JP5456284B2 - 跳ね上がり防止具を装着した管継手及び枡 - Google Patents
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Description
上記家屋等から排出される排水を、狭小スペースで間接排水したい場合、封水空間を設けたトラップや、底部に流出口を備えたドロップタイプの管継手やドロップ枡を用いる方法がある。
しかし前記封水空間を設けたトラップ、ホッパータイプの管継手を用いた場合には、高さが嵩む問題がある。またこのため、配管のレイアウトの自由度が制限されるという問題がある。
一方、高さ低減のため、底面にインバートを備えた排水枡やエルボ形状の背の低い管継手を用いる場合には、上方から落下してきた排水が前記底面に当って跳ね上がり、上方の流入口(受口)から外に飛び跳ねたり、漏れたりする問題があった。
勿論、家屋等からの排水管を、そこからの排水を受ける受け具に対して直結配管する場合には、排水が外部に飛び散ったり漏れたりする問題は生じない。しかし直結配管の場合には、家屋外の排水やその臭い等が家屋内へ逆流するおそれがあり好ましくない。
前記特許文献1の発明は間接排水用器具に関し、配管(12)の先端と排水受け(16)との間に目皿(18)による排水口空間が設けられ、前記排水受け(16)には接続口(30)が側壁に設けられ、仕切板(28)が内部に設けられた構成が開示されている。
また前記特許文献2、3の発明は、電気温水器の排水構造に関し、排水パイプ(2)と該排水パイプ(2)から落下してくる排水を受けるホッパー(3)、(9)とが空間を介して、相互に所定位置に位置決めされる構成が開示されている。
一方、集水漏斗(28)を用いた排水設備として、特開平11−21989号公報(特許文献4)が開示されている。
この特許文献4の発明は防護蓋(15)と雨水枡(2)とを組合せた排水設備に関し、雨水が流れ込む防護蓋(15)に集水漏斗(28)を設けた構成が開示されている。
上記特許文献2、3の発明は、底を流出口としたドロップタイプのホッパーを用いており、やはり高さ方向の寸法が嵩む問題がある。
また上記特許文献4の発明において用いられている集水漏斗(28)は、雨水が落下する側である防護蓋側に取り付けられるものであって、落下する雨水を中央側に集める役割を果たすものの、落下した水の跳ね上がりを防止するような機能を備えているわけではなく、またそのような機能乃至作用を示唆するものでもない。
また本発明の管継手は、上記第1の特徴に加えて、上向き開口に段部を構成し、該段部に対して跳ね上がり防止具の短筒体の上縁に設けた外フランジを着座して嵌め合わせることにより跳ね上がり防止具を装着したこと第2の特徴としている。
また本発明の管継手は、上記第2の特徴に加えて、上向き開口の段部を介した大径部が延長されて上向き接続口とされていること第3の特徴としている。
また本発明の管継手は、上記第1〜3の何れかの特徴に加えて、網体を跳ね上がり防止具と共に上向き開口に装着したこと第4の特徴としている。
また本発明の枡は、上記第1〜第4の何れかの特徴に記載の管継手を、管継手に代えて枡としたことを第5の特徴としている。
加えて、跳ね上がり防止具における逆円錐台形状の断面を有する短筒体からなる本体の傾斜する外面が、一旦管継手内に落下した水に対する跳ね上がり阻止面となり、跳ね上がりによる排水等の飛び散りや溢れ或いは逆流を防ぐことができる。
よって本発明による管継手によれば、管継手の上向き開口を狭めることなく、必要な跳ね上あがり阻止面を確保して、排水等の跳ね上がりによる飛び散りや溢れ、逆流を防ぐことができる。
別体として構成した跳ね上がり防止具を、簡単、容易に装着して管継手の一部として機能させることができる。
上向き接続口に対して排水管や雨水管等の管を直接接続させることができる。これによって、排水管や雨水管等の管内を落下してくる排水や雨水等の水を連続した管内で受け取ることができる。
また排水管や雨水管等の管を管継手に接続する際には、管継手の上向き開口の段部に跳ね上がり防止具の外フランジを着座して嵌め合わせ、更に接続すべき管を上向き接続口に前記外フランジに達するまで嵌入することで、跳ね上がり防止具を、管の接続を利用して、簡単、容易に確実に装着することができる。
管継手内に落下した排水や雨水等の水の跳ね上がり防止効果をより高めることができる。勿論、異物の混入を防止することができる。
図1は本発明の実施形態に係る跳ね上がり防止具を示し、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。図2は網体を示し、(A)は平面図、(B)は縦断面図である。図3は本発明の実施形態に係る管継手の平面図、図4は図3のA−A断面図、図5は図3のB−B断面図である。図6は使用状態を説明する図である。
前記本体11は、逆円錐台形状の断面を有する短筒体からなる。
この本体(短筒体)11の上縁開口11aから下縁開口11bまでの傾斜する内面を水受口11cとしている。この水受口11cは、跳ね上がり防止具10が後述する受け具30、40、50の上向き開口31、41、51に装着されたときに、受け具30、40、50の上向き開口31、41、51を内向き且つ斜め下方に向けて縮小させる、即ち窄めるものである。
一方、前記短筒体である本体11の上縁開口11aから下縁開口11bまでの傾斜する外面を跳ね上がり阻止面11dとしている。この跳ね上がり阻止面11dは、後述する受け具30、40、50に落下した水が跳ね上がって散乱したり、溢れたりするのを阻止し、また逆流するのを阻止するためのものである。
なお前記符号30で示す受具は、図3〜図6に示す管継手30としての受具である。また前記符号40で示す受具は、図7に示す管継手40としての受具である。更に前記符号50で示す受具は、図8に示す枡としての受具である。
一方、跳ね上がり防止具10の上縁開口11aの大きさは、受け具30、40、50の上向き開口の大きさに合わせることができる。
外フランジ12の周縁の数箇所に突起部12aが設けられている。この突起部12aは、跳ね上がり防止具10が受け具30、40、50に装着された際の回転を防止するためのものである。
網体20は、網部21と、周縁枠部22とからなる。網部21の寸法は跳ね上がり防止具10の上縁開口11aの寸法と略同一とする。また周縁枠部22の寸法は跳ね上がり防止具10の外フランジ12と略同一としている。網部21は異物の通過を防止する役割を果たす。また周縁枠部22は跳ね上がり防止具10の外フランジ12の上に重ねて載置される。
この管継手30はエルボ形状に構成された管継手で、その上向き開口31に跳ね上がり防止具10と網体20を装着している。
前記管継手30の前記上向き開口31に対して、そこからの流路を90度変更して水平方向に開口する横向き接続口32が設けられている。
上向き開口31は、上方の図示しない排水管の落下口や雨水管の落下口に対して、空間を介して、下から口を開けた状態に配置される。この上向き開口31には管が接続されることはない。一方、横向き接続口32には図示しない配管が接続され、管継手30内に受け入れた排水や雨水を前記横向き接続口32を介して下流の流路に導く。
前記上向き開口31の下方は半球形状の凹部からなるインバート面33とされており、その一側壁に横向き接続口32が開口されている。上向き開口31の開口は落下水の受口として、その寸法が大きいのに比して、横向き接続口32の開口は下流配管との接続を行うだけであるので寸法が小さい。
落下してくる排水や雨水は上向き開口31から管継手30内に受け入れられ、垂直方向から水平方向へと流路を変更されたのち、横向き接続口32へ向かう。
前記開口縁部31bには、その一部に切欠き31cが設けられている。また開口縁部31bには、その内壁面の複数個所に嵌合凹所31dを設けている。
前記上向き開口31の開口縁部31bに対して跳ね上がり防止具10の外フランジ12が嵌め込まれ、段部31aに着座する。その際、跳ね上がり防止具10の突起部12aを開口縁部31bの嵌合凹所31dに嵌め合わせることで、跳ね上がり防止具10の回転が防止され、堅固な着座固定状態となる。
前記網体20は、着座された跳ね上がり防止具10の上から、更に開口縁部31bに嵌め込まれ、跳ね上がり防止具10の上に着座する。
前記網体20や跳ね上がり防止具10を取り外す場合は、前記開口縁部31bに設けた切欠き31cに、ドライバー等の工具の先端を差し込んで、跳ね上がり防止具10の外フランジ12を上方に押し上げることにより、網体20や跳ね上がり防止具10を持ち上げる。これによって容易に取り外しができ、メンテナンスに供することができる。
また前記脚34に所望長さのパイプを接続することで、管継手30の高さを調節することもできる。
エコ給湯器のタンク1は敷地内の家屋内、外等の家屋付近に設けられ、排水管(排水ホース)1aがタンク1の底から垂下して設けられている。この排水管1aは、例えばそれぞれが異なる排水役割をもつ3本の管の束とされている。
一方、図1の(A)に示すように、受け具としての管継手30に装着された跳ね上がり防止具10の下縁開口11bは、その開口寸法内に前記3本の排水管1aの各落下口dが略収まるように、開口寸法が設計されている。
管継手30の横向き接続口32に、排水を敷地外に運ぶ導出管2が接続されている。
管継手30はタンク1の排水管1aの下方に、空間を介して間接配置される。排水管1aから落下する排水は、その主たる部分が跳ね上がり防止具10の下縁開口11bから管継手30内に直接的に入る。
落下する排水の幾らかは跳ね上がり防止具10の内面の水受口11c上に落下し、下縁開口11bに案内されて、管継手30内に入る。このとき、水受口11cの傾斜角度が50度以上とされることで、水受口11cに落下した水の上方への跳ね上がりが抑制され、速やかに下縁開口11aに導かれる。結果として外方への散乱が抑制される。
前記一旦管継手30内に入った水は、管継手30の比較的浅い底で跳ね上がったり、水位が増した際に前記下縁開口30から更に水位上昇して、管継手30外に散乱或いは溢れようとするが、跳ね上がり防止具10の跳ね上がり阻止面11dにより阻止される。このとき、跳ね上がり阻止面11dの傾斜角度を70度以下とすることで、管継手30の底から跳ね上がってきた水の飛び出しをより広い面積で阻止し、また管継手30内での水位の上昇の勢いをより広い面積で阻止する。結果として、管継手30から外部への水の散乱を防ぎ、また逆流して溢れたりするのを防ぐことができる。
また網体20を併せて装着することで、異物が管継手30内に混入するのを防止すると共に下方からの跳ね上がり水の阻止にも一役買うことができる。
この管継手40も、排水管や雨水管から落下する排水や雨水をその下で受ける受具としての役割を果たす。
この管継手40は、いわゆるエルボ型管継手である。2つの接続口の一方を上向きに配置することで、上向き開口41とすることができる。この場合、他方は横向き接続口42となる。
この管継手40の場合は、上向き開口41の段部41aを介した大径部を延長して上向き接続口41bとしている。
前記上向き接続口41bには、図面上において2点鎖線で示すように、排水或いは雨水を落下搬送する管3と直結される。また前記横向き接続口42には、同様に2点鎖線で示すように、排水或いは雨水を更に敷地外へ運ぶ導出管4と接続される。
即ち、この管継手40の場合は、落下してくる排水や雨水を下方で受ける受け具ではあるが、外気を介することなく、排水や雨水の落下を導く管と直結された状態で使用される。
前記上向き開口41から横向き接続口42に至る管継手40の本体部分の流路は、円弧状曲面からなるインバート面43からなっている。
管継手40の前記上向き開口41の段部41aに対して、跳ね上がり防止具10の外フランジ12が着座され、更にその上から管3が上向き接続口41bに嵌合接続されることで、跳ね上がり防止具10が固定状態に装着される。
この管継手40の場合は、網体20は装着されていないが、勿論、異物の混入防止用のフィルターとして装着してもよい。
この枡50も、排水管や雨水管から落下する排水や雨水をその下で受ける受具としての役割を果たす。
この枡50は、上から落下してくる排水や雨水を受け取るための受け具として、上向き開口51と、流路を構成する左右の横向き接続口52、53を備えている。上向き開口51は左右の横向き接続口52、53に構成される流路に比べて大径に拡開されて開口されている。
前記上向き開口51は、その段部51aを介した大径部を延長した形で、更に上向き接続口51bに構成している。
前記上向き接続口51bに対して、枝管流入口が設けられた立て管(点検筒)等が直に接続される。また前記横向き接続口52、53には、それぞれ図示しない別の管が接続される。
即ち、この枡50の場合も、上記の管継手40の場合と同様に、落下してくる排水や雨水を下方で受ける受け具ではあるが、外気を介することなく、排水や雨水の落下を導く管と直結された状態で使用される。
勿論、前記枡50の上向き開口51には、必ずしも前記上向き接続口51bを設ける必要はない。上向き接続口51bを設けることなく、落下してきた排水や雨水を空間を経て間接的に受けるようにしてもよい。
枡50の前記上向き開口51の段部51aに対して、跳ね上がり防止具10の外フランジ12が着座され、更にその上から図示しない管が上向き接続口51bに嵌合接続されることで、跳ね上がり防止具10が固定状態に装着される。
勿論、網体20も跳ね上がり防止具10と共に装着することができる。
落下してくる排水或いは雨水は、跳ね上がり防止具10を経て、枡50内に入る。この枡50内から跳ね上がってくる水は、跳ね返り防止具10によって阻止される。また枡50内を流れる水の水位が上昇する勢いを跳ね返り防止具10が弱め、その結果、枡50内から上向き開口51側への逆流、溢れを防ぐことができる。
また図7、図8に示す管継手40や枡50において、上向き開口41、51は接着受口に限らず、いわゆるゴム輪受口であってもかまわない。
また管継手40や枡50において、跳ね上がり防止具10の外フランジ12と上向き接続口41b、51bとの間にパッキンを挟み込むことにより、跳ね上がり防止具10の周囲に止水性を持たせてもよい。
1a 排水管
2 導出管
3 管
4 導出管
10 跳ね上がり防止具
11 本体
11a 上縁開口
11b 下縁開口
11c 水受口
11d 跳ね上がり阻止面
12 外フランジ
12a 突起部
20 網体
21 網部
22 周縁枠部
30 管継手
31 上向き開口
31a 段部
31b 開口縁部
31c 切欠き
31d 嵌合凹所
32 横向き接続口
33 インバート面
34 脚
40 管継手
41 上向き開口
41a 段部
41b 上向き接続口
42 横向き接続口
43 インバート面
50 枡
51 上向き開口
51a 段部
51b 上向き接続口
52 横向き接続口
53 横向き接続口
d 落下口
Claims (5)
- 落下してくる水を受け入れる上向き開口を備え、且つ上向き開口から受け入れた水を水平方向に流路変更して横向き接続口に導くようにした管継手であって、前記上向き開口に、本体が逆円錐台形状の断面を有する短筒体からなり、該短筒体の上縁開口から下縁開口までの傾斜する内面をもって前記上向き開口を内向き且つ斜め下方に向けて縮小させる水受口とすると共に、短筒体の傾斜する外面を前記落下した水の跳ね上がり阻止面として構成した跳ね上がり防止具を装着すると共に、前記上向き開口の下方にインバート面を備えたことを特徴とする管継手。
- 上向き開口に段部を構成し、該段部に対して跳ね上がり防止具の短筒体の上縁に設けた外フランジを着座して嵌め合わせることにより跳ね上がり防止具を装着したことを特徴とする請求項1に記載の管継手。
- 上向き開口の段部を介した大径部が延長されて上向き接続口とされていることを特徴とする請求項2に記載の管継手。
- 網体を跳ね上がり防止具と共に上向き開口に装着したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の管継手。
- 請求項1〜4の何れかに記載の管継手を、管継手に代えて枡としたことを特徴とする枡。
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