JP5451311B2 - 電子写真用カプセルトナー - Google Patents
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Description
トナー像の定着には、熱、圧力、光を利用する種々の定着装置が使用されており、例えば、熱ロールを使用する定着装置が最も一般的に用いられている。
しかし、近赤外領域に強い吸収がある赤外線吸収剤は、780nm以下の可視域にも吸収があるので、十分な定着性を得るために必要な量をカラートナーに添加すると、可視域での光吸収のためにトナー像の色再現性が悪くなる。
また、特許文献2に記載の定着方法では、定着機構としてフラッシュ定着及びレーザー定着の2つのユニットが必要になるため、装置構成が複雑になりコストが高くなるという課題も生じている。
また、本発明によれば、色再現性を悪化させること無く、低コストで十分な定着性を達成できるトナー像の定着方法及び装置が提供される。
このため、コート層に入射した光は、大部分がコート層を透過してコア粒子に入射するか又はより下層のトナーに入射する一方、コア粒子に入射した光は、大部分が着色剤微粒子に当たって、一部は吸収され(熱エネルギーに変換されトナーの溶融に利用される)、残りは乱反射されて、周囲のトナーに照射される。
つまり、直接レーザー光を照射されたトナー粒子内部での吸収量と、周囲の(直接レーザー光を照射されていない)トナー粒子への光照射のバランスが良好である。
また、aが0.5μmより小さくなると、これに伴いbが取り得る値(すなわち、シェル層中の着色剤の体積平均粒子径)が小さくなり過ぎるため、シェル層中での着色剤の分散状態が悪化して光透過率が低下し、その結果レーザー光の照射効率が低下して、トナー粒子層の定着が不十分になる。また、分散状態の悪化により、シェル層中で溶融状態が大きく異なることになって均一な定着ができなくなる。一方、0.9μmより大きくなると、コア粒子の光透過率が低下してレーザー光がトナー粒子の外部に出られずトナー粒子層の定着が不十分になる。
図1は、本発明のコア−シェル構造を有するカプセルトナーの一形態の構成を示す模式図である。カプセルトナー1は、コア粒子2の表面にシェル層(被覆層)3を備えた二層構造(コア−シェル構造)を有する。コア粒子2は結着樹脂中に着色剤微粒子C1が分散されてなり、シェル層3は結着樹脂中に着色剤微粒子C2が分散されてなる。
本発明のトナーは、シアントナー、マゼンタトナー若しくはイエロートナー又はブラックトナー以外のその他のカラートナーであることが好ましい。ブラックトナーは光の吸収効率が良好なため、本発明のような構成にする必要はない。
本発明のトナーがカラートナーであることによって、赤外線吸収剤に起因する色再現性の悪化が起こらない画像を得ることができるという効果がより顕著に発現される。
コア粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色樹脂微粒子からなる。
本発明のトナーにおいては、コア粒子に含まれる着色剤微粒子の体積平均粒子径aは、0.5μm≦a≦0.9μmの範囲であり、かつ後述するシェル層に含まれる着色剤微粒子の体積平均粒子径bとの比率a/bが2.0≦a/b≦5.0を満たすことが必要である。
第1の結着樹脂として、1種の結着樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上の結着樹脂を併用してもよい。
着色剤としては、例えば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、及びブラックトナー用着色剤等を挙げることができる。
上記着色剤以外にも、紅色顔料、緑色顔料等を用いることができる。これらの着色剤は、1種を単独で用いてもよく、また色の異なる2種以上を併用してもよい。また同色系の複数の着色剤を併用することもできる。
トナー用の帯電制御剤は、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加される。本発明に用いられる帯電制御剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知の正電荷制御用又は負電荷制御用の帯電制御剤を用いることができる。
正電荷制御用の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料及びその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、及びアミジン塩等を挙げることができる。
これら帯電制御剤は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上の帯電制御剤を併用して用いてもよい。
帯電制御剤が、結着樹脂100重量部に対して5重量部よりも多く含まれると、二成分現像剤として用いる場合にはキャリアが汚染されてしまい、トナー飛散が発生する。また、帯電制御剤が結着樹脂100重量部に対して0.5重量部未満であると、トナーに十分な帯電特性を付与することができない。
シェル層は、少なくとも結着樹脂及び着色剤微粒子からなる。
本発明のトナーにおいては、シェル層に含まれる着色剤微粒子の体積平均粒子径bは、コア粒子に含まれる着色剤微粒子の体積平均粒子径aとの比率a/bが2.0≦a/b≦5.0を満たすことが必要である。体積平均粒子径bは、比率a/bが前記範囲内である限り特に限定されないが、0.1μm≦b≦0.4μmの範囲にあることが好ましい。
シェル層においても、着色剤は、1種を単独で用いてもよく、また色の異なる2種以上を併用してもよい。また同色系の複数の着色剤を併用することもできる。
シェル層に含まれる着色剤微粒子は、一般には、コア粒子に含まれる着色剤微粒子と同じであるが、体積平均粒子径が前記所定の関係を満たす限り、異なってもよい。
シェル層中の離型剤及び帯電制御剤は、コア粒子に関して説明したとおりである。
シェル層中の添加剤は、コア粒子中の添加剤と同じであってもよいし、異なってもよい。
本発明のカプセルトナーは、コア粒子にもシェル層にも、赤外線吸収剤を実質的に含まないことが好ましい。ここで、赤外線吸収剤に関して「実質的に含まない」とは、トナー像の色再現性に影響を与える量で赤外線吸収剤を含んでいないことをいう。そのような量は、例えば、結着樹脂100重量部に対して0.1重量部以下である。
本発明のカプセルトナーの製造方法は、コア−シェル構造が形成される限り、特に限定されず、公知の製造方法、例えば凝集法により製造することができる。
以下に、コア粒子の製造方法及びシェル層(コア−シェル構造)の形成方法について詳細に説明する。
コア粒子は、従来公知のトナー製造方法、例えば、溶融混練粉砕法によって製造することができる。溶融混練粉砕法とは、結着樹脂及び着色剤微粒子、必要に応じて離型剤、電荷制御剤その他の添加剤等を含むコア粒子原料を乾式混合する混合工程と、混合工程で得られた混合物を溶融混練する融解混練工程と、融解混練工程で得られた溶融混練物を冷却して固化させる冷却工程と、冷却工程で得られた固化物を機械的に粉砕する粉砕工程とを含む。
融解混練工程において用いられる混練機としては、特に限定されるものではなく、例えば、二軸押し出し機、三本ロール、ラボブラストミル等の一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、例えば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87(商品名、株式会社池貝製)等の1軸もしくは2軸の押出機、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)等のオープンロール方式のものを挙げることができる。
例えば、微粒の水性スラリーの加熱温度及び加熱時間を適宜選択することによって、所望の体積平均粒子径及び平均円形度のコア粒子を得ることができる。上記加熱温度は、結着樹脂の軟化点以上、結着樹脂の熱分解温度未満の温度範囲から適宜選択される。加熱時間が同じである場合には、通常は、加熱温度が高いほど、得られるコア粒子の体積平均粒子径は大きくなる。
コア粒子の分散液中に後述するシェル粒子の分散液を添加してコア粒子表面にシェル粒子を凝集、融着させ、コア粒子表面をシェル粒子にて被覆させることにより、本発明のカプセルトナー粒子を形成する。
シェル粒子は、体積平均粒子径が例えば0.1〜1.0μmである。
液体分散媒としては、コア粒子及びシェル粒子を溶解することなく均一に分散させることができる任意の液体であり得る。取扱いの容易性等の点で、水が好ましい。
スラリー中でのコア粒子(C)とシェル粒子(S)の重量比C/Sは、例えば80/20〜96/4である。
分散剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液体分散媒への分散剤の添加量は、例えば5〜10重量%である。
撹拌は、公知の撹拌手段により、例えばローター/スクリーン方式の高速乳化改良機により行うことができる。撹拌速度は、撹拌翼(ローター)の先端(径方向外側)の周速度として、例えば12〜25m/秒、好ましくは14〜22m/秒、より好ましくは16〜20m/秒である。
上記のようにしてシェル粒子をコア粒子の表面へ固着した後、スラリーから、例えば濾過により、粒子を取り出し、必要に応じて水洗し、乾燥させることにより、コアと該コアの表面を覆うシェルとからなるコア・シェル構造を有するカプセルトナーが得られる。
本発明の現像剤は、上記の本発明に係るカプセルトナーを含んでなる一成分現像剤又は二成分現像剤である。
本発明に係るカプセルトナーを一成分現像剤として用いる場合、キャリアを用いることなく上記トナーのみで用いる。
一成分現像剤として用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させて、スリーブ上にトナーを付着させることによってトナーを搬送し、画像形成を行う。
トナーに必要な帯電量、外添剤を添加することによる感光体の摩耗に対する影響、及びトナーの環境特性等を考慮して、外添剤の添加量としては、トナー粒子100重量部に対し1〜10重量部であることが好ましく、5重量部以下であることがより好ましい。
本発明の定着方法は、記録媒体上に本発明に係るトナーで形成された未定着のトナー像に、前記トナーに含まれる着色剤微粒子の吸収波長域内の波長を有するレーザー光を照射することによって該トナーを溶融させ、その後再度固化させることにより前記トナー像を前記記録媒体上に定着させることを特徴とする。
本発明の定着方法は、例えば、下記に記載の本発明の定着装置により実施され得る。
本発明に定着方法及び定着装置は、赤外線吸収剤を含まないトナーを用いてレーザー光のみで定着を行うので、赤外線吸収剤添加に起因する色再現性の悪化がない画像を得ることができる。また、低コストである。
図2は、本発明の定着装置の一形態の構成を示す模式図である。例示されているレーザー定着装置80は、レーザー光を発生するレーザー光源81と、レーザー光源81から照射されたレーザー光を反射して無端ベルト61上を走査露光する回転多面鏡82とを備えている。
駆動ローラ62は図示しない駆動部によってその軸線回りに回転駆動が可能なように設けられ、その回転駆動によって、無端ベルト61を矢印方向へ回転駆動させる。従動ローラ63は駆動ローラ62の回転駆動に従動して回転可能なように設けられ、無端ベルト61が弛まないように一定の張力を無端ベルト61に付与する。
Y定着レーザー81Yは、イエロートナーの可視領域の吸収ピークに対応する波長(すなわち、イエロートナー中に含まれる着色剤の吸収ピーク波長;例えば430nm)で発光する。
C定着レーザー81Cは、シアントナーの可視領域の吸収ピークに対応する波長(すなわち、シアントナー中に含まれる着色剤の吸収ピーク波長;例えば620nm)で発光する。
K定着レーザー81Kの波長はブラックトナーの吸収波長である。ブラックトナーの吸収ピークに対応するK定着レーザー81Kの発光波長については、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
溶融したトナーは自然冷却により固化する。
次に、本発明の電子写真方式画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、現像剤として前述の本発明に係る現像剤を使用し、前述の本発明に係る定着方法による定着装置(例えば、前述の本発明に係る定着装置)を備える限り、他の構成について特定のものに限定されず、電子写真用現像剤を用いる電子写真方式の画像形成装置の構成として公知のものをいずれも採用できる。
本発明の画像形成装置は、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機であり得る。
図3は、本発明の画像形成装置の1つの実施形態の構成を示す断面図である。例示されている画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラー又はモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置100においては、コピアモード(複写モード)、プリンタモード及びFAXモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体、メモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じて、図示しない制御部により、印刷モードが選択される。
トナー像形成部7は、感光体ドラム11と、帯電部12と、露光ユニット13と、現像装置14と、クリーニングユニット15とを含む。
帯電部12、現像装置14及びクリーニングユニット15は、感光体ドラム11の回転方向まわりに、この順序で配置される。帯電部12は、現像装置14及びクリーニングユニット15よりも鉛直方向下方に配置される。
感光体ドラム11は、図示しない駆動部により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない導電性基体及び導電性基体の表面に形成される感光層を含む。
導電性基体は種々の形状を採ることができ、例えば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などを挙げることができる。これらの中でも円筒状が好ましい。導電性基体は導電性材料によって形成される。
導電性材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属、これらの2種以上の合金、合成樹脂フィルム、金属フィルム、紙などのフィルム状基体にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金、酸化インジウムなどの1種又は2種以上からなる導電性層を形成してなる導電性フィルム、導電性粒子及び/又は導電性ポリマーを含有する樹脂組成物などを挙げることができる。なお、導電性フィルムに用いられるフィルム状基体としては、合成樹脂フィルムが好ましく、ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、導電性フィルムにおける導電性層の形成方法としては、蒸着、塗布などが好ましい。
感光層は、例えば、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層することにより形成される。その際、導電性基体と電荷発生層又は電荷輸送層との間には、下引き層を設けることが好ましい。下引き層を設けることによって、導電性基体の表面に存在する傷及び凹凸を被覆して、感光層表面を平滑化する、繰り返し使用時における感光層の帯電性の劣化を防止する、低温及び/又は低湿環境下における感光層の帯電特性を向上させるといった利点が得られる。また最上層に感光体表面保護層を設けた耐久性の大きい三層構造の積層感光体であっても良い。
帯電部12は、感光体ドラム11を臨み、感光体ドラム11の長手方向に沿って感光体ドラム11表面から間隙を有して離隔するように配置され、感光体ドラム11表面を所定の極性及び電位に帯電させる。帯電部12には、帯電ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、鋸歯型帯電器、イオン発生装置などを用いることが可能である。本実施の形態において、帯電部12は感光体ドラム11表面から離隔するように設けられるが、これに限定されるものではない。例えば、帯電部12として帯電ローラを用い、帯電ローラと感光体ドラム11とが圧接するように帯電ローラを配置してもよく、帯電ブラシ、磁気ブラシなどの接触帯電方式の帯電器を用いてもよい。
露光ユニット13は、露光ユニット13から出射される各色情報の光が、帯電部12と現像装置14との間を通過して感光体ドラム11の表面に照射されるように配置される。露光ユニット13は、画像情報を該ユニット内でb、c、m、yの各色情報の光に分岐し、帯電部12によって一様な電位に帯電された感光体ドラム11表面を各色情報の光で露光し、その表面に静電潜像を形成する。露光ユニット13には、例えば、レーザー照射部及び複数の反射ミラーを備えるレーザースキャニングユニットを使用できる。他にもLED(Light Emitting Diode)アレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットを用いてもよい。
現像装置14の構成を、図4に示す断面図を参照しながら説明する。現像装置14は、本発明に係るカプセルトナーを含む一成分現像剤又は二成分現像剤を用いて現像を行う。つまり、現像装置14は、長期にわたり十分な定着性を保つことが可能な上記トナーを含む現像剤を用いて現像を行うので、トナー像を感光体ドラム11上に形成することができる。
図3に示すクリーニングユニット15は、記録媒体にトナー像を転写した後に、感光体ドラム11の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム11の表面を清浄化する。クリーニングユニット15には、例えば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。なお、画像形成装置100においては、感光体ドラム11として、主に有機感光体ドラムが用いられ、有機感光体ドラムの表面は樹脂成分を主体とするものであるため、帯電装置によるコロナ放電によって発生するオゾンの化学的作用によって表面の劣化が進行しやすい。ところが、劣化した表面部分はクリーニングユニット15よる擦過作用を受けて摩耗し、徐々にではあるが確実に除去される。したがって、オゾンなどによる表面の劣化の問題が実際上解消され、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。本実施の形態ではクリーニングユニット15を設けたが、特に限定されるものではなく、クリーニングユニット15を設けなくてもよい。
転写部8は、感光体ドラム11の上方に配置され、中間転写ベルト25と、駆動ローラ26と、従動ローラ27と、中間転写ローラ28(b、c、m、y)と、転写ベルトクリーニングユニット29、転写ローラ30とを含む。中間転写ベルト25は、駆動ローラ26と従動ローラ27とによって張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材であり、矢印Bの方向に回転駆動する。中間転写ベルト25が、感光体ドラム11に接しながら感光体ドラム11を通過する際、中間転写ベルト25を介して感光体ドラム11に対向配置される中間転写ローラ28から、感光体ドラム11表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム11の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト25上へ転写される。
本発明の画像形成装置においては、定着装置は、前述した本発明に係る定着方法を利用する定着装置である。
定着装置4は、転写部8よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられた、レーザー定着装置80より構成される。
定着装置4は、上記<定着方法及び装置>で説明したとおりである。
図3に示す記録媒体供給部5は、自動給紙トレイ35と、ピックアップローラ36と、搬送ローラ37と、レジストローラ38、手差給紙トレイ39を含む。自動給紙トレイ35は画像形成装置100の鉛直方向下部に設けられ、記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体としては、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。ピックアップローラ36は、自動給紙トレイ35に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路S1に送給する。搬送ローラ37は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、記録媒体をレジストローラ38に向けて搬送する。
排出部6は、搬送ローラ37と、排出ローラ40と、排出トレイ41とを含む。搬送ローラ37は、用紙搬送方向において定着ニップ部よりも下流側に設けられ、定着装置4によって画像が定着された記録媒体を排出ローラ40に向けて搬送する。排出ローラ40は、画像が定着された記録媒体を、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられる排出トレイ41に排出する。排出トレイ41は、画像が定着された記録媒体を貯留する。
なお、本明細書中において範囲を示す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味するものとする。
<体積平均粒子径>
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、試料20mg及びアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)によって、超音波周波数20kHzで3分間分散処理して、測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:MultisizerIII、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒子径を求めた。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)において、荷重10kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えて試料1gがダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から押し出されるように設定し、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度とした。
(実施例1)
(1)コア粒子の製造
結着樹脂としてスチレンアクリル樹脂、ガラス転移温度Tg:55℃、軟化温度Tm:110℃)を87.5部と、着色剤(C.I.ピグメントブルー15;顔料粒子径0.75μm)を8部と、帯電制御剤(商品:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社製)を1.5部とを混合機(商品名:ヘンシェルミキサ、三井鉱山株式会社製)で混合した。二軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)を用い、シリンダ温度145℃、バレル回転数300rpmの条件下において、得られた混合物を溶融混練して、溶融混練物を調製した。この溶融混練物を室温まで冷却した後に、カッターミル(商品名:VM−16、株式会社セイシン企業製)で粗粉砕し、粒子径100μm以下の粗粉を調製した。
シェル層形成用のシェル粒子は、着色剤を体積平均粒子径が0.2μmのものに変更した以外はコア粒子の製造に用いたものと同じ材料及び配合量で同様に溶融混練した後、高圧ホモジナイザにて体積平均粒子径が0.1μmのシェル粒子の分散液を得た。
上記のようにして得られたコア粒子スラリー450g及びシェル層用粒子スラリー45gを、クリアランス0.2mmである500ml容量のローター/スクリーンタイプの高速乳化機(クレアミクス、エム・テクニック(株)製)に移し、回転体部分の回転速度を18m/秒とし、液温80℃で10分間処理をし、次いで濾過することによって粒子を取り出し、水洗を5回行った後、粒子を75℃の熱風で乾燥し、カプセルトナーを得た。
得られたカプセルトナー100重量部と、外添剤として疎水性シリカ(商品名:R−974、日本アエロジル株式会社製)2.2重量部と、疎水性チタン(商品名:T−805、日本アエロジル株式会社製)1.6重量部とを、ヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)で混合することによりトナーに外添剤を外添した。
キャリアとして体積平均粒子径45μmのフェライトコアキャリアを用い、現像剤中のトナーの濃度が7%となるようにV型混合器混合機(商品名:V−5、株式会社特寿工作所製)を用いて20分間混合し、実施例1の二成分現像剤を作製した。
コア粒子中に用いた着色剤微粒子及び/又はシェル粒子中に用いた着色剤微粒子の体積平均粒子径を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜5及び比較例1〜4の二成分現像剤を作製した。
市販の複写機(商品名:MX−2700、シャープ株式会社製)の定着装置を、図4に示すような定着装置(Y定着レーザー:430nm、M定着レーザー:565nm、C定着レーザー:620nm、K定着レーザー:780nm、出力:出力:250W/cm2)に改造したものに、実施例及び比較例の二成分現像剤をそれぞれ充填した。トナーの付着量が1.2mg/cm2(カプセルトナー二層分に相当)になるように調整してベタ画像を定着し、評価画像を作成した。
定着率(%)=[(擦過後の像濃度)/(擦過前の像濃度)]×100 ・・・(1)
上記式(1)により得られた定着率が70%以上であれば、十分な定着性を有するカプセルトナーであると評価した。
定着性を評価した結果、本発明のカプセルトナーを含んでなる現像剤は、レーザー定着システムだけで十分な定着性を確保できることが明らかとなった。
2 コア粒子
3 シェル層(被覆層)
C1 コア粒子中の着色剤微粒子
C2 シェル層中の着色剤微粒子
a コア粒子中の着色剤微粒子の体積平均粒子径
b コート層中の着色剤微粒子の体積平均粒子径
7 トナー像形成部
11 感光体ドラム
12 帯電部
13 露光ユニット
14 現像装置
15 クリーニングユニット
21 トナーホッパ
22 現像ローラ
23 供給ローラ
24 撹拌ローラ
25 中間転写ベルト
26 中間転写ベルトの駆動ローラ
27 中間転写ベルトの従動ローラ
28 中間転写ローラ
30 転写ローラ
35 自動給紙トレイ
36 ピックアップローラ
37 搬送ローラ
38 レジストローラ
39 手差給紙トレイ
40 排出ローラ
41 排出トレイ
62 駆動ローラ
63 従動ローラ
80 レーザー定着装置
81 レーザー光源
82 回転多面鏡
P 用紙(記録媒体)
S1 用紙搬送路
S2 用紙搬送路
Claims (7)
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤微粒子からなるコア粒子と、少なくとも結着樹脂及び着色剤微粒子からなり、かつ前記コア粒子を被覆するコート層とを備え、前記コア粒子中の着色剤微粒子の体積平均粒子径aと前記コート層中の着色剤微粒子の体積平均粒子径bとが次の関係:2.0≦a/b≦5.0及び0.5μm≦a≦0.9μmを満たし、定着に際してレーザー光のみを照射されることを特徴とする、コア−シェル構造を有する電子写真用カプセルトナー。
- 次の関係:0.1μm≦b≦0.4μmを更に満たす請求項1に記載のトナー。
- シアントナー、マゼンタトナー又はイエロートナーである請求項1又は2に記載のトナー。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーと外添剤とを含んでなることを特徴とする電子写真用一成分現像剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーとキャリアとを含んでなる特徴とする電子写真用二成分現像剤。
- 記録媒体上に請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーで形成された未定着のトナー像に、前記トナーに含まれる着色剤微粒子の吸収波長域内の波長を有するレーザー光を照射することによって該トナーを溶融させ、その後再度固化させることにより前記トナー像を前記記録媒体上に定着させることを特徴とするトナー像の定着方法。
- 少なくとも1つの請求項4又は5に記載の現像剤を使用すること、及び該現像剤中のトナーで形成された未定着のトナー像を記録媒体上に定着させる定着装置であって、前記トナーを加熱溶融する手段を備え、該手段が、前記トナーのそれぞれに、各トナーに含まれる着色剤微粒子の吸収波長域内の波長を有するレーザー光を照射する少なくとも1つのレーザー光源を含んでなり、且つトナーに光を照射する光源としては前記レーザー光源のみを含む定着装置を備えることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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JP2009246924A JP5451311B2 (ja) | 2009-10-27 | 2009-10-27 | 電子写真用カプセルトナー |
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