JP7163031B2 - 衛生薄葉紙および衛生薄葉紙の製造方法 - Google Patents

衛生薄葉紙および衛生薄葉紙の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、衛生薄葉紙および衛生薄葉紙の製造方法に関する。
ティシュペーパー、トイレットペーパー等の衛生薄葉紙では、重要な品質として柔らかさ、滑らかさ等の風合いが求められる。特に家庭用の衛生薄葉紙においては、近年ますます柔らかい薄葉紙が好まれる傾向にあり、風合いの更なる向上が求められている。従来の衛生薄葉紙では、このような風合いを与えるため、柔軟剤が含まれている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013-44071号公報
しかしながら、衛生薄葉紙に含まれる柔軟剤は、衛生薄葉紙の風合いを向上させる一方、紙力を低下させる傾向がある。また、紙力が低下しにくい柔軟剤も存在するが、このような柔軟剤を用いても、十分な風合いが得られない。
本発明の目的は、適度な強度を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を提供することにある。
本発明の第1の態様は、パルプから形成された衛生薄葉紙であって、柔軟剤化合物として、脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物とを含み、前記脂肪酸エステル系化合物は、前記パルプ100質量部に対して前記脂肪酸エステル系化合物0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が1.0mV以上であり、前記脂肪酸アミド系化合物は、前記パルプ100質量部に対して前記脂肪酸アミド系化合物0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が0.8mV以上である、衛生薄葉紙を提供する。
本明細書においてゼータ電位とは、溶液中の微粒子の周りに形成する電気二重層中の、液体流動が起こり始める「すべり面」の電位を示す。なお、衛生薄葉紙を形成するパルプ(パルプ繊維)は、負(-)に帯電し、柔軟剤は正(+)に帯電するため、柔軟剤はパルプ繊維にと結合し、このゼータ電位が変化する。
脂肪酸エステル系化合物のゼータ電位の変化量は、パルプ100質量部に対して脂肪酸エステル系化合物0.1質量部を添加する前と添加した後のゼータ電位の変化量の絶対値である。また、脂肪酸アミド系化合物のゼータ電位の変化量は、パルプ100質量部に対して脂肪酸アミド系化合物0.1質量部を添加する前と添加した後のゼータ電位の変化量の絶対値である。以下、ゼータ電位の変化量の絶対値をゼータ電位差という。
第1の態様では、柔軟剤化合物として、ゼータ電位差が1.0mV以上の脂肪酸エステル系化合物と、ゼータ電位差が0.8mV以上の脂肪酸アミド系化合物とが、衛生薄葉紙に含まれている。このような柔軟剤化合物を含む衛生薄葉紙は、紙力の大きな低下を伴わず、柔らかくて、滑らかな衛生薄葉紙となる。そのため、第1の態様によれば、適度な紙力(硬すぎず柔らかすぎない程度の紙力)を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙が得られる。
また、第1の態様では、衛生薄葉紙に含まれる柔軟剤化合物として、上述のように固有のゼータ電位差をもつ2種類の化合物(脂肪酸エステル系化合物および脂肪酸アミド系化合物)を用いることにより、上述の適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙が得られる。そのため、第1の態様によれば、衛生薄葉紙に用いる柔軟剤化合物の選択または調製が容易である。
また、第1の態様では、上述のように固有のゼータ電位差をもつ2種類の化合物(脂肪酸エステル系化合物および脂肪酸アミド系化合物)を用いることにより、使用時に破れ難い衛生薄葉紙が得られる。そのため、第1の態様によれば、優れた風合いを備えながら丈夫な衛生薄葉紙を提供することができる。
さらに、第1の態様では、柔軟剤の添加量を少なくすることができるため、衛生薄葉紙の製造時における製造工程内の汚染(例えば、抄紙系内の毛布汚れ、スクリーン詰まり等)を少なくすることができる。そのため、第1の態様によれば、メンテナンス負担の軽減等により製品コストを抑制することができる。
第2の態様は、前記脂肪酸エステル系化合物と前記脂肪酸アミド系化合物との含有割合が1:1~1:5である、衛生薄葉紙を提供する。第2の態様では、ゼータ電位差が1.0mV以上の脂肪酸エステル系化合物と0.8mV以上の脂肪酸アミド系化合物との含有比率をこのような範囲の比率にすることで、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に得ることができる。
第3の態様は、MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmであり、MMDが8.4以下である、衛生薄葉紙を提供する。第3の態様では、MD方向の乾燥引張強度を175~275cN/25mmとし、MMDを8.4以下とすることにより、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に得ることができる。
本明細書において、MD方向の乾燥引張強度とは、衛生薄葉紙の製造時の流れ方向(または縦方向)における乾燥時の引張強度を示す。また、MMDとは、摩擦子の接触面を所定方向に所定の張力が付与された測定試料の表面に対して所定の接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に所定の速度で所定距離(摩擦距離)移動させたときの摩擦係数を摩擦距離で除した値を示す。
第4の態様は、MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmであり、動摩擦係数平均値が1.0~1.6である、衛生薄葉紙を提供する。第4の態様では、MD方向の乾燥引張強度を175~275cN/25mmとし、動摩擦係数平均値を1.0~1.6とすることにより、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に得ることができる。
本明細書において、動摩擦係数平均値とは、所定の治具に固定した衛生薄葉紙に、所定の速度、所定の荷重、所定の距離で接触子を接触させたときの動摩擦係数の平均値を示す。なお、MD方向の乾燥引張強度は、第3の態様における乾燥引張強度と同義であるため、説明を省略する。
第5の態様は、パルプを含む紙料を調整する紙料調整工程を含む衛生薄葉紙の製造方法であって、前記紙料調整工程は、柔軟剤を前記パルプに配合する柔軟剤添加工程を含み、前記柔軟剤は、脂肪酸エステル系化合物を含有する第1の柔軟剤と、脂肪酸アミド系化合物を含有する第2の柔軟剤とを含み、前記第1の柔軟剤は、前記パルプ100質量部に対して前記第1の柔軟剤0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が1.0mV以上であり、前記第2の柔軟剤は、前記パルプ100質量部に対して前記第2の柔軟剤0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が0.8mV以上である、衛生薄葉紙の製造方法を提供する。
第5の態様では、上記の紙料調整工程に含まれる柔軟剤添加工程において、パルプに配合する柔軟剤に、脂肪酸エステル系化合物を含有するゼータ電位差が1.0mV以上の第1の柔軟剤と、脂肪酸アミド系化合物を含有するゼータ電位差が0.8mV以上の第2の柔軟剤とが含まれている。これにより、第5の態様では、紙力の大きな低下を伴わず、柔らかくて、滑らかな衛生薄葉紙を製造することができる。そのため、第5の態様によれば、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を提供することができる。
また、第5の態様では、パルプに配合する柔軟剤として、固有のゼータ電位差をもつ2種類の柔軟剤(脂肪酸エステル系化合物を含有する第1の柔軟剤と脂肪酸アミド系化合物を含有する第2の柔軟剤)を用いることにより、上述の適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を製造することができる。そのため、第5の態様では、パルプに配合する柔軟剤の選択または調製が容易であり、衛生薄葉紙の製造が容易である。
また、第5の態様では、上述のように固有のゼータ電位差をもつ2種類の化合物(脂肪酸エステル系化合物および脂肪酸アミド系化合物)を用いることにより、使用時に破れ難い衛生薄葉紙を製造することができる。そのため、第5の態様によれば、優れた風合いを備えながら丈夫な衛生薄葉紙を提供することができる。
さらに、第5の態様では、柔軟剤の添加量を少なくすることができるため、衛生薄葉紙の製造時における製造工程内の汚染(例えば、抄紙系内の毛布汚れ、スクリーン詰まり等)を少なくすることができる。そのため、第5の態様によれば、メンテナンス負担の軽減等により製品コストを抑制することができる。
このように第5の態様によれば、上記第1の態様に係る衛生薄葉紙と同様の効果が得られる衛生薄葉紙を提供することができる。
第6の態様は、前記紙料調整工程が、前記柔軟剤添加工程の前に、前記パルプ100質量部に対して前記第1の柔軟剤0.1質量部を添加し、前記第1の柔軟剤のゼータ電位の変化量を測定する第1のゼータ電位測定工程と、前記パルプ100質量部に対して前記第2の柔軟剤0.1質量部を添加し、前記第2の柔軟剤のゼータ電位の変化量を測定する第2のゼータ電位測定工程とを含む、衛生薄葉紙の製造方法を提供する。
第6の態様では、このような第1のゼータ電位測定工程および第2のゼータ電位測定工程を実行することにより、後の柔軟剤添加工程において、ゼータ電位差が1.0mV以上の第1の柔軟剤と、ゼータ電位差が0.8mV以上の第2の柔軟剤とを柔軟剤を、パルプに対して確実に配合することができる。
また、第6の態様では、このような第1のゼータ電位測定工程および第2のゼータ電位測定工程が紙料調整工程で実行されるため、紙料の調整に用いられる原料パルプを基準に、第1の柔軟剤および第2の柔軟剤のそれぞれのゼータ電位差を測定することができる。これにより、第6の態様では、紙料の調整に用いられる原料パルプの状態に応じて、固有のゼータ電位差をもつ第1の柔軟剤および第2の柔軟剤をパルプに配合することができる。そのため、衛生薄葉紙に用いる柔軟剤化合物の選択または調製がさらに容易になる。
第7の態様は、前記第1の柔軟剤と前記第2の柔軟剤との配合割合が1:1~1:5である、衛生薄葉紙の製造方法を提供する。第7の態様では、ゼータ電位差が1.0mV以上の第1の柔軟剤と0.8mV以上の第2の柔軟剤との配合比率をこのような範囲の比率にすることで、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に製造することができる。したがって、第7の態様によれば、上記第2の態様に係る衛生薄葉紙と同様の衛生薄葉紙を提供することができる。
第8の態様は、MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmであり、かつ、MMDが8.4以下の薄葉紙である、衛生薄葉紙の製造方法を提供する。第8の態様では、MD方向の乾燥引張強度とMMDがこのような範囲の衛生薄葉紙が得られるため、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に製造することができる。したがって、第8の態様によれば、上記第3の態様に係る衛生薄葉紙と同様の衛生薄葉紙を提供することができる。
第9の態様は、MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmであり、かつ、動摩擦係数平均値が1.0~1.6の薄葉紙である、衛生薄葉紙の製造方法を提供する。第9の態様では、MD方向の乾燥引張強度と動摩擦係数平均値がこのような範囲の衛生薄葉紙が得られるため、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に製造することができる。したがって、第9の態様によれば、上記第4の態様に係る衛生薄葉紙と同様の衛生薄葉紙を提供することができる。
本発明の一態様によれば、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を提供することができる。
本実施形態に係る衛生薄葉紙を製造する工程を示す図である。 本実施形態に係る衛生薄葉紙のMMDを測定する方法を説明する図である。 本実施形態に係る衛生薄葉紙の動摩擦係数平均値を測定する方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において、「部」および「%」は、特に断りのない限り質量(重量)基準である。
<衛生薄葉紙>
まず、本発明の実施形態に係る衛生薄葉紙について説明する。本実施形態に係る衛生薄葉紙は、パルプから形成された衛生薄葉紙である。衛生薄葉紙の形態は、特に限定されないが、例えば、ティシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル等に適用可能である。これらの衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。また、衛生薄葉紙の用途は、限定されず、産業用、家庭用のいずれも適用できる。これら中でも、ティシュペーパー、トイレットペーパー等の家庭用の衛生薄葉紙の製造に好適に用いられる。
パルプは、本実施形態に係る衛生薄葉紙の原料に用いられるパルプ(原料パルプともいう)である。原料パルプの配合割合は、特に限定されないが、例えば、パルプの配合割合を衛生薄葉紙に対して90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。
また、この原料パルプの組成は、特に限定されないが、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)やNUKP(針葉樹未晒しパルプ)等の針葉樹パルプと、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)やLUKP(広葉樹未晒しパルプ)などの広葉樹パルプとを適宜の比率で使用することができる。例えば、針葉樹パルプと広葉樹パルプの比は、20:80~80:20にすることができる。
また、本実施形態に係る衛生薄葉紙の形態は、特に限定されないが、クレープ紙の形態で構成することができる。クレープ紙は、後述する抄紙工程において抄紙機のドライヤーの出口で、ドクターブレードと呼ばれる刃を当てることにより表面に細かいシワが形成された紙である。このようなクレープ紙を衛生薄葉紙の原紙に用いる場合、後述する本発明の効果の観点から、衛生薄葉紙のクレープ率は、10~40%であり、好ましくは15~35であり、より好ましくは20~30%である。
本発明の実施形態に係る衛生薄葉紙は、柔軟剤化合物を含んでいる。柔軟剤化合物は、衛生薄葉紙に風合い(柔らかさ、滑らかさ等)を付与する化合物である。本実施形態では、この柔軟剤化合物に、脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物とが含まれている。
柔軟剤化合物に含まれる脂肪酸エステル系化合物は、特に限定されないが、例えば、カチオン性の脂肪酸エステル系化合物、ノニオン性の脂肪酸エステル系化合物、またはその両者が含まれているものを用いることができる。
また、脂肪酸エステル系化合物としては、炭素数が6~24のアルコールと炭素数7~25の脂肪酸との化合物であるのが好ましい。アルコールは、直鎖アルコール、分岐鎖を有するアルコール、飽和アルコール、及び不飽和アルコールの何れでも良い。特に、炭素数が10~22のアルコールが好ましく、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びオレイルアルコールが好ましい。また、炭素数7~25の脂肪酸としては、直鎖脂肪酸、分岐鎖を有する脂肪酸、飽和脂肪酸、及び不飽和脂肪酸の何れでも良い。特に、炭素数が10~22の脂肪酸が好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、及びオレイン酸が好ましい。これらはその一種を単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。
また、柔軟剤化合物に含まれる脂肪酸アミド系化合物は、ポリアルキレンポリアミンおよびカルボン酸を反応させて得ることができる。好適なポリアルキレンポリアミンは、分子中に少なくとも3個のアミノ基を有する、次式(1)で示されるものである。
H2N-(R1-NH-)n-R1-NH2・・・(1)
(R1は各々独立して炭素数1~4のアルキレン基、nは1~3の整数)
このポリアクリルアミンにおいては、分子中に異なるR1が存在していてもよい。また、2種以上のポリアルキレンポリアミンを用いることも可能である。好ましいR1はエチレン基である。
一方、カルボン酸としては、炭素数10~24のカルボン酸が望ましく、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸のいずれであってもよい。また、直鎖状カルボン酸、分岐鎖を有するカルボン酸のいずれであってもよい。中でも炭素数12~22のカルボン酸が好ましく、特に炭素数14~18のカルボン酸が好ましい。
本実施形態に係る衛生薄葉紙において、柔軟剤化合物に含まれる脂肪酸エステル系化合物は、パルプ100質量部に対して該脂肪酸エステル系化合物0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が、1.0mV以上であり、好ましくは1.5mV以上、より好ましくは1.8mV以上である。
また、柔軟剤化合物に含まれる脂肪酸アミド系化合物は、パルプ100質量部に対して該脂肪酸アミド系化合物0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が、0.8mV以上であり、好ましくは1.0mV、より好ましくは1.3mV以上である。
ここで、ゼータ電位(ζ電位)の変化量とは、パルプ100質量部に対して脂肪酸エステル系化合物(または脂肪酸アミド系化合物)0.1質量部を添加する前と添加した後のゼータ電位の変化量の絶対値(以下、ゼータ電位差Δζという)である。
本実施形態の衛生薄葉紙では、柔軟剤化合物として、ゼータ電位差Δζが1.0mV以上の脂肪酸エステル系化合物と、ゼータ電位差Δζが0.8mV以上の脂肪酸アミド系化合物とが含まれている。このような柔軟剤化合物を含む衛生薄葉紙は、紙力の大きな低下を伴わず、柔らかくて、滑らかな衛生薄葉紙となる。そのため、本実施形態によれば、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙が得られる。
また、本実施形態の衛生薄葉紙では、柔軟剤化合物として、固有のゼータ電位差をもつ2種類の化合物(脂肪酸エステル系化合物および脂肪酸アミド系化合物)を用いることにより、上述の適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙が得られる。そのため、本実施形態によれば、衛生薄葉紙に用いる柔軟剤化合物の選択または調製が容易である。
また、本実施形態では、上述のように固有のゼータ電位差をもつ2種類の化合物(脂肪酸エステル系化合物および脂肪酸アミド系化合物)を用いることにより、使用時に破れ難い衛生薄葉紙が得られる。そのため、本実施形態によれば、優れた風合いを備えながら丈夫な衛生薄葉紙を提供することができる。
さらに、本実施形態では、柔軟剤の添加量を少なくすることができるため、衛生薄葉紙の製造時における製造工程内の汚染(例えば、抄紙系内の毛布汚れ、スクリーン詰まり等)を少なくすることができる。そのため、本実施形態によれば、メンテナンス負担の軽減等により製品コストを抑制することができる。
本実施形態の衛生薄葉紙では、柔軟剤化合物中の脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物との含有割合は任意であるが、好ましくは脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物との含有割合は1:1~1:5である。本実施形態では、ゼータ電位差が1.0mV以上の脂肪酸エステル系化合物と0.8mV以上の脂肪酸アミド系化合物との含有比率をこのような範囲の比率にすることで、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に得ることができる。
なお、脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物とを含む柔軟剤化合物の含有量は、特に限定されないが、例えば、柔軟剤化合物に含まれる脂肪酸エステル系化合物の含有量は、パルプ100質量%に対して、好ましくは0.005~0.40質量%、より好ましくは0.01~0.30質量%、さらに好ましくは0.03~0.20質量%である。また、柔軟剤化合物に含まれる脂肪酸アミド系化合物の含有量は、パルプ100質量%に対して、好ましくは0.005~0.50質量%、より好ましくは0.01~0.40質量%、さらに好ましくは0.03~0.30質量%である。
本実施形態に係る衛生薄葉紙の物性は、特に限定されないが、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙特が確実に得られる観点から、衛生薄葉紙の物性の1つであるMD方向の乾燥引張強度が、好ましくは175~275cN/25mm、より好ましくは178~270cN/25mm、さらに好ましくは180~260cN/25mmである。ここで、MD方向の乾燥引張強度は、衛生薄葉紙の製造時の流れ方向(または縦方向)における乾燥時の引張強度を示す。
その上で、衛生薄葉紙の物性の他の1つであるMMDが、好ましくは8.4以下、より好ましくは8.3以下、さらに好ましくは8.2以下である。ここで、MMDは、摩擦子の接触面を所定方向に所定の張力が付与された測定試料の表面に対して所定の接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に所定の速度で所定距離(摩擦距離)移動させたときの摩擦係数を摩擦距離で除した値を示す。
本実施形態では、MD方向の乾燥引張強度とMMDとをそれぞれ上記の範囲に調整することにより、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に得ることができる。なお、MMDの下限値は、特に示されていないが、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙であれば、MMDの下限値は限定されない。
また、本実施形態に係る衛生薄葉紙は、上記の範囲に調整されたMD方向の乾燥引張強度を有し、さらに動摩擦係数平均値が、好ましくは1.0~1.6、より好ましくは1.1~1.55、さらに好ましくは1.2~1.5、ここで、動摩擦係数平均値は、所定の治具に固定した衛生薄葉紙に、所定の速度、所定の荷重、所定の距離で接触子を接触させたときの動摩擦係数の平均値を示す。
本実施形態では、MD方向の乾燥引張強度と動摩擦係数平均値とをそれぞれ上記の範囲に調整することによっても、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に得ることができる。
<衛生薄葉紙の製造方法>
次に、本発明の実施形態に係る衛生薄葉紙の製造方法について説明する。図1は、本実施形態に係る衛生薄葉紙を製造する工程を示す図である。実施形態に係る衛生薄葉紙の製造方法を実施する工程には、図1に示すように、紙料調整部10、抄紙部20を有する。
紙料調整部10では、パルプを含む紙料が調整される。紙料調整部10は、図1に示すように、さらにパルパー11、パルパー後タンク12、受入れタンク13、ダブルディスクリファイナー(DDR)14、ミキシングタンク15、マシンタンク16、種箱17を備えている。なお、紙料調整部10は、本発明に係る衛生薄葉紙の製造方法における紙料調整工程の一例である。
紙料調整部10では、まずパルパー11において、原料であるパルプ(原料パルプ)を水に分散させる。水に分散した原料パルプは、ポンプP(以下説明を省略する)により、パルパー後タンク12に送られる。
パルパー後タンク12では、分散させた原料パルプの濃度調整を行う。濃度が調整された原料パルプは、受入れタンク13に送られる。
受入れタンク13では、濃度調整された原料パルプが一時的に貯留される。受入れタンク13に一時貯留された原料パルプは、ダブルディスクリファイナー(DDR)14に送られる。
ダブルディスクリファイナー(以下DDRという)14では、叩解処理(パルプの繊維を機械的に叩いてほぐす処理)が行われる。この叩解処理により、パルプの繊維同士を絡めあわせ、紙力強度が調整される。DDR14で叩解処理が施された原料パルプは、パルプスラリー(または懸濁液)となり、ミキシングタンク15に送られる。
ミキシングタンク15では、主に柔軟剤を含む添加剤が添加され混合される。ミキシングタンク15で混合されたパルプスラリーは、マシンタンク16に送られる。
マシンタンク16では、混合されたパルプスラリーは、一時的に貯留される。マシンタンク16に一時貯留されたパルプスラリーは、種箱17に送られる。
種箱17では、柔軟剤以外の添加剤が添加され、紙料の調整が行われる。調製された資料は、抄紙部20に送られる。
抄紙部20では、紙料調整部10で調製された紙料から繊維を抄いて繊維ウェブとし、この繊維ウェブを搬送しながら乾燥することにより抄紙を行う。
本実施形態に係る衛生薄葉紙の製造方法では、図1に示すように、紙料調整部10が、さらに柔軟剤添加部30を備えている。上述のミキシングタンク15は、柔軟剤添加部30の一部を構成しており、柔軟剤添加部30では、柔軟剤がパルプに配合される。また、柔軟剤添加部30で配合される柔軟剤には、脂肪酸エステル系化合物を含有する第1の柔軟剤と、脂肪酸アミド系化合物を含有する第2の柔軟剤とが含まれている。
柔軟剤添加部30は、さらに第1柔軟剤タンク31と第2柔軟剤タンク32とを有する。第1柔軟剤タンク31には、第1の柔軟剤が貯留される。第1柔軟剤タンク31は、ミキシングタンク15に連通されており、第1の柔軟剤はミキシングタンク15に送られる。なお、第1柔軟剤タンク31では、第1の柔軟剤を希釈した状態で貯留してもよい。また、第1柔軟剤タンク31には、図示しない冷却管等の恒温装置を設けて第1の柔軟剤(またはその希釈液)の温度を管理することができる。
また、第2柔軟剤タンク32には、第2の柔軟剤が貯留される。第2柔軟剤タンク32も、ミキシングタンク15に連通されており、貯留された第2の柔軟剤はミキシングタンク15に送られる。なお、第2柔軟剤タンク32では、第2の柔軟剤を希釈した状態で貯留してもよい。また、第2柔軟剤タンク32においても、第1柔軟剤タンク31と同様に、第2の柔軟剤(またはその希釈液)の温度を管理することができる。
このように、柔軟剤添加部30では、第1柔軟剤タンク31に貯留された第1の柔軟剤と、第2柔軟剤タンク32に貯留された第2の柔軟剤と、それぞれミキシングタンク15に送られて原料パルプと混合される。柔軟剤添加部30は、本発明に係る衛生薄葉紙の製造方法における柔軟剤添加工程の一例である。
柔軟剤添加部30において、第1の柔軟剤と第2の柔軟剤とを原料パルプに添加する順番は任意である。したがって、第1の柔軟剤を添加した後に第2の柔軟剤を添加しても良いし、第2の柔軟剤を添加した後に第2の柔軟剤を添加しても良く、また第1の柔軟剤と第2の柔軟剤とを同時に添加してもよい。なお、第1の柔軟剤と第2の柔軟剤とを同時に添加する場合は、柔軟剤添加部30に、第1柔軟剤タンク31および第2柔軟剤タンク32とは別の希釈タンク等を設けて、第1の柔軟剤と第2の柔軟剤とを混合した状態で原料パルプに添加してもよい。
本実施形態に係る衛生薄葉紙の製造方法では、第1の柔軟剤は、パルプ100質量部に対して第1の柔軟剤0.1質量部を添加したときのゼータ電位差Δζが、1.0mV以上に調整されている。なお、第1の柔軟剤のゼータ電位差Δζは、好ましくは1.5mV以上、より好ましくは1.8mV以上に調整される。
また、第2の柔軟剤は、パルプ100質量部に対して第2の柔軟剤0.1質量部を添加したときのゼータ電位差が0.8mV以上に調整されている。なお、第2の柔軟剤のゼータ電位差Δζは、好ましくは1.0mV、より好ましくは1.3mV以上に調整される。
本実施形態に係る衛生薄葉紙の製造方法では、上記の紙料調整部10に設けられた柔軟剤添加部30において、柔軟剤として、脂肪酸エステル系化合物を含有するゼータ電位差が1.0mV以上の第1の柔軟剤と、脂肪酸アミド系化合物を含有するゼータ電位差が0.8mV以上の第2の柔軟剤とが、原料パルプに配合される。これにより、本実施形態では、紙力の大きな低下を伴わず、柔らかくて、滑らかな衛生薄葉紙を製造することができる。そのため、本実施形態によれば、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を提供することができる。
また、本実施形態の製造方法では、パルプに配合する柔軟剤として、固有のゼータ電位差をもつ2種類の柔軟剤(脂肪酸エステル系化合物を含有する第1の柔軟剤と脂肪酸アミド系化合物を含有する第2の柔軟剤)が用いられることにより、上述の適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を製造することができる。そのため、本実施形態では、パルプに配合する柔軟剤の選択または調製が容易であり、衛生薄葉紙の製造が容易である。
また、本実施形態の製造方法では、上述のように固有のゼータ電位差をもつ2種類の化合物(脂肪酸エステル系化合物および脂肪酸アミド系化合物)を用いることにより、使用時に破れ難い衛生薄葉紙を製造することができる。そのため、本実施形態の製造方法によれば、優れた風合いを備えながら丈夫な衛生薄葉紙を提供することができる。
さらに、本実施形態の製造方法では、柔軟剤の添加量を少なくすることができるため、衛生薄葉紙の製造時における製造工程内の汚染(例えば、抄紙系内の毛布汚れ、スクリーン詰まり等)を少なくすることができる。そのため、本実施形態の製造方法によれば、メンテナンス負担の軽減等により製品コストを抑制することができる。
本実施形態に係る衛生薄葉紙の製造方法では、さらに、紙料調整部10内の柔軟剤添加部30の前(DDR14とミキシングタンク15の間)に、ゼータ電位測定部40が設けられている(図1参照)。ゼータ電位測定部40は、第1測定部41と第2測定部42を含んで構成されている。
ゼータ電位測定部40を構成する第1測定部41では、DDR14で叩解処理が施された原料パルプの一部を採取し、採取した一部のパルプ100質量部に対して第1の柔軟剤0.1質量部を添加し、第1の柔軟剤のゼータ電位差Δζを測定する。測定した第1の柔軟剤のゼータ電位差Δζは、第1柔軟剤タンク31に貯留される第1の柔軟剤に反映される。これにより、第1測定部41で測定されたゼータ電位差Δζを有する第1の柔軟剤が第1柔軟剤タンク31に貯留される。なお、第1測定部41は、本発明に係る衛生薄葉紙の製造方法における第1のゼータ電位測定工程の一例である。
また、ゼータ電位測定部40を構成する第2測定部42では、DDR14で叩解処理が施された原料パルプの一部を採取し、採取した一部のパルプ100質量部に対して第2の柔軟剤0.1質量部を添加し、第2の柔軟剤のゼータ電位差Δζを測定する。測定した第2の柔軟剤のゼータ電位差Δζは、第2柔軟剤タンク32に貯留される第2の柔軟剤に反映される。これにより、第2測定部42測定されたゼータ電位差Δζを有する第2の柔軟剤が第1柔軟剤タンク31に貯留される。
ゼータ電位測定部40において、ゼータ電位差Δζを測定する際に第1の柔軟剤と第2の柔軟剤とを原料パルプに添加する態様は任意である。例えば、採取した同じ原料パルプに、第1の柔軟剤を添加して第1の柔軟剤のゼータ電位差Δζを測定し、続けて第2の柔軟剤を添加して第2の柔軟剤のゼータ電位差Δζを測定しても良い。また、同じ原料パルプに、第2の柔軟剤を添加して第2の柔軟剤のゼータ電位差Δζを測定し、続けて第1の柔軟剤を添加して第1の柔軟剤のゼータ電位差Δζを測定しても良い。さらに、別々に採取した原料パルプのうちの一方の原料パルプに第1の柔軟剤を添加して第1の柔軟剤のゼータ電位差Δζを測定し、他方の原料パルプに第2の柔軟剤を添加して第2の柔軟剤のゼータ電位差Δζを測定しても良い。
なお、ゼータ電位測定部40の第1測定部41は、本発明に係る衛生薄葉紙の製造方法における第1のゼータ電位測定工程の一例である。また、ゼータ電位測定部40の第2測定部42は、本発明に係る衛生薄葉紙の製造方法における第2のゼータ電位測定工程の一例である。
本実施形態の製造方法では、このようにゼータ電位測定部40の第1測定部41で第1の柔軟剤のゼータ電位差Δζが測定され、第2測定部42で第2の柔軟剤のゼータ電位差Δζを測定される。これにより、後の柔軟剤添加部30で、ゼータ電位差が1.0mV以上の第1の柔軟剤と、ゼータ電位差が0.8mV以上の第2の柔軟剤とを柔軟剤を、パルプに対して確実に配合することができる。
また、本実施形態では、紙料調整部10内にゼータ電位測定部40(第1測定部41及び第2測定部42)が設けられているため、紙料の調整に用いられる原料パルプを基準に、第1の柔軟剤および第2の柔軟剤のそれぞれのゼータ電位差Δζを測定することができる。そのため、本実施形態の製造方法によれば、紙料の調整に用いられる原料パルプの状態に応じて、固有のゼータ電位差をもつ第1の柔軟剤および第2の柔軟剤をパルプに配合することができる。
本実施形態の製造方法では、第1の柔軟剤と第2の柔軟剤との配合割合は任意であるが、好ましくは脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物との含有割合は1:1~1:5に調製される。本実施形態の製造方法において、ゼータ電位差Δζが1.0mV以上の第1の柔軟剤とゼータ電位差Δζが0.8mV以上の第2の柔軟剤との配合比率をこのような範囲の比率にすると、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に製造することができる。
また、本実施形態の製造方法は、MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmであり、かつ、MMDが8.4以下の薄葉紙を提供することができる。本実施形態では、MD方向の乾燥引張強度とMMDがこのような範囲の衛生薄葉紙が得られるため、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に製造することができる。
さらに、本実施形態の製造方法は、MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmであり、かつ、動摩擦係数平均値が1.0~1.6の薄葉紙である、衛生薄葉紙の製造方法を提供することができる。本実施形態では、MD方向の乾燥引張強度と動摩擦係数平均値がこのような範囲の衛生薄葉紙が得られるため、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙を確実に製造することができる。
このように、本実施形態に係る衛生薄葉紙の製造方法を用いることにより、上述した本実施形態の衛生薄葉紙と同様の効果が得られる衛生薄葉紙を提供することができる。
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の測定および評価は、以下の試験により行った。
[ゼータ電位(ζ電位)及びゼータ電位差(Δζ)]
ゼータ電位(ζ電位)の測定は、ゼータ電位計(SZP-10、ミューテック社製)を用いて行った。まず、DDR14で叩解処理が施された原料パルプ(パルプスラリー)の一部をゼータ電位測定部40で採取し、採取したパルプスラリーのゼータ電位(ζ電位1)を測定した。採取したパルプスラリーの濃度から、スラリー中のパルプ重量を計算し、このパルプ重量に対して、0.1%量の柔軟剤(第1の柔軟剤または第の柔軟剤)を加え、十分に撹拌した後、柔軟剤添加後のパルプスラリーのゼータ電位(ζ電位2)を測定した。これらの測定結果から、ゼータ電位差(Δζ)(ζ電位2-ζ電位1)を計算する。

[坪量]
衛生薄葉紙(トイレットペーパー)のクレープ紙(原紙)の坪量(米坪)(g/m)を、JIS P 8124(1998)に準拠して算出した。坪量は、1プライ当たりの坪量として算出した。
[紙厚]
衛生薄葉紙(トイレットペーパー)のクレープ紙(原紙)の紙厚(μm/1枚)を測定した。紙厚の測定方法は、50cm×50cmに裁断した原紙の試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定した。測定の具体的な手順は、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、該ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせた。次いで、プランジャーを上げて試験片を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろし、そのときのゲージを読み取った。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにした。紙厚の測定時の荷重は、120μmの際に約70gfであった。なお、紙厚の測定値は、測定を10回行って得られる平均値とした。
[乾燥引張強度]
JIS P 8113(1998)に準拠した乾燥引張強度を測定した。測定は、1プライ当たり、縦方向(MD方向)及び横方向(CD方向)のそれぞれについて行った。特定した乾燥引張強度のうち、MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmの範囲では、適度な紙力(硬すぎず、柔らかすぎない程度の紙力)を有する衛生薄葉紙である(良好)と評価し、上記範囲外では良好でないもの(不良)と評価した。
[MMD]
MMDの測定は、図2に示すMMD測定装置50を用いて行った。図2に示すように、摩擦子51の接触面を所定方向に20g/cmの張力が付与された測定試料(ティシュペーパー)TSの表面に対して25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させた。このときの摩擦係数を、摩擦感テスター(KES-SE、カトーテック社製)を用いて測定した。得られた摩擦係数を摩擦距離(移動距離=2cm)で除した値をMMDとした。摩擦子51は、直径0.5mmのピアノ線を20本隣接させて構成されたものであり、長さ及び幅がともに10mmとなるように形成された接触面を有するものとした。摩擦子51の接触面には、先端が20本のピアノ線(曲率半径0.25mm)で形成された単位膨出部が形成されているものとした。MMDは、風合い(柔らかさ、滑らかさ)の指標であり、MMDが8.4以下の範囲であれば、使用時に風合いが良いもの(良好)と評価し、上記範囲外では良好でないもの(不良)と評価した。
[動摩擦係数平均値]
動摩擦係数平均値の測定は、図3に示す動摩擦係数測定装置(ピンオンプレート型摩擦試験装置)60を用いて行った。まず、図3に示すように、動摩擦係数測定装置60の水平なプレート61上に十分な大きさの測定試料(ティシュペーパー)TSを載せてその一方側縁部S1を治具62によって固定した。その後、測定試料TS上を、測定試料TSの固定方向(一方側縁部S1)から非固定縁部S2の方向(図3のX方向)に向かって、すべり速度1.0mm/s、垂直荷重Fを50gf、すべり距離5.0mmの条件で、接触子63を測定試料TSに接触させながら水平移動させた。このときの動摩擦係数の平均値(動摩擦係数平均値)を測定する。動摩擦係数平均値は、各測定試料TSのすべり距離4~5mmにおける摩擦係数の平均値である。なお、測定環境は、実験室温20℃、実験室湿度20RH%、潤滑状態は大気中無潤滑であった。また、測定試料は、25℃、20%RHのチャンバに24時間放置したものを用いた。なお、動摩擦係数平均値の測定では、接触子63の移動は、往復摺動させず、一方摺動させて行なった。また、接触子63は、人の指先程度以上の接触面積、人の指程度の硬度の軟質ウレタン素材で形成し、さらにそのウレタン素材に人の指紋程度の溝を移動方向と直交する方向に沿って複数形成したものを用いた。この動摩擦係数平均値の測定を行う装置の具体例としては、例えば、動摩擦係数測定装置(トライボマスター TYPE μv1000、トリニティラボ社製)が挙げられる。この動摩擦係数測定装置では、同社製の接触子(感覚接触子)として測定すればよい。動摩擦係数平均値は、風合い(柔らかさ、滑らかさ)の指標であり、1.0~1.6の範囲であれば、使用時に風合いが良いもの(良好)と評価し、上記範囲外では良好でないもの(不良)と評価した。
[柔らかさ]
クレープ紙(原紙)を1プライのロール状にした測定試料(凸エンボスを付与した状態)をトイレットロール用のホルダーにセットし、該ホルダーからロール状の測定試料を自由に引き出したときの測定試料の柔らかさを確認した。この場合、実施例及び比較例ごとに20人のユーザーにより試験を行った結果を点数化し、その平均値から以下の基準で評価した。柔らかさの試験では、平均値が5.0以上の場合に良好であると評価した。
7点:非常に柔らかい
6点:柔らかい
5点:やや柔らかい
4点:柔らかくも硬くもない
3点:やや硬い
2点:硬い
1点:非常に硬い
[使用時の破れ]
上述した柔らかさの試験で作製したロール状の測定試料を実使用し、該ホルダーから測定試料を取り出したときに破れたか、及びお尻を拭いたときに破れたか(使用時の破れの有無)を確認した。なお、実際は破れていても、使用者が「破れた」と実感しなければ(破れても不具合がない等)、破れていないものとした。この場合、実施例及び比較例ごとに20人のユーザーにより試験を行い、20人中1人も破れなかった場合は「無」、1人でも破れた場合は「有」と評価した。
[操業性(系内の汚れ)]
衛生薄葉紙の製造装置(実機)において、操業性(系内の汚れ)を確認した。衛生薄葉紙の製造する際の操業ではスクリーンという装置があり、通常月に1回清掃するが、汚れ易い薬品を使うと、スクリーンが目詰まりし、清掃頻度が増える傾向がある。この操業性(系内の汚れ)の試験では、この通常の(月1回の定期的な)清掃以外に、スクリーンが目詰まりした場合を「×」とし、目詰まりしなかった場合を「○」と評価した。
以下、実施例及び比較例について、説明する。
[実施例1]
パルプ(原料パルプ)の配合比率がNBKP:LBKP=35:65、クレープ率が24%であり、衛生薄葉紙(ティシュペーパー)100質量%に対して、ゼータ電位差Δζが2.0mVの脂肪酸エステル系化合物0.05質量%を配合し、ゼータ電位差Δζが1.5mVの脂肪酸アミド系化合物0.05質量%を配合した、衛生薄葉紙(ティシュペーパー)を作製した。なお、ゼータ電位差Δζは、原料パルプ1tに対して柔軟剤(脂肪酸エステル系化合物または脂肪酸アミド系化合物)を1kg添加したときのゼータ電位差Δζを測定した。得られた衛生薄葉紙(ティシュペーパー)について、上記の測定および評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
衛生薄葉紙(ティシュペーパー)100質量%に対して、ゼータ電位差Δζが3.0mVの脂肪酸エステル系化合物0.05質量%を配合し、ゼータ電位差Δζが2.5mVの脂肪酸アミド系化合物0.12質量%を配合した以外は、実施例1と同様に衛生薄葉紙(ティシュペーパー)を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
衛生薄葉紙(ティシュペーパー)100質量%に対して、ゼータ電位差Δζが4.2mVの脂肪酸エステル系化合物0.12質量%を配合し、ゼータ電位差Δζが2.5mVの脂肪酸アミド系化合物0.12質量%を配合した以外は、実施例1と同様に衛生薄葉紙(ティシュペーパー)を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
衛生薄葉紙(ティシュペーパー)100質量%に対して、ゼータ電位差Δζが3.0mVの脂肪酸エステル系化合物0.05質量%を配合し、ゼータ電位差Δζが2.5mVの脂肪酸アミド系化合物0.19質量%を配合した以外は、実施例1と同様に衛生薄葉紙(ティシュペーパー)を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物のいずれも配合しなかった以外は、実施例1と同様に衛生薄葉紙(ティシュペーパー)を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
衛生薄葉紙(ティシュペーパー)100質量%に対して、ゼータ電位差Δζが3.0mVの脂肪酸エステル系化合物0.15質量%を配合し、脂肪酸アミド系化合物を配合しなかった以外は、実施例1と同様に衛生薄葉紙(ティシュペーパー)を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
衛生薄葉紙(ティシュペーパー)100質量%に対して、脂肪酸エステル系化合物を配合せず、ゼータ電位差Δζが2.5mVの脂肪酸アミド系化合物0.20質量%を配合した以外は、実施例1と同様に衛生薄葉紙(ティシュペーパー)を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
衛生薄葉紙(ティシュペーパー)100質量%に対して、ゼータ電位差Δζが0.8mVの脂肪酸エステル系化合物0.12質量%を配合し、ゼータ電位差Δζが0.5mVの脂肪酸アミド系化合物0.04質量%を配合した以外は、実施例1と同様に衛生薄葉紙(ティシュペーパー)を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例5]
衛生薄葉紙(ティシュペーパー)100質量%に対して、ゼータ電位差Δζが0.8mVの脂肪酸エステル系化合物0.03質量%を配合し、ゼータ電位差Δζが0.5mVの脂肪酸アミド系化合物0.07質量%を配合した以外は、実施例1と同様に衛生薄葉紙(ティシュペーパー)を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例6]
衛生薄葉紙(ティシュペーパー)100質量%に対して、ゼータ電位差Δζが0.8mVの脂肪酸エステル系化合物0.03質量%を配合し、ゼータ電位差Δζが1.5mVの脂肪酸アミド系化合物0.12質量%を配合した以外は、実施例1と同様に衛生薄葉紙(ティシュペーパー)を作製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007163031000001
表1より、原料パルプに配合する柔軟剤として、ゼータ電位差Δζが1.0mV以上の脂肪酸エステル系化合物とゼータ電位差Δζが0.8mV以上の脂肪酸アミド系化合物とを配合する条件を満たした衛生薄葉紙(ティシュペーパー)は、MD方向の乾燥引張強度、MMD、動摩擦係数平均値、柔らかさ、操業性はいずれも良好であり、使用時の破れは生じなかった(実施例1~4)。
これに対して、原料パルプに配合する柔軟剤として、ゼータ電位差Δζが1.0mV以上の脂肪酸エステル系化合物とゼータ電位差Δζが0.8mV以上の脂肪酸アミド系化合物とを配合する条件を満たさない衛生薄葉紙(ティシュペーパー)は、MD方向の乾燥引張強度、MMD、動摩擦係数平均値、柔らかさ、操業性のいずれかが良好でなく、使用時の破れが生じるものがあった(比較例1~6)。
これらの結果から、柔軟剤化合物として、パルプ100質量部に対して、脂肪酸エステル系化合物0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が1.0mV以上の脂肪酸エステル系化合物と、脂肪酸アミド系化合物0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が0.8mV以上である脂肪酸アミド系化合物とを含む構成を採用することにより、適度な紙力を維持しながら優れた風合いを備える衛生薄葉紙が得られることが判った。また、優れた風合いを備えながら丈夫な衛生薄葉紙が得られることも判った。さらに衛生薄葉紙の製造時における製造工程内の汚染(例えば、抄紙系内の毛布汚れ、スクリーン詰まり等)を少なくする可能性があることも確認された。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
10 紙料調整部
11 パルパー
12 パルパー後タンク
13 受入れタンク
14 DDR
15 ミキシングタンク
16 マシンタンク
17 種箱
20 抄紙部
30 柔軟剤添加部
31 第1柔軟剤タンク
32 第2柔軟剤タンク
40 ゼータ電位測定部
41 第1測定部
42 第2測定部
50 MMD測定装置
60 動摩擦係数測定装置
P ポンプ

Claims (9)

  1. パルプから形成された衛生薄葉紙であって、
    柔軟剤化合物として、脂肪酸エステル系化合物と脂肪酸アミド系化合物とを含み、
    前記脂肪酸エステル系化合物は、前記パルプ100質量部に対して前記脂肪酸エステル系化合物0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が1.0mV以上であり、
    前記脂肪酸アミド系化合物は、前記パルプ100質量部に対して前記脂肪酸アミド系化合物0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が0.8mV以上であり、
    前記脂肪酸エステル系化合物は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコールから選択される一種または二種以上のアルコールとラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、及びオレイン酸から選択される一種または二種以上の脂肪酸との化合物であり、
    前記脂肪酸アミド系化合物は、分子中に少なくとも3個のアミノ基を有するポリアルキレンポリアミンおよび炭素数14~18のカルボン酸を反応させて得られ、
    前記ポリアルキレンポリアミンは、次式(1)で示される、衛生薄葉紙。
    H2N-(R1-NH-)n-R1-NH2・・・(1)
    (式中、R1はエチレン基である)
  2. 前記脂肪酸エステル系化合物と前記脂肪酸アミド系化合物との含有割合が、1:1~1:5である、請求項1に記載の衛生薄葉紙。
  3. MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmであり、
    MMDが8.4以下である、請求項1または2に記載の衛生薄葉紙。
  4. MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmであり、
    動摩擦係数平均値が1.0~1.6である、請求項1~3のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙。
  5. パルプを含む紙料を調整する紙料調整工程を含む衛生薄葉紙の製造方法であって、
    前記紙料調整工程は、柔軟剤を前記パルプに配合する柔軟剤添加工程を含み、
    前記柔軟剤は、脂肪酸エステル系化合物を含有する第1の柔軟剤と、脂肪酸アミド系化合物を含有する第2の柔軟剤とを含み、
    前記第1の柔軟剤は、前記パルプ100質量部に対して前記第1の柔軟剤0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量1.0mV以上であり、
    前記第2の柔軟剤は、前記パルプ100質量部に対して前記第2の柔軟剤0.1質量部を添加したときのゼータ電位の変化量が0.8mV以上であり、
    前記脂肪酸エステル系化合物は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコールから選択される一種または二種以上のアルコールとラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、及びオレイン酸から選択される一種または二種以上の脂肪酸との化合物であり、
    前記脂肪酸アミド系化合物は、分子中に少なくとも3個のアミノ基を有するポリアルキレンポリアミンおよび炭素数14~18のカルボン酸を反応させて得られ、
    前記ポリアルキレンポリアミンは、次式(1)で示される、衛生薄葉紙の製造方法。
    H2N-(R1-NH-)n-R1-NH2・・・(1)
    (式中、R1はエチレン基である)
  6. 前記紙料調整工程は、柔軟剤添加工程の前に、
    前記パルプ100質量部に対して前記第1の柔軟剤0.1質量部を添加し、前記第1の柔軟剤のゼータ電位の変化量を測定する第1のゼータ電位測定工程と、
    前記パルプ100質量部に対して前記第2の柔軟剤0.1質量部を添加し、前記第2の柔軟剤のゼータ電位の変化量を測定する第2のゼータ電位測定工程とを含む、請求項5に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
  7. 前記第1の柔軟剤と前記第2の柔軟剤との配合割合が1:1~1:5である、請求項5または6に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
  8. 前記衛生薄葉紙は、MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmであり、かつ、MMDが8.4以下の薄葉紙である、請求項5~7のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
  9. 前記衛生薄葉紙は、MD方向の乾燥引張強度が175~275cN/25mmであり、かつ、動摩擦係数平均値が1.0~1.6の薄葉紙である、請求項5~8のいずれか1項に記載の衛生薄葉紙の製造方法。
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