JP5453488B2 - 超音波洗浄方法および超音波洗浄装置 - Google Patents

超音波洗浄方法および超音波洗浄装置 Download PDF

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Description

本発明は、超音波洗浄方法および超音波洗浄装置に関し、特に気体が溶存された液体に超音波を照射することにより液体中の洗浄対象物を洗浄するための超音波洗浄方法および超音波洗浄装置に関するものである。
従来、シリコンウエハ等の基板の製造プロセスにおいて、半導体デバイスの欠陥の原因となる有機物、金属不純物、パーティクル(微粒子)及び自然酸化膜等を当該基板から除去することを目的として、浸漬式や枚葉式などの基板の洗浄プロセスが行われている。
基板の洗浄プロセスでは、その目的に応じて様々な種類の洗浄方法が使用されている。特に、浸漬式の洗浄方法によりパーティクル等の異物を除去する場合には、洗浄槽内に収容された洗浄液中に基板を浸漬し、基板を浸漬した洗浄液にメガソニックと呼ばれる周波数が1MHz付近の超音波を照射する方法が用いられている。一般に、周波数が1MHz付近の超音波を使用すると、基板へのダメージを減少しつつ、基板表面上のサブミクロンサイズの微小パーティクルに対する洗浄効果を増大することができると考えられている。
ここで、洗浄液中の溶存気体の濃度がパーティクルなどの異物の除去効率に影響を与えることが知られている。たとえば、洗浄液として超純水を用い、当該超純水にメガソニックを照射して基板からパーティクルを除去する場合、基板からのパーティクル除去率は洗浄液中の溶存窒素濃度に影響を受けることが分かっている。より具体的には、洗浄液中の溶存気体濃度が所定範囲内であると、基板からのパーティクル除去率が相対的に高くなる(特許文献1および2)。したがって、洗浄プロセスにおいて洗浄液中の溶存窒素濃度などの溶存気体濃度をモニタリングし、洗浄液中の溶存気体濃度を一定の範囲内となるように制御すれば、理論的にはパーティクルを効果的に除去することが可能となる。
一方、洗浄液に超音波を照射した際に発生する微弱な発光挙動(ソノルミネッセンス)と基板のパーティクル除去挙動には何らかの関係があるとの報告がある(非特許文献1および2)。
特開平10−109072号公報(プレテック、大日本スクリーン) 特開2007−250726号公報(東京エレクトロン)
"Behaviour of a Well Designed Megasonic Cleaning System",Solid State Phenomena Vols.103−104 (2005) pp.155−158 "Megasonics: a cavitation driven process",Solid State Phenomena Vols.103−104 (2005) pp.159−162
発明者のこれまでの基板の超音波洗浄に関する研究により、同一の溶存気体濃度、同一の超音波照射条件であってもパーティクル除去率が高い場合と低い場合があることが判明した。このため、単に溶存気体濃度や超音波照射条件を調整しただけでは、安定的に高いパーティクル除去率を有する状態を実現することは困難であった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、安定して高いパーティクル除去率が得られる超音波洗浄方法および超音波洗浄装置を提供することを目的とする。
発明者らは、液体の屈折率とパーティクル除去率との関係について鋭意研究した結果、以下のような知見を得た。つまり、本発明者らは、超音波を照射しない場合と比較して、液体の屈折率の空間変化率の大きい領域が、超音波の進行方向に沿って出現するように液体に超音波を照射しながら洗浄対象物を洗浄することにより、液体のパーティクル除去率を向上させることができることを見出し本発明を想到した。
本発明に係る超音波洗浄方法は、気体が溶存された液体に超音波を照射することにより液体中の洗浄対象物を洗浄するための超音波洗浄方法であって以下の工程を有している。気体が溶存された液体が準備される。超音波を照射しない場合と比較して気体が溶存された液体の屈折率の空間変化率の大きい領域が、超音波の進行方向に沿って出現するように液体に超音波を照射しながら洗浄対象物が洗浄される。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を得ることができる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、液体の屈折率の空間変化率を測定する工程を有している。液体の屈折率の空間変化率を測定することにより、液体の状態を確認することができる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、液体の屈折率の空間変化率を測定する工程は、液体に超音波が照射されている状態で、液体に対して平行光線を照射しながら液体を透過した透過光を観測する工程を含む。透過光を測定することにより、液体の状態を確認することができる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、液体の屈折率の空間変化率を測定する工程は、液体に超音波が照射されている状態で、液体に対して平行光線を照射しながら液体を透過した第1の透過光を観測する工程と、液体に超音波が照射されていない状態で、液体に対して平行光線を照射しながら液体を透過した第2の透過光を観測する工程と、第1の透過光および第2の透過光の明るさを比較する工程とを含む。第1の透過光および第2の透過光の明るさを比較することにより、液体の状態を確認することができる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、洗浄対象物を洗浄する工程では、空間変化率に基づいて、液体において気体を含む気泡が発生し続ける状態が実現するように液体が調整される。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を有する液体を効率的に調整することができる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、洗浄対象物を洗浄する工程は、ソノルミネッセンスが発生する工程を含む。これにより、より安定的に高いパーティクル除去率が得られる。
上記の超音波洗浄方法において好ましくは、気体は窒素であり、液体の溶存気体濃度は5ppm以上である。
本発明に係る超音波洗浄装置は、気体が溶存された液体に超音波を照射することにより液体中の洗浄対象物を洗浄するための超音波洗浄装置であって、照射手段と、容器と、機器とを有している。照射手段は、液体に超音波を照射可能なものである。容器は、液体を収容可能なものである。機器は、液体の屈折率の空間変化率を測定可能なものである。
本発明に係る超音波洗浄装置は、液体の屈折率の空間変化率を測定可能な機器を有している。これにより、液体の状態を確認することができる。
上記の超音波洗浄装置において好ましくは、空間変化率に基づいて、液体において気体を含む気泡が発生し続ける状態を実現可能な調整機構を有している。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を有する液体を効率的に調整することができる。
本発明によれば、安定して高いパーティクル除去率が得られる超音波洗浄方法および超音波洗浄装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄装置を示す模式図である。 ソノルミネッセンスを観測するときの装置構成の一例である。 液体の屈折率の空間変化率を測定可能な機器の構成の一例である。 シュリーレン法によって液体を通過した透過光を観測した画像の模式図である。 溶存窒素濃度と霧状の気泡(foggy bubbles)の有無との関係を示す模式図である。 本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄方法を示すフロー図である。 本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄方法における溶存気体濃度と時間との関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄方法における溶存気体濃度と時間との関係を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明については繰り返さない。
まず、本発明の一実施の形態に係る超音波洗浄装置の構成について説明する。
本実施の形態に係る超音波洗浄装置100は、図1に示すように、超純水などの洗浄液を内部に保持する洗浄槽20と、この洗浄槽20に洗浄液を供給する供給手段10と、洗浄槽20を貯蔵する間接水槽21と、間接水槽21の底部に設置され、超音波を照射可能な照射手段30と、洗浄槽20の内部に供給された洗浄液中の溶存窒素濃度をモニタリングするためのモニタリング手段40と、液体の屈折率の空間変化率を測定可能な機器71とを有している。供給手段10は、窒素ガスを溶存させた超純水を洗浄槽20に供給するための第1供給弁11と、脱気された超純水を当該洗浄槽20に供給するための第2供給弁12とを有する。
第1供給弁11は、図示しない第1タンクに接続されている。第1タンクには窒素ガスを溶存させた超純水が貯留されている。また、第2供給弁12は、図示しない脱気水製造装置に接続されている。脱気水製造装置には超純水が供給され、脱気膜を介して超純水中の溶存気体を取り除くことができる。窒素ガスを溶存させた超純水と脱気された超純水とは、第1供給弁11および第2供給弁12の下流側において第1供給弁11および第2供給弁12に接続された配管が合流して1本の配管となることにより混合される。なお、第1供給弁11および第2供給弁12の下流側に混合槽(図示せず)を設置してもよい。この場合、当該混合槽において窒素ガスを溶存させた超純水および脱気された超純水を完全に混合することができる。
そして、混合された超純水は、上述した第1供給弁11および第2供給弁12の下流側に接続され、洗浄槽20内に配置された配管を介して液導入管23に供給される。液導入管23は洗浄槽20の底面の外周端部近傍に配置されている。なお、第1供給弁11と第2供給弁12との開度を調節することにより、洗浄槽20の内部に導入される超純水の溶存窒素濃度および供給量を制御することができる。
液導入管23には、図示しないノズルが複数個配置されている。当該ノズルを介して、液導入管23から洗浄槽20の内部へと洗浄液である超純水が供給される。ノズルは、液導入管23の延在方向に沿って複数個、互いに間隔を隔てて配置されている。また、当該ノズルは、洗浄液を洗浄槽20のほぼ中央部(洗浄対象であるウエハWが保持されている領域)に向けて洗浄液を噴射するように設置されている。
洗浄槽20は、洗浄液を収容可能な容器であり、その内部にウエハWを保持するための保持部22が配置されている。ウエハWとしては、たとえば半導体ウエハを用いることができる。洗浄槽20の内部において、保持部22によりウエハWを保持した状態で、上述した混合超純水からなる洗浄液が液導入管23から洗浄槽20内部に供給される。
液導入管23は、上述したように、洗浄槽20の下部(底壁近傍あるいは底壁と側壁との接続である底壁の外周部に位置する領域)に配置されている。液導入管23からは、所定量の洗浄液(混合超純水)が洗浄槽20の内部へと供給される。洗浄槽20の内部は当該洗浄液により満たされ、また所定量の洗浄液が洗浄槽20の上部からオーバーフローするように、洗浄液の供給量は調整されている。これにより、図1に示すようにウエハWが洗浄槽20内の洗浄液に浸漬された状態になる。
間接水槽21には、上述した供給手段10とは異なる媒体の供給ライン(図示せず)が接続されている。当該供給ラインから媒体としての水が間接水槽21の内部に供給される。そして、間接水槽21に貯留された水に、上述した洗浄槽20の少なくとも底壁が接触した状態となっている。なお、間接水槽21に対しても供給ラインから所定量の水が供給され続けることにより、間接水槽21から水が一定量オーバーフローしている状態となる。
照射手段30は、間接水槽21の底壁に接続された状態で設置されている。照射手段30は、超音波を間接水槽21内の水に照射する。照射された超音波は、間接水槽21内の水、洗浄槽20の当該水と接触した部分(たとえば底壁)を介して、洗浄槽20内の洗浄液およびウエハWへと照射される。
ここで、照射手段30は、たとえば周波数20kHz以上2MHz以下、ワット密度0.05W/cm2以上7.0W/cm2以下の超音波を発振することができる。このように超音波を洗浄液およびウエハWに照射することにより、当該洗浄液に浸漬されたウエハWを効率的に洗浄することができる。なお、照射手段30から照射される超音波としては、好ましくは周波数範囲が400kHz以上1MHz以下である超音波を用いる。
モニタリング手段40は、洗浄槽20の内部から所定量の洗浄液を抽出する抽出管41と、抽出管41に接続され、溶存窒素濃度計43に洗浄液を導入するためのポンプ42と、ポンプ42の下流側に接続された溶存窒素濃度計43とを含む。溶存窒素濃度計43からは洗浄液における溶存窒素濃度の測定データが溶存窒素濃度計43に含まれる表示部分へ出力される。溶存窒素濃度計43としては、任意の構成の装置を用いることができるが、たとえば洗浄液に含まれる溶存気体成分を高分子膜を介して受容器に導入し、この受容器内の熱伝導度の変化に基づいて当該気体成分の濃度を計算する測定装置を用いることができる。
洗浄槽20は、たとえば厚みが3.0mmの石英ガラスにより構成される。洗浄槽20は任意の形状とすることができるが、たとえば洗浄槽20として、内寸が幅270mm×奥行き69mm×高さ270mmの角型水槽を用いる。洗浄槽20の容量は5リットルである。
なお、洗浄槽20の底壁を構成する石英ガラスの板材の厚さは、照射手段30から出射される超音波の周波数に応じて適宜調整することが好ましい。たとえば、照射手段30から出射される超音波の周波数が950kHzである場合には、底壁を構成する板材の厚みは3.0mmであることが好ましい。また、照射手段30から出射される超音波の周波数が750kHzである場合には、底壁を構成する板材の厚みはたとえば4.0mmであることが好ましい。
洗浄槽20に供給手段10から供給される洗浄液(混合超純水)の量は5リットル/分であってもよい。また、照射手段30から照射される超音波の周波数は上述の950kHzと750kHzであってもよく、出力は1200W(ワット密度5.6W/cm2)であってもよい。また、照射手段30における振動板の輻射面のサイズは80mm×270mmであってもよい。
液体の屈折率の空間変化を測定可能な機器71は、たとえば凹面鏡式シュリーレン装置である。図3を参照して、凹面鏡式シュリーレン装置は、光源部80と、ナイフエッジ部81と、平面鏡86、89と、凹面鏡87、88を主に有している。光源部80は、光源82と、コンデンサレンズ83、84と、スリット85とを有している。ナイフエッジ部81は、ナイフエッジ90と、望遠レンズ91と、カメラ92とを有している。
光源82は点光源であり、たとえばキセノンランプなどである。光源82からの光は、コンデンサレンズ83、84により集光され、スリット85を通過する。スリット85を通過した光は、平面鏡86によって反射され、凹面鏡87に入射して反射される。凹面鏡87により反射された光は平行光線となる。当該平行光線となった入射光93は測定対象部である超音波洗浄装置100の洗浄槽20に貯蔵されている液体に入射する。液体を通過した透過光94は、凹面鏡88に入射して反射される。凹面鏡88によって反射された透過光94は平面鏡89により反射され、ナイフエッジ部81へと向かう。ナイフエッジ90を通過した透過光94は望遠レンズ91により拡大されカメラ92に到達する。カメラ92に到達した透過光94の明暗がシュリーレン画像として観測可能である。
超音波洗浄装置100は、液体調整機構45を有していても構わない。液体調整機構45とは、たとえば、液体中に気体を導入可能な機構である。液体中に気体を導入可能な機構は、たとえば気泡導入チューブ(図示せず)を有している。気泡導入チューブの一端は洗浄槽20の底面に近い位置に配置されており液体に浸漬されている。気泡導入チューブの他端は、たとえばガス供給部(図示せず)と接続されている。ガス供給部は、気泡導入チューブを通して液体に気体を供給可能に構成されている。気泡導入チューブの一端の開口の大きさはたとえば5mm程度である。ガス供給部は、たとえば1mLから10mL程度の気体を供給可能である。
また液体調整機構45は、液体を撹拌するための機構であってもよい。液体を撹拌するための機構は、たとえば撹拌子(図示せず)を有している。撹拌子は、胴体部と、羽部とを有している。羽部は液体に浸漬されている。胴体部の一端は、たとえばモータなどの駆動部(図示せず)と接続されている。撹拌子は、胴体部の中心軸を回転軸として回転可能に構成されている。つまり、撹拌子は液体を撹拌可能に構成されている。羽部の直径は25mm程度であり、高さは40mm程度である。羽部の羽の枚数はたとえば6枚である。撹拌子はたとえばテフロン(登録商標)からなる。
さらに液体調整機構45は、液体の屈折率の空間変化率を測定可能な機器71において測定された液体の屈折率の空間変化率に基づいて、液体において溶存気体である液体を含む気泡が発生し続ける状態を実現可能なフィードバック機構をさらに有していてもよい。具体的には、当該フィードバック機構とは、たとえば図3に示したシュリーレン装置のカメラ92によって液体の透過光94の明るさを測定し、当該透過光94の明るさに基づいて、液体を撹拌したり、液体中に気体を導入するための機構である。たとえば、透過光94の明るさが最も暗くなるように液体が調整される。
図2を参照して、ソノルミネッセンス(発光現象)を観測する装置構成について説明する。まず、超音波洗浄装置100と発光検出装置60とを暗室50の内部に配置する。発光検出装置60は画像処理装置61に接続されている。ここで、発光検出装置60として用いるイメージインテンシファイアユニット(極微弱光検知増倍ユニット)とは、極微弱な光を検知・増倍して、コントラストのついた像を得るための装置である。当該ユニットとして、具体的には、浜松ホトニクス製イメージインテンシファイア(V4435U−03)を使用したユニットを用いることができる。当該ユニットは、光電面の材質がCs−Teであり、感度波長範囲が160〜320nmであり、また、最高感度波長が250nmである。なお、超音波を水に照射した際の発光は、水の分解により発生するヒドロキシラジカル(OHラジカル)によるものと考えられており、当該発光の波長は309nm付近の紫外領域であるとされる。したがって、ここでは上記波長を感度波長範囲に持つ光電面材質(Cs−Te)を有するイメージインテンシファイアユニットを使用した。なお、発光検出装置60として光電子増倍管を用いてもよい。なお、装置の条件については、たとえば超音波周波数、超音波強度、溶液を保持する水槽デザイン、溶液の供給量などの条件が挙げられる。
図3および図4を参照して、シュリーレン装置により観測されたシュリーレン画像について説明する。
まず、図3を参照して、光源部80により発せられた光が平面鏡86、凹面鏡87により反射されて、平行光線としての入射光93になる。入射光93は、超音波洗浄装置100の洗浄槽20に貯蔵された液体を通過する。当該液体を通過した透過光94は、凹面鏡88、平面鏡89により反射されてナイフエッジ部81へ向かう。ナイフエッジ90は、超音波が照射されていない液体(言い換えれば、屈折率の空間変化がない液体)を通過した透過光94が集光する焦点位置に配置される。言い換えれば、屈折率の空間変化を有しない液体を通過した透過光94が遮られず、かつ屈折率の空間変化を有する液体を通過した透過光94が遮られるようにナイフエッジ90が配置される。
図4は、測定対象物である水槽に貯蔵された液体を通過した透過光94をカメラ92により観測したシュリーレン画像である。なお、当該液体にはウエハWは浸漬されていない。図4の領域97は、液体に超音波が照射されている領域であり、図4の領域98は、液体に超音波が照射されていない領域である。液体に超音波が照射されていない領域98においては、透過光94は明るい。言い換えれば、ナイフエッジ90により遮られる透過光94の光量が少ない。一方、液体に超音波が照射されている領域97においては透過光94は暗い。言い換えれば、ナイフエッジ90により遮られる透過光94の光量が多い。なお、液体に超音波が照射されると必ず透過光94が暗くなるわけでなく、液体の状態によって透過光94の明るさが変化すると考えられる。
超音波洗浄装置100の洗浄槽20に貯蔵された液体の屈折率に空間変化が生じると、透過光94の進行方向が変化する。そのため、透過光94はナイフエッジ90により遮断されるためカメラ92に届く光が弱くなり透過光94が暗く観測される。つまり、透過光94の明暗を観測することにより、液体の屈折率の空間変化を観測することができる。
次に、本実施の形態に係る超音波洗浄方法について説明する。
図6を参照して、本実施の形態の超音波洗浄方法について説明する。本実施の形態の超音波洗浄方法は、窒素などの気体が溶存された液体に超音波を照射することにより液体中に浸漬されているウエハW(洗浄対象物)を洗浄するための方法であって、主に以下の工程を有している。
まず、液体準備工程(S10)が実施される。たとえば、図1に示した洗浄装置を用いて、窒素ガスを溶存させた超純水と脱気された超純水とを混合して、第1の溶存気体濃度(C1:図7参照)を有する液体(洗浄液)が準備される。好ましくは、液体の溶存窒素濃度は5ppm以上である。
次に、液体の屈折率の空間変化率測定工程(S20)が実施される。具体的には、図3に示したシュリーレン装置によって、液体の屈折率の空間変化率が測定される。
図3を参照して、液体の屈折率の空間変化率の測定例について説明する。まず、液体に超音波を照射していない状態で液体に対して平行光線としての入射光93が照射される。当該液体を通過した透過光94(第1の透過光)がカメラ92により観測される。
次に、液体に超音波を照射した状態で液体に対し平行光線としての入射光93が照射される。当該液体を通過した透過光94(第2の透過光)がカメラ92により観測される。透過光94は、ナイフエッジ90を通過することにより、一部遮断されても構わない。
その後、第1の透過光の明るさと第2の透過光の明るさとが比較される。明るさの比較とは、たとえば明るさを定量化してその値を比較することにより行われる。明るさの定量化は、たとえば光度や照度を用いて行うことができる。
なお、本実施の形態では、シュリーレン法を用いて液体の屈折率の空間変化を観測する方法について説明したが、この形態に限定されるものではない。たとえば、シャドウグラフ法を用いて液体の屈折率の空間変化が観測されてもよい。
次に、液体調整工程(S30)が実施される。具体的には、液体調整工程として、液体に超音波を照射しながら液体中に気体を導入する。たとえば、気泡導入チューブを使って外部から液体に気体が導入されることにより、液体中で気泡が発生する。液体に導入される気体は、たとえば窒素であるがこれに限定されない。液体に導入される気体は、たとえばアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、空気などであってもよい。液体中で気泡を発生させるという観点からは、液体である水に対する溶解度が小さい気体であることが望ましい。
液体に導入される気体の体積はたとえば10mLである。好ましくは、液体に導入される気体の体積は1mL以上である。また、気体の圧力は、液体の圧力に勝って気泡を形成することができる圧力であればよい。
また液体調整工程(S30)として、たとえば液体に超音波を照射しながら液体を撹拌してもよい。好ましくは、液体中において撹拌子を駆動することにより、液体に溶存していた気体を気泡として発生させる。具体的には、液体中に浸漬させた撹拌子をたとえばモータなどで回転させることにより、液体が撹拌される。撹拌子の回転数はたとえば1400rpmである。好ましくは、撹拌子の回転数は1400rpm以上である。なお、液体を撹拌するとは、液体をかき混ぜることを含む。たとえば撹拌子を上下または左右に移動させることにより液体を撹拌しても構わない。
さらに液体調整工程(S30)として、たとえば、図7を参照して、溶存気体濃度を第1の溶存気体濃度(C1)から第2の溶存気体濃度(C2)へ変化させる工程が実施されてもよい。溶存気体濃度の変化は、たとえば、図1に示した超音波洗浄装置100の第1供給弁11を調節することで窒素ガスが溶存された超純水の供給量を減少させることにより行うことができる。また、超音波洗浄装置100の第2供給弁12を調節することで窒素ガスが溶存されていない超純水の供給量を増加させることにより行うことができる。さらに、第1供給弁11および第2供給弁12の双方を調整することによって、液体の溶存気体濃度を調整することもできる。液体中の溶存気体濃度が第1の溶存気体濃度(C1)から第2の溶存気体濃度(C2)まで変化している間、液体に超音波が継続的に照射される。また、液体に超音波が照射されている間、ソノルミネッセンス発生状態が継続していてもよい。
ここで、第1の溶存気体濃度(C1)と第2の溶存気体濃度(C2)の決定方法について説明する。たとえば、溶存気体濃度の異なる洗浄液を準備し、洗浄液に洗浄対象物であるウエハWが浸漬される。その後、洗浄液の溶存気体濃度以外は同じ条件で洗浄液に超音波を照射してウエハWを洗浄する。最も洗浄効率が高い洗浄液の溶存気体濃度を最適溶存気体濃度とし、その濃度が第2の溶存気体濃度として決定される。ウエハWの洗浄は最終的には第2の溶存気体濃度を有する液体において行われるため、第2の溶存気体濃度は最適溶存気体濃度に近い濃度であることが好ましい。しかしながら、第2の溶存気体濃度は、ソノルミネッセンスが発生する濃度であれば最適溶存気体濃度でなくても構わない。第1の溶存気体濃度は、第2の溶存気体濃度よりも高い濃度として決定される。
さらに、液体調整工程(S30)として、たとえば図8を参照して、溶存気体濃度を第3の溶存気体濃度(C3)から第1の溶存気体濃度(C1)へ変化させる工程が実施されてもよい。第3の溶存気体濃度は、上述した第1の溶存気体濃度よりも低い濃度である。第3の溶存気体濃度は、上述した第2の溶存気体濃度と同じ程度であってもよい。また、第3の溶存気体濃度は、第2の溶存気体濃度よりも高くても低くてもよい。溶存気体濃度の変化は、たとえば、高い溶存気体濃度を有する液体がウエハWが収容されている洗浄槽20に供給されることにより行われる。液体の溶存気体濃度が第3の溶存気体濃度(C3)から第1の溶存気体濃度(C1)に変化している間、液体に対して超音波が継続的に照射される。液体の溶存気体濃度が第3の溶存気体濃度(C3)である時点ではソノルミネッセンスが発生しておらず非発光状態であるが、第3の溶存気体濃度(C3)から第1の溶存気体濃度(C1)になる途中でソノルミネッセンスが発生し発光状態になる。
次に、溶存気体濃度を第1の溶存気体濃度(C1)から第2の溶存気体濃度(C2)へ変化させる工程が実施される。液体中の溶存気体濃度が第1の溶存気体濃度(C1)から第2の溶存気体濃度(C2)まで変化している間、液体に超音波が継続的に照射される。また、液体に超音波が照射されている間、ソノルミネッセンス発生状態が継続していてもよい。
なお、液体調整工程(S30)において、液体の屈折率の空間変化率測定工程(S20)が継続されていても構わない。具体的には、液体の溶存気体濃度を変化させている間、屈折率の空間変化率が測定されても構わない。
好ましくは、液体調整工程(S30)は、液体の屈折率の空間変化率測定工程(S20)において測定された液体の屈折率の空間変化率に基づいて、液体において窒素を含む気泡が発生し続ける状態が実現するように液体が調整される。具体的には、超音波を照射しない場合と比較して液体の屈折率の空間変化率の大きい領域が、超音波の進行方向に沿って出現するように、液体調整機構45によって液体の溶存気体濃度が調整される。より詳細には、図3に示したシュリーレン装置を用いて、超音波を照射しない場合と比較して、カメラ92によって観測されるナイフエッジ90を通過した透過光94の明るさが暗くなるように液体の溶存気体濃度が調整される。なお、カメラ92によって観測される透過光94の暗い部分と明るい部分が、超音波の進行方向(図1における上下方向)に沿って交互に出現するように液体が調整されても構わない。
本実施の形態においては、液体調整工程(S30)を行った後に、液体中に霧状の気泡(foggy bubbles)が発生する。当該霧状の気泡は、液体に溶存していた気体(本実施の形態では窒素)を含む気泡である。このようにして、窒素を含む気泡が発生し続ける状態が実現する。
なお、液体準備工程(S10)において、直接、窒素を含む気泡が発生し続ける状態が実現している液体が準備されても構わない。この場合、液体調整工程(S30)を省略することができる。
本実施の形態の超音波洗浄方法において、液体調整工程(S30)の後に、ソノルミネッセンスが発生する。ソノルミネッセンスは、図2で示したようなイメージインテンシファイアや光電子倍増管により検知することができる。なお、液体調整工程(S30)においては、液体において窒素を含む気泡が発生し続ける状態を実現することができればよく、液体においてソノルミネッセンスが発生していなくても構わない。
次に、洗浄工程(S40)が実施される。洗浄工程では、窒素を含む気泡が発生し続ける状態において洗浄対象物であるウエハWが洗浄される。洗浄工程では、超音波を照射しない場合と比較して気体が溶存された液体の屈折率の空間変化率の大きい領域が超音波の進行方向に沿って出現するようにして洗浄対象物であるウエハWが洗浄される。洗浄工程ではソノルミネッセンスが発生していることが好ましい。
次に、超音波を照射しない場合と比較して液体の屈折率の空間変化率の大きい領域が超音波の進行方向に沿って出現するようにして洗浄対象物を洗浄した場合、安定的に高いパーティクル除去率が得られるメカニズムの仮説について説明する。
液体中において超音波によってパーティクルが除去されるメカニズムには、キャビテーション現象が関連していると考えられる。キャビテーション現象とは、液体の微小領域における圧力変動(密度変動)により気泡が発生し続ける現象であると考えられる。当該キャビテーション現象が液体中で効率的に発生している場合に、効率的にパーティクルが除去されると考えられる。
また、当該キャビテーション現象が効率的に発生している場合、液体の密度変動に伴う屈折率の空間変化が発生し、当該屈折率の空間変化がたとえば上述したシュリーレン装置により観測されると考えられる。上述したように当該屈折率の空間変化率は、液体の透過光94の明るさによって観測可能である。つまり、たとえば透過光94の明るさを観測しながら屈折率の空間変化率を調整することにより、安定的に高いパーティクル除去率を有する状態を実現することができると考えられる。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る超音波洗浄方法においては、超音波を照射しない場合と比較して気体が溶存された液体の屈折率の空間変化率の大きい領域が、超音波の進行方向に沿って出現するように液体に超音波を照射しながら洗浄対象物が洗浄される。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を得ることができる。
また、本実施の形態に係る超音波洗浄方法においては、液体の屈折率の空間変化率を測定する工程は、液体に超音波が照射されている状態で、液体に対して平行光線を照射しながら液体を透過した第1の透過光を観測する工程と、液体に超音波が照射されていない状態で、液体に対して平行光線を照射しながら液体を透過した第2の透過光を観測する工程と、第1の透過光および第2の透過光の明るさを比較する工程とを含む。これにより、液体の状態を確認することができる。
さらに、本実施の形態に係る超音波洗浄方法において、洗浄対象物を洗浄する工程では、空間変化率に基づいて、液体において気体を含む気泡が発生し続ける状態が実現するように液体が調整される。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を有する液体を効率的に調整することができる。
本実施の形態に係る超音波洗浄装置100は、液体の屈折率の空間変化率を測定可能な機器を有している。これにより、液体の状態を確認することができる。
また、本実施の形態に係る超音波洗浄装置100は、空間変化率に基づいて、液体において気体を含む気泡が発生し続ける状態を実現可能な調整機構を有している。これにより、安定的に高いパーティクル除去率を有する液体を効率的に調整することができる。
本実験の目的は、本発明に係る洗浄方法と比較例に係る洗浄方法とを用いてウエハWを洗浄し、ウエハWに付着しているパーティクルの除去率の違いを検証することである。
まず、本実験に用いられる洗浄装置について図1を用いて説明する。実験に用いられる洗浄槽20として、厚みが3.0mmの石英ガラスにより構成された角型水槽を使用した。水槽の、内寸を幅270mm×奥行き69mm×高さ285mmとした。底壁を構成する板材の厚みを4.0mmとした。洗浄槽20の容量を5リットルとした。
洗浄槽20に供給手段10から供給される洗浄液(混合超純水)の量を5リットル/分とした。また、照射手段30から照射される超音波の周波数を750kHzとし、出力を1200W(ワット密度5.6W/cm2)とした。また、照射手段30における振動板の輻射面のサイズを80mm×270mmとした。照射手段30から出射される超音波は洗浄槽20の底面全体に照射される。
窒素ガスを溶存させた超純水の供給量を調節する第1供給弁11と脱気水の供給量を調節する第2供給弁12を操作することにより、窒素が溶存された超純水を5リットル/分で洗浄槽20に供給した。溶存窒素濃度はモニタリング手段40により水槽内の超純水をサンプリングして測定した。
次に、パーティクル除去率の測定に用いられる洗浄対象物について説明する。
洗浄対象物としては、直径200mmのP型シリコンウエハが用いられた。P型シリコンウエハのミラー面に二酸化ケイ素粒子をスピンコートにより付着させた。付着量は、110nm以上の粒子で2000〜3000個であった。
次に、パーティクル除去率の測定方法について説明する。
二酸化ケイ素粒子が付着されたウエハを水槽内に浸漬し10分間洗浄した。その後、ウエハをスピンドライヤーで2分間乾燥した。パーティクル除去率は、洗浄後に減少したパーティクルの個数を洗浄前のウエハに付着していたパーティクルの個数で除した値をパーセント表示したものとして求められる。なお、パーティクル付着量測定には、日立ハイテクノロジー製LS6500を使用した。
(本発明例)
本発明例に係る洗浄方法について説明する。まず、溶存窒素濃度が15ppmに調整された洗浄液が準備された。次に、溶存窒素濃度が15ppmの状態で当該洗浄液に照射手段30から超音波が照射された。照射される超音波の周波数を750kHzとし、出力を1200Wとした。超音波を洗浄液に照射しながら、溶存窒素濃度を15ppmから6ppmに変化させた。溶存窒素濃度を変化させる途中で、洗浄液において霧状の気泡が発生した。この時点でシュリーレン装置により液体を通過した透過光94を観測すると、超音波を照射しない場合に観測される透過光94よりも暗い部分が超音波の進行方向に沿って出現していることが確認された。当該霧状の気泡が発生した液体に洗浄対象物である二酸化ケイ素粒子が付着したウエハWを浸漬し、10分間の洗浄を実施し、その後ウエハWをスピンドライヤーで2分間乾燥した。
(比較例)
次に、比較例に係る洗浄方法について説明する。まず、溶存窒素濃度が1.8ppmに調整された洗浄液が準備された。次に、溶存窒素濃度が1.8ppmの状態で当該洗浄液に照射手段30から超音波が照射された。照射される超音波の周波数を750kHzとし、出力を1200Wとした。超音波を洗浄液に照射しながら、溶存窒素濃度を1.8ppmから6ppmに変化させた。この時点でシュリーレン装置により液体を通過した透過光94を観測すると、超音波を照射しない場合に観測される透過光94よりも暗い部分が超音波の進行方向に沿って出現していないことが確認された。当該液体に洗浄対象物である二酸化ケイ素粒子が付着したウエハWを浸漬し、10分間の洗浄を実施し、その後ウエハWをスピンドライヤーで2分間乾燥した。
(パーティクル除去率)
次に、パーティクル除去率の結果を説明する。比較例の洗浄方法によるパーティクル除去率は18.8%であった。一方、本発明例の洗浄方法によるパーティクル除去率は30.5%であった。この実験により、超音波を照射しない場合に観測される透過光94よりも暗い部分(つまり洗浄液の屈折率の空間変化率の大きい領域)が、超音波の進行方向に沿って出現するように洗浄液に超音波を照射しながらウエハWを洗浄すると、高いパーティクル除去率が得られることが確認された。
本実験の目的は、洗浄液に霧状の気泡が発生するための溶存窒素濃度の範囲を調べることである。
まず、溶存窒素濃度が1.9ppm、4.9ppm、6.0ppm、7.8ppm、9.6ppm、11.0ppm、15.7ppmの7種類の洗浄液を準備した。当該7種類の洗浄液の各々に対して超音波を照射しながら撹拌子を回転させることにより洗浄液を撹拌した。撹拌子の回転数を1400rpmとした。照射される超音波の周波数を750kHzとし、出力を1200Wとした。洗浄液を撹拌した後、洗浄液に霧状の気泡が発生するかどうかを観察した。
本実験の結果を、図5を参照して説明する。なお、本明細書において洗浄液に霧状の気泡が発生している状態をMode−Aと呼び、洗浄液に霧状の気泡が発生していない状態をMode−Bと呼ぶ。またMode−Aはパーティクル除去率が30.0%程度と高い状態のことであり、Mode−Bはパーティクル除去率が18.8%程度と低い状態のことである。Mode−Aのときに、シュリーレン装置により液体を通過した透過光94を観測すると、超音波を照射しない場合に観測される透過光94よりも暗い部分が超音波の進行方向に沿って出現していることが確認された。また、Mode−Bのときに、シュリーレン装置により液体を通過した透過光94を観測すると、超音波を照射しない場合に観測される透過光94よりも暗い部分が超音波の進行方向に沿って出現していないことが確認された。
溶存窒素濃度が4.9ppm以下の場合、洗浄液には霧状の気泡が観測されなかった(Mode−B)。また、溶存窒素濃度が6.0ppm以上9.6ppm以下の場合、撹拌子で洗浄液を撹拌する前は洗浄液に霧状の気泡が発生しなかった(Mode−B)が、撹拌子で洗浄液を撹拌した後は洗浄液に霧状の気泡が発生した(Mode−A)。さらに、溶存窒素濃度が11.0ppm以上15.7ppm以下の場合、撹拌子で洗浄液を撹拌する前後において洗浄液に霧状の気泡が発生していた(Mode−A)。以上の実験により、洗浄液の溶存窒素濃度が、5ppm以上11ppm未満の場合において、洗浄液を撹拌することによって、洗浄液の状態をMode−BからMode−Aに変化することができると考えられる。また、洗浄液の溶存窒素濃度が5ppm以上の場合において、Mode−Aが実現可能であると考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 供給手段、11 第1供給弁、12 第2供給弁、20 洗浄槽、21 間接水槽、22 保持部、23 液導入管、30 照射手段、40 モニタリング手段、41 抽出管、42 ポンプ、43 溶存窒素濃度計、50 暗室、60 発光検出装置、61 画像処理装置、71 機器、80 光源部、81 ナイフエッジ部、82 光源、83,84 コンデンサレンズ、85 スリット、86,89 平面鏡、87,88 凹面鏡、90 ナイフエッジ、91 望遠レンズ、92 カメラ、93 入射光、94 透過光、100 超音波洗浄装置、W ウエハ。

Claims (9)

  1. 気体が溶存された液体に超音波を照射することにより前記液体中の洗浄対象物を洗浄するための超音波洗浄方法であって、
    前記気体が溶存された前記液体を準備する工程と、
    前記超音波を照射しない場合と比較して前記気体が溶存された前記液体の屈折率の空間変化率の大きい領域が、前記超音波の進行方向に沿って出現するように前記液体に前記超音波を照射しながら前記洗浄対象物を洗浄する工程とを備え
    前記液体を準備する工程において、前記超音波を照射しない場合と比較して前記気体が溶存された前記液体の屈折率の空間変化率の大きい領域が、前記超音波の進行方向に沿って出現するように前記液体の溶存気体濃度が調整される、超音波洗浄方法。
  2. 前記液体の屈折率の空間変化率を測定する工程を備えた、請求項1に記載の超音波洗浄方法。
  3. 前記液体の屈折率の空間変化率を測定する工程は、
    前記液体に前記超音波が照射されている状態で、前記液体に対して平行光線を照射しながら前記液体を透過した透過光を観測する工程を含む、請求項2に記載の超音波洗浄方法。
  4. 前記液体の屈折率の空間変化率を測定する工程は、
    前記液体に前記超音波が照射されている状態で、前記液体に対して平行光線を照射しながら前記液体を透過した第1の透過光を観測する工程と、
    前記液体に前記超音波が照射されていない状態で、前記液体に対して平行光線を照射しながら前記液体を透過した第2の透過光を観測する工程と、
    前記第1の透過光および前記第2の透過光の明るさを比較する工程とを含む、請求項2に記載の超音波洗浄方法。
  5. 前記洗浄対象物を洗浄する工程では、前記液体において前記気体を含む気泡が発生し続ける状態で前記洗浄対象物が洗浄される、請求項2〜4のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
  6. 前記洗浄対象物を洗浄する工程は、ソノルミネッセンスが発生する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
  7. 前記気体は窒素であり、前記液体の溶存気体濃度は5ppm以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波洗浄方法。
  8. 気体が溶存された液体に超音波を照射することにより前記液体中の洗浄対象物を洗浄するための超音波洗浄装置であって、
    前記液体に前記超音波を照射可能な照射手段と、
    前記液体を収容可能な容器と、
    前記液体の屈折率の空間変化率を測定可能な機器と、
    前記超音波を照射しない場合と比較して前記気体が溶存された前記液体の屈折率の空間変化率の大きい領域が、前記超音波の進行方向に沿って出現するように前記液体を調整可能な調整機構とを備えた、超音波洗浄装置。
  9. 前記調整機構は、前記液体において前記気体を含む気泡が発生し続ける状態を実現可能である、請求項8に記載の超音波洗浄装置。
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