本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明における各種の実施の態様を実施可能としたシステムの機能ブロック図であり、各実施の態様においてはこれらの機能ブロックの内任意のものを選択して使用可能とする例を示している。図1に示すナビゲーション装置1においては、通常のナビゲーション装置と同様に、図示されない各種手段により、現在地を中心とした地図をモニタに表示し、現在地マークを重ねて表示すると共に、目的地への誘導経路が演算された時には、目的地に安全に到達できるように案内を行う処理を行っている。
図1のナビゲーション装置1は、特に本発明におけるデータベースのデータに起因するナビゲーション装置の不適切作動検出によるメンテナンス情報提供処理を行う処理部10を中心に記載している。このナビゲーション装置1においては、内部の通信部26と外部に存在する地図データセンター2の通信部40とが通信可能としている。
この地図データセンター2は例えばナビゲーション装置のメーカーや車両メーカーが運営し、或いは地図データ作成企業、更には各種企業のサービス部門が運営している情報センターに相当し、本発明ではこの情報センターにおいて特に地図のデータを利用することにより「地図データセンター」と称している。
この地図データセンター2は最新の地図データが収集されていて、最新版のデータベースを備えており、そのデータに基づいて年に1回或いは複数回、ナビゲーション装置のデータベースを更新しバージョンアップしたデータベースを作成して販売している。更に、この地図データセンター2は前記のような情報センターとして、常に各種の最新情報も収集しており、ナビゲーション装置1の利用者からの問い合わせに回答し、或いは交通情報も提供し、更には行楽用のイベント情報等も提供可能としており、ナビゲーション装置1を快適に利用できる各種情報の発信源として機能している。
図1に示すナビゲーション装置1においては、これが例えば車両に搭載されている時、前記のような通信部26が存在しない場合を考慮し、近年のナビゲーション装置が備えるようになっている外付けのメモリを挿入するスロットを備え、そのスロットに挿入した外付メモリ5に対して必要なデータを外付メモリ読み書き部6で書き込み、これを抜き出して利用者が用いているパソコン3のスロットに挿入し、更にパソコンでデータを記録した外付メモリを再びナビゲーション装置のスロットに挿入してデータを読み込むことができるようにした例を示している。
それにより、パソコンが備えている通信部29を利用してそのデータを前記のような地図データセンター2の通信部40と通信を行い、後述するようなナビゲーション装置1のメンテナンスの為のデータを含む情報を地図データセンターに送信し、その情報に対応して地図データセンターが作成するメンテナンス情報を受信し、外付メモリ5に書き込むことができるようにしている。このような外付メモリ5に書き込まれたメンテナンス情報はパソコン3で読み出して利用し、更にはこの外付メモリ5を再びナビゲーション装置1のスロットに挿入することにより、外付メモリ読み書き部6がこれを読み込んで、ナビゲーション装置内でも利用可能としている。
上記のような全体のシステムの一部を構成するナビゲーション装置1には、地図データ及び各種施設データ、更には各種情報を記録している地図・情報データ記録媒体4を備えており、従来のナビゲーション装置と同様に、現在地を中心とした地図を表示し、更には各種情報を利用可能としている。この地図・情報データ記録媒体4は少なくともこのナビゲーション装置1の利用開始時にはその時のほぼ最新のデータを記録しており、このデータベースのバージョン情報としてのデータ作成年月も記録しているため、地図データセンター2はこのバージョン情報を受信することにより、このデータベース作成時以降に更新された各種データの存在を容易に知ることもできるようになる。
図1のナビゲーション装置1には、現在用いている地図・情報データ記録媒体4のデータベースについて、そのデータ不足に起因するナビゲーション装置の不適切作動を検出してデータベースのメンテナンス情報を提供する各種処理において、特に利用者が施設検索を行う時に検索できなかったデータを利用する例を主として示している。そのために施設検索部7を備え、例えば電話番号入力11によって、或いは施設名等を50音入力することによって、施設検索を行うことができるようにした例を示している。但し、施設検索については従来より例えば地域を順に絞る検索手法等、更に種々の検索手法が提案され、実施されており、この施設検索部7においてはそれらの各種検索手法を用いることができる。
検索結果出力部8では、施設検索部7で検索した結果を検索結果検出部9に出力し、検索結果検出部9では該当施設無し検出部13で、施設検索部7における電話番号入力11によって、或いは50音入力12等によって検索を行った時、検索結果出力部8から検索結果が出力されない時、或いはその検索結果、対応する施設が存在しないことを示す出力がなされた時、該当する施設はないことを検出する。
また、図示する検索結果検出部9には検索結果該当施設リスト表示部14を備え、例えばホテルのジャンルで特定の市町村に存在するホテルを検索した結果、該当施設が複数存在するとき、これをリスト表示する。検索結果リスト表示施設適否判別部15では、利用者が前記検索の結果を、該当施設リスト表示部14によってモニタに表示されたリストを参照し、リストに表示された施設の中に所望の施設が存在する時には検索結果は適切であったと判断し、本来存在すべき所望の施設が存在しない時には検索結果は適切ではなかったと判別する。
このように検索結果検出部9で検索した結果が適切ではないと判別したときには、このナビゲーション装置が備えている地図・情報データ記録媒体に記録しているデータベースのデータが古い等によって適切な検索がされず、不適切作動が生じたものとすることができる。したがってこの作動は、検索結果検出部9はデータベースのデータ不足に起因するナビゲーション装置の不適切作動検出を行うので、このナビゲーション装置において施設検索による不適切作動検出部ということもできる。
検索結果リスト表示施設適宜判別部15でのその判別に際しては、複数の施設がリスト表示された状態で、利用者がその中の施設を選択して次の操作に入った時にはリスト表示が適切であった、即ちデータベース中に所望の施設が存在していると判別する。また、リスト表示された状態から元の検索画面に戻る操作が行われた時には、検索結果が適切ではなかった、即ち現在使用している地図・情報データ記録媒体のデータベースには、本来存在すべき所望の施設のデータが存在しないと判別する。図示する検索結果検出部9ではそのほか、各種検索手法に対応して、それぞれ特有の検索結果の検出を行うことができる。
上記のような施設検索時にリスト表示される態様としては更に種々の態様が存在し、例えば特定の企業名、或いはレストラン名等で検索を行い、その企業において現在はあるべき特定の支社がリスト中に存在しない時、また、そのレストランにおいて現在はあるべき特定の支店がリスト中に存在しない時、等においても、同様に検索結果が適切ではなかったと判別することができる。
データベースメンテナンス情報メモリ17は、現在使用している地図・情報データ記録媒体4のデータベースをメンテナンスする各種情報を記録するものであり、前記検索結果検出部9の検出結果のデータを記録するための検索不能施設データ利用メンテナンス情報メモリ18を備えている。なお、図示するデータベースメンテナンス情報メモリ17においては、そのほか後述するようなETCゲートを通過する時に得られるメンテナンス情報を記憶するための、ETCゲートデータ利用メンテナンス情報メモリ33を備え、更に、モニタに表示されている地図において道路のない場所を走行していることを検出した時のメンテナンス情報を記憶するための、表示無し道路走行データ利用メンテナンス情報メモリ35を備えた例を示している。
検索不能施設データ利用メンテナンス情報メモリ18には、検索不能施設データ19を記憶しており、この検索不能施設データ19における最新検索日時20のデータとしては、例えば同一の施設について複数回検索を行った時、最新の検索日時を記録する。また、同一施設検索回数21のデータとしては、同一施設を検索した回数を記録する。未問い合わせデータ22としては、後述するようにデータベースメンテナンス情報メモリ17に記録されているデータに基づいて地図データセンター2に対して、地図データセンターに存在する最新バージョンのデータベースでそれらの施設はカバーされているか否かを問い合わせて、その結果の回答を得る、という問い合わせ作動を既に行ったデータと、未だ問い合わせを行っていないデータとを区別するための識別データを記憶している。
最新データベースカバー可否データ23のデータは、前記のように地図データセンター2に問い合わせを行った結果、地図データセンター2から送信されてきた回答のデータを記録しておく。メンテナンス演算データ24のデータは、メンテナンス情報演算部16においてデータベースメンテナンス情報メモリ17に記録されている各種データを利用して演算を行った結果を記録する。メンテナンス情報演算部16での演算の際には、例えば延べ100回の検索不能回数があり、その中に特定の施設に対して複数回検索を行っていたことにより例えば総計80の施設について検索不能であった旨のデータが検索不能施設データ19として記録されていた場合であって、更にそれらの施設について地図データセンター2に問い合わせた結果、40の施設については最新のバージョンのデータベースに存在することがわかると共に、延べ検索不能回数は55回であった時には、最新のバージョンのデータベースを購入すると50%の確率で検索不能施設が存在しなくなること、及び55%の確率で検索不能回数が減少することが演算される。
このメンテナンス情報の演算結果のデータをメンテナンス演算データ24に記録し、必要な時にメンテナンス情報出力部25から利用者に対して、モニタ等に出力表示できるようにしている。なお、この演算は利用者がメンテナンス情報の出力を希望する時、或いは検索した結果適切な施設がない時等に、自動的に演算して演算結果をメンテナンス演算データ24として記録し、これを直ちにメンテナンス情報出力部25から出力するようにしても良い。
不適切作動データ出力部27においては、地図データベースメンテナンス情報メモリ17の検索不能施設データ利用メンテナンス情報メモリ19に前記各種のデータを記録した時、これを地図データセンターに出力する。また、メンテナンス情報入力部28においては、不適切作動データ出力部27から、このナビゲーション装置に通信部26を備えている時にはその通信部26に出力を行い、またこの通信部26を備えていない事によりパソコンで通信を行う時、或いは通信部26を備えていてもにパソコン等の通信機能を利用したい時には外付メモリ読み書き部6に出力を行う。
通信部26においては、このナビゲーション装置に接続した携帯電話等によって地図データセンター2を初めとする各種施設と通信を行うことができるようにしており、その際にはインターネットに接続してそれらの施設と通信を行うことも可能である。特に本発明においてはこの通信部26により、前記不適切作動データ出力部27から出力する、例えば地図データセンター2に未だ問い合わせていない未問い合わせデータ22を選択する等の、任意のデータを選択して、外部の地図データセンター2における通信部40に送信し、また、地図データセンターからのデータを受信して所定の処理を行うことによって作成したメンテナンス情報を受信する。
図1に示す例においては、ナビゲーション装置1に前記のような通信部26を備えず、地図データセンター2との通信機能を備えていない時でも、本発明のメンテナンス情報に関するデータを地図データセンター2から得ることができるようにするため、ナビゲーション装置1に挿抜自在としている外付メモリ5を利用できるようにしている。
即ち、ナビゲーション装置に備えているスロットに外付メモリ5を挿入している時、利用者の指示により、或いは定期的な自動処理によってデータベースメンテナンス情報メモリ17に現在記録している、例えば未問い合わせデータ22を、外付メモリ読み書き部6によって書き込む。その後利用者がこの外付メモリを抜き出して、通信部29を備えたパソコン3のスロットに挿入する。
この状態でパソコン3の通信部29によって地図データセンター3と前記通信部26と同様の通信を行い、地図データセンター2からメンテナンス情報を受信し、外付メモリ5に書き込む。この外付メモリ5を再びナビゲーション装置1のスロットに挿入し、外付メモリ読み書き部6によって読み出し、データベースメンテナンス情報メモリ17に書き込み、前記と同様にそのデータを利用可能とする。このときパソコンにおいて、メンテナンス情報を出力表示し、更に他の情報を表示するようにしても良い。
このナビゲーション装置1の例においては、データベースのデータに起因するナビゲーション装置の不適切作動を検出することによりメンテナンス情報を提供する処理を行うに際して、前記のような施設検索時にメンテナンス情報を得る場合のほか、車両がETCゲートを通過した時、ETCの通過ゲートの表示をナビゲーション装置1の地図・情報データ記録媒体4に記録されているデータベースによって行う際に、通過したETCゲートが新しいことによりETCゲートの名称等の表示が行われない場合に、このナビゲーション装置1が利用しているデータベースのメンテナンス情報を得ることができるようにした例を示している。
即ち、このナビゲーション装置1にはETC接続部30を備え、車両に搭載しているETC機能部とデータの授受可能に接続している。通過ETCゲート検出部31では、車両がETCゲートを通過した時、通過したETCゲートのIDを取り込み、通過したETCゲートを特定する。ETCゲートデータ検索部32では、前記のようにして取り込んだETCゲートのIDを用いて、地図・情報データ記録媒体4に備えているデータベースを検索し、例えばETCゲートのIDデータから通過したETCゲートは「○○ゲート」であることを表示可能とする。
このETCゲートデータ検索部31で、ETCゲートデータに対応したゲート名がデータベースに存在しないことを検出した時、ETCゲートデータ利用メンテナンス情報メモリ33に記録する。ここに記録するメンテナンス情報についても、図中記載を省略しているが前記検索不能施設データ利用メンテナンス情報メモリ18と同様に、データが得られた日時、同一ゲートを通過した回数、地図データセンター2に問い合わせていないことを示す識別データ、地図データセンターに問い合わせた結果を受信して記録する最新データベースカバー可否データ、これらのデータを用いて演算したメンテナンス演算データ等を記録するように設定することができる。
図1のナビゲーション装置1の例においては、データベースのデータに起因するナビゲーション装置の不適切作動を検出することによりメンテナンス情報を提供する処理を行うに際して、車両が地図にない道路を走行していることを検出した時のデータを蓄積し、メンテナンス情報を得るための機能部を備えた例を示している。即ち、表示無し道路走行検出部34においては、このナビゲーション装置1を搭載した車両が、道路表示されていない部分を走行していることを検出する。それにより、現在使用している地図・情報データ記録媒体4に記録されているデータベースでは、現在走行している道路データが存在しないことを検出する。
表示無し道路走行検出部34で、前記のように道路データが存在しない部分を走行していることを検出した時、例えばそのような道路データが存在しない部分の走行を開始した地点の位置情報、或いはその地点の道路リンクデータを、表示無し道路走行データ利用メンテナンス情報メモリ35に蓄積記録する。
この表示無し道路走行データ利用メンテナンス情報メモリ35においても、前記検索不能施設データ利用メンテナンス情報メモリ18、或いはETCゲートデータ利用メンテナンス情報メモリ33と同様に、そのデータが得られた日時、表示のない同一道路部分を通過した回数、地図データセンターに未だ問い合わせていないことを示す識別データ、地図データセンターにこれらの道路について問い合わせ、表示のない道路データは最新のデータベースに記録されているか否かの回答を記録する最新データベースカバー可否データ、これらのデータを用いて演算した演算情報のデータ等を記録できるようにしても良い。
前記のように、ETCゲートデータ情報メモリ33及び表示無し道路走行データ利用メンテナンス情報メモリ35は、各々の一連の作動を行ってデータを記録するものであるが、これらも全て検索不能施設データ利用メンテナンス情報メモリ18と同様のデータであり、したがって図1に示すように、データベースメンテナンス情報メモリ17に属することとなる。これらの各種データは各々独立にメンテナンス情報を得る以外に、全ての種類のメンテナンス情報メモリのデータを一体的に取り扱い、総合的なメンテナンス情報を演算するようにしても良い。
図1に示すナビゲーション装置1においては、前記のように種々の態様で実施することができる例を示したものであり、図1に示すように地図データセンター2に、ナビゲーション装置1の利用者が利用できるサーバであるユーザサーバ46が完備していて、前記データベースメンテナンス情報メモリ17と同様のデータ記録部を備える際には、多くの機能部をユーザーサーバに置き、ナビゲーション装置1のメモリには主として地図データセンターで演算したデータを取り込んで記録する、等の簡略化も可能である。
図1に示す地図情報センター2には、本発明が種々の態様で実施することができるように、種々の機能部を備えた例を示しており、特に前記のようにユーザーサーバー46には、ナビゲーション装置1のデータベースメンテナンス情報メモリ17と同じデータを記録することができるように、データベースメンテナンス情報メモリ47を備えている例を示している。したがってそのメモリ内部の各種機能部は、ナビゲーション装置1と同様の機能部を備えるが、未問い合わせデータ22については不要であるので同様の機能部は備えていない。
したがって、図示する地図データセンター2にはETCゲートデータ利用メンテナンス情報メモリ55、及び表示無し道路走行データ利用メンテナンス情報メモリ56を備えている例を示している。このようなメモリが存在する時には、ナビゲーション装置1側には多くの機能部が不要となることは前記のとおりである。また、地図データセンター2において前記ナビゲーション装置1のメンテナンス情報演算部16と同様の作動を行うメンテナンス情報演算部45を備えた例を示しており、地図データセンター2にこのような機能部を備える時には、ナビゲーション装置1にはこの機能部に関連する多くのものを備える必要はなくなる。
地図データセンター2に特有の機能として不適切作動データ検索部43を備え、ナビゲーション装置1から送信される未問い合わせデータを、メンテナンス情報入出力部41を備えた通信部40で受信した時、その未問い合わせデータについて不適切作動データ検索部43が、地図データセンター2に備えている最新バージョンの地図データを記憶している最新版データベース44を検索し、最新版のデータベースに存在するか否かを判別可能としている。その検索結果は検索結果出力部42から通信部40を介してナビゲーション装置の通信部26、或いはパソコンの通信部29に送信する。なお、このデータをユーザサーバ46のデータベースメンテナンス情報メモリ48に記録しておき、ナビゲーション装置1のデータベースメンテナンス情報メモリ17には記録しないようにしても良い。
前記のような種々の機能部を適宜選択して使用する本発明においては、前記各種の条件に対応して各種の態様で実施することができ、図2〜図12に示すような作動フローによりそれぞれ実施することができる。以下には、各種の態様の作動フローを図1の機能ブロック図、図13〜図17の表示例を参照しつつ説明する。
図2〜図5は第1の態様を実施する例を示しており、図2に示す施設検索結果利用メンテナンス情報管理処理(A)の一連の作動において、ステップS18で図3に示すデータベースメンテナンス情報の取り込み処理(A)を行い、その中のステップS34において図4に示す地図データセンターでの検索不能施設データ処理(A)を行うと共に、ステップS207で図5に示すメンテナンス情報の出力処理を行うようにした例を示している。この処理を行うに際しては、図1のナビゲーション装置1に図示するようなデータベースメンテナンス情報メモリ17を備えており、ナビゲーション装置1から地図データセンター2に対しては、送信データ量を少なくするため、未問い合わせデータ22のみを選択して送信するときの例を示している。以下、これれを順に説明する。
図2に示す施設検索結果利用メンテナンス情報管理処理(A)においては、最初に施設検索を行ったか否かを判別している(ステップS11)。ここで施設検索を行っていないと判別した時には、ステップS17に進んで、後に詳述するようなデータベースメンテナンス情報の取り込み処理を行うか否かの判別を行う。ステップS11で施設検索を行ったと判別した時には、目的とする施設は検索されたか否かを判別する(ステップS12)。ここで目的とする施設は検索されたと判別した時には、ステップS17に進んで後述するような処理を行う。
これらの作動は図1のナビゲーション装置1における施設検索部7において電話番号入力11によって検索を行う時、例えば図13(a)に示すような画面表示上で電話番号入力を行い、地図・情報データ記録媒体4のデータベースにその施設のデータが存在する時には、例えば図13(b)に示すようにその施設が存在する地点を中心とした地図を表示し、地点セットメニューへ遷移可能とする。
それに対して検索結果データがない場合には、図13(c)に示すように、電話番号の上位の桁のデータを利用して、できる限りその施設が存在すると思われる地点の周辺の地図を表示する。この作動は図2のステップS12で目的とする施設が検索されなかったと判別した後、ステップS13において検索施設周辺をモニタに表示する処理を行うことにより実施する。
その後図2の例においては、検索した施設はナビゲーション装置のメンテナンス情報メモリに、検索不能施設として記録されているか否かを判別している(ステップS14)。即ち、図1のナビゲーション装置1における検索不能施設データ利用メンテナンス情報メモリ18には、例えば図13(d)に示すようなデータを記録する。図示の例では検索できなかった電話番号入力、或いは50音入力等の検索を行った結果、適切な施設が検索されなかった履歴を、図示のリストのように記憶するものである。図示の例では検索不可履歴データとして、検索できなかった電話番号、その検索を行った最新日時、及び同一の電話番号で検索した回数、更に新規にこのリストに加えられたことを示す識別記号を記録した例を示している。
新規にこのリストに加えられたことを示す識別記号については、前記図1の説明でも述べたように、図1の未問い合わせデータ22に対応し、このデータを選択することによって最低限のデータを地図データセンター2に送信し、最新バージョンのデータベースでは検索できるようになっているか否かを問い合わせることができる。
図2のステップS14において、検索した施設はナビゲーション装置のメンテナンス情報メモリに検索不能施設として未だ記録されていないと判別した時には、ナビゲーション装置の検索不能施設メモリに新規未問い合わせ検索不能施設として記録する(ステップS15)。それに対してステップS14で検索した施設はナビゲーション装置の検索不能施設メモリに検索不能施設として既に記録されていると判別した時には、記録している該当検索不能施設に検索不能回数を更新して記録する(ステップS16)。
それにより例えば図13(d)に示すリストのように、前記ステップS15では電話番号0121234567が新しくこのリストに加えられ、ステップS16では電話番号0120556677、0123456789が検索回数を更新して記録している。なお、電話番号0123123456については2008年10月8日に新規に記録したものであるが、その後例えば11月1日に最新の地図データセンターへの問い合わせを行った結果、新規にリストへ加えられた施設の識別記号は消去されている。また、電話番号012000000については、少なくとも11月1日の最新の地図データセンターへの問い合わせ時の前に問い合わせを行っており、したがって11月5日の検索不能時には、検索回数の更新のみが行われている。更に電話番号0120556677、012456789については、11月1日にはデータが存在せず、その後新規に蓄積されたデータであることがわかる。
これらの処理は図1のナビゲーション装置1の検索結果検出部9において、施設検索部7で検索を行った結果を検索結果出力部8から取り込み、該当施設無し検出部13、或いは検索結果リスト表示施設適否判別部15で適切な施設が検索されなかったことを検出した時、ナビゲーション装置1内に設けているデータベースメンテナンス情報メモリ17に前記リストのようなデータを記録することによって行うことができる。
図2のステップS16迄の作動により、図13(d)に示すようなデータがナビゲーション装置内に得られ、図2の例ではその後データベースメンテナンス情報の取り込み処理を行うか否かを判別している(ステップS17)。ここで未だデータベースメンテナンス情報を地図データセンターと通信を行って取り込む処理を行う時期ではないと判別した時、及びステップS18において図3に示すようなデータベースメンテナンス情報の取り込み処理(A)を行った後には、データベースメンテナンス情報の出力処理を行うか否かを判別する(ステップS19)。
ステップS19においてデータベースメンテナンス情報の出力処理を行うと判別した時には、図5に示すようなデータベースメンテナンス情報の出力処理を行い、ステップS19においてデータベースメンテナンス情報の出力処理を行わないと判別した時と共に、ステップS11に戻って前記作動を繰り返す。
図2のステップS18で行う図3に示すデータベースメンテナンス情報の取り込み処理(A)の例においては、最初地図データセンターにアクセスしたか否かを判別し(ステップS31)、未だアクセスしていない時にはステップS38に進んでここでの処理は行わない。ナビゲーション装置から地図データセンターにアクセスするタイミングは任意に設定することができるが、例えば新規に検索できなかった施設が発生し、図13(d)に示すリストへ新しく加えられた施設が発生した時に通信を行うように設定することができる。そのほか、例えば1ヶ月毎、或いは2週間毎等の特定の期間が過ぎた時に定期的にアクセするように設定することができ、更に利用者が希望する時に手動で通信開始を行うようにしても良い。
図3において前記のようなタイミングにより地図データセンターにアクセスを行った時にはステップS32に進み、検索不能施設メモリに未問い合わせ検索不能施設はあるか否かを判別している。即ち、今回の地図データセンターのアクセスはメンテナンス情報の取り込み処理を行うものであっても、例えば地図データセンターに利用者のサーバーが存在し、各種メンテナンス情報が記録されている時、それらの情報を単に取り込もうとした時には、特に未問い合わせ検索不能施設のデータが送信されることはない。
ステップS32において検索不能施設メモリに未問い合わせ検索不能施設が存在すると判別した時には、メンテナンス情報メモリの未問い合わせ検索不能施設を地図データセンターに送信する(ステップS33)。それに対してステップS32において検索不能施設メモリに未問い合わせ検索不能施設が存在しないと判別した時には、地図データセンターのサーバに記録している、利用者が必要とする、例えば現在販売されている最新版データベースの情報等のメンテナンス情報を受信する(ステップS37)。
前記ステップS33において、メンテナンス情報メモリの未問い合わせ検索不能施設を地図データセンターに送信した時には、地図データセンターでは図4に示すような地図データセンターでの検索不能施設データ処理(A)を行う(ステップS34)。即ち、図4に示す地図データセンターでの検索不能施設データ処理(A)においては、最初前記図3のステップS33でナビゲーション装置から送信されてきた未問い合わせ検索不能施設について、最新版データベースによって検索不能施設のメンテナンス状況を検索する(ステップS41)。
このときの検索は、図1の地図データセンター2における不適切作動データ検索部43において、最新版データベース44に今回受信した施設が存在するか否かを検索することによって行う。その後検索不能施設のメンテナンス状況検索結果をナビゲーション装置に送信する(ステップS42)。更に図示の例においては、前記の検索不能施設のメンテナンス状況についての検索結果のデータにより、ユーザーサーバーの検索不能施設データ内のメンテナンス情報メモリに必要なデータを記録し(ステップS43)、その後図3のステップS35に進む。但し、前記ステップS41で検索して得られたメンテナンス情報は、図にに示す処理例においては、ナビゲーション装置のデータベースメンテナンス情報メモリに記録しておけば機能するものであるが、更に地図データセンター2にユーザーサーバーが存在する時には、ここにも同様に記録しておくこともできる。
即ち、図1の地図データセンター2に示すように、ユーザーサーバー46が存在し、ここにデータベースメンテナンス情報メモリ47を備えている時には、ここに少なくとも最新データベースカバー可否データ53を記録する部分を備えている際には、この部分に前記検索結果を記録しておく。それにより、地図データセンター2では、このデータを利用して各ユーザー毎のメンテナンス情報を演算することができ、そのデータをメンテナンス演算データ54として記録し、ナビゲーション装置にメンテナンス情報演算部16が存在しなくてもメンテナンス情報を提供可能とする。このデータは必要に応じて、今後の地図データ自体のメンテナンスを行うための参考データとして、地図情報センターで活用することもできる。
図3のステップS34において前記図4に示す地図データセンターでの検索不能施設データ処理を行った後は、地図データセンターから最新版のデータベースによるメンテナンス情報を取り込み(ステップS35)、次いでメンテナンス情報メモリのデータを更新する(ステップS36)。このデータの更新に際しては、例えば図1の未問い合わせデータ22を消去することによって行い、図13(d)のようなリスト表示がなされる時には、同図における未問い合わせマークを消去する。その後図2のステップS19に進み(ステップS38)、データベースメンテナンス情報の出力処理を行うか否かの判別を行う。図2のステップS19において、データベースメンテナンス情報の出力処理を行うと判別した時には、図5に示すようなデータベースメンテナンス情報の出力処理を行い、ステップS19でこの処理を行わないと判別した時には、ステップS11に戻って前記作動を繰り返す。
図5に示すデータベースメンテナンス情報の出力処理の例においては、後述する図6に示す態様においても同様の作動を行うものとして記載しており、更に後述する図9に示す態様においても同様の作動を行うものとして記載している。この処理においては最初メンテナンス情報を出力するか否かの判別を行っている(ステップS51)。ここでのメンテナンス情報を出力するか否かの判別は、例えばナビゲーション装置1において前記のように新規に検索不能施設が発生した時のような、ナビゲーション装置のデータベースのデータに起因するナビゲーション装置の不適切な作動が発生した時、メンテナンス情報を出力する、と予め設定しておくことにより実施することができる。
ステップS51におけるメンテナンス情報を出力するか否かの判別に際しては、そのほか例えば3ヶ月毎、或いは6ヶ月毎等の所定期間を予め設定しておき、その期間が経過した時にメンテナンス情報を出力する状態になったと判別するようにしても良い。また、利用者が予め設定している入力画面において、メンテナンス情報を出力する旨の入力操作を行った時に、メンテナンス情報を出力する、と判別するようにしておいても良い。
ステップS51において前記のような態様によりメンテナンス情報を出力する状態にはないと判別した時には、ステップS56に進んで図2のステップS11に進み、前記施設検索結果利用メンテナンス情報管理処理を繰り返す。それに対してステップS51で前記態様によりメンテナンス情報を出力する状態になったと判別した時には、メンテナンス情報メモリからメンテナンス情報を読み出して、最新版のデータベースによるカバー状況、カバー率等を出力し、モニタ画面に表示する(ステップS52)。
この出力表示に際しては、図1のナビゲーション装置に最新データベースカバー可否データ23が存在し、また、メンテナンス演算データ24が存在する時には、これを読み出してメンテナンス情報出力部25から出力することができる。それに対してナビゲーション装置1にこれらのデータを記録しておらず、地図データセンター2のユーザーサーバー46に、最新データベースカバー可否データ53が存在し、またメンテナンス演算データ54が存在する時には、ナビゲーション装置1が地図データセンター2と通信を行い、ユーザーサーバーに記録しているこれらのデータの取り込みを行うことによって実施することもできる。
その後利用者が表示の停止指示を行ったか否かを判別し(ステップS53)、停止指示が行われた時にはステップS56に進んで表示を停止しする。それに対してステップS53で利用者が表示停止時を行わないと判別した時には、図示の例ではステップS54に進んで設定時間が経過したか否かを判別し、未だ設定時間が経過しない時にはステップS52に戻って出力表示を継続して前記作動を繰り返す。ステップS54で設定時間が経過したと判別した時には、ステップS54で利用者が表示停止指示を行わない時でも、ステップS55に進んで表示を停止し、図2のステップS11に戻り、または図5の作動が図6の処理として行われている時にはステップ61に戻り、前記施設検索結果利用メンテナンス情報管理処理を繰り返す。
このような作動を行う結果、例えば図14にモニタの表示例を示すように、ナビゲーション装置から地図データセンターに未問い合わせデータを送信し、或いは未問い合わせデータを含む図13(d)に示すようなリストが作成されるデータを送信すると、図14(a)のような画面となる。即ち、図14(a)に示す例においては、ナビゲーション装置から携帯電話等を用いて地図データセンターに問い合わせを行っている状態を示し、地図データセンターに認証番号を送信して通信を行い、地図データセンターが最新版データベースを用いて施設データを検索している最中であることを示している。また、このような状態で利用者が問い合わせを中止したいと思った時には、通信を切断することができるようにもしている。
その後地図データセンターから所望のデータが送信されてきた時、図14(b)に示すように、「新DISK(08秋版)が発売中です。今まで探せなかった施設の、おおよそ40%が集録済みです。」というメンテナンス演算データを含むメンテナンス情報を出力表示する。なお、この画面においては、地図データセンターが各種情報を提供する情報センターとしての役割を持っていることにより、情報センターからの新着情報として、「お知らせ・特集 3件、ドライブプラン 1件」が提供可能となっていることも表示した例を示している。
ここで表示される「40%が収録済み」であるというメンテナンス演算データは、ナビゲーション装置に演算ソフトを備えている時には地図データセンターから受信した新規の問い合わせ施設に関する情報を、一旦検索不能施設データ中に記録し、これを演算することによってモニタに表示することができる。それに対して、ナビゲーション装置にそのような演算ソフトを備えていない時には、地図データセンターのユーザーサーバーに検索不能施設データの記憶部分を備えていてここにデータ等を蓄積しておき、またメンテナンス演算データを蓄積しておくことにより、ナビゲーション装置からのメンテナンス情報の問い合わせがあった時に、そのメンテナンス演算データを送信することによって前記表示を行うことができる。
利用者は図14(b)に示すような表示を見ることにより、最新版データベースを記録している新ディスクは、利用者自身にとって十分メリットがあることがわかり、安心してこれを購入する決断をすることができる。なお、このような表示中に、「10%が収録積み」であることの表示が出た際には、未だ利用者自身にとっては最新版の購入金額から見て購入する必要はない、という判断も行うことができ、あまり必要のない最新版ディスクの購入を行わずにすむ、という利点もある。
前記図2に示す施設検索結果利用メンテナンス情報管理処理(A)においては、少なくとも図1に示すナビゲーション装置1に、図示するような各種データを記録するデータベースメンテナンス情報メモリ17を備え、更にこれらのデータを用いてメンテナンス情報の演算を行うメンテナンス情報演算部16を備えるシステムについての作動例を主として示したものであるが、本発明においてはその外、ナビゲーション装置には最低限、施設検索を行った結果適切な施設が検索されなかったデータのみを記録するメモリを備え、データベースのユーザーサーバー46に、図示するようなデータベースメンテナンス情報メモリを備え、それらのデータを用いてメンテナンス情報を演算するメンテナンス情報演算部45を備える事により実施することもできる。
図6〜図8にはそのようなシステム中で本発明を実施する態様を示しており、図6に示す施設検索結果利用メンテナンス情報管理処理(B)においては、最初施設検索を行ったか否かを判別し(ステップS61)、施設検索を行った時には、目的とする施設は検索されたか否かを判別する(ステップS62)。ステップS61において施設検索を行わなかったと判別した時、及びステップS62で目的とする施設は検索されたと判別した時には、ステップS65に進んで、後述する処理を行う。
ステップS62で目的とする施設は検索されなかったと判別した時には、検索施設周辺をモニタに表示し(ステップS63)、その後ナビゲーション装置のメンテナンス情報メモリに、検索不能施設として記録する(ステップS64)。即ち、この例においてはナビゲーション装置にはメンテナンス情報を記録する最低限のメモリとして、検索不能施設を記録するメモリを備え、そのメモリに対して記録、消去処理がなされる。
その後前記ステップS61において施設検索を行わなかったと判別した時、及びステップS62で目的とする施設は検索されたと判別した時も含めて、データベースメンテナンス情報の取り込み処理を行うか否かを判別し(ステップS65)、その処理を行うと判別した時にはステップS66に進んで、図7に示すようなデータペースメンテナンス情報の取り込み処理(B)を行う。
その後前記ステップS65においてデータベースメンテナンス情報の取り込み処理を行わないと判別した時を含めてステップS67に進み、データベースメンテナンス情報の出力処理を行うか否かを判別し、その処理を行うと判別した時にはステップS68に進んで、前記図5に示す処理と同様の、データベースメンテナンス情報の出力処理を行う。その後前記ステップS67でデータベースメンテナンス情報の出力処理を行わないと判別した時を含めてステップS61に戻り、前記作動を繰り返す。なお、前記ステップS61、S62、S63、S65〜S68の処理手法は、前記図2の処理手法とほぼ同様の例を示しており、ここでの詳細な重複記載は省略する。
図6のステップS66における処理は図7に示しており、図7に示すデータベースメンテナンス情報の取り込み処理(B)においては最初、地図データセンターにアクセスしたか否かを判別する(ステップS71)。ここで地図データセンターにアクセスしたと判別した時には、図7に示す例においては検索不能施設メモリに検索不能施設があるか否かを判別している(ステップS72)。なお、ステップS71で地図データエンターにアクセスしないと判別した時には、ステップS77に進んで図6のステップS67の処理を行う。
ステップS72において検索不能施設メモリに検索不能施設があると判別した時には、メンテナンス情報メモリの検索不能施設を全て地図データセンターに送信する(ステップS73)。それに対してステップS72において検索不能施設メモリに検索不能施設が存在しないと判別した時には、今回の地図データセンターへのアクセスは、検索不能施設が存在することによるアクセスではないと判別し、前記図3のステップS37と同様に、地図データセンターのサーバーに記録している必要なメンテナンス情報を受信する処理を行う(ステップS76)。
ステップS73においてメンテナンス情報メモリの検索不能施設を全て地図データセンターに送信した後は、図8に示すような地図データセンターでの検索不能施設データ処理(B)を行う(ステップS74)。次いで、ナビゲーション装置における検索不能施設データを消去する。その後前記ステップS71において地図データセンターにアクセスしなかったと判別した時、及びステップS76で地図データセンターのサーバーに記録している必要なメンテナンス情報を受信した後と共に、図6のステップS67に進む(ステップS77)。
図8に示す地図データセンターでの検索不能施設データ処理(B)の例においては、最初ユーザーから、即ちここではナビゲーション装置から検索不能施設データを受信したか否かを判別し、受信しない時にはステップS89において前記図7のステップS16に進む。ステップS81においてナビゲーション装置から検索不能施設データを受信したと判別した時には、データセンター内のユーザーサーバーに受信した検索不能施設データが存在するかの検索を行う(ステップS82)。
その後ステップS83の判別において、受信した検索不能施設はユーザーサーバーの検索不能施設データに記録されていないと判別した時には、ユーザーサーバーの検索不能施設データに新規検索不能施設として記録する(ステップS84)。また、ステップS83で受信した検索不能施設はユーザーサーバーの検索不能施設データに既に記録されていると判別した時には、ユーザーサーバーの検索不能施設データに記録している該当検索不能施設に検索不能回数を更新して記録する(ステップS85)。
これらの処理は前記図2〜図5に示す施設検索結果利用メンテナンス情報管理処理(A)においては、図2に示すようにナビゲーション装置のメンテナンス情報メモリの管理として行うのに対して、図6〜図8に示す施設検索結果利用メンテナンス情報管理処理(B)においては、地図データセンターのユーザーサーバーのメンテナンス情報メモリの管理として行う。そのため、図13(d)に示すようなリストは、地図データセンターのユーザーサーバーに形成される。
ステップS84及びステップS85の処理の後は、最新版データベースによる新規検索不能施設のメンテナンス状況を検索する(ステップS86)。ここでは、ナビゲーション装置において施設検索を行った結果、検索不能となった施設は全て送信されてくるので、これらを既に最新版のデータベースを用いて検索を行った施設と、未だ検索を行っていない新規な施設とに区分し、新規な検索不能施設についてのみメンテナンス状況の検索を行う。
その後最新版データベースによるメンテナンス可能率等のメンテナンス情報を計算して、ユーザーサーバーのメンテナンス情報メモリに更新して記録する(ステップS87)。図8に示す例においては、ここで計算したメンテナンス情報をユーザーに、即ちここではナビゲーション装置に送信し(ステップS88)、その後ステップS89において図7のステップS76に進む。なお、ステップS88において計算したメンテナンス情報をナビゲーション装置に直ちに送信する以外に、別途ナビゲーション装置側からメンテナンス情報の送信依頼があった時に、ユーザーサーバーのメンテナンス情報メモリからデータを読み取って、送信するようにしても良い。
前記図6〜図8に示す処理を行うことにより、ナビゲーション装置には検索不能であった施設のデータを蓄積して記録し、地図データセンターと通信を行う時にそのデータを送信すると共に、蓄積していたデータを消去し、地図データセンターにおいて、十分なデータ容量があるユーザーサーバー内に詳細なメンテナンス情報を蓄積し、地図データセンターにおいてメンテナンス情報を演算して更に蓄積し、ナビゲーション装置からメンテナンス情報の送信要求があった時に必要な情報を提供する、という作動を行うことができる。
一方、図1のナビゲーション装置1に示したように、このナビゲーション装置には外付メモリ5を挿抜可能なスロットを備えており、外付メモリ読み書き部6によってデータベースメンテナンス情報メモリ17内の必要なデータを外付メモリ5に書き込み、これを抜き出して、通信部29を備えたパソコン3のスロットに挿入し、パソコンの通信部29の機能を用いて地図データセンターと通信を行うことにより本発明を実施することができる。その際にはナビゲーション装置に通信部26を備えない場合でも、本発明における前記と同様のメンテナンス情報の処理を行うことができる。その際の特有の作動を図9及び図10に示している。
即ち、図9に示す外付メモリを使用したデータベースメンテナンス情報の取り込み処理は、前記図6に示した施設検索結果利用メンテナンス情報管理処理(B)と同様の態様で実施することができ、したがってここでも図6のステップS61からステップS65の作動を行う。図6のステップS65においてデータベースメンテナンス情報の取り込み処理を行う、と判別した時には、図9のステップS91に進み、メンテナンス情報を外付メモリに出力するか否かの判別を行う。この作動を行う時期としては、同図に示すように新規に検索不能施設が発生した時、或いは所定期間が経過した時、更には利用者が意図的に指示を行った時、等にこの処理を行うように設定することができる。
ステップS91においてメンテナンス情報を外付メモリに出力すると判別した時には、外付メモリは接続しているか否かを判別する(ステップS92)。ここで外付メモリを接続していないと判別した時には、外付メモリの挿入を促す表示出力を行い(ステップS95)、その後ステップS92に戻って外付メモリが接続するまで待機する。なお、この表示は3分等の所定時間が経過した時には消すようにしても良い。
ステップS92において外付メモリが接続していると判別した時には、外付メモリに検索不能施設メモリのデータを書き出す(ステップS93)。次いで図10に示すような、外付メモリを使用しているパソコンでのデータベースメンテナンス情報の取り込み処理を行う(ステップS94)。その後前記ステップS91においてメンテナンス情報を外付メモリに出力する状態にはないと判別した時と共にステップS96において、図6のステップS67に進み、データメンテナンス情報の出力処理に関する処理を行い、再びステップS61に戻って前記作動を繰り返す。
ステップS94における外付けメモリ使用パソコンでのデータベースメンテナンス情報の取り込み処理は、図10に示すように、最初パソコンは地図データセンターにアクセスしたか否かを判別する(ステップS101)。未だアクセスしていない時には、アクセするまでこの作動を繰り返して待機する。ステップS101でパソコンが地図データセンターにアクセスしたと判別した時には、図示の例では検索不能施設データを記憶した外付メモリは接続しているか否かを判別している(ステップS102)。
即ち、図10に示す作動はデータベースメンテナンス情報の取り込み処理であるので、ステップS102で未だ検索不能施設データを記録した外付メモリが接続していないときには、挿入するまで前記作動を繰り返して待機する。ステップS102で検索不能施設データを記録した外付メモリが接続されていると判別した時には、外付メモリに記録した検索不能施設データを地図データセンターに送信する(ステップS103)。その後前記図8に示す処理と同様の、地図データセンターでの検索不能施設データ処理が行われ(ステップS104)、次いで地図データセンターからメンテナンス情報を取り込み、外付メモリにこれを記録する(ステップS105)。
即ち、ステップS104で行う地図データセンターでの検索不能施設データ処理は、前記図6に示す施設検索結果利用メンテナンス情報管理処理(B)における、ステップS66で行うデータベースメンテナンス情報の取り込み処理(B)で、図7に示すステップS74の地図データセンターでの検索不能施設データ処理(B)として行う図8の処理と同様の処理を行うことにより実施することができる。この態様においては、地図データセンターのユーザーサーバーに図13(d)と同様の検索不可履歴のリストが作成され、更にメンテナンス演算データも備えているので、ナビゲーション装置には多くのメモリやメンテナンス演算処理機能等は必要が無くなる。
図10に示す例においてはその後、地図データセンターからの最新版データベース購入案内処理を行っている(ステップS106)。この処理に際しては、最初に例えば図15(a)に示すようなパソコン画面表示状態から、検索不能施設データの送信を行う。即ち、同図の例においては画面上に「エラー履歴をサーバーにアップし、更新確認を行います」と表示し、検索ログを表示すると共に、「実行」操作表示を行っている例を示している。
この状態で検索不能施設データの送信を行い、地図データセンターで前記のような処理を行うことにより、メンテナンス情報の演算結果を画面に出力表示する。このとき図13(b)の例においては、「新DISK(08秋版)が発売中です。いままで探せなかった施設のおおよそ40%が収録済みです。」という表示を行っている。図示の例ではこの表示の中に「購入」操作部を表示しておき、利用者が前記のメンテナンス情報の案内画面を見て、最新版のデータベースを収録している新DISKは自分自身にとって有用であり、購入しても良いと思った時には、この「購入」の操作を行うことによって、新DISKを購入する為の一連の画面表示がなされ、最終的に後にこのディスクが郵送される等の購入を行うことが可能となる。
なお、前記の例においてはパソコンが自分の所有のものである例を示したが、このパソコンが例えば車両のディーラーや、車両関連部品を販売する店に設置している時には、そのパソコン、或いは同様の機器のメモリカード挿入スロットに前記検索不要施設データを記録した外付メモリを挿入することにより前記のような表示がなされると、利用者はその店に用意してある新DISKを直ちに購入して利用し、或いは取り寄せることによって購入することができるようになり、更にハードディスクのデータを優良で更新することもできる。したがってこのシステムにおいては、新しいビジネスモデルとしても成立する。
図10における地図データセンターからの最新版データベース購入案内処理106を行った後は、メンテナンス情報を記録した外付メモリをパソコンから外し、ナビゲーション装置に接続、即ちナビゲーション装置の外付メモリ用のスロットに挿入し(ステップS107)、外付メモリからメンテナンス情報をナビゲーション装置のメンテナンス情報メモリに書き出す(ステップS108)。その後前記図5に示すメンテナンス情報の出力処理と同様の処理を行い、利用者にそのメンテナンス情報を出力表示し(ステップS109)、次いでステップS110で図9のステップS96に進み、図6のステップS67以降の処理を行うこととなる。
なお、前記のようにパソコンを使用する時には、地図データセンターからのメンテナンス情報をパソコンで受信し、前記のような表示を行った際には、ナビゲーション装置ではこれを出力表示しない場合でも本発明を実施することができる。
前記各実施例においては、図1に示すナビゲーション装置1において、データベースのデータに起因するナビゲーション装置の不適切作動を検出してメンテナンス情報を提供する処理の例として、検索不能施設データを利用する例を示したが、その外、同図に示すように、また前記図1の説明でも述べたように、このナビゲーション装置がETCと連動して作動しているとき、ETCゲートを通過した際に、そのETCゲートから得られたゲートIDに対応したETCの名称等をモニタに表示しようとした時、現在使用している地図・情報データ記録媒体4のデータベースにそのデータが存在しないことを検出することによって、地図データセンターからメンテナンス情報の提供を受けることもできるようにしている。その際の作動フローを図11に示している。
図11のETC連動ナビゲーション装置におけるETCゲートデータ通過検出によるメンテナンス情報管理処理の例においては、最初ETCゲートを通過した時点から処理を開始し(ステップS111)、次いでナビゲーション装置において通過ETCゲートのゲートIDの取り込みを行う(ステップS112)。即ち、車両がETCゲートを通過すると、ETC機器はETCゲートと通信を行い、このときETCゲート側から車載のETC機器に対して現在通過したETCゲートのIDを送信するので、図1のナビゲーション装置1に示すように、ETC接続部30でETC機器からこのデータを取り込むことができ、したがって通過ETCゲート検出部31でETCゲートIDを取り込むことができる。
その後ステップS113において、地図・情報データ記録媒体のデータベースに今回取り込んだゲートIDは存在するか否かの判別を行い、存在する時にはこのゲートIDに対応するデータにより、通過したゲート名を表示する(ステップS122)。その際には、例えば最初図16(a)に示すようなETC料金履歴データを表示している状態から、今回通過したETCゲートが「宇都宮上三河IC」であったとき、このナビゲーション装置の地図・情報記録媒体のデータベースにこのゲートIDに対応するデータとして「宇都宮上三河IC」のテキストデータ等が存在する時には、同図(b)に示すような「利用区間 浦和IC→宇都宮上三河IC」の表示を行うことができる。
それに対して、この「宇都宮上三河IC」が比較的新しいICであることによりこのデータがデータベースに存在しない時には、図16(c)に示すように、利用区画の表示を行うことができない。この状態は図11のステップS113において、地図・情報データ記録媒体のデータベースに今回取り込んだゲートIDは存在しないと判別し、ETCゲートデータ利用メンテナンス情報メモリに、今回のETCゲート通過回数を積算して記録する。このデータは図1のETCゲートデータ利用メンテナンス情報メモリ33に積算して記録することにより行われる。
その後ステップS115において、今回のETCゲートを所定回数以上通過したか否かを判別し、未だ例えば3回等の所定回数以上通過していない時には、ステップS111に戻って前記作動を繰り返す。それに対して、ステップS115においてこのETCゲートを所定回数以上通過したと判別した際には、このナビゲーション装置が通信部を備えている時、地図データセンターと通信を開始し(ステップS116)、地図データセンターに今回のETCゲートIDを送信する(ステップS117)。
その後、地図データセンターで今回受信したETCゲートIDのデータを最新版データベースから検索する(ステップS118)。次いで今回のETCゲートIDは最新版データベースに収録されているか否かを判別し(ステップS119)、収録されている時には、地図データセンターからETCゲートIDに対応するデータと最新版データベースによるメンテナンス情報を、ナビゲーション装置に送信する(ステップS120)。ナビゲーション装置では受信したETCゲートデータを利用してETC案内表示を行うと共に、最新版データベースの案内表示を行う(ステップS121)。前記ステップS119において今回のETCゲートIDは最新版データベースにも収録されていないと判別した時には、ステップS123において、今回通過したETCゲートは不明であることを送信している。その後前記ステップS121の処理を行った時と共に、ステップS111に戻って前記作動を繰り返す。
これらの状態は図16(c)〜(e)に示しており、(c)のようにETCゲートIDに対応するデータが存在しないことにより利用区画を表示できない状態から、(d)のように地図データセンターと通信を行ってETCゲートIDを送信し、地図データセンターでそのETCゲートIDに対応したデータを検索できた時、(e)のように「新DISK(08版)が発売中です。新規に開通した宇都宮上三河ICも収録されています。是非購入してください。」のようなメンテナンス情報を表示する。この表示のほかに受信したETCゲートIDに対応したデータによって、同図(b)に示すような利用区画の表示を行うようにしても良い。
上記の例においては、ナビゲーション装置に通信部を備えている時の例を示したが、この場合においても、前記のようにナビゲーション装置に通信部を備えていない時、外付メモリを利用して、前記と同様の処理を行うことにより、地図データセンターからメンテナンス情報を取り込むことができる。
本発明におけるデータベースのデータに起因するナビゲーション装置の不適切作動検出によるメンテナンス情報提供処理においては、更に、車両が道路データのない部分を所定距離以上走行したこと、即ちモニタに表示される道路上ではない部分を所定距離以上走行したことを検出して、データベースのデータに起因するナビゲーション装置の不適切な作動の検出を行い、データベースのメンテナンス情報を提供する処理を行うことができる。
この処理に際しては図12に示す作動フローにより実施することができる。即ち、この処理を行う図12に示す例においては、最初車両走行後(ステップS131)、現在走行している地点は道路データの存在する地点か否かを継続的に判別する(ステップS132)。ここでナビゲーション装置が備えている地図・情報データ記録媒体のデータベースに存在する道路上を走行していると判別した時には、ステップS131に戻って前記作動を繰り返す。
ステップS132で現在走行している地点は道路データの存在しない地点、即ちモニタ画面に道路表示がされない地点を走行している、と判別した時にはステップS133に進み、道路データのない地点を連続して所定距離以上走行したか否かを判別する。このときの所定距離は任意に設定することができるが、例えば「300m以上」のように、通常はそのような長い距離、道路が存在しない部分を走行することがない、という範囲に設定する。
ここで、未だ所定距離以上走行していないと判別した時には、ステップS131に戻って前記作動を繰り返す。ステップS133で道路データのない地点を連続して所定距離以上走行したと判別した時には、表示無し道路走行データ利用メンテナンス情報メモリに走行回数を積算して記録する(ステップS134)。この作動は図1の表示無し道路走行検出部34で表示無し道路を所定距離以上走行したことを検出した時、表示無し道路走行データ利用メンテナンス情報メモリ35にそのデータを以前のデータに積算して記録することにより行うことができる。
また、この状態は図17(b)(c)に示しており、同図(b)に示すように車両が道路の表示されることのない地点を走行していることを検出し、その後同図(c)に示すように所定距離走行した時、車両は表示無し道路を走行していることを検出する。なお、図示の例では、同図(a)の太線で示すように道路が新設されており、実際はこの道路部分を走行している例を示している。
表示無し道路走行データ利用メンテナンス情報メモリに記録するデータとしては各種のデータを記録することができるが、例えば図17(a)に示すような、従来の道路から図中においてモニタ画面上では表示されない道路を走行開始するに至った地点である「地点A」の位置データ、或いは表示されない道路を走行開始する前に走行していた既存の道路の「道路リンクb」等のデータを記録しておくことができる。
その後この表示無し道路を所定回数以上通ったか否かを判別し(ステップS135)、例えば3回以上通った時には、ステップS136に進んで、地図データセンターと通信を開始する(ステップS136)。その後地図データセンターに今回の表示無し道路データを送信する(ステップS137)。このように所定回数以上走行したことを検出した時に地図データセンターと通信を行うことにより、この通信部が従量制の料金加算が行われる時、頻繁な通信を行うことによりコストがかかり過ぎることを防止している。なお、ステップS135でこの表示無し道路を所定回数以上取ってはいないと判別した時には、ステップS131に戻って前記作動を繰り返す。
次いで地図データセンターで今回受信した表示無し道路のデータを最新版データベースから検索する(ステップS138)。この作動は地図データセンターにおいて、前記検索不能施設データの検索、或いはETCゲートデータの検索と同様に行う。その後今回の表示無し道路の道路データは最新版データベースに収録されているか否かを判別し(ステップS139)、収録されている時には地図データセンターから最新版データベースには今回走行した表示無し道路のデータが収録されていることの案内を送信する(ステップS140)。次いでナビゲーション装置側では、ナビゲーション装置で受信した表示無し道路走行によるメンテナンス情報を表示する(ステップS141)。また、前記ステップ139において今回の表示無し道路の道路データは、最新版データベースでも収録されていない時には、そのままステップS131に戻って前記作動を繰り返す。
前記のような作動を行うことにより、例えば図17(a)に示すように道路リンクb上の地点Aから新設道路としてして示す道路が新設された時において、ナビゲーション装置が備えている地図・道路データ記録媒体のデータベースにはこの道路データが存在しない時には、同図(b)に示すように車両は道路リンクbとして示す道路の走行中に、現在行こうとしている地点の方向へのびる道路を見つけて走行し、その後この道路が従来走行していた道路を短絡する道路であることがわかった時、それ以降もこの道路を複数回利用することがある。
その時には図17(b)に示す状態から同図(c)に示すように車両が道路表示のない道路を所定距離以上走行すると、図12のステップS133で現在走行している地点が道路データの存在する地点ではない、と判別した後にステップS133において道路のない地点を連続して所定距離以上走行したことを検出することとなる。以降前記ステップS135〜ステップS138の作動を行った後に、ステップS139において今回の表示無し道路の道路データは最新版データベースに収録されていると判別した時、地図データセンターから最新版データベースには今回走行した表示無し道路のデータが収録されている事の案内が送信される(ステップS140)。
それによりナビゲーション装置のモニタ上には、図17(d)に示すような表示無し道路走行時のメンテナンス情報出力がなされることとなる。図示の例では「ご案内」として、「新DISK(08秋版)が発売中です。」という案内と共に、「現在走行している新規に開通した道路も収録されましたので是非購入してください。」という案内表示も行った例を示している。
本発明は前記のように、ナビゲーション装置においてデータベースのデータに起因するナビゲーション装置の不適切作動検出によるメンテナンス情報提供処理を行うに際して、検索不能施設データを利用する態様、ETCゲートデータを利用した処理、更に表示無し道路を走行した時のデータを利用した処理を示したものであるが、そのほかナビゲーション装置のデータに起因する各種のナビゲーション装置の不適切作動を検出することにより、前記と同様にして実施することができる。