JP5452768B2 - 車載情報制御装置及びナビゲーション装置 - Google Patents
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Description
【0001】
この発明は、車両の運転に影響を与える楽曲の再生を制御する車載情報制御装置及びこれを用いたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
英国自動車関連調査プロモーション機関であるRAC Foundationは、車両の運転に影響を与える楽曲を報告している。RAC Foundationの指摘では、一般的に60BPM(Beats Per Minute)を超えるテンポの曲を運転者が聴くと、心拍数と血圧が上がって興奮状態となる。従って、このような楽曲が車内で再生されると、運転時の集中力の低下あるいは決断力の低下を招くおそれがある。また、テンポの遅いクラシック音楽であっても、音の強弱(クレッシェンド又はディミニュエンド)の反復によって車両の運転に影響を与える楽曲となり得る。
【0003】
特許文献1には、車両の運転に影響を与える楽曲を車内で再生する際、当該楽曲の曲調に応じて車載機器の制御を行う車載用制御装置が開示されている。この装置では、車内で楽曲が再生されている際、車速、車速変化量及びアクセル開度の増加量についての傾向を学習し、この車両挙動の学習結果と楽曲の曲調に基づいた属性とを関連付けておく。そして、楽曲の再生中に、属性に基づき特定された車両挙動の学習結果に応じて、車載機器を制御する。例えば、車速が大きくなる傾向とアクセル動作が高頻度で行われる傾向がある曲を聴いている際は、アクセル開度の増加に対するスロットルバルブ開度の増加率が低減するように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】
特開2007−261526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に代表される従来の技術では、車両の運転に影響を与える楽曲であっても、楽曲の再生状態の制御は行わないため、当該楽曲がそのまま再生され、運転者が興奮状態に陥る可能性があるという課題があった。また、特許文献1では、例えば自作の曲のように曲調が登録されていない楽曲に対しては適用することができない。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、車内で再生された楽曲の運転への影響を低減できる車載情報制御装置及びこれを用いたナビゲーション装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る車載情報制御装置は、車載音響装置による楽曲の再生を制御する車載情報制御装置において、楽曲の再生より先に、音楽情報から楽曲の音響特性を表す複数の要素を計測する計測部と、計測部で計測された楽曲の音響特性が、車両の運転に影響を与える曲の音響特性であるか否かを判定する判定部と、判定部により車両の運転に影響を与える曲であると判定された楽曲について、車両の運転に影響を与えない音響特性となるように車載音響装置による楽曲の再生を段階的に制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、車内で再生された楽曲の運転への影響を低減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 この発明の実施の形態1による車載情報制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1の車載情報制御装置による動作を示すフローチャートである。
【図3】 楽曲の音響特性の各要素と運転影響度との対応関係を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による車載情報制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 運転者の生体状態の各要素及び楽曲の音響特性の各要素と運転影響度との対応関係を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態3によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態4によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態5によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態6によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明をより詳細に説明するため、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による車載情報制御装置の構成を示すブロック図である。図1において、実施の形態1の車載情報制御装置1は、計測部2、影響度判定部3、制御部4及び記憶部5を備えており、車載音響装置6による楽曲の再生を制御する。
計測部2は、楽曲の音響特性を計測する構成部であり、ピーク検出部7及び特性スペクトル検出部8を備える。ピーク検出部7は、再生した楽曲で所定の振れ幅を超えるピーク値が単位時間当たりに発生する回数を計測する構成部である。この計測結果から楽曲の再生時における音の強弱の変化回数を検出できる。特定スペクトル検出部8は、再生した楽曲に特定のスペクトルの音が単位時間当たりに発生する回数を計測する構成部である。この計測結果から楽曲のテンポを検出することができる。
【0011】
影響度判定部3は、計測部2から入力した楽曲の音響特性の計測結果に基づいて、車内で再生した際に車両の運転に影響を与える楽曲であるか否かを判定する構成部である。
また、影響度判定部3は、計測部2により計測された楽曲の音響特性を表す各要素の値に応じて、車両の運転に影響を与える度合を示す運転影響度を求める。
制御部4は、車載音響装置6による音楽情報の再生処理を制御する構成部であり、影響度判定部3によって再生対象の楽曲が車両の運転に影響を与える楽曲であると判定された場合、車載音響装置6を制御して楽曲の再生状態を変更するか、あるいは楽曲を再生不可とする。
【0012】
記憶部5は、車載音響装置6で再生対象となり得る音楽情報を記憶する記憶部であり、例えば車載情報制御装置1として機能するコンピュータに搭載されたハードディスクドライブ(HDD)装置が利用される。なお、音楽情報とは、楽曲データ及びその付属情報(曲名、アーティスト名等)を含む情報である。
車載音響装置6は、車内で楽曲を再生する装置であり、記憶部5に記憶される音楽情報の他、記憶メディア9に記憶される音楽情報又は外部入力端子10を介して入力された音楽情報を再生対象とする。
記憶メディア9は、車載音響装置6で読み出し可能な記憶メディアであり、例えば、CD、MD、DVD、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。
外部入力端子10は、外部から情報を入力するために車載音響装置6に設けられた端子であり、外部の音響装置に接続して音楽情報を入力するか、あるいは通信装置と接続して通信ネットワーク経由でダウンロードした音楽情報を入力する場合等に使用される。
【0013】
次に動作について説明する。
図2は、実施の形態1の車載情報制御装置による動作を示すフローチャートであり、車載音響装置6による音楽情報の再生を制御する処理の流れを示している。
先ず、計測部2が、記憶部5に記憶されている音楽情報、もしくは、車載音響装置6で記憶メディア9から読み出した音楽情報、外部入力端子10を介して入力された音楽情報を取得する(ステップST1)。
次に、計測部2は、取得した音楽情報が示す楽曲の音響特性を計測する(ステップST2)。ここでは、ピーク検出部7が、音楽情報が示す楽曲を再生した際に、所定の振れ幅(例えば、60dB)を超えるピーク値が単位時間当たりに発生する回数を計測することにより、楽曲の再生時における音の強弱の変化回数を検出する。
また、特定スペクトル検出部8が、音楽情報が示す楽曲を再生した際に、特定のスペクトル(例えば、20〜200Hz周波数帯域のスペクトル)の音が単位時間当たりに発生する回数を計測して、楽曲のテンポを検出する。
【0014】
次いで、影響度判定部3が、計測部2に計測された楽曲の音響特性に基づいて、楽曲が車両の運転に影響を与える曲であるか否かを判定する(ステップST3)。ここでは、楽曲のテンポは、運転に影響を与える可能性が高いことから、テンポについて優先して判定し、テンポが所定の閾値以下であった場合に、音の強弱の変化回数を判定する。
例えば、特定スペクトル検出部8に検出された楽曲のテンポが、所定の閾値(例えば、60BPM)を超えているか否かが判定される。このとき、楽曲のテンポが60BPMを超えていれば、この楽曲は、車両の運転に影響を与える楽曲であると判定される。
また、楽曲のテンポが60BPM以下であると、ピーク検出部7に検出された音の強弱の変化回数が所定の閾値(例えば、30回/分)を超えているか否かが判定される。
このとき、音の強弱の変化回数が30回/分を超えていれば、この楽曲は、車両の運転に影響を与える楽曲であると判定される。一方、楽曲の音の強弱の変化回数が30回/分以下である場合は、この楽曲は、車両の運転に影響を与える楽曲ではないと判定される。
【0015】
さらに、影響度判定部3は、計測部2に計測された楽曲の音響特性を表す各要素の値に応じて、車両の運転に影響を与える度合を示す運転影響度を求める。すなわち、楽曲のテンポ及び音の強弱の変化回数をそれぞれの閾値と比較した結果に基づいて、この楽曲が運転影響度が算出される。
図3は、楽曲の音響特性の各要素と運転影響度との対応関係を示す図である。図3に示すような対応関係が記述されたテーブルデータは、影響度判定部3に予め設定される。
影響度判定部3は、楽曲の音響特性を表す各要素とそれぞれの所定値(閾値)との比較結果に基づいて、このテーブルデータを参照し、楽曲の音響特性を表す各要素の運転影響度を判別する。図3の例では、楽曲のテンポが所定値(60BPM)を超えた場合には、運転影響度“2”が付与される。また、楽曲の音の強弱の変化回数が所定値(30回/分)を超えた場合には、運転影響度“1”が付与される。これらの要素がいずれも所定値を超えた場合には、各要素の運転影響度の合計を楽曲の運転影響度として決定する。
【0016】
車載情報制御装置1は、楽曲が車両の運転に影響を与える楽曲でないと判定すると(ステップST3;NO)、処理を終了する。
楽曲が運転に影響を与える曲であると判定した場合(ステップST3;YES)、影響度判定部3は、車載音響装置6で再生対象としている楽曲が運転に影響を与える楽曲であること及びその運転影響度を制御部4に通知する。
【0017】
制御部4は、影響度判定部3からの通知内容に基づいて、楽曲の加工(通常とは異なる再生状態で再生させる)か、楽曲の拒絶をするように、車載音響装置6による当該楽曲の再生処理を制御する(ステップST4)。ここでは、楽曲のテンポが所定値を超えている場合、楽曲のテンポを変えて再生させる。例えば、RACで指摘されている60BPMを超えていれば、それより少ない50BPMのテンポで再生させる。
また、楽曲の音の強弱の変化回数が所定値を超えている場合は、音の強弱が少なくなるように再生させる。例えば、ダイナミックレンジコンプレッサの圧縮比を上げ、10dB以上の振れ幅を持つピークの発生回数を1分間当たり20回以内に抑える。
この他、車載音響装置6で楽曲の再生音に対してイコライザやフィルタを掛けるように制御してもよい。例えば、10kHz以上の周波数の音が出ないように制御するか、あるいはピッチシフトで音程を変えるようにしてもよい。
【0018】
また、制御部4は、影響度判定部3に判定された楽曲の運転影響度に応じて、段階的に車載音響装置6による楽曲の再生処理を制御する。
例えば、楽曲の音響特性を表す要素の一つが所定値を超えている場合、上述のように、当該音響特性の要素に関して楽曲の加工を行う。
また、楽曲の音響特性を表す複数の要素が所定値を超えている場合には、各要素に関してそれぞれ楽曲の加工を行う。
さらに、楽曲の音響特性を表す複数の要素が所定値を超えており、これらに対応する運転影響度の合計(楽曲の運転影響度)が所定の閾値を超えていれば、当該楽曲の再生を拒絶をするように車載音響装置6を制御する。
運転影響度に応じた段階的な楽曲の拒絶制御としては、楽曲の運転影響度が高い順に、(a)楽曲の再生を不可能とする又は車載音響装置6における再生対象の楽曲リストから外す、(b)楽曲の再生時に音量制限(一定値以下の音量のみで再生)する。
【0019】
以上のように、この実施の形態1によれば、音楽情報から楽曲の音響特性を計測する計測部2と、計測部2で計測された楽曲の音響特性が、車両の運転に影響を与える曲の音響特性であるか否かを判定する影響度判定部3と、影響度判定部3により車両の運転に影響を与える曲であると判定された楽曲について、車両の運転に影響を与えない音響特性となるように車載音響装置6による楽曲の再生を制御する制御部4とを備える。
このように構成することで、車載音響装置6で再生対象としている楽曲が車両の運転に影響を与える曲であった場合に、楽曲の再生状態が変更されるか、あるいは楽曲の再生が制限される。これにより、運転者が興奮状態に陥ることを抑制でき、ひいては事故を未然に防止することができる。
【0020】
また、この実施の形態1によれば、影響度判定部3が、計測部2で計測された楽曲の音響特性を、車両の運転に影響を与える音響特性の要素ごとの閾値と比較し、車両の運転に影響を与えると判定された音響特性の要素に応じて、当該楽曲の車両の運転に影響を与える度合いを判定し、制御部4が、影響度判定部3により判定された車両の運転に影響を与える度合いに応じて、車両の運転に影響を与えない音響特性となるように車載音響装置6による楽曲の再生を制御する。このように楽曲の音響特性の計測結果に基づいて運転影響度を求めるので、データベースやサーバ等に情報が登録されていない楽曲(独自に作成した楽曲)や、文字情報やヘッダ情報などの付加情報を持たない楽曲(外部再生機器で再生され、音楽データのみが車載音響装置6の外部入力端子10から入力される場合)であっても、楽曲の運転影響度を求めることができる。
【0021】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、楽曲の再生前に計測部2に音楽情報を取り込んで、楽曲の音響特性を計測する場合を示した。この実施の形態2は、楽曲を再生しながら計測部2で楽曲の音響特性を計測する構成について述べる。
図4は、この発明の実施の形態2による車載情報制御装置の構成を示すブロック図である。図4において、実施の形態2の車載情報制御装置1Aは、計測部2A、影響度判定部3A、制御部4及び記憶部5を備え、車載音響装置6による楽曲の再生を制御する。
計測部2Aは、音楽情報が示す楽曲の音響特性と運転者の生体状態を計測する構成部であり、ピーク検出部7、特性スペクトル検出部8、脈拍センサ11a、血圧センサ11b及びカメラ11cを備える。なお、図4において、図1と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0022】
脈拍センサ11aは、ユーザ(運転者)の所定時間内での脈拍数を計測するセンサであり、ユーザの平常時の脈拍数を保存しておき、楽曲が再生されたときの脈拍数との差を算出する。血圧センサ11bは、ユーザの血圧を計測するセンサであり、ユーザの平常時の血圧値を保存しておき、楽曲が再生されたときの血圧値との差を算出する。カメラ11cは、車両の運転席に座っているユーザ(運転者)を撮影するカメラ及びその撮影された映像を画像解析する画像解析部であり、映像を解析して得られた運転席に座っているユーザの平常時の動きの範囲を保存しておき、楽曲が再生されたときの動きの範囲との差を算出する。例えば、運転者の視線が動く範囲を計測する。
【0023】
影響度判定部3Aは、計測部2Aから入力した楽曲の音響特性の計測結果及びユーザの生体状態の計測結果に基づいて、車内で再生した際に車両の運転に影響を与える楽曲であるか否かを判定する構成部である。
また、影響度判定部3Aは、計測部2Aにより計測された楽曲の音響特性を表す各要素の値及びユーザの生体状態を表す各要素の値に応じて、車両の運転に影響を与える度合を示す運転影響度を求める。
【0024】
次に動作について説明する。
(1)運転前又は停車中での楽曲の再生時
ここでは、車載音響装置6で楽曲を再生しているが、運転席に座ったユーザ(運転者)が車両を運転する前もしくは車両を停車させた状態であるものとする。
先ず、計測部2Aが、車載音響装置6で楽曲が再生されている音楽情報を取得する。
次に、計測部2Aは、取得した音楽情報が示す楽曲の音響特性及びユーザの生体状態を計測する。ここでは、上記実施の形態1と同様に、ピーク検出部7が、音楽情報が示す楽曲を再生した際に、所定の振れ幅(例えば、60dB)を超えるピーク値が単位時間当たりに発生する回数を計測することにより、楽曲の再生時における音の強弱の変化回数を検出する。
また、特性スペクトル検出部8が、音楽情報が示す楽曲を再生した際に、特定のスペクトル(例えば、20〜200Hz周波数帯域のスペクトル)の音が単位時間当たりに発生する回数を計測して、楽曲のテンポを検出する。
脈拍センサ11aは、ユーザの所定時間内での脈拍数を計測して、ユーザの平常時の脈拍数との差を算出する。また、血圧センサ11bが、ユーザの血圧を計測して、ユーザの平常時の血圧値との差を算出する。さらに、カメラ11cが、ユーザを撮影した映像を解析して、運転席に座っているユーザの平常時の動きの範囲(例えば、運転者の視線が動く範囲)との差を算出する。
【0025】
次いで、影響度判定部3Aが、計測部2Aにより計測された楽曲の音響特性及びユーザの生体状態の計測結果に基づいて、楽曲が車両の運転に影響を与える曲であるか否かを判定する。ここでは、上記実施の形態1と同様に、楽曲のテンポは、運転に影響を与える可能性が高いことから、テンポについて優先して判定し、テンポが所定の閾値以下であった場合に、音の強弱の変化回数を判定する。
また、楽曲の音響特性がユーザの生体状態に与える影響は、個々のユーザで異なる場合が多い。さらに、ユーザの生体状態は、楽曲の音響特性以外の車内外の環境状況やユーザの体調によって影響を受けて変化する可能性がある。
そこで、楽曲の音響特性及びユーザの生体状態のうち、楽曲の音響特性を表す各要素の判定を優先する。例えば、楽曲の音響特性を表す各要素を閾値と比較して楽曲が車両の運転に影響を与える曲ではないと判定された場合に、ユーザの生体状態を表す各要素を閾値と比較して、楽曲が車両の運転に影響を与える曲であるか否かが判定される。
【0026】
例えば、上記実施の形態1と同様に、特性スペクトル検出部8により検出された楽曲のテンポが、所定の閾値(例えば、60BPM)を超えているか否かが判定される。このとき、楽曲のテンポが60BPMを超えていれば、この楽曲は、車両の運転に影響を与える楽曲であると判定される。
また、楽曲のテンポが60BPM以下であると、ピーク検出部7に検出された音の強弱の変化回数が所定の閾値(例えば、30回/分)を超えているか否かが判定される。
このとき、音の強弱の変化回数が30回/分を超えていれば、この楽曲は、車両の運転に影響を与える楽曲であると判定される。
一方、楽曲の音の強弱の変化回数が30回/分以下である場合、計測部2Aに計測されたユーザの平常時の脈拍数との差に基づいて、楽曲を再生しているときのユーザの脈拍数が平常時の脈拍数から所定量を超えて上昇したか否かが判定される。この所定量とは、ユーザが興奮状態にあるときの脈拍数と平常時の脈拍数との差である。
ユーザの脈拍数が平常時の脈拍数から所定量を超えて上昇した場合、この楽曲は、車両の運転に影響を与える楽曲であると判定される。
ユーザの脈拍数が平常時の脈拍数から所定量を超えて上昇しなければ、計測部2Aに計測されたユーザの平常時の血圧値との差に基づいて、楽曲を再生しているときのユーザの血圧値が平常時の血圧値から所定量を超えて上昇したか否かが判定される。この所定量は、ユーザが興奮状態にあるときの血圧値と平常時の血圧値との差である。
ユーザの血圧値が平常時の血圧値から所定量を超えて上昇した場合、この楽曲は、車両の運転に影響を与える楽曲であると判定される。
ユーザの血圧値が平常時の血圧値から所定量を超えて上昇しなければ、計測部2Aに計測されたユーザの平常時の動きの範囲(例えば運転者の視線が動く範囲)との差に基づいて、楽曲を再生しているときのユーザの動きの範囲が平常時の動きの範囲から所定量を超えて上昇したか否かが判定される。この所定量は、ユーザが興奮状態にあるときの動きの範囲、例えば視線が動く範囲と平常時の視線が動く範囲との差である。
楽曲を再生しているときのユーザの動きの範囲が平常時の動きの範囲から所定量を超えて上昇した場合、この楽曲は、車両の運転に影響を与える楽曲であると判定される。
また、ユーザの動きの範囲が平常時の動きの範囲から所定量を超えて上昇しなければ、この楽曲は、車両の運転に影響を与える楽曲ではないと判定される。
このように、ユーザの生体状態を利用することで、ユーザの音楽の好みに応じた影響度の判定が可能となる。例えば、ユーザによっては、一般には安全とされている特定の曲であっても、興奮状態に陥る場合がある。また、RACで指摘されるような運転に影響を与えるであろう曲であっても、興奮状態に陥らない場合もあり得る。このような場合であっても、ユーザの実際の生体状態の計測結果を利用すれば、運転に影響を与える状況にあるかどうかを的確に判断することができる。
【0027】
さらに、影響度判定部3Aは、計測部2Aに計測された楽曲の音響特性を表す各要素の値及びユーザの生体状態を表す各要素の値に応じて、運転に影響を与える度合を示す運転影響度を求める。すなわち、楽曲のテンポ及び音の強弱の変化回数、ユーザの脈拍数、血圧値及び動きの範囲をそれぞれの閾値と比較した結果に基づいて、この楽曲が運転影響度が算出される。
図5は、運転者の生体状態の各要素及び楽曲の音響特性の各要素と運転影響度との対応関係を示す図である。図5に示すような対応関係が記述されたテーブルデータは、影響度判定部3Aに予め設定される。
影響度判定部3Aは、楽曲の音響特性を表す各要素及びユーザの生体状態を表す各要素とそれぞれの所定値(閾値)の比較結果に基づいて、このテーブルデータを参照し、楽曲の音響特性を表す各要素及びユーザの生体状態を表す各要素の運転影響度を判別する。
図5の例では、楽曲のテンポが所定値(60BPM)を超えた場合には、運転影響度“2”が付与される。また、楽曲の音の強弱の変化回数が所定値(30回/分)を超えた場合には、運転影響度“1”が付与される。さらに、ユーザの脈拍数、血圧値、動きの範囲が所定値を超えた場合には、運転影響度“1”が付与される。
これらの要素がいずれも所定値を超えた場合には、各要素の運転影響度の合計を楽曲の運転影響度として決定する。
【0028】
車載情報制御装置1Aは、楽曲が車両の運転に影響を与える楽曲でないと判定すると、処理を終了する。
楽曲が運転に影響を与える曲であると判定した場合、影響度判定部3Aは、車載音響装置6で再生対象としている楽曲が運転に影響を与える楽曲であること及びその運転影響度を制御部4に通知する。
【0029】
制御部4は、影響度判定部3Aからの通知内容に基づいて、楽曲の加工(通常とは異なる再生状態で再生させる)か、楽曲の拒絶をするように、車載音響装置6による当該楽曲の再生処理を制御する。ここでは、楽曲のテンポが所定値を超えている場合は、車載音響装置6が再生している楽曲のテンポを変える。例えば、上記実施の形態1と同様に、RACで指摘されている60BPMを超えていれば、それより少ない50BPMのテンポで再生させる。このように、影響度判定部3Aによる判定結果に基づいて、車載音響装置6が再生している途中であっても、楽曲の再生状態が変更される。
また、楽曲の音の強弱の変化回数が所定値を超えている場合は、車載音響装置6が再生している楽曲の音の強弱が少なくなるように制御する。例えば、ダイナミックレンジコンプレッサの圧縮比を上げ、10dB以上の振れ幅を持つピークの発生回数を1分間当たり20回以内に抑える。
この他、車載音響装置6で楽曲の再生音に対してイコライザやフィルタを掛けるように制御してもよい。例えば、10kHz以上の周波数の音が出ないように制御するか、あるいはピッチシフトで音程を変えるようにしてもよい。
【0030】
また、制御部4は、影響度判定部3Aに判定された楽曲の運転影響度に応じて、段階的に車載音響装置6による楽曲の再生処理を制御する。
例えば、楽曲の音響特性を表す要素の一つが所定値を超えている場合、上述のように、当該音響特性の要素に関して楽曲の加工を行う。
また、楽曲の音響特性を表す複数の要素が所定値を超えている場合には、各要素に関してそれぞれ楽曲の加工を行う。
さらに、楽曲の音響特性及びユーザの生体状態を表す複数の要素が所定値を超え、これらに対応する運転影響度の合計(楽曲の運転影響度)が所定の閾値を超えていれば、当該楽曲の再生を拒絶をするように車載音響装置6を制御する。
運転影響度に応じた段階的な楽曲の拒絶制御としては、楽曲の運転影響度が高い順に、(a)楽曲の再生を不可能とする又は再生対象の楽曲リストから外す、(b)楽曲の再生時に音量制限(一定値以下の音量のみで再生)する。
【0031】
(2)運転中の楽曲の再生時
ここでは、ユーザが運転中に車載音響装置6で楽曲を再生しているものとする。
計測部2Aは、上記(1)と同様にして、楽曲の音響特性及びユーザの生体状態を計測する。次に、影響度判定部3Aが、計測部2Aに計測された楽曲の音響特性及びユーザの生体状態の計測結果に基づいて、楽曲が車両の運転に影響を与える曲であるか否かを判定する。上記(1)では、ユーザの生体状態よりも楽曲の音響特性を優先して判定したが、運転中は、ユーザの実際の生体状態の計測結果を優先した方が安全運転に寄与する可能性が高い。そこで、影響度判定部3Aは、楽曲の音響特性及びユーザの生体状態のうち、ユーザの生体状態を表す各要素の判定を優先する。例えば、ユーザの生体状態を表す各要素を閾値と比較して楽曲が車両の運転に影響を与える曲ではないと判定された場合に、楽曲の音響特性を表す各要素を閾値と比較して、楽曲が車両の運転に影響を与える曲であるか否かが判定される。
【0032】
さらに、影響度判定部3Aは、計測部2Aに計測された楽曲の音響特性を表す各要素の値及びユーザの生体状態を表す各要素の値に応じて、運転に影響を与える度合を示す運転影響度を求める。この場合、上記(1)と異なって、ユーザの生体状態について、楽曲の音響特性よりも高い運転影響度を付与する。
例えば、図5に示した楽曲のテンポ及び楽曲の音の強弱の変化回数について、(1)では運転影響度“2”,“1”を付与したところ、(2)の場合では双方の運転影響度に“1”を付与する。一方、ユーザの脈拍数及び血圧値が所定値を超えた場合には、運転影響度“2”を付与する。また、ユーザの動きの範囲(視線が動いた範囲)は、車両が走行している場所や環境によっても大きく変動するので、動きの範囲が所定値を超えた場合には、運転影響度“1”を付与する。また、これらの要素がいずれも所定値を超えた場合には、各要素の運転影響度の合計を楽曲の運転影響度として決定する。
【0033】
制御部4は、影響度判定部3Aに判定された楽曲の運転影響度に応じて、段階的に車載音響装置6による楽曲の再生処理を制御する。
例えば、楽曲の音響特性を表す要素の一つが所定値を超えている場合、車載音響装置6で再生している楽曲の当該音響特性の要素に関して加工を行う。
また、楽曲の音響特性を表す複数の要素が所定値を超えている場合には、車載音響装置6で再生している楽曲の各要素に関してそれぞれ楽曲の加工を行う。
さらに、楽曲の音響特性及びユーザの生体状態を表す複数の要素が所定値を超え、これらに対応する運転影響度の合計(楽曲の運転影響度)が所定の閾値を超えていれば、車載音響装置6で再生している当該楽曲の再生を拒絶するよう車載音響装置6を制御する。
この場合、楽曲の運転影響度が高い順に、(a)楽曲の再生を停止する、(b)音量制限して再生(一定値以下の音量のみで再生)する。
【0034】
以上のように、この実施の形態2によれば、計測部2Aが、さらに車両を運転する運転者の生体状態を計測し、影響度判定部3Aが、車載音響装置6による楽曲の再生中に、計測部2Aにより計測された運転者の生体状態の計測結果に基づいて、当該楽曲が車両の運転に影響を与える曲であるか否かを判定し、制御部4が、楽曲の音響特性及び運転者の生体状態の計測結果に基づき影響度判定部3Aにより車両の運転に影響を与える曲であると判定された楽曲について、車両の運転に影響を与えない音響特性となるように車載音響装置6による楽曲の再生を制御する。このようにすることで、脈拍数、血圧値の増加、ユーザの動きが多いなどの生体状態から、ユーザの興奮状態を特定することができ、ユーザが興奮状態である場合には、その時に再生している楽曲を車両の運転に影響を与える楽曲と判定できる。また、ユーザの生体状態を利用することで、ユーザの音楽の好みに応じた影響度の判定が可能である。楽曲の音響特性とユーザの生体状態の計測結果を用いることで、楽曲が運転に影響を与える曲であるか否かの誤判定を低減することができ、より詳細に運転影響度を判断できる。
【0035】
また、この実施の形態2によれば、影響度判定部3Aが、車載音響装置6による楽曲の再生中に、計測部2Aにより計測された運転者の生体状態を、車両の運転に影響を与える生体状態の要素ごとの閾値と比較し、車両の運転に影響を与えると判定された生体状態の要素に応じて、当該楽曲の車両の運転に影響を与える度合いを判定し、制御部4が、影響度判定部3Aにより判定された車両の運転に影響を与える度合いに応じて、車両の運転に影響を与えない音響特性となるように車載音響装置6による楽曲の再生を制御する。
このように運転者の生体状態の計測結果に基づいて運転影響度を求めるので、データベースやサーバ等に情報が登録されていない楽曲(独自に作成した楽曲)や、文字情報やヘッダ情報などの付加情報を持たない楽曲(外部再生機器で再生され、音楽データのみが車載音響装置6の外部入力端子10から入力される場合)であっても、実際の運転者の生体状態に応じた楽曲の運転影響度を求めることができる。
【0036】
実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、車両の運転に影響を与える楽曲に対する加工(再生状態の変更)又は再生の拒絶を行う場合を示したが、この実施の形態3は、車両の運転に影響を与える楽曲に対する加工又は再生の拒絶を実施するとともに、その運転影響度に応じた車両の制御及びナビゲーション処理を実施する構成について述べる。
図6は、この発明の実施の形態3によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図であり、上記実施の形態2の車載情報制御装置の機能をナビゲーション装置に持たせた場合を示している。図6において、実施の形態3のナビゲーション装置12は、車載情報制御部1B及びナビゲーション処理部14を備え、車載音響装置6による楽曲の再生制御、制駆動力出力装置13による車両の駆動制御及びナビゲーション処理部14によるナビゲーション処理を制御する。
【0037】
車載情報制御部1Bは、上記実施の形態2の車載情報制御装置1Aと同様に機能する構成部であり、計測部2A、影響度判定部3A、制御部4A及び記憶部5Aを備え、車載音響装置6による楽曲の再生制御、制駆動力出力装置13による車両の駆動制御及びナビゲーション処理部14によるナビゲーション処理を制御する。
制御部4Aは、車載音響装置6による楽曲の再生制御、制駆動力出力装置13による車両の駆動制御及びナビゲーション処理部14によるナビゲーション処理を制御する構成部である。影響度判定部3Aによって再生対象の楽曲が車両の運転に影響を与える曲であると判定された場合、制御部4Aは、上記実施の形態1,2と同様に車載音響装置6を制御して楽曲の再生状態を変更するか、あるいは楽曲を再生不可とする。また、制駆動力出力装置13を制御して、自車両の車速又はその加速の挙動を変更させるか、あるいは自車両を停止させる。さらに、ナビゲーション処理部14を制御して警告メッセージの表示又は音声案内を行うか、あるいは案内ルートの変更を行う。
記憶部5Aは、車載音響装置6で再生対象となり得る音楽情報及びナビゲーション処理部14でナビゲーション処理に利用される地図データを記憶する記憶部であり、例えば、ナビゲーション装置12として機能するコンピュータに搭載されたHDD装置等で実現される。
【0038】
制駆動力出力装置13は、ブレーキ操作及びアクセル操作に応じた車両の制御を行って自車両が走行するための制動力又は駆動力を出力する装置である。例えば、機械ブレーキやエンジン、電動モータ、変速機等で実現される。
ナビゲーション処理部14は、ルート計算、ルート誘導及び地図表示等のナビゲーション処理を行う構成部であり、ルート計算部15、表示部16及び受信部17を備える。
ルート計算部15は、受信部17で取得された自車の現在位置、入力された目的地及び記憶部5Aに記憶される地図データを用いて、現在の自車位置から目的地までのルートを計算する構成部である。なお、目的地は、例えば表示部16の画面に設けたタッチパネル等の入力手段を用いて入力する。
表示部16は、ルート計算部15に算出されたルートに関する情報を画面に表示する表示モニタである。受信部17は、GPS(Global Positioning System)衛星から自車の位置情報を受信し、さらに交通情報サービスプロバイダから配信される交通情報データを受信する構成部である。なお、図6において、図1及び図4と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
次に動作について説明する。
(1)車両の駆動制御について
ここでは、ユーザが運転中に車載音響装置6で楽曲を再生しているものとする。
上記実施の形態2と同様にして、計測部2Aが、楽曲の音響特性及びユーザの生体状態を計測する。次に、影響度判定部3Aが、計測部2Aに計測された楽曲の音響特性及びユーザの生体状態の計測結果に基づいて、楽曲が車両の運転に影響を与える曲であるか否かを判定する。制御部4Aは、影響度判定部3Aからの通知内容に基づいて、上記実施の形態2と同様にして、楽曲の加工(通常とは異なる再生状態で再生させる)か、楽曲の拒絶をするように、車載音響装置6による当該楽曲の再生処理を制御する。
また、制御部4Aは、影響度判定部3Aからの通知内容に基づいて、制駆動力出力装置13を制御して、自車両の車速又はその加速の挙動を変更させる。
例えば、楽曲の運転影響度に応じて制御部4Aに予め設定された割合で、自車両の車速を落とす。また、楽曲の運転影響度に応じて制御部4Aに予め設定された割合で、アクセル開度の増加に対するスロットルバルブ開度の増加率を低減させることにより、自車両の加速を抑える。
【0040】
(2)ナビゲーション処理の制御について
制御部4Aは、影響度判定部3Aからの通知内容に基づいて、ナビゲーション処理部14を制御して、下記に示すようにしてナビゲーション処理を変更させる。例えば、楽曲の運転影響度に応じてナビゲーション処理部14に予め設定された警告メッセージ内容を、表示部16に表示させる。なお、スピーカを用いて音声で警告してもよい。
また、制御部4Aがルート計算部15を制御して案内中のルートを変更させてもよい。
例えば、受信部17で受信された交通情報から、案内ルート及びその周辺の交通量又は案内ルート上の事故多発地点が特定されている場合は、ルート計算部15に対して“交通量の少ない道を通るルート”又は“事故多発地点を避けたルート”を再計算させる。これにより、ユーザに対して運転負荷が少ないルートで車両を走行させることができる。
なお、楽曲の運転影響度が所定の閾値よりも高い場合、目的地を近くの駐車場又は休憩所を経由するルートに変更させてもよい。
【0041】
上記(1)及び(2)の他に、制御部4Aが、運転に影響を与える曲と判定された楽曲を、コピー又はリッピング等によって記憶部5Aへ記憶することを禁止してもよい。この場合、記憶部5Aへの当該楽曲の書き込みが禁止されている旨を警告メッセージとして、ユーザに対して音声出力してもよい。
なお、上述した(1)及び(2)の処理をそれぞれ単独で実施してもよいが、これらを組み合わせて実施してもかまわない。
【0042】
また、制御部4Aは、上記実施の形態1,2と同様に、運転影響度に応じて段階的な制御を行ってもよい。例えば、楽曲の運転影響度が“1”のときは、車載音響装置6を制御して再生時の音量のみを制限する。また、楽曲の運転影響度が“5”のときは、車載音響装置6及びナビゲーション処理部14を制御して、楽曲の再生を停止し、目的地を近くの休憩所にルートを再設定する。このように段階的な制御を行うことにより、運転影響度の高い場合は、運転に影響を与える楽曲の再生を即座に制限することができ、運転影響度が低い場合には再生可能となる楽曲の幅が広がる。このため、強制的な楽曲の停止等によるユーザのストレスを軽減でき、使いやすさを向上させることができる。
【0043】
以上のように、この実施の形態3によれば、制御部4Aが、車載音響装置6により再生中の楽曲が、影響度判定部3Aにより車両の運転に影響を与える曲であると判定された場合に、予め定めた駆動状態となるように車両の駆動を制御する。
また、この実施の形態3によれば、ナビゲーション処理を行うナビゲーション処理部14と、音楽情報から楽曲の音響特性を計測する計測部2Aと、計測部2Aで計測された楽曲の音響特性が、車両の運転に影響を与える曲の音響特性であるか否かを判定する影響度判定部3Aと、車載音響装置6による再生中の楽曲が、影響度判定部3Aにより車両の運転に影響を与える曲であると判定されると、ナビゲーション処理部14による案内ルートを変更させる制御部4Aとを備える。
さらに、この実施の形態3によれば、計測部2Aが、さらに車両を運転する運転者の生体状態を計測し、影響度判定部3Aが、車載音響装置6による楽曲の再生中に、計測部2Aにより計測された運転者の生体状態の計測結果に基づいて、当該楽曲が車両の運転に影響を与える曲であるか否かを判定し、制御部4Aが、車載音響装置6による再生中の楽曲が、当該楽曲の音響特性及び運転者の生体状態の計測結果に基づき影響度判定部3Aにより車両の運転に影響を与える曲であると判定されると、ナビゲーション処理部14による案内ルートを変更させる。
特に、制御部4Aが、車載音響装置6による再生中の楽曲が、楽曲の音響特性及び運転者の生体状態の計測結果に基づき影響度判定部3Aにより車両の運転に影響を与える曲であると判定されると、ナビゲーション処理部14による案内ルートを停車可能な場所を経由するルートに変更させる。
このように、楽曲に対する制御だけでなく、様々な制御を組み合わせることで、車両の運転に影響を与える楽曲を再生していること、ユーザが興奮状態に陥って集中力や決断力が低下している可能性があることを、ユーザに対してより的確に通知でき、安全運転を意識させることができる。
【0044】
なお、上記実施の形態1〜3は、ユーザの生体状態の各要素と楽曲の音響特性の各要素に対する運転影響度の関係が記述されたテーブルデータを、影響度判定部が保持する場合を示したが、このテーブルデータを外部のサーバ装置に持たせてもよい。
例えば、影響度判定部が、不図示の通信部を用いてサーバ装置に通信接続し、計測部による計測結果に基づく運転影響度の送信要求を行う。サーバ装置は、この要求に合致する運転影響度を送信する。影響度判定部は、サーバ装置から受信した運転影響度を制御部へ通知する。これにより、装置における運転影響度の判定処理を省略することができる。
【0045】
実施の形態4.
実施の形態4では、影響度判定部で判定された楽曲の運転影響度を履歴情報として保存する構成について述べる。
図7は、この発明の実施の形態4によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図7において、実施の形態4のナビゲーション装置12Aは、車載情報制御部1C及びナビゲーション処理部14を備え、車載音響装置6による楽曲の再生制御、制駆動力出力装置13による車両の駆動制御及びナビゲーション処理部14によるナビゲーション処理を制御する。なお、図7において、図1及び図6と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
車載情報制御部1Cは、計測部2A、影響度判定部3B、制御部4B及び記憶部5Bを備える。影響度判定部3Bは、計測部2Aに計測された楽曲の音響特性を表す各要素の値及びユーザの生体状態を表す各要素の値に応じて運転影響度を求める。また、影響度判定部3Bは、運転影響度の判定結果(以下、影響度判定結果と呼ぶ)をその音楽情報に対応付けて記憶部5Bに記憶する。
【0047】
制御部4Bは、影響度判定部3Bにより得られた運転影響度又は記憶部5Bに保存された過去の影響度判定結果に基づいて、車載音響装置6による楽曲の再生制御、制駆動力出力装置13による車両の駆動制御及びナビゲーション処理部14によるナビゲーション処理を制御する構成部である。
【0048】
記憶部5Bは、車載音響装置6で再生対象となり得る音楽情報、ナビゲーション処理部14でナビゲーション処理に利用される地図データ、及び影響度判定部3Bによる影響度判定結果を記憶する記憶部である。特に、過去の運転影響度を保存しておくため、不揮発性の記憶装置、例えばナビゲーション装置12Aとして機能するコンピュータに搭載されたHDD装置を利用する。
【0049】
次に動作について説明する。
車載音響装置6で再生対象としている楽曲の音楽情報を計測部2Aが入力すると、制御部4Bは、計測部2Aに入力された再生対象の音楽情報と、記憶部5Bに保存されている過去の影響度判定結果に対応する音楽情報とを比較して、再生対象の音楽情報が過去の影響度判定結果の音楽情報と一致するか否かを判定する。このとき、計測部2Aに入力された再生対象の音楽情報が過去の影響度判定結果と一致しない場合、制御部4Bは、計測部2Aに指示して、この音楽情報の楽曲が再生前であれば、楽曲の音響特性を計測させる。また、楽曲が再生中である場合、ユーザの生体状態についても計測させる。
【0050】
影響度判定部3Bは、計測部2Aによって計測された楽曲の音響特性を表す各要素の値又はユーザの生体状態を表す各要素の値に応じて楽曲の運転影響度を求める。このとき、影響度判定部3Bは、楽曲の運転影響度と音楽情報とを対応付けた影響度判定結果として記憶部5Bへ保存する。
次に、制御部4Bは、影響度判定部3Bに判定された楽曲の運転影響度に応じて、車載音響装置6による楽曲の再生処理を制御する。
一方、計測部2Aに入力された再生対象の音楽情報が過去の影響度判定結果の音楽情報と一致する場合、制御部4Bは、計測部2Aに指示して計測を停止させ、記憶部5Bから読み出した当該影響度判定結果を利用して、車載音響装置6による楽曲の再生処理を制御する。
【0051】
以上のように、この実施の形態4によれば、影響度判定部3Bによる車両の運転に影響を与える楽曲の判定結果を記憶する記憶部5Bを備え、計測部2Aが、車載音響装置6による再生対象の楽曲が記憶部5Bに判定結果が記憶された曲であると、当該楽曲についての計測を実施せず、制御部4Bが、記憶部5Bに記憶された判定結果に基づいて、車載音響装置6による当該楽曲の再生を制御する。このように、影響度判定部3Bに求められた楽曲の運転影響度を、影響度判定結果として記憶部5Bに保存しておく。これにより、運転影響度が既に得られた楽曲については計測処理及び運転影響度の決定処理を省略でき、楽曲の再生及び再生状態の制御までの時間を短縮することができる。
【0052】
実施の形態5.
実施の形態5では、車両の運転に影響を与える楽曲のデータベースを予め保持する構成について述べる。
図8は、この発明の実施の形態5によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図8において、実施の形態5のナビゲーション装置12Bは、車載情報制御部1D及びナビゲーション処理部14を備え、車載音響装置6による楽曲の再生制御、制駆動力出力装置13による車両の駆動制御及びナビゲーション処理部14によるナビゲーション処理を制御する。なお、図8において、図1及び図7と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
車載情報制御部1Dは、計測部2A、影響度判定部3C、制御部4C及び記憶部5Cを備える。影響度判定部3Cは、計測部2Aに計測された楽曲の音響特性を表す各要素の値及びユーザの生体状態を表す各要素の値に応じて運転影響度を求める。また、影響度判定部3Cは、影響度判定結果をその音楽情報に対応付けて記憶部5Cに記憶する。
【0054】
制御部4Cは、影響度判定部3Cで得られた楽曲の運転影響度、記憶部5Cに保存された過去の影響度判定結果、及び運転に影響を与える曲データベースの少なくとも一つに基づいて、車載音響装置6による楽曲の再生制御、制駆動力出力装置13による車両の駆動制、及びナビゲーション処理部14によるナビゲーション処理を制御する構成部である。なお、再生対象の楽曲が、運転に影響を与える曲データベースに含まれる曲である場合、制御部4Cは、計測部2Aの計測処理及び影響度判定部3Cの判定処理を実行せず、車載音響装置6による当該楽曲の再生処理を所定の内容で制御する。
【0055】
記憶部5Cは、車載音響装置6で再生対象となり得る音楽情報、ナビゲーション処理部14でナビゲーション処理に利用される地図データ、影響度判定部3Cで得られた影響度判定結果及び運転に影響を与える曲データベースを記憶する記憶部であり、例えばナビゲーション装置12Bとして機能するコンピュータに搭載されたHDD装置を利用する。
なお、運転に影響を与える曲データベースとは、車内で再生すると運転に影響を与える音響特性であると指定された楽曲の音楽情報が登録されるデータベースである。例えば、RAC Foundationに指定された楽曲リストを登録する。
【0056】
次に動作について説明する。
車載音響装置6で再生対象としている楽曲の音楽情報を計測部2Aが入力すると、制御部4Cは、計測部2Aに入力された再生対象の音楽情報と、記憶部5Cに保存される運転に影響を与える曲データベースの音楽情報とを比較して、運転に影響を与える曲データベースに登録された音楽情報であるか否かを判定する。
このとき、計測部2Aに入力された再生対象の音楽情報が、運転に影響を与える曲データベースに登録された音楽情報でなければ、制御部4Cは、上記実施の形態4と同様に、計測部2Aに入力された音楽情報と、記憶部5Cに保存されている過去の影響度判定結果に対応する音楽情報とを比較して、過去に運転影響度が得られた音楽情報であるか否かを判定する。これ以降の処理は、上記実施の形態4と同様である。
【0057】
一方、計測部2Aに入力された再生対象の音楽情報が、運転に影響を与える曲データベースに登録された音楽情報である場合、制御部4Cは、計測部2Aの計測処理及び影響度判定部3Cの判定処理を実行せず、車載音響装置6による楽曲の再生処理を所定の内容で制御する。なお、このデータベースに登録されている楽曲は運転に影響を与えるものと仮定して、所定の内容の制御として、例えば、上記実施の形態1で示したように、RACで指摘されている60BPMより少ないテンポで再生させる。また、ダイナミックレンジコンプレッサの圧縮比を上げ、10dB以上の振れ幅を持つピークの発生回数を1分間当たり20回以内に抑える。イコライザやフィルタを掛けるように制御してもよい。さらに、楽曲の再生を停止するか、あるいは音量制限して再生させてもよい。
【0058】
以上のように、この実施の形態4によれば、車両の運転に影響を与える楽曲が登録された曲データベースを備え、計測部2Aが、車載音響装置6による再生対象の楽曲が、曲データベースに登録された曲であると、当該楽曲についての計測を実施せず、制御部4Cが曲データベースに登録された楽曲に対応して予め設定した制御内容で車載音響装置6による当該楽曲の再生を制御する。
このように、記憶部5Cに運転に影響を与える曲データベースを保持して、このデータベースに登録されている曲については楽曲の特性やユーザの生体状態の計測及び運転影響度の取得を省略することで、楽曲の再生制御を開始するまでの時間を短縮することができる。
【0059】
実施の形態6.
実施の形態6では、計測部2Aに入力された再生対象の音楽情報が、過去の影響度判定結果に合致する楽曲の音楽情報であったり、運転に影響を与える曲データベースに登録されている音楽情報である場合であっても、計測部2Aによる計測を行い、この計測結果に基づいて影響度判定結果を更新したり、運転に影響を与える曲データベースの登録内容を変更する構成について述べる。
【0060】
図9は、この発明の実施の形態6によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図9において、実施の形態6のナビゲーション装置12Cは、車載情報制御部1E及びナビゲーション処理部14を備え、車載音響装置6による楽曲の再生制御、制駆動力出力装置13による車両の駆動制御及びナビゲーション処理部14によるナビゲーション処理を制御する。なお、図9において、図1及び図8と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
車載情報制御部1Eは、計測部2A、影響度判定部3D、制御部4D及び記憶部5Cを備える。影響度判定部3Dは、計測部2Aに計測された楽曲の音響特性を表す各要素の値及びユーザの生体状態を表す各要素の値に応じて運転影響度を求める。また、影響度判定部3Dは、計測部2Aによる計測結果に基づいて、記憶部5Cに記憶した影響度判定結果の内容を更新する。
【0062】
制御部4Dは、影響度判定部3Dで得られた楽曲の運転影響度、記憶部5Cに保存された過去の影響度判定結果、及び運転に影響を与える曲データベースの少なくとも一つに基づいて、車載音響装置6による楽曲の再生制御、制駆動力出力装置13による車両の駆動制、及びナビゲーション処理部14によるナビゲーション処理を制御する構成部である。なお、再生対象の楽曲が、過去の影響度判定結果に合致する楽曲の音楽情報であるか、もしくは運転に影響を与える曲データベースに登録されている音楽情報である場合であっても、制御部4Dは、計測部2Aによる計測を実施させる。
【0063】
次に動作について説明する。
楽曲の運転影響度を取得して影響度判定結果として記憶部5Cに保存してから長期間が経過すると、ユーザの音楽に対する好みが変化(聴き慣れ)し、以前は興奮状態に陥った楽曲であっても興奮状態に陥らなくなる場合もある。反対に、以前は興奮状態に陥らなかった楽曲であっても興奮状態に陥るようになる場合もあり得る。この場合、記憶部5Cに保存した影響度判定結果が、実際の運転影響度と一致しなくなる。
そこで、制御部4Dは、計測部2Aに入力された再生対象の音楽情報が、記憶部5Cに保存された過去の影響度判定結果に対応する音楽情報に合致する場合に、この影響度判定結果が記憶部5Cに保存されてから所定の時間が経過しているか否かを判定する。このとき、所定の時間が経過していれば、制御部4Dは、この影響度判定結果に対応する楽曲を再生したときのユーザの生体状態を計測部2Aに再計測させる。
影響度判定部3Dは、上述のようにして計測部2Aに再計測されたユーザの生体状態を表す各要素の値に応じて運転影響度を求め、この運転影響度を基に影響度判定結果の内容を更新する。これにより、ユーザの音楽に対する好みの変化を影響度判定結果に反映することができる。
【0064】
運転に影響を与える曲データベースに登録されている楽曲であっても、特定のユーザは、興奮状態に陥らない場合がある。また、影響度判定結果の場合と同様に、ユーザの音楽に対する好みが変化(聴き慣れ)して、以前は興奮状態に陥ったとしても、興奮状態に陥らなくなる場合もある。反対に、以前は興奮状態に陥らなかった楽曲であっても、興奮状態に陥るようになる場合もあり得る。従って、運転に影響を与える曲データベースに登録されている楽曲が、実際の運転影響度と一致しなくなる。
そこで、制御部4Dは、計測部2Aに入力された再生対象の音楽情報が、運転に影響を与える曲データベースに登録されている音楽情報と一致する場合、このデータベースに登録される音楽情報の楽曲を再生したときのユーザの生体状態を計測部2Aに再計測させる。
影響度判定部3Dは、上述のようにして計測部2Aに再計測されたユーザの生体状態を表す各要素の値に応じて運転影響度を求める。そして、影響度判定部3Dは、求めた運転影響度が所定の閾値以下である等、再生対象の楽曲が運転に影響を与える曲ではないと判断される場合、この楽曲を運転に影響を与える曲データベースから削除する。
【0065】
また、制御部4Dは、計測部2Aに入力された再生対象の音楽情報が、運転に影響を与える曲データベースに登録される音楽情報と一致しない場合も、再生対象の音楽情報を再生したときのユーザの生体状態を計測部2Aに再計測させる。
影響度判定部3Dは、上述のようにして計測部2Aに再計測されたユーザの生体状態を表す各要素の値に応じて運転影響度を求める。そして、影響度判定部3Dは、求めた運転影響度が所定の閾値を超える等、再生対象の楽曲が運転に影響を与える曲であると判断される場合、この楽曲を運転に影響を与える曲データベースに新たに登録する。これにより、ユーザの音楽に対する好みの変化を、運転に影響を与える曲データベースに反映することができる。
【0066】
以上のように、この実施の形態6によれば、影響度判定部3Dによる車両の運転に影響を与える楽曲の判定結果を記憶する記憶部及び車両の運転に影響を与える楽曲が登録された曲データベースのうちの少なくとも一方を備え、計測部2Aが、車載音響装置6による再生中の楽曲が、記憶部5Cに判定結果が記憶された曲であるか、もしくは、曲データベースに登録された曲であっても、運転者の生体状態を計測し、制御部は、計測部2Aによる計測結果に基づいて、記憶部5Cの記憶内容又は前記曲データベースに登録された曲を更新する。このように、過去の影響度判定結果及び運転に影響を与える曲データベースを更新することで、ユーザの音楽に対する好みの変化を反映し、運転影響度をより詳細に判定することが可能となる。これにより、車内で再生された楽曲によって運転者が興奮状態に陥ることがなくなり、ひいては事故を未然に防止できる。
例えば、同じ楽曲を再生しても、曲を再生する順番やユーザの体調により、ユーザの興奮状態に違いが現れると考えられる。このような場合においても、過去の影響度判定結果及び運転に影響を与える曲データベースを更新することで、楽曲の再生時点における運転影響度を基準として楽曲再生を制御でき、ひいては事故を未然に防止する効果を高めることができる。なお、これらの場合、過去の影響度判定結果や運転に影響を与える曲データベースを利用することから、テンポや音の強弱の変化等の楽曲の音響特性は、計測済みもしくは既知である。従って、楽曲の音響特性の計測は必要ではなく、処理時間を短縮することができる。
【0067】
また、上記実施の形態3〜6では、ナビゲーション装置が、上記実施の形態2の車載情報制御装置の機能を有する車載情報制御部を備える場合を示したが、車載情報制御部を持たず、車載情報制御装置を別個に設けてもよい。この場合、ナビゲーション装置は、車載情報制御装置と有線又は無線で接続して、車両の運転に影響を与える楽曲が再生対象となった際に、上記実施の形態1〜6と同様にして、車載情報制御装置の制御部によって制御される。
【0068】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1,1A 車載情報制御装置、1B〜1E 車載情報制御部、2,2A 計測部、3,3A〜3D 影響度判定部、4,4A〜4D 制御部、5,5A〜5C 記憶部、6 車載音響装置、7 ピーク検出部、8 特性スペクトル検出部、9 記憶メディア、10 外部入力端子、11a 脈拍センサ、11b 血圧センサ、11c カメラ、12,12A〜12C ナビゲーション装置、13 制駆動力出力装置、14 ナビゲーション処理部、15 ルート計算部、16 表示部、17 受信部。
Claims (11)
- 車載音響装置による楽曲の再生を制御する車載情報制御装置において、
前記楽曲の再生より先に、音楽情報から当該楽曲の音響特性を表す複数の要素を計測する計測部と、
前記計測部で計測された楽曲の音響特性が、車両の運転に影響を与える曲の音響特性であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により車両の運転に影響を与える曲であると判定された楽曲について、車両の運転に影響を与えない音響特性となるように前記車載音響装置による楽曲の再生を段階的に制御する制御部とを備えたことを特徴とする車載情報制御装置。 - 前記判定部は、前記計測部で計測された楽曲の音響特性を、車両の運転に影響を与える音響特性の要素ごとの閾値と比較し、車両の運転に影響を与えると判定された音響特性の要素に応じて、当該楽曲の車両の運転に影響を与える度合いを判定し、
前記制御部は、前記判定部により判定された車両の運転に影響を与える度合いに応じて、車両の運転に影響を与えない音響特性となるように前記車載音響装置による楽曲の再生を制御することを特徴とする請求項1記載の車載情報制御装置。 - 前記計測部は、さらに車両を運転する運転者の生体状態を計測し、
前記判定部は、前記車載音響装置による楽曲の再生中に、前記計測部により計測された運転者の生体状態の計測結果に基づいて、当該楽曲が車両の運転に影響を与える曲であるか否かを判定し、
前記制御部は、楽曲の音響特性及び運転者の生体状態の計測結果に基づき前記判定部により車両の運転に影響を与える曲であると判定された楽曲について、車両の運転に影響を与えない音響特性となるように前記車載音響装置による楽曲の再生を制御することを特徴とする請求項1記載の車載情報制御装置。 - 前記判定部は、前記車載音響装置による楽曲の再生中に、前記計測部により計測された運転者の生体状態を、車両の運転に影響を与える生体状態の要素ごとの閾値と比較し、車両の運転に影響を与えると判定された生体状態の要素に応じて、当該楽曲の車両の運転に影響を与える度合いを判定し、
前記制御部は、前記判定部により判定された車両の運転に影響を与える度合いに応じて、車両の運転に影響を与えない音響特性となるように前記車載音響装置による楽曲の再生を制御することを特徴とする請求項3記載の車載情報制御装置。 - 前記制御部は、前記車載音響装置により再生中の楽曲が、前記判定部により車両の運転に影響を与える曲であると判定された場合に、予め定めた駆動状態となるように前記車両の駆動を制御することを特徴とする請求項1記載の車載情報制御装置。
- 前記判定部による車両の運転に影響を与える楽曲の判定結果を記憶する記憶部を備え、
前記計測部は、前記車載音響装置による再生対象の楽曲が、前記記憶部に判定結果が記憶された曲であると、当該楽曲についての計測を実施せず、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された判定結果に基づいて、前記車載音響装置による当該楽曲の再生を制御することを特徴とする請求項1又は請求項3記載の車載情報制御装置。 - 車両の運転に影響を与える楽曲が登録された曲データベースを備え、
前記計測部は、前記車載音響装置による再生対象の楽曲が、前記曲データベースに登録された曲であると、当該楽曲についての計測を実施せず、
前記制御部は、前記曲データベースに登録された楽曲に対応して予め設定した制御内容で、前記車載音響装置による当該楽曲の再生を制御することを特徴とする請求項1又は請求項3記載の車載情報制御装置。 - 前記判定部による車両の運転に影響を与える楽曲の判定結果を記憶する記憶部及び前記車両の運転に影響を与える楽曲が登録された曲データベースのうちの少なくとも一方を備え、
前記計測部は、前記車載音響装置による再生中の楽曲が、前記記憶部に判定結果が記憶された曲であるか、もしくは、前記曲データベースに登録された曲であっても、運転者の生体状態を計測し、
前記制御部は、前記計測部による計測結果に基づいて、前記記憶部の記憶内容又は前記曲データベースに登録された曲を更新することを特徴とする請求項3記載の車載情報制御装置。 - ナビゲーション処理を行うナビゲーション処理部と、
音楽情報から楽曲の音響特性を計測する計測部と、
前記計測部で計測された楽曲の音響特性が、車両の運転に影響を与える曲の音響特性であるか否かを判定する判定部と、
車載音響装置による再生中の楽曲が、前記判定部により車両の運転に影響を与える曲であると判定されると、前記ナビゲーション処理部による案内ルートを変更させる制御部とを備えたナビゲーション装置。 - 前記計測部は、さらに車両を運転する運転者の生体状態を計測し、
前記判定部は、前記車載音響装置による楽曲の再生中に、前記計測部により計測された運転者の生体状態の計測結果に基づいて、当該楽曲が車両の運転に影響を与える曲であるか否かを判定し、
前記制御部は、前記車載音響装置による再生中の楽曲が、当該楽曲の音響特性及び運転者の生体状態の計測結果に基づき前記判定部により車両の運転に影響を与える曲であると判定されると、前記ナビゲーション処理部による案内ルートを変更させることを特徴とする請求項9記載のナビゲーション装置。 - 前記制御部は、前記車載音響装置による再生中の楽曲が、楽曲の音響特性及び運転者の生体状態の計測結果に基づき前記判定部により車両の運転に影響を与える曲であると判定されると、前記ナビゲーション処理部による案内ルートを停車可能な場所を経由するルートに変更させることを特徴とする請求項10記載のナビゲーション装置。
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