JP5453487B2 - 超音波洗浄方法および超音波洗浄装置 - Google Patents

超音波洗浄方法および超音波洗浄装置 Download PDF

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Description

本発明は、超音波洗浄方法および超音波洗浄装置に関し、特に気体が溶存された液体に超音波を照射することにより液体中の洗浄対象物を洗浄するための超音波洗浄方法および超音波洗浄装置に関するものである。
従来、シリコンウエハ等の基板の製造プロセスにおいて、半導体デバイスの欠陥の原因となる有機物、金属不純物、パーティクル(微粒子)及び自然酸化膜等を当該基板から除去することを目的として、浸漬式や枚葉式などの基板の洗浄プロセスが行われている。
基板の洗浄プロセスでは、その目的に応じて様々な種類の洗浄方法が使用されている。特に、浸漬式の洗浄方法によりパーティクル等の異物を除去する場合には、洗浄槽内に収容された洗浄液中に基板を浸漬し、基板を浸漬した洗浄液にメガソニックと呼ばれる周波数が1MHz付近の超音波を照射する方法が用いられている。一般に、周波数が1MHz付近の超音波を使用すると、基板へのダメージを減少しつつ、基板表面上のサブミクロンサイズの微小パーティクルに対する洗浄効果を増大することができると考えられている。
ここで、洗浄液中の溶存気体の濃度がパーティクルなどの異物の除去効率に影響を与えることが知られている。たとえば、洗浄液として超純水を用い、当該超純水にメガソニックを照射して基板からパーティクルを除去する場合、基板からのパーティクル除去率は洗浄液中の溶存窒素濃度に影響を受けることが分かっている。より具体的には、洗浄液中の溶存気体濃度が所定範囲内であると、基板からのパーティクル除去率が相対的に高くなる(特許文献1および2)。したがって、洗浄プロセスにおいて洗浄液中の溶存窒素濃度などの溶存気体濃度をモニタリングし、洗浄液中の溶存気体濃度を一定の範囲内となるように制御すれば、理論的にはパーティクルを効果的に除去することが可能となる。
一方、洗浄液に超音波を照射した際に発生する微弱な発光挙動(ソノルミネッセンス)と基板のパーティクル除去挙動には何らかの関係があるとの報告がある(非特許文献1および2)。
特開平10−109072号公報(プレテック、大日本スクリーン) 特開2007−250726号公報(東京エレクトロン)
"Behaviour of a Well Designed Megasonic Cleaning System",Solid State Phenomena Vols.103−104 (2005) pp.155−158 "Megasonics: a cavitation driven process",Solid State Phenomena Vols.103−104 (2005) pp.159−162
発明者のこれまでの基板の超音波洗浄に関する研究により、同一の溶存気体濃度、同一の超音波照射条件であってもパーティクル除去率が高い場合と低い場合があることが判明した。このため、単に溶存気体濃度や超音波照射条件を調整しただけでは、安定的に高いパーティクル除去率を有する状態を実現することは困難であった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、安定して高いパーティクル除去率が得られる超音波洗浄方法および超音波洗浄装置を提供することを目的とする。
発明者らは、液体の振動強度とパーティクル除去率との関係について鋭意研究した結果、以下のような知見を得た。つまり、本発明者らは、超音波の4次周波数における液体の振動強度を、超音波の基本周波数における液体の振動強度で除した比率が0.8/1000よりも大きくなるように液体に超音波を照射しながら洗浄対象物を洗浄することにより、液体のパーティクル除去率を向上させることができることを見出し本発明を想到した。
本発明に係る超音波洗浄方法は、気体が溶存された液体に超音波を照射することにより液体中の洗浄対象物を洗浄するための超音波洗浄方法であって以下の工程を有している。気体が溶存された液体が準備される。超音波の4次周波数における液体の振動強度を超音波の基本周波数における液体の振動強度で除した比率が0.8/1000より大きくなるように、液体に超音波を照射しながら洗浄対象物が洗浄される。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を得ることができる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、洗浄対象物を洗浄する工程は、超音波の5次周波数における液体の振動強度が4次周波数における液体の振動強度よりも大きくなるように液体に超音波が照射される。これにより、より安定的に高いパーティクル除去率を得ることができる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、4次周波数における液体の振動強度を測定する工程をさらに有する。4次周波数における液体の振動強度を測定することにより、液体の状態を確認することができる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、4次周波数における液体の振動強度および基本周波数における液体の振動強度を測定する工程と、4次周波数における液体の振動強度と基本周波数における液体の振動強度との比率を計算する工程とをさらに有する。4次周波数における液体の振動強度と基本周波数における液体の振動強度との比率を計算することにより、液体の状態を確認することができる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、洗浄対象物を洗浄する工程では、4次周波数における液体の振動強度に基づいて、液体において気体を含む気泡が発生し続ける状態が実現するように液体が調整される。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を有する液体を効率的に調整することができる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、洗浄対象物を洗浄する工程は、ソノルミネッセンスが発生する工程を含む。これにより、より安定的に高いパーティクル除去率が得られる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、気体は窒素であり、液体の溶存気体濃度は5ppm以上である。
本発明に係る超音波洗浄装置は、気体が溶存された液体に超音波を照射することにより液体中の洗浄対象物を洗浄するための超音波洗浄装置であって、照射手段と、容器と、機器とを有している。照射手段は、液体に超音波を照射可能である。容器は、液体を収容可能である。機器は、超音波の4次周波数における液体の振動強度を測定可能である。
本発明に係る超音波洗浄装置は、超音波の4次周波数における液体の振動強度を測定可能な機器を有している。これにより、液体の状態を確認することができる。
上記の超音波洗浄装置において好ましくは、4次周波数における液体の振動強度に基づいて、液体において気体を含む気泡が発生し続ける状態を実現可能な調整機構を有している。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を有する液体を効率的に調整することができる。
本発明によれば、安定して高いパーティクル除去率が得られる超音波洗浄方法および超音波洗浄装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄装置を示す模式図である。 ソノルミネッセンスを観測するときの装置構成の一例である。 比較例に係る超音波洗浄装置を用いて液体の振動強度を測定したときの振動強度スペクトルである。 本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄装置を用いて液体の振動強度を測定したときの振動強度スペクトルである。 溶存窒素濃度と霧状の気泡(foggy bubbles)の有無との関係を示す模式図である。 本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄方法を示すフロー図である。 本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄方法における溶存気体濃度と時間との関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄方法における溶存気体濃度と時間との関係を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明については繰り返さない。
まず、本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄装置の構成について説明する。
本実施の形態に係る超音波洗浄装置100は、図1に示すように、超純水などの洗浄液を内部に保持する洗浄槽20と、この洗浄槽20に洗浄液を供給する供給手段10と、洗浄槽20を貯蔵する間接水槽21と、間接水槽21の底部に設置され、超音波を照射可能な照射手段30と、洗浄槽20の内部に供給された洗浄液中の溶存窒素濃度をモニタリングするためのモニタリング手段40と、液体の振動強度を測定可能な機器71とを有している。供給手段10は、窒素ガスを溶存させた超純水を洗浄槽20に供給するための第1供給弁11と、脱気された超純水を当該洗浄槽20に供給するための第2供給弁12とを有する。
第1供給弁11は、図示しない第1タンクに接続されている。第1タンクには窒素ガスを溶存させた超純水が貯留されている。また、第2供給弁12は、図示しない脱気水製造装置に接続されている。脱気水製造装置には超純水が供給され、脱気膜を介して超純水中の溶存気体を取り除くことができる。窒素ガスを溶存させた超純水と脱気された超純水とは、第1供給弁11および第2供給弁12の下流側において第1供給弁11および第2供給弁12に接続された配管が合流して1本の配管となることにより混合される。なお、第1供給弁11および第2供給弁12の下流側に混合槽(図示せず)を設置してもよい。この場合、当該混合槽において窒素ガスを溶存させた超純水および脱気された超純水を完全に混合することができる。
そして、混合された超純水は、上述した第1供給弁11および第2供給弁12の下流側に接続され、洗浄槽20内に配置された配管を介して液導入管23に供給される。液導入管23は洗浄槽20の底面の外周端部近傍に配置されている。なお、第1供給弁11と第2供給弁12との開度を調節することにより、洗浄槽20の内部に導入される超純水の溶存窒素濃度および供給量を制御することができる。
液導入管23には、図示しないノズルが複数個配置されている。当該ノズルを介して、液導入管23から洗浄槽20の内部へと洗浄液である超純水が供給される。ノズルは、液導入管23の延在方向に沿って複数個、互いに間隔を隔てて配置されている。また、当該ノズルは、洗浄液を洗浄槽20のほぼ中央部(洗浄対象であるウエハWが保持されている領域)に向けて洗浄液を噴射するように設置されている。
洗浄槽20は、洗浄液を収容可能な容器であり、その内部にウエハWを保持するための保持部22が配置されている。ウエハWとしては、たとえば半導体ウエハを用いることができる。洗浄槽20の内部において、保持部22によりウエハWを保持した状態で、上述した混合超純水からなる洗浄液が液導入管23から洗浄槽20内部に供給される。
液導入管23は、上述したように、洗浄槽20の下部(底壁近傍あるいは底壁と側壁との接続である底壁の外周部に位置する領域)に配置されている。液導入管23からは、所定量の洗浄液(混合超純水)が洗浄槽20の内部へと供給される。洗浄槽20の内部は当該洗浄液により満たされ、また所定量の洗浄液が洗浄槽20の上部からオーバーフローするように、洗浄液の供給量は調整されている。これにより、図1に示すようにウエハWが洗浄槽20内の洗浄液に浸漬された状態になる。
間接水槽21には、上述した供給手段10とは異なる媒体の供給ライン(図示せず)が接続されている。当該供給ラインから媒体としての水が間接水槽21の内部に供給される。そして、間接水槽21に貯留された水に、上述した洗浄槽20の少なくとも底壁が接触した状態となっている。なお、間接水槽21に対しても供給ラインから所定量の水が供給され続けることにより、間接水槽21から水が一定量オーバーフローしている状態となる。
照射手段30は、間接水槽21の底壁に接続された状態で設置されている。照射手段30は、超音波を間接水槽21内の水に照射する。照射された超音波は、間接水槽21内の水、洗浄槽20の当該水と接触した部分(たとえば底壁)を介して、洗浄槽20内の洗浄液およびウエハWへと照射される。
ここで、照射手段30は、たとえば周波数20kHz以上2MHz以下、ワット密度0.05W/cm2以上7.0W/cm2以下の超音波を発振することができる。このように超音波を洗浄液およびウエハWに照射することにより、当該洗浄液に浸漬されたウエハWを効率的に洗浄することができる。なお、照射手段30から照射される超音波としては、好ましくは周波数範囲が400kHz以上1MHz以下である超音波を用いる。
モニタリング手段40は、洗浄槽20の内部から所定量の洗浄液を抽出する抽出管41と、抽出管41に接続され、溶存窒素濃度計43に洗浄液を導入するためのポンプ42と、ポンプ42の下流側に接続された溶存窒素濃度計43とを含む。溶存窒素濃度計43からは洗浄液における溶存窒素濃度の測定データが溶存窒素濃度計43に含まれる表示部分へ出力される。溶存窒素濃度計43としては、任意の構成の装置を用いることができるが、たとえば洗浄液に含まれる溶存気体成分を高分子膜を介して受容器に導入し、この受容器内の熱伝導度の変化に基づいて当該気体成分の濃度を計算する測定装置を用いることができる。
洗浄槽20は、たとえば厚みが3.0mmの石英ガラスにより構成される。洗浄槽20は任意の形状とすることができるが、たとえば洗浄槽20として、内寸が幅270mm×奥行き69mm×高さ270mmの角型水槽を用いる。洗浄槽20の容量は5リットルである。
なお、洗浄槽20の底壁を構成する石英ガラスの板材の厚さは、照射手段30から出射される超音波の周波数に応じて適宜調整することが好ましい。たとえば、照射手段30から出射される超音波の周波数が950kHzである場合には、底壁を構成する板材の厚みは3.0mmであることが好ましい。また、照射手段30から出射される超音波の周波数が750kHzである場合には、底壁を構成する板材の厚みはたとえば4.0mmであることが好ましい。
洗浄槽20に供給手段10から供給される洗浄液(混合超純水)の量は5リットル/分であってもよい。また、照射手段30から照射される超音波の周波数は上述の950kHzと750kHzであってもよく、出力は1200W(ワット密度5.6W/cm2)であってもよい。また、照射手段30における振動板の輻射面のサイズは80mm×270mmであってもよい。
液体の振動強度を測定可能な機器71は、液体聴音器5(Hydrophone Probe)と、測定器70とを有している。液体聴音器5は、液体の振動強度(言い換えれば液体中の音響波の強度)を観測可能に設けられている。たとえば、液体聴音器5はピエゾ素子などの変換器であり、液体の密度の変動に起因する液体の振動の強度を電気信号に変換可能である。
測定器70は、当該液体聴音器5により変換された電気信号を測定可能に設けられており、液体の振動強度の周波数特性を測定するためのものである。測定器70は、たとえばスペクトルアナライザーや高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)可能なオシロスコープなどである。以上のように、液体の振動強度を測定可能な機器71は、液体聴音器5と、測定器70とを組み合わせることにより、液体の振動強度の周波数特性を測定可能に設けられている。
液体の振動強度を測定可能な機器71は、照射手段30から液体に照射された超音波の周波数(基本周波数)における液体の振動強度および当該基本周波数の整数倍の周波数(たとえば4次高調波)における液体の振動強度を測定可能に設けられている。液体の振動強度を測定可能な機器71は、たとえば20kHz以上20MHz以下周波数帯における液体の振動強度を測定可能である。
超音波洗浄装置100は、液体調整機構45を有していても構わない。液体調整機構45とは、たとえば、液体中に気体を導入可能な機構である。液体中に気体を導入可能な機構は、たとえば気泡導入チューブ(図示せず)を有している。気泡導入チューブの一端は洗浄槽20の底面に近い位置に配置されており液体に浸漬されている。気泡導入チューブの他端は、たとえばガス供給部(図示せず)と接続されている。ガス供給部は、気泡導入チューブを通して液体に気体を供給可能に構成されている。気泡導入チューブの一端の開口の大きさはたとえば5mm程度である。ガス供給部は、たとえば1mLから10mL程度の気体を供給可能である。
また液体調整機構45は、液体を撹拌するための機構であってもよい。液体を撹拌するための機構は、たとえば撹拌子(図示せず)を有している。撹拌子は、胴体部と、羽部とを有している。羽部は液体に浸漬されている。胴体部の一端は、たとえばモータなどの駆動部(図示せず)と接続されている。撹拌子は、胴体部の中心軸を回転軸として回転可能に構成されている。つまり、撹拌子は液体を撹拌可能に構成されている。羽部の直径は25mm程度であり、高さは40mm程度である。羽部の羽の枚数はたとえば6枚である。撹拌子はたとえばテフロン(登録商標)からなる。
さらに液体調整機構45は、液体の振動強度を測定可能な機器71において測定された液体の振動強度に基づいて、液体において溶存気体である液体を含む気泡が発生し続ける状態を実現可能なフィードバック機構をさらに有していてもよい。具体的には、当該フィードバック機構とは、たとえば液体の振動強度を測定可能な機器71によって、液体の4次周波数における振動強度を測定し、当該振動強度の値に基づいて、液体を撹拌したり、液体に気体を導入するための機構である。
図2を参照して、ソノルミネッセンス(発光現象)を観測する装置構成について説明する。まず、超音波洗浄装置100と発光検出装置60とを暗室50の内部に配置する。発光検出装置60は画像処理装置61に接続されている。ここで、発光検出装置60として用いるイメージインテンシファイアユニット(極微弱光検知増倍ユニット)とは、極微弱な光を検知・増倍して、コントラストのついた像を得るための装置である。当該ユニットとして、具体的には、浜松ホトニクス製イメージインテンシファイア(V4435U−03)を使用したユニットを用いることができる。当該ユニットは、光電面の材質がCs−Teであり、感度波長範囲が160〜320nmであり、また、最高感度波長が250nmである。なお、超音波を水に照射した際の発光は、水の分解により発生するヒドロキシラジカル(OHラジカル)によるものと考えられており、当該発光の波長は309nm付近の紫外領域であるとされる。したがって、ここでは上記波長を感度波長範囲に持つ光電面材質(Cs−Te)を有するイメージインテンシファイアユニットを使用した。なお、発光検出装置60として光電子増倍管を用いてもよい。なお、装置の条件については、たとえば超音波周波数、超音波強度、溶液を保持する水槽デザイン、溶液の供給量などの条件が挙げられる。
次に、本実施の形態に係る超音波洗浄方法について説明する。
図6を参照して、本実施の形態の超音波洗浄方法について説明する。本実施の形態の超音波洗浄方法は、窒素などの気体が溶存された液体に超音波を照射することにより液体中に浸漬されているウエハW(洗浄対象物)を洗浄するための方法であって、主に以下の工程を有している。
まず、液体準備工程(S10)が実施される。たとえば、図1に示した洗浄装置を用いて、窒素ガスを溶存させた超純水と脱気された超純水とを混合して、第1の溶存気体濃度(C1:図7参照)を有する液体(洗浄液)が準備される。好ましくは、液体の溶存窒素濃度は5ppm以上である。
次に、液体の振動強度測定工程(S20)が実施される。具体的には、図1を参照して、液体中に浸漬された液体聴音器5と、液体聴音器5によって測定された液体の振動強度を電気信号に変換した信号を測定するための測定器70を用いて液体の振動強度が測定される。
図4を参照して、液体の振動強度の測定例について説明する。周波数aは液体に照射されている超音波の周波数(基本周波数)であり、洗浄対象物を洗浄する場合における超音波の周波数である。周波数b、周波数c、周波数dおよび周波数eは、それぞれ基本周波数の2倍、3倍、4倍、5倍の周波数である。つまり、周波数b、周波数c、周波数dおよび周波数eは、2次周波数、3次周波数、4次周波数および5次周波数である。
液体に超音波が照射された状態で、超音波の周波数(基本周波数)における液体の振動強度と、超音波の周波数の4倍の周波数(4次周波数)における液体の振動強度が測定される。好ましくは、超音波の周波数の4次以上の周波数(図4における周波数領域z)における液体の振動強度が測定される。
その後、4次周波数における液体の振動強度と基本周波数における液体の振動強度との比率が計算される。また、5次周波数における液体の振動強度と基本周波数における液体の振動強度との比率が計算されてもよい。
次に、液体調整工程(S30)が実施される。具体的には、液体調整工程として、液体に超音波を照射しながら液体中に気体を導入する。たとえば、気泡導入チューブを使って外部から液体に気体が導入されることにより、液体中で気泡が発生する。液体に導入される気体は、たとえば窒素であるがこれに限定されない。液体に導入される気体は、たとえばアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、空気などであってもよい。液体中で気泡を発生させるという観点からは、液体である水に対する溶解度が小さい気体であることが望ましい。
液体に導入される気体の体積はたとえば10mLである。好ましくは、液体に導入される気体の体積は1mL以上である。また、気体の圧力は、液体の圧力に勝って気泡を形成することができる圧力であればよい。
また液体調整工程(S30)として、たとえば液体に超音波を照射しながら液体を撹拌してもよい。好ましくは、液体中において撹拌子を駆動することにより、液体に溶存していた気体を気泡として発生させる。具体的には、液体中に浸漬させた撹拌子をたとえばモータなどで回転させることにより、液体が撹拌される。撹拌子の回転数はたとえば1400rpmである。好ましくは、撹拌子の回転数は1400rpm以上である。なお、液体を撹拌するとは、液体をかき混ぜることを含む。たとえば撹拌子を上下または左右に移動させることにより液体を撹拌しても構わない。
さらに液体調整工程(S30)として、たとえば、図7を参照して、溶存気体濃度を第1の溶存気体濃度(C1)から第2の溶存気体濃度(C2)へ変化させる工程が実施されてもよい。溶存気体濃度の変化は、たとえば、図1に示した超音波洗浄装置100の第1供給弁11を調節することで窒素ガスが溶存された超純水の供給量を減少させることにより行うことができる。また、超音波洗浄装置100の第2供給弁12を調節することで窒素ガスが溶存されていない超純水の供給量を増加させることにより行うことができる。さらに、第1供給弁11および第2供給弁12の双方を調整することによって、液体の溶存気体濃度を調整することもできる。液体中の溶存気体濃度が第1の溶存気体濃度(C1)から第2の溶存気体濃度(C2)まで変化している間、液体に超音波が継続的に照射される。また、液体に超音波が照射されている間、ソノルミネッセンス発生状態が継続していてもよい。
ここで、第1の溶存気体濃度(C1)と第2の溶存気体濃度(C2)の決定方法について説明する。たとえば、溶存気体濃度の異なる洗浄液を準備し、洗浄液に洗浄対象物であるウエハWが浸漬される。その後、洗浄液の溶存気体濃度以外は同じ条件で洗浄液に超音波を照射してウエハWを洗浄する。最も洗浄効率が高い洗浄液の溶存気体濃度を最適溶存気体濃度とし、その濃度が第2の溶存気体濃度として決定される。ウエハWの洗浄は最終的には第2の溶存気体濃度を有する液体において行われるため、第2の溶存気体濃度は最適溶存気体濃度に近い濃度であることが好ましい。しかしながら、第2の溶存気体濃度は、ソノルミネッセンスが発生する濃度であれば最適溶存気体濃度でなくても構わない。第1の溶存気体濃度は、第2の溶存気体濃度よりも高い濃度として決定される。
さらに、液体調整工程(S30)として、たとえば図8を参照して、溶存気体濃度を第3の溶存気体濃度(C3)から第1の溶存気体濃度(C1)へ変化させる工程が実施されてもよい。第3の溶存気体濃度は、上述した第1の溶存気体濃度よりも低い濃度である。第3の溶存気体濃度は、上述した第2の溶存気体濃度と同じ程度であってもよい。また、第3の溶存気体濃度は、第2の溶存気体濃度よりも高くても低くてもよい。溶存気体濃度の変化は、たとえば、高い溶存気体濃度を有する液体がウエハWが収容されている洗浄槽20に供給されることにより行われる。液体の溶存気体濃度が第3の溶存気体濃度(C3)から第1の溶存気体濃度(C1)に変化している間、液体に対して超音波が継続的に照射される。液体の溶存気体濃度が第3の溶存気体濃度(C3)である時点ではソノルミネッセンスが発生しておらず非発光状態であるが、第3の溶存気体濃度(C3)から第1の溶存気体濃度(C1)になる途中でソノルミネッセンスが発生し発光状態になる。
次に、溶存気体濃度を第1の溶存気体濃度(C1)から第2の溶存気体濃度(C2)へ変化させる工程が実施される。液体中の溶存気体濃度が第1の溶存気体濃度(C1)から第2の溶存気体濃度(C2)まで変化している間、液体に超音波が継続的に照射される。また、液体に超音波が照射されている間、ソノルミネッセンス発生状態が継続していてもよい。
なお、液体調整工程(S30)において、液体の振動強度測定工程(S20)が継続されていても構わない。具体的には、液体の溶存気体濃度を変化させている間、超音波の周波数における液体の振動強度および超音波の4次周波数における液体の振動強度が測定されても構わない。
好ましくは、液体調整工程(S30)は、液体の振動強度測定工程(S20)で測定された4次周波数における液体の振動強度に基づいて、液体において窒素を含む気泡が発生し続けやすい状態が発生するように、液体調整機構45によって液体が調整される。具体的には、超音波の4次周波数における液体の振動強度を超音波の基本周波数における液体の振動強度で除した比率が0.8/1000よりも大きくなるように、液体調整機構45によって液体の溶存気体濃度が調整される。
本実施の形態においては、液体調整工程(S30)を行った後に、液体中に霧状の気泡(foggy bubbles)が発生する。当該霧状の気泡は、液体に溶存していた気体(本実施の形態では窒素)を含む気泡である。このようにして、窒素を含む気泡が発生し続ける状態が実現する。
なお、液体準備工程(S10)において、直接、窒素を含む気泡が発生し続ける状態が実現している液体が準備されても構わない。この場合、液体調整工程(S30)を省略することができる。
本実施の形態の超音波洗浄方法において、液体調整工程(S30)の後に、ソノルミネッセンスが発生する。ソノルミネッセンスは、図2で示したようなイメージインテンシファイアや光電子倍増管により検知することができる。なお、液体調整工程(S30)においては、液体において窒素を含む気泡が発生し続ける状態を実現することができればよく、液体においてソノルミネッセンスが発生していなくても構わない。
次に、洗浄工程(S40)が実施される。洗浄工程では、窒素を含む気泡が発生し続ける状態において洗浄対象物であるウエハWが洗浄される。洗浄工程では、超音波の4次周波数における液体の振動強度を超音波の基本周波数における液体の振動強度で除した比率が0.8/1000より大きくなるように、液体に超音波を照射しながら洗浄対象物が洗浄される。図4に示すように、洗浄対象物を洗浄する工程において、超音波の5次周波数における液体の振動強度が4次周波数における液体の振動強度よりも大きくなるように液体に超音波が照射されることが好ましい。また、洗浄工程ではソノルミネッセンスが発生していることが好ましい。
次に、超音波の4次周波数における液体の振動強度を超音波の基本周波数における液体の振動強度で除した比率が0.8/1000より大きくなるように液体に超音波を照射しながら洗浄対象物を洗浄した場合、安定的に高いパーティクル除去率が得られるメカニズムの仮説について説明する。
液体中において超音波によってパーティクルが除去されるメカニズムには、キャビテーション現象が関連していると考えられる。キャビテーション現象とは、液体の微小領域における圧力変動(密度変動)により気泡が発生し続ける現象であると考えられる。当該キャビテーション現象が液体中で効率的に発生している場合に、効率的にパーティクルが除去されると考えられる。
また、当該キャビテーション現象が効率的に発生している場合、気泡の伸縮時に4次以上の高調波が相対的に多く発生すると考えられる。つまり、たとえば4次以上の高調波が発生するように液体を調整することにより、安定的に高いパーティクル除去率を有する状態を実現することができると考えられる。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る超音波洗浄方法において、超音波の4次周波数における液体の振動強度を超音波の基本周波数における液体の振動強度で除した比率が0.8/1000より大きくなるように、液体に超音波を照射しながら洗浄対象物が洗浄される。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を得ることができる。
また、本実施の形態に係る超音波洗浄方法において、洗浄対象物を洗浄する工程は、超音波の5次周波数における液体の振動強度が4次周波数における液体の振動強度よりも大きくなるように液体に超音波が照射される。これにより、より安定的に高いパーティクル除去率を得ることができる。
さらに、本実施の形態に係る超音波洗浄方法において、4次周波数における液体の振動強度および基本周波数における液体の振動強度を測定する工程と、4次周波数における液体の振動強度と基本周波数における液体の振動強度との比率を計算する工程とをさらに有する。4次周波数における液体の振動強度と基本周波数における液体の振動強度との比率を計算することにより、液体の状態を確認することができる。
さらに、本実施の形態に係る超音波洗浄方法において、洗浄対象物を洗浄する工程では、4次周波数における液体の振動強度に基づいて、液体において気体を含む気泡が発生し続ける状態が実現するように液体が調整される。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を有する液体を効率的に調整することができる。
さらに、本実施の形態に係る超音波洗浄方法において、洗浄対象物を洗浄する工程は、ソノルミネッセンスが発生する工程を含む。これにより、より安定的に高いパーティクル除去率が得られる。
本実施の形態に係る超音波洗浄装置100は、超音波の4次周波数における液体の振動強度を測定可能な機器71を有している。これにより、液体の状態を確認することができる。
また、本実施の形態に係る超音波洗浄装置100は、4次周波数における液体の振動強度に基づいて、液体において気体を含む気泡が発生し続ける状態を実現可能な液体調整機構45を有している。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を有する液体を効率的に調整することができる。
本実験の目的は、4次周波数における洗浄液の振動強度と基本周波数における洗浄液の振動強度との比率と、パーティクル除去率との関係を調べることである。
まず、溶存窒素濃度が1.6ppm、5.2ppm、6.7ppm、7.8ppm、15.7ppmの5種類の洗浄液を準備した。当該5種類の洗浄液の各々に対して超音波を照射しながら気泡導入チューブを用いて洗浄液に窒素ガスを導入した。導入した窒素ガスの体積は10mL程度であった。洗浄液に窒素ガスを導入した後、洗浄液に霧状の気泡が発生するかどうかを観察した。洗浄液に窒素ガスが導入される前と導入された後に、洗浄液に超音波を照射しながら、超音波の4次周波数における洗浄液の振動強度と超音波の基本周波数における洗浄液の振動強度との比率を測定した。
本実験に用いられる洗浄装置について図1を用いて説明する。実験に用いられる洗浄槽20として、厚みが3.0mmの石英ガラスにより構成された角型水槽を使用した。水槽の、内寸を幅270mm×奥行き69mm×高さ285mmとした。底壁を構成する板材の厚みを4.0mmとした。洗浄槽20の容量を5リットルとした。
洗浄槽20に供給手段10から供給される洗浄液(混合超純水)の量を5リットル/分とした。また、照射手段30から照射される超音波の周波数を750kHzとし、出力を1200W(ワット密度5.6W/cm2)とした。また、照射手段30における振動板の輻射面のサイズを80mm×270mmとした。照射手段30から出射される超音波は洗浄槽20の底面全体に照射される。
窒素ガスを溶存させた超純水の供給量を調節する第1供給弁11と脱気水の供給量を調節する第2供給弁12を操作することにより、窒素が溶存された超純水を5リットル/分で洗浄槽20に供給した。溶存窒素濃度はモニタリング手段40により水槽内の超純水をサンプリングして測定した。
次に、パーティクル除去率の測定に用いられる洗浄対象物について説明する。
洗浄対象物としては、直径200mmのP型シリコンウエハが用いられた。P型シリコンウエハのミラー面に二酸化ケイ素粒子をスピンコートにより付着させた。付着量は、110nm以上の粒子で2000〜3000個であった。
次に、パーティクル除去率の測定方法について説明する。
二酸化ケイ素粒子が付着されたウエハを水槽内に浸漬し10分間洗浄した。その後、ウエハをスピンドライヤーで2分間乾燥した。パーティクル除去率は、洗浄後に減少したパーティクルの個数を洗浄前のウエハに付着していたパーティクルの個数で除した値をパーセント表示したものとして求められる。なお、パーティクル付着量測定には、日立ハイテクノロジー製LS6500を使用した。
本実験の結果を、表1を参照して説明する。なお、本明細書において洗浄液に霧状の気泡が発生している状態をMode−Aと呼び、洗浄液に霧状の気泡が発生していない状態をMode−Bと呼ぶ。またMode−Aはパーティクル除去率が30.5%程度と高い状態のことであり、Mode−Bはパーティクル除去率が18.8%程度と低い状態のことである。
溶存窒素濃度が1.6ppm以下の場合、洗浄液には霧状の気泡が観測されなかった(Mode−B)。また、溶存窒素濃度が5.2ppm以上7.8ppm以下の場合、気泡導入チューブで洗浄液に窒素ガスを導入する前は洗浄液に霧状の気泡が発生しなかった(Mode−B)が、気泡導入チューブで洗浄液に窒素ガスを導入した後は洗浄液に霧状の気泡が発生した(Mode−A)。さらに、溶存窒素濃度が15.7ppmの場合、気泡導入チューブで洗浄液に窒素ガスを導入する前後において洗浄液に霧状の気泡が発生していた(Mode−A)。
図4は、溶存窒素濃度が5.2ppmのMode−Aにおける洗浄液の振動強度の周波数特性を示している。一方、図3は、溶存窒素濃度が5.2ppmのMode−Bにおける洗浄液の振動強度の周波数特性を示している。周波数a(基本周波数)における洗浄液の振動強度は図4と図3とにおいて同じ程度である。しかしながら、周波数d(4次周波数)における洗浄液の振動強度は、Mode−Aの方がMode−Bよりも大きい。Mode−Aにおける、4次周波数における洗浄液の振動強度と、基本周波数における洗浄液の振動強度との比率は、5/1000程度であった。また、Mode−Bにおける、4次周波数における洗浄液の振動強度と、基本周波数における洗浄液の振動強度との比率は、0.8/1000程度であった。
Figure 0005453487
表1に示すように、Mode−Aにおける、4次周波数における洗浄液の振動強度と、基本周波数における洗浄液の振動強度との比率は、0.8/1000よりも大きかった。また、Mode−Bにおける、4次周波数における洗浄液の振動強度と、基本周波数における洗浄液の振動強度との比率は、0.8/1000以下であった。以上の結果より、4次周波数における洗浄液の振動強度と基本周波数における洗浄液の振動強度との比率を0.8/1000よりも大きくすることにより、Mode−Aの状態が実現できると考えられる。
本実験の目的は、洗浄液に霧状の気泡が発生するための溶存窒素濃度の範囲を調べることである。
まず、溶存窒素濃度が1.9ppm、4.9ppm、6.0ppm、7.8ppm、9.6ppm、11.0ppm、15.7ppmの7種類の洗浄液を準備した。当該7種類の洗浄液の各々に対して超音波を照射しながら撹拌子を回転させることにより洗浄液を撹拌した。撹拌子の回転数を1400rpmとした。照射される超音波の周波数を750kHzとし、出力を1200Wとした。洗浄液を撹拌した後、洗浄液に霧状の気泡が発生するかどうかを観察した。
本実験の結果を、図5を参照して説明する。なお、本明細書において洗浄液に霧状の気泡が発生している状態をMode−Aと呼び、洗浄液に霧状の気泡が発生していない状態をMode−Bと呼ぶ。またMode−Aはパーティクル除去率が30.0%程度と高い状態のことであり、Mode−Bはパーティクル除去率が18.8%程度と低い状態のことである。なお、Mode−Aのなかでも特にパーティクル除去率が高い場合にソノルミネッセンスが発生する。また、Mode−Bではソノルミネッセンスは発生しない。Mode−Aにおける、4次周波数における洗浄液の振動強度と、基本周波数における洗浄液の振動強度との比率は、5/1000程度であった。また、Mode−Bにおける、4次周波数における洗浄液の振動強度と、基本周波数における洗浄液の振動強度との比率は、0.8/1000程度であった。
溶存窒素濃度が4.9ppm以下の場合、洗浄液には霧状の気泡が観測されなかった(Mode−B)。また、溶存窒素濃度が6.0ppm以上9.6ppm以下の場合、撹拌子で洗浄液を撹拌する前は洗浄液に霧状の気泡が発生しなかった(Mode−B)が、撹拌子で洗浄液を撹拌した後は洗浄液に霧状の気泡が発生した(Mode−A)。さらに、溶存窒素濃度が11.0ppm以上15.7ppm以下の場合、撹拌子で洗浄液を撹拌する前後において洗浄液に霧状の気泡が発生していた(Mode−A)。以上の実験により、洗浄液の溶存窒素濃度が、5ppm以上11ppm未満の場合において、洗浄液を撹拌することによって、洗浄液の状態をMode−BからMode−Aに変化することができると考えられる。また、洗浄液の溶存窒素濃度が5ppm以上の場合において、Mode−Aが実現可能であると考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 液体聴音器、10 供給手段、11 第1供給弁、12 第2供給弁、20 洗浄槽、21 間接水槽、22 保持部、23 液導入管、30 照射手段、40 モニタリング手段、41 抽出管、42 ポンプ、43 溶存窒素濃度計、50 暗室、60 発光検出装置、61 画像処理装置、70 測定器、71 機器、100 超音波洗浄装置、W ウエハ。

Claims (9)

  1. 気体が溶存された液体に超音波を照射することにより前記液体中の洗浄対象物を洗浄するための超音波洗浄方法であって、
    前記気体が溶存された前記液体を準備する工程と、
    前記液体に照射されている前記超音波の周波数の4倍の周波数である4次周波数における前記液体の振動強度を前記超音波の周波数における前記液体の振動強度で除した比率が0.8/1000より大きくなるように、前記液体に前記超音波を照射しながら前記洗浄対象物を洗浄する工程とを備えた、超音波洗浄方法。
  2. 前記洗浄対象物を洗浄する工程は、前記液体に照射されている前記超音波の周波数の5倍の周波数である5次周波数における前記液体の振動強度が前記4次周波数における前記液体の振動強度よりも大きくなるように前記液体に前記超音波が照射される、請求項1に記載の超音波洗浄方法。
  3. 前記4次周波数における前記液体の振動強度を測定する工程をさらに備えた、請求項1または2に記載の超音波洗浄方法。
  4. 前記4次周波数における前記液体の振動強度および前記周波数における前記液体の振動強度を測定する工程と、
    前記4次周波数における前記液体の振動強度と前記周波数における前記液体の振動強度との比率を計算する工程とをさらに備えた、請求項1または2に記載の超音波洗浄方法。
  5. 前記洗浄対象物を洗浄する工程では、前記液体において前記気体を含む気泡が発生し続ける状態で前記洗浄対象物が洗浄される、請求項3または4に記載の超音波洗浄方法。
  6. 前記洗浄対象物を洗浄する工程は、ソノルミネッセンスが発生する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
  7. 前記気体は窒素であり、前記液体の溶存気体濃度は5ppm以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
  8. 気体が溶存された液体に超音波を照射することにより前記液体中の洗浄対象物を洗浄するための超音波洗浄装置であって、
    前記液体に前記超音波を照射可能な照射手段と、
    前記液体を収容可能な容器と、
    前記液体に照射されている前記超音波の周波数の4倍の周波数である4次周波数における前記液体の振動強度を測定可能な機器と
    前記超音波の前記4次周波数における前記液体の振動強度を前記超音波の周波数における前記液体の振動強度で除した比率が0.8/1000より大きくなるように前記液体を調整可能な調整機構とを備えた、超音波洗浄装置。
  9. 前記調整機構は、前記液体において前記気体を含む気泡が発生し続ける状態を実現可能である、請求項8に記載の超音波洗浄装置。
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