JP5447680B2 - データ処理方法及び装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ピーク波形にリンギングが付随している信号から、デジタル信号処理によりリンギングを除去するデータ処理方法及び装置に関する。本発明に係るデータ処理方法及び装置は、例えば、飛行時間型質量分析装置(TOF−MS)のイオン検出器で得られる検出信号に現れるリンギングを除去するためなどに好適に用いることができる。
飛行時間型質量分析装置(TOF−MS)では、飛行時間型質量分析器において質量電荷比m/zに応じて分離されたイオンがイオン検出器に到達し、到達したイオンの数に応じた強度のピークを持つ検出信号がイオン検出器から出力される。TOF−MSのデータ処理装置では、上記のように得られた検出信号から横軸が時間、縦軸が信号強度である飛行時間スペクトルを作成し、飛行時間を質量電荷比に換算することでマススペクトルを求める。正確なマススペクトルを取得するため、さらにはマススペクトルに基づいてプリカーサイオンを自動的に選択してMSn分析を実行する際に不適切なピークを選択することを避けるためには、データ処理装置において、検出信号に重畳している様々な要因によるノイズ成分をできるだけ除去した後に飛行時間スペクトルの作成処理を実行することが望ましい。
一般に、目的ピークに付随しているリンギング成分の強度(振幅)はその目的ピークの信号強度に比べれば十分に小さく発生時間も短い。そこで、特許文献1に記載の質量分析用データ処理装置では、検出信号に対しノイズ成分を除去するための一定の閾値を設定し、該閾値よりも小さな信号値を所定値(例えばベースライン上の値)に置き換えることにより、リンギングを含むノイズを除去するという簡易的な方法が提案されている。
しかしながら、ピークの信号強度が常に大きい場合には上記方法でも問題ないが、信号強度の小さなピークが混じる場合には、ノイズとピークとを正確に区別するような閾値を設定することは困難である。閾値を適切に設定しないと、信号強度の小さなピークが除去されてしまったり、逆に信号強度の大きなピークに付随する比較的強度の大きなリンギングが除去されずに残ってしまったりするおそれがある。近年、質量分析の分野では微小濃度分析の重要性が一層増しており、分析感度やSN比の低下を招く上記のリンギング除去法はあまり適切な方法ではない。また、高分子化合物等を計測するために多価イオンを利用する場合には、非常に短い時間間隔で次のピークが発生するため、リンギング発生期間に次のピークがオーバーラップする可能性も高くなる。
上記のような簡易的な方法ではなく、より複雑な処理によって入力信号に存在するリンギング波形を解析的に推定し、これを除去する方法が特許文献2に開示されている。より詳しく述べると、該文献に開示されている方法では、入力信号に対しアップサンプリングを実行し、アップサンプリング後の信号を高周波成分と低周波成分とに分け、高周波成分のピーク値を求める。そして、そのピーク値と、該ピーク値が出現するタイミングにおける上記低周波成分の変動とから、リンギング量に応じた係数を求め、この係数と入力信号の高周波成分とからリンギング波形を推定している。
しかしながら、上記特許文献2に記載のリンギング除去方法は、リンギングが発生している時間領域での信号のSN比が悪い、信号をA/D変換するためのサンプリング周波数に対してリンギング自体の周波数が相対的に高くリンギング波形の1周期中のサンプル点が少数(5〜10程度)である、といった条件の下ではリンギング波形の推定精度があまり良好でない。そのため、上記のような不利な条件となり易いTOF−MSなどの高質量分解能である質量分析装置における検出信号のリンギング除去には、上記方法は不向きである。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、ピークに付随するリンギング波形の1周期中のサンプル点が比較的少ない場合であっても、またピークの信号強度の大小に拘わらず、リンギングを的確に除去することができるデータ処理方法及び装置を提供することである。より具体的には、飛行時間型質量分析装置においてイオン検出器から出力される検出信号に生じる高い周波数のリンギングを的確に除去することができるデータ処理方法及び装置を提供することを主たる目的としている。
上記課題を解決するために成された第1発明は、ピーク波形にリンギングが生じた状態である信号に対し該リンギングを除去する処理を行うデータ処理方法であって、
a)前記信号をリンギング生成フィルタに入力し、該フィルタにより、前記信号に重畳しているリンギングの近似波形を生成するリンギング生成ステップと、
b)前記リンギング生成ステップにおいて生成されたリンギングの近似波形を前記信号から差し引くことによりリンギングの低減された信号を得る減算ステップと、
c)ピーク波形発生後のリンギング発生期間に他のピークがないとみなし得る基準信号が入力された状態で、該基準信号の時間領域をピークが存在するピーク領域とピークが存在しないリンギング領域とに区分し、そのピーク領域中のピーク信号とリンギング領域中のリンギング信号との共分散を最小化する学習アルゴリズムに従って前記リンギング生成フィルタ手段のフィルタ係数を求めるフィルタ係数決定ステップと、
を有することを特徴としている。
a)前記信号をリンギング生成フィルタに入力し、該フィルタにより、前記信号に重畳しているリンギングの近似波形を生成するリンギング生成ステップと、
b)前記リンギング生成ステップにおいて生成されたリンギングの近似波形を前記信号から差し引くことによりリンギングの低減された信号を得る減算ステップと、
c)ピーク波形発生後のリンギング発生期間に他のピークがないとみなし得る基準信号が入力された状態で、該基準信号の時間領域をピークが存在するピーク領域とピークが存在しないリンギング領域とに区分し、そのピーク領域中のピーク信号とリンギング領域中のリンギング信号との共分散を最小化する学習アルゴリズムに従って前記リンギング生成フィルタ手段のフィルタ係数を求めるフィルタ係数決定ステップと、
を有することを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された第2発明は、ピーク波形にリンギングが生じた状態である信号に対し該リンギングを除去する処理を行うデータ処理装置であって、
a)前記信号を入力として該信号に重畳しているリンギングの近似波形を生成するリンギング生成フィルタ手段と、
b)前記リンギング生成フィルタ手段により生成されたリンギングの近似波形を前記信号から差し引くことによりリンギングの低減された信号を得る減算手段と、
c)前記信号の代わりにピーク波形発生後のリンギング発生期間に他のピークがないとみなし得る基準信号が入力された状態で、該基準信号の時間領域をピークが存在するピーク領域とピークが存在しないリンギング領域とに区分し、そのピーク領域中のピーク信号とリンギング領域中のリンギング信号との共分散を最小化する学習アルゴリズムに従って前記リンギング生成フィルタ手段のフィルタ係数を求めるフィルタ係数決定手段と、
を備えることを特徴としている。
a)前記信号を入力として該信号に重畳しているリンギングの近似波形を生成するリンギング生成フィルタ手段と、
b)前記リンギング生成フィルタ手段により生成されたリンギングの近似波形を前記信号から差し引くことによりリンギングの低減された信号を得る減算手段と、
c)前記信号の代わりにピーク波形発生後のリンギング発生期間に他のピークがないとみなし得る基準信号が入力された状態で、該基準信号の時間領域をピークが存在するピーク領域とピークが存在しないリンギング領域とに区分し、そのピーク領域中のピーク信号とリンギング領域中のリンギング信号との共分散を最小化する学習アルゴリズムに従って前記リンギング生成フィルタ手段のフィルタ係数を求めるフィルタ係数決定手段と、
を備えることを特徴としている。
ここで、「ピーク波形発生後のリンギング発生期間に他のピークがないとみなし得る」とは、ピーク波形発生後のリンギング発生期間に仮に他のピークがあったとしても、それが許容可能な誤差と同程度以下であることをいう。
本発明に係るデータ処理方法及び装置では、ピーク波形に付随するリンギングの近似波形を生成するためのリンギング生成フィルタ手段のフィルタ係数は、入力信号に基づいてリアルタイムで決定されるのではなく、フィルタ係数決定ステップ又は手段による学習アルゴリズムに従って予め決定される。なお、ここでいう「学習」とは入力信号に応じて評価関数を最適にするフィルタ係数を決定する処理であり、入力信号に対する1回の演算処理で済む場合と、同じ入力信号に対して複数回の繰り返し演算処理を実行する場合とを含む。
本発明に係るデータ処理方法及び装置が飛行時間型質量分析装置又はそれ以外の質量分析装置の検出器で得られるデータの処理に用いられる場合、リンギング領域に他の物質由来のピークができるだけ重ならないような標準物質を含む標準試料に対する質量分析を実際に行い、それにより検出器で得られた信号を上記基準信号として用いるようにすることができる。
上記のように検出器より得られた基準信号を実際の装置のA/D変換器によりA/D変換して得られたデータ列をピーク領域とリンギング領域とに分ければ、ピーク信号に相当するピーク波形のデータセットと、リンギング信号に相当するリンギング波形のデータセットとを得ることができる。フィルタ係数の学習のために用いるデータセットは1組であってもよいが、好ましくは、異なる基準信号に対する、つまりは異なる種類の標準物質に対する実測により得られた信号に基づく2組以上のデータセットを用いるとよい。複数組のデータセットを用いることで、リンギング波形の1周期中のサンプル点が少数であっても、信号をA/D変換する際のサブサンプリング単位での時間ズレやリンギング以外の様々なノイズの影響をデータから除去し、より高い精度で以てフィルタ係数を求めることができる。
上述したように、基準信号はピーク波形発生後のリンギング発生期間に他のピークがないとみなし得る、つまり、殆ど無い信号であるから、基準信号の時間領域をピーク信号のみが存在するピーク領域とリンギング信号のみが存在するリンギング領域とに分けて考えることができる。真に物理的なモデルで考えれば、理想上のピークに対し或る特性の線形フィルタを乗じたものが観測信号であるが、リンギングの振幅がその直前のピークの信号振幅に比べて十分に小さいという条件の下では次のような近似的なモデルとすることができる。
r(t)=f(t)*p(t) …(1)
ここで、r(t)はリンギング波形、p(t)はピーク波形、f(t)はリンギング生成フィルタ手段のフィルタ係数、「*」は畳み込み演算を示す。したがって、フィルタ係数f(t)は、ピーク波形p(t)及びリンギング波形r(t)を表現するデータセットから学習処理により求めればよい。
r(t)=f(t)*p(t) …(1)
ここで、r(t)はリンギング波形、p(t)はピーク波形、f(t)はリンギング生成フィルタ手段のフィルタ係数、「*」は畳み込み演算を示す。したがって、フィルタ係数f(t)は、ピーク波形p(t)及びリンギング波形r(t)を表現するデータセットから学習処理により求めればよい。
フィルタ係数の学習には、例えばフーリエ空間での除算処理やZ変換などを用いてデータセットなどを多項式の形式に変換した後に、例えば佐々木健昭、「近似代数その1−近似多項式の四則演算」、数理解析研究所講究録、920巻 1995年 p.115−119、インターネット<http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/0920-12.pdf>などの文献に記載されている近似多項式の除算算法を用いる。即ち、線形方程式の解法の一つとしてよく知られている完全ピボッティング・ガウス消去法に多項式除算に類似したアルゴリズムを用いる。行列を用いた一般的な完全ピボッティング・ガウス消去法では、消去対称の変数を選ぶ際に掃き出し演算中の最大項を含む行を用いるのに対し、ここで用いる類似法では、例えば除算による剰余の要素を表現する剰余ベクトルとの共分散が最大となる行を用いる。また、一般的なガウス消去法では、最大項を含む列を0にするように選択行を定数倍して加算演算を行うが、本手法では、ノイズの存在を許容するべく最大項を含む列を0にすることに拘泥せずに、例えば選択した行と相手の行との共分散の二乗が最小になるようにする。
なお、質量分析装置の検出器で得られる信号では、リンギングがベースラインよりも低い電圧になることがあり、その場合、A/D変換後のデータが計算上無効な0以下等のデータとなることがある。これを放置したままフィルタ係数算出のための除算を実行すると、本来は負の値であるべき部分が0など適当なクリップ値として評価されてしまい、フィルタ係数算出の誤差を増大させる一因となる。そこで、本発明に係るデータ処理方法及び装置では、フィルタ係数計算の過程で、例えばA/D変換前の値が負値であるなど、データが無効である場合には計算をスキップする処理を行い、その代わりに実際に計算に用いたデータの数で以て結果を正規化するようにするとよい。
また、上述したように複数組のデータセットを用いることにより安定性は向上するものの、ガウス消去法を1回演算するのみでは最適解は得られず、近似解となってしまう。そのため、最適解により近付けるために、ガウス消去法(ただし類似法)を複数回繰り返すようにすることが好ましい。
本発明に係るデータ処理方法及び装置によれば、基準信号を用いた学習処理、即ち、複数回の繰り返し処理によりリンギング生成フィルタのフィルタ係数を求めるようにしたので、リンギングの周波数が高くリンギング波形の1周期中のサンプル点が少ない場合であっても、高い精度でフィルタ係数を求めることができる。また、ノイズの存在を許容したフィルタ係数計算を実施しているので、信号のSN比があまり良好でない場合であっても、高い精度でフィルタ係数を求めることができる。そして、このように適切に計算されたフィルタ係数を用いたリンギング生成フィルタにより入力信号に対してリンギングの近似波形を生成し、これを入力信号から差し引くことでリンギングの除去が実施されるので、入力信号に重畳しているリンギングを適切に除去することができる。
以下、本発明に係るデータ処理方法及び装置について、その一実施例を添付図面を参照して説明する。
図2はTOF−MSにおいて実際に観測されるリンギングを伴うピーク波形の一例を示す図である。図のように、検出器への実際のイオンの入射に伴って生じるピーク波形の直後に、複数周期分のリンギング波形が生じていることが分かる。このリンギング波形をできる限り除去する(低減する)のが、本発明に係るデータ処理方法及び装置の目的である。
[信号の近似モデル及びリンギング除去の原理]
このリンギング除去方法では、図2に示したような、或るピークとそれによって生じるリンギングとからなる信号の時間領域を、図3に示すようにピーク領域とリンギング領域とに区分して考える。前述のように、リンギング領域中のリンギング信号の振幅がその直前のピーク領域のピーク信号の振幅に比べて非常に小さいとみなし、(1)式にも記載した次の近似モデルを考える。
r(t)=f(t)*p(t)
ピーク領域ではリンギング信号r(t)=0、リンギング領域ではピーク信号p(t)=0であるから、入力信号s(t)はp(t)+r(t)であると捉えることができる。リンギング生成フィルタのフィルタ係数f(t)をこの入力信号s(t)に乗じる場合を考えると、ピーク信号p(t)が入力された(つまりピーク領域が終了した)段階で、リンギング生成フィルタの演算処理によりリンギング波形のみが生成されるとみることができる。
このリンギング除去方法では、図2に示したような、或るピークとそれによって生じるリンギングとからなる信号の時間領域を、図3に示すようにピーク領域とリンギング領域とに区分して考える。前述のように、リンギング領域中のリンギング信号の振幅がその直前のピーク領域のピーク信号の振幅に比べて非常に小さいとみなし、(1)式にも記載した次の近似モデルを考える。
r(t)=f(t)*p(t)
ピーク領域ではリンギング信号r(t)=0、リンギング領域ではピーク信号p(t)=0であるから、入力信号s(t)はp(t)+r(t)であると捉えることができる。リンギング生成フィルタのフィルタ係数f(t)をこの入力信号s(t)に乗じる場合を考えると、ピーク信号p(t)が入力された(つまりピーク領域が終了した)段階で、リンギング生成フィルタの演算処理によりリンギング波形のみが生成されるとみることができる。
実際にはピーク領域が終了してリンギング領域に入ると、ピーク信号p(t)に引き続いてリンギング信号(t)がリンギング生成フィルタに入力されることになるため、厳密に言えば、入力信号s(t)に含まれるリンギング信号由来のリンギング波形もリンギング生成フィルタで生成されるが、リンギング信号の振幅はピークの振幅に比べて非常に小さいので入力信号s(t)に含まれるリンギング信号由来のリンギング波形は無視できる。即ち、上記近似モデルによればリンギング波形はs(t)*f(t)であるから、s(t)−s(t)*f(t)を計算すれば、入力信号s(t)からリンギングを除去した信号を得ることができる。
[データ処理装置の構成]
上記リンギング除去の原理に基づく、本発明に係るデータ処理方法を実施するデータ処理装置の概略構成は図1に示すようになる。
入力端子10に与えられた処理対象である入力信号s(t)はリンギング生成フィルタ12に入力されるとともに減算器11に入力される。リンギング生成フィルタ12は所定のフィルタ係数を書き換え可能に有しており、入力された信号s(t)に対してフィルタ係数に従った演算を行うことによりリンギングの近似波形を生成し出力する。減算器11は入力信号s(t)からリンギングの近似波形を差し引く処理を実行することにより、リンギングが除去された出力信号p(t)を出力端子13から出力する。リンギング生成フィルタ12のフィルタ係数は、実際の処理対象の信号の入力に先立って実行される較正時にフィルタ係数学習部14において計算される。なお、図1に示したデータ処理装置は、ソフトウエア又はハードウエアのいずれでも実現することができる。
上記リンギング除去の原理に基づく、本発明に係るデータ処理方法を実施するデータ処理装置の概略構成は図1に示すようになる。
入力端子10に与えられた処理対象である入力信号s(t)はリンギング生成フィルタ12に入力されるとともに減算器11に入力される。リンギング生成フィルタ12は所定のフィルタ係数を書き換え可能に有しており、入力された信号s(t)に対してフィルタ係数に従った演算を行うことによりリンギングの近似波形を生成し出力する。減算器11は入力信号s(t)からリンギングの近似波形を差し引く処理を実行することにより、リンギングが除去された出力信号p(t)を出力端子13から出力する。リンギング生成フィルタ12のフィルタ係数は、実際の処理対象の信号の入力に先立って実行される較正時にフィルタ係数学習部14において計算される。なお、図1に示したデータ処理装置は、ソフトウエア又はハードウエアのいずれでも実現することができる。
[リンギング生成フィルタのフィルタ係数の算出方法の概要]
上記説明から明らかなように、このリンギング除去方法においてリンギング除去性能を高めるには、リンギング生成フィルタ12のフィルタ係数の定め方が非常に重要である。上記(1)式の関係から、リンギング生成フィルタ12のフィルタ係数f(t)はリンギング波形r(t)とピーク波形p(t)とを用いた逆畳み込み(デコンボリューション)により求まることが分かる。コンピュータ等で取り扱う離散系では、畳み込み及び逆畳み込みは四則演算で表現することができるから、フィルタ係数を求めるには、フーリエ空間での除算やZ変換を用い、フィルタ変数を未知の変数として既知のリンギング波形r(t)とピーク波形p(t)との関係を多項式で表現し、これを既知の近似多項式の除算算法を用いて解けばよい。近似多項式の除算算法については、前掲の文献(「近似代数その1−近似多項式の四則演算」)に詳しく説明されているので、ここでは詳細な説明を省くが、基本的には、多項式F、G、Hの間にF=GH(但し、多項式Fの数係数が誤差を含み、その誤差の上限εが1よりも十分に小さい)との関係が成り立つときに、FとGを与えてHを計算するという命題に対し、完全ピボッティング・ガウス消去法を利用してF=GHを満たすHを計算する解法である。
上記説明から明らかなように、このリンギング除去方法においてリンギング除去性能を高めるには、リンギング生成フィルタ12のフィルタ係数の定め方が非常に重要である。上記(1)式の関係から、リンギング生成フィルタ12のフィルタ係数f(t)はリンギング波形r(t)とピーク波形p(t)とを用いた逆畳み込み(デコンボリューション)により求まることが分かる。コンピュータ等で取り扱う離散系では、畳み込み及び逆畳み込みは四則演算で表現することができるから、フィルタ係数を求めるには、フーリエ空間での除算やZ変換を用い、フィルタ変数を未知の変数として既知のリンギング波形r(t)とピーク波形p(t)との関係を多項式で表現し、これを既知の近似多項式の除算算法を用いて解けばよい。近似多項式の除算算法については、前掲の文献(「近似代数その1−近似多項式の四則演算」)に詳しく説明されているので、ここでは詳細な説明を省くが、基本的には、多項式F、G、Hの間にF=GH(但し、多項式Fの数係数が誤差を含み、その誤差の上限εが1よりも十分に小さい)との関係が成り立つときに、FとGを与えてHを計算するという命題に対し、完全ピボッティング・ガウス消去法を利用してF=GHを満たすHを計算する解法である。
上記の近似多項式の除算算法を用いた計算の上では、1つのピーク波形と1つのリンギング波形のデータセット(p,r)が与えられれば、フィルタ係数を計算することができる筈である。しかしながら、一般に、ピークに付随するリンギングは回路のインピーダンスの不整合、周波数帯域の不足、信号反射など様々な要因により生じるものであるため、ピーク波形が同一であってもリンギング波形が同一になるわけではない。また、仮にアナログレベルでのピーク波形・リンギング波形が同一であってもA/D変換時のサンプリングのタイミングによって波形を表現するデータ値は相違する。さらにまた、実際の回路では様々なノイズが重畳する。こうした理由から、フィルタ係数を算出する際には実用的に、2以上の(できるだけ多数の)ピーク・リンギング波形のデータセット(p1,r1,p2,r2,…,pn,rn)を用いる必要がある。このように複数のピーク・リンギング波形のデータセットの利用は、特にリンギング波形を構成するサンプルの数が少ない場合(つまりリンギングの周波数が高い場合)に有効である。
また、前掲の文献に記載の近似多項式の除算算法では、完全ピボッティング・ガウス消去法により消去対象の行列の各行に対し1回ずつ消去を実施することにより解を求めているが、このリンギング除去方法では複数データを同時に扱う都合上、1通りの処理で最適解に辿り着くとは限らず、実際には最低でも2、3回の繰り返し処理が必要である。そこで、ここでは、同一の複数のピーク・リンギング波形のデータセットを用い、近似多項式の除算算法を利用した繰り返しの学習処理を実施することにより、フィルタ係数の精度を高めるようにしている。
[学習によるフィルタ係数算出の詳細]
図4はリンギング生成フィルタ係数の学習処理のフローチャートである。
前述のように、フィルタ係数を学習するためには、図3に示したようにピーク波形とリンギング波形とが完全に分離された基準データが用いられる。本実施例のデータ処理装置を質量分析装置で得られるデータの処理に使用する場合、何らかの試料を実際に質量分析に供して得られるデータを基準データとして用いてフィルタ係数学習部14がフィルタ係数を算出する。このとき、リンギング領域に他の物質由来のピークが存在すると、計算が複雑になる。そこで、リンギング領域に他の物質由来のピークが存在しないことが保証された既知の物質のみを含む標準試料を質量分析に供し、それにより検出器から得られる信号をA/D変換したデータをコンピュータに取り込んで基準データとすればよい。上記のように複数のピーク・リンギング波形のデータセットを用いる場合には、異なる複数の標準試料に対する質量分析を実施すればよい。
図4はリンギング生成フィルタ係数の学習処理のフローチャートである。
前述のように、フィルタ係数を学習するためには、図3に示したようにピーク波形とリンギング波形とが完全に分離された基準データが用いられる。本実施例のデータ処理装置を質量分析装置で得られるデータの処理に使用する場合、何らかの試料を実際に質量分析に供して得られるデータを基準データとして用いてフィルタ係数学習部14がフィルタ係数を算出する。このとき、リンギング領域に他の物質由来のピークが存在すると、計算が複雑になる。そこで、リンギング領域に他の物質由来のピークが存在しないことが保証された既知の物質のみを含む標準試料を質量分析に供し、それにより検出器から得られる信号をA/D変換したデータをコンピュータに取り込んで基準データとすればよい。上記のように複数のピーク・リンギング波形のデータセットを用いる場合には、異なる複数の標準試料に対する質量分析を実施すればよい。
【0030】
例えば較正指示を受けてフィルタ係数を学習する際には、まず上述したように求めたデータをフィルタ係数学習部14に取り込む(ステップS1)。ここでは、フィルタ係数を算出するために、前掲の文献に記載のような近似多項式の除算算法に基づく、完全ピボッティング・ガウス消去法による多項式除算に類似したアルゴリズムを用いる。いま、フィルタ係数算出用の行列を次の(2)式のように定義する。
【数1】
ここで、P’をシルベスタ行列(初期値は階段状ピーク波形P(t)をずらして格納した行列)、Eを随伴行列(初期値は単位行列)、Mを剰余ベクトル(初期値はリンギング波形)、Rを結果ベクトルと呼ぶ。これは、多項式の近似除算のシルベスタ行列及び剰余ベクトルの要素をスカラー値からベクトルに拡張した手法である。ステップS1においてデータが入力されたならば、そのデータに基づいてまず上記計算用の行列を初期化する(ステップS2)。その後、フィルタ係数算出のための計算、つまりは行列の操作を実行する(ステップS3)。
例えば較正指示を受けてフィルタ係数を学習する際には、まず上述したように求めたデータをフィルタ係数学習部14に取り込む(ステップS1)。ここでは、フィルタ係数を算出するために、前掲の文献に記載のような近似多項式の除算算法に基づく、完全ピボッティング・ガウス消去法による多項式除算に類似したアルゴリズムを用いる。いま、フィルタ係数算出用の行列を次の(2)式のように定義する。
【数1】
ここで、P’をシルベスタ行列(初期値は階段状ピーク波形P(t)をずらして格納した行列)、Eを随伴行列(初期値は単位行列)、Mを剰余ベクトル(初期値はリンギング波形)、Rを結果ベクトルと呼ぶ。これは、多項式の近似除算のシルベスタ行列及び剰余ベクトルの要素をスカラー値からベクトルに拡張した手法である。ステップS1においてデータが入力されたならば、そのデータに基づいてまず上記計算用の行列を初期化する(ステップS2)。その後、フィルタ係数算出のための計算、つまりは行列の操作を実行する(ステップS3)。
一般的な完全ピボッティング・ガウス消去法では、削除対象を選択する際には掃き出し演算中の最大項を含む行を用いる。それに対し、本方法では、剰余ベクトルMとの共分散の二乗(絶対値でも可)が最大となる行を選択する。前述のように複数のデータセットがある場合には、剰余ベクトルM、シルベスタ行列P’共に要素がスカラーではなくベクトルとなるが、その場合には剰余ベクトルM中の各要素に対する共分散の二乗の和を求め、これが最大となる行を見つける(ステップS11)。
ただし、質量分析装置の検出信号ではリンギングがベースラインよりも低い電圧を示すことがあるため、これをA/D変換器で取り込んだ場合にその出力が0以下の無効なデータとなる場合がある。これをそのままデータとして用いてフィルタ係数算出に供すると、当該部分は本来負値であるのに0など適当なクリップ値に評価されてしまいフィルタ係数の誤差の原因となる。そこで、計算の過程で各行列の要素に上述したような理由による無効データがある場合には、そのデータを無視し、即ち、単純にそのデータをスキップして計算を行うようにすればよい。その際には、当然のことながら、共分散は実際に用いられたデータの数で正規化される。
なお、剰余ベクトルMとの共分散(又は共分散の和)が最大となる行を選択するという操作は前掲の文献に記載されているような計算の過程での桁落ちを最小限に抑えるための操作であるので、計算桁数の許容範囲内で、上述した方法以外の行選択方法を用いても構わない。
或る行が選択されたならば、それ以外の行を用いた演算により消去処理を実行する(ステップS12)。一般的なガウス消去法では、最大項を含む列を0にするように、選択された行を定数倍して他のシルベスタ行列及び剰余ベクトルに加算する処理を行う。しかしながら、リンギング波形データにランダム性の高いノイズが乗っている場合、最大項を含む列を0にするという計算は二乗ノルムを最小化することで近似的に解くことが可能であるものの、そうするとノイズが特定の時間帯に集中するようなフィルタ係数が生成されてしまうという不具合がある。そこで、ここではデータにノイズが存在することを許容し、上記のような消去処理において目的の列を無理に0にすることを避けることで、計算の安定性を向上させるようにしている。
具体的にはノイズとピークとは無相関であることを利用し、選択行を定数倍して減じた結果、相手の行が無相関になるように減算時の定数を決定すればよく、そのためには共分散の二乗を最小化する最小二乗法を用いることができる。この問題は解析的に解くことができ、次の(3)式で表される。
ここで、SSnは選択行の自己分散を各要素ベクトルのn番目の要素について計算したもの、RSnは同様に、選択行と相手の行との共分散を各要素ベクトルのn番目の要素について計算したものである。ここでも、計算の過程で無効データがある場合には、行選択のときと同様に無効データは無視し、利用したデータ数で結果を正規化する。
上記ステップS11、S12の処理はシルベスタ行列の各行に対し1回ずつ行う必要があるから、ステップS12の処理の終了後に全行に対し処理が実行されたか否かを判定し(ステップS13)、未処理の行があればステップS11へと戻り、上記の処理を続行する。そして、各行に対し1回ずつ処理が実施されたならば、次にステップS3からS4へ進み、ステップS3の係数算出処理が規定回数実行されたか否かを判定する。
即ち、上述したように、本方法では複数データを同時に扱う都合上、各行に対し1回ずつ上記のような処理を行っただけでは、最適解に辿り着くとは限らない。そこで、予め繰り返しの規定回数を定めておき、同一のデータセットを用いた繰り返しの係数算出処理により、係数の精度を向上させる。繰り返し演算回数を増やせば増やすほど解は最適解に漸近してゆくから、求める解の精度と許される計算時間とから、繰り返し回数を適宜に定めればよい。また、予め繰り返し回数を定めずに規定の計算時間が経過するまで繰り返し演算を実行してもよい。本発明者の検討によれば、多くの場合、2、3回程度の繰り返しで十分な精度が得られる。
なお、上記実施例では、(2)式に示した行列について1行ずつ順に消去処理を実施したが、(3)式で計算されるαの値や、単純にシルベスタ行列の各行と剰余ベクトルの共分散とを用いて、山登り法のように全ての行に対する処理を同時に行うこともできる。この場合、1行ずつ順に処理を進める場合に比べて計算時間が長くなるものの、結果として得られるフィルタ係数に高周波成分が含まれにくいという利点がある。リンギング波形を生成する際のフィルタ係数とピーク信号との重畳演算によってフィルタ係数に含まれる高周波成分は排除されるため、通常、多少の高周波成分の重畳は無視できる。ただし、リンギング除去処理時の計算桁数に著しい制約がある場合などには、高周波成分があると無駄に計算桁数が使用されてしまうので、上記のように高周波成分をできるだけ落としておくことは有効である。
[リンギング生成フィルタを用いたリンギング除去]
上記のような学習アルゴリズムによりリンギング生成フィルタ12のフィルタ係数が求まれば、リンギング生成フィルタ12の特性が確定する。これにより、図1に示したデータ処理装置では、入力信号s(t)に対しリンギング生成フィルタ12を用いて生成したリンギング波形を減算器11で入力信号s(t)から減算することにより、入力信号s(t)に重畳しているリンギングを除去することができる。このとき、無効データ部分、つまりクリッピングされた部分については0を挿入する等の処理を同時に行うようにする。
上記のような学習アルゴリズムによりリンギング生成フィルタ12のフィルタ係数が求まれば、リンギング生成フィルタ12の特性が確定する。これにより、図1に示したデータ処理装置では、入力信号s(t)に対しリンギング生成フィルタ12を用いて生成したリンギング波形を減算器11で入力信号s(t)から減算することにより、入力信号s(t)に重畳しているリンギングを除去することができる。このとき、無効データ部分、つまりクリッピングされた部分については0を挿入する等の処理を同時に行うようにする。
図5は上述したリンギング除去処理を実施したときのその効果の一例を示す図である。上述のように、ピーク波形形状が同一であってもリンギング波形は同一ではなく、或る程度の範囲で変動するため、リンギング除去処理を実施しても僅かな残渣信号が原理的に残るものの、当初現れていたリンギングに比べると大幅に振幅が下がっていることが分かる。
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加を行っても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。
10…入力端子
11…減算器
12…リンギング生成フィルタ
13…出力端子
14…フィルタ係数学習部
11…減算器
12…リンギング生成フィルタ
13…出力端子
14…フィルタ係数学習部
Claims (3)
- ピーク波形にリンギングが生じた状態である信号に対し該リンギングを除去する処理を行うデータ処理方法であって、
a)前記信号をリンギング生成フィルタに入力し、該フィルタにより、前記信号に重畳しているリンギングの近似波形を生成するリンギング生成ステップと、
b)前記リンギング生成ステップにおいて生成されたリンギングの近似波形を前記信号から差し引くことによりリンギングの低減された信号を得る減算ステップと、
c)ピーク波形の直後のリンギング発生期間に他のピークがないとみなし得る基準信号が入力された状態で、該基準信号の時間領域をピークが存在するピーク領域とピークが存在しないリンギング領域とに区分し、そのピーク領域中のピーク信号とリンギング領域中のリンギング信号との共分散を最小化する学習アルゴリズムに従って前記リンギング生成フィルタ手段のフィルタ係数を求めるフィルタ係数決定ステップと、
を有することを特徴とするデータ処理方法。 - ピーク波形にリンギングが生じた状態である信号に対し該リンギングを除去する処理を行うデータ処理装置であって、
a)前記信号を入力として該信号に重畳しているリンギングの近似波形を生成するリンギング生成フィルタ手段と、
b)前記リンギング生成フィルタ手段により生成されたリンギングの近似波形を前記信号から差し引くことによりリンギングの低減された信号を得る減算手段と、
c)前記信号の代わりにピーク波形の直後のリンギング発生期間に他のピークがないとみなし得る基準信号が入力された状態で、該基準信号の時間領域をピークが存在するピーク領域とピークが存在しないリンギング領域とに区分し、そのピーク領域中のピーク信号とリンギング領域中のリンギング信号との共分散を最小化する学習アルゴリズムに従って前記リンギング生成フィルタ手段のフィルタ係数を求めるフィルタ係数決定手段と、
を備えることを特徴とするデータ処理装置。 - 請求項2に記載のデータ処理装置であって、
前記フィルタ係数決定手段は、リンギング信号が負値をとる場合に無効データとして共分散の計算をスキップするとともに、実際に用いたデータの数で正規化することを特徴とするデータ処理装置。
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