JP5452287B2 - 灌水用チューブの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
灌水用チューブを製造する方法としては、例えば、押出成形により作製したチューブを押し潰してテープ状とし、一定間隔で針を片面側から突き刺して穿孔する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このように針を用いて穿孔すると、一方の面から他方の面まで孔が貫通してしまう。そこで、特許文献2,3では、畳まれてテープ状にされたチューブの内部にレーザ光遮蔽用中子を配置してチューブ内部を拡げ、チューブの中子が位置する部位の片面側からレーザ光を照射して、チューブを穿孔することが提案されている。
本発明は、畳まれてテープ状にされたチューブの一方の面から他方の面への貫通を簡便に防止できる灌水用チューブの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
[2]レーザ光照射の前後で前記チューブを吸引することを特徴とする[1]に記載の灌水用チューブの製造方法。
[3] 穿孔したチューブの幅方向の両端部をヒートシールすることを特徴とする請求項[1]または[2]に記載の灌水用チューブの製造方法。
[4]畳まれてテープ状にされたチューブを搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送されているチューブの少なくとも片面側に配置された吸引機と、該吸引機によって内部を拡げたチューブにレーザ光を照射するレーザ光発生器とを具備することを特徴とする灌水用チューブの製造装置。
[5]レーザ光発生器に対して搬送方向の上流側および下流側に吸引機が配置されていることを特徴とする[4]に記載の灌水用チューブの製造装置。
[6]吸引機が、チューブを挟んで互いに対向するように配置された一対の吸引ノズルを備えることを特徴とする[4]または[5]に記載の灌水用チューブの製造装置。
[7]前記チューブの幅方向の両端部をヒートシールするヒートシール手段を具備することを特徴とする[4]〜[6]のいずれかに記載の灌水用チューブの製造装置。
本発明の灌水用チューブの製造方法により得られる灌水用チューブの一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例の灌水用チューブを示す。本実施形態例の灌水用チューブ10は、幅方向の両端部が長手方向に沿ってヒートシールされて耳部11を有し、表面10aに千鳥状に灌水孔12,12・・・が形成されたものである。
灌水用チューブ10の厚さは100〜300μmであることが好ましい。灌水用チューブ10の厚さが100μmであれば、灌水用チューブ10に供給する水の圧力を高くしても充分に耐えることができ、300μm以下であれば、充分な屈曲性を確保できる。
耳部11の幅は4〜10mmであることが好ましい。耳部11の幅は4mm以上であれば、灌水用チューブ10の上下反転をより防止できる。しかし、10mmを超えると、灌水用チューブ10において水が通らない部分が多くなる。
灌水孔12の孔径は、0.2〜1.0mmであることが好ましい。灌水孔12の孔径が0.2mm以上であれば、充分に灌水させることができ、1.0mm以下であれば、均一に灌水させることができる。
熱可塑性樹脂材料としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどを用いることができる。
また、熱可塑性樹脂材料には、必要に応じて、顔料、染料、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、フィラー等が含まれてもよい。
すなわち、まず、畑の所定の位置に灌水用チューブ10を配置し、灌水用チューブ10の長手方向の一方の端部に送水管を接続し、灌水用チューブ10に送水を開始する。これにより、灌水孔12から水を噴出させて、畑に灌水させる。
本発明の灌水用チューブの製造装置の一実施形態例について説明する。
図2に、本実施形態例の灌水用チューブの製造装置を示す。製造装置1は、チューブT1を作製する押出機20と、チューブT1を引き取ると共に畳んでテープ状のチューブT2(以下、「テープ状チューブT2」という。)にするピンチロール30,30と、テープ状チューブT2の両面側に配置された第1吸引機40および第2吸引機50と、第1吸引機40および第2吸引機50の間のテープ状チューブT2の片面にレーザ光を照射して穿孔するレーザ光発生器60と、穿孔したテープ状チューブT2の幅方向の両端部をヒートシールするヒートシール手段70と、ヒートシールしたチューブを巻き取る巻取りロール80とを具備する。
第1吸引機40は、真空ポンプ(図示せず)に接続され、テープ状チューブT2を挟んで互いに対向するように配置された一対の吸引ノズル41,41を備えたものである。また、第2吸引機50は、真空ポンプ(図示せず)に接続され、テープ状チューブT2を挟んで互いに対向するように配置された一対の吸引ノズル51,51を備えたものである。このような第1吸引機40および第2吸引機50を用いることにより、テープ状チューブT2の内部を充分に拡げることができる。
第1吸引機40と第2吸引機50とは間隔を有して配置され、また、第1吸引機40は、レーザ光発生器60に対して搬送方向の上流側に配置され、第2吸引機50はレーザ光発生器60に対して下流側に配置されている。
レーザ光発生器60によるレーザとしては、例えば、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、半導体レーザなどが挙げられるが、汎用的である上に、容易に穿孔できることから、炭酸ガスレーザが好ましい。
本実施形態例では、レーザ光発生器60はテープ状チューブT2の幅方向に沿って往復動できるようになっている。これにより、テープ状チューブT2の幅方向の任意の位置にレーザ光を照射できるようになっている。
ヒートシール手段70は、金属製のロール71と、加熱可能なヒートシールバー72とを備える。ここで、ヒートシールバー72は、ロール71の周面に沿った円弧状で、テープ状チューブT2の幅方向の両端部をロール72に押圧できるように配置されている。
巻取りロール80は、回転駆動して、得られた灌水用チューブ10を巻き取るようになっている。巻取りロール80により灌水用チューブ10を巻き取ることにより、テープ状チューブT2を搬送できるようになる。したがって、本実施形態例では、巻取りロール80は搬送手段となる。
上記製造装置1を用いた灌水用チューブの製造方法の一実施形態例について説明する。
本実施形態例の製造方法では、テープ状チューブT2を連続的に作製するチューブ作製工程と、テープ状チューブT2の片面側を穿孔する穿孔工程と、テープ状チューブT2の幅方向の両端部を連続的にヒートシールするヒートシール工程と、ヒートシールしたテープ状チューブT2を巻き取る巻取り工程とを有する。
チューブ作製工程では、熱可塑性樹脂材料を押出機20により押出形成することによって、チューブT1を作製し、そのチューブT1を畳んでチューブ状テープT2を得る。具体的には、熱可塑性樹脂材料を溶融し、環状のダイ21から吐出させることにより、チューブT1を作製し、そのチューブT1をピンチロール30,30により挟むことにより畳んでテープ状チューブT2を得る。
押出成形温度は150〜200℃であることが好ましい。押出成形温度が150℃以上であれば、容易にチューブT1を成形でき、200℃以下であれば、熱可塑性樹脂材料の劣化を防止できる。
環状のダイ21の直径は30〜50mmであることが好ましい。環状のダイ21の直径が30mm以上であれば、充分に送水できる灌水用チューブ10を得ることができ、50mm以下であれば、使用に適した灌水用チューブ10を得ることができる。
ダイ21から吐出させて得たチューブT1は、必要に応じて、水冷または空冷により冷却してもよい。
穿孔工程では、テープ状チューブT2の片面側に、所定の間隔で、レーザ光をレーザ光発生器60より照射して穿孔する。その際、レーザ光発生器60は、テープ状チューブT2の幅方向に往復動させて、千鳥状に穿孔する。このように穿孔することで、灌水用チューブ10を得る。
レーザ光の強度は12〜20W/cm2であることが好ましい。レーザ光の強度が12W/cm2以上であれば、容易に穿孔でき、20W/cm2以下であれば、容易に所定の孔径にすることができる。
本実施形態例では、第1吸引機40および第2吸引機50によりテープ状チューブT2を吸引してチューブ内部を拡げ、その状態でテープ状チューブT2にレーザを照射して穿孔する。
テープ状チューブT2の吸引においては、チューブ内部の間隔が3〜5mmになるようにすることが好ましい。チューブ内部の間隔が3mm以上であれば、テープ状チューブT2の一方の面から他方の面への貫通を充分に防止できる。しかし、チューブ内部の間隔が5mmを超えるように吸引するのは困難になることがある。
ヒートシール工程では、穿孔工程で得たテープ状チューブT2の幅方向の両端部をヒートシールして耳部11を形成する。
ヒートシール方法としては、テープ状チューブT2の幅方向の両端部を、ロール71と、加熱したヒートシールバー72とで挟む方法が適用される。ヒートシール温度は、使用する熱可塑性樹脂材料に応じて適宜選択されるが、例えば、250〜300℃にされる。
ヒートシール後、必要に応じて、テープ状チューブT2を冷却する。
巻取り工程では、ヒートシール工程にてヒートシールした灌水用チューブ10を、巻取りロール80によって巻き取って、ロール状にする。
上記実施形態例では、第1吸引機40および第2吸引機50により、テープ状チューブT2の内部を拡げた状態でレーザ光を照射して穿孔するため、テープ状チューブT2の一方の面から他方の面への貫通を防止できる。しかも吸引を適用しているため、中子をチューブ内部に配置する必要がないから、テープ状チューブT2の内部を簡便に拡げることができる。
さらに、本実施形態例では、レーザ光照射の前後で第1吸引機40および第2吸引機50によりテープ状チューブT2を吸引しているため、充分にテープ状チューブT2の内部を拡げることができ、テープ状チューブT2の一方の面から他方の面への貫通や、レーザ光照射で溶融した樹脂による一方の面と他方の面の接合を簡単に防止できる。
また、製造装置1において、加熱したヒートシールバー72の代わりに、加熱したヒートシールロールを用いてもよい。
また、本発明の灌水用チューブの製造方法においては、テープ状チューブT2の幅方向の両端部をヒートシールしなくてもよい。すなわち、灌水用チューブ10においては、耳部11が形成されていなくてもよい。
また、テープ状チューブは、長尺の2枚のフィルムを重ね、幅方向の両端部を長手方向に沿ってヒートシールすることにより作製してもよい。この場合には、必ず耳部が形成されることになる。
また、図3に示すように、灌水用チューブにおける灌水孔12は、並列に形成されていてもよい。
10 灌水用チューブ
11 耳部
12 灌水孔
20 押出機
21 環状のダイ
30 ピンチロール
40 第1吸引機
41 吸引ノズル
50 第2吸引機
51 吸引ノズル
60 レーザ光発生器
70 ヒートシール手段
80 巻取りロール
T1 チューブ
T2 テープ状チューブ
Claims (7)
- 畳まれてテープ状にされたチューブを搬送しながら、該チューブの少なくとも片面をチューブ内部が拡がるように吸引し、チューブにレーザ光を所定の間隔で照射して穿孔することを特徴とする灌水用チューブの製造方法。
- レーザ光照射の前後で前記チューブを吸引することを特徴とする請求項1に記載の灌水用チューブの製造方法。
- 穿孔したチューブの幅方向の両端部をヒートシールすることを特徴とする請求項1または2に記載の灌水用チューブの製造方法。
- 畳まれてテープ状にされたチューブを搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送されているチューブの少なくとも片面側に配置された吸引機と、該吸引機によって内部を拡げたチューブにレーザ光を照射するレーザ光発生器とを具備することを特徴とする灌水用チューブの製造装置。
- レーザ光発生器に対して搬送方向の上流側および下流側に吸引機が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の灌水用チューブの製造装置。
- 吸引機が、チューブを挟んで互いに対向するように配置された一対の吸引ノズルを備えることを特徴とする請求項4または5に記載の灌水用チューブの製造装置。
- 前記チューブの幅方向の両端部をヒートシールするヒートシール手段を具備することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の灌水用チューブの製造装置。
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