JP5454729B1 - ハロゲン化キナクリドンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハロゲン化キナクリドンの製造方法であって、ハロゲン化剤として、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸金属塩、トリブロモイソシアヌル酸およびジブロモイソシアヌル酸金属塩からなる群より選ばれる一種以上のN−ハロイミド化合物でキナクリドンをハロゲン化することを特徴とするハロゲン化キナクリドンの製造方法と、その製造方法により得られるハロゲン化キナクリドンを用いた着色組成物。
【選択図】なし
Description
したがって、本発明の目的は、クロロアニリン等の発がん性の疑いがある原料を使用しない安全性と生産性に優れたハロゲン化キナクリドンの新規な製造方法を提供するものであり、また、広い範囲の色調を持ち、微細な粒子に調製されたハロゲン化キナクリドンとその着色組成物を提供することである。
また、本発明の実施態様は、ハロゲン化剤が、トリクロロイソシアヌル酸およびジクロロイソシアヌル酸ナトリウムからなる群より選ばれる一種以上のN−クロロイミド化合物である上記製造方法に関する。
また、本発明の実施態様は、溶媒が、90重量%以上の濃度の硫酸である上記製造方法に関する。
<ハロゲン化剤としてのN−ハロイミド化合物>
本発明で使用されるハロゲン化剤は、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸金属塩、トリブロモイソシアヌル酸およびジブロモイソシアヌル酸金属塩からなる群より選ばれる一種以上のN−ハロイミド化合物である。
本発明の製造方法で使用される溶媒は、ハロゲン化反応を阻害せず、キナクリドン骨格の分解を引き起こす恐れがないものであれば、特に制限はないが、反応収率等の観点から、強酸を使用することが好ましい。強酸としては、硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、ポリリン酸等の無機酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などの有機酸が挙げられ、これらは単独もしくは混合して使用することができる。コストや反応収率、製造工程上利点等の観点から無機酸が好ましく、硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、ポリリン酸およびこれらの混合物がより好ましい。硫酸は、含水率が多いとキナクリドン骨格の分解を引き起こす恐れがあるので、90重量%以上の高濃度の硫酸が好ましい。
本発明の製造方法の原料として使用するキナクリドンは、式Iで示されるキナクリドン化合物が好ましい。
したがって、式I中の−N(X3)2で表わされる部分としては、ピペリジノ基、モルホリノ基等が挙げられる。
本発明の製造方法は、従来の製造方法である発がん性の疑いのあるクロロアニリン等の原料を使用しないので、明らかに安全性が優れている。例えば、クロロアニリンは、ベンゼンの塩素ガスによる塩素化反応、ニトロ化反応および還元反応により得られるが、毒性の高い塩素ガスを使用すること、および多量に副生する塩化水素ガスの処理が必要であること等の危険性や製造工程上のデメリットが挙げられる。これに対して、本発明の製造方法では、有害なハロゲン化水素ガスの副生が無いので、安全性が高く、大規模な処理装置を必要としないというメリットが挙げられる。
本発明により得られるハロゲン化キナクリドンは、色材として利用価値の高い顔料形態に仕上げる顔料化工程(コンディショニングまたはフィニッシング工程とも称する)を加えることができる。すなわち、本発明に従い、強酸を溶媒としてキナクリドンをN−ハロイミド化合物でハロゲン化した後に、反応液から溶媒を留去、または反応液を多量の水で希釈してハロゲン化キナクリドンを析出させ、濾過してハロゲン化キナクリドンの含水ケーキまたは乾燥品として分離し、次いで、公知の顔料化工程、例えば、有機溶剤存在下の加熱処理、無機塩と多価アルコール等を加えたソルトミリング処理あるいは硫酸等に溶解させた後に多量の水で希釈するアシッドペースティング処理等を行うことが好ましい。とくに、アシッドペースティング処理による顔料化の方法は、本発明の製造方法と類似した方法であるので、ハロゲン化した後にハロゲン化キナクリドンを分離することなしに、続けてアシッドペースティング処理できるため、製造工程の簡略化が可能となり、本発明の優位性がさらに発揮される。また、顔料化工程の中または前後で、樹脂、活性剤、体質顔料および顔料分散剤等を添加し、顔料の利用価値を高めることもできる。ここで、顔料分散剤とは顔料骨格に酸性置換基または塩基性置換基等が導入された化合物、ならびに顔料と相互作用の大きい部分構造を分子内に有する高分子化合物等を指し、顔料分散能を持つ化合物の総称である。
以上述べた通り、本発明のハロゲン化キナクリドンの製造方法は、安全性と生産性が優れた方法であり、さらに、色材として使用する際に、色相の調製範囲が広く、高着色力で高鮮明な着色組成物が得られるため、印刷インキ、塗料、プラスチック、捺染剤、カラートナーおよびカラーフィルタレジストインキ等の着色組成物に好適に使用することができ、とくに、微細な顔料粒子が望まれる、カラートナー、インクジェットインキおよびカラーフィルタレジストインキに好適に使用することができる。
カラーフィルタレジストインキには、必要に応じて、顔料分散剤、光重合開始剤、増感剤等の公知の添加剤を適宜配合することができる。
なお、化合物の同定は、ブルカー・ダルトニクス社製飛行時間型質量分析装置autoflexIII(TOF−MS)を用いて得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致、さらに、パーキン・エルマー社製2400CHN元素分析装置を用いて得られる炭素、水素および窒素の比率と、理論値との一致をもって行った。また、ハロゲン原子の量については、化合物を酸素燃焼フラスコ法にて燃焼させ、水に吸収させた液体をイオンクロマトグラフィーにより含有量を定量してハロゲン置換数に変換した。
また、得られたハロゲン化キナクリドン中の各成分(ハロゲン化化合物)の含有率(モル比)は、TOF−MSの測定により得られたマススペクトラムの各成分の信号強度(ピーク)の比を、各成分のモル比とした。
まず、キナクリドンの単純なハロゲン化反応によるハロゲン化キナクリドンの製造例を示す。
表1に記載の溶媒にキナクリドン、N−ハロイミド化合物および触媒を加え、表1記載の反応条件でハロゲン化反応を行った。次いで、水600部に攪拌しながら反応液を注ぎ入れ、70℃に加熱して、濾過、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄、乾燥してハロゲン化キナクリドンを得た。実施例10および11については、反応物が3級アミノ基を有するため硫酸イオンと相互作用し、水600部を加えた反応液(スラリー)の濾過性が極めて不良であったため、このスラリーに水酸化ナトリウムを加えて弱アルカリ性にした後に濾過、温水洗浄、乾燥してハロゲン化キナクリドンを得た。
−SO3H基が置換したキナクリドンの塩素化反応による塩素化キナクリドンの製造例を示す。本例では、スルホン化反応と塩素化反応を連続して行う、ジクロロキナクリドンスルホン酸の製造例を示す。
98%硫酸100部と30%発煙硫酸50部の混合液に無置換キナクリドン10部を加え、60℃で2時間攪拌してスルホン化反応を行った。次いで、25℃に温度を下げてトリクロロイソシアヌル酸5部を加え、同温度で3時間攪拌した。水600部に攪拌しながら反応液を注ぎ入れ、濾過、水洗浄して得た水ペーストを水500部に加えてスラリーとした。25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH11に調整して、濾過、水洗浄、乾燥して塩素化キナクリドン16.1部を得た(収率98%)。
この塩素化キナクリドンは、塩素原子の置換数が2.0個、−SO3Na基の置換数が1.3個で、特開2005−206630号公報に開示されている、ジクロロキナクリドンスルホン酸と同一組成の化合物であった。
−SO2Cl基が置換したキナクリドンの塩素化反応による塩素化キナクリドンの製造例を示す。本例では、クロロスルホン化反応と塩素化反応を連続して行って、ジクロロキナクリドンスルホニルクロリドを製造し、次いで、アミノ化反応を行う製造例を示す。
クロロスルホン酸150部に、無置換キナクリドン10部を加え、40℃で2時間攪拌してクロロスルホン化反応を行った。次いで、25℃に温度を下げてトリクロロイソシアヌル酸5部を加え、同温度で3時間攪拌した。さらに、塩化チオニル6部を加え、同温度で1時間攪拌した。氷水1000部に反応液を注ぎ入れ、濾過、水洗浄して得た水ペーストを水500部に加えてスラリーとした。ジエチルアミノプロピルアミン13部を加え、60℃で5時間攪拌して、濾過、水洗浄、乾燥して塩素化キナクリドン20.6部を得た(収率98%)。この塩素化キナクリドンは、塩素原子の置換数が2.0個、ジエチルアミノプロピルアミノスルホニル基(−SO2NH(CH2)3N(C2H5)2)が1.5個で、実施例10と同一組成の化合物であった。
−CH2NHCOCH2Clが置換したキナクリドンの塩素化反応による塩素化キナクリドンの製造例を示す。本例では、クロロアセトアミドメチル化反応と塩素化反応を連続して行って、ジクロロ(クロロアセトアミドメチル)キナクリドンを製造し、次いで、アミノ化反応を行う製造例を示す。
98%硫酸150部に、無置換キナクリドン10部、クロロアセトアミド4.5部およびパラホルムアルデヒド1.5部を加え、20℃で4時間攪拌してクロロアセトアミドメチル化反応を行った。次いで、トリクロロイソシアヌル酸5部を加え、同温度で3時間攪拌した。氷水1000部に反応液を注ぎ入れ、濾過、水洗浄して得た水ペーストを水500部に加えてスラリーとした。ジエチルアミノエチルアミン8部を加え、60℃で5時間攪拌して、濾過、水洗浄、乾燥して塩素化キナクリドン17.8部を得た(収率98%)。この塩素化キナクリドンは、塩素原子の置換数が2.0個、ジエチルアミノエチルアミノメチルカルボニルアミノメチル基(−CH2COCH2NHC2H4N(C2H5)2)が1.0個で、実施例11と同一組成の化合物であった。
キナクリドンの製造工程に、本発明の製造方法を組み入れた製造例を示す。本例では、閉環反応と塩素化反応を連続して行う、ジクロロキナクリドンの製造例を示す。
常法にしたがい、ポリリン酸150部に2,5−ジアニリノテレフタル酸10部を加えて、125℃で3時間攪拌して閉環し、無置換キナクリドンのポリリン酸溶液を得た。次いで、50℃に温度を下げてトリクロロイソシアヌル酸4.5部を加え、同温度で2時間攪拌した。反応液を50℃の水600部に注ぎ入れ、濾過、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄、乾燥して塩素化キナクリドン11.5部を得た(収率96%)。この塩素化キナクリドンは、塩素原子の置換数が2.0個で、実施例1と同一組成の化合物であった。
次に、本発明の製造方法による塩素化キナクリドンを溶剤で処理して顔料に仕上げた製造例を示す。
N,N−ジメチルホルムアミド2000部に、前記実施例1で得られた塩素化キナクリドン100部を加え、120〜140℃で3時間攪拌して、濾過、水洗浄、乾燥して顔料に仕上げた塩素化キナクリドンを得た。
この顔料に仕上げた塩素化キナクリドンを電子顕微鏡で観察したところ、顔料粒子の平均粒径は0.025μmであった。後述する比較例1の従来の製造方法による塩素化キナクリドンも同様に電子顕微鏡で観察したところ、顔料粒子の平均粒径は0.034μmであり、本発明による塩素化キナクリドンの方が微細であった。また、比較例1の塩素化キナクリドンは全てジクロロキナクリドンであるの対して、本発明による塩素化キナクリドンは、モノクロロキナクリドン、ジクロロキナクリドンおよびトリクロロキナクリドンが1:2:1(モル比)の割合の混合物であるために、結晶性が低下して小さな粒径になったと思われる。
表2は評価結果で、L値が55のときの数値である。本発明による塩素化キナクリドンは後述する比較例1に対して、色相は大差なかったが、鮮明性が高く、着色力が優れていた。
従来の製造方法による塩素化キナクリドンを溶剤で処理して顔料に仕上げた製造例を示す。
98%硫酸1500部にジクロロキナクリドン(BASF社製シンカシャマゼンタRT)100部を加えて溶解させ、20℃で3時間攪拌した後に、水6000部に攪拌しながら溶解液を注ぎ入れ、70℃に加熱して、濾過、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄、乾燥した。次いで、N,N−ジメチルホルムアミド2000部に加え、120〜140℃で3時間攪拌して、濾過、水洗浄、乾燥して顔料に仕上げた塩素化キナクリドンを得た。
実施例1で得られた塩素化キナクリドンに替えて実施例2で得られた塩素化キナクリドンを用いて、実施例18と同一の操作を行い、顔料に仕上げた塩素化キナクリドンを得た。
この顔料に仕上げた塩素化キナクリドンを、リガク社製X線回折測定装置MiniFlexIIを用いて、X線回折測定を行った。主ピークはCuKα線のブラッグ角度が、6.2°、13.2°、24.0°、26.4°であって、米国特許3160510号公報の表3に記載の固溶体とほぼ一致したピークであった。また、顔料に仕上げる前の実施例2の塩素化キナクリドンをX線回折測定すると、その主ピークのブラッグ角度は上記と全く同一であった。この塩素化キナクリドンの塩素置換数は0.8個であって、分析の結果、約35%の無置換キナクリドンが含まれていたが、α型やγ型の無置換キナクリドンがX線回折測定で検出されなかったことから、固溶体を形成していることが確認できた。さらに、溶剤処理前後でX線回折のピークに変化が認められなかったことから、安定な結晶を持つ固溶体であることが確認できた。
実施例1で得られた塩素化キナクリドンに替えて実施例3で得られた塩素化キナクリドンを用いて、実施例18と同一の操作を行い、顔料に仕上げた塩素化キナクリドンを得た。
この顔料に仕上げた塩素化キナクリドンの電子顕微鏡観察による粒子の平均粒径は0.14μmであった。後述する比較例2は、塩素化されていない無置換キナクリドンを実施例3に準じて硫酸処理した後に実施例18と同一の操作を行って顔料に仕上げたものであって、電子顕微鏡観察による粒子の平均粒径は0.36μmであった。すなわち、本発明による顔料に仕上げた塩素化キナクリドンは塩素置換数が0.2個であって、分析の結果、その大部分が塩素が置換されていない無置換キナクリドンであったが、少量含まれる塩素化キナクリドンの存在によって粒子が効果的に微細化されていることが確認できた。
次に、実施例18と同様に、オフセットインキを作製して色調を評価した結果を表3に示す。
本発明による塩素化キナクリドンは後述する比較例2に対して、色相は大差なかったが、鮮明性が高く、着色力が優れていた。すなわち、本発明の製造方法によりキナクリドンを僅かに塩素化することで、塩素化前のキナクリドンの本質的な物性を保ちながら、優れた色調に調製することができた。
無置換キナクリドンを硫酸処理後に溶剤で処理して顔料に仕上げた製造例を示す。
98%硫酸150部に無置換キナクリドン(BASF社製シンカシャレッドY)10部を加えて溶解させ、20℃で3時間攪拌した後に、水600部に攪拌しながら溶解液を注ぎ入れ、70℃に加熱して、濾過、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄、乾燥した。
次いで、N,N−ジメチルホルムアミド200部に加え、120〜140℃で3時間攪拌して、濾過、水洗浄、乾燥して顔料に仕上げた無置換キナクリドンを得た。
本発明の塩素化キナクリドンおよびビヒクル成分を含む着色組成物の例としてカラートナーの利用例を示す。
実施例18で得られた塩素化キナクリドン50部およびポリエステル樹脂(特開2012−198438号公報の樹脂実施例1に記載のポリエステル樹脂A)50部を加圧ニーダーを用いて120℃で混合し、次いで3本ロールを用いて95℃で混練して着色樹脂組成物を得た。この着色樹脂組成物10部、ポリエステル樹脂(特開2012−198438号公報の樹脂実施例1に記載のポリエステル樹脂A)87.5部、荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸カルシウム塩)1部および離型剤(エチレンホモポリマー、重量平均分子量850、分散度1.08、融点107℃)1.5部をヘンシェルミキサーで混合した後に、二軸混練押出機を用いて120℃で溶融混練し、次いで粉砕機で粉砕し、分級して平均粒径が5〜10μmの微細なトナー母粒子を得た。さらに、疎水性酸化チタン(チタン工業社製STT−30A)0.5部を加えて混合して、カラートナーAを得た。
これらのカラートナーを熱プレスにより溶融させてガラス板上に均一な薄層を作製し、目視で透明性を評価したところ、カラートナーAはカラートナーBよりも透明性が高かった。
また、これらのカラートナー6部およびキャリアとして平均粒径が60μmのシリコーンレジンでコーティングされたフェライトキャリア(同和鉄粉社製DFC−350C)100部を混合して現像剤を作製し、キャノン製複写機CLC−730を用いて、コピー用紙(富士ゼロックス社製カラーアプリケーション用紙 Ncolor127、A4サイズ、127g/m2)に画像を印刷して印刷物を作成した。これらの印刷物を、目視で評価したところ、カラートナーAを用いて作成した印刷物は、カラートナーBを用いて作成した印刷物よりも、鮮明性が優れ、高濃度であった。
本発明の塩素化キナクリドンおよびビヒクル成分を含む着色組成物の例としてインクジェットインキの利用例を示す。
実施例18で得られた塩素化キナクリドン19部、ジョンクリル61J(BASF社製、スチレン−アクリル酸共重合物樹脂、重量平均分子量10000、酸価195mgKOH/g、固形分31%)16.4部、非イオン界面活性剤(花王社製エマルゲンA−90、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル)5部、イオン交換水59.6部を混合し、ジルコニアビーズ(直径0.5mmφ)を加えてペイントシェーカーで12時間分散して、濃縮液を作成した。この濃縮液12.5部、エマポリーTYN−40(岐阜セラツク製造所社製、スチレン−アクリル共重合体、固形分44.8%)2.5部、非イオン界面活性剤(花王社製エマルゲンA−90、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル)2.0部、イオン交換水64.9部を混合し、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを適宜加えて、粘度が2.5cps(E型粘度計による25℃での値)、表面張力40dyne/cmに調整後、1.0μmメンブランフィルターを用いてろ過し、更に0.45μmメンブランフィルターを用いてろ過して、インクジェットインキAを作製した。
本発明の塩素化キナクリドンおよびビヒクル成分を含む着色組成物の例としてカラーフィルタレジストインキの利用例を示す。
実施例18で得られた塩素化キナクリドン10.5部、分散助剤として実施例15で製造した塩素化キナクリドン1.5部、アクリル樹脂溶液(特開2013−120309号公報の実施例に記載のアクリル樹脂溶液1)23部、分散剤としてアジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)3.6部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート61.4部を混合し、ジルコニアビーズ(直径0.1mmφ)を加えてピコミル(浅田鉄工社製)で8時間分散して、濃縮液を作製した。
これとは別に、実施例18で得られた塩素化キナクリドンに替えて、比較例1で得られた塩素化キナクリドンを使用した以外は、同様の操作を行い、カラーフィルタレジストインキBを得た。
得られたカラーフィルタの評価は、コントラスト比の数値で判断した。コントラスト比は、2枚の偏光板にカラーフィルタを挟み込み、トプコン社製色彩輝度計BM−5Aを用いて輝度を測定し、偏光板が平行のときの輝度を偏光板が直行のときの輝度で除算して算出した。
その結果、カラーフィルタレジストインキAによるカラーフィルタのコントラスト比は3500、カラーフィルタレジストインキBによるカラーフィルタのコントラスト比は1700であって、カラーフィルタレジストインキAの方が優れていた。
Claims (6)
- ハロゲン化キナクリドンの製造方法であって、ハロゲン化剤として、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸金属塩、トリブロモイソシアヌル酸およびジブロモイソシアヌル酸金属塩からなる群より選ばれる一種以上のN−ハロイミド化合物でキナクリドンをハロゲン化することを特徴とするハロゲン化キナクリドンの製造方法。
- ハロゲン化剤が、トリクロロイソシアヌル酸およびジクロロイソシアヌル酸ナトリウムからなる群より選ばれる一種以上のN−クロロイミド化合物である請求項1に記載の製造方法。
- 溶媒として、強酸を用いる請求項1または2に記載の製造方法。
- 溶媒が、硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸およびポリリン酸からなる群より選ばれる一種以上の強酸である請求項3に記載の製造方法。
- 溶媒が、90重量%以上の濃度の硫酸である請求項3に記載の製造方法。
- キナクリドンが、下記式Iで示されるキナクリドン化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
(式中、R1〜R4、R6、R8〜R11、R13は、それぞれ独立的に、水素原子、塩素原子、臭素原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシル基、フタルイミドメチル基、−CH2NHCOCH2Cl、−SO2Cl、−SO3Mまたは−X1−X2−N(X3)2を表す。Mは、水素原子またはアルカリ金属を表す。X1は、−SO2NH−または−CH2NHCOCH2−を表す。X2は、C1〜C4のアルキレン基を表す。X3は、ヘテロ原子を有しても良いC1〜C4のアルキル基を表す。X3同士は、互いに連結して環を形成しても良い。ただし、R1〜R4、R6、R8〜R11、R13の少なくとも一つは、水素原子である。)
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