JP5456534B2 - カソード触媒およびその製造方法、および、燃料電池 - Google Patents

カソード触媒およびその製造方法、および、燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、カソード触媒およびその製造方法、および、燃料電池に関し、詳しくは、燃料電池のカソードに用いられるカソード触媒およびその製造方法、および、そのカソード触媒が用いられる燃料電池に関する。
現在まで、燃料電池として、アルカリ型(AFC)、固体高分子型(PEFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体電解質型(SOFC)など、各種燃料電池が知られている。これらの燃料電池は、例えば、自動車用途など、各種用途での使用が検討されている。
例えば、固体高分子型燃料電池は、燃料が供給される燃料側電極(アノード)と、酸素が供給される酸素側電極(カソード)とを備えており、これらの電極は、固体高分子膜からなる電解質層を挟んで対向配置されている。そして、この燃料電池では、アノードに水素ガスが供給されるとともに、カソードに空気が供給されることによって、アノード−カソード間に起電力が発生して、発電が行なわれる。
このような固体高分子型燃料電池として、例えば、燃料側電極(アノード)と、コバルトが担持されたポリピロールとカーボンとからなる複合体(カーボンコンポジット)を含む酸素側電極(カソード)と、それらに挟まれるアニオン交換樹脂固体高分子膜とを備える燃料電池が、提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような燃料電池によれば、酸素側電極(カソード)に、コバルトが担持されたポリピロールとカーボンとのコンポジットをカソード触媒として含有させることにより、酸素側電極(カソード)における酸素還元反応を活性化させ、発電性能を向上させることができる。
国際公開パンフレットWO2008/117485
しかるに、近年では、特許文献1に記載される燃料電池よりもさらに発電性能に優れる燃料電池が要求されている。
また、それに伴い、特許文献1に記載されるカソード触媒よりも、酸素側電極(カソード)における酸素還元反応を活性化させ、発電性能をさらに向上させることができるカソード触媒が、要求されている。
これに対し、例えば、特許文献1に記載のカソード触媒に加え、さらに、金属コバルトなどの触媒を酸素側電極(カソード)に含有させることも検討される。しかし、このような場合にも、やはり、要求される発電性能を十分に得ることができない場合がある。
本発明の目的は、酸素側電極(カソード)における酸素還元反応を活性化させ、より一層発電性能を向上させることができるカソード触媒およびその製造方法、および、そのカソード触媒が用いられる燃料電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のカソード触媒は、燃料電池の酸素側電極に用いられるカソード触媒であって、遷移金属およびポリピロールを含む第1触媒と、Coを含むコバルト酸化物がカーボンに分散されている第2触媒とを含有することを特徴としている。
また、本発明のカソード触媒では、前記第2触媒が、コバルト化合物およびカーボンを、非酸化雰囲気下、400〜700℃で加熱することにより、触媒前駆体を得て、その触媒前駆体を、酸化雰囲気下、100〜350℃で加熱することにより得られることが好適である。
また、本発明のカソード触媒の製造方法は、遷移金属およびポリピロールを含む第1触媒を得る工程と、Coを含むコバルト酸化物がカーボンに分散されている第2触媒を得る工程と、前記第1触媒および前記第2触媒を混合して、カソード触媒を得る工程とを備え、前記第2触媒を得る前記工程が、コバルト化合物およびカーボンを、非酸化雰囲気下、400〜700℃で加熱することにより、触媒前駆体を得る工程、および、前記触媒前駆体を、酸化雰囲気下、100〜350℃で加熱する工程を備えることを特徴としている。
また、本発明の燃料電池は、アニオン成分を移動させることができる電解質と、前記電解質を挟んで対向配置された燃料側電極および酸素側電極とを備え、前記酸素側電極が、上記のカソード触媒を含有することを特徴としている。
本発明のカソード触媒は、遷移金属およびポリピロールを含む第1触媒と、Coを含むコバルト酸化物がカーボンに分散されている第2触媒とを含有するため、酸素側電極における酸素還元反応を活性化させることができ、その結果、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
また、本発明のカソード触媒の製造方法によれば、コバルト化合物およびカーボンを、非酸化雰囲気下、400〜700℃で加熱することにより、触媒前駆体を得て、その触媒前駆体を、酸化雰囲気下、100〜350℃で加熱することにより、Coを含むコバルト酸化物がカーボンに分散されている第2触媒を容易に製造することができる。そのため、第1触媒と第2触媒とを混合することにより、上記カソード触媒を効率的に製造することができる。
また、本発明の燃料電池では、本発明のカソード触媒が酸素側電極に含有されているため、本発明の燃料電池によれば、酸素側電極における酸素還元反応を活性化させることができ、その結果、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
本発明の燃料電池の一実施形態を示す概略構成図である。 触媒前駆体および第2触媒のXRD(X線回折)パターンを示す。 触媒前駆体および第2触媒のXAFS(X線吸収微細構造)のフーリエ変換像を示す。 酸素側電極の活性測定の結果を示すグラフであって、実施例1および比較例1の結果を示す。 酸素側電極の活性測定の結果を示すグラフであって、実施例1、比較例2および3の結果を示す。
図1は、本発明の燃料電池の一実施形態を示す概略構成図である。
燃料電池1は、固体高分子型燃料電池であって、複数の燃料電池セルSを備えており、これらの燃料電池セルSが積層されたスタック構造として形成されている。なお、図1においては、図解しやすいように1つの燃料電池セルSのみを示している。
燃料電池セルSは、燃料側電極2(アノード)と、酸素側電極3(カソード)と、電解質層4とを備えている。
燃料側電極2は、アノード触媒(燃料側触媒)を含んでいる。
より具体的には、燃料側電極2は、例えば、アノード触媒を担持した触媒担体により形成されている。
アノード触媒としては、特に制限されず、例えば、白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt))、鉄族元素(鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni))などの周期表(IUPAC Periodic Table of the Elements(version date 22 June 2007)に従う。以下同じ。)第8〜10(VIII)族元素や、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などの周期表第11(IB)族元素などが挙げられる。
これらアノード触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
アノード触媒として、好ましくは、周期表第8〜10(VIII)族元素、より好ましくは、鉄族元素、さらに好ましくは、ニッケルが挙げられる。
アノード触媒の担持濃度(アノード触媒と触媒担体との総量に対するアノード触媒の含有割合)は、例えば、1質量%以上、好ましくは、30質量%以上、通常、100質量%未満である。
触媒担体としては、特に制限されず、例えば、アニオン交換樹脂、プロトン交換樹脂などの樹脂、カーボンなどの多孔質物質などが挙げられる。
これら触媒担体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
触媒担体として、好ましくは、樹脂が挙げられる。
そして、アノード触媒を担持した触媒担体を用いて燃料側電極2を形成するには、例えば、公知の方法により、電解質層4とともに膜−電極接合体を形成する。
より具体的には、まず、アノード触媒を担持した触媒担体と電解質溶液とを混合して、アノード触媒を担持した触媒担体の分散液を調製する。この際、必要によりアルコールなどの有機溶剤を適宜添加して、分散液の粘度を調整してもよい。次いで、その分散液を、電解質層4の一方の表面にコーティングする。
これによって、電解質層4の一方の表面に定着した燃料側電極2を得ることができる。
なお、アノード触媒の使用量は、例えば、0.01〜10mg/cmである。また、アノード触媒を担持した触媒担体の使用量は、例えば、0.01〜10mg/cmである。また、電解質層4の一方の表面に定着した燃料側電極2の厚みは、例えば、0.1〜100μm、好ましくは、1〜10μmである。
酸素側電極3は、カソード触媒(酸素側触媒)を含有している。
本発明において、カソード触媒は、第1触媒および第2触媒を含有しており、第1触媒は、遷移金属およびポリピロールを含んでいる。
第1触媒として、より具体的には、例えば、遷移金属が、ポリピロールとカーボンとからなる複合体(以下、この複合体を「カーボンコンポジット」という。)に担持されているものが挙げられる。
遷移金属としては、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などが挙げられる。
これら遷移金属は、単独使用または2種類以上併用することができる。
遷移金属として、好ましくは、コバルトが挙げられる。
ポリピロールは、ピロール(単量体)の重合体であって、例えば、後述するように、ピロール(単量体)の重合により、得ることができる。
このような場合において、ピロールの重合度は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。また、このようなポリピロールは、ピロール(未反応のピロール)を含有することもでき、その含有割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、ポリピロールの配合割合は、例えば、カーボン100質量部に対して、例えば、1〜100質量部であり、好ましくは、10〜50質量部である。
カーボンとしては、例えば、カーボンブラックなど、公知のカーボンが挙げられる。
このような第1触媒を得るには、特に制限されないが、例えば、カーボンコンポジットを形成した後、このカーボンコンポジットに遷移金属を担持させる。
より具体的には、まず、カーボン100質量部に対して100〜1000質量部の溶媒を加え、溶媒を攪拌することによって、溶媒中にカーボンが分散したカーボン分散液を調製する。この際、必要により酢酸、シュウ酸などの有機酸を適宜添加してもよく、その添加量は、カーボン100質量部に対して、例えば、1〜50質量部である。
溶媒としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類など、公知の溶媒が挙げられる。
また、攪拌温度は、例えば、10〜30℃、攪拌時間は、例えば、10〜60分間である。
次いで、カーボン100質量部に対して、例えば1〜50質量部、好ましくは、10〜20質量部のピロール(単量体)をカーボン分散液に加え、攪拌する。このときの攪拌温度は、例えば、10〜30℃、攪拌時間は、例えば、1〜10分間である。
続いて、カーボン分散液中のピロールを重合させて、カーボンとポリピロールとのカーボンコンポジットの分散液を調製する。ピロールを重合させるには、例えば、化学酸化重合、電解酸化重合などの酸化重合が用いられる。好ましくは、化学酸化重合が用いられる。
化学酸化重合では、ピロールを含有したカーボン分散液に、酸化重合用触媒を加え、攪拌することによってピロールを重合させる。酸化重合用触媒としては、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、例えば、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸マグネシウムなどの過マンガン酸、例えば、塩化鉄(III)など、公知の酸化重合用触媒が挙げられ、好ましくは、過酸化水素が挙げられる。また、ピロールを重合させるときの攪拌温度(重合温度)は、例えば、10〜30℃、攪拌時間は、例えば、10〜90分間である。
その後、カーボンとポリピロールとのカーボンコンポジットの分散液を濾過して洗浄し、例えば、50〜100℃で真空乾燥する。これにより、カーボンコンポジットの乾燥粉末が得られる。
カーボンコンポジットが得られた後には、このカーボンコンポジットに遷移金属を担持させる。
より具体的には、カーボンコンポジット100質量部に対して100〜3000質量部の溶媒を加え、攪拌する。これによって、溶媒中にカーボンコンポジットが分散したカーボンコンポジット分散液を調製する。なお、溶媒としては、例えば、上述した溶媒が挙げられる。
一方、カーボンコンポジット100質量部に対して、1〜150質量部の遷移金属を、遷移金属の塩またはアルコキシドとして、100〜1000質量部の溶媒に溶解させ、遷移金属含有溶液を調製する。
遷移金属の塩としては、例えば、遷移金属の水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、塩素酸塩、クロム酸塩、塩化物などの無機塩、例えば、遷移金属の蟻酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などの有機塩などが挙げられる。
また、遷移金属のアルコキシドとしては、例えば、遷移金属のメトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシドなどのアルコラート、例えば、遷移金属のメトキシエチレート、メトシキプロピレート、メトキシブチレート、エトキシエチレート、エトキシプロピレート、プロポキシエチレート、ブトキシエチレートなどのアルコキシアルコラートなどが挙げられる。
そして、この遷移金属含有溶液を、カーボンコンポジット分散液に加え、攪拌することによって、遷移金属含有溶液とカーボンコンポジット分散液との混合液を調製する。このときの攪拌温度は、例えば、50〜100℃、攪拌時間は、例えば、10〜60分間である。
続いて、遷移金属含有溶液とカーボンコンポジット分散液との混合液のpHが10〜12の範囲になるまで、還元剤を含有する還元剤含有溶液を混合液に加え、その後、混合液を、例えば、60〜100℃で、10〜60分間放置する。これによって、遷移金属をカーボンコンポジットに担持させる。
還元剤含有溶液は、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、ヒドラジンなど、公知の還元剤と、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ化合物とを、例えば、水などに溶解させることにより、アルカリ溶液として調製することができる。
より具体的には、例えば、水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として用いる場合には、まず、その水素化ホウ素ナトリウムと水酸化ナトリウムとを水に溶解させ、還元剤含有溶液(アルカリ水溶液)を調製する。このように、水酸化ナトリウムによりアルカリ水溶液(塩基性溶液)とすることによって、水酸化ホウ素ナトリウムの分解を抑制できる。次いで、その還元剤含有溶液を、遷移金属含有溶液とカーボンコンポジット分散液との混合液に加える。
なお、これらカーボンコンポジットおよびその分散液の製造、および、カーボンコンポジットへの遷移金属の担持は、好ましくは、不活性ガス雰囲気(例えば、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気など)下において実施される。
その後、放置した混合液を濾過して洗浄し、例えば、50〜100℃で真空乾燥する。これにより、遷移金属が担持されたカーボンコンポジットの乾燥粉末が得られる。
また、この方法では、必要により、遷移金属が担持されたカーボンコンポジットの乾燥粉末を、例えば、水、硫酸などにより洗浄することもできる。
このようにして得られる第1触媒において、遷移金属の担持濃度(第1触媒の総量に対する、遷移金属の担持割合)は、例えば、0.1〜60質量%、好ましくは、1〜40質量%である。
本発明において、第2触媒は、コバルト酸化物およびカーボンを含んでおり、より具体的には、第2触媒では、コバルト酸化物がカーボンに分散(担持)されている。
本発明において、コバルト酸化物は、必須成分として、Co(酸化コバルト(II,III))を含んでいる。
また、コバルト酸化物は、任意成分として、その他の酸化コバルト、例えば、CoO(酸化コバルト(II))、Co(酸化コバルト(III))、Co(金属コバルト)、さらには、例えば、上記した遷移金属(コバルトを除く)および/またはその酸化物などを含むこともできる。
このような場合において、任意成分の含有量は、必要および用途に応じて、適宜調整される。
カーボンとしては、例えば、カーボンブラックなど、上記と同様のカーボンが挙げられる。
このような第2触媒を得るには、例えば、まず、コバルト化合物および上記のカーボンを混合する。
コバルト化合物は、分子内にコバルトを含む化合物であって、例えば、コバルトのハロゲン化物(例えば、フッ化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなど)を含むコバルトの無機塩(例えば、水酸化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、過塩素酸コバルト、チオシアン酸コバルト、ジアミン銀硫酸コバルト、クロム酸コバルトなど)、コバルトの有機塩(例えば、蟻酸コバルト、酢酸コバルト、シュウ酸コバルトなど)、コバルトのアルコキシド(例えば、コバルトメトキシド、コバルトエトキシド、コバルトプロポキシド、コバルトイソプロポキシドなどのコバルトアルコラート、例えば、コバルトメトキシエチレート、コバルトメトシキプロピレート、コバルトメトキシブチレート、コバルトエトキシエチレート、コバルトエトキシプロピレート、コバルトプロポキシエチレート、コバルトブトキシエチレートなどのコバルトアルコキシアルコラート)、コバルトアセチルアセトナートなどが挙げられる。
なお、これらコバルト化合物において、コバルトの酸化数(2価および/または3価)は、必要に応じて、適宜、選択される。
これらコバルト化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
コバルト化合物として、好ましくは、コバルトアルコキシド、コバルトアセチルアセトナートが挙げられる。
コバルト化合物の配合割合は、カーボン100質量部に対して、コバルト化合物が、例えば、0.1〜20質量部である。また、コバルト化合物の配合割合は、カーボン100質量部に対して、コバルト化合物中のコバルト金属が、例えば、0.1〜10質量部である。
コバルト化合物とカーボンとの混合は、特に制限されないが、好ましくは、コバルト化合物とカーボンとを、有機溶媒中において混合する。
有機溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、デカンなど)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコールなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)などが挙げられる。
これら有機溶媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
有機溶媒として、好ましくは、芳香族炭化水素類が挙げられる。
有機溶媒の配合割合は、特に制限されないが、コバルト化合物とカーボンとの総量100質量部に対して、例えば、100〜500質量部、好ましくは、150〜300質量部である。
また、この方法において、コバルト化合物が上記コバルトのアルコキシドである場合などには、必要により、上記により得られたコバルト化合物とカーボンとの混合物に、水を加え、コバルト化合物を加水分解することもできる。このような場合には、コバルト化合物とカーボンとの混合物を、例えば、沈殿などとして得ることもできる。
そして、この方法では、得られたコバルト化合物とカーボンとの混合物を、必要により洗浄および乾燥させ、その後、非酸化雰囲気下において加熱(以下、一次焼成と称する場合がある。)して、触媒前駆体(コバルトを含有する。)を得る。
一次焼成における加熱条件としては、昇温速度が、例えば、2〜10℃/min、好ましくは、3〜6℃/minであり、加熱温度(昇温停止温度)が、例えば、400〜700℃、好ましくは、500〜600℃である。また、一次焼成における加熱時間(上記加熱温度における保持時間)は、例えば、0.5〜3時間、好ましくは、1〜2時間である。
一次焼成における加熱温度および加熱時間が上記下限未満である場合には、コバルト化合物を十分に分解できず、後述する二次焼成において得られるコバルト酸化物の濃度が低下する場合がある。
一方、一次焼成における加熱温度および加熱時間が上記上限を超過する場合には、金属コバルトが粒成長し、粒子が肥大化する場合がある。
また、このような一次焼成における雰囲気条件は、上記したように、非酸化雰囲気である。
非酸化雰囲気としては、例えば、酸素(O)を含有しない雰囲気条件が挙げられ、より具体的には、例えば、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気などの不活性ガス雰囲気などが挙げられる。
一次焼成の雰囲気条件が、例えば、酸化雰囲気(後述)である場合には、上記条件で加熱すると、カーボンが酸化され、二酸化炭素となり、気体として除去される場合がある。このような場合には、コバルト酸化物をカーボンに分散(担持)させることができず、その結果、第2触媒を得ることができない場合がある。
これに対し、一次焼成の雰囲気条件が、非酸化雰囲気であれば、上記条件で加熱する場合にも、カーボンの酸化を抑制できるため、カーボンが除去されることを防止でき、その結果、後述する二次焼成において、コバルト酸化物がカーボンに分散(担持)された第2触媒を得ることができる。
そして、この方法では、次いで、得られた触媒前駆体を、必要により、例えば、10〜30℃まで冷却した後、酸化雰囲気下において加熱(以下、二次焼成と称する場合がある。)する。
二次焼成における加熱条件としては、一次焼成の加熱温度よりも加熱温度が低く、酸化雰囲気でもカーボンが酸化されず、かつ、触媒前駆体に含まれるコバルトを酸化できる条件であればよく、より具体的には、昇温速度が、例えば、2〜10℃/min、好ましくは、3〜6℃/minであり、加熱温度(昇温停止温度)が、例えば、100〜350℃、好ましくは、200〜300℃である。また、二次焼成における加熱時間(上記加熱温度における保持時間)は、例えば、3〜8時間、好ましくは、4〜6時間である。
二次焼成における加熱温度および加熱時間が上記下限未満である場合には、コバルト酸化物の割合が低下する場合がある。
一方、二次焼成における加熱温度および加熱時間が上記上限を超過する場合には、カーボンが二酸化炭素となり、コバルト酸化物を担持できない場合がある。
また、このような二次焼成における雰囲気条件は、上記したように、酸化雰囲気である。
酸化雰囲気としては、例えば、酸素(O)を含有する雰囲気条件が挙げられ、好ましくは、酸素濃度が15%以上の雰囲気条件が挙げられる。このような酸化雰囲気として、より具体的には、例えば、空気(大気)雰囲気(酸素濃度21%)、酸素雰囲気(酸素濃度100%)などが挙げられる。
これにより、触媒前駆体に含まれるコバルトを酸化させることができ、Coを含むコバルト酸化物がカーボンに分散されている第2触媒を得ることができる。
そして、カソード触媒を製造するには、例えば、まず、上記した方法により、第1触媒および第2触媒を得る。
次いで、この方法では、上記により得られた第1触媒および第2触媒を、混合する。
混合では、特に制限されず、物理的に混合すればよい。より具体的には、例えば、上記により得られた第1触媒と第2触媒とを、乾式混合または湿式混合すればよい。
混合における第2触媒の配合割合は、第1触媒100質量部に対して、例えば、10〜1000質量部、好ましくは、25〜400質量部である。
また、第1触媒および第2触媒の総量100質量部に対して、第1触媒の配合割合が、例えば、9〜91質量部、好ましくは、20〜80質量部であり、第2触媒の配合割合が、例えば、9〜91質量部、好ましくは、20〜80質量部である。
これにより、カソード触媒を得ることができる。
そして、このようなカソード触媒を含む酸素側電極3を形成するには、例えば、上述した燃料側電極2と同様の方法を採用し、カソード触媒の分散液を電解質層4の他方(燃料側電極2が定着された一方に対する他方)の表面にコーティングする。
これによって、電解質層4における、燃料側電極2が定着された一方の表面とは異なる他方の表面に定着した酸素側電極3を得ることができる。すなわち、酸素側電極3が、電解質層4の他方の表面に定着されることによって、燃料側電極2および酸素側電極3は、電解質層4を挟んで対向配置され、これにより、膜−電極接合体が形成される。
また、酸素側電極3において、カソード触媒の使用量は、例えば、0.10〜0.30mg/cm、好ましくは、0.15〜0.25mg/cmである。また、電解質層4の他方の表面に定着した酸素側電極3の厚みは、例えば、0.1〜100μmであり、好ましくは、1〜10μmである。
電解質層4は、アニオン成分を移動させることができる層であり、例えば、アニオン交換膜を用いて形成されている。アニオン交換膜としては、酸素側電極3で生成されるアニオン成分である水酸化物イオン(OH)を、酸素側電極3から燃料側電極2へ移動させることができる媒体であれば、特に限定されず、例えば、4級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜(アニオン交換樹脂)が挙げられる。
燃料電池セルSは、さらに、燃料供給部材5と酸素供給部材6とを備えている。燃料供給部材5は、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面が、燃料側電極2における電解質層4と接触している表面とは反対側の表面に、対向接触されている。そして、この燃料供給部材5には、燃料側電極2の全体に燃料を接触させるための燃料側流路7が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。なお、この燃料側流路7は、その上流側端部および下流側端部に、燃料供給部材5を貫通する供給口8および排出口9がそれぞれ連続して形成されている。
また、酸素供給部材6も、燃料供給部材5と同様に、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面が、酸素側電極3における電解質層4と接触している表面とは反対側の表面に、対向接触されている。そして、この酸素供給部材6にも、酸素側電極3の全体に酸素(空気)を接触させるための酸素側流路10が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。なお、この酸素側流路10にも、その上流側端部および下流側端部に、酸素供給部材6を貫通する供給口11および排出口12がそれぞれ連続して形成されている。
そして、この燃料電池1は、上述したように、燃料電池セルSが、複数積層されるスタック構造として形成されている。そのため、燃料供給部材5および酸素供給部材6は、図示されていないが、両面に燃料側流路7および酸素側流路10が形成されるセパレータとして構成される。
なお、図1には表われていないが、燃料電池1には、導電性材料によって形成される集電板が備えられており、燃料電池1で発生した起電力は、集電板に備えられた端子から外部に取り出される。
また、試験的(モデル的)には、燃料供給部材5と酸素供給部材6とを、外部回路13によって接続し、その外部回路13に電圧計14を介在させることにより、燃料電池1で発生する電圧を計測することもできる。
次に、燃料電池1の発電について説明する。
燃料電池1では、酸素側流路10に空気が供給されるとともに、燃料側流路7に燃料が供給されることによって、発電が行なわれる。
燃料側流路7に供給される燃料としては、少なくとも水素を含む化合物、例えば、水素(H)、例えば、メタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)などの炭化水素類、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)などのアルコール類、ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、カルボンヒドラジド((NHNHCO)などのヒドラジン類、例えば、尿素(NHCONH)、例えば、アンモニア(NH)、例えば、イミダゾール、1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールなどの複素環類、例えば、ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)などのヒドロキシルアミン類などが挙げられる。これらは、単独または2種類以上併用してもよい。
上述した燃料化合物のうち、好ましくは、炭素を含まない化合物、すなわち、ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、アンモニア(NH)、ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)が挙げられる。燃料が、炭素を含まない化合物であれば、COによる触媒の被毒がないので耐久性の向上を図ることができ、実質的なゼロエミッションを実現することができる。
また、燃料は、上述した燃料化合物をそのまま供給してもよいし、例えば、水および/またはアルコール(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどの低級アルコール)などの溶液として供給してもよい。この場合、溶液中の燃料化合物の濃度は、燃料化合物の種類によっても異なるが、例えば、1〜90質量%、好ましくは、1〜30質量%である。さらに、燃料は、上述した燃料化合物をガス(例えば、蒸気)として供給してもよい。
そして、燃料電池1における発電を、より具体的に説明すると、燃料が供給された燃料側電極2では、燃料から水素(H)が生成し、この水素(H)の酸化反応によって、水素(H)から電子(e)が解放され、プロトン(H)が生成する。水素(H)から解放された電子(e)は、外部回路13を経由して酸素側電極3に到達する。つまり、この外部回路13を通過する電子(e)が、電流となる。一方、酸素側電極3では、電子(e)と、外部からの供給もしくは燃料電池1における反応で生成した水(HO)と、酸素側流路10を流れる空気中の酸素(O)とが反応して、水酸化物イオン(OH)が生成する(下記反応式(2)参照)。そして、生成した水酸化物イオン(OH)は、電解質層4を通過して燃料側電極2に到達する。水酸化物イオン(OH)が燃料側電極2に到達すると、燃料側電極2では、水酸化物イオン(OH)と、燃料中の水素(H)とが反応して、電子(e)と水(HO)が生成する(下記反応式(1)参照)。生成した電子(e)は、燃料供給部材5から外部回路13を介して酸素供給部材6に移動して、酸素側電極3へ供給される。このような燃料側電極2および酸素側電極3における電気化学的反応が連続的に行なわれることによって、燃料電池1内に閉回路が形成されて起電力が生じ、発電が行なわれる。
(1) 2H+4OH→4HO+4e (燃料側電極2における反応)
(2) O+2HO+4e→4OH (酸素側電極3における反応)
(3) 2H+O→2HO (燃料電池1全体としての反応)
なお、この燃料電池1の運転条件は、特に限定されないが、例えば、燃料側電極2側の加圧が100kPa以下、好ましくは、50kPa以下であり、酸素側電極3側の加圧が100kPa以下、好ましくは、50kPa以下であり、燃料電池セルSの温度が30〜100℃、好ましくは、60〜90℃として設定される。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態では、固体高分子型燃料電池を例示して本発明を説明したが、本発明は、例えば、電解質層4としてKOH水溶液やNaOH水溶液などを用いるアルカリ型、例えば、溶融炭酸塩型、固体電解質型など、各種燃料電池にも適用することができる。
そして、本発明のカソード触媒は、遷移金属およびポリピロールを含む第1触媒と、Coを含むコバルト酸化物がカーボンに分散されている第2触媒とを含有するため、酸素側電極における酸素還元反応を活性化させることができ、その結果、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
また、本発明のカソード触媒の製造方法によれば、コバルト化合物およびカーボンを、非酸化雰囲気下、400〜700℃で加熱することにより、触媒前駆体を得て、その触媒前駆体を、酸化雰囲気下、100〜350℃で加熱することにより、Coを含むコバルト酸化物がカーボンに分散されている第2触媒を製造することができるので、第1触媒と第2触媒とを混合することにより、上記カソード触媒を効率的に製造することができる。
また、このようなカソード触媒が用いられる本発明の燃料電池の用途としては、例えば、自動車、船舶、航空機などにおける駆動用モータの電源や、携帯電話機などの通信端末における電源などが挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
製造例1(第1触媒の製造)
1)ポリピロールカーボンコンポジット(PPy−C)の作製
純水75mLに、カーボン(E−TEK社製 Vulcan XC−72、比表面積250m/g)10gと酢酸(酢酸濃度100%)2.5mLとを加え、室温(約25℃)で20分間攪拌して、カーボンが分散したカーボン分散液を調製した。次いで、このカーボン分散液にピロール(Aldrich社製)2gを加え、室温で5分間攪拌した。さらに、このカーボン分散液に濃度10%の過酸化水素10mLを加え、室温で1時間攪拌することにより、ピロールを酸化重合させた。その後、このカーボン分散液を濾過して温水洗浄し、90℃で真空乾燥した。これにより、カーボン上にピロールが重合したPPy−C乾燥粉末を得た。
2)コバルト担持PPy−Cの作製
1)で得られたPPy−C乾燥粉末2gを、純水44mLに加え、80℃まで加熱しながら30分間攪拌して、PPy−Cが分散したPPy−C分散液を得た。次いで、硝酸コバルト(II)六水和物1.1gを、11mLの純水に溶解させ、コバルト含有水溶液を調製した。そして、このコバルト含有水溶液を、PPy−C分散液に加え、80℃で30分間攪拌することによって、コバルト−PPy−C混合液を得た。続いて、水素化ホウ素ナトリウム5.23gと水酸化ナトリウム0.37gとを、500mLの純水に溶解させ、アルカリ水溶液を調製した。次いで、コバルト−PPy−C混合液のpHが11.1になるまで、アルカリ水溶液を徐々に加えた後、このコバルト−PPy−C混合液80℃で30分間放置した。なお、2)におけるこの操作(アルカリ水溶液を加える操作)に至るまでの操作は全て、窒素雰囲気で行なった。その後、コバルト−PPy−C混合液を濾過して温水洗浄した後、さらに、硫酸洗浄し、その後、90℃で真空乾燥した。これにより、PPy−Cにコバルトが担持されたコバルト担持PPy−C(コバルトの担持濃度:10質量%)の乾燥粉末を得た。
製造例2(触媒前駆体の製造)
コバルトが2価であるコバルトエトキシエチレートのトルエン溶液(濃度0.833mol/kg)を5.39g(コバルト含有量0.265g)と、カーボン(E−TEK社製 Vulcan XC−72、比表面積250m/g)4.97gとを、有機溶媒(トルエン)15mL中で混合した。
次いで、得られた混合物に、純水81mLを加え、加水分解した。その後、水洗し、60℃で12時間乾燥させた後、下記一次焼成条件において、加熱(一次焼成)することにより、触媒前駆体を得た。
[一次焼成条件]
雰囲気条件:窒素ガス雰囲気
昇温速度:5℃/min
加熱温度:550℃
加熱時間:1時間
得られた触媒前駆体を、室温まで放冷した。
製造例3(第2触媒の製造)
製造例2において得られた触媒前駆体を、下記二次焼成条件において、加熱(二次焼成)した。これにより、第2触媒(コバルト酸化物担持カーボン)を得た。
[二次焼成条件]
雰囲気条件:空気ガス雰囲気
昇温速度:5℃/min
加熱温度:250℃
加熱時間:5時間
得られた第2触媒を、室温まで放冷した。第2触媒の収量は、5.3g(コバルト換算で0.265g)であった。
製造例4
カーボン(E−TEK社製 Vulcan XC−72、比表面積250m/g)を配合しなかった以外は、製造例2と同様にして、触媒前駆体を得た。その後、製造例3と同様にして、コバルト酸化物のカーボン非担持体を得た。
<解析>
製造例2において得られた触媒前駆体、および、製造例3において得られた第2触媒のXRD(X線回折)パターンおよびXAFS(X線吸収微細構造)のフーリエ変換像を測定し、触媒前駆体、第2触媒のそれぞれに含有されるコバルトの状態について解析した。
その結果、触媒前駆体には、金属コバルトが含有されており、一方、コバルト酸化物(Co)は含有されていないことが、確認された。
また、第2触媒には、金属コバルトおよびコバルト酸化物(Co)のいずれもが含有されていることが、確認された。
触媒前駆体および第2触媒のXRD(X線回折)パターンを図2に、また、XAFS(X線吸収微細構造)のフーリエ変換像を図3に、それぞれ示す。また、図2および図3には、金属コバルトおよびコバルト酸化物(Co)に対応するピークについて、併せて示す。
実施例1
製造例1で得られた第1触媒2mgと、製造例3で得られた第2触媒(コバルト酸化物担持カーボン)8mgとを混合し、混合粉末を得た。これを、カソード触媒とした。
比較例1
製造例1で得られた第1触媒2mgと、製造例4で得られたコバルト酸化物のカーボン非担持体8mgとを混合し、混合粉末を得た。これを、カソード触媒とした。
比較例2
製造例1で得られた第1触媒2mgと、製造例2で得られた触媒前駆体8mgとを混合し、混合粉末を得た。これを、カソード触媒とした。
比較例3
製造例1で得られた第1触媒を用意した。これを、カソード触媒とした。
<評価試験>
1)テストピースの作製
各実施例および各比較例において得られた粉末と、プロトン交換樹脂(ナフィオン(デュポン社登録商標)との混合物を、有機溶媒(2−プロパノール)に適宜分散させて、インクを調製した。
次いで、得られたインク10μLをマイクロピペットで秤取して、グラッシーカーボン電極上に滴下した。その後、このグラッシーカーボンを乾燥することにより、テストピースを得た。
テストピースにおいて、電極における触媒の担持量は、10μg/cmとした。
2)酸素側電極の活性測定
酸素側電極の活性は、回転ディスク電極による電気化学測定法(サイクリックボルタンメトリー)で測定した。より具体的には、窒素バブリングによって酸素を脱気した1NのKOH水溶液中で電位を走査し、テストピースの安定化およびバックグラウンド測定を行なった。次いで、この水溶液中に、酸素をバブリングすることによって酸素を飽和させ、酸素側電極の酸素還元活性を測定した。なお、電位の走査範囲は、0.3V(vs.RHE(可逆水素電極))〜1.1V(vs.RHE(可逆水素電極))であり、また、電極回転数は1600rpmであった。
3)測定結果
2)で測定した結果を、図4および図5に示す。なお、図4は、実施例1および比較例1の結果であり、図5は、実施例1、比較例2および3の結果である。
図4に示すように、コバルト酸化物担持カーボンを第2触媒として含む実施例1のカソード触媒は、コバルト酸化物のカーボン非担持体を第2触媒として含む比較例1のカソード触媒に比べ、優れた酸素還元活性を示した。
これは、コバルト酸化物がカーボンに担持されることにより、第2触媒の電気導電率が向上するためと考えられる。
また、図5に示すように、コバルト酸化物担持カーボンを第2触媒として含む実施例1のカソード触媒は、触媒前駆体(金属コバルト)を含む比較例2、および、第1触媒のみで用いられる比較例3に比べ、優れた酸素還元活性を示すことがわかる。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
1 燃料電池
2 燃料側電極
3 酸素側電極
4 電解質層
5 燃料供給部材
6 酸素供給部材
S 燃料電池セル

Claims (4)

  1. 燃料電池の酸素側電極に用いられるカソード触媒であって、
    遷移金属およびポリピロールを含む第1触媒と、
    Coを含むコバルト酸化物がカーボンに分散されている第2触媒と
    を含有することを特徴とする、カソード触媒。
  2. 前記第2触媒が、
    コバルト化合物およびカーボンを、非酸化雰囲気下、400〜700℃で加熱することにより、触媒前駆体を得て、その触媒前駆体を、酸化雰囲気下、100〜350℃で加熱することにより得られることを特徴とする、請求項1に記載のカソード触媒。
  3. 遷移金属およびポリピロールを含む第1触媒を得る工程と、
    Coを含むコバルト酸化物がカーボンに分散されている第2触媒を得る工程と、 前記第1触媒および前記第2触媒を混合して、カソード触媒を得る工程とを備え、
    前記第2触媒を得る前記工程が、
    コバルト化合物およびカーボンを、非酸化雰囲気下、400〜700℃で加熱することにより、触媒前駆体を得る工程、および、
    前記触媒前駆体を、酸化雰囲気下、100〜350℃で加熱する工程
    を備えることを特徴とする、カソード触媒の製造方法。
  4. アニオン成分を移動させることができる電解質と、前記電解質を挟んで対向配置された燃料側電極および酸素側電極とを備え、
    前記酸素側電極が、請求項1または2に記載のカソード触媒を含有することを特徴とする、燃料電池。
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