JP5453260B2 - 被膜形成歯科用組成物及び関連する方法 - Google Patents

被膜形成歯科用組成物及び関連する方法 Download PDF

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Description

(発明の分野)
本出願は、歯科用組成物に関し、より詳細には、被験者の口腔内でのバイオフィルムの形成を阻害する被膜形成歯科用組成物及び方法に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2007年7月25日に出願された米国特許仮出願第60/951,758号の優先権を主張し、その全体が本明細書中に参照により組み込まれる。
ミュータンス連鎖球菌のようなバクテリアを含み得る歯垢は、口腔内の表面で形成されるバイオフィルムを含む。歯垢は、虫歯、歯肉炎、歯周病の原因の少なくとも一部である。歯垢中のバクテリアは、炭水化物(例えば、単糖)を口内で代謝し、歯のエナメル質を腐食し得る酸を生成する。こうして象牙質が露出し、その結果、バクテリアによって侵され得る。歯垢は、歯石又は結石の沈着における支持体として機能し得る。結石が蓄積されることで、歯肉炎が引き起こされ、最終的には歯周病が引き起こされ得る。歯から歯石を除去する現在利用できる方法は、例えば、デンタルフロス又は歯ブラシを用いた機械的除去である。歯ブラシは、露出した歯の表面から歯垢を除去するのに役立つことができ、デンタルフロスは、例えば、歯間及び歯肉縁下表面から歯垢を除去するのに役立つことができる。デンタルフロス及び歯ブラシを適切に常用することで、歯垢を機械的に除去又は低減し、虫歯、歯肉炎、及び歯周病の発生率を低減できる。歯垢、虫歯、歯肉炎、及び歯周病の制御及び治療を助けるために、特定の抗菌性製剤が、(例えば、マウスウォッシュ、リンス、及び練り歯磨きの形態で)入手可能である。
上述するように、デンタルフロス及び歯ブラシを適切に常用することで、歯垢及び虫歯の発生率を低減できる。しかしながら、デンタルフロス及び歯ブラシは、いつも適切に常用されているわけではない。更には、歯垢のようなバイオフィルムマトリックスは、抗菌性化合物の保護効果からバクテリアを分離する一因となるため、マウスウォッシュ、リンス、及び練り歯磨きのような抗菌性製剤の機能を妨げる可能性がある。その結果、機械的に歯垢を除去する方法ではなく、歯垢を制御又は予防する代替的な方法が望まれている。したがって、我々は、特に、口腔内でのバイオフィルムの形成を阻害する化合物及び方法に対する必要性があることを認識している。
1つの態様では、本発明は、a)式I:
(式中、R、R、及びRは、独立してOH及びNRからなる群から選択され、RはOH、OP(O)(OH)、OSOH及びNRからなる群から選択され、R及びRは、独立して水素原子、アルキル基、C(O)R、及びSOからなる群から選択され、R及びRは、独立してアルキル基、アリール基、及びアラルキル基からなる群から選択され、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはNRである)で表される少なくとも1つの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩と、b)結合剤とを含む歯科用組成物を提供する。いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、被膜形成歯科用組成物である。歯科用組成物は、溶液、分散液、懸濁液、エマルション、固体、ペースト、泡、又はゲルの形態であってよい。いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、無機アニオン、有機アニオン、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの対イオンを有する薬剤として許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、対イオンは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、テトラアリールホウ酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、及びこれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、NRは、アミノ基であってよく、ここで、R及びRは、独立して水素原子及びアルキル基からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NRは、カルボキシアミド基又はスルホンアミド基であってよく、ここで、Rは、それぞれ、C(O)R又はSOであり、Rは、水素原子又はアルキル基である。特定の実施形態では、Rは、C(O)R又はSOであり、Rは、約1〜約20個の炭素原子を有するアルキル基である。いくつかの実施形態では、NRは、カルボキシイミド基であってよく、ここで、R及びRは、それぞれC(O)Rである。いくつかの実施形態では、NRは、スルホンイミド基であってよく、ここで、R及びRは、それぞれSOである。特定の実施形態では、Rは、C(O)Rであってよく、RはSOであってよい。様々な実施形態では、R及びRは、独立してアルキル基、アリール基、及びアラルキル基からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、リン酸エステル基、OP(O)OHである。他の実施形態では、Rは、硫酸エステル基、OSOHである。いくつかの実施形態では、RはNRである。RがNRであるとき、R及びRは、独立して水素原子及びアルキル基からなる群から選択されてよく、R及びRはOHであってよく、RはOH、若しくはOP(O)OHのいずれかであってよい。いくつかの実施形態では、R、R、及びRはOHである。
歯科用組成物は、治療用歯科組成物であってよい。歯科用組成物はバイオフィルム阻害組成物であり、即ち、バイオフィルムの形成を阻害するのに有用である。組成物は、歯垢の形成、より詳細には、被験者の口腔内での歯垢の形成を阻害するのに特に有用である。
組成物の結合剤成分は、被膜形成ポリマーを含む、任意のポリマーからなることができる。結合剤成分は、付加ポリマー及び縮合ポリマーのうちの少なくとも1つからなってよい。いくつかの実施形態では、結合剤は、アクリルポリマー、ビニルポリマー、エポキシポリマー、ポリ尿素、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリウレタン、又はこれらの組み合わせであってよい。典型的には、結合剤は、アクリルポリマー、即ち、アクリル酸又はメタクリル酸のうちの少なくとも1つのエステルを重合又は共重合することで形成されるポリマーを含む。
本発明の特定の実施では、歯科用組成物は、エタノールのような薬剤として許容されるキャリアを更に含んでよい。1つの実施形態では、キャリアは水を含む。更に、歯科用組成物は、香味剤、着色剤、又はその両方を任意で含んでよい。
他の態様では、本発明は、被験者の口腔の表面でのバイオフィルムの形成を阻害する方法を提供し、この方法は、(1)式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩、及び結合剤を含み、被膜形成組成物である組成物を提供する工程と、(2)被験者の口腔内の表面にその組成物を適用する工程とを含む。典型的には、被験者は、ヒト若しくはヒト以外の動物又は哺乳類である。適用する工程としては、浸潤、挿入、すすぎ、噴霧、ブラッシング、スワブ、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、方法としては、組成物を口腔内の硬表面(例えば、歯)に適用する工程が挙げられる。
更に他の態様では、本発明は、(1)式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩と、結合剤を含み、被膜形成組成物である組成物と、(2)適用補助具とを含むキットを提供する。適用補助具は、容器、噴霧器、ブラシ、スワブ、トレイ、又はこれらの組み合わせであることができる。
この課題を解決するための手段は、本発明のそれぞれかつ全ての実施形態又は実施を記載することを意図するものではない。本発明の更なる実施形態、特徴及び利点は、本発明の実施形態についての以下の「発明を実施するための形態」及び「特許請求の範囲」から明らかになるであろう。
本出願のいくつかの箇所で、実施例の一覧として説明を提供するが、実施例は各種組み合わせにて使用することが可能である。いずれの場合にも、記載した一覧は、代表的な群としてのみ役立つものであり、排他的な一覧として解釈されるべきではない。
本明細書で使用するとき、
用語「含む」及びこの変形は、これらの用語が現れる説明及び請求項を制限する意図を持たない。
端点による数の範囲の任意の列挙には、その範囲内に包含される全ての数が含まれる(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5など)。
用語「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は交換可能に使用される。したがって、組成物は、式Iの「1つの」化合物を含む組成物は、組成物が式Iの「1つ以上の」化合物を含むことを意味すると解釈できる。
用語「歯科用組成物」は、被験者の口腔内で使用するための組成物を指す。
用語「結合剤」は、ポリマー又はオリゴマーの結合剤化合物を指す。
用語「被膜形成」は、化合物、結合剤、ポリマー、又は組成物が、実質的に溶媒又はキャリアを含まないときに、実質的に連続被膜であるという、化合物、結合剤、ポリマー、又は組成物の特性を指す。
用語「治療用」は、病気又は病状を予防、改善、治療、向上、又は治癒することを指す。
用語「バイオフィルム」は、バクテリアを含むマトリックスを指す。
用語「バイオフィルム阻害」は、バイオフィルムの形成又は成長を制限することを指す。
用語「アクリルポリマー」は、アクリル酸又はメタクリル酸のうちの少なくとも1つのエステルを重合又は共重合することで形成されるポリマーを指す。
用語「硬表面」は、骨、歯のエナメル質、象牙質、歯科修復物のような硬質材料を含む、口腔内の表面を指す。
用語「歯科修復物」は、充填、インレー、オンレー、ベニヤ、テンポラリー及びパーマネントクラウン又はブリッジ、インプラント、又はブラケット若しくはアーチワイヤのような矯正装置を指す。
1つの態様では、本発明の歯科用組成物は、式I:
(式中、
、R、及びRは、独立してOH及びNRからなる群から選択され、RはOH、OP(O)(OH)、OSOH、及びNRからなる群から選択され、R及びRは、独立して水素原子、アルキル基、C(O)R、及びSOからなる群から選択され、R及びRは、独立してアルキル基、アリール基、又はアラルキル基からなる群から選択され、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはNRである)で表される少なくとも1つの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩を含む。
式Iの化合物はキラル炭素原子を含むことが認識されている。簡略化のために、式Iでは、キラル炭素原子のそれぞれについての立体化学的形状を特定しない。式Iは、本明細書及び特許請求の範囲で用いられるとき、任意の可能な立体化学的形状を有する化合物のそれぞれを表すことを意図する。
式Iでは、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは、NRである。R、R、及びRは、独立してOH及びNRからなる群から選択される。R、R、及びRのそれぞれはOHであってよく、R、R、及びRのうちの任意の2つはOHであってよく、又はR、R、及びRのうちの任意の1つはOHであってよい。R、R、及びRのそれぞれは、NRであってよく、R、R、及びRのうちの任意の2つは、NRであってよく、又はR、R、及びRのうちの任意の1つは、NRであってもよい。RはOH、OP(O)(OH)、OSOH、及びNRからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、RはOHである。他の実施形態では、Rは、OP(O)(OH)である。他の実施形態では、Rは、OSOHである。他の実施形態では、Rは、NRである。
及びRは、独立して水素原子、アルキル基、C(O)R、及びSOからなる群から選択される。R及びRのそれぞれは、水素原子であってよく、R及びRのそれぞれは、アルキル基であってよく、R及びRのそれぞれは、C(O)Rであってよく、又はR及びRのそれぞれは、SOであってよい。いくつかの実施形態では、Rは、水素原子であってよく、Rは、アルキル基、C(O)R、又はSOであってよい。他の実施形態では、Rは、アルキル基であってよく、Rは、C(O)R、又はSOであってよい。更に他の実施形態では、Rは、C(O)Rであってよく、Rは、SOであってよい。R及びRのいずれか又は両方がアルキル基であるとき、アルキル基は、約1個の炭素原子、約1個を超える炭素原子、約2個を超える炭素原子、約4個を超える炭素原子、約6個を超える炭素原子、約8個を超える炭素原子、約10個を超える炭素原子、約12個を超える炭素原子、約14個を超える炭素原子、約16個を超える炭素原子、又は約18個を超える炭素原子を含んでよい。いくつかの実施形態では、アルキル基は、約30個未満の炭素原子、約26個未満の炭素原子、又は約20個未満の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基は、直鎖アルキル基を含む。他の実施形態では、アルキル基は、分岐状アルキル基を含む。更に他の実施形態では、アルキル基は、環状アルキル基を含む。R及びRのそれぞれがアルキル基を含むとき、R及びRは、同じアルキル基を含んでよく、又はR及びRは、異なるアルキル基を含んでもよい。アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、1−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロペニル、及びシクロオクチルが挙げられる。
及びRは、独立してアルキル基、アリール基、又はアラルキル基からなる群から選択される。R又はRのいずれか又は両方がアルキル基であるとき、アルキル基は、約1個の炭素原子、約1個を超える炭素原子、約2個を超える炭素原子、約4個を超える炭素原子、約6個を超える炭素原子、約8個を超える炭素原子、約10個を超える炭素原子、約12個を超える炭素原子、約14個を超える炭素原子、約16個を超える炭素原子、又は約18個を超える炭素原子を含んでよい。いくつかの実施形態では、アルキル基は、約30個未満の炭素原子、約26個未満の炭素原子、約22個未満の炭素原子、又は約20個未満の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基は、直鎖アルキル基を含む。他の実施形態では、アルキル基は、分岐状アルキル基を含む。更に他の実施形態では、アルキル基は、環状アルキル基を含む。式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩では、R及びR基の両方が存在するとき、かつR及びRのそれぞれがアルキル基を含むとき、R及びRは、同じアルキル基を含んでよく、又はR及びRは、異なるアルキル基を含んでもよい。アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、1−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロペニル、及びシクロオクチルが挙げられる。
又はRのいずれか又は両方がアリール基であるとき、アリール基は、1個のアレーン環又は1個を超えるアレーン環を含んでよい。アレーン環は、6個以下の炭素原子、8個以下の炭素原子、10個以下の炭素原子、12個以下の炭素原子、14個以下の炭素原子、16個以下の炭素原子、又は18個以下の炭素原子を含んでよい。アレーン環は、ヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、又は硫黄を含んでよい。1個を超えるアレーン環がアリール基中に存在する場合、アレーン環はともに融合することができ、又は化学結合により結合することができる。式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩では、R及びR基の両方が存在するとき、かつR及びRのそれぞれがアリール基を含むとき、R及びRは、同じアリール基を含んでよく、又はR及びRは、異なるアリール基を含んでもよい。アリール基の非限定的な例としては、置換及び非置換フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アントラセニル、及びビフェニルが挙げられる。
又はRのいずれか又は両方がアラルキル基であるとき、アラルキル基は、1個のアレーン環又は1個を超えるアレーン環を含んでよい。アラルキル基は、6個以下の炭素原子、8個以下の炭素原子、10個以下の炭素原子、12個以下の炭素原子、14個以下の炭素原子、16個以下の炭素原子、18個以下の炭素原子、又は20個以下の炭素原子を含んでよい。1個を超えるアレーン環がアラルキル基中に存在するとき、アレーン環は、ともに融合することができ、又は化学結合により結合することができる。アレーン環は、ヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、又は硫黄を含んでよい。式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩では、R及びR基の両方が存在するとき、かつR及びRのそれぞれがアラルキル基を含むとき、R及びRは、同じアラルキル基を含んでよく、又はR及びRは、異なるアラルキル基を含んでもよい。アラルキル基の非限定的な例としては、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−ナフチルエチル、及び9−アントラセニルメチルが挙げられる。
いくつかの実施形態では、Rは、NRであり、この場合、R及びRは、それぞれ水素原子であり、R、R、及びRは、それぞれOHである。いくつかの実施形態では、薬剤として許容される塩は、塩化アンモニウム塩及び硫酸アンモニウム塩から選択される。いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、式II、式III又は式IVの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、塩は、塩化アンモニウム塩又は硫酸アンモニウム塩を含む。
いくつかの実施形態では、Rは、NRであり、この場合、R及びRは、それぞれ水素原子であり、R及びRは、それぞれOHであり、Rは、OP(O)(OH)である。具体的な実施形態では、歯科用組成物は、式Vの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩を含む。薬剤として許容される塩は、両性イオンを含んでよい。
いくつかの実施形態では、Rは、NRであり、この場合Rは、C(O)Rであり、Rは、12個の炭素原子を有するアルキル基、14個の炭素原子を有するアルキル基、又は16個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、水素原子である。具体的な実施形態では、歯科用組成物は、式VI、式VII、又は式VIIIの化合物を含む。
式II〜VIIIでは、それぞれの環中の5個のキラル炭素原子のうち4個についての立体化学的形状が、結合のための従来の表記法を用いて特定される。それぞれの環の1個のキラル炭素原子についての立体化学的形状は特定されない。式II〜VIIIは、本明細書及び特許請求の範囲で用いられるとき、任意の可能な立体化学的形状を有する化合物のそれぞれを表すことを意図する。有用な化合物は、慣用名、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、D−マンノサミン、D−グルコサミン−6−ホスフェート、N−ドデカノイル−D−グルコサミン、N−テトラデカノイル−D−グルコサミン、及びN−ヘキサデカノイル−D−グルコサミンを有する化合物である。
薬剤として許容される塩としては、アンモニウム塩及びリン酸塩が挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明の歯科用組成物は、アンモニウム塩を含む。他の実施形態では、歯科用組成物は、リン酸塩を含む。特定の実施形態では、歯科用組成物は、同じ化合物又は異なる化合物中にアンモニウム塩及びリン酸塩を含む。アンモニウム塩は、酸とアミンとの反応生成物として、又はアミンとヨードメタン、ブロモエタン、又は臭化ベンジルのようなアルキル化剤との反応生成物として表され得る。リン酸塩は、塩基とリン酸エステルとの反応生成物として表されてよく、ここでリン塩エステルは、少なくとも1つの酸性水素原子を有する。
アンモニウム塩は、例えば、式Iの化合物のようなプロトン化したアミン化合物を含み、式中、NR基(ここで、R及びRは、独立して水素原子又はアルキル基からなる群から選択される)は、無機酸又は有機酸でプロトン化されている。
アンモニウム塩は、例えば、式Iの化合物のようなアルキル化したアミン化合物を含み、式中、NR基(ここで、それぞれのR及びRは、水素原子又はアルキル基からなる群から選択される)は、アルキル化剤でアルキル化されている。
アンモニウム塩は、無機アニオン、有機アニオン、又はアニオンの組み合わせであってよい少なくとも1つの対イオンを含む。アニオンの組み合わせには、1つを超える無機アニオンの組み合わせ、1つを超える有機アニオンの組み合わせ、無機イオンと有機イオンとの組み合わせが挙げられる。無機イオンとしては、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、及びテトラ(アリール)ホウ酸塩が挙げられる。テトラ(アリール)ホウ酸塩は、式Zを有する化合物を含み、ここで、Zは、例えば置換又は非置換のフェニル基のような芳香族基である。テトラ(アリール)ホウ酸塩の例としては、テトラフェニルホウ酸塩、テトラキス(4−メチルフェニル)ホウ酸塩、テトラキス(2−メチルフェニル)ホウ酸塩、テトラキス(1,3,5−トリメチルフェニル)ホウ酸塩、テトラキス(4−フルオロフェニル)ホウ酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩、及びテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ホウ酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。有機アニオンとしては、例えば、アルカン酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、及び酪酸塩など)、安息香酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、及びクエン酸塩が挙げられる。いくつかの実施形態では、有機イオンは、置換又は非置換のトロポロンを含んでよい。
1つの態様では、アンモニウム塩は、式Iの化合物のプロトン化によって形成されてよく、式中、R及びRは、独立して水素原子及びアルキル基からなる群から選択され、無機酸、有機酸、又は無機酸と有機酸との組み合わせを有する。他の態様では、アンモニウム塩は、式Iの化合物のアルキル化によって形成されてよく、式中、R及びRは、独立して水素原子及びアルキル基からなる群から選択され、アルキル化剤を有する。更に他の態様では、アンモニウム塩は、事前に形成されたアンモニウム塩とのイオン交換又はメタセシス反応によって形成されてよい。
リン酸塩は、例えば、式Iの化合物(式中、OP(O)(OH)基は、塩基で脱プロトン化されている)のような脱プロトン化されたリン酸エステル化合物を含んでよい。塩基は、無機塩基、有機塩基、又は無機塩基と有機塩基との組み合わせであってよい。リン酸塩は、金属カチオン、非金属カチオン、又はカチオンの組み合わせであってよい少なくとも1つの対イオンを含む。カチオンの組み合わせとしては、1つを超える金属カチオンの組み合わせ、1つを超える非金属カチオンの組み合わせ、又は金属カチオンと非金属カチオンの組み合わせが挙げられる。金属カチオンとしては、例えば、1A、2A、3B、4B、5B、6B、7B、8B、11B、12B族の金属、及びランタノイドのカチオンが挙げられる。金属カチオンの例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉄、銅、銀、及び亜鉛のカチオンが挙げられる。非金属カチオンとしては、例えば、アンモニウムカチオン及びホスホニウムカチオンが挙げられる。アンモニウムカチオン及びホスホニウムカチオンは、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基を含んでよい。非金属カチオンの例としては、アンモニウムカチオン、モノアルキルアンモニウムカチオン、ジアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルアンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、モノアリールアンモニウムカチオン、ジアリールアンモニウムカチオン、トリアリールアンモニウムカチオン、テトラアリールアンモニウムカチオン、及びテトラアリールホスホニウムカチオンが挙げられる。
1つの態様では、リン酸塩は、少なくとも1つの塩基を有する式Iの化合物中のOP(O)(OH)2基を脱プロトン化することで形成されてよい。他の態様では、リン酸塩は、事前に形成されたリン酸塩とのイオン交換又はメタセシス反応によって形成されてよい。
いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、アンモニウム塩及びリン酸塩の両方を含む化合物を含む。いくつかの実施形態では、アンモニウム塩及びリン酸塩の両方を含む化合物は、両性イオン、即ち、同じ分子中にカチオンとアニオンとを有する化合物を含んでよい。
歯科用組成物は、バイオフィルムの形成を阻害するのに十分な量の式Iの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩を含んでよい。いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、被験者の口腔内でのバイオフィルムの形成を阻害するのに十分な量の式Iの化合物を含んでよい。いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、被験者の口腔内の硬表面上でのバイオフィルムの形成を阻害するのに十分な量の、式Iの化合物を含んでよい。いくつかの実施形態では、硬表面は歯を含んでよい。いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、歯科修復物上でのバイオフィルムの形成を阻害するのに十分な量の式Iの化合物を含んでよい。歯科用組成物は、化合物と、結合剤と、薬剤として許容されるキャリア、香味剤、着色剤のような任意の添加物との総合重量に対して、約40重量パーセントまで、約30重量パーセントまで、約20重量パーセントまで、約16重量パーセントまで、約12重量パーセントまで、約10重量パーセントまで、約6重量パーセントまで、約4重量パーセントまで、約2重量パーセントまで、約1重量パーセントまでの式Iの化合物を含有してよい。歯科用組成物は、化合物と、結合剤と、薬剤として許容されるキャリア、香味剤、着色剤のような任意の添加物との総合重量に対して、約10重量パーセント未満、約5重量パーセント未満、約2重量パーセント未満、約1重量パーセント未満、約0.6重量パーセント未満、約0.4重量パーセント未満、約0.2重量パーセント未満、約0.1重量パーセント未満の式Iの化合物を含んでよい。
いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、約0.5モルまで、約0.3モルまで、約0.15モルまで、約0.1モルまで、約0.05モルまで、約0.03モルまで、約0.02モルまで、約0.01モルまでの濃度の式Iの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩を含んでよい。特定の実施形態では、歯科用組成物は、結合剤中又は薬剤として許容されるキャリア中、化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩のほぼ溶解限度までの濃度の式Iの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩を含んでよい。他の実施形態では、歯科用組成物は、結合剤中又は薬剤として許容されるキャリア中、化合物又はそれらの薬剤として許容される塩のほぼ溶解限度を超える濃度の式Iの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩を含んでよい。
いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、例えば、水、培養ブロス、又は唾液のような培地中、化合物又はそれらの薬剤として許容される塩のほぼ溶解限度までの濃度で式Iの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩を提供してよい。特定の実施形態では、歯科用組成物は、例えば、水、培養ブロス、又は唾液のような培地中、化合物又はそれらの薬剤として許容される塩の溶解限度未満の濃度で式Iの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩を提供してよい。溶解限度は、異なる培地において異なっていてよいことが認識されている。本明細書中で使用するとき、用語、式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩を「ある濃度で提供する」は、化合物又はそれらの薬剤として許容される塩が、例えば、水、培養ブロス、又は唾液のような培地に放出され又は移動し、培地中の化合物又はそれらの塩の濃度となる特性を指す。いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、培地中、約0.5モルまで、約0.3モルまで、約0.15モルまで、約0.1モルまで、約0.05モルまで、約0.03モルまで、約0.02モルまで、約0.01モルまで、約0.005モルまで、約0.002モルまで、又は約0.001モルまでの濃度で式Iの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩を提供してよい。特定の実施形態では、歯科用組成物は、培地中、化合物又はそれらの薬剤として許容される塩のほぼ溶解限度までの濃度で式Iの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩を提供してよい。
歯科用組成物は、口腔内でのバイオフィルムの形成を阻害するのに十分な時間、口腔内の表面に接触してよい。その時間は、約5秒まで、約10秒まで、約30秒まで、約1分まで、約2分まで、約5分まで、約10分まで、約15分まで、約30分まで、又は約60分までであってよい。その時間は、約1ヶ月未満、約2週間未満、約1週間未満、約24時間未満、約20時間未満、約16時間未満、約12時間未満、約10時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約4時間未満、又は約2時間未満であってよい。
歯科用組成物は、被験者の口腔内で見られる少なくとも1種のバクテリアを含むバイオフィルムの形成を阻害するのに十分な量の式Iの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩を含んでよい。いくつかの実施形態では、被験者は、ヒトである。他の実施形態では、被験者は、ヒト以外の動物である。バクテリアとしては、例えば、ミュータンス連鎖球菌及びストレプトコッカス・サングイスが挙げられる。
結合剤
本発明の歯科用組成物は、結合剤を含む。結合剤は、被験者の口腔内に式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩を含む組成物のリザーバを提供し得る。組成物は、結合剤から放出されてよい。結合剤は、被験者の口腔内の表面上又は表面近くに、例えば、表面が組成物にさらされ得るように、式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩を含む組成物を保持し得る。表面は、例えば、歯を含む硬表面であってよい。表面は、歯科修復物であってよい。結合剤は、付加ポリマー、縮合ポリマー、又は付加ポリマーと縮合ポリマーとの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態では、結合剤は、アクリルポリマー、アクリルアミドポリマー、ビニルポリマー、エポキシポリマー、ポリ尿素、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリシロキサン、又はポリウレタンのうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態では、結合剤は被膜形成ポリマーを含む。
いくつかの実施形態では、結合剤はアクリルポリマーを含む。好適なアクリルポリマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸の低級アルキルエステルのポリマー及びコポリマーが挙げられる。本文中、用語「低級アルキル」は、約1〜8個の炭素原子を有する直鎖、環状、又は分枝状のアルキル基を意味する。アクリル酸又はメタクリル酸の低級アルキルエステルの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸シクロへキシルメチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸シクロへキシルメチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸イソオクチルが挙げられる。
アクリルポリマーは、アクリル酸又はメタクリル酸の少なくとも1つの高級アルキルエステルを含んでよい。本文中、用語「高級アルキル」は、約8個を超える炭素原子を有する直鎖、環状、又は分枝状のアルキル基を意味する。アクリル酸又はメタクリル酸の高級アルキルエステルの例としては、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、アクリル酸へキサデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸へキサデシル、メタクリル酸オクタデシル、及びメタクリル酸ベヘニルが挙げられる。
アクリルポリマーは、例えば、酸基、ヒドロキシル基、又はアミノ基を有する少なくとも1つのモノマーを含んでよい。かかるモノマーの限定されない例としては、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びメタクリル酸2−ジメチルアミノエチルが挙げられる。
アクリルポリマーは、少なくとも1つのイオン基を有する少なくとも1つのモノマーを含んでよい。イオン基は、正電荷若しくは負電荷、又は正電荷及び負電荷の両方を有してよい。イオン基としては、例えば、カルボキシレート基、スルホネート基、アンモニウム基、及びホスホニウム基が挙げられる。
アクリルポリマーは、少なくとも1つのマクロモノマーを含んでよい。本明細書中で使用するとき、用語「マクロモノマー」は、少なくとも1つの重合可能な基を含むオリゴマー又はポリマーを指す。マクロモノマーは、例えば、メタクリル酸メチル又はスチレンに由来し得る。代表的なマクロモノマーとしては、ミズーリ州セントルイス(St. Louis)のシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Co.)から入手可能な、メタクリル酸末端ポリ(スチレン)及びメタクリル酸ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルが挙げられる。アクリルポリマーは、例えば、ジメチルシロキサン反復単位を有するシリコーンマクロモノマーのような少なくとも1つのシリコーンマクロモノマーを含んでよい。代表的なシリコーンマクロモノマーとしては、ミズーリ州セントルイス(St. Louis)のシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Co.)から入手可能な、ビニル末端ポリ(ジメチルシロキサン)及びモノグリシジルエーテル末端ポリ(ジメチルシロキサン)が挙げられる。
アクリルポリマーは、フッ化炭素基を含む少なくとも1つのモノマーを含んでよい。フッ化炭素基は、直鎖、分枝状又は環状のフルオロアルキル基であってよいフルオロアルキル基を含んでよい。フッ化炭素基は、直鎖、分枝状又は環状のペルフルオロアルキル基であってよいペルフルオロアルキル基を含んでよい。フッ化炭素基は、フルオロアリール基を含んでよい。フッ化炭素基は、ペルフルオロアリール基を含んでよい。
いくつかの実施形態では、結合剤は反応性ポリマーを含んでよい。本明細書で使用するとき、用語「反応性ポリマー」は、少なくとも1つの反応基、即ち、同じポリマー鎖、もう1つのポリマー鎖(例えば、架橋を形成する)、異なるポリマー、又は表面において、対となる基と共有結合又はイオン結合を形成するために反応することが可能な基を含むポリマーを指す。表面には、例えば歯の表面のような被験者の口腔内の表面が含まれ得る。反応基の例としては、イオン基、イソシアネート基、アルコキシシラン基、ハロシラン基、アシルシラン基、エチレン性不飽和基(例えば、アクリレート基、メタクリレート基、及びビニル基)、エポキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アンモニウム基、カルボキシ基、カルボキシレート基、アズラクトン基、及び無水物基が挙げられる。
いくつかの実施形態では、結合剤は非反応性ポリマーを含んでよい。本明細書で使用するとき、用語「非反応性ポリマー」は、実質的に反応基を含まない、即ち、同じポリマー若しくはもう1つのポリマー又は表面において、対となる基と共有結合又はイオン結合を形成するために反応することができる基を実質的に有さないポリマーを指す。
いくつかの実施形態では、結合剤はヒドロゲルを含んでよい。ヒドロゲルは、熱反応性ヒドロゲル、即ち、温度変化に反応して物理的な変化を受けるヒドロゲルを含んでよい。代表的なヒドロゲル結合剤は、例えば、米国特許第6,620,405号(オクスマン(Oxman)ら)、同第7,223,826号(アリ(Ali)ら)、及び米国特許出願公開第2004/0151691号(オクスマン(Oxman)ら)において開示されている。
代表的な結合剤は、例えば、米国特許第5,130,347号(ミトラ(Mitra))、同第5,525,648号(アーセン(Aasen)ら)、同第5,607,663号(ロッジ(Rozzi)ら)、同第5,662,887号(ロッジ(Rozzi)ら)、同第5,725,882号(クマー(Kumar)ら)、同第5,866,630号(ミトラ(Mitra)ら)、同第5,876,208号(ミトラ(Mitra)ら)、同第5,888,491号(ミトラ(Mitra)ら)、同第6,312,668号(ミトラ(Mitra)ら)及び米国特許出願公開第2004/0185013号(バージオ(Burgio)ら)において開示されている。特定の実施形態では、結合剤は、フッ化物供与性基を含有する反復単位を含む。フッ化物供与性基には、テトラフルオロホウ酸塩が含まれ、例えば、米国特許第4,871,786号(アーセン(Aasen)ら)において開示されている。
代表的なポリシロキサン結合剤は、例えば、米国特許第5,468,477号(クマー(Kumar)ら)において開示されている。いくつかの実施形態では、ポリシロキサンは水中に分散する。特定の実施形態では、水分散性シロキサンポリマーには、例えば、ジカルボン酸基などのカルボン酸基を含むペンダント部分で官能化されるものが含まれる。
いくつかの実施形態では、結合剤は、薬剤として許容されるキャリア又は溶媒中に溶解し得る。いくつかの実施形態では、結合剤は、薬剤として許容されるキャリア又は溶媒中に分散し得る。いくつかの実施形態では、結合剤は、例えば、キャリア又は連続相が水を含むようなラテックス又はエマルションであってよい。特定の実施形態では、ラテックス又はエマルションは、自己乳化結合剤を含んでよい。特定の実施形態では、ラテックス又はエマルションは、界面活性剤を含んでよい。
薬剤として許容されるキャリア
本発明の歯科用組成物は、薬剤として許容されるキャリアを含んでよい。薬剤として許容されるキャリアは、液体、固体、又はその両方を含んでよい。いくつかの実施形態では、キャリアは室温付近で液体であってよい。他の実施形態では、キャリアは室温付近で固体であってよい。いくつかの実施形態では、キャリアは、ヒトの口腔温度付近、即ち、約37℃で液体であってよい。他の実施形態では、キャリアは、ヒトの口腔温度付近で固体であってよい。代表的な液体キャリアとしては、水、アルコール(例えば、エタノール)、グリセロール、ソルビトール、及び液体シリコーンが挙げられる。代表的な固体キャリアとしては、天然ゴム、ブチルゴム、ポリ(イソブチレン)、エラストマー、スチレン−ブタジエンゴム、ポリサッカライドのようなポリマー、及び蝋(例えば蜜蝋)が挙げられる。
歯科用組成物のそれぞれの非キャリア成分は、キャリア中に独立して溶解、分散、懸濁、又は乳化されてよい。いくつかの実施形態では、歯科用組成物の少なくとも1つの成分は、キャリア中に溶解される。いくつかの実施形態では、歯科用組成物の少なくとも1つの成分は、キャリア中に分散される。いくつかの実施形態では、歯科用組成物の少なくとも1つの成分は、キャリア中に懸濁される。いくつかの実施形態では、歯科用組成物の少なくとも1つの成分は、キャリア中に乳化される。
添加剤
いくつかの実施形態では、歯科用組成物は香味剤を含む。いくつかの実施形態では、香味剤は、例えば、ミント風味のような風味を歯科用組成物に付与する薬剤を含む。いくつかの実施形態では、香味剤は、例えば、冷却感のような触感を歯科用組成物に付与する薬剤を含む。香味剤は、歯科用組成物中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化されてよい。歯科用組成物がキャリアを含むいくつかの実施形態では、香味剤は、キャリア中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化されてよい。
いくつかの実施形態では、歯科用組成物は着色剤を含む。着色剤は、任意の染料及び顔料を含むことができる。着色剤は、歯科用組成物中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化されてよい。歯科用組成物がキャリアを含むいくつかの実施形態では、着色剤は、キャリア中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化されてよい。
いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、治療特性を有する添加剤を更に含む。治療特性には、例えば、抗歯垢活性、抗う食活性又は抗菌活性が挙げられる。いくつかの実施形態では、治療特性を有する添加剤は、例えば、エタノールのような薬剤として許容されるキャリアであってよい。抗う食活性を有する添加剤の例としては、例えば、フッ化ナトリウム及びフッ化スズのようなフッ化物源が挙げられる。抗菌活性を有する添加剤の例としては、脂肪酸のグリセロールエステル(例えば、モノラウリン酸グリセリル)、クロロヘキシジンの塩(例えば、グルコン酸クロロヘキシジン)、長鎖アルキルアンモニウム又はピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム)、過酸化水素、フッ化スズ、及びトリクロサンが挙げられる。いくつかの実施形態では、添加剤は、バイオフィルム阻害活性又はバイオフィルム崩壊活性を有してよい。添加剤は、酵素(例えば、デキストラナーゼ)であってよい。添加剤は、精油であってよい。添加剤は、ポリマーであってよい。添加剤は、本願と同日に出願された米国特許仮出願第60/951,761号(代理人整理番号63398US002)に記載される化合物であってよい。
歯科用組成物は、溶液、分散液、懸濁液、エマルション、固体、ペースト、泡、ゲルを含む形態を有してよい。歯科用組成物の任意の成分は、歯科用組成物の任意の他の成分中に独立して溶解、分散、懸濁、又は乳化されてよい。いくつかの実施形態では、成分は相互に可溶性がある(即ち、互いに混和できる)。
歯科用組成物は、式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩と、組成物の少なくとも1つの他の成分とを混合して配合され得る。化合物は、薬剤として許容されるキャリアと混合されてよい。キャリアが液体である場合、化合物は、キャリア中に溶解、分散、懸濁、又は乳化されてよい。キャリアが固体である場合、化合物は、例えば粉砕又は研磨によってキャリアと混合されてよい。1つの態様では、式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩は、他の成分が互いに混合された後で、組成物の他の成分と混合されてよい。他の態様では、式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩などの全成分は、同時に混合されてよい。
方法及びキット
他の態様では、本発明は、被験者の口腔の表面でのバイオフィルムの形成を阻害する方法を提供し、この方法は、(1)式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩、及び結合剤を含み、被膜形成組成物である組成物を提供する工程と、(2)被験者の口腔内の表面にその組成物を適用する工程とを含む。被験者の口腔内の表面としては、例えば、頬面、歯肉表面、歯、歯科修復物、及び骨が挙げられる。組成物は、例えば、浸潤、挿入、すすぎ、噴霧、ブラッシング、スワブ、又はこれらの組み合わせによって、被験者の口腔内に適用されてよい。組成物の噴霧は、例えば、エアゾール又は霧状ミストのような形態の組成物を提供する。被験者はヒトであってよいか、被験者はヒト以外の動物であってよい。ヒト以外の動物としては、イヌ及びネコが挙げられる。
他の態様では、本発明は、(1)式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩、及び結合剤を含み、被膜形成組成物である組成物と、(2)適用補助具とを含むキットを提供する。適用補助具は、容器、噴霧器、ブラシ、スワブ、トレイ、及びこれらの組み合わせであることができる。適用補助具は、任意の寸法であり得る。キットは、1つ以上の適用補助具又は1種類を超える適用補助具(即ち、噴霧器及びブラシ)を含んでよい。キットは、キットを使用するための説明書も含んでよい。
実施例
特に断りのない限り、全ての化合物及び試薬は、ミズーリ州セントルイス(St. Louis)のシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Corp.)から得たか、又は得ることができる。
N−アセチル−D−ガラクトサミンは、オハイオ州ソロン(Solon)のMPバイオメディカルズ(MP Biomedicals)から得た。
β−ゲンチオビオースは、オハイオ州ソロン(Solon)のMPバイオメディカルズ(MP Biomedicals)から得た。
グルコサミン硫酸塩は、オハイオ州ソロン(Solon)のMPバイオメディカルズ(MP Biomedicals)から得た。
マンノサミン塩酸塩は、オハイオ州ソロン(Solon)のMPバイオメディカルズ(MP Biomedicals)から得た。
ラミナリテトラオースは、日本、東京の生化学工業株式会社(Seikagaku Corp.)から得た。
ガラクトサミン塩酸塩は、カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)のEMDケミカルズ社(EMD Chemicals Inc.)から得た。
D−タガロースは、マサチューセッツ州ワードヒル(Ward Hill)のアルファ・エイサー(Alfa Aesar)から得た。
N−アセチルマンノサミンは、マサチューセッツ州ワードヒル(Ward Hill)のアルファ・エイサー(Alfa Aesar)から得た。
定量的なバイオフィルム阻害試験
本発明の歯科用組成物の化合物及び比較化合物を、バイオフィルム阻害活性に関して評価した。歯科修復複合材料(ミネソタ州セントポール(St. Paul)のスリーエム・エスペデンタルプロダクツ(3M ESPE Dental Products)から「フィルテック・スプリーム(FILTEK SUPREME)」の商品名で入手可能)を15ミリメートル×1ミリメートルの鋼製金型に載置した。次に、金型の開口端をポリエステルフィルムで被覆し、液圧プレスを使用して、金型に68.95MPaの圧力をかけた。修復複合材料を含有する金型を圧縮しながら、複合材料をエースモデル(Model ACE)の光源(ニューヨーク州オーバーン(Auburn)のショットノースアメリカ社(SCHOTT North America, Inc.)から入手可能)を使用して、2分間照射した。次に、硬化した修復複合材料のディスクをユニックスモデル(Model UniXS)のライトボックス(ニューヨーク州アーモンク(Armonk)のヘレウスクルツァー社(Heraeus Kulzer, Inc.)から入手可能)を使用して、更に1.5分間硬化した。
次に、硬化した修復複合材料のディスクを、1重量パーセントのスクロース及び1重量パーセントの歯科用組成物の化合物を含有するブレインハートインフュージョンブロスで調製された10ミリリットルのミュータンス連鎖球菌培養液(ATCC 25175:10CFU/mL)に浸漬した。約20時間、37℃で試料をインキュベートした後、硬化したディスクをブロスから取り出し、水で穏やかに濯いだ。それぞれのディスクを、1Mの水酸化ナトリウム水溶液を5ミリリットル含有する個別の試験管に載置し、次に、それぞれの試験管をSH1012−40−8モデルの超音波発生装置(コネチカット州ダンベリー(Danbury)のブランソンウルトラソニック社(Branson Ultrasonics Corp.)製)を使用して2分間超音波分解し、ディスク上のバイオフィルムを除去した。次に、ウルトロスペックIIIモデル(Model ULTROSPEC III)のUV/可視分光光度計(スウェーデン、ウプサラ(Uppsala)のファーマシアAB(Pharmacia AB)製)を使用して、550nmでそれぞれの水酸化ナトリウム水溶液の光学的吸収(光学密度)を測定した。それぞれの歯科用組成物の化合物において、5個のディスクをブロス中で個別にインキュベートし、個別に評価して、5個の光学密度の測定値が提供された。次に、5個の光学密度測定値の平均を計算した。それぞれの例示試料に対応する対照又は比較試料を、ブレインハートインフュージョンブロス中の培養液が歯科用組成物の化合物を含有しないことを除いては実質的に前述の通りに調製した。前述の通りに対照又は比較試料にの平均光学密度を決定した。パーセンテージで表される、それぞれの化合物試料における平均光学密度と対照試料における平均光学密度との比率は、それぞれの化合物試料における平均光学密度を対照試料における光学密度で割り、その結果に100を掛けて計算した。この比率は、5個の硬化したディスク上のバイオフィルムの平均量に比例すると見なされ、即ち、光学密度比率が比較的低いとバイオフィルムの形成が阻害されることを示すと見なされた。対照における比率は100%であった。
定性的なバイオフィルム阻害試験
定性的なバイオフィルム阻害試験の検査中、それぞれの硬化したディスクを、ブロスから取り出した(及び水で濯いだ)後かつ1Mの水酸化ナトリウム水溶液を5ミリリットル含有する試験管に載置する前に目視によって試験した。ディスク上に目に見えるバイオフィルムが存在するか、又は存在しないかを記録した。
バクテリア殺傷率試験
本発明の歯科用組成物の化合物を、培養液におけるバクテリアの殺傷の程度に関して評価した。ブレインハートインフュージョンブロス(10CFU/mL)におけるミュータンス連鎖球菌の一晩培養物を、歯科用組成物のそれぞれの化合物の0.1重量パーセント、0.5重量パーセント、又は1.0重量パーセント水溶液と混合した。2分後、5分後、又は10分後、1.0mLの混合物を9.0mLのレセーンブロスを含有する第1試験管にピペットで移し、10−1希釈液を供給した。ボルテックスミキサーを使用して、試験管の内容物を混合した。この試料の1.0mLアリコートを9.0mLのレセーンブロスを含有する第2試験管にピペットで移し、10−2希釈液を供給した。「ホッケースティック」アプリケータを使用して、それぞれの希釈液の0.1mLアリコートをペトリ皿中のヒツジ血液寒天培地で塗沫培養して複製し、それぞれのプレートにおいてそれぞれ10−2及び10−3希釈液を供給した。48〜72時間にわたって、37℃でプレートをインキュベートし、次にコロニー形成単位を計測した。CFU数を比較し、総計でのlog減少を計算した。
最少阻害濃度(MIC)試験
引き続き、低濃度の化合物を使用してMIC試験を実施した。滅菌トリプシン大豆ブロス(50マイクロリットル;ニュージャージー州フランクリンレイクス(Franklin Lakes)のベクトン・ディッキンソンアンドカンパニー(Becton, Dickinson and Company)のBDディフコ(BD Dfico)から入手可能)を、滅菌ポリスチレン96ウェルマイクロタイタープレートのそれぞれのウェルに沈積させた。次に、化合物(即ち、式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩、若しくは比較化合物)の50マイクロリットルアリコート(既知濃度)をプレートの第1(一番左)段のそれぞれのウェルに沈積させた。プレートの第1列の第1(一番左)ウェルの50マイクロリットルアリコートを、第1列の第2ウェルに移した。次に、第1列の第2ウェルにおける混合物の50マイクロリットルアリコートを、第1列の第3ウェルに移した。プレートの列にわたって、1つのウェルから50マイクロリットルアリコートを次のウェルに移すことで、化合物を連続的に希釈(それぞれの工程において1:1希釈)した。プレートのそれぞれの列において、この手順を繰り返した。次に、ミュータンス連鎖球菌(株ATCC 25175)の一晩培養物を滅菌トリプシン大豆ブロスで1:100に希釈した。希釈したミュータンス連鎖球菌培養物の50マイクロリットルアリコート(10CFU)をマイクロタイタープレートのそれぞれのウェルに沈積させた。次に、密封された加湿チャンバで、プレートを24時間、37℃でインキュベートした。次に、プレートを目視検査し、バクテリア増殖が見られない化合物の最低濃度を判定した。この値を化合物の最少阻害濃度(MIC)と見なした。ミュータンス連鎖球菌の代わりに、黄色ブドウ球菌(株ATCC 6538)及び緑膿菌(株ATCC 9027)を使用して、この試験を繰り返した。
実施例1〜5及び比較例1〜12
バイオフィルム阻害
それぞれ1重量パーセントの濃度の5個の歯科用組成物の化合物及び11個の比較化合物を使用して、定量的なバイオフィルム阻害試験を実施した。例示化合物又は比較化合物を含有しない試料(比較例1)において、参照試験を実施した。更には、それぞれの実施例及び比較例において定性的なバイオフィルム阻害試験を実施し、この試験では、水酸化ナトリウム水溶液を含有する管に載置する前に、それぞれのディスクを目視によって試験した。表1にデータを示す。表1では、「OD率」は、パーセンテージで表される、それぞれの化合物試料における平均光学密度と対照試料における平均光学密度との比率を指し、それぞれの化合物試料における平均光学密度を対照試料における光学密度で割り、その結果に100を掛けて計算し、「+」は、化合物がバイオフィルムの形成を阻害するという視覚的評価を指し、「−」は、化合物がバイオフィルムの形成あるいは培養ブロスにおいてバクテリアが成長するのを阻害しないという視覚的評価を指す。
実施例6〜9
バイオフィルムの形成を阻害する化合物の濃度
1.0、2.5、又は5.0重量パーセントのスクロース及び50ミリモル又は150ミリモルのいずれかの濃度の歯科用組成物の例示化合物を含有するブロスにおいて、4個の歯科用組成物の化合物を使用して、バイオフィルムの阻害試験を実施した。表2にデータを示す。表2では、バイオフィルムの形成が阻害された化合物のミリモル濃度が、それぞれのスクロースの濃度において与えられている。「n/t」の表示は、化合物が、対応するスクロース濃度を含有するブロスで試験されなかったことを意味する。
実施例10〜27
バクテリア殺傷率
表3に列挙される化合物を使用して、バクテリア殺傷率試験を実施した。表3にデータを示す。表3では、バクテリア数減少(log減少)は、初期バクテリア数のlogと、2分後、5分後、及び10分後のバクテリア数のlogとの差である。
実施例28〜36
結合剤含有組成物
実施例28〜30において、グルコサミン−6−リン酸(40.55mg)を、アクリルポリマー(1.0g;米国特許仮出願第60/754,684号の実施例3Bに記載されるように調製)とエタノール(1.0g)との混合物と混合して、第1コーティング溶液を調製した。直径17mmかつ厚さ1mmの3個の硬化したディスクを、ミネソタ州セントポール(St. Paul)のスリーエム・エスペ(3M ESPE)からフィルテックスプリームXTユニバーサルレストラティブ(FILTEK SUPREME XT UNIVERSAL RESTORATIVE)の商品名で入手可能な歯科用複合材料から調製した。それぞれのディスクを秤量し、次にコーティング溶液に浸した。
実施例31〜33において、グルコサミン−6−リン酸(57.0mg)を、ポリマー(0.5g;米国特許第5,130,347号(ミトラ(Mitra)の実施例11に記載されるように調製)、2−プロパノール(1.0g)、及び水(1.0g)と混合して、第2コーティング溶液を調製した。直径17mmかつ厚さ1mmの3個の硬化したディスクを、米国特許出願公開第2003/0114553号に記載されるような歯科用組成物から調製した。それぞれのディスクを秤量し、次にコーティング溶液に浸した。
実施例34〜36において、グルコサミン−6−リン酸(57.0mg)を、ポリマー(0.5g;米国特許第5,130,347号書(ミトラ(Mitra)の実施例11に記載されるように調製)、2−プロパノール(1.0g)、及び水(1.0g)と混合して、第3コーティング溶液を調製した。直径17mmかつ厚さ1mmの3個の硬化したディスクを、ミネソタ州セントポール(St. Paul)のスリーエム・エスペ(3M ESPE)からフィルテックスプリームXTユニバーサルレストラティブ(FILTEK SUPREME XT UNIVERSAL RESTORATIVE)の商品名で入手可能な歯科用複合材料から調製した。それぞれのディスクを秤量し、次にコーティング溶液に浸した。
それぞれの浸したディスクを室温で約12時間風乾し、炉において約37℃で12時間更に乾燥した。次に、それぞれの乾燥したディスクを秤量した。コーティングされたディスクとコーティングされていないディスクとの重量差として、それぞれのディスク上の乾燥したポリマーコーティングの重量を計算した。表4に、データを示す。
実施例37〜45及び比較例13〜15
最少阻害濃度(MIC)
非イオン性界面活性剤(0.9g;ニュージャージー州マウントオリーブ(Mount Olive)のBASF社(BASF Corp.)から入手可能なプルロニック(PLURONIC)F68)を使用して、N−ドデカノイル−D−グルコサミン、N−テトラデカノイル−D−グルコサミン、及びN−ヘキサデカノイル−D−グルコサミンのそれぞれの試料(それぞれ0.100g)を水中(10g)で乳化した。非イオン性界面活性剤(0.9g)と水(10g)とを混合して、参照試料を作製した。ミュータンス連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、及び緑膿菌を用いて上述する最少阻害濃度(MIC)試験を使用して、4個のそれぞれの試料を評価した。表5にデータを示す。表5では、「F68」は、比較例に使用される非イオン性界面活性剤を指し、「なし」は阻害活性がなかったことを意味する。
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する「特許請求の範囲」によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。

本発明は、以下の態様を包含する。
[1]
a)式I:

(式中、
、R 、及びR が、独立してOH及びNR からなる群から選択され、
が、OH、OP(O)(OH) 、OSO H、及びNR からなる群から選択され、
及びR が、独立して水素原子、アルキル基、C(O)R 、及びSO からなる群から選択され、
及びR が、独立してアルキル基、アリール基、又はアラルキル基からなる群から選択される)
で表される少なくとも1つの化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩と、
b)結合剤とを含む歯科用組成物であって、
、R 、R 、及びR のうちの少なくとも1つがNR であり、
被膜形成歯科用組成物である、歯科用組成物。
[2]
前記塩が、無機アニオン、有機アニオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの対イオンを有するアンモニウム塩を含む、上記[1]に記載の歯科用組成物。
[3]
前記対イオンが、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、テトラアリールホウ酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、及びこれらの組み合わせから選択される、上記[2]に記載の歯科用組成物。
[4]
前記塩が、無機カチオン、有機カチオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの対イオンを有するリン酸塩を含む、上記[1]に記載の歯科用組成物。
[5]
前記塩が、アルキル金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、遷移金属カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの対イオンを有するリン酸塩を含む、上記[4]に記載の歯科用組成物。
[6]
が、OP(O)OH である、上記[1]に記載の歯科用組成物。
[7]
前記塩が、両性イオンを含む、上記[6]に記載の歯科用組成物。
[8]
が、C(O)R 及びSO からなる群から選択され、R が、水素原子及びアルキル基から選択される、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[9]
が、1〜約20個の炭素原子を含むアルキル基を含む、上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[10]
及びR が、独立して水素原子及び1〜約4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択される、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[11]
及びR が、独立してC(O)R 及びSO からなる群から選択される、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[12]
が、NR である、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[13]
及びR が、独立して水素原子及びアルキル基からなる群から選択される、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[14]
及びR がOHを含み、R がOH及びOP(O)(OH) からなる群から選択される、上記[1]〜[13]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[15]
、R 、及びR が、OHである、上記[1]〜[13]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[16]
前記歯科用組成物が歯科治療用組成物である、上記[1]〜[15]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[17]
前記歯科用組成物がバイオフィルム阻害組成物である、上記[1]〜[16]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[18]
薬剤として許容されるキャリアを更に含む、上記[1]〜[17]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[19]
前記キャリアがエタノールを含む、上記[18]に記載の歯科用組成物。
[20]
前記組成物が、溶液、分散液、懸濁液、エマルション、固体、ペースト、泡、及びゲルからなる群から選択される形態である、上記[1]〜[19]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[21]
香味剤、着色剤、又はこれらの組み合わせを更に含む、上記[1]〜[20]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[22]
前記結合剤が被膜形成ポリマーを含む、上記[1]〜[21]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[23]
前記結合剤が、付加ポリマー又は縮合ポリマーのうちの少なくとも1つを含む、上記[1]〜[22]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[24]
前記結合剤が、アクリルポリマー、ビニルポリマー、エポキシポリマー、ポリ尿素、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリシロキサン、ポリウレタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、上記[1]〜[23]のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
[25]
前記結合剤が、アクリルポリマーを含む、上記[24]に記載の歯科用組成物。
[26]
被験者の口腔内の表面でのバイオフィルムの形成を阻害する方法であって、
a)上記[1]に記載の歯科用組成物を提供する工程、及び
b)前記組成物を被験者の口腔内の表面に適用する工程、を含む方法。
[27]
前記適用する工程が、浸潤、挿入、すすぎ、噴霧、ブラッシング、スワブ、又はこれらの組み合わせを含む、上記[26]に記載の方法。
[28]
前記表面が硬表面である、上記[26]又は[27]に記載の方法。
[29]
前記硬表面が歯を含む、上記[28]に記載の方法。
[30]
前記被験者が、ヒト又はヒト以外の動物から選択される、上記[26]〜[29]のいずれか一項に記載の方法。
[31]
a)上記[1]に記載の歯科用組成物、及び
b)容器、噴霧器、ブラシ、スワブ、トレイ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの適用補助具
を含む、キット。

Claims (3)

  1. a)式I:

    (式中、
    約4個超かつ約22個未満の炭素原子を有するアルキル基である
    で表される化合物、又はそれらの薬剤として許容される塩と、
    b)結合剤とを含む歯科用組成物であって、
    結合剤が、被膜形成ポリマーであり、
    被膜形成歯科用組成物である、歯科用組成物。
  2. 前記化合物が、

    からなる群より選択される、請求項1に記載の歯科用組成物。
  3. 被験者の口腔内の表面でのバイオフィルムの形成を阻害するための組成物であって、
    a)請求項1に記載の歯科用組成物を提供する工程、及び
    b)前記組成物をその必要のある被験者の口腔内の表面に適用する工程
    を含む方法において用いられる、組成物。
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