JP5455264B2 - トイレットペーパー製品 - Google Patents
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Description
トイレットペーパー製品(ウェブ)においては、水分の吸収能力を確保するため、バルク(比容積)が高いことが品質面で重要な要素である。さらに、強度、柔らかさ(しなやかさと滑らかさとボリューム感の総合官能)も重要である。
又、高バルクなトイレットペーパーを得るための機械的処理として、抄紙工程の脱水乾燥工程において、湿紙をプレス脱水せずに通風乾燥する方法TAD(through air drying;通風乾燥)方式(特許文献2)や、湿紙形成から乾燥工程の間において湿紙ウェブに凹凸処理を行う方法がある。
さらに、抄造後のウェブにエンボスなどにより機械的に凹凸処理を行う方法がある。さらに、これら方法を組み合わせる場合もある。
しかしながら、上記した化学的処理法の場合、薬剤コストが高いと共に、パルプの繊維間結合が低下するためにウェブ強度が低下する問題がある。さらに、上記薬剤処理による紙力低下を、原料の配合や叩解条件の変更、及び一時性湿潤紙力剤の添加で補うと共に、叩解による紙厚低下を高クレープ率の加工によって補う技術(特許文献3)が開示されているが、上記薬剤の使用や叩解によって、吸水速度が低下する問題がある。又、上記したTAD方式の場合、乾燥エネルギーのコストが膨大になる。さらに、抄紙後に凹凸処理する方法では、繊維間の結合や紙層構造が破壊されてウェブ強度が低下したり、ウェブの見かけ嵩は高くなるがウェブ自体の紙層嵩(キャリパー)を高くする(ふんわり感をだす)ことが難しいという問題がある。
しかしながら、このヤンキードライヤーにおしつけることによって、ウェブが相対的に低バルクになるという問題がある。そして、上記した嵩高剤をパルプ原料に添加してクレープ付けによるバルク低下を抑制しようとしても、せいぜい3〜5%程度の嵩高効果しか得られず、一方で強度が著しく低下する。
又、上記したTAD方式は、ヤンキードライヤーで最終的に仕上げの乾燥及びクレープ付けを行う前にバキュームにより脱水し、通風ドライヤーで予備乾燥する技術であり、ロールプレスニップによる脱水工程が無いためにバルクロスが無く、高バルクなウェブが得られる。ところが、TAD方式はプレスニップ脱水相当の水分を通風熱で除去するため、従来のロールプレスニップ方式に比べて約2倍の乾燥エネルギーが必要になるとされている。
さらに、これらの諸問題を解決する方法として、ファブリックプレス方式と呼ばれる抄紙機械が開発されている(特許文献5)。ファブリックプレス方式は、従来のプレス技術を踏襲するが、脱水と同時に凹凸付けベルト又はファブリックによりウェブに凹凸付けを行うものである。この脱水及び凹凸付けは、湿紙ウェブがフェルトから凹凸付けベルトに送られる間に、1又は2つ以上のプレスニップで行なわれ、次いでウェブがヤンキードライヤーに運ばれて乾燥される。
ファブリックプレス方式によれば、従来のロールプレスニップ方式と乾燥エネルギーが同等でありつつ、TAD方式に匹敵する高いバルクが得られる。
そして、ウェブのバルクは、プレスニップで脱水する間、ベルトの組織中のキャビティ(空洞)で、繊維性の網状構造(ネットワーク)を受けることで、圧縮されずに維持される。
従って本発明は、強度、バルク(比容積)、柔らかさの3つを満たしたトイレットペーパー製品の提供を目的とする。
ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記トイレットペーパー製品のサンプルに対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサで測定したとき、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が5〜23dBV2rmsであり、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が10〜20dBV2rmsであることが好ましい。
本発明の実施形態に係るトイレットペーパー製品は、シート(ウェブ)を1枚又は2枚重ねしてなり、1枚のシートの坪量が10〜40g/m2、比容積が9.8〜25cm3/gであり、かつJIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDT(Dry Machine Direction Tensile strength)乾燥時の横方向の引張強さDCDT(Dry Cross Direction Tensile strength)の積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2(GMT:Geometric Tensile Strength)が1.47〜3.92N/25mmである。トイレットペーパー製品の、JIS P4501法によるほぐれ易さが100秒未満であると好ましい。
なお、トイレットペーパーウェブ、及びその製品の抄紙の流れ方向を「縦方向」とし、流れ方向に直角な方向を「横方向」とする。
又、トイレットペーパー製品のGMTが上記値未満であると、やぶれ易くて実用に適さない。GMTが高いと硬くなり、柔らかさが損なわれる。上記GMTは好ましくは1.96〜3.43N/25mm、より好ましくは2.45〜3.43N/25mmである。
さらに、トイレットペーパー製品の1枚当たりの比容積が、9.8〜25cm3/gである。この比容積が9.8cm3/g未満であると、ふんわり感が乏しく、バルク(嵩高さ)が低下して水分の吸収能力に劣る。一方、比容積が25cm3/gを超えると、バルク(嵩高さ)は高くなるが、平滑性が劣り、触感が悪くなる。上記比容積は、好ましくは9.8〜20cm3/g、より好ましくは9.8〜18cm3/g、更に好ましくは9.8〜15cm3/gである。
本発明の実施形態に係るトイレットペーパー製品は、坪量、GMT、並びに比容積を上記範囲に規定することにより、高強度、嵩高さ、良好な触感を共に満たすことができる。
なお、トイレットペーパーに適正な強度を確保するために、通常の手段で原料配合し、パルプ繊維の叩解処理にて強度調整を行うことができる。目標の品質を得るための叩解としては、市販のバージンパルプに対して、JIS P8121で測定されるカナダ標準ろ水度で0〜100ml、より好ましくは0〜50ml、更に好ましくは10〜40ml濾水度を低減させる。又、湿潤紙力増強剤は使用しないことが好ましい。
又、トイレットペーパーウェブの製造方法の詳細については後述する。
又、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が10〜20dBV2rmsであることが好ましく、より好ましくは10〜18dBV2rms、更に好ましくは10〜16dBV2rms、最も好ましくは10〜14dBV2rmsである。数値が前記範囲より高いと、十分なやわらかさが得られず、前記範囲より低いと、柔らかさだけが際立ち、良好な触感を得ることができない場合がある。
又、TSAによる、剛性(D)測定値が2.5〜4.5mm/Nであることが好ましく、より好ましくは2.8〜4.5mm/N、更に好ましくは3.0〜4.5mm/Nである。数値が上記範囲の下限値より低いと、トイレットペーパー全体のしなやかさに劣り、上記範囲の上限値より高いとしなやかさが際立ちすぎ、全体のバランスに欠く場合がある。
TSAを用いた具体的な測定は、(i)円形の試料台205を外側から覆うようサンプル206(emtec社のサンプルパンチを使用して直径が約112.8mmの円形に加工したサンプル)を設置し、サンプル206の外周をサンプル固定リング208で保持し、(ii)ブレード付きロータ204を100mNの押し込み圧力でサンプル206の上から押し込んだ後、ロータ204を回転数2.0(/sec)で回転させ、(iii) 試料台205の振動を、試料台205内部に設置した振動センサ203で測定し、振動周波数を解析する。(iv)次に、押し込み圧力100mNと600mNで、ロータ204を回転させずにそれぞれサンプル206を変形させたときの上下方向の変形変位量(mm/N、剛性D)を計測する。 (i)〜(iv)の手順により、トイレットペーパー製品の総合的なハンドフィール値の要素(滑らかさ、しなやかさ、ボリューム感)が各々数値化できる。測定は1サンプルについて、トイレットロールの表面(つまり、トイレットロール製品の外側の面)を5回行い、平均化する。
なお、試料台205はベースプレート201上に設置され、試料台205とベースプレート201の間には、力センサ202が配置されている。そして、力センサ202の検出値により、ブレード付きロータ204の押し込み圧力を制御する。又、ブレード付きロータ204はモータ209によって回転する。
又、振動解析してパラメータ化(TS値)するソフトウェアは、emtec measurement systemを用いる。本ソフトウェアには、各種アルゴリズム(例えば、Base Tissue、Facial、TP等)が備えられ、TS7、TS750、Dをソフトウェア上で自動的に取得し、これらTS7、TS750、Dおよび、坪量、厚さ、Ply数等から各種アルゴリズムの種類によって、HF(ハンドフィール)値が計算される。本発明では、HF値ではなく、TS7、TS750、Dのみを規定しており、上記測定条件を満たせば、アルゴリズムは何を使用しても良く、TS7、TS750、Dの値はアルゴリズムの種類によって変わることはない。
図5は、TSAによる紙試料サンプルの剛性Dの測定方法を示す。
TS7の値が低いほど、ふんわり感(表面ソフトネスおよびバルクソフトネス)に優れ、TS750の値が低いほど、滑らかさに優れる。又、Dの値が大きいほど、しなやかさに優れる。
さらに、TS7、TS750、及びDの関数に基づき、総合的なハンドフィール値(HF値)を算出することができる。
例えば、(HF値)=A×(TS7)+B×(TS750)+C×(D)+αという関数を設定することで、総合的なハンドフィール値を客観的(定量的)に数値化できる。ここで、A,B,C及びαは係数であり、これら係数を適宜設定することで、ハンドフィール値を構成するファクター(つまり、TS7、TS750、及びDにそれぞれ対応する、柔らかさ、滑らかさ、剛性)の重み付けを調整し、実際のやわらかさの官能評価に合致させることができる。
なお、A及びBを負の値とし、Cを正の値とした場合、ハンドフィール値の値が大きくなるほど、総合的なやわらかさに優れることを意味する。
図1の装置50は、ファブリックプレス方式の製紙機であり、予備的に脱水するための通風乾燥(TAD)設備を用いず、プレス手段のみで凹凸付けしたウェブ103を製造することができる。装置50は、連続するウェブを形成するウェット部2、ウェブを脱水して模様付け又は凹凸付けするプレス部3、及びウェブを最終乾燥する乾燥部4を備えている。
ヘッドボックス6は、フォーミングワイヤー9とフォーミングフェルト8との間の成型部5にて紙料ジェットを吐出する。フォーミングワイヤー9はエンドレスのループ形態であり、複数のガイドロール10及びフォーミングロール7の周りを走行し、フォーミングロール7にてフォーミングフェルト8に接触する。従って、位置5に吐出された紙料はフォーミングワイヤー9によって脱水されて繊維性ウェブ101を形成し、この繊維性ウェブ101がフォーミングフェルト8にてプレス部3に搬送される。フォーミングフェルト8も複数のガイドロール18の周りを走行するエンドレスのループ形態となっている。
なお、成型部5をサクションブレストロールフォーマーとすることもできる。
凹凸付けファブリック14は、エンドレスのループ形態をなし、複数のガイドロール15、及び乾燥部4に対向するスムーズな転送ロール16の周りを走行する。凹凸付けファブリック14は、第1のプレス要素(ロール)12の周りを走行したときにメインプレス11のプレスニップN1を通り、フォーミングフェルト8で搬送された繊維性ウェブ101と接触する。そして、プレスニップN1にて、凹凸付けファブリック14が繊維性ウェブ101の脱水及び凹凸付けを行って、凹凸付け繊維性ウェブ102を形成する。凹凸付け繊維性ウェブ102は、凹凸付けファブリック14によって転送ロール16まで搬送される。
転送ロール16は、後述する乾燥部4の乾燥シリンダー19と対向し、両者の間に転送ニップN2を形成する。そして、転送ニップN2に搬送された凹凸付け繊維性ウェブ102は、プレス及び脱水を施されずに乾燥にのみ供される。
プレス部3を通る間、各ウェブ101、102の乾燥度は、繊維濃度15〜30%の範囲から42〜52%の範囲とすることができる。
乾燥シリンダー19の表面は、転送ニップN2近傍にて、凹凸付け繊維性ウェブ102を乾燥する乾燥表面20を形成する。又、クレープ付けドクター21は乾燥表面20の下流に配置され、乾燥表面20によって乾燥した凹凸付け繊維性ウェブ102にクレープ付けを行い、それによって、凹凸付け及びクレープ付けの両方を施された最終ウェブ103が得られる。クレープ付は、紙を縦方向(マシン走行方向)に機械的に圧縮し、クレープと称される波状の皺を形成する公知の方法であり、紙に嵩(バルク感)、柔らかさ、吸水性、表面の滑らかさ、美観(クレープの形状)などを付与する。
そして、転送ニップN2にて、凹凸付け繊維性ウェブ102が凹凸付けファブリック14から離れて乾燥シリンダー19の乾燥表面20に転送される。転送ニップN2の圧力は1MPa以下であり、この圧力ではウェブ102の脱水は生じない。
なお、凹凸付けファブリック14から乾燥表面20側にウェブ102を確実に転送させるため、スプレー装置23によって乾燥表面20に接着剤を塗布するようにすると良い。スプレー装置23は、クレープ付けドクター21と転送ニップN2との間であって、乾燥表面20が開放された位置に配置することができる。
経糸及び緯糸の目数が上記範囲未満である場合、又は経糸及び緯糸の線径が上記範囲を超える場合、凹凸付けファブリック14の表面の凹凸が強過ぎ、得られたウェブの表面の凹凸も強くなり過ぎ、触感(優れた柔らかさ)が劣る。
経糸及び緯糸の目数が上記範囲を超える場合、又は経糸及び緯糸の線径が上記範囲未満である場合、凹凸付けファブリック14の表面の凹凸が低く過ぎ、得られたウェブの表面の凹凸も低くなって、強度を確保しつつ嵩高(高比容積)を得ることが難しい。
なお、凹凸付けファブリックでない一般的なファブリックは、経糸及び緯糸の目数がそれぞれ、70〜200本/2.54cm程度である。また、経糸及び緯糸の線径はそれぞれ、0.08〜0.20mm程度である。
上記で示したワイヤの目数や線径は、ワイヤのトップ面(湿紙とワイヤーが接触する面)の値である。
カレンダーパート60は、対向する一対のロール61、62から構成され、ロール61、62間のギャップに、抄紙及び乾燥後の凹凸付けしたウェブ103が装入されてカレンダー加工される。
ここで、ウェブ103の厚みt0に対し、ロール61、62間のギャップの距離t1を20〜80%に設定すること、及び、カレンダーのトップロールとボトムロールで±5%以内の回転スピード差を付与することで、より滑らかで、柔軟性に富んだ嵩高なウェブが得られる。
距離t1が厚みt0の20%未満であると、ウェブは平滑になるが、バルクロスが生じ、比容積が9.8〜25cm3/gの嵩高でふんわりしたウェブが得られないことがある。距離t1が厚みt0の80%を超えると、ウェブを滑らかにすることが困難になることがある。
なお、距離t1が厚みt0の20〜80%であれば、ロール61、62を通過したウェブのキャリパー(厚み)がある程度自然に復元し、キャリパーの減少を最小限に抑え、柔軟性、厚さの低減を最小限に抑えつつ、表面性の向上をはかることができる。
ロール61、62としては、鋼鉄ロール、チルドロール、表面硬質メッキ仕上げロール等の金属性ロール、又は弾性材料でコーティングされたシリンダーを用いることができる。ウェブをより滑らかにできる点では、金属ロールが好ましい。
カレンダー加工前のウェブ厚みt0は、200〜400μm/枚、好ましくは200〜350μm/枚、より好ましくは200〜300μm/枚である。またカレンダー加工後のウェブ厚みは、100〜350μm/枚、好ましくは150〜300μm/枚、より好ましくは150〜250μm/枚である。
さらに、トイレットペーパー製品加工後の厚みは、80〜200μm/枚、好ましくは80〜180μm/枚、さらに好ましくは100〜180μm/枚である。
トイレットペーパー製品加工後のJIS P4501法によるほぐれ易さは100秒未満であることが好ましい。なお、トイレットペーパー製品加工において、エンボス加工の有無、印刷の実施有無は、適宜選択できる。
凹凸付けファブリック14としては、経糸及び緯糸として縦横に編み込んだ網目状のプラスチック製ワイヤを用い、ワイヤの経糸及び緯糸の目数及び線径を、経糸の目数:53本/2.54cm、緯糸の目数:34本/2.54cm、経糸の線径:0.30mm、緯糸の線径:0.35mmに規定した。
GMT(Geometric Tensile Strength):JIS P8113に基づいて測定した乾燥時の縦方向引張り強さDMDTと乾燥時の横方向引張り強さDCDTの積の平方根を算出した。
坪量:JIS P8124に基づいて測定し、シート1枚当たりに換算した。
厚さ:シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子をゆっくりと下ろしたときのゲージを読み取った。このとき、測定子をのせるだけとした。なお、1回の測定は試料を10枚重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均した。そして、得られた1回当りの平均値を枚数で割って1枚当りの紙厚とした。
比容積:シート1枚当たりの厚さをシート1枚当たりの坪量で割り、単位gあたりの容積cm3で表した。
吸水度:旧JIS−S3104法に従い、温度23±1℃、湿度50±2%の状態で、0.1ml精製水を滴下し、水滴がトイレットペーパー製品に吸収される時間(秒)を測定した。
やわらかさの評価は、モニター20人による官能評価によって行った。評価基準は10点満点でテスト1のブランク1を5点として相対評価を行った。
なお、坪量、引張強さ(GMT)、厚さ、比容積、及びティシューソフトネス測定装置TSAによる測定は、JIS-P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
なお、ウェブ厚みに対し、80%を超えるギャップを有する一対のロールにてカレンダー加工した実施例2、8の場合、坪量を同一とし、ウェブ厚みに対し20〜80%のギャップを有する一対のロールにてカレンダー加工した実施例1,7に比べ、柔らかさの官能値がわずかに低くなったが、実用上問題はない。
市販品である比較例3、4、7、8の場合、比容積が9.8cm3/g未満となり、ハンドフィールの向上が見られなかった。これは、比較例3、4、7、8の場合、上記した凹凸付けファブリック14を用いずに抄紙したためである。なお、GMT(強度)は、例えばパルプの原料及びその配合量、叩解度、紙力剤の添加の有無、抄紙条件等によって適宜調整することができる。
61、62 カレンダーパートの一対のロール
61 トップカレンダーロール
62 ボトムカレンダーロール
103 抄紙及び乾燥後のウェッブ(凹凸付けしたウェッブ)
t0 抄紙及び乾燥後のウェブ厚み
t1 一対のロールのギャップの距離
Claims (3)
- シートを1枚又は2枚重ねしてなり、1枚の前記シートの坪量が10〜40g/m2、比容積が9.8〜25cm3/gであるトイレットペーパー製品であって、
トップ面(湿紙とワイヤーが接触する面)の経糸及び緯糸の目数がそれぞれ20〜70本/2.54cm、該経糸及び緯糸の線径が0.21〜0.70mmの経糸及び緯糸を編み込んだ網目状のワイヤからなる凹凸付けファブリックにより抄紙され、
カレンダー加工前のウェブ厚みt0を200〜400μm/枚として、該カレンダー加工が施されてなり、
該トイレットペーパー製品の、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDTと、乾燥時の横方向の引張強さDCDTの積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2(GMT)が1.47〜3.92N/25mmであるトイレットペーパー製品。 - 抄紙及び乾燥後のウェブ厚みに対し、20〜80%のギャップを有する一対のロールにて前記カレンダー加工を施してなる請求項1に記載のトイレットペーパー製品。
- ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記トイレットペーパー製品のサンプルに対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサで測定したとき、
TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が5〜23dBV2rmsであり、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が10〜20dBV2rmsである請求項1又は2に記載のトイレットペーパー製品。
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