本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図5は、本発明におけるワイピングローラ駆動装置(D2)を示す概略図である。ワイピングローラ駆動装置(D2)は、少なくとも、駆動モータ(7)、減速器(8)、駆動伝達軸(9)、ワイピングローラ軸(10)及びワイピングローラ(5)から成る。ワイピングローラ(5)における軸心(g)上に、駆動伝達軸(9)及びワイピングローラ軸(10)が配置される。
駆動モータ(7)からの駆動が減速器(8)へ伝達され、減速器(8)より駆動伝達軸(9)及びワイピングローラ軸(10)を介してワイピングローラ(5)へと伝達することでワイピングローラ(5)は回転する。なお、駆動伝達軸(9)からワイピングローラ軸(10)までの間に、ワイピングローラ(5)をワイピングローラ(5)における軸方向(G)へストロークさせるジョイント手段(13)を取設しても良い。
駆動伝達軸(9)及びワイピングローラ軸(10)間におけるワイピングローラ(5)の軸心(g)に第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を設けている。駆動モータ(7)からの駆動が、減速器(8)及び駆動伝達軸(9)を通じて二つのカップリング(26、27)へそれぞれ伝達した後、第二カップリング(27)と連結したワイピングローラ軸(10)を通じてワイピングローラ(5)へ伝達することでワイピングローラ(5)を回転させる。なお、図5において、第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)は同一形状となっているが、異なる形状でも良く、それについては後述する。
図6は、本発明におけるワイピングローラ駆動装置(D2)に設けた第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を示す概略図である。第一カップリング(26)は、第一ハブ(28)、第二ハブ(29)及びその二つのハブ(28、29)に挟まれる中間ディスク(30)から成る。第一カップリング(26)に設けた第一ハブ(28)は、ワイピングローラ(5)の軸心(g)に対して対向する位置に二つの滑合部(31、32)を有する。また、第二ハブ(29)も、ワイピングローラ(5)の軸心(g)に対向する位置に二つの滑合部(33、34)を有する。第一ハブ(28)に設けた二つの滑合部(31、32)は、第二ハブ(29)に設けた二つの滑合部(33、34)と、ワイピングローラ(5)の軸心(g)を中心に90度異なる位置に配置する。
第一カップリング(26)における中間ディスク(30)は、四つの滑合部(35、36、37、38)を有する。四つの滑合部(35、36、37、38)における二つの滑合部(35、36)は、第一ハブ(28)の二つの滑合部(31、32)に対峙される。なお、本発明における対峙とは、二つの物が、各々を結ぶ直線上に向かい合い配置していることをいう。例えば、図6に示すように、中間ディスク(30)における滑合部(35)と第一ハブ(28)における滑合部(31)は、各々を結ぶ直線(L)に向かい合い配置している。
中間ディスク(30)における滑合部(35)及び第一ハブ(28)における滑合部(31)と、中間ディスク(30)における滑合部(36)及び第一ハブ(28)における滑合部(32)は、それぞれが対峙され、かつ、中間ディスク(30)における二つの滑合部(35、36)と第一ハブ(28)に設けた二つの滑合部(31、32)は、対峙した際に嵌め合わせ可能な形状である。
中間ディスク(30)における四つの滑合部(35、36、37、38)のうち、他の二つの滑合部(37、38)は、第二ハブ(29)の二つの滑合部(33、34)に対峙される。中間ディスク(30)における滑合部(38)及び第二ハブ(29)における滑合部(33)、中間ディスク(30)における滑合部(38)及び第二ハブ(29)における滑合部(34)は、それぞれが対峙され、かつ、中間ディスク(30)における二つの滑合部(37、38)と第二ハブ(29)に設けた二つの滑合部(33、34)は、対峙した際に嵌め合わせ可能な形状である。
第二カップリング(27)は、第一ハブ(39)、第二ハブ(40)及びその二つのハブ(39、40)に挟まれる中間ディスク(41)から成る。第二カップリング(27)に設けた第一ハブ(39)は、ワイピングローラ(5)の軸心(g)に対して対向する位置に二つの滑合部(42、43)を有する。また、第二ハブ(40)も、軸心(g)に対して対向する位置に二つの滑合部(44、45)を有する。第一ハブ(39)に設けた二つの滑合部(42、43)は、第二ハブ(40)に設けた二つの滑合部(44、45)とワイピングローラ(5)の軸心(g)を中心に90度異なる位置に配置する。
第二カップリング(27)における中間ディスク(41)は、四つの滑合部(46、47、48、49)を有する。四つの滑合部(46、47、48、49)における二つの滑合部(46、47)は、第一ハブ(39)の二つの滑合部(42、43)に対峙される。
中間ディスク(41)における滑合部(46)及び第一ハブ(39)における滑合部(42)と、中間ディスク(41)における滑合部(47)及び第一ハブ(39)における滑合部(43)は、それぞれが対峙され、かつ、中間ディスク(41)における二つの滑合部(46、47)と第一ハブ(39)に設けた二つの滑合部(42、43)は、対峙した際に嵌め合わせ可能な形状である。
中間ディスク(41)における四つの滑合部(46、47、48、49)のうち、他の二つの滑合部(48、49)は、第二ハブ(40)の二つの滑合部(44、45)に対峙される。中間ディスク(41)における滑合部(48)及び第二ハブ(40)における滑合部(44)、中間ディスク(41)における滑合部(49)及び第二ハブ(40)における滑合部(45)は、それぞれが対峙され、かつ、中間ディスク(41)における二つの滑合部(48、49)と第二ハブ(40)に設けた二つの滑合部(44、45)は、対峙した際に嵌め合わせ可能な形状である。
第一カップリング(26)における中間ディスク(30)に設けた滑合部(35、36、37、38)と、第二カップリング(27)における中間ディスク(41)に設けた滑合部(46、37、48、49)は、それぞれがワイピングローラ(5)の軸心(g)を中心に45度異なる個所に位置している。
図7は、本発明における各々のカップリング(26、27)における第一ハブ(28、39)及び中間ディスク(30、41)と、第二ハブ(29、40)及び中間ディスク(30、41)の対峙関係にある各々の滑合部(31、32、33、34、35、36、37、38、42、43、44、45、46、47、48、49。以下すべての滑合部を言う場合のみ、記号を省略する。)の形状を示す模式図である。
なお、図7においては、第一カップリング(26)を例にして説明するが、第二カップリング(27)においても、同様の組合せが可能である。
図7(a)に示すように、第一ハブ(28)における二つの滑合部(31、32)のうち、一方の滑合部(31)を凹形状とし、他方の滑合部(32)を凸形状とした場合には、第一ハブ(28)における凹形状の滑合部(31)と対峙する中間ディスク(30)の滑合部(35)は凸形状とし、第一ハブ(28)における凸形状の滑合部(32)と対峙する滑合部(36)は凹形状とする。
第二ハブ(29)における二つの滑合部(33、34)を凸形状とした場合には、第二ハブ(29)における凸形状の滑合部(33、34)と対峙する中間ディスク(30)における滑合部(37、38)を、それぞれ凹形状とする。
また、図7(b)及び図7(c)に示すように、中間ディスク(30)における滑合部(35、36、37、38)を貫通形状とした場合には、対峙する第一ハブ(28)の二つの滑合部(31、32)及び第二ハブ(29)における二つの滑合部(33、34)は、それぞれ凸形状とする。
更には、図7(d)に示すように、滑合部は、各々が対峙した際に嵌め合わせ可能な形状、つまりどちらか一方が凹形状又は貫通形状の場合、他方は凸形状であれば、それぞれを組合せても良い。
このように第一ハブ(28)及び中間ディスク(30)と、第二ハブ(29)及び中間ディスク(30)の対峙関係にある各々の滑合部は、どちらか一方が凹形状又は貫通形状とした場合に他方は凸形状とする。それにより、対峙関係にある各々の滑合部は嵌め合わせ可能である。
図8(a)、図8(b)及び図8(c)は、本発明における対峙関係にある各々の滑合部が嵌め合わせ可能な形状である他の場合を示す図である。なお、図8においては、第一カップリング(26)における第一ハブ(28)及び中間ディスク(30)を例に示したが、第一カップリング(26)における第二ハブ(29)及び中間ディスク(30)更には、第二カップリング(27)においても同様である。
図8(a)及び図8(b)に示すような、例えば、第一ハブ(28)における滑合部(31)が凹凸形状である場合、又は図8(c)に示すような、第一ハブ(28)における滑合部(31)がレール形状とした場合においても、対峙関係にある中間ディスク(30)における滑合部(35)をそれぞれに対応する形状に設計することで、嵌め合わせ可能となる。しかしながら、ワイピングローラ(5)回転時においては、滑合部に強度の負荷がかかる。そのため、滑合部を図8(a)、図8(b)及び図8(c)に示すような、あまり細かく複雑な形状とした際には、ワイピングローラ(5)回転時において破損する可能性があり好ましくない。
第一ハブ(28、39)、第二ハブ(29、40)及び中間ディスク(30、41)において対峙関係にある各々の滑合部は、対峙関係にある滑合部のどちらか一方が凹形状又は貫通形状の場合、その凹形状又は貫通形状は他方よりも所定の幅だけ大きく形成されていることで、中間ディスク(30、41)が図6に示した第一の方向(X1)及び第二の方向(X2)にスライド可能となる。
図1に示したように、凹版版面(4)は凹版印刷機(S)内において固定設置されている。そのため、印刷中においてワイピングローラ(5)が凹版版面(4)と接触することで軸心(g)がずれる。しかしながら、中間ディスク(30、41)が図6に示した第一の方向(X1)及び第二の方向(X2)にスライド可能となることで、ワイピングローラ(5)の軸心(g)がずれた場合においても、二つの中間ディスク(30、41)がスライドすることで、軸心(g)のずれを緩衝することが可能となる。
ワイピングローラ(5)における軸心(g)のずれを緩衝することで、ワイピングローラ(5)と凹版版面(4)が、常に平行に接触することが可能となる。それにより、凹版版面(4)のインキも常に均一に拭き取ることが可能となり、良質で安定した印刷品質を有する印刷物を連続的に得ることが可能となる。
例えば、図6に示すように、第一カップリング(26)における第一ハブ(28)に設けた凸形状の滑合部(31、32)を第一カップリング(26)における中間ディスク(30)に設けた凹形状の滑合部(35、36)と対峙させたときに、中間ディスク(30)に設けた凹形状の滑合部(35、36)の幅を、第一ハブ(28)に設けた凸形状の滑合部(31、32)の幅よりも所定の幅だけ大きく設計することで、中間ディスク(30)を第一の方向(X1)にスライドさせることを可能としている。
また、第一カップリング(26)における第二ハブ(29)に設けた凸形状の滑合部(33、34)の幅よりも、対峙する中間ディスク(30)に設けた凹形状の滑合部(37、38)の幅を所定の幅だけ大きく設計することで、中間ディスク(30)を第二の方向(X2)にスライドさせることを可能としている。
同様に、第二カップリング(27)における第一ハブ(39)に設けた凸形状の滑合部(42、43)を第二カップリング(27)における中間ディスク(41)に設けた凹形状の滑合部(46、47)と対峙させたときに、中間ディスク(41)に設けた凹形状の滑合部(39、40)の幅を、第一ハブ(39)に設けた凸形状の滑合部(42、43)の幅よりも所定の幅だけ大きく設計することで、中間ディスク(41)を第一の方向(X1)にスライドさせることを可能としている。
また、第二カップリング(27)における第二ハブ(40)に設けた凸形状の滑合部(44、45)の幅よりも、対峙する中間ディスク(41)に設けた凹形状の滑合部(48、49)の幅を所定の幅だけ大きく設計することで、中間ディスク(41)を第二の方向(X2)にスライドさせることを可能としている。
図9は、本発明における対峙関係にある滑合部の模式図である。図9においては一例として、対峙関係にある滑合部を凹形状の滑合部(T)及び凸形状の滑合部(U)とし、凹形状の滑合部(T)と凸形状の滑合部(U)が対峙され、かつ、嵌合することで、図9(a2)に示す第一の方向(X1)にスライド可能な形状としている。また、図9(a1)に示すような、対峙関係にある凹形状の滑合部(T)及び凸形状の滑合部(U)をスライド可能とするために、凹形状の滑合部(T)の幅(T1)を凸形状の滑合部(U)の幅(U1)よりも所定の幅(例えば0.05mm)広く設計する必要がある。なお、凹形状の滑合部(T)の幅(T1)は、好ましくは0.4〜1.0mm程度広く設計することが有効であることを確認している。
図9(a2)は、凹形状の滑合部(T)の幅(T1)を、凸形状の滑合部(U)の幅(U1)よりも0.4mm広く設計した状態を示す模式図である。なお、図9(a2)において、凹形状の滑合部(T)は点線で図示している。滑合部(T)及び滑合部(U)は、対峙し嵌合することが可能な形状であり、第一の方向(X1)にスライドすることができる。また、図9(a3)の拡大図に示すように、自由度(TU)があることから、ワイピングローラ(5)の軸心(g)が、前述の図4(a)に示したように若干ずれた状態にてワイピングローラ(5)が回転した場合においても、凹形状の滑合部(T)又は凸形状の滑合部(U)は、第一の方向(X1)にスライド可能な状態を保つことができる。
図9(b1)は、凹形状の滑合部(T’)の幅(T1’)が、凸形状の滑合部(U’)の幅(U1’)よりも0.05mm未満の広さしか有しない場合を示す模式図であり、図9(b2)は、凹形状の滑合部(T’)の幅(T1’)を凸形状の滑合部(U’)の幅(U1’)よりも0.04mm広く設計した状態を示す模式図である。
滑合部(T’)及び滑合部(U’)は、対峙することで嵌合することが可能な形状であり、第一の方向(X1)にスライドすることができる。しかしながら、図9(b3)の拡大図に示すように、図9(a3)と比べ、自由度(TU’)が少ないため、ワイピングローラ(5)回転中において、軸心(g)が前述の図5(a)及び図5(b)に示したように若干ずれて回転した場合は、凹形状の滑合部(T’)又は凸形状の滑合部(U’)はスライドすることが困難となる。
図6に示したとおり、第一カップリング(26)における中間ディスク(30)に設けた滑合部(31、32、33、34)及び第二カップリング(27)における中間ディスク(41)に設けた滑合部(46、47、48、49)は、それぞれがワイピングローラ(5)の軸心(g)を中心に45度異なる個所に位置している。
第一ハブ(28、39)、第二ハブ(29、40)及び中間ディスク(30、41)において対峙関係にある各々の滑合部は、対峙関係にある滑合部のどちらか一方が凹形状又は貫通形状の場合、凹形状又は貫通形状を他方よりも所定の幅だけ大きく設計していることで、中間ディスク(30、41)が第一の方向(X1)及び第二の方向(X2)にスライドすることを可能としている。
それにより、第一カップリング(26)に設けた中間ディスク(30)は、第一の方向(X1)及び第二の方向(X2)にスライドすることが可能となり、第二カップリング(27)に設けた中間ディスク(41)は、第一の方向(X1)及び第二の方向(X2)とはワイピングローラ(5)の軸心(g)を中心として、それぞれ45度異なる方向にスライドすることができる。
このように、各々のカップリング(26、27)に設けた中間ディスク(30、41)の運動が一番大きい状態である、中間ディスク(30、41)の滑合部(35、36、37、38、46、47、48、49)が45度の位置になった場合においても、中間ディスク(30、41)をスライドさせることが可能となる。それにより駆動伝達軸(9)とワイピングローラ(5)の軸心(g)とが、360度内におけるどの角度においても、常に直線的になり、駆動モータ(7)からワイピングローラ(5)への駆動の伝達をスムーズに行うことできる。
なお、図9においては、凸形状の滑合部(U)と対峙する滑合部(T)の形状を凹形状としたが、貫通形状に設計することも可能であり、更には、図6に示した第二の方向(X2)についても同様のことがいえる。
前述のように、第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)は、同一形状とすることも可能であるが、異なる形状に設計することも可能である。更には、第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)における厚み又は直径を異ならせた態様とすることも可能である。
図5に示すような一般的な凹版印刷機(S)における駆動伝達軸(9)からワイピングローラ(5)までの距離は50cm程度である。また、第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)にかかる荷重は一定である。駆動伝達軸(9)及びワイピングローラ(5)の50cmの間に、第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を配設して、更に各々のカップリング(26、27)にかかる荷重を分散させるためには、それぞれのカップリングの直径に制限はないが、カップリングの厚みには制限が発生する。
図10は、本発明における第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)の厚み及び直径が異なる態様を示す概略図である。なお、第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)における厚み(M1、M2)とは、図10(b)に示すように、第一ハブ(28、39)、第二ハブ(29、40)及び中間ディスク(30、41)をそれぞれ加算した厚みのことを称するのであり、第一カップリング(26)における直径(r1)及び第二カップリング(27)における直径(r2)は、それぞれ図に示すとおりである。
第一カップリング(26)における厚み(M1)及び/又は直径(r1)と、第二カップリングにおける厚み(M2)及び/又は直径(r2)は、それぞれが嵌合を阻害しないような態様とする場合もある。
また、図10(b)に示すように、第一カップリング(26)における厚み(M1)を第二カップリング(27)における厚み(M2)より厚く設計する場合もある。例えば、第一カップリング(26)における厚み(M1)を第二カップリング(27)における厚み(M2)の1.6倍に設計する場合もある。
次に、第一カップリング(26)における直径(r1)及び第二カップリング(27)における直径(r2)を、前述した各々のカップリング(26、27)の厚み(M1、M2)に対応して変化させている。例えば、第一カップリング(26)における厚み(M1)を、第二カップリング(27)における厚み(M2)よりも1.6倍厚く設計したので、それに対応し、第二カップリング(27)における直径(r2)を第一カップリング(26)における直径(r1)よりも1.6倍大きく設計している。
第一カップリング(26)における厚み(M1)は、図5に示した駆動伝達軸(9)からワイピングローラ(5)までの距離に応じて、適宜設定すればよい。例えば、駆動伝達軸(9)及びワイピングローラ(5)間の距離が50cmであった場合、第一カップリング(26)の直径(r1)を14cmに設計し、第二カップリング(27)の直径(r2)を23cmに設計する。その際には、第一カップリング(26)の厚み(M1)は23cmに設計し、第二カップリング(27)の厚み(M2)は14cmに設計する。
なお、前述した第一カップリング(26)における厚み(M1)を第二カップリング(27)における厚み(M2)の1.6倍に設計した際に、第二カップリング(27)における直径(r2)を第一カップリング(26)における直径(r1)よりも1.6倍大きく設計することは一例である。各々のカップリング(26、27)における厚み(M1、M2)及び直径(r1、r2)を変化させる際には、各々のカップリング(26、27)の材質、図7に示した滑合部の形状、更には対峙する二つの滑合部が嵌合した際の接触面積などが関係してくる。そのため、各々のカップリング(26、27)における厚み(M1、M2)及び直径(r1、r2)を変化させる際には、前述の事由を考慮しながら、適宜設定する必要がある。
また、本発明における第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を大型の凹版印刷機に設ける場合には、駆動伝達軸(9)及びワイピングローラ(5)間の距離は大きくなるので、各々のカップリング(26、27)の直径(r1、r2)を変えずに、それぞれ厚み(M1、M2)のみを変化させることで十分な強度を保つことが可能である。
図11は、本発明における第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を構成する第一ハブ(28、39)及び第二ハブ(29、40)の厚みが異なる態様を示す概略図である。図11においては、第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)は、直径(r1、r2)及び厚み(M1、M2)を同じ設計としている。
本発明における各々のカップリング(26、27)における第一ハブ(28、39)、第二ハブ(29、40)及び中間ディスク(30、41)の厚み(m1、m1’、m2、m2’)及び/又は直径(r1、r2)は、それぞれを対応して任意に変化させる場合もある。
図11(a)に示すように、例えば、第一カップリング(26)における第一ハブ(28)の厚み(m1)を、第二ハブ(29)の厚み(m2)の1.5倍に設計している。また、第二カップリング(27)における第一ハブ(39)の厚み(m1’)及び第二ハブ(40)の厚み(m2’)を前述した第一カップリング(26)における各々ハブ(28、29)における厚み(m1、m2)に対応して変化させている。
例えば、第一カップリング(26)における第一ハブ(28)の厚み(m1)を第二ハブ(29)の厚み(m2)よりも1.5倍大きく設計したので、同様に第二カップリング(27)における第一ハブ(39)の厚み(m1’)を第二ハブ(40)の厚み(m2’)よりも1.5倍大きく設計している。なお、各々のカップリング(26、27)に用いた中間ディスク(30、41)の厚み及び直径は同一である。
各々のカップリング(26、27)における第一ハブ(28、39)及び第二ハブ(29、40)の厚み(m1、m1’、m2、m2’)は、図5に示した駆動伝達軸(9)からワイピングローラ(5)までの距離に応じて、適宜設定すればよい。例えば、駆動伝達軸(9)及びワイピングローラ(5)間の距離が50cmであった場合、第一カップリング(26)の直径(r1)及び第二カップリング(27)の直径(r2)を14cmに、第一カップリング(26)における第一ハブ(28)の厚み(m1)を10cmに、第二ハブ(29)の厚み(m2)を7cmにそれぞれ設計した場合には、第二カップリング(27)における第一ハブ(39)の厚み(m1’)は14cmに設計し、第二ハブ(40)の厚み(m2’)は10cmに設計する。
更に、図11(b)に示すように、各々のカップリング(26、27)における厚み(M1、M2)及び直径(r1、r2)が異なり、更に、各々のカップリング(26、27)を構成する第一ハブ(28、39)の厚み(m1、m1’)と、第二ハブ(29、40)の厚み(m2、m2’)をそれぞれ異ならせることも可能である。その場合には、各々のカップリング(26、27)の材質、図7に示した滑合部の形状、更には対峙する二つの滑合部が嵌合した際の接触面積などを考慮しながら、適宜設定する。
図12は、図6に示した本発明における第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)の継合状態を説明する概略図である。なお、駆動伝達軸(9)及び第一カップリング(26)における第一ハブ(28)は、溶接、ネジ仕組等により固着させている。また、第一カップリング(26)における第二ハブ(29)及び第二カップリング(27)における第一ハブ(39)も同様に固着させている。更に、第二カップリング(27)における第二ハブ(40)及びワイピングローラ軸(10)も固着させている。
また、第二カップリング(27)における第二ハブ(40)及びワイピングローラ軸(10)間にジョイント手段(13)を設けた場合には、ジョイント手段(13)に貫通形状の接続手段を設けて、ワイピングローラ軸(10)を通した後、ワイピングローラ軸(10)及び第二カップリング(27)における第二ハブ(40)を固着させることになる。
図13は、本発明における第一カップリング(26)における中間ディスク(30)に押さえ具(50)を取設した状態を示す模式図である。一例として、第一カップリング(26)について説明するが、同様に第二カップリング(27)にも押さえ具(50)を取設することも可能である。
前述したように、駆動伝達軸(9)及び第一カップリング(26)における第一ハブ(28)、第一カップリング(26)における第二ハブ(29)及び第二カップリング(27)における第一ハブ(39)、第二カップリングにおける第二ハブ(40)及びワイピングローラ軸(10)は、それぞれ溶接、ネジ仕組等により固着させている。
それに対し、中間ディスク(30)は、二つの滑合部(35、36)及び対峙関係にある第一ハブ(28)の二つの滑合部(31、32)と、他の二つの滑合部(37、38)及び第二ハブ(29)の二つの滑合部(33、34)とが嵌合することで支持されている。
そのため、中間ディスク(30)は、駆動中に第一ハブ(28)が操作側(Z1)に引っ張られ、反対に第二ハブ(29)がローラ側(Z2)へと引っ張られた際に嵌合されていた各々のハブ(28、29)が外れ、中間ディスク(30)が脱落する可能性がある。その対策として、第一ハブ(28)又は第二ハブ(29)に、中間ディスク(30)を挟み込むことで脱落を防止する押さえ具(50)を取設することが好ましい。
図13(a)及び図13(b)は、押さえ具(50)を取設した状態を示す模式図である。中間ディスク(30)は、第一ハブ(28)に設けた二つの滑合部(31、32)と、第一ハブ(28)における二つの滑合部(31、32)とを跨いで形成した押さえ具(50)により挟み込む。それを第一ハブ(28)における滑合部(31、32)に、溶接、ネジ仕組等により固定設置させる。
なお、押さえ具(50)を取設する場合には、中間ディスク(30)の厚み(m3)は、第一ハブ(28)における二つの滑合部(31、32)の厚み(M4)と押さえ具(50)の厚みとを加算したものより、2〜3mm程度厚く設定する。それにより、駆動中に中間ディスク(30)が熱膨張した際においても、押さえ具(50)が変形することなく保持し続けることが可能となる。
図13(c)及び図13(b)は、押さえ具(50’)を取設した別形態を示す模式図である。図13(c)に示すように、中間ディスク(30)は、第一ハブ(28)に設けた押さえ具(50’)であるアームにより挟み込むことも可能である。また、図13(a)に示すような第一ハブ(28)における二つの滑合部(31、32)が凸形状で、その二つの滑合部(31、32)と対峙する中間ディスク(30)における二つの滑合部(35、36)が貫通形状の場合、押さえ具(50)は、第一ハブ(28)に取設した二つの滑合部(31、32)を跨いで形成することが可能である。
しかし、図6に示すように、第一ハブ(28)における二つの滑合部(31、32)が凸形状で、その二つの滑合部(31、32)と対峙する中間ディスク(30)における二つの滑合部(35、36)が凹形状の場合、押さえ具(50’)は第一ハブ(28)に取設した二つの滑合部(31、32)を跨いで形成することは不可能である。
そこで、図13(c)に示すように、押さえ具(50’)をアーム形状とすることで、第一ハブ(28)に取設することが可能となる。更に、図13(d)は、第二ハブ(29)に押さえ具(50’)を設けた態様とした模式図である。なお、押さえ具(50’)をアーム形状とした際には、中間ディスク(30)の脱落を防止できればよいため、図13(d)に示すような形状とすることも可能である。
各々のカップリング(26、27)を構成する第一ハブ(28、39)、第二ハブ(29、40)及び中間ディスク(30、41)は、それぞれ同じ直径とすることが好ましい。同じ直径とすることで駆動伝達軸(9)の駆動を駆動側に取設した第一ハブ(28)から中間ディスク(30)へと、中間ディスク(30)から第二ハブ(29)へと安定して伝達することが可能となる。
なお、第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)は、ワイピングローラ(5)における軸心(g)を中心に時計回りに45度回転した状態について説明してきたが、当然、反時計回りに45度回転した場合でも同様に説明できる。
第一ハブ(28、39)、第二ハブ(39、40)及び中間ディスク(30、41)の材料は、真鍮、アルミ、ナイロン等を用いることが可能であるが、中間ディスク(30、41)の材料は、第一ハブ(28、39)及び第二ハブ(29、40)よりも1cm3あたりの重量を軽く、かつ、軟質材料を用いることが好ましい。例えば、第一ハブ(28、39)及び第二ハブ(29、40)を真鍮とするならば、中間ディスク(30、41)はナイロンとする場合がある。
中間ディスク(30、41)の材料は、第一ハブ(28、39)及び第二ハブ(39、40)よりも1cm3あたりの重量が重い材料を用いた場合には、駆動中において中間ディスク(30、41)に大きな遠心力が発生する。発生した遠心力が大きければ、それによってワイピングローラ(5)の軸心(g)が、水平方向からずれる可能性が生じることから好ましくない。
本発明における第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を長期間使用した場合には、第一ハブ(28、39)、第二ハブ(29、40)及び中間ディスク(30、41)はそれぞれ摩滅損耗することになる。
しかし、中間ディスク(30、41)を第一ハブ(28、39)及び第二ハブ(29、40)よりも軟質材料とすることで、中間ディスク(30、41)へ摩滅損耗因子を誘導させる。それによって、他の部材と固着していなく、交換しやすい位置にある中間ディスク(30、41)のみを交換することで常に第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を長期間安定して使用することを可能とする。
なお、本発明においては、二つのカップリング(26、27)を用いたが、三つ以上のカップリングを用いることも可能である。しかしながら、図5に示したように、一般的な凹版印刷機(S)における駆動伝達軸(9)からワイピングローラ(5)までの距離は50cm程度である。そのため、三つ以上のカップリングを50cm以内に設置する際には、各々のカップリングの厚さを薄く設計し、それに対応して直径を大きく設計する必要があり有用ではない。また、カップリングを多く(例えば、3つ以上)用いることは動力の伝播に遅遅を生じさせるため有用ではない。
(実施例)
図14は、本発明における第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を取設した凹版印刷機の駆動状態におけるワイピングローラ(5)の挙動状態を示す測定図である。ワイピングローラ(5)の挙動測定時においては、図15(a)及び図15(b)に示した、第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を用いた。また、図15(a)に示すように、第一カップリング(26)における、第一ハブ(28)、第二ハブ(29)及び中間ディスク(30)の直径(r1)はすべて同様に設計しており、それぞれを140mmとした。
また、第一カップリング(26)における第一ハブ(28)の厚み(m1)は、60mmとした。第一カップリング(26)における第一ハブ(28)は、同一形状で、かつ、凸形状の二つの滑合部(31、32)を取設した。二つの滑合部(31、32)における厚み(n1)は、それぞれ82mmとし、また、図15(b)に示すように、二つの滑合部(31、32)の高さ(F1)は、それぞれ30mmとし、幅(T2)は、それぞれ30mmとした。
第一カップリング(26)における第二ハブ(29)の厚み(m2)は10mmとした。第一カップリング(26)における第二ハブ(29)は、同一形状で、かつ、凹形状の二つの滑合部(33、34)を取設した。二つの滑合部(33、34)における深さ(n2)は、それぞれ8mmとし、また、図15(b)に示すように、二つの滑合部(33、34)の高さ(F4)は、それぞれ37mmとし、幅(T3)は、それぞれ30mmとした。
第一カップリング(26)における中間ディスク(30)の厚み(m3)は、50mmとした。第一カップリング(26)における中間ディスク(30)は、四つの滑合部(35、36、37、38)を有し、第一ハブ(28)の二つの滑合部(31、32)と対峙する二つの滑合部(35、36)は、同一形状で、かつ、貫通形状とした。また、図15(b)に示すように、二つの滑合部(35、36)の高さ(F2)は、それぞれ24mmとし、幅(U2)は、それぞれ30mmとした。
中間ディスク(30)における、第二ハブ(29)の二つの滑合部(33、34)と対峙する二つの滑合部(37、38)は、同一形状で、かつ、凸形状とした。二つの滑合部(37、38)における厚み(n3)は、それぞれ9mmとし、また、図15(b)に示すように、二つの滑合部(37、38)の高さ(F3)は、それぞれ12mmとし、幅(U3)は、それぞれ30mmとした。
第二カップリング(27)における第一ハブ(39)、第二ハブ(40)及び中間ディスク(41)の直径(r2)は、すべて同様に設計し160mmとした。
第二カップリング(27)における第一ハブ(39)の厚み(m1’)は、6mmとした。第二カップリング(27)における第一ハブ(39)は、同一形状で、かつ、凸形状の二つの滑合部(42、43)を取設した。二つの滑合部(42、43)における厚み(n1’)は、それぞれ9mmとし、また、図15(b)に示すように、二つの滑合部(42、43)の高さ(F1’)は、それぞれ12mmとし、幅(T2’)は、それぞれ30mmとした。
第二カップリング(27)における第二ハブ(40)の厚み(m2’)は、75mmとした。第二カップリング(27)における第二ハブ(40)は、同一形状で、かつ、凸形状の二つの滑合部(44、45)を取設した。二つの滑合部(44、45)における厚み(n2’)は、それぞれ7mmとし、また、図15(b)に示すように、二つの滑合部(44、45)の高さ(F4’)は、それぞれ12mmとし、幅(T3’)は、それぞれ29mmとした。
第二カップリング(27)における中間ディスク(41)の厚み(m3’)は、15mmとした。第二カップリング(27)における中間ディスク(41)は、四つの滑合部(46、47、48、49)を有し、第一ハブ(39)の二つの滑合部(42、43)と対峙する二つの滑合部(46、47)は、同一形状で、かつ、凹形状とした。二つの滑合部(46、47)における深さ(n3a)は、それぞれ8mmとし、また、図15(b)に示すように、二つの滑合部(46、47)の高さ(F2’)は、それぞれ30mmとし、幅(U2’)は、それぞれ30mmとした。
中間ディスク(41)における第二ハブ(40)の二つの滑合部(44、45)と対峙する二つの滑合部(48、49)は、同一形状で、かつ、凹形状とした。二つの滑合部(48、49)における深さ(n3b)は、それぞれ8mmとし、また、図15(b)に示すように、二つの滑合部(48、49)の高さ(F3’)は、それぞれ30mmとし、幅(U3’)は、それぞれ30mmとした。
第一カップリング(26)における第一ハブ(28)と、第二カップリング(27)における第一ハブ(39)及び第二ハブ(40)は、機械構造用炭素鋼(JIS規格S45C)を用いて作製した。また、第一カップリング(26)における第二ハブ(29)及び中間ディスク(30)と、第二カップリング(27)における中間ディスク(41)は、アルミ青銅を用いて作製した。
図14に示した、本発明における第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を設けた凹版印刷機の駆動状態におけるワイピングローラ(5)の挙動は、ワイピングローラ軸(10)の位置を検出するためのセンサにより、凹版印刷中のワイピングローラ(5)の位置を左右別々に検出し、グラフ化したものであり、縦軸はワイピングローラ軸(10)の移動量を、横軸はワイピングローラ(5)の回転周期をそれぞれ示している。
一周期(51)で、ワイピングローラ(5)は360度回転する。なお、中間ディスク(30、41)の運動が一番大きい、第一カップリング(26)における中間ディスク(30)の滑合部(35、36、37、38)が45度、135度、225度及び315度となる位置は点線で示している。
ローラ回転(52)は、印刷中におけるワイピングローラ軸(10)の回転を示したラインであり、測定はワイピングローラ軸(10)の軸心にピンを設け、そのピンをセンサにて検知することにより測定した。ローラ側波形(53)は、ワイピングローラ(5)の軸心(g)におけるローラ側が、凹版版面(4)に対してどの位置で押圧しているかを示したラインであり、測定はワイピングローラ(5)の軸心(g)におけるローラ側(Z2)の近傍にセンサを設け、そのセンサにより測定した。
駆動側波形(54)は、ワイピングローラ(5)の軸心(g)における駆動側が、凹版版面(4)に対してどの位置で押圧しているかを示したラインであり、測定はワイピングローラ(5)の軸心(g)における駆動側(Z1)の近傍にセンサを設け、そのセンサにより測定した。
したがって、凹版版面(4)とワイピングローラ(5)の軸心(g)が平行であれば、駆動側波形(54)とローラ側波形(53)は、数値が略同一となる。対して、この数値があばれる場合は、ワイピングローラ(5)が凹版版面(4)に対して偏芯があることを間接的に理解することができる。
印刷結果より、ワイピングローラ(5)が360度回転する間において、常に凹版版面(4)とワイピングローラ(5)の軸心(g)が平行であり、駆動側波形(54)とローラ側波形(53)は、数値が略同一であることが確認できた。換言すれば、第一カップリング(26)及び第二カップリング(27)を取設することで、ワイピングローラ(5)の駆動側(Z1)及びローラ側(Z2)において凹版版面(4)に接触する押圧力が略同一となり、その結果、凹版版面(4)とワイピングローラ(5)が常に均等に接触し、安定して凹版版面(4)のインキを拭き取ることが可能となったといえる。
(比較例)
図16は、図4に示した引用文献1におけるカップリング(14)を一箇所に取設した凹版印刷機の駆動状態におけるワイピングローラ(5)の挙動状態を示す測定図である。ワイピングローラ(5)の挙動測定時においては、図15(a)及び図15(b)に示した、第一カップリング(26)のみを用いた。なお。第一カップリング(26)を取設する以外の構成は、図14に示した、前述のカップリングを二箇所に設けた際の測定時と同様であり、また測定に用いたセンサも同様ものを使用した。
印刷結果より、ワイピングローラ(5)が一回転する間に、駆動側波形(54’)及びローラ側波形(53’)どちらにおいても、不規則な位置に複数のピークとボトムが現れた。特に、第一カップリング(26)における中間ディスク(30)の滑合部(35、36、37、38)が45度、135度、225度及び315度となる位置においては、一回転中において最も駆動側波形(54’)とローラ側波形(53’)の開きが大きく、軸心(g)のずれが顕著となっていることが確認できた。
更なる連続印刷を行った結果、凹版版面(4)とワイピングローラ(5)が均等に接触することができず、安定して凹版版面(4)のインキを拭き取ることが不可能となり、得られる印刷物は安定した印刷品質を保つことができなった。