JP2017055808A5 - - Google Patents

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ティシュペーパー
本発明は、ティシュペーパーに関し、特に、保湿剤が塗布されていない汎用ティシュー、汎用タイプとも称される保湿剤非塗布のティシュペーパーに関する。
ティシュペーパーには、ポリオール等の保湿剤が原紙に外添により付与されたものと、保湿剤が付与されていないティシュペーパーに大別することができる。
保湿剤が付与されたものは保湿ティシュー、薬液付与タイプのティシューなどと称され、その保湿剤による吸湿作用によって、水分率が高められ、柔らかさや滑らかさが向上されている。
これに対して、保湿剤が付与されていないティシュペーパーは、汎用ティシュー、汎用タイプなどとも称される。
この汎用タイプのティシュペーパーは、上記薬液付与タイプのティシュペーパーが、保湿剤の効果による柔らかさの向上に鑑みて、洟かみ、フェイシャル用途に特化しているのに対して、洟かみ、フェイシャル用途のみならず、埃、塵の拭取りなどにも用いられ、その用途が多岐に亘り、特に、低価格であることが求められる。
しかしながら、汎用タイプのティシュペーパーにおいても、洟かみ、フェイシャル用途に用いられる頻度は、非常に高く、その柔らかさや滑らかさなどは需用者において求められるところである。
特許第4875488号 特許第4450552号 特許第4658056号
そこで、本発明の主たる課題は、柔らかさ、滑らかさといった消費者の官能評価値が非常に高く、また、洟かみや肌の清拭時に肌を擦るようにして使用した際に、肌への負担が少なく肌表面を傷めず、そのうえ洟をかんださいに破れにくい強度を有する、ポリオール等の保湿剤が外添されていない汎用タイプとも称される保湿剤非塗布のティシュペーパー、なかでも特には安価な保湿剤非塗布のティシュペーパーを提供することにある。
上記課題を解決するための手段は次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
保湿剤が塗布されていない2プライのティシュペーパーであって、
1プライあたりの坪量が10.0〜16.0g/m2であり、
2プライの紙厚が120〜200μmであり、
ソフトネスが1.0以下であり、
MD方向の乾燥引張強度(T)が240〜300cN/25mmであり、
下記(1)〜(3)の少なくとも一つの要件を満たし
動摩擦係数平均値が1.40〜1.65である、
ことを特徴とするティシュペーパー。
1)脂肪酸エステル系化合物をパルプ繊維100質量部に対して0.01〜0.30質量部含み、脂肪酸アミド系化合物を、パルプ繊維100質量部に対して0.01〜0.20質量部含み、湿潤紙力剤をパルプ繊維100質量部に対して0.1〜1.0質量部含み、乾燥紙力剤をパルプ繊維100質量部に対して0.01〜0.20質量部含む。
(2)湿潤紙力剤、乾燥紙力剤及び柔軟剤化合物を含み、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤の合計含有量に対する柔軟剤化合物の合計含有量の比((柔軟剤化合物)/(湿潤紙力剤+乾燥紙力剤))が0.30以下である。
(3)脂肪酸アミド系化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリアクリルアミド及び脂肪酸エステル系化合物を含み、脂肪酸アミド系化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン及びポリアクリルアミドの合計含有量に対する脂肪酸エステル系化合物の含有量の比((脂肪酸エステル系化合物)/(脂肪酸アミド系化合物+ポリアミドエピクロロヒドリン+ポリアクリルアミド))が0.20以下である。
以上の本発明によれば、柔らかさ、滑らかさといった消費者の官能評価値が非常に高く、また、洟かみや肌の清拭時に肌を擦るようにして使用した際に、肌への負担が少なく肌表面を傷めず、そのうえ洟をかんださいに破れにくい強度を有する、汎用タイプとも称される保湿剤非塗布のティシュペーパーが提供される。
本発明に係る動摩擦係数平均値の測定方法を説明するための図である。◇
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明に係るティシュペーパーは、汎用ティシュー、汎用タイプなどとも称される、保湿剤が塗布等によって外添されていない保湿剤非塗布のティシュペーパーである。
なお、本発明において外添剤として用いない保湿剤とは、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロースといった吸湿性を主たる効果とするものである。
このティシュペーパーのプライ数は、2プライであり、その紙厚は2プライで120〜200μmであり、1プライあたりの坪量は、10.0〜16.0g/m2である。
紙厚が120μm未満となると特に洟かみ時にやぶれない十分な強度を確保するのが難しくなり、紙厚200μmを超えると柔らかさが発現し難くなる。
また、坪量についても10.0g/m2を下回ると、十分な強度を確保し難くなる。反対に、坪量が16.0g/m2を超えると、柔らかさが発現し難くなる。また、この坪量10.0〜16.0g/m2という坪量は、原料パルプとの関係で、汎用タイプとしてのコストを確保する観点からも重要な範囲である。つまり、上記範囲を超えるような坪量であると、原料コストとの関係で、所謂汎用タイプとしての商品訴求力を確保する価格とするのが困難となる。
ここで、本発明における坪量とは、JIS P 8124(1998)に基づいて測定した値を意味し、紙厚は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定した値を意味する。
この紙厚測定の具体的手順は、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。測定を10回行って得られる平均値とする。
他方、本発明に係るティシュペーパーは、ソフトネスが1.0以下である。ソフトネスは、柔らかさの指標であり、上記範囲であれば、使用時にしなやかで柔らかさが非常に感じられるものとなる。
ここで、ソフトネスは、JIS L 1096 E法に準じたハンドルオメータ法に基づいて測定した値をいう。但し、試験片は100mm×100mmの大きさとし、クリアランスは5mmとする。1プライで縦方向、横方向の各々5回ずつ測定し、その全10回の平均値とする、なお、ソフトネスは、無単位であるが、試験片の大きさを考慮して、cN/100mmを単位として表してもよい。
さらに、本発明に係るティシュペーパーにおける2プライでのMD方向(縦方向とも言われる)の乾燥引張強度(T)が240〜300cN/25mmである。2プライでのMD方向(縦方向とも言われる)の乾燥引張強度(T)が、上記範囲であてば、汎用タイプとして、特に、埃、塵の拭取りなどにも用いる際の強度が十分なものとなる。なお、ここでの乾燥引張強度とは、JIS P 8113(1998)の引張試験に基づいて測定した値をいう。
そして、本発明に係るティシュペーパーは、動摩擦係数平均値が1.40〜1.65である。この動摩擦係数平均値が、上記範囲であると、使用時に柔らかさ及び表面の滑らかさが非常に感じられるものとなる。また、実際の洟かみや肌の清拭時に肌を擦るようにして使用しても、肌への負担が少なく肌表面を傷め難くなる。
ここで、本発明に係る動摩擦係数平均値の測定は、ピンオンプレート型摩擦試験装置1を用いて測定することができる。ピンオンプレート型摩擦試験装置としては、すべり速度が0.1〜100.0mm/s、垂直荷重が0〜1kgf、すべり距離が1〜200mmから各々適宜選択できるものであればよい。
そして、本発明に係る動摩擦係数平均値の測定は、図1に示すように、まず、前記ピンオンプレート型摩擦試験装置1の水平なプレート21上に十分な大きさの試料となるティシュペーパー10を載せてその一方側縁部11を治具22等によって固定する。その後に、そのティシュペーパー10上を、固定方向から非固定縁部12の方向(図中X方向)に向かって、すべり速度1.0mm/s、垂直荷重Fを50gf、すべり距離5.0mmの条件で接触子23を接触させつつ水平移動させ、この際の動摩擦係数の平均値を測定する。動摩擦係数平均値とは、各ティシュペーパーサンプルのすべり距離4〜5mmにおける摩擦係数の平均値である。
測定条件は、実験室温20℃、実験室湿度20RH%、潤滑状態は大気中無潤滑である。また、測定試料は、25℃, 20%RH のチャンバに24時間放置し、試験に供する。なお、測定に際し、接触子23の移動は、往復摺動させるのではなく、一方摺動して行なう。また、接触子23は、人の指先程度以上の接触面積、人の指程度の硬度の軟質ウレタン素材で、さらにそのウレタン素材に人の指紋程度の溝を移動方向と直交する方向に沿って複数形成したものとする。この測定を行なう装置の具体例としては、例えば、株式会社トリニティラボ社製、トライボマスター TYPE μv1000が挙げられる。この装置において接触子を同社製のオプションの「感覚接触子」として測定すればよい。
ここで、本発明において上記測定方法によるとりわけ動摩擦係数平均値を採用し、これとソフトネス、2プライでのMD方向(縦方向とも言われる)の乾燥引張強度について、本発明の範囲を満たすものが使用時に柔らかさ及び表面の滑らかさが非常に感じられるものとなる根拠について説明する。本発明者らは、まず、市販品も含め現在入手できる多数のティシュペーパーについて、官能評価試験を行うととともに、ソフトネス、MMD、引張強度等の既知の物性値、及び本発明に係る動摩擦係数平均値を含め、滑らかさ及び柔らかさに影響を与えるであろう摩擦に関する種々の測定を行った。この官能評価試験は、試料となる各種ティシュペーパーを、被験者毎に無作為の順で渡し、被験者に、洟をかむ、手で触る、清拭を行なうなど、被験者自身が決定した自由な方法でそのティシュペーパーを使用し、その被験者の自由な使用態様のもと、試料となる各ティシュペーパーの「肌触り」を「好む」、「好まない」の基準のみで、順位付けをすることとし、官能評価値は、その順位付けされた各試料について点数の総和を被験者数で割った値とした。なお、これまでの官能評価は、やわらかさ、なめらかさ、好み、強度などの個々の評価を行い、その総和を評価値とするのが一般的であるが、本官能評価試験は、ティシュペーパーを自由な使用態様で使用した際の第一印象を評価し、使用時の官能性を顕著に表す。そして、この官能評価値と、上記各種物値、摩擦に関する測定値との相関について、単回帰分析及び重回帰分析により分析したところ、ソフトネス、2プライでのMD方向(縦方向とも言われる)の乾燥引張強度、動摩擦係数平均値について各々独立性を有しつつ、官能評価値との相関が高いことが確認され、また、官能評価値と動摩擦係数平均値に関する一定の回帰式を得るに至った。そして、この動摩擦係数平均値に関する回帰式に基づき、従来の汎用タイプのティシュペーパーにおいて、ソフトネス及び2プライでのMD方向(縦方向とも言われる)の乾燥引張強度とともに、達成しえていない動摩擦係数平均値の範囲を有するティシュペーパーを設計するとの思想のもと、後述するように、これら三つの物性値をともに満たすティシュペーパーの完成に至ったのである。それゆえ、本発明に係るティシュペーパーは、上記坪量及び紙厚の範囲内において、換言すれば汎用タイプとしての上記坪量及び紙厚である制約のもと、本発明に係るソフトネス、プライでのMD方向(縦方向とも言われる)の乾燥引張強度(T)及び動摩擦平均値を満たすものとすることにより、ポリオール等の保湿剤が外添されていない汎用タイプとも称される保湿剤非塗布のティシュペーパーでありながら、官能評価値が非常に高く、また、実際に洟かみや肌の清拭時に肌を擦るようにして使用した際に、肌への負担が少なく肌表面を傷めず、そのうえ洟をかんだ際や塵汚れの拭き取りの際に破れにくい強度を有するものとなっているのである。
ここで、本発明に係るポリオール等の保湿剤が外添されていない汎用タイプとも称される保湿剤非塗布のティシュペーパーでありながら、上記ソフトネス、2プライでのMD方向(縦方向とも言われる)の乾燥引張強度(T)及び動摩擦平均値を満たすティシュペーパーを製造するには、特定の、柔軟剤化合物、湿潤紙力剤、乾燥紙力剤を組み合わせて使用して、ティシュペーパーを製造すればよい。
その柔軟剤化合物は、脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物であり、湿潤紙力剤は、ポリアミドエピクロロヒドリンであり、乾燥紙力剤は、ポリアクリルアミド及びカチオンデンプンの少なくとも一方である。
前記脂肪酸エステル系化合物は、カチオン性の脂肪酸エステル系化合物、ノニオン性の脂肪酸エステル系化合物のいずれでもよいが、その両者が含まれているのが望ましい。また、脂肪酸エステル系化合物としては、多炭素数が6〜24のアルコールと炭素数7〜25の脂肪酸との化合物であるのが望ましい。アルコールは、直鎖アルコール、分岐鎖を有するアルコール、飽和アルコール、及び不飽和アルコールの何れでも良い。特に、炭素数が10〜22のアルコールが好ましく、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びオレイルアルコールが好ましい。これらはその一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。また、炭素数7〜25の脂肪酸としては、直鎖脂肪酸、分岐鎖を有する脂肪酸、飽和脂肪酸、及び不飽和脂肪酸の何れでも良い。特に、炭素数が10〜22の脂肪酸が好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、及びオレイン酸が好ましい。これらはその一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
他方、前記脂肪酸アミド系化合物は、ポリアルキレンポリアミンおよびカルボン酸を反応させて得ることができる。好適なポリアルキレンポリアミンは、分子中に少なくとも3個のアミノ基を有する、次式(1)で示されるものである。
H2N−(R1−NH−)n−R1−NH2・・・(1)
(R1は各々独立して炭素数1〜4のアルキレン基、nは1〜3の整数) このポリアクリルアミンにおいては、分子中に異なるR1が存在していてもよい。また、2種以上のポリアルキレンポリアミンを用いることも可能である。好ましいR1はエチレン基である。前記カルボン酸としては、炭素数10〜24のカルボン酸が望ましく、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸のいずれであってもよい。また、直鎖状カルボン酸、分岐鎖を有するカルボン酸のいずれであってもよい。中でも炭素数12〜22のカルボン酸が好ましく、特に炭素数14〜18のカルボン酸が好ましい。
さらに、本発明に係るティシュペーパーの製造は、上記動摩擦係数平均値、ソフトネス、MD方向の乾燥引張強度(T)を達成すべく、上記坪量及び紙厚、特定の柔軟剤化合物、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤の使用のもと、さらに下記(1)〜(3)の何れか又はその組み合わせの要件を満たすようにすればよい。
すなわち(1)脂肪酸エステル系化合物の含有量が、パルプ繊維100質量部に対して0.01〜0.30質量部、脂肪酸アミド系化合物の含有量が、パルプ繊維100質量部に対して0.01〜0.20質量部、湿潤紙力剤の含有量がパルプ繊維100質量部に対して0.1〜1.0質量部、乾燥紙力剤の含有量がパルプ繊維100質量部に対して0.01〜0.20質量部となるようにする。
(2)湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤の合計含有量に対する柔軟剤化合物の合計含有量の比((柔軟剤化合物)/(湿潤紙力剤+乾燥紙力剤))が0.30以下となるようにする。
(3)脂肪酸アミド系化合物及びポリアミドエピクロロヒドリン、ポリアクリルアミドの合計含有量に対する脂肪酸エステル系化合物の含有量の比((脂肪酸エステル系化合物)/(脂肪酸アミド系化合物+ポリアミドエピクロロヒドリン+ポリアクリルアミド))が0.20以下となるようにする。
本発明に係るティシュペーパーにおける動摩擦係数平均値、ソフトネス、MD方向の乾燥引張強度(T)の範囲への調整は、上記坪量及び紙厚において上記の柔軟剤化合物、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤を用い、さらに上記(1)〜(3)の要件を満たすことで容易に達成でき、さらなる調整については、クレープ率やパルプ繊維の種類及び組成比によって行うことができる。なお、クレープ率は、13〜20%の範囲で調整するのがよい。クレープ率が13%未満となると、上記柔軟剤化合物、湿潤紙力剤、乾燥紙力剤及び乾燥引張強度(T)との関係で十分な伸び、柔らかさを確保するのが難しくなり、20%を超えると、滑らかさが発現し難くなる。また、パルプ繊維は、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)とLBKP(広葉樹クラフトパルプ)とを配合したものが望ましい。特に、パルプ繊維が、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよく、配合割合が、NBKP:LBKP=20:80〜80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70〜60:40が望ましい。このNBKPとLBKPとの配合比によって、紙力、ソフトネス等を調整することができる。
ここで、上記(1)の要件に関しては、柔軟剤化合物として、脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物の組み合わせとし、さらに湿潤紙力剤としてポリアミドエピクロロヒドリン、乾燥紙力剤としてポリアクリルアミド及びカチオンデンプンの少なくとも一方の組み合わせとするとともに、各々の含有量を上記範囲とすることにより、柔らかさ、滑らかさ及び強度が十分に向上され、消費者の官能評価値が非常に高いものとなる。
つまり、本発明に係るティシュペーパーは、上記の限定した特定の柔軟剤化合物、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤を用い、さらに所定のパルプ繊維に対する質量比とすることで、薬液非塗布の汎用タイプでありながら、各々の薬剤の効果が阻害されず相乗の効果が得られる。柔軟剤化合物によるコシの低下等による柔らかさの発現を達成しつつ、柔軟剤化合物の弊害である紙力の低下をその柔軟剤化合物の効果を阻害せずに紙力が向上され、柔らかさ及び滑らかさの向上と紙力の維持がなされるのである。ここで、上記柔軟剤化合物、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤は、汎用タイプのティシュペーパーの製造方法の常法に従って、内添剤として用いる。すなわち、パルプ繊維となる原料パルプに対して、柔軟剤化合物、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤を添加した抄紙原料(紙料とも言われる)を抄紙することによって製造する。
また、上記(2)の要件に関しては、本発明に係るティシュペーパーは、柔軟剤化合物として、脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物の組み合わせとし、さらに湿潤紙力剤としてポリアミドエピクロロヒドリン、乾燥紙力剤としてポリアクリルアミド及びカチオンデンプンの少なくとも一方の組み合わせとするとともに、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤の合計含有量に対する柔軟剤化合物の合計含有量の比を0.30以下とすることで、柔らかさ、滑らかさ及び強度が十分に向上されたものとなる。つまり、上記範囲とすることで、柔軟剤化合物によるコシの低下等による柔らかさの発現を達成しつつ、柔軟剤化合物の弊害である紙力の低下をその柔軟剤化合物の効果を阻害せずに紙力が向上され、柔らかさ及び滑らかさの向上と紙力の維持がなされ、消費者の官能評価値が非常に高くなるのである。ここで、柔軟剤化合物の比率が高く0.30を超えると、柔軟剤化合物による紙力の低下を抑えられなくなり、パルプ繊維を叩解して紙力を向上させる手法を取らなくてはならず、これによりパルプ繊維が傷つくことで滑らかさの悪化につながるとともに、柔らかさの改善も見込めない。また、湿潤紙力剤と乾燥紙力剤の比率が低く0.30を超える場合、紙力の発現が難しくなる。
また、上記(3)の要件に関しては、本発明に係るティシュペーパーは、脂肪酸アミド系化合物及びポリアミドエピクロロヒドリン、ポリアクリルアミドの合計含有量に対する脂肪酸エステル系化合物の含有量の比((脂肪酸エステル系化合物)/(脂肪酸アミド系化合物+ポリアミドエピクロロヒドリン+ポリアクリルアミド))が0.20以下とすることで、柔らかさ、滑らかさ及び強度が十分に向上され、消費者の官能評価値が非常に高いものとなる。
脂肪酸エステル系化合物は、ティシュペーパー表面の濡れ性やふっくらさ(ふんわりさ)を改善する効果を有し、脂肪酸アミド系化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリアクリルアミド、カチオンデンプンは、繊維表面をコーティングする効果を有し、これらの柔軟剤化合物、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤を用いることで、柔らかさのみならず表面の滑らかさが向上される。特に、汎用タイプのティシュペーパーの製造方法の常法に従って内添剤として用いることで、ヤンキドライヤーで湿紙乾燥がなされる際に、脂肪酸エステル系化合物がパルプ繊維になじむとともに、脂肪酸アミド系化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリアクリルアミド、カチオンデンプンがパルプ繊維をコーティングする効果が助長され、滑らかさが向上する。但し、これら特定の柔軟剤化合物、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤を用いても、上述の坪量、紙厚の範囲において上記(3)の要件を満たさない場合には、滑らかさが発現しがたい場合もある。つまり、坪量及び紙厚が上記範囲外となると密度が疎となり、本発明に係る特定の柔軟剤化合物、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤を用いてもパルプ繊維自体のざらつきが感じられて、滑らかさが感じられがたいものとなる場合がある。
なお、特に上記(2)〜(3)の要件においては、柔軟剤化合物、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤における上記パルプ繊維に対する質量比で含有することに拘泥されないが、上記(1)の要件とともに満たすようにすると滑らかさ、柔らかさ、紙力の向上効果、消費者の官能評価値、において特に顕著な効果が見られる。なお、上記(2)及び(3)の要件における含有量とは、パルプ繊維当たりの質量部を基準とする。
次いで、本発明に係るティシュペーパーの実施例1〜3と比較例1〜9とについて、坪量、紙厚、縦横の乾燥及び湿潤引張強度、伸び、ソフトネス、伸び、MMD、動摩擦係数平均値の物性値を測定するとともに官能評価を行った。
比較例1〜3は作成によるものであり、比較例4〜9は市販品である。また、比較例4及び5は、薬液が塗布されていないものであるが、坪量が比較的高く、価格も高いものである。なお、各例はすべて保湿剤が塗布されていないものである。各例における組成・物性値は、下記表1に示すとおりである。
なお、MMDの測定は、摩擦子の接触面を所定方向に20g/cmの張力が付与された測定試料の表面に対して25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させ、このときの、摩擦係数を、摩擦感テスター KES−SE(カトーテック株式会社製)を用いて測定する。その摩擦係数を摩擦距離(移動距離=2cm)で除した値がMMDである。摩擦子は、直径0.5mmのピアノ線Pを20本隣接させてなり、長さ及び幅がともに10mmとなるように形成された接触面を有するものとする。接触面には、先端が20本のピアノ線P(曲率半径0.25mm)で形成された単位膨出部が形成されているものとする。
また、伸びは、JIS P 8113(1998)に基づくものである。
Figure 2017055808
表1の結果を観てみると、各例のなかでも本発明に係る実施例1〜3について、官能評価値が高いとの結果となっている。
一方、比較例6〜比較例7は、特に動摩擦係数平均値、2プライでのMD方向の乾燥引張強度が本発明の範囲より高くなっており、官能評価値は非常に低い。また、比較例1〜3は、動摩擦係数平均値は、本発明の範囲内であるが、ソフトネスと2プライでのMD方向の乾燥引張強度のいずれかが、本発明の範囲外であり、このような動摩擦係数平均値のみが本発明の範囲内であるものも、官能評価値は低い。さらに、比較例4は、ソフトネスと2プライでのMD方向の乾燥引張強度の両方が本発明の範囲外であり、これも官能評価値は低い。比較例5は、坪量が高く、非保湿ティシューのなかでも、やや高価なものであるが、ソフトネスが本発明の範囲外となっており、官能評価値は、本発明の実施例に及ばない。
以上のことからして、動摩擦係数平均値、2プライでのMD方向の乾燥引張強度、ソフトネスの三つの物性値が、ともに本発明の範囲内であることにより、官能評価値に優れるようになる。すなわち、本発明により、柔らかさ、滑らかさ、強度が向上して発現し、もって、洟かみや肌の清拭時に肌を擦るようにして使用しても、肌への負担が少なく肌表面を傷めず、そのうえ洟をかんだ際に破れにくい強度を有する、汎用タイプとも称される保湿剤非塗布のティシュペーパーが得られる。
1…動摩擦係数平均値測定装置、10…ティシュペーパー試料、21…プレート、22…治具、23…接触子。

Claims (1)

  1. 保湿剤が塗布されていない2プライのティシュペーパーであって、
    1プライあたりの坪量が10.0〜16.0g/m2であり、
    2プライの紙厚が120〜200μmであり、
    ソフトネスが1.0以下であり、
    MD方向の乾燥引張強度(T)が240〜300cN/25mmであり、
    下記(1)〜(3)の少なくとも一つの要件を満たし
    動摩擦係数平均値が1.40〜1.65である、
    ことを特徴とするティシュペーパー。
    1)脂肪酸エステル系化合物をパルプ繊維100質量部に対して0.01〜0.30質量部含み、脂肪酸アミド系化合物を、パルプ繊維100質量部に対して0.01〜0.20質量部含み、湿潤紙力剤をパルプ繊維100質量部に対して0.1〜1.0質量部含み、乾燥紙力剤をパルプ繊維100質量部に対して0.01〜0.20質量部含む。
    (2)湿潤紙力剤、乾燥紙力剤及び柔軟剤化合物を含み、湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤の合計含有量に対する柔軟剤化合物の合計含有量の比((柔軟剤化合物)/(湿潤紙力剤+乾燥紙力剤))が0.30以下である。
    (3)脂肪酸アミド系化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリアクリルアミド及び脂肪酸エステル系化合物を含み、脂肪酸アミド系化合物、ポリアミドエピクロロヒドリン及びポリアクリルアミドの合計含有量に対する脂肪酸エステル系化合物の含有量の比((脂肪酸エステル系化合物)/(脂肪酸アミド系化合物+ポリアミドエピクロロヒドリン+ポリアクリルアミド))が0.20以下である。
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