JP6566923B2 - ティシュペーパー - Google Patents

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Description

本発明は、ティシュペーパーに関し、特に、保湿剤が塗布されていないティシュペーパーに関する。
ティシュペーパーには、ポリオール等の保湿剤が原紙に外添により付与されたものと、保湿剤が付与されていないティシュペーパーに大別することができる。
保湿剤が付与されたものは保湿ティシュー、薬液付与タイプのティシューなどと称され、その保湿剤による吸湿作用によって、水分率が高められ、柔らかさや滑らかさが向上されている。
これに対して、保湿剤が付与されていないティシュペーパーは、汎用ティシュー、汎用タイプなどとも称されるコストが重視される製品が主であるが、保湿剤が付与されていないティシュペーパーのなかでも比較的高坪量で保湿ティシューが属するような高品質カテゴリーに属する高品質品もある。これらは非保湿ティシュー、非保湿系ティシューなどと総称されることもある。
薬液付与タイプのティシュペーパーは、保湿剤の効果による主に水分率の上昇によって柔らかさが向上され洟かみ、フェイシャル用途に特化している。
一方、非保湿ティシューにおいても、特に汎用タイプでは、埃、塵の拭取りなどにも用いられるものの、洟かみ、フェイシャル用途に用いられる頻度は非常に高い。非保湿ティシューの特に高品質品では、保湿ティシューと同様に主には、洟かみ、フェイシャル用途に使用されることが多い。
このように非保湿ティシューにおいても、汎用タイプであるか高品質品であるかに関わらず洟紙、フェイシャル用途に使用される頻度は、非常に高く、その肌触りのよさは需用者において求められるところである。
しかしながら、従来、ティシュペーパーの肌触りなどの品質評価は、保湿ティシューであるか非保湿ティシューであるかに関わらず、単純な人の肌によって「柔らかさ」、「滑らかさ」、「厚み感」といった各々の官能評価試験によって行なわれてきた。しかし、このような評価方法では、定量的な評価が難しい。また、水分率の上昇が大きく官能性の評価に影響を与える保湿ティシューと、水分率を上昇させる保湿剤を含まない非保湿ティシューとでは、必ずしも官能性に与えるティシュペーパーの物性が同様ではないとも考えられる。このため、上記の官能評価に基づく設計ではより高品質の非保湿ティシュペーパーを設計することが困難であった。
特許第4570669号
つまり、従来のティシュペーパーの品質評価のための官能評価の手法は、柔らかさ、滑らかさ、厚み感、強度などの個々の評価を基準試料との比較で行い、個々の評価を点数化してその総和を評価値とするのが一般的であった。しかし、係る評価は、基準試料に対する良し悪ししか判断できず、また、ある人が滑らかさと感じるものを他のものが柔らかいと感じている可能性があるなど、定量的で横断的な品質評価が困難であった。
そこで、試料となる各種ティシュペーパーを、被験者毎に無作為の順で渡し、被験者に、洟をかむ、手で触る、清拭を行なうなど、被験者自身が決定した自由な方法でそのティシュペーパーを使用し、その被験者の自由な使用態様のもと、試料となる各ティシュペーパーの「肌触り」を「好む」、「好まない」の基準のみで、順位付けをすることとし、その順位付けされた各試料について点数の総和である官能評価値によれば、ティシュペーパーを自由な使用態様で使用した際の第一印象を評価し、使用時の官能性を顕著に表す従来法にない評価ができる。
そこで、本発明の主たる課題は、肌触りに関する消費者の官能評価値がこれまでになく非常に高い非保湿ティシュペーパーを提供することにある。
上記課題を解決するための手段は次のとおりである。
本発明の第1の形態は、
保湿剤を含まない2プライ1組のティシュペーパーであって、
1プライ当たりの坪量が12.5〜16.0g/m2であり、
乾燥引張強度縦が262〜312cN/25mmであり、かつ、横方向の乾燥引張強度に対する縦方向の乾燥引張強度の比(縦/横)が3.8〜5.1であり、
水平台上に二つ折りにした5組のティシュペーパーを重ね、その上に、平坦で表裏平滑なステンレス製187gの金属板を載せて定常となった位置を基準位置とし、この定常位置を初期状態として、前記金属板上におもりを載せて荷重を0.98Nまで0.196Nずつ負荷したものについて、基準位置からの変位量を測定し、各荷重にて得られた変位量をプロットし、プロット点を直線で近似して、1組あたりに換算した傾きを算出して得られる剛性値が2.5〜2.8であり、
ピンオンプレート型摩擦試験装置の水平なプレート上にティシュペーパーを二つ折りの状態で載せ、その長手方向の一方側縁部を固定し、そのティシュペーパー上を、固定方向から非固定縁部の方向に向かって、すべり速度1.0mm/s、垂直荷重Fを50gf、すべり距離5.0mmの条件で感覚接触子を接触させつつ水平移動させて測定した動摩擦係数のすべり距離4〜5mmにおける平均値である動摩擦係数平均値、に対する剛性値の比(剛性値/動摩擦係数平均値)が1.76〜2.11である、
ことを特徴とするティシュペーパーである。
本発明の第2の形態は水分率と剛性値を乗じたもの(水分率×剛性値)が12.93以下である、上記第1の形態のティシュペーパーである。
以上の本発明によれば、肌触りに関する消費者の官能評価値がこれまでになく非常に高い非保湿ティシュペーパーが提供される。
本発明に係る剛性値の測定方法を説明するための図である。 本発明に係る動摩擦係数平均値の測定方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明に係るティシュペーパーは、非保湿タイプ、非保湿ティシューなどとも称される、保湿剤を塗布等の外添等によって含まないティシュペーパーである。なお、本発明における保湿剤とは、吸湿効果によって水分率を向上させることを主目的として、ティシュペーパーに含ませるものであり、保湿ティシューであるかそうでない汎用ティシューであるかに関わらず用いられる内添剤としての柔軟剤や紙質改善剤は、若干の保湿効果があるものであってこれは意味しない。
なお、本発明において外添剤として用いない保湿剤は、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロースといった吸湿性を主たる効果とするものである。
このティシュペーパーのプライ数及び組数は、2プライ1組であり、1プライあたりの坪量が、12.5〜16.0g/m2である。坪量が、12.5〜16.0g/m2であれば本発明の効果を奏する。紙厚は、本発明では必ずしも限定されるわけではないが、下記の測定方法において2プライで130〜210μmの範囲にあるものが望ましい。本発明の効果を奏しやすい。
本発明における坪量とは、JIS P 8124(1998)に基づいて測定した値を意味する。また、紙厚の値は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定した値である。具体的手順は、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。測定を10回行って得られる平均値とする。
他方、本発明に係るティシュペーパーは、横方向の乾燥引張強度に対する縦方向の乾燥引張強度の比(縦/横)が3.8〜5.1であり、剛性値が2.0〜2.8であり、動摩擦係数平均値に対する剛性値の比(剛性値/動摩擦係数平均値)が1.76〜2.11である。本発明に係るティシュペーパーは、この縦横比と、剛性値と、剛性値/動摩擦係数平均値とが各々上記範囲を満たすと非保湿ティシュペーパーでありながら極めて優れる肌触りを示すものとなる。
ここで、本発明に係る乾燥引張強度は、JIS P 8113(1998)の引張試験に基づいて測定した値をいう。
また、剛性値は、次のようにして測定した圧縮剛性の値である。まず、図1に示すように、水平台3の上に二つ折りにした5組のティシュペーパーを重ねて試料4とし、その上に、平坦で表裏平滑なステンレス製187gの金属板5を載せて定常となった位置を基準位置とする。次にこの定常位置を初期状態として、上記金属板5の上におもり6を載せて荷重を0.98Nまで0.196Nずつ負荷したものについて、基準位置からの変位量Dを測定する。各荷重にて得られた変位量をプロットし、プロット点を直線で近似して、1組あたりに換算した傾きを各ティシュペーパーサンプルの圧縮剛性として算出する。なお、基準位置からの変位量の測定は、図1に示すように、レーザ測定器8によって測定する。測定にあたっては、光源は赤色半導体レーザ、波長は670nm、出力は最大170μW、スポット径約φ2μm、分解能0.01μmとすれば十分な精度となる。係るレーザ測定器としては、キーエンス製ダブルスキャン高精度レーザ測定器LT9000シリーズが挙げられ、特に、キーエンス製ダブルスキャン高精度レーザ測定器LT-9010Mによって測定することができる。
他方、本発明に係る水分率は、製品の水分率であり、JIS P 8111(1998)の条件下で試料を調湿した後、JIS P 8127(1998)に準じて測定した値である。
また、本発明に係るティシュペーパーは水分率と剛性値を乗じたもの(水分率×剛性値)が12.93以下であるであるのが望ましい。
MMDの測定は、摩擦子の接触面を所定方向に20g/cmの張力が付与された測定試料の表面に対して25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させ、このときの、摩擦係数を、摩擦感テスター KES−SE(カトーテック株式会社製)を用いて測定する。その摩擦係数を摩擦距離(移動距離=2cm)で除した値がMMDである。摩擦子は、直径0.5mmのピアノ線Pを20本隣接させてなり、長さ及び幅がともに10mmとなるように形成された接触面を有するものとする。接触面には、先端が20本のピアノ線P(曲率半径0.25mm)で形成された単位膨出部が形成されているものとする。
また、本発明に係る動摩擦係数平均値の測定は、動摩擦係数平均値測定装置であるピンオンプレート型摩擦試験装置を用いて測定することができる。ピンオンプレート型摩擦試験装置としては、すべり速度が0.1〜100.0mm/s、垂直荷重が0〜1kgf、すべり距離が1〜200mmから各々適宜選択できるものであればよい。
本発明に係る動摩擦係数平均値の測定は、図2に示すように、まず、前記ピンオンプレート型摩擦試験装置1の水平なプレート21上に十分な大きさの試料となるティシュペーパー10を二つ折りの状態で載せてその長手方向の一方側縁部11を治具22等によって固定する。その後に、そのティシュペーパー10上を、固定方向から非固定縁部12の方向(図中X方向)に向かって、すべり速度1.0mm/s、垂直荷重Fを50gf、すべり距離5.0mmの条件で接触子23を接触させつつ水平移動させ、この際の動摩擦係数の平均値を測定する。動摩擦係数平均値とは、各ティシュペーパーサンプルのすべり距離4〜5mmにおける動摩擦係数の平均値である。なお、上記すべり速度、垂直荷重F、すべり距離は、接触力センサー(HapLog)によって、被験者5名がティシュペーパーを使用する際の操作、例えば、手でティシュペーパーを掴む、肌触りを確かめるために擦るといった操作を行なった際のすべり速度、垂直荷重F、すべり距離を測定した値に基づいて決定された値である。また、本試験はMD方向、CD方向を区別する必要はない。
測定条件は、実験室温20℃、実験室湿度20RH%、潤滑状態は大気中無潤滑である。また、測定試料は、25℃, 20%RH のチャンバに24時間放置し、試験に供する。なお、測定に際し、接触子23の移動は、往復摺動させるのではなく、一方摺動して行なう。また、接触子23は、人の指先程度以上の接触面積、人の指程度の硬度の軟質ウレタン素材で、さらにそのウレタン素材に人の指紋程度の溝を移動方向と直交する方向に沿って複数形成したものであり、下記「感覚接触子」とする。この測定を行なう装置の具体例としては、例えば、株式会社トリニティラボ社製、トライボマスター TYPE μv1000が挙げられる。この装置において接触子を同社製のオプションの「感覚接触子」として測定すればよい。
ここで、本発明に係るティシュペーパーにおいて、縦横比と、剛性値と、剛性/動摩擦係数平均値とが各々上記範囲を満たすと非保湿ティシュペーパーでありながら極めて優れる肌触りを示すものとなり、さらに、水分率と剛性値を乗じたもの(水分率×剛性値)が本発明の数値範囲内であるとより肌触りに優れるものとなることについて説明する。
本発明者らは、まず、現在入手できる多数のティシュペーパーについて、官能評価試験を行うととともに、本発明に係る動摩擦係数平均値を含め、滑らかさ及び柔らかさに影響を与えるであろう摩擦に関する種々の測定を行った。
官能評価試験は、試料となる各種ティシュペーパーを、被験者毎に無作為の順で渡し、被験者に、洟をかむ、手で触る、清拭を行なうなど、被験者自身が決定した自由な方法でそのティシュペーパーを使用し、その被験者の自由な使用態様のもと、試料となる各ティシュペーパーの「肌触り」を「好む」、「好まない」の基準のみで、順位付けをすることとし、官能評価値は、その順位付けされた各試料について点数の総和を値とした。なお、従来のティシュペーパーの品質評価のための官能評価の手法は、柔らかさ、滑らかさ、厚み感、強度などの個々の評価を基準試料との比較で行い、個々の評価を点数かしてその総和を評価値とするのが一般的であった。しかし、係る評価は、基準試料に対する良し悪ししか判断できず、また、ある人が滑らかさと感じるものを他のものが柔らかいと感じている可能性があるなど、定量的で横断的な品質評価が困難であった。本発明に係る官能評価試験は、ティシュペーパーを自由な使用態様で使用した際の第一印象を評価し、使用時の官能性を顕著に表す従来法にない利点がある。
他方で、上記のとおり従来の官能評価は、基準試料との比較が主であるため、官能評価と紙質パラメータとの関係について正確に把握することが困難であったが、本発明に係る官能評価試験は、使用者間の差がなく使用時の官能性を顕著に表すことになるため、この官能評価値と、紙質パラメータとの相関を分析すれば、精度よく肌触りに強い影響を表す紙質パラメータを精度よく探ることができる。
そして、上記摩擦に関する測定値及び一般的な紙質パラメータと本発明に係る上記官能評価試験結果との相関について、単回帰分析及び重回帰分析により分析したところ、本発明に係る動摩擦係数平均値が官能評価値との相関が極めて高いことが確認され、官能評価値と動摩擦係数平均値に関する一定の回帰式を得るに至った。
次に、非保湿ティシューと保湿ティシューと紙質パラメータと上記動摩擦平均値との相関を比較してみると、水分率が高い保湿ティシューに関しては水分率が大きく影響を及ぼすが、非保湿ティシューでは製品間の水分率の差がさほどではなく、水分率以外の紙質パラメータとの相関も予測された。
そこで、さらに非保湿ティシューにおいて動摩擦係数平均値に影響を与える紙質パラメータを分析すべく重回帰分析を行なった。まず、市販品も含め現在入手できる非保湿のティシュペーパーの紙質パラメータとして、紙厚、縦方向及び横方向の乾燥引張強度、横方向の湿潤引張強度、算術平均粗さ及び算術平均うねりを測定し、これらとの回帰分析を行なったが、強い相関が見られなかった。そこで、本発明者等は、新たな紙質パラメータとして、ティシュペーパーが多数の繊維の絡みによって形成されていることと、ティシュペーパーの使用者が、使用の際に指でティシュペーパーを摘んだり、揉んだり、鼻回りに押し当てる操作を行なうことからして、ティシュペーパーの厚み方向の何らかの変位が繊維の絡み具合に影響を与え表面の繊維密度に変化をもたらし摩擦に影響を与えると予測し、厚み方向の変位を上記のとおり測定し剛性値と定義した。
そして、再度、動摩擦係数平均値と、水分率、紙厚、縦方向及び横方向の乾燥引張強度、横方向の湿潤引張強度、算術平均粗さ、算術平均うねり、密度、剛性値といった紙質パラメータとに関して、独立変数を選定し、ステップワイズ法による重回帰分析によって分析したところ、メカニズムは明らかではないものの上記剛性値がもっともよく動摩擦係数平均値を説明できることを知見し、一定の回帰式を得るに到った。すなわち、本発明に係る動摩擦係数平均値は、予測どおり上記測定方法による剛性値によって説明できることが明らかになり、剛性値の増加が動摩擦係数平均値の低減に有効であることが確認された。そして、上記回帰式に基づいて本発明者らはこれまでのティシュペーパーにおいて達成していない剛性値の範囲のティシュペーパーを設計するとの思想のもと、本発明に係るティシュペーパー、つまり、剛性値が2.0〜2.8であり、負の相関を示す動摩擦係数平均値に対する正の相関を示す剛性値の比(剛性値/動摩擦係数平均値)が1.73〜2.11であるティシュペーパーを完成にするに到ったのである。
そして、上記剛性値等の本発明に係るティシュペーパーを製造するにあたっては、特に縦横比を比較的高い本発明に係る範囲にするがよい。また水分率と剛性値を乗じたもの(水分率×剛性値)が12.93以下であるであると、水分率の要素が加わりより確実に高い評価の品質となる。さらに、本発明に係る剛性値は、原料パルプの配合割合、特にNBKPとLBKPとの配合割合の調整、ドライクレープ付与時におけるブレードの角度の調整し、さらに、柔軟剤化合物、湿潤紙力剤、乾燥紙力剤を使用して、ティシュペーパーを製造することで達成できることを知見した。特に、抄紙に用いるバルキーワイヤーのメッシュを調整するとより本発明の剛性値を達成しやすいことを知見した。バルキーワイヤーのメッシュを通常のティシュペーパーで用いるものよりも細かいものとすると本発明の剛性値のティシュペーパーを製造することが容易となる。バルキーワイヤーのメッシュの調整により、紙の表面層に位置する繊維量と紙層の粗密を調整することができることによると考えられる。
次いで、本発明に係るティシュペーパーの実施例について詳述する。
下記表1は、本発明に係るティシュペーパー(実施例1〜5)と、従来市販品のティシュペーパー(比較例1〜8)の物性値及び官能評価値を示したものである。各物性値及び官能評価値は上述の測定法に従っている。なお、実施例1〜5及び比較例1〜5は、保湿剤を含まない非保湿ティシュペーパー、比較例6〜8は保湿剤を含む保湿ティシュペーパーである。
Figure 0006566923
本発明の実施例に係るティシュペーパーは、次のようにして作製した。まず、市販品である比較例1〜比較例5の非保湿ティシュペーパー、及び、比較例6〜8に係る保湿ティシュペーパーについて、本発明に係る官能評価試験を行なった。この官能評価試験は、上記のとおり無作為順で肌触りのみを順位付けするというものであり、被験者30名で点数を1点から5点で評価することとした。つまり、各例は最低30点〜最高150点の間で点数付けされる。表中の官能評価値が、係る官能評試験の点数である。そして、この官能評価値と、各例の紙質パラメータとのとの相関を回帰分析し、動摩擦係数平均値が官能評価値を最も説明できる紙質パラメータであることを確認した。表中の動摩擦係数平均値が、その測定値である。さらにこの動摩擦係数平均値と、相関の高い紙質パラメータを回帰分析し、剛性値との高い相関を確認した。
また、比較例1〜5と同様の手法で保湿ティシュペーパーに係る比較例6〜8についても動摩擦係数平均値と相関のある紙質パラメータを回帰分析し、水分率が説明できる紙質パラメータであることも確認した。
そして、実施例1〜5及び比較例1〜5に係る水分率と、比較例6〜8の水分率を比較して、非保湿ティシュペーパーでは、動摩擦係数平均値に対する水分率の寄与は少ないことを確認した。
本発明に係る実施例1〜5は、上記の比較例1〜5に係る動摩擦係数平均値と剛性値との回帰分析により得られた回帰式に基づいて、従来市販品にはない高い剛性値の範囲を特定し、当該範囲となるティシュペーパーをまず作製した。次いで、この作製したティシュペーパーの水分率が、比較例1〜5とさほどの相違がないことを確認した。
かくして、非保湿ティシュペーパーと称される程度の水分率で従来市販品にはない剛性値としたティシュペーパーを実施例1〜5とした。
次いで、この実施例1〜5の動摩擦係数平均値の測定と上記官能評価試験を行なったところ期待通りに、動摩擦係数平均値については概ね比較例より小さく、また、官能評価値を良好な結果が得られた。
以上の実施例に係る試験により示されるとおり、本発明に係るティシュペーパーは特有の剛性値を有し、消費者の官能評価値がこれまでになく非常に高い非保湿ティシュペーパーとなっている。
1…動摩擦係数平均値測定装置、10…ティシュペーパー試料、21…プレート、22…治具、23…接触子、3…水平台、4…試料、5…金属板、6…おもり、D…変位量、8…レーザ測定器。

Claims (2)

  1. 保湿剤を含まない2プライ1組のティシュペーパーであって、
    1プライ当たりの坪量が12.5〜16.0g/m2であり、
    乾燥引張強度縦が262〜312cN/25mmであり、かつ、横方向の乾燥引張強度に対する縦方向の乾燥引張強度の比(縦/横)が3.8〜5.1であり、
    水平台上に二つ折りにした5組のティシュペーパーを重ね、その上に、平坦で表裏平滑なステンレス製187gの金属板を載せて定常となった位置を基準位置とし、この定常位置を初期状態として、前記金属板上におもりを載せて荷重を0.98Nまで0.196Nずつ負荷したものについて、基準位置からの変位量を測定し、各荷重にて得られた変位量をプロットし、プロット点を直線で近似して、1組あたりに換算した傾きを算出して得られる剛性値が2.5〜2.8であり、
    ピンオンプレート型摩擦試験装置の水平なプレート上にティシュペーパーを二つ折りの状態で載せ、その長手方向の一方側縁部を固定し、そのティシュペーパー上を、固定方向から非固定縁部の方向に向かって、すべり速度1.0mm/s、垂直荷重Fを50gf、すべり距離5.0mmの条件で感覚接触子を接触させつつ水平移動させて測定した動摩擦係数のすべり距離4〜5mmにおける平均値である動摩擦係数平均値に対する剛性値の比(剛性値/動摩擦係数平均値)が1.76〜2.11である、
    ことを特徴とするティシュペーパー。
  2. 水分率と剛性値を乗じたもの(水分率×剛性値)が12.93以下である、請求項1記載のティシュペーパー。
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