JP5446638B2 - レンズ鏡胴および撮像装置 - Google Patents

レンズ鏡胴および撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5446638B2
JP5446638B2 JP2009210943A JP2009210943A JP5446638B2 JP 5446638 B2 JP5446638 B2 JP 5446638B2 JP 2009210943 A JP2009210943 A JP 2009210943A JP 2009210943 A JP2009210943 A JP 2009210943A JP 5446638 B2 JP5446638 B2 JP 5446638B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
lens barrel
frame
holding
optical axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009210943A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011059526A (ja
Inventor
洋輔 鈴木
徹也 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2009210943A priority Critical patent/JP5446638B2/ja
Publication of JP2011059526A publication Critical patent/JP2011059526A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5446638B2 publication Critical patent/JP5446638B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)

Description

本発明は、レンズ鏡胴およびこのレンズ鏡胴を備えた撮像装置に関するもので、レンズを保持したレンズ枠の傾き調整機構を、鏡胴が半径方向に拡大することを回避しながらレンズ鏡胴に組み込むことができるように工夫したものである。
各種カメラなどの撮像装置が備えているレンズ鏡胴は、複数のレンズ群からなる結像光学系を備え、各レンズ群はレンズ枠に保持されるとともにレンズ枠はレンズ保持枠に保持されている。各レンズ群は、それぞれのレンズ群の光軸が所定の基準光軸に一致しかつ基準光軸に対して傾かないように、レンズ枠ごとに姿勢が調整されていなければならない。この調整の精度が不十分であると、レンズ群が傾き(これを「チルト」という場合もある)、結像位置が像面からずれて片ボケの画像が結像されるというように、結像性能を低下させる原因になる。
近年、デジタルカメラ、あるいは携帯情報端末に組み込まれているデジタル方式の撮像装置などは小型化と並行して高精度化が進んでいて、これらの撮像装置に組み込まれるレンズ鏡胴も、小型化、高精度化がますます重要な技術的課題となっている。したがって、上記保持枠に対するレンズ枠の位置調整機構ないしは傾き調整機構は、レンズを精度よく調整することができるものであることはもちろん、調整機構自体の小型化、高精度化が要求されている。
そこで、レンズまたはレンズを保持したレンズ枠の保持枠に対する位置を調整し、レンズのチルトを修正する各種の調整方式が提案されている。一般的には、被調整部材すなわちレンズまたはレンズを保持したレンズ枠と、この被調整部材の固定部材である保持枠との間に調整部材を介在させ、この調整部材の介在のもとにばねなどの付勢部材で上記被調整部材を保持枠に向かって付勢した調整機構が知られている。上記調整部材の位置を調整することにより被調整部材を移動させ、意図した位置で調整部材を保持枠に固定する。この調整部材の固定には、接着剤による固定、熱溶着による固定などが用いられている。
しかし、上記のような従来一般的に採用されているレンズ傾き調整機構によれば、調整済みの調整部材を接着や熱溶着で固定する際に調整部材に触ることを避けることができないから、調整部材が動き、調整した位置からずれるという問題があった。また、接着剤はこれを塗布する容積が必要になるとともに、その流れ出す範囲を制限することは困難である。そのため、調整機構の固定に必要な最低限の接着剤の量以上の量が必要であり、そのための接着剤スペースおよび接着材が流れ出しても不具合を生じないスペースが必要になり、レンズ鏡胴およびこれを備えた撮像装置の小型化を妨げる要因となっていた。
ここで、本願発明に関連のある文献を挙げて公知の先行技術につき説明しておく。特許文献1には、プラスチックレンズとこのプラスチックレンズの外周縁部を保持するための保持部材を備え、プラスチックレンズの外周縁部と保持部材とを接触させ、この接触部分にプラスチックレンズを通してレーザー光を照射することにより、上記接触部分をレーザー溶着するレンズユニットの製造方法が記載されている。ただし、特許文献1記載の発明は、レーザー溶着を採用している点で本発明と関連があるものの、レンズの位置ないしは傾き調整機構については関連がない。
特許文献2には、レンズ枠と、このレンズ枠を保持する保持枠との間にカム部材を介在させ、カム部材を移動させることにより、保持枠に対するレンズ枠の傾きを調整するようにしたレンズ鏡胴が記載されている。そして、上記カム部材は、円弧状に形成して光軸方向の一方の面が光軸に対し垂直な面と接するようにし、もう一方の面をカム面としてレンズ枠と同心円上に配置している。
特許文献2記載の発明によれば、レンズ傾き調整機構を、レンズ鏡胴が半径方向に拡大することなくコンパクトに組み込むことができる利点がある。しかしながら、調整後に、調整部材としてのカム部材が動かないように前述のような接着や熱溶着で固定すると、前述のような不具合が生じる。そこで、特許文献1に記載されているようなレーザー溶着を採用することが考えられる。しかし、レンズ傾き調整機構は、特許文献1に記載されているようなプラスチックレンズの外周縁部とその保持部材との接合関係のような単純な構造ではないため、レーザー溶着を採用するには、レンズ傾き調整機構に独特の工夫を施す必要がある。また、レーザー溶着部の信頼性を高めるための工夫を施す必要もある。
本発明は、上記従来技術の課題を解決すること、すなわち、レンズ傾き調整機構の構造を工夫することにより、調整部材を保持部材にレーザー溶着することを可能にし、また、レーザー溶着部の信頼性を高めることができるレンズ鏡胴およびこれを用いた撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係るレンズ鏡胴は、レンズと、このレンズを保持するレンズ枠と、このレンズ枠を保持する保持部材と、この保持部材と上記レンズ枠との間に介在し、上記レンズの傾きを調整する調整部材と上記レンズ枠を上記保持部材に向かって押圧する付勢部材と、を備え、上記調整部材はレーザー光を透過する素材からなり、上記レンズ枠には突起が形成され、上記レンズ枠と上記調整部材とは上記突起により接触し、上記付勢部材は、上記突起と上記調整部材の接触位置の真上から上記レンズ枠を上記保持部材に向って押圧し、上記保持部材と上記調整部材は、上記突起と上記調整部材の接触位置の真下の位置のみがレーザー溶着されていることを最も主要な特徴とする。
レーザー光は、透明な素材からなる調整部材を透過させて保持部材に照射すればよく、レンズ枠にあるいは付勢部材に照射する必要はない。保持部材と調整部材は、付勢部材による押圧力がかかる点においてレーザー溶着されているため、レーザー溶着部において、付勢部材の押圧力によって保持部材と調整部材を互いにずらす方向への力は作用せず、調整済みの調整部材の保持部材に対する位置を安定に維持することができる。付勢部材による押圧力がかかる点において保持部材と調整部材をレーザー溶着するためには、レーザー光を、調整部材を斜めに透過させればよい。
本発明に係るレンズ鏡胴に組み込まれるレンズ傾き調整機構の一例を拡大して示す展開図である。 上記レンズ傾き調整機構を備えたレンズ鏡胴の例のレンズ繰り出し態様を示す縦断面図である。 上記レンズ鏡胴のレンズ繰り込み態様を示す縦断面図である。 上記レンズ鏡胴の分解斜視図である。 上記レンズ鏡胴の分解縦断面図である。 上記レンズ鏡胴の正面図である。 上記レンズ鏡胴を正面側から見た斜視図である。 上記レンズ鏡胴を、バリア機構などを取り除いて示した正面図である。 上記レンズ鏡胴のレンズ傾き調整機構部分を示す分解斜視図である。 上記レンズ鏡胴における第1レンズ群のレンズ枠を示すもので、(a)は背面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。 上記レンズ鏡胴のレンズ傾き調整機構部分を示す斜視図である。 上記レンズ傾き調整機構部分の縦断面図である。 上記レンズ傾き調整機構部分を、レンズ枠を除去して示す正面図である。 上記レンズ傾き調整機構部分を、レンズ枠を除去して示す斜視図である。 上記レンズ傾き調整機構に用いられている付勢部材を示す(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は斜視図である。 本発明に係るレンズ鏡胴に組み込まれるレンズ傾き調整機構の別の例を拡大して示す展開図である。 本発明に係るレンズ鏡胴に組み込まれるレンズ傾き調整機構のさらに別の例を拡大して示す展開図である。
以下、本発明に係るレンズ鏡胴および撮像装置の実施例について図面を参照しながら説明する。
まず、レンズ鏡胴の実施例の全体的な作動機構について説明する。図2ないし図5において、符号1は固定筒を示している。固定筒1はその基端面がベース板5に固定されている。固定筒1の内周側には第1回転筒2が嵌められ、第1回転筒2の内周側にはその後端側から円筒形状の直進筒3が嵌められている。固定筒1の内周面にはピッチの大きな螺旋状のカム溝1aが形成されるとともに、中心軸線と平行に直進溝1cが形成されている。上記カム溝1aには第1回転筒2の後端部外周に突出して形成されたカムフォロワ2cが嵌っている。第1回転筒2の後端部外周には、カムフォロワ2cに隣接してラック2dが形成されている。このラック2dには、図6、図7に示すモータ15によって回転駆動される図示されないピニオンが噛み合っている。したがって、上記ピニオンがモータ15によって回転駆動されると、第1回転筒2がその中心軸線の周りに回転駆動され、カムフォロワ2cがカム溝1aに案内されることにより第1回転筒2が固定筒1内において中心軸線方向(以下「光軸方向」という)前後に移動するようになっている。上記ピニオンは、第1回転筒2が前後に移動してもラック2dとの噛み合いが外れないように軸方向の寸法が長くなっている。
第1回転筒2の内周面には、第1のキー溝2bが複数本、第2のキー溝2eが複数本、それぞれ第1回転筒2の中心軸線と平行に形成されている。第1回転筒2の前端部内周面にはまた、周溝2a(図4、図5参照)が形成されている。上記直進筒3の前端部外周面には3個の突起3aが形成されている。第2のキー溝2eと突起3aは、周方向の角度配分が互いに等しくなっている。直進筒3を第1回転筒2の内周側に嵌め合わせるに当たり、上記各突起3aを第1回転筒2の上記第2のキー溝2eにガイドさせ、突起3aが上記周溝2aに至ったところで直進筒3を相対回転させ、突起3aを周溝2aに嵌める。これによって、直進筒3と第1回転筒2は常時光軸方向に関しては一体的に移動し、光軸周りには相対的に回転するようになっている。
直進筒3の後端部には半径方向外側に向かう突堤3dが形成され、突堤3dは第1回転筒2の後端面に当接している。直進筒3の後端部にはまた、突堤3dに半径方向に重なって突起3fが複数個所に形成され、これらの突起3fは、固定筒1の内周面に形成されている前記直進溝1cに嵌っている。したがって、第1回転筒2が、その回転によって前述のように光軸方向に移動すると、直進筒3は第1回転筒2とともに光軸方向に移動するが、突起3fが直進溝1cに嵌ることによって回転が止められている。換言すれば、第1回転筒2は固定筒1に対して光軸の周りに回転可能であるとともに光軸方向にも移動可能であるのに対し、直進筒3は光軸方向への直進のみが可能となっている。
直進筒3の内周面には、複数条の雌型ヘリコイド3cが形成されるとともに、ヘリコイド3cの一部を切削して光軸と平行に直進溝3eが形成されている。また、直進筒3の周壁を貫いて2本の逃げ溝3bが形成されている。これらの逃げ溝3bは、ヘリコイド3cと同じピッチの螺旋状に形成されている。直進筒3の内周側には第2回転筒4が嵌められている。第2回転筒4の後端部外周には雄型ヘリコイド4cが形成されている。雄型ヘリコイド4cと上記雌型ヘリコイド3cは同じピッチになっていて、互いに嵌り合っている。第2回転筒4の後端部外周にはまた2本のピン4bが180度間隔で立てられている。これらのピン4bは直進筒3の逃げ溝3bを貫き、ピン4bの先端部は第1回転筒2の第1のキー溝2bに嵌っている。したがって、第1回転筒2が光軸の周りに回転すると、上記ピン4bが第1のキー溝2bの壁面に押されて第2回転筒4が光軸の周りに回転する。第2回転筒4が回転するのに対して直進筒3は回転することができないため、雄型ヘリコイド4cが雌型ヘリコイド3cにガイドされて、第2回転筒4は光軸方向に移動する。直進筒3の逃げ溝3bは、上記ピン4bの動きの障害にならないように形成されたもので、逃げ溝3bの壁面とピン4bとの間には僅かな隙間が生じるように相互の寸法が設定されている。上記のように、第2回転筒4は光軸の周りに回転しながら光軸方向に移動するようになっている。
第2回転筒4の内周面には、3条のカム溝4dが120度間隔で形成され、第2回転筒4の後端部内周側には周溝4eが形成されている。第2回転筒4の内周には、円筒形状の第1群レンズL1の保持部材8が嵌め込まれ、この保持部材8の内周には第2直進筒6が嵌め込まれ、第2直進筒6の内周にはカム筒7が嵌め込まれている。第2直進筒6は、後端近くに半径方向外側に立ち上がった複数の突起6eを有するとともに、後端から半径方向外側に上記突起6eよりも大きく立ち上がった別の突起6bを複数有している。また、保持部材8の外周面には光軸方向の直進溝6cが形成され、保持部材8の内周面には光軸方向の直進溝6aが形成されている。第2直進筒6の上記突起6eは第2回転筒4の周溝4eに嵌まり、上記突起6bが第1直進筒3の直進溝3eに嵌まっている。したがって、第2直進筒6は、光軸方向には第2回転筒4とともに一体的に移動可能であるが、光軸周りには回転することができず、第2直進筒6に対して第2回転筒4が光軸周りに相対回転するようになっている。
上記保持部材8は後端部の外周に第2回転筒4の前記3条のカム溝4dに嵌まる3個のカムフォロワ8a(図2、図3参照)を有し、また、内周側に、第2直進筒6の直進溝6cに嵌まる突条8bを有している。したがって、第2回転筒4が回転すると、カム溝4dに対する保持部材8のカムフォロワ8aの係合位置が光軸方向に移動し、保持部材8はその突条8bが第2直進筒6の直進溝6cにガイドされて光軸方向に直進移動するようになっている。第2回転筒4の回転角度に対する第2直進筒6の光軸方向の移動量はカム溝4dの傾斜角度の変化に応じて変化する。保持部材8には、第1群レンズを保持したレンズ枠が、位置調整機構を介して組み込まれている。このレンズ枠および位置調整機構については後で詳細に説明する。
前記カム筒7には、周壁を貫通して前側(被写体側)と後ろ側にそれぞれ複数のカム溝7a、7bが形成されている。カム筒7の後端からは半径方向外側に向かって突起7cが突出していて、この突起7cは第2回転筒4の後端部に形成されている適宜の切り欠きに嵌合している。したがって、カム筒7は第2回転筒4と実質一体となって光軸の周りに回転し、また光軸方向に移動することができる。
カム筒7内には、前側に第2レンズ群L2を保持したレンズ枠12が、後ろ側にシャッタユニット9が、それぞれカム筒7の内周面に沿い光軸方向に移動可能に配置されている。レンズ枠12は外周面に複数のカムフォロワを有し、各カムフォロワはカム筒7のカム溝7aを貫通して第2直進筒6の内周側の直進溝6aに嵌まっている。また、シャッタユニット9も外周面に複数のカムフォロワを有し、各カムフォロワはカム筒7のカム溝7bを貫通して第2直進筒6の内周側の直進溝6bに嵌まっている。したがって、カム筒7が第2回転筒4とともに回転すると、上記カム溝7aと直進溝6aの交差位置が光軸方向に移動し、この交差位置に嵌まっているレンズ枠12のカムフォロワが光軸方向に移動してレンズ枠12が光軸方向に移動する。また、上記カム溝7bと直進溝6bの交差位置が光軸方向に移動し、この交差位置に嵌まっているシャッタユニット9のカムフォロワが光軸方向に移動してシャッタユニット9が光軸方向に移動する。
上記第2回転筒4の回転によって前述のとおり保持部材8が光軸方向に直進移動し、保持部材8によって保持されている第1レンズ群L1が光軸方向に移動する。第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の光軸方向の間隔は、第1、第2回転筒2,4の回転位置に応じて変化し、レンズ系全系の焦点距離を連続的に変化させる。すなわち、このレンズ鏡胴はズームレンズ鏡胴を構成している。
また、この実施例に係るレンズ鏡胴は、不使用時に図3に示すように撮像装置本体内に繰り込むことができ、使用時に図2に示すように繰り出すように構成した沈胴式のレンズ鏡胴である。このレンズ鏡胴に組み込まれるレンズ系は、図2に示すように、第1レンズ群L1,第2レンズ群L2,第3レンズ群L3,第4レンズ群L4の4群構成になっている。そして、図3に示すような沈胴位置では第3レンズ群L3,第4レンズ群L4がレンズ光軸外に退避し、図2に示す使用時は第3レンズ群L3,第4レンズ群L4がレンズ光軸上に進出するようになっている。
図3に示す枕胴位置から図2に示す繰り出し位置までの動作および繰り出された態様でのズーミング動作は、第1回転筒2が前記モータ15によって光軸の周りに回転駆動されることによって行われる。図6、図7は、各部材が枕胴位置に繰り込まれた状態を示している。レンズ鏡胴の先端部にバリア機構16が組み込まれていて、図6、図7のような枕胴態様ではバリア機構16がバリアを閉鎖し、レンズを保護している。レンズを繰り出すときは、バリアを開いた状態でレンズの繰り出しを開始する。レンズの繰り込み動作および繰り出し動作は本発明に直接的な関係がないため、詳細な説明は省略する。
次に、本発明の主要部をなすレンズの傾き調整機構の具体的構成について説明する。図8乃至図14に示すように、保持部材8の内径側には光軸方向前端寄りの位置において内向きのフランジ81が一体に形成されている。図12に詳細に示されているように、上記フランジ81の内周縁部からは後方に向かう円筒部82が一体に形成され、円筒部82の後端部からはさらに内方に向かうフランジ83が一体に形成されている。フランジ83は前面側に周溝85を有していて、この周溝85には、図9に示す3個の調整部材20がほぼ周方向に等間隔で、かつ、上記周溝85に沿って移動可能に落し込まれている。
調整部材20は、上記周溝85に沿った部分円弧状に形成されるとともに、図1にも示されているように、底面201が光軸に対して垂直な平坦面、上面202が周方向に緩やかな傾斜面すなわち光軸に対して垂直な平面に対して傾斜した面を持つ楔形をしている。上記平坦な底面201が上記周溝に摺接しながら移動することができるようになっている。図1において、周溝85の範囲はその両端に形成されている突起86,87で制限されていて、この周溝85の範囲内で調整部材20が保持部材8の中心軸を中心とする同心円上を移動することができる。調整部材20は、レーザー溶着のためのレーザー光を透過することができる素材、例えば透明のプラスチック材料などからなり、長さ方向の一端部に、位置調整時に工具で摘むことができる突起203が一体に形成されている。
図1において、調整部材20は、平坦な底面201が上記周溝85の底面に接し、緩やか傾斜面をなす上面202に、レンズ枠10に形成されている半球状の突起101が接している。レンズ枠10は、付勢部材30によって保持部材8に向かって押圧するように付勢されている。レンズ枠10と保持部材8の間には調整部材20が介在しているから、付勢部材30は、調整部材20の介在のもとにレンズ枠10を保持部材8に向かって押圧する。付勢部材30は板ばねからなり、先端部にレンズ枠10に接する断面三角形状の突起31を有する。この突起31とレンズ枠10との接触点は、レンズ枠10の突起101と調整部材20の接触点の真上にある。そして、レンズ枠10の突起101と調整部材20の接触点の真下に、調整部材20と保持部材8とのレーザー溶着部40がある。このようにして、付勢部材30とレンズ枠10の接触点、レンズ枠10と調整部材20の接触点、調整部材20と保持部材8とのレーザー溶着部40は、光軸方向に重なるとともに、これらの接触点およびレーザー溶着部40すなわち調整部材20の固定位置は、周方向に3か所、かつ、保持枠8とレンズ枠10の中心軸を中心とした同心の円周上に位置している。
図1(a)(b)は、調整部材20が移動可能な一方の限界位置と他方の限界位置にある状態を示しており、この両方の限界位置の範囲内で調整部材20の位置を調整することができる。調整部材20の位置を調整することによって、保持部材8に対するレンズ枠10の光軸方向の位置が変化する。この位置調整機構は図9などに示すように周方向の3か所に設けられていて、それぞれの位置においてレンズ枠10の光軸方向の位置を調整することができる。それぞれの位置調整機構によってレンズ枠10の位置を調整することにより、レンズ枠10の傾き、したがって第1レンズ群L1の光軸の傾きを調整することができる。第1レンズ群L1の傾きがなくなるように調整した後、調整部材20を通して保持部材8にレーザー光を照射し、保持部材8のレーザー照射部を溶解して調整部材20とのレーザー溶着部40を形成し、調整部材20を保持部材8に固定する。
レーザー溶着部40は、付勢部材30とレンズ枠10との接触点およびレンズ枠10と調整部材20との接触点の真下にある。つまり、付勢部材30の付勢力による応力がかかる位置にレーザー溶着部40がある。こうすることによって、レーザー溶着部40の信頼性を高めることができる。また、レーザー溶着部40の位置を上記の位置にするためには、図1に鎖線で示すように、レーザー光を保持部材8やレンズ枠10などの中心軸線に対し傾けて照射しなければならない。そこで、本実施例では、第1レンズ群L1を保持するレンズ枠10とその保持枠8との間の調整機構にレーザー溶着を採り入れている。そして、付勢部材30とレンズ枠10との接触点およびレンズ枠10と調整部材20との接触点の側方に生じている解放空間から斜めにレーザー光を照射して、上記の位置でのレーザー溶着を実現している。
位置調整後に調整部材20と保持部材8とをレーザー溶着して調整部材20を固定するとはいえ、この固定をより強固にするためには、保持部材8、調整部材20、レンズ枠10を互いに接着するとよい。レーザー溶着部40が形成されているので、接着時に調整位置がずれることはない。固定強度を補強するための接着であるから、硬化による体積の減少量の少ない接着剤を使用するとよい。これにより、接着剤に割り当てる容積を小さくすることができる。
図9、図11乃至図15に、上記傾き調整機構に用いる付勢部材30の具体例を示している。これらの図において、付勢部材30は板状のばね材をプレス成形により打ち抜き、折り曲げて形成され、保持部材8の前記フランジ81に固定される基端部31と、この基端部31から延び出て付勢部材30として機能するアーム状の弾性部分を一体に有してなる。基端部31が保持部材8のフランジ81に固定されると、アーム状の弾性部分の先端部がレンズ枠10に圧接する。
レンズ枠10の上記付勢部材30が圧接する部分の構成を図10に示す。レンズ枠10は周方向の3か所に半径方向外側への突出部102を一体に有していて、各突出部102の光軸方向像面側の面に前記半球面状の突起101を有している。各突出部102は保持部材8の前記周溝85に対向するように進出していて、これらの突出部102に付勢部材30が圧接することにより、前述のような傾き調整機構が構成されている。
図6、図7について説明したように、レンズ鏡胴の先端部にバリア機構16が組み込まれるとともに、外観を整える化粧パネルの類が固着されて内部機構が覆われる。図8は、バリア機構16や化粧パネルが取り付けられる前の状態を示しており、この状態で各傾き調整機構による調整が終了すると、前述のようにレーザー光を照射して調整部材20を固着する。図8において符号Aは、レーザー光の照射位置を示している。
以上説明した実施例によれば、調整部材20を調整してレンズの傾きを調整した後、レーザー溶着によって調整部材20を保持部材8に固着するようにしたため、レンズの傾き調整後に調整位置がずれることがなく、調整位置を安定に維持することができる。また、保持部材8と調整部材20は、付勢部材30による押圧力がかかる点においてレーザー溶着されているため、上記押圧力がレーザー溶着部40をずらす向きの力として作用することがなく、調整位置が安定に保持される。
次に、本発明に係るレンズ鏡胴の変形例について説明する。
図16に示す例は、調整部材20の下面201を傾斜面に、上面202を平坦面にするとともに、保持部材8の周溝85に調整部材20よりも短い突起88を形成し、突起88の上面を、調整部材20の下面201の傾斜面に対応した傾斜面にしたものである。この調整部材20の傾斜面に調整部材20の傾斜面からなる下面201が面接触することにより、調整部材20の上面202は傾斜のない面すなわち光軸方向に対して直交する面になっている。他の構成は図1に示す構成と同じである。図16の(a)に示す位置と(b)に示す位置との間で調整部材20を調整すると、調整部材20の光軸方向の位置が変化してレンズ枠10の位置が変化する。周方向の3点においてレンズ枠10の位置調整を行うことにより、レンズ群L1の傾き調整を行うことができる。調整後は前述の実施例と同様に、レーザー光を斜めに照射してレーザー溶着部40を形成し調整部材20を固定する。
この実施例においても、レーザー溶着後の調整部材20を、さらに接着によって固定するとよい。
この実施例によっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。
調整部材は段階的に節度をもって位置決めされるように、いわゆるクリックを効かせるようにしてもよい。図17はその例を示す。図17において、付勢部材30、レンズ枠10、調整部材20、保持部材8は、図1に示す実施例と同様に構成されている。この構成に加えて、保持部材8の、調整部材20が嵌められる周溝85に、球面をなす一つの突起89が設けられ、調整部材20の下面201に、上記突起89が嵌まることができる半球形の孔105が複数、周方向に一定の間隔で断続的に設けられている。調整部材20は、付勢部材30の付勢力でレンズ枠10を介して保持部材8に押圧されているから、調整部材20を周溝85に沿って移動させると、突起89を乗り越えながらこの突起89に係合する孔105が一つずつずれていく。この突起89に係合する穴105が一つずつずれるたびに、調整部材20の位置が暫定的に維持されるように、いわゆるクリックが効き、調整部材20の位置が、孔105の形成間隔に対応した間隔で段階的に位置決めされる。こうしてレンズ枠10の光軸方向の位置が段階的に調整される。前述の実施例と同様に、上記調整機構は周方向の3か所に設けられていて、各調整機構を個々に調整することにより、レンズ群L1の傾きを調整することができる。
この実施例においても、レーザー溶着後の調整部材20を、さらに接着によって固定するとよい。
この実施例によっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。また、クリック感を与えることによって調整部材20が移動したことを知ることができ、調整量の制御を行うときの目安となる利点がある。
以上説明した各実施例において、調整部材20に目印を付し、保持部材8には、調整部材20の上記目印によって読み取ることができる目盛を記しておけば、調整部材20の絶対移動量を読み取ることができるため、作業者にとって便利である。
いずれの実施例においても、レーザー溶着部40の面積に対して、調整部材20と保持枠8との接触面積が大きくなっている。
上に述べたレンズの傾き調整機構を備えたレンズ鏡胴は、各種カメラ、その他各種撮像素子において、撮像素子に対象物の画像を結ばせるためのレンズ鏡胴として組み込むことができる。
本発明に係るレンズ鏡胴は、デジタルカメラ、ビデオカメラなどのカメラ関連のレンズ鏡胴はもちろん、レンズを使用するあらゆる光学機器のレンズ鏡胴に適用することができる。
1 固定筒
2 第1回転筒
3 第1直進筒
4 第2回転筒
5 ベース板
6 第2直進筒
7 カム筒
8 保持部材
10 レンズ枠
20 調整部材
30 付勢部材
40 レーザー溶着部
L1 レンズ
特開2006−235123号公報 特開2008−242068号公報

Claims (11)

  1. レンズと、このレンズを保持するレンズ枠と、このレンズ枠を保持する保持部材と、この保持部材と上記レンズ枠との間に介在し、上記レンズの傾きを調整する調整部材と上記レンズ枠を上記保持部材に向かって押圧する付勢部材と、を備え、
    上記調整部材はレーザー光を透過する素材からなり、
    上記レンズ枠には突起が形成され、上記レンズ枠と上記調整部材とは上記突起により接触し、
    上記付勢部材は、上記突起と上記調整部材の接触位置の真上から上記レンズ枠を上記保持部材に向って押圧し、
    上記保持部材と上記調整部材は、上記突起と上記調整部材の接触位置の真下の位置のみがレーザー溶着されているレンズ鏡胴。
  2. 調整部材と付勢部材は、レンズの光軸を中心とした円周上に光軸方向に重なって配置され、上記調整部材の移動方向が円周方向であり、さらに上記調整部材の固定位置が前記付勢部材と上記調整部材の同心円上にある請求項請求項1記載のレンズ鏡胴。
  3. 付勢部材による付勢方向はレンズ鏡胴の光軸方向であり、上記保持枠に対する上記レンズ枠の傾きを調整する請求項1または2記載のレンズ鏡胴。
  4. 調整部材は、保持枠側を光軸に対して垂直な平面で構成し、レンズ枠側を光軸に対して垂直な平面に対して傾斜した傾斜面で構成し、上記突起は上記傾斜面に接触する請求項1乃至3のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
  5. 調整部材は、レンズ枠側を光軸に対して垂直な平面で構成し、保持枠側を光軸に対して垂直な平面に対して傾斜した傾斜面で構成し、上記突起は上記平面に対して接触し、上記保持枠は上記調整部材の傾斜面に接する斜面を持つ請求項1乃至3のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
  6. レーザー溶着される面積に対して、調整部材と保持枠との接触面積が大きい請求項1乃至5のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
  7. 保持枠とレンズ枠の固着は、レーザー溶着と接着剤による接着が併用されている請求項1乃至6のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
  8. 調整部材は、保持枠に対して同心円上に配置され、上記調整部材は上記保持枠とレーザー溶着されるべき位置から外れない範囲で摺動するように、上記保持枠に設けられた周溝に嵌まっている請求項1乃至7のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
  9. 調整部材と保持枠の一方は周方向に断続的に設けられた穴を有し、調整部材と保持枠の他方は上記穴に嵌まる突起を有している請求項1乃至のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
  10. 調整部材は目印を有し、保持枠は上記目印の位置を読み取ることができる目盛りを有している請求項1乃至9のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
  11. 撮像素子と、この撮像素子に撮像対象物の像を結ばせるレンズ鏡胴を有する撮像装置において、上記レンズ鏡胴は、請求項1乃至10のいずれかに記載されているレンズ鏡胴である撮像装置。
JP2009210943A 2009-09-11 2009-09-11 レンズ鏡胴および撮像装置 Expired - Fee Related JP5446638B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210943A JP5446638B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 レンズ鏡胴および撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210943A JP5446638B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 レンズ鏡胴および撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011059526A JP2011059526A (ja) 2011-03-24
JP5446638B2 true JP5446638B2 (ja) 2014-03-19

Family

ID=43947194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009210943A Expired - Fee Related JP5446638B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 レンズ鏡胴および撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5446638B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004009920A1 (de) * 2004-02-20 2005-09-15 Valeo Schalter Und Sensoren Gmbh Kamerasystem, insbesondere für ein Umfelderfassungssystem eines Fahrzeugs
WO2006064876A1 (ja) * 2004-12-17 2006-06-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光学ユニット及びその製造方法
JP4953874B2 (ja) * 2007-03-27 2012-06-13 株式会社リコー レンズ鏡胴、撮像装置および情報端末装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011059526A (ja) 2011-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4953874B2 (ja) レンズ鏡胴、撮像装置および情報端末装置
JP4765639B2 (ja) レンズ鏡筒、カメラシステム、及び、レンズ鏡筒調整装置
US7079332B2 (en) Lens tilt adjusting mechanism
JP4841336B2 (ja) レンズ鏡筒およびカメラ
JP4959407B2 (ja) レンズ駆動装置、ズームレンズ駆動装置およびカメラ
JP5446154B2 (ja) レンズ鏡筒、光学機器
JP2008124777A (ja) カメラモジュール
JP2005049599A (ja) レンズ調整機構およびカメラ
JP4819430B2 (ja) レンズ鏡筒及び撮像装置
JP4845768B2 (ja) 絞り羽根及び該絞り羽根の製造方法、並びに該絞り羽根を備える光量調節装置
JP2006201252A (ja) 撮像装置
JP2004287279A (ja) レンズ芯調整装置及びこれを利用したレンズ鏡筒
JP5446638B2 (ja) レンズ鏡胴および撮像装置
JP4557210B2 (ja) ズームレンズ鏡筒
JP2008224795A (ja) レンズ鏡胴および携帯型情報端末装置
JP5272579B2 (ja) レンズ鏡筒及び撮像装置
JP4762751B2 (ja) 芯調整装置
CN104516169A (zh) 光量调节设备、光学设备和摄像设备
JP5525971B2 (ja) レンズ鏡胴及び撮像装置
JP2006208817A (ja) プロジェクタ用レンズ鏡筒
JP5573026B2 (ja) レンズ鏡筒及びカメラ
JP2005221889A (ja) ズームレンズ鏡筒
JP2009069218A (ja) 焦点距離変更可能なレンズ鏡筒
JP5978799B2 (ja) レンズ鏡胴
JP5147553B2 (ja) 光学ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130708

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130726

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131216

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5446638

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees