すように、吸着ノズル105の吸着のための負圧発生源として吸排気装置20Bを利用し、負圧を解除するための微弱ブローを行うための正圧発生源としても同一の吸排気装置20Bを併用することで、一つの吸着ノズル105につき一つの吸排気装置20Bしか必要としない構成を実現している。
即ち、吸排気装置20Bの吸気口25を主配管61を通じて吸着ノズル105と接続し、吸排気装置20Bの排気口28を分岐配管62を通じて吸着ノズル105を接続し、主配管61に対する分岐配管62の合流位置に吸着ノズル105に対して吸排気装置20Bの吸気口25又は排気口28のいずれかを選択的に接続する吸排気切り換え電磁弁63Bを設けるという構成を採っている。
吸排気切り換え電磁弁63Bは、4ポート2位置のパイロット型電磁弁であり、吸排気装置20Bの吸気口25が接続されたポートと排気口28が接続されたポートとを、それぞれ吸着ノズル105に接続されたポートと大気に開放されたポートとに切り換え接続するようになっている。
動作制御手段10は、かかる吸排気切り換え電磁弁63Bに対して、電子部品の吸着時には、吸排気装置20Bの吸気口25を吸着ノズル105と接続すると共に吸排気装置20Bの排気口28を大気開放側に接続し、電子部品の実装時(解放時)には、吸排気装置20Bの排気口28を吸着ノズル105と接続すると共に吸排気装置20Bの吸気口25を大気開放側に接続するように制御を行う。
第六の実施形態では、一つの吸着ノズル105に対して一つの吸排気装置20Bで負圧供給と正圧供給の両方を行うので、吸排気装置の必要個体数を一つの吸着ノズル105につき一つとすることが可能となり、部品点数の大幅低減により装置の製造コストの低減を図ることが可能となる。
(第七の実施形態)
図18に基づいて、電子部品実装装置10の吸排気系統の他の例を第七の実施形態として説明する。なお、かかる第七の実施形態の吸排気系統は使用する吸排気装置以外は前述した第六の実施形態の吸排気系統と同様なので重複する説明は省略することとする。また、図18では吸排気装置30Bの駆動回路38の図示は省略している。
この吸排気系統では、図18に示すように、吸着ノズル105の吸着のための負圧及び正圧の発生源として吸排気装置30Bを利用している。
即ち、吸排気装置30Bの吸気口40を主配管61を通じて吸着ノズル105と接続し、吸排気装置30Bの排気流路35の排気口を分岐配管62を通じて吸着ノズル105を接続している。そして、吸排気切り換え電磁弁63Bにより、吸排気装置30Bの吸気口40が接続されたポートと排気流路35の排気口が接続されたポートとを、それぞれ吸着ノズル105に接続されたポートと大気に開放されたポートとに切り換え接続するようになっている。
これにより、上記第七の実施形態も第六の実施形態の吸排気系統と同様の効果を得ることが可能である。
(その他)
なお、上記各実施形態では、いずれも吸着ノズル105の負圧発生源(吸着圧の供給源)及び正圧発生源(吸着解除圧の供給源)の双方に圧電素子22,32を用いた吸排気装置20A,20B,30A,30Bを採用しているが、負圧発生源又は正圧発生源のいずれか一方のみについて吸排気装置を用いて、他方については従来同様に吸引ポンプや外部の正圧発生源を使用してもよい。即ち、負圧発生源又は正圧発生源のいずれか一方のみについて吸排気装置を用いた場合であっても、すくなともその一方について使用されていたエアーチューブを不要とすることができるので、程度の差異はあるが、前述と同様の技術的効果を得ることが可能である。
10 動作制御手段(制御手段)
20A,20B,30A,30B 吸排気装置
21 振動板(可撓部)
22,32 圧電素子
23 基板(構造体)
24,28 排気口
25,40 吸気口
26,38 駆動回路
31 ダイヤフラム(可撓部)
33 構造体
35 排気流路
37 吸気流路
65 負圧発生装置
100 電子部品実装装置
101 電子部品フィーダー(部品供給部)
102 フィーダーバンク(部品供給部)
104 基板保持部
105 吸着ノズル
106 ヘッド
107 X−Yガントリ(移動機構)
A 空気室

Claims (8)

  1. 電子部品の実装が行われる基板を保持する基板保持部と、
    実装される電子部品を供給する部品供給部と、
    前記基板に搭載する電子部品を吸着する昇降可能な吸着ノズルを備えたヘッドと、
    前記基板保持部と前記部品供給部との間の前記ヘッドの移動を行う移動機構とを備える電子部品実装装置において、
    可撓性を有する膜又は薄板からなる可撓部と、前記可撓部に貼設された圧電素子と、前記可撓部と共に空気室を構成する構造体とを有する吸排気装置を前記ヘッドに搭載し、
    当該吸排気装置を前記吸着ノズルによる吸着を行うための負圧発生源としたことを特徴とする電子部品実装装置。
  2. 前記吸排気装置の排気による空気の流動から負圧を得る負圧発生装置を備えることを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。
  3. 前記吸着ノズルの吸着を解除するための正圧発生源としての前記吸排気装置も前記ヘッドに搭載したことを特徴とする請求項1又は2記載の電子部品実装装置。
  4. 前記吸排気装置の吸気口と排気口とを前記吸着ノズルに対して切り換え接続する吸排気切り換え手段を備え、前記吸着ノズルの負圧発生源と正圧発生源としての機能を一つの吸排気装置が果たすことを特徴とする請求項3記載の電子部品実装装置。
  5. 電子部品の実装が行われる基板を保持する基板保持部と、
    実装される電子部品を供給する部品供給部と、
    前記基板に搭載する電子部品を吸着する昇降可能な吸着ノズルを備えたヘッドと、
    前記基板保持部と前記部品供給部との間の前記ヘッドの移動を行う移動機構とを備える電子部品実装装置において、
    可撓性を有する膜又は薄板からなる可撓部と、前記可撓部に貼設された圧電素子と、前記可撓部と共に空気室を構成する構造体とを有する吸排気装置を前記ヘッドに搭載し、
    当該吸排気装置を前記吸着ノズルの吸着を解除するための正圧発生源としたことを特徴とする電子部品実装装置。
  6. 前記吸排気装置の構造体に、前記空気室から外部に抜ける排気流路と当該排気流路に交差して合流する吸気流路とを設け、
    前記吸排気装置が、前記圧電素子により前記空気室の容積を周期的に増減させて吸排気を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品実装装置。
  7. 前記吸排気装置の可撓部に複数の前記圧電素子を円周に沿って配置し、
    前記可撓部又は構造体の前記円周の中央となる位置に吸気口を設けると共に前記可撓部又は構造体の前記円周の外周となる位置に排気口を設け、
    前記各圧電素子を円周に沿って順番に駆動させることで前記可撓部と構造体との隙間領域を回転移動させる駆動回路を備え、
    前記隙間領域の回転移動による遠心力で排気口から排気を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品実装装置。
  8. 前記圧電素子の駆動周波数又は印加電圧を調節して吸気圧又は排気圧の制御を行う制御手段を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電子部品実装装置。
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