JP5455773B2 - 計器用文字板およびその形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、目盛り、数字、文字、シンボルマーク等を、奥行き感のある立体表示パターン上に視認性良く表示する計器用文字板およびその形成方法に関するものである。
従来から、車両、航空機、船舶等の乗り物やその他各種産業機器には各種情報の測定結果を表示する透光性の文字板付き計器が備え付けられている。この計器の文字板には文字や目盛りなどを円弧状に配置した表示パターンが設けられ、日中には外光により、また夜間にはその文字板の裏面側に配置した光源により、文字板の照明、表示をそれぞれ行っている。ところが、この文字板は平面板であり、これをその表面側から見たとき文字や目盛りの表示態様が単純に平面的であり、デザイン的に斬新性を欠く。
これに対して、文字板上の文字や目盛りなどを奥行き感がある立体的な表示態様で視認可能にした計器が、例えば特許文献1に提案されている。この計器は、車両用計器であるスピードメータとして、車室のインストルメントパネルに配設され、図6に示すように、内部に略円板状の目盛り盤10aを有する四角板状の計器板10を備えている。計器板10は、透明樹脂材料からなる図7に示すような透明基板11を備えており、この透明基板11の表裏面には、各黒色層12が、目盛り盤10a以外の部分にて、黒色の印刷材料により印刷形成されている。
目盛り盤10aは、図6に示すように、計器板10の略中央に形成されており、この目盛り盤10aは、図7に示すように、透明基板11のうちの目盛り盤10aに対する対応部11aと、多数の凸レンズ部11bと、多数の画素部11cと、反射層(背景色層)11dとにより構成されている。なお、上述した透明基板11のうち目盛り盤10aに対する対応部11aは、以下、目盛り盤対応部11aという。目盛り盤10aの中心部には図示しない内機の指針軸が貫通し、その先端(上端)に指針20が取り付けられている。
多数の凸レンズ部11bは、相互に等間隔でもって、透明印刷材料により目盛り盤対応部11aの表面にマトリクス状にかつ微小形状に印刷形成されており、これら各凸レンズ部11bは、それぞれ、目盛り盤対応部11aの表面から略半球状に隆起している。多数の画素部11cは、相互に等間隔でもって、紫色印刷材料により目盛り盤対応部11aの裏面にマトリクス状に、かつ微小形状に印刷形成されており、これら各画素部11cは、目盛り盤対応部11aを介し各凸レンズ部11bにそれぞれ対応して位置する。
ここで、各画素部11cは、共に、正方形板状のもので、これら各画素部11cは、図6に点線で示すように、菱形面形状となるように位置しており、これら各画素部11cのうち隣接する画素部11cの間隔は、隣接する凸レンズ部11bの間隔に比べて幾分狭くなっている。
また、各凸レンズ部11bの焦点は、対応の各画素部11cの下方に位置する。このことは、光が下方から目盛り盤10aを透過するとき、各凸レンズ部11bは、対応の各画素部11cをその下方側にて拡大虚像として結像させることを意味する。また、多数の凸レンズ部11bのうち図6にて水平方向であって目盛り盤対応部11aの半径方向にならぶ各凸レンズ部11bの中心を結ぶ直線に対し、対応の各画素部11cの中心を結ぶ直線が所定微小角度だけ円周方向にずれて位置するように、各画素部11cが、対応の各凸レンズ部11bに対し位置ずれして、目盛り盤対応部11aの裏面に形成されている。但し、上記所定微小角度は、目盛り盤10aを光が透過するとき、各凸レンズ部11bが対応の各画素部11cとの相対的位置関係でモアレ現象を呈するように設定されている。
反射層11dは、目盛り盤対応部11aの裏面の全体に、各画素部11cを覆うように、白色印刷材料により印刷形成されている。なお、この反射層11dは、その裏面側に位置する構成部材を表面側からは見えなくする程度の不透明性を有している。目盛り盤10aは、その表面外周部において、当該車両の車速を表す略円弧状表示パターン部13を備えており、この表示パターン部13は、複数の短冊状目盛り部13aと、複数の文字部13bとにより構成されている。
また、各文字部13bは、目盛り盤対応部11aの外周部に対応の各凸レンズ部11bを介し黒色印刷材料により印刷形成されている。
このように構成した実施形態において、目盛り盤対応部11aの表面に外来光が入射すると、文字板の正面で看取する人にとって、文字板上の文字や目盛りなどを奥行き感がある立体的な表示態様で視認可能となる。ここで、この光の透過過程について詳細に説明する。各凸レンズ部11bの画素部側焦点は、上述のごとく、対応の各画素部11cの図7に示す下方にそれぞれ位置する。このため、外来光が各凸レンズ部11bに入射し、反射層11d、各画素部11c及び目盛り盤対応部11aを通り各凸レンズ部11bに再度入射すると、各凸レンズ部11bは、対応の各画素部11cを図7にて示す下方に虚像として拡大結像させる。
また、上述したごとく、図6にて水平方向であって目盛り盤対応部11aの半径方向にならぶ各凸レンズ部11bの中心を結ぶ直線と、対応の各画素部11cの中心を結ぶ直線とが、所定微小角度だけ円周方向にずれて位置するように、各画素部11cが、対応の各凸レンズ部11bに対し位置ずれして、目盛り盤対応部11aの裏面に形成されている。しかも、所定微小角度は、上述したごとく、各凸レンズ部11bが対応の各画素部11cとの相対的位置関係でモアレ現象を呈するように設定されている。
このため、外来光が各凸レンズ部11bに入射し、反射層11d、各画素部11c及び目盛り盤対応部11aを通り各凸レンズ部11bに再度入射すると、各画素部11cがモアレ現象のもと虚像として拡大結像される。従って、フロントパネルを通して目盛り盤10aを見たとき、各画素部11cが反射層11dを背景としてモアレ現象を伴った拡大虚像として視認される。これにより、従来にない奥行きのある立体的な表示態様でもって斬新な視認性を提供する計器を得ることができる。
また、上述のごとく、各目盛り部13aは、凸レンズ部11bを介することなく、目盛り盤対応部11aの表面に直接形成されている。従って、各目盛り部13aは、各画素部11cの像から浮き上がって見えるので、より一層斬新な表示態様となる。
特開2000−310546号公報
上述した従来の計器用文字板は、解決すべき以下の問題を有している。
即ち、透明基板11の表面は、マトリクス状に配置された複数の凸レンズ部11b間のスペースAにおいて、図8に示すように露出し、その表面が外来光に直接晒されている。このため、目盛り盤10aを正面から見た場合には、そのスペースAに臨む透明基板11の表面に向って入射する外来光のうち、矢印B方向に入射する外来光は、その透明基板11の表面で反射し、その反射光が視点Cに到達する。この結果、この目盛り盤10aをダッシュボード等に配置した自動車を運転する運転者は、その反射光Dを文字板表面の光の映り込みとして視認してしまう。そして、この反射光は、各画素部11cがモアレ現象のもと虚像として拡大結像されたもののなかに視認されるため、前述のようにして得られる奥行き感がある画素部11cの立体表示パターンおよび目盛り盤10a上の目盛り部13aや文字部13bなどの意匠部の視認性に大きく影響するという不都合がある。なお、入射する外来光のうち凸レンズ部11bに入射する外来光は、この凸レンズ部11bの表面(半球面)で乱反射されるため、視点Cへの到達量は少ない。従って、前記立体表示および目盛り部13aや文字部13bなどの意匠部の視認性に影響することは殆どない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、文字板に奥行き感がある画素部の立体表示を可能にするとともに、外来光による文字板表面からの光の映り込みを回避して、文字板上の目盛りや文字、さらにはシンボルマーク等の意匠表示の視認性を高めることができる計器用文字板およびその形成方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る計器用文字板は、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1) 透明基板と、
前記透明基板の表面側にマトリクス状に配置された複数個の凸レンズ部と、
前記透明基板の裏面に前記各凸レンズ部に対応してマトリクス状に形成された複数の画素部と、
を備え、
前記凸レンズ部のそれぞれが前記画素部よりも前記透明基板から離れた位置に焦点を持たせる計器用文字板であって、
前記透明基板の表面に形成されたスモーククリア印刷層をさらに備え、
前記凸レンズ部は、前記スモーククリア印刷層の表面に配置されるとともに、前記スモーククリア印刷層の表面の凹部を埋めるように当該スモーククリア印刷層上に形成されていること。
(2) 上記(1)の構成の計器用文字板であって、
前記凸レンズ部が配置される領域を除く前記スモーククリア印刷層の表面に形成された、少なくとも目盛および文字の形状に形作られた白色印刷層をさらに備える、
こと。
(3) 上記(2)の構成の計器用文字板であって、
前記透明基板の裏面に形成された、前記白色印刷層の対応領域を除く該透明基板の裏面を前記画素部とともに覆う背景色層と、
前記背景色層の裏面に形成された、前記白色印刷層の対応領域を除く該背景色層の裏面を覆う黒色印刷層と、
をさらに備えること。
(4) 上記(2)の構成の計器用文字板であって、
前記透明基板の裏面に形成された、該透明基板の裏面を前記画素部とともに覆う背景色層と、
前記背景色層の裏面に形成された、意匠部を除く前記背景色層の裏面を覆う黒色印刷層と、
前記背景色層の裏面に前記意匠部を埋めるように形成された拡散印刷層と、
をさらに備えること。
上記(1)の構成の計器用文字板によれば、凸レンズ部が配置される領域内のスモーククリア印刷層の表面には、各凸レンズ部がスモーククリア印刷層に対し空気層などの隙間を介さずに密着されている。このため、外来光がレンズ部に入射し前記画素部および透明基板を通して各レンズ部に再度入射すると、各凸レンズ部と各画素部との光学的配置に基づくモアレ現象および凸レンズ部の焦点位置から、凸レンズ部対応の画素部を文字板の裏面方向の焦点に虚像として拡大結像する。これにより奥行き感がある画素部の立体表示パターンが文字板上に表出される。この場合において、凸レンズ部間に露出するスモーククリア印刷層の表面に入射する外来光は、そのスモーククリア印刷層表面の凹凸面で乱反射されるため、そのスモーククリア印刷層表面の光の映り込みを抑えることができる。従って、前記散乱光によっては前記立体表示パターン、目盛りや文字、インジケータや警告灯などのシンボルマークの視認性は阻害されず、これらを文字板上で明瞭に視認することができる。
上記(2)の構成の計器用文字板によれば、文字や目盛りは白色印刷層上にあって外来光を直接受け、反射光を前方に出射するので、その文字や目盛りを文字板表面に明瞭に表出することができる。一方、光源からの光は透明基板、スモーククリア印刷層および白色印刷層を透過して前記文字や目盛りを明るく照明し、文字板の正面で看取する人の視点に明瞭に到達させる。このとき、文字や目盛りが施されていない領域では、各凸レンズ部と各画素部との光学的配置に基づくモアレ現象および凸レンズ部の焦点位置から、奥行き感がある画素部の前記立体表示パターンが同時に看取可能にする。そしてこの立体表示パターンに影響を与えることなく、またその立体表示パターンに影響されずに、前記文字や目盛りの視認性を充分に確保することができる。
上記(3)の構成の計器用文字板によれば、黒色印刷層が設けられない領域では、奥行き感がある画素部の前記立体表示パターンを得るとともに、前記透明基板の裏面側から入射する光が白色印刷層を透過することによって、この白色印刷層上の目盛りや文字を、前記立体表示パターンとは独立して明瞭に表示させることができる。
上記(4)の構成によれば、奥行き感がある画素部の前記立体表示パターンを表出できるとともに、黒色印刷層が設けられない領域を意匠部として、前記拡散印刷層を介して光をその意匠部に透過させることにより、シンボルマークを前記立体表示パターンの中に、明瞭に表出させることができる。
また、本発明に係るを計器用文字板の形成方法は、下記(5)を特徴としている。
(5) 透明基板と、前記透明基板の表面側にマトリクス状に配置された複数個の凸レンズ部と、前記透明基板の裏面に前記各凸レンズ部に対応してマトリクス状に形成された複数の画素部と、を備え、前記凸レンズ部のそれぞれが前記画素部よりも前記透明基板から離れた位置に焦点を持たせる計器用文字板に前記凸レンズ部を形成する計器用文字板の形成方法であって、
スモーククリア印刷層を前記透明基板の表面に形成し、
液状の凸レンズ形成材料を前記スモーククリア印刷層の表面に滴下して、前記凸レンズ形成材料によって前記スモーククリア印刷層表面の凹部を埋めさせ、
前記凸レンズ形成材料を固化する、
こと。
上記(5)の方法によれば、凸レンズ形成材料は液状であるため、スモーククリア印刷層の表面に滴下されると、そのスモーククリア印刷層表面の凹凸面に対して、空気層などの間隙を作ることなく馴染みながら密着していく。このため、レンズ形成材料の固化後はスモーククリア印刷層と一体化され、凸レンズ部とスモーククリア印刷層との境界面での光の反射や損失を低く抑えることができる。従って、外来光がレンズに入射し前記画素部および透明基板を通して各凸レンズ部に再度入射することによって得られる奥行き感がある画素部の前記立体表示パターンの看取が可能になるとともに、凸レンズ部間に露出するスモーククリア印刷層の凹凸面で外来光を乱反射させることによって、散乱光が前記立体表示パターンおよび目盛りや文字、さらにはインジケータや警告灯などの意匠部の視認性を妨げることを確実に回避することができる。
本発明によれば、外来光による文字板表面からの光の映り込みを回避して、文字板における奥行き感がある画素部の立体表示のほか、文字板上の目盛りや文字、さらにはシンボルマーク等の意匠表示の視認性を高めることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するためのの形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の実施形態にかかる計器用文字板を示す正面図である。 図1における計器用文字板の拡大断面図である。 図1における凸レンズ部の形成方法を示す説明図である。 図1における凸レンズ部の詳細な形成手順を示す形成工程図である。 図1に示す計器用文字板を備えた計器の概略断面図である。 従来の計器用目盛り盤を示す正面図である。 図6における計器用目盛り盤の断面図である。 図6における計器用目盛り盤に対する光の入反射の状態を示す説明図である。
以下、本発明の一実施の形態にかかる計器用文字板を図1乃至図3を参照して説明する。
図1に示す本実施形態の計器用文字板(以下、文字板という)30は、例えば車両のインストルメントパネルに配置されたエンジン回転計内に設置される。この文字板30は、目盛り31a、数字31bのほか文字や記号、さらにはインジケータや警告灯などのシンボルマーク31cを円形領域31内に表示する。
この文字板30の詳細は、図2に示す通りである。この文字板30は、透明基板32と、スモーククリア印刷層33と、凸レンズ部34と、画素部35と、背景色層36と、黒色印刷層37と、白色印刷層38と、拡散印刷層40と、を備えている。これらのうち、透明基板32は、ポリカーボネート等の透光性の高い合成樹脂板からなり、円形、楕円形、矩形等の形状をなす。この透明基板32は滑らかな表面を持ち、この表面にスモーククリア印刷層33がスクリーン印刷により形成されている。このスモーククリア印刷層33は滑らかな裏面を持ち、この裏面が透明基板32の表面に密着されている。
このスモーククリア印刷層33の表面は、例えば印刷後の粗面加工によって細かな凹凸面に形成され、この凹凸面は後述のような光の乱反射面を構成している。この凹凸面の凹凸形状は、文字板30に入射する外来光を不規則な方向へ反射させるように所定の角度、深さおよびサイズに形成される。これにより、外来光がスモーククリア印刷層33の表面に入射した場合、文字板30の正面を看取する人の視点に到達する光量を抑えることができる。
凸レンズ部34は、図示のように同一サイズ、形状の半球状レンズであり、スモーククリア印刷層33の表面に、多数個が所定間隔おきに、つまりマトリクス状に整列配置されている。これらの凸レンズ部34は、図3に示すように、透明基板32上に形成されたスモーククリア印刷層33の表面に対し、液状のレンズ形成材料Lを滴下させ、滴下されて半球状となったレンズ形成材料Lを乾燥させ、固化させることにより得られる。
図4は、この凸レンズ部34のスモーククリア印刷層33への形成手順を示す工程図である。透明基板32上に形成されたスモーククリア印刷層33は、図4(a)に示すように、表面が細かな凹凸面を持つように加工された粗面Kをなし、この粗面K上に前述のレンズ形成材料Lを、図4(b)に示すように滴下させる。滴下されたレンズ形成材料Lは、スモーククリア印刷層33の粗面K上において、その凸凹部の凹部を埋めるように入り込んで、図4(c)に示すように、スモーククリア印刷層33との境界面に空隙ができないように、このスモーククリア印刷層33の表面に塗布される。この塗布された部分では、光学的には前記粗面Kが恰も存在しなくなったような形態となる。従って、スモーククリア印刷層33が透明基板32と凸レンズ部34との間に介在されたにも拘らず、外来光が画素部35、透明基板32、スモーククリア印刷層33および凸レンズ部34を透過し、奥行き感がある画素部35の立体表示パターンの看取が可能になる。なお、この凸レンズ部34が形成されない領域、つまりそれぞれの凸レンズ部34間には、スモーククリア印刷層33の粗面Kが露出状態に保たれている。
また、複数の画素部35が、透明基板32の裏面に印刷により形成されている。これらの画素部35は、各凸レンズ部34に対応する位置に所定間隔をおいてマトリクス状に配置されている。この場合において、複数の凸レンズ部34のそれぞれは、これらに対応する各画素部35に対して僅かに位置がずれるように配置されている。また、各凸レンズ部34は、各画素部35よりも遠い位置に焦点を有するものとする。従って、凸レンズ部34の上方からは、画素部35を含む立体表示パターンがその焦点に結像される虚像として看取される。
背景色層36は、画素部35を覆うように透明基板32の裏面に印刷により形成され、画素部35の背景色を文字板30上に表出している。この背景色層36は、画素部35とともに立体表示パターンとして表出される。更に、黒色印刷層37は、遮光用として背景色層36の裏面にスクリーン印刷により形成されている。
白色印刷層38は、スモーククリア印刷層33の表面であって、凸レンズ部34が形成されない位置(領域)に白色塗料を塗布または印刷によって形成したものである。この白色塗料は、スモーククリア印刷層33の表面に形成された前記粗面Kの凹面を埋めるように密着される。この白色塗料は、固化した後は粗面Kにおいてスモーククリア印刷層と一体化するため、光源39から透明基板32を介して後述のように入射される光を、スモーククリア印刷層33から低損失で白色印刷層38に入射させることができる。この結果、白色印刷層38上に印刷された目盛り31a、数字31b等は、運転者の視点に明瞭に到達することとなる。また、この白色印刷層38が設けられる部位に対応する透明基板32の裏面では、画素部35、背景色層36および黒色印刷層37が除去された光導入部Hとされ、この光導入部Hの後方には前記光源39が配置されている。
拡散印刷層40は、黒色印刷層37の一部を、インジケータや警告灯のためのシンボルマーク31c形状に切除した意匠部Eおよびこの意匠部E周辺の黒色印刷層37を裏面から覆うように形成されている。この拡散印刷層40は、これの裏面側に配置された光源からの光を、背景色層36、画素部35、透明基板32、スモーククリア印刷層33を通して凸レンズ部34に透過させるが、凸レンズ部34の前方から拡散印刷層40の裏面側にある光源やその付近の構成部材が見えないようにする。前記シンボルマーク31cには、シートベルト装着状態やハンドブレーキ状態などの指示マーク、燃料残量状態やエンジンオイルやブレーキオイルなどのオイル残量状態などの警告灯が含まれる。なお、前述の指示マークや警告等などのシンボルマーク31cとともに、文字、数字、記号などをシンボルマークとして設けることは任意である。意匠部Eの照明専用の前記光源41が、この拡散印刷層40の後方に、所定距離をおいて設置されている。また、凸レンズ部34は、意匠部Eに対応する部位のスモーククリア印刷層33上にも設けられている。この意匠部Eでは、光源41からの光が拡散印刷層40に透過されて散乱状態となり、意匠であるシンボルマーク31c形状の透過光となって背景色層36、画素部35、透明基板32、スモーククリア印刷層33および凸レンズ部34を順に通過する。このため、その透過光は文字板30の正面側にて特定のシンボルマークとして明瞭に視認される。
図5は、文字板30を備える計器本体51の側面断面図である。この計器本体51は、指針軸57を持つ内機(モータ)52が取り付けられた配線基板53と、この配線基板53に係止爪部材54を用いて装着されたケース部55とを備える。前記内機52の指針軸57が貫通する貫通孔30a、56、53aは、文字板30、ケース部55および配線基板53の各中央部に設けられている。指針58は指針軸57の先端に取り付けられ、見返し壁59付きのフロントパネル60が、この指針58を覆うように文字板30の周辺に設けられている。ケース部55は、係止爪部材54の外側部を被い、ケース部55の裏面側周縁には裏カバー62が嵌合されている。また、ランプハウジング42、43を隔成する隔壁44、45、46が、意匠部Eの対応部位であって、配線基板53と文字板30との間に介在されている。各光源41は、それぞれランプハウジング42、43内に臨む配線基板53上に取り付けられている。
前記光源39は、ケース部55を通して文字板30上の前記目盛り31aや数字31bなどを照射する位置の配線基板53上に設けられ、別の光源41は配線基板53上であって、前記意匠部Eに光を照射する位置に、例えば2個設けられている。なお、この計器の文字板30は、図2に示すものである。
前述の構成を持つ文字板30では、透明基板32の表面にマトリクス状に形成された複数の凸レンズ部34と、その透明基板32の裏面に前記各凸レンズ部34に対応してマトリクス状に形成された各画素部35とが、前記のように僅かづつ位置ずれして設けられている。このため、文字板30の表面に入射した外来光が凸レンズ部34に入射し、各画素部35および透明基板32を通過して凸レンズ部34に再度入射すると、各画素部35がモアレ現象および各凸レンズ部34の焦点位置との関係から拡大された画素部35の虚像として、焦点(画素部35の裏面方向に離れた位置)に結像される。この結果、前記複数の画素部35は奥行き感がある立体表示パターンとして、文字板30の正面を見る運転者等に看取させることができる。
このとき、この外来光は各凸レンズ部34およびこれらの凸レンズ部34間のスペースAに露出するスモーククリア印刷層33の各表面に入射している。各凸レンズ部34に入射した外来光は、各画素部35、透明基板32およびスモーククリア印刷層33を通過して凸レンズ部34に再度入射するが、スモーククリア印刷層33と凸レンズ部34の間では、スモーククリア印刷層33の粗面K上にてその凸凹部の凹部を埋めるように凸レンズ部34が入り込んでいるため、スモーククリア印刷層33が透明基板32と凸レンズ部34との間に介在されたにも拘らず、外来光が画素部35、透明基板32、スモーククリア印刷層33および凸レンズ部34を透過し、奥行き感がある画素部35の立体表示パターンの看取が可能になる。一方、スペースAに露出するスモーククリア印刷層33に入射した外来光は、そのスモーククリア印刷層33の表面が粗面Kとなっているため、この粗面Kで乱反射する。従って、文字板30の正面側の視点Cに到達する光量は極めて少ない。つまり、文字板30上への外来光による映り込みが効果的に抑えられ、奥行き感がある前記立体表示パターンの視認性が妨げられことなく、充分に高められる。
また、このように文字板30上への外来光による映り込みが抑えられることで、白色印刷層38上に印刷された目盛り31a、数字31bのほか、インジケータや警告灯などのシンボルマーク31cの視認性が高められる。
このように、本実施形態では、凸レンズ部34とスモーククリア印刷層33は互いに接する部分で、空気層などの隙間を介さずに密着された結果、外来光が凸レンズ部34に入射し画素部35および透明基板32を通して各凸レンズ部34に再度入射することによって、奥行き感がある画素部35の立体的な表示形態を維持できるとともに、凸レンズ部34間に露出するスモーククリア印刷層33の表面に入射して乱反射される光が、文字板30の正面を看取する人の視点に到達する量を抑えることができ、前記立体表示パターン、目盛り31aや数字31b、インジケータや警告灯などのシンボルマーク31cの視認性を高めることができる。
また、目盛り31aや数字31bを、凸レンズ部34が配置される領域を除く部位の前記スモーククリア印刷層33上の白色印刷層38の表面に形成したことで、白色印刷層38上の目盛り31aや数字31bを白色印刷層38に入射する外来光によって明瞭に表示することができる。一方、光源39からの光は白色印刷層38を通して目盛り31aや数字31bを照明するため、これらを文字板30から視点Cに充分に到達させることができる。一方、白色印刷層38が施されていない領域では、奥行き感がある画素部35の前記立体表示パターンが得られる。このように前記立体表示パターンとは区別されて前記目盛り31aや数字31bの視認性が充分に確保される。
さらに、透明基板32の裏面に画素部35を覆うように背景色層36を形成し、その背景色層36を覆うように意匠部Eを残して黒色印刷層37を形成したことにより、黒色印刷層37が設けられない領域は意匠部Eを構成し、前記文字板30の裏面側の光源41から入射した光が意匠部Eを透過することによって、この意匠部Eが作るシンボルマーク31cを、前記画素部35の立体表示パターンとは独立して文字板30上に明瞭に表出させることができる。
また、スモーククリア印刷層33が、少なくとも前記凸レンズ部34が配置される領域の全体を被うように、透明基板32の表面に形成され、そのスモーククリア印刷層33上に液状の凸レンズ形成材料を滴下させることで、その凸レンズ形成材料がその滴下部位で当該スモーククリア印刷層33表面の凹部を埋めるようにして、前記複数の凸レンズ部34を形成する。液状の凸レンズ形成材料は、スモーククリア印刷層33の表面にできた凹面に対して、空気層などの間隙を介在することなく密接状態にて馴染ませることができる。このため、これらの凸レンズ部34とスモーククリア印刷層33との境界面での光の反射や損失を少なく抑えることができ、外来光が画素部35および透明基板32を通して各凸レンズ部34に再度入射することによって得られる奥行き感がある画素部35の前記立体的な表示形態を維持しながら、凸レンズ部34間に露出するスモーククリア印刷層33に入射して乱反射される光が看取者の視点に到達するレベルを低く抑えることができる。従って、前記立体表示パターン、目盛り31aや数字31b、文字、記号、さらにはインジケータや警告灯などのシンボルマーク31cの視認性を、外来光の映り込みによって妨げられることを回避することができる。
30 文字板
31 円形領域
31a 目盛り
31b 数字
31c シンボルマーク
32 透明基板
33 スモーククリア印刷層
34 凸レンズ部
35 画素部
36 背景色層
37 黒色印刷層
38 白色印刷層
39、41 光源
40 拡散印刷層
51 計器本体
52 内機
53 配線基板
54 係止爪部材
55 ケース部
30a、56 貫通孔
57 指針軸
58 指針
59 見返し壁
60 フロントパネル
62 裏カバー
A スペース
C 視点
E 意匠部
H 光導入部
K 粗面

Claims (5)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板の表面側にマトリクス状に配置された複数個の凸レンズ部と、
    前記透明基板の裏面に前記各凸レンズ部に対応してマトリクス状に形成された複数の画素部と、
    を備え、
    前記凸レンズ部のそれぞれが前記画素部よりも前記透明基板から離れた位置に焦点を持たせる計器用文字板であって、
    前記透明基板の表面に形成されたスモーククリア印刷層をさらに備え、
    前記凸レンズ部は、前記スモーククリア印刷層の表面に配置されるとともに、前記スモーククリア印刷層の表面の凹部を埋めるように当該スモーククリア印刷層上に形成されていることを特徴とする計器用文字板。
  2. 前記凸レンズ部が配置される領域を除く前記スモーククリア印刷層の表面に形成された、少なくとも目盛および文字の形状に形作られた白色印刷層をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1記載の計器用文字板。
  3. 前記透明基板の裏面に形成された、前記白色印刷層の対応領域を除く該透明基板の裏面を前記画素部とともに覆う背景色層と、
    前記背景色層の裏面に形成された、前記白色印刷層の対応領域を除く該背景色層の裏面を覆う黒色印刷層と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の計器用文字板。
  4. 前記透明基板の裏面に形成された、該透明基板の裏面を前記画素部とともに覆う背景色層と、
    前記背景色層の裏面に形成された、意匠部を除く前記背景色層の裏面を覆う黒色印刷層と、
    前記背景色層の裏面に前記意匠部を埋めるように形成された拡散印刷層と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の計器用文字板。
  5. 透明基板と、前記透明基板の表面側にマトリクス状に配置された複数個の凸レンズ部と、前記透明基板の裏面に前記各凸レンズ部に対応してマトリクス状に形成された複数の画素部と、を備え、前記凸レンズ部のそれぞれが前記画素部よりも前記透明基板から離れた位置に焦点を持たせる計器用文字板に前記凸レンズ部を形成する計器用文字板の形成方法であって、
    スモーククリア印刷層を前記透明基板の表面に形成し、
    液状の凸レンズ形成材料を前記スモーククリア印刷層の表面に滴下して、前記凸レンズ形成材料によって前記スモーククリア印刷層表面の凹部を埋めさせ、
    前記凸レンズ形成材料を固化する、
    ことを特徴とする計器用文字板の形成方法。
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