JP5445746B2 - フルブリッジ型電力変換回路及びフルブリッジ型dc−dcコンバータ - Google Patents

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Description

本発明は、フルブリッジ型電力変換回路及びフルブリッジ型DC−DCコンバータに関し、特に、過電流保護機能として設けられた回路の誤動作を防止させる際に用いて好適のものである。
従来より、フルブリッジ回路を用いた電力変換回路(以下、フルブリッジ型電力変換回路と呼ぶ)は、共振コンバータの構成回路として広く用いられている。かかるフルブリッジ型電力変換回路は、当該回路に内蔵されるパワートランジスタが適宜に駆動されることにより、フルブリッジ回路の出力端子に設けられた出力用トランスを共振駆動させ、直流電源の入力電力を交流電力に変換させる。
また、共振コンバータ(以下、フルブリッジ型DC−DCコンバータと呼ぶ)は、ダイオードブリッジ等から成る整流回路と平滑キャパシタとから成る整流平滑回路がフルブリッジ回路の出力用トランスに接続された構成とされ、かかる構成により、直流電源の電力を一端交流電力に変換させ、その後、当該交流電力を直流電力に再変換させる。
例えば、特開2001−298962号公報(特許文献1)では、過電流保護機能を付加させたフルブリッジ直交変換回路(特許請求の範囲におけるフルブリッジ電力変換回路)が紹介されている。かかるフルブリッジ直交変換回路は、直流電源とフルブリッジ回路とシャント抵抗と過電流検出回路(特許請求の範囲における電流値判別回路)とフルブリッジ回路を駆動させる駆動用集積回路とパルス信号手段と遮断回路とを備えている。そして、かかる構成により、フルブリッジ直交変換回路では以下の如く機能する。即ち、過電流検出回路(特許請求の範囲における電流値判別回路)では、シャント抵抗によって読み出された検出電流が入力され、当該検出電流の値に応じた判別信号を出力させる。このとき、遮断回路では、当該判別信号及びトランジスタの駆動パルスが入力され、検出電流が基準値以内のとき当該駆動パルスを通過させ、検出電流が基準値以上のとき当該駆動パルスを遮断させ、これにより、過電流保護機能を実現させている。更に、駆動用集積回路では、駆動パルスが遮断回路を通過した時のみトランジスタのゲート信号を出力させ、これにより、制限的な信号制御が実施される。
また、特開2004−112925号公報(特許文献2)では、トランスの動作に応じてフルブリッジ回路へゲート信号を出力させる技術が紹介されている。更に、当該特許文献2において、フルブリッジ回路を制御する制御IC(特許請求の範囲における制御回路)には、出力側トランスで生じた誘起電力を平滑な電力に変換させ、当該平滑電力が供給されるようになっている。
ここで、特許文献2の技術に過電流保護機能を付加させる場合、過電流保護回路を内蔵させたワンチップ型制御ICを用いることが考えられる。しかし、この場合、シャント抵抗から出力された検出信号のグランド電位と制御ICにおけるグランド電位とが異なると、過電流保護回路で実施される閾値判定が不安定となるため、ワンチップ型制御ICでは、フルブリッジ回路を動作させる信号が正しく出力されなくなるとの問題が生じていた。
図10には、かかる問題を回避すべく開発されたフルブリッジ型DC−DCコンバータの一例が示されている。当該フルブリッジ型DC−DCコンバータでは、過電流保護機能として用いられる電流値判別回路150と、フルブリッジ回路を動作させる制御IC(260)とが独立した回路として設置されている。ここで、電流値判別回路150のグランド電位は、制御IC(260)のグランド電位と異なるものとされている。また、電流値判別回路150へ電力を供給させる第1の電源回路140と、制御IC(260)へ電力を供給させる第2の電源回路170とが設けられている。ここで、第1の電源回路140のグランド電位は、第2の電源回路170のグランド電位と異なるものとされている。また、第1の電源回路140は、図示の如く、電源ラインがドライブトランスの二次コイルL22に接続され、当該二次コイルL22で発生する発振電圧が印加される構成となっている。かかる第1の電源回路140は、入力された発振電圧に基づいて一定電圧を出力させるレギュレータである。従って、当該第1の電源回路140は、新たな電力発生用のトランスを設けることなく簡素な構成で電力の生成を実現できる。しかし、その反面、第1の電源回路140は、内蔵されるコンデンサへ電荷を蓄積させて一定電圧を制御させる性質上、ドライブトランスの駆動開始後に当該一定電圧へ到達するまで、所定の時間を要するとのデメリットを有する。
かかる構成を具備するフルブリッジ型DC−DCコンバータでは、以下の効果を奏する。即ち、電流値判別回路150では、比較器における基準電圧のグランド電位と入力電源のグランド電位とが一致するので、第1の電源回路140の供給電圧が規定値に到達していることを条件として、正しい閾値判定が行なわれ、当該電流値判別回路から出力される判別信号が誤判定の無い正確な情報を現すものとされる。また、当該判別信号を受信する制御IC(260)では、正しい判別信号に基づいて出力信号を生成させるので、出力信号を頻繁に停止させるような誤動作が解消され、当該出力信号の安定的な発振動作が実現されることとなる。
特開2001−298962号公報 特開2004−112925号公報
しかしながら、図10の技術にあっては、フルブリッジ型DC−DCコンバータを駆動開始させる場合、第1の電源回路140の出力電圧は、上述の如く、規定値へ到達するまで不可避的に所定時間必要とされる。ここで、当該出力電圧の電圧値が規定値へ到達するまでの間、電流値判別回路150では、電源電圧と過電流検出回路の基準電位とが規定値に到達していないため、当該電流値判別回路から出力される判定信号の情報に誤判定の情報を含んでしまう場合が生じる。従って、駆動開始直後におけるフルブリッジ型電力変換回路では、制御ICが誤った判定信号に基づいてフルブリッジ回路110を駆動させるので、或る場面では、フルブリッジ回路110に過電流が流れているにも関わらず出力電圧Vout1を生成させてしまい、一方、他の場面では、当該過電流が発生していないにも関わらず出力電圧Vout1の生成を停止させてしまう等、過電流保護機能が適正に効かなくなるとの問題が生じる。
更に、駆動開始直後におけるフルブリッジ型DC−DCコンバータでは、フルブリッジ回路110から出力電圧Vout1の出力制御を行う際、出力電圧Vout1の発生時に過電流が流れていると、火災または異常発熱の原因となり、一方、過電流の未発生時に出力電圧Vout1の生成が止められると、電力の安定供給を実施できなくなるとの問題が生じる。
本発明は上記課題に鑑み、過電流保護機能を適正に機能させ得るフルブリッジ型電力変換回路、及び、火災等の危険を回避して且つ所望の電力を安定供給させ得るフルブリッジ型DC−DCコンバータの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では次のようなフルブリッジ型電力変換回路の構成とする。即ち、直流電源と、パワートランジスタの各々を直列接続させた第1インバータ部及び第2インバータ部から成り且つ前記直流電源に電源ラインを介して接続され当該直流電源の入力電圧を発振状態の出力電圧に変換させるフルブリッジ回路と、前記パワートランジスタの各々を駆動させるドライブ回路と、前記フルブリッジ回路に流れる電流を検出する電流検出回路と、前記電流値検出回路の出力信号に基づいて前記フルブリッジ回路に過電流が流れているか否かを判別する電流値判別回路と、前記電流値判別回路の出力信号に基づいてドライブ回路へ供給する駆動信号を制限的に出力させる制御回路と、前記パワートランジスタのゲート電圧に相当する周期電圧を略一定の電圧値とされる判別回路用電圧へ変換させ前記電流値判別回路へ前記判別回路用電圧を印加させる第1の電源回路と、前記制御回路へ制御回路用の電源電圧を供給させる第2の電源回路と、を備え、
前記制御回路は、前記第1インバータ部の上側アームトランジスタ及び前記第1インバータ部の下側アームトランジスタを交互に駆動させる第1インバータ部側発振信号の位相と前記第2インバータ部の上側アームトランジスタ及び前記第2インバータ部の下側アームトランジスタを交互に駆動させる第2インバータ部側発振信号の位相とを一致させる初期発振動作と、前記第1インバータ部側発振信号の位相と前記第2インバータ部側発振信号の位相との間に所定の位相差を与える定常発振動作と、を実施させることとする。
好ましくは、前記電流検出回路は、前記第1インバータ部及び前記第2インバータ部の接点と前記直流電源とを接続させる電源ライン、又は、前記第1インバータ部及び前記第2インバータ部の接点と前記第1のグランド電位とを導通させるグランドラインに設けられていることとする。
好ましくは、前記ドライブ回路は、前記パワートランジスタの信号端子に周期電圧を供給する複数のドライブ用トランスと、前記駆動信号に基づいて前記ドライブ用トランスを駆動させるドライブICとを備えていることとする。
好ましくは、前記制御回路は、前記初期発振動作と前記定常発振動作との実施手順を規定するプログラムが、当該制御回路に設けられた記憶回路へ格納されたものであって、前記プログラムは、前記第1インバータ部側発振信号と前記第2インバータ部側発振信号とを同一の位相で出力させる初期発振動作処理と、前記第1インバータ部側発振信号と前記第2インバータ部側発振信号とを所定の位相差が生じる状態で出力させる定常発振動作処理と、を実行させることとする。
より好ましくは、前記プログラムは、前記初期発振動作処理と、前記第1の電源回路で生成された前記判別回路用電圧が基準値以上へ到達したか否かを判別する判別処理と、前記判別処理にて前記判別回路用電圧が基準値以下と判別された場合に前記初期発振動作を維持させる初期発振動作維持処理と、前記判別処理にて前記判別回路用電圧が基準値以上と判別された場合に前記定常発振動作を実施する定常発振動作処理とを実行させることとする。
また、本発明では次のようなフルブリッジ型DC−DCコンバータの構成としても良い。即ち、上述した何れかの発明に記載のフルブリッジ型電力変換回路と、前記フルブリッジ回路の出力端子に接続された出力用トランスと、前記出力用トランスで生成された前記発振状態の出力電圧を直流状態の出力電圧に変換させる整流平滑回路とを備えることとする。
本発明に係るフルブリッジ型電力変換回路によると、第1の電源回路の出力電圧が規定値に到達してからフルブリッジ回路の出力電圧が生成されるので、過電流保護機能が適切に機能し、これにより、過電流の未発生時には出力電圧の生成が持続され、過電流の発生時にのみ出力電圧の生成が停止される。
また、フルブリッジ型DC−DCコンバータによると、過電流保護機能が適切に効いた状態にてフルブリッジ回路を駆動させるので、火災または異常発熱の発生の危険なく出力電力の安定供給を実現できる。
実施の形態に係るフルブリッジ型電力変換回路の構成を示す図 実施の形態に係る電源回路の構成例を示す図 実施の形態に係る電流値判別回路の構成例を示す図 実施の形態に係るフルブリッジ回路の初期発振動作を示す図 実施の形態に係るフルブリッジ回路の定常発振動作を示す図 制御回路から出力される駆動信号の制御を示すフローチャート 実施例に係るフルブリッジ型DC−DCコンバータの構成を示す図 実施例に係るフルブリッジ回路の初期発振動作を示す図 実施例に係るフルブリッジ回路の定常発振動作を示す図 従来例に係るフルブリッジ型DC−DCコンバータの構成を示す図
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。図1に示す如く、フルブリッジ型電力変換回路100は、フルブリッジ回路110と直流電源120とドライブ回路130a,130bと第1の電源回路140と電流値判別回路150と制御回路160と第2の電源回路170から構成されている。尚、第1の基準電位Eg1とは、回路が第1グランドGND1に接続されることにより定まる電位であり、第2の基準電位Eg2とは、回路が第2グランドGND2に接続されることにより定まる電位である。また、本実施の形態では、フルブリッジ回路110及び第1の電源回路140及び電流値判別回路150は、各々の基準電位を与える端子が第1のグランド電位GND1に導通するグランドラインへ接続され、制御回路160及び第2の電源回路170は、各々の基準電位を与える端子が第2のグランド電位GND2に導通するグランドラインへ接続されている。尚、第1の基準電位GND1と第2の基準電位GND2とは、サージ等の発生が影響し合わない、互いに異なる電位とされる。
フルブリッジ回路110は、直流電源120に接続され、当該直流電源120の入力電圧を発振状態の出力電圧Vout1に変換させる。かかるフルブリッジ回路110は、複数のパワートランジスタTr1〜Tr4と電流検出回路Raとから構成され、パワートランジスタによるブリッジ回路には出力端子が設けられている。複数のパワートランジスタのうち、上側アームトランジスタTr1及び下側アームトランジスタTr2は互いに直列接続され第1インバータ部を成し、他方、上側アームトランジスタTr3及び下側アームトランジスタTr4は互いに直列接続され第2インバータ部を成す。かかる第1インバータ部及び第2インバータ部は、電流検出回路Raを介して第1グランドGND1に接続されている。また、フルブリッジ回路110には、図示の如く、信号入力端子P01〜P04、上側アームトランジスタの共通接点に接続された正極端子P05、下側アームの共通接点に接続された負極端子P06、電流検出回路Raの低圧側が接続され第1グランドGND1へ接地されたグランド端子P07、電流検出回路Raの高圧側に接続された信号出力端子P08が設けられている。尚、第1インバータ部の接点及び第2インバータ部の各々の接点には、出力端子Ta,Tbが設けられ、フルブリッジ回路110で生成された発振状態の出力電圧Vout1が当該出力端子Ta,Tbから両端電圧として出力される。
電流検出回路Raは、同図の場合、両インバータ部の接点と第1グランドGND1とを接続させるグランドラインに設けられ、フルブリッジ回路に流れる電流を検出する。かかる電流検出回路Raは、シャント抵抗であっても良く、この他、電流検出用のトランス、電流値検出用の半導体素子等、種々の置換えが可能である。但し、本実施の形態では、電流検出回路Raがシャント抵抗であるとして以下説明する。また、電流検出回路Raのレイアウト位置は、図1で示される位置に限定されるものでなく、種々の変更が可能とされる。例えば、第1インバータ部及び前記第2インバータ部の接点と直流電源120とを接続させる電源ラインLa,Lbの何れかに設けるようにしても良い。
直流電源120は、フルブリッジ回路110の正極端子P05及び負極端子P06に接続され、当該正極端子P05に直流電源の陽極電位が印加され、負極端子P06では第1のグランド電位Eg1と同電位とされている。かかる直流電源120は、バッテリー電源を用いても良く、交流電源の電力を直流電力へ変換させる平滑回路の出力電源を用いても良い。
ドライブ回路130aは、第1の電源回路140及び第2の電源回路170とは別系統の電源から供給され、信号ラインを介して信号入力端子P01,P02に接続されている。かかるドライブ回路130aは、ゲート信号を出力させることにより、上側アームトランジスタTr1及び下側アームトランジスタTr2を交互に発振駆動させる。また、ドライブ回路130bは、信号ラインを介して信号入力端子P03,P04に接続され、ゲート信号を出力させることにより、上側アームトランジスタTr3及び下側アームトランジスタTr4を交互に発振駆動させる。尚、かかるドライブ回路130a,130bの動作については、図4及び図5にて詳述する。
第1の電源回路140は、ドライブ回路130a及びフルブリッジ回路110の間の信号ラインに一端が接続され、ゲート信号によって発振する周期電圧が入力される。また、第1の電源回路140は、当該周期電圧を変換し一定の直流電力を生成させる。ここで、第1の電源回路140にて出力される直流電圧を、以下、判別回路用電圧と呼ぶ。かかる第1の電源回路140では、出力ラインが電源検出回路へ接続されており、当該判別回路用電圧を電流値判別回路150へ印加させる。かかる第1の電源回路140の一例を説明すると、図2に示す如く、第1の電源回路140は、コンデンサC1,C2及びダイオードD1,D2及び電源IC(151)から構成され、入力端子Px1及び出力端子Px2及びグランド端子Px3が設けられている。かかる第1の電源回路140では、入力端子Px1に周期電圧が印加されると、電源IC(151)が当該周期電圧を降圧させ、出力端子Px2から判別回路用電圧を出力させる。かかる第1の電源回路140では、図1に示す如く、電源ラインがドライブトランスの二次コイルL22に接続され、当該二次コイルL22で発生する発振電圧が印加される構成となっている。かかる第1の電源回路140は、入力された発振電圧に基づいて一定電圧を出力させるレギュレータである。従って、当該第1の電源回路140は、新たな電力発生用のトランスを設けることなく簡素な構成で電力の生成を実現できる。しかし、その反面、第1の電源回路140は、内蔵されるコンデンサC1,C2へ電荷を蓄積させて一定電圧を制御させる性質上、ドライブトランスの駆動開始後に判別回路用電圧が一定電圧へ到達するまで、所定の時間を要するとのデメリットを有する。
電圧判定回路141は、第1の電源回路140の出力電圧が印加され、当該出力電圧の電圧値を判別し、その後、かかる判別結果に応じてH−L信号を制御回路160へ出力させる。当該判別回路141には、コンパレータICと、入力側素子と出力側素子とにおけるグランド電位が絶縁され且つ出力側素子から所定の出力信号を出力させるフォトカプラとを備えている。そして、コンパレータICでは入力された電圧値の閾値判定が実施され、フォトカプラ(電圧判定回路の構成)では当該閾値判定に基づいてH−L信号を出力させる。かかる電圧判定回路141では、コンパレータICのグランド電位が第1のグランド電位Eg1とされ、フォトカプラ(電圧判定回路の構成)の入力側素子のグランド電位が第1のグランド電位Eg1とされ、フォトカプラ(電圧判定回路の構成)の出力側素子のグランド電位が第2のグランド電位Eg2とされる。従って、電圧判定回路141から出力されるH−L信号は、フルブリッジ回路のグランド電位Eg1から絶縁されるので、当該フルブリッジ回路のグランド電位Eg1に発生するサージ等の影響を受けることがなくなる。そして、当該H−L信号は、制御回路160のグランド電位Eg2と一致しているので、制御回路160では、H−L信号に関する安定した信号処理が実現される。尚、H−L信号とは、所定の回路から出力される信号であって、High値またはLow値の何れかを示す信号をいう。ここで、High値にかかる信号をH信号、Low値にかかる信号をL信号と呼ぶこととする。
電流値判別回路150は、第1のグランド電位Eg1を基準電位としており、電流値検出回路Raの出力信号に基づいてフルブリッジ回路110に過電流が流れているか否かを判別する。図3を参照して電流値判別回路150の一例を説明すると、当該電流値判別回路150は、抵抗R1〜R4,コンデンサC3〜C4,コンパレータICから構成され、入力端子Py1,出力端子Py2,電源端子Py3,グランド端子Py3が設けられている。かかるコンパレータICには、非反転入力部と反転入力部とが設けられ、これらの入力端子には適宜なフィルタ回路が構成されている。このうち、非反転入力部には、シャント抵抗Raによる出力電圧が印加される。一方、反転入力部には、比較処理させる際に閾値として用いられる閾値電圧が印加される。かかる閾値電圧は、判別回路用電圧に基づいて生成されるので、第1の電源回路140の出力値に応じて変動する。コンパレータICには、更に、電源入力部とグランド接続部と出力部とが設けられている。このうち、電源入力部では、判別回路用電圧が印加されるので、非反転入力部と同様、第1の電源回路140の出力値に応じて変動する。かかる構成の電流値判別回路150では、シャント抵抗Raによる出力電圧が入力されると、分圧抵抗によって生成された閾値電圧によって閾値判定され、H−L信号を出力させる。電流値判別回路150から出力される出力信号は、電流値判別回路150のグランド電位及び第1の電源回路140のグランド電位が一致しているので、当該出力信号の波形が安定する。但し、第1の電源回路140が駆動され始めた当初は、判別回路用電圧が規定値に到達していないので、電流値判別回路150の出力信号が不正確なものとされる場合がある。
ここで、電流値判別回路150には、入力側素子及び出力側素子を具備するフォトカプラを設けるのが好ましい。具体的に説明すると、入力側素子は、シャント抵抗Raからの信号が入力され、基準電位が第1のグランド電位Eg1とされている。出力側素子は、過電流に関する出力信号を出力させるものであって、基準電位が第2のグランド電位Eg2とされている。かかる場合には、当該フォトカプラ(電流値判別回路の構成)の入力側素子のグランド電位と第1の電源回路140のグランド電位とが一致しているので、当該フォトカプラ(電流値判別回路の構成)の出力側素子から出力される出力信号の波形が安定する。また、当該フォトカプラ(電流値判別回路の構成)の出力側素子のグランド電位と制御回路160のグランド電位とが一致しているので、制御回路160では、電流値判別回路150の出力信号に関する安定した信号処理が実現される。
制御回路160は、第1のグランド電位Eg1とは異なる第2のグランド電位Eg2を基準電位とし、第2の電源回路170から電源電圧が供給されている。また、制御回路160は、互いに独立した出力ラインがドライブ回路130a及び130bに接続され、互いに独立した入力ラインが電流値判別回路150及び電圧判定回路141に接続されている。制御回路160では、適宜な論理回路が構成され、以下の動作を実現させる。先ず、適宜な周波数に設定された駆動信号をドライブ回路へ出力させる。また、電流値判別回路の出力信号に基づいてドライブ回路へ駆動信号を出力させる。このとき、制御回路160では、以下の如く、駆動信号を制限的に出力させる。即ち、当該制御回路160では、電流値判別回路150の出力信号が過電流の発生を示していない場合、駆動信号の出力を許可させ、電流値判別回路150の出力信号が過電流の発生を示している場合、当該駆動信号の出力を停止させる。そして、制御回路160では、電圧判定回路141の出力電圧に基づいて駆動信号の出力モードを切替え、これにより、ドライブ回路に対して初期発振動作と定常発振動作との何れかに対応する駆動信号を出力させる。尚、初期発振動作及び定常発振動作については図4及び図5にて詳述する。
第2の電源回路170は、制御回路用の電力を制御回路160へ供給させ、これにより、当該制御回路160を動作させる。第2の電源回路170は、第2のグランド電位Eg2が基準電位とされている。かかる第2の電源回路170では、制御回路用の電力を生成させるため、グランド電位の異なる第1の電源回路と独立して設けられなければならない。具体的に説明すると、第2の電源回路170は、第1の電源回路140の起動前に制御回路160がドライブ回路を駆動させなければならない性質上、ドライブ回路の動作に関わらず制御回路160へ電力を安定供給させる必要があり、ドライブ回路の動作から独立して作動する電力生成装置(例えば、電力生成用のトランス)を別途設けなければならなくなる。従って、第2の電源回路170は、第1の電源回路140の構成と比較すると、大掛かりな回路構成を必要とすることとなる。
かかる構成を具備するフルブリッジ型電力変換回路100では、以下の如く動作する。先ず、フルブリッジ回路110に流れる電流が異常な範囲とされる場合(即ち、過電流が流れている場合)、電流値判別回路150では、シャント抵抗Raからの電圧値に基づいて当該異常状態を検知し、異常状態を示すL信号を出力させる。このとき、制御回路160では、かかるL信号を受けて駆動信号の出力を停止させる。これにより、ドライブ回路130a,130bからはゲート信号が出力されなくなるので、フルブリッジ回路110には電流が流れなくなり、出力端子Ta,Tb間には、一次コイルLaによって誘起電圧Vout1が発生すことはない。
一方、フルブリッジ回路110に流れる電流が正常な範囲とされる場合(即ち、過電流が流れていない場合)、電流値判別回路150では、シャント抵抗Raからの電圧値に基づいて電流値が正常値であることを検知し、正常状態を示すH信号を出力させる。このとき、第1の電源回路140の出力電圧が規定値に到達していない場合、制御回路160では、電圧判定回路141から其の旨のH−L信号が入力され、初期発振動作に相当する駆動信号の出力を実施させる。制御回路160から出力される駆動信号は、上側アームトランジスタTr1及び下側アームトランジスタTr2を交互に駆動させる第1インバータ部側発振信号と、上側アームトランジスタTr3及び下側アームトランジスタTr4を交互に駆動させる第2インバータ部側発振信号とからなり、制御回路160の出力端子からドライブ回路130a及び130bへ各々出力される。ここで、初期発振動作時の制御回路160では、第1インバータ部側発振信号の位相と第2インバータ部側発振信号の位相とを一致させた状態にて駆動信号を出力させる。このとき、ドライブ回路130aでは、第1インバータ部側発振信号を受信し、上側アームトランジスタTr1及び下側アームトランジスタTr2のゲート信号を発振させる。また、ドライブ回路130bでは、第2インバータ部側発振信号を受信し、ドライブ回路130aから出力されるゲート信号の位相に一致した状態で、上側アームトランジスタTr3及び下側アームトランジスタTr4のゲート信号を発振させる。このとき、フルブリッジ回路110では、図4に示す如く、かかるゲート信号に応じて、状態11及び状態12を交互に高い周波数で切替えられる動作が実施される。このうち、状態11は、図4(a)に示す如く、上側アームトランジスタTr1及び上側アームトランジスタTr3のゲート信号がHighとされ、下側アームトランジスタTr2及び下側アームトランジスタTr4のゲート信号がLowとされる。一方、状態12は、図4(b)に示す如く、上側アームトランジスタTr1及び上側アームトランジスタTr3のゲート信号がLowとされ、下側アームトランジスタTr2及び下側アームトランジスタTr4のゲート信号がHighとされる。これにより、初期発振動作時のブリッジ回路110では、状態11及び状態12が交互に切換えられても、一次コイルLaの両端電圧に電位差が生じないため、出力トランスから出力される電力は零とされる。尚、本切換動作にあっては、パワートランジスタにおけるスパイク電流の発生を回避させるためデッドタイムを設けても良い。具体的に説明すると、かかるデッドタイムでは、パワートランジスタへ印加される全てのゲート信号を停止させる状態30がドライブ回路によって実施される。そして、当該ドライブ回路では、状態30→状態11→状態30→状態12→状態30、といった具合に、デッドタイム対策に係る状態30を切換動作の合間に実施させる。尚、過電流が流れている場合であって且つ第1の電源回路140の出力電圧が規定値に到達していない場合、従来技術のように定常発振動作を強制実施させると、「発明が解決しようとする課題」で指摘したように、フルブリッジ型電力変換回路100では、過電流が生じている状態でフルブリッジ回路を駆動させるため、異常発熱または火災を起こす危険がある。従って、かかる場合、定常発振動作を強制的に実施させる制御は、安全上好ましくないものとされる。
他方、フルブリッジ回路110に流れる電流が正常な範囲とされる場合であって、且つ、第1の電源回路140の出力電圧が規定値に到達した場合、制御回路160では、電圧判定回路141から其の旨のH−L信号が入力され、定常発振動作に相当する駆動信号の出力を実施させる。制御回路160から出力される駆動信号についても、上述した第1インバータ部側発振信号及び第2インバータ部側発振信号がドライブ回路130a及び130bへ各々出力される。但し、定常発振動作時の制御回路160では、第1インバータ部側発振信号の位相と第2インバータ部側発振信号の位相との間に所定の位相差を与えて駆動信号を出力させる。かかる所定の位相差は、パワートランジスタへ送られる信号のデューティー比等によって適宜に設定される。ドライブ回路130aでは、第1インバータ部側発振信号を受信すると、上述の如く、上側アームトランジスタTr1及び下側アームトランジスタTr2のゲート信号を発振させる。また、ドライブ回路130bでは、第2インバータ部側発振信号を受信すると、ドライブ回路130aから出力されるゲート信号の位相から所定の位相差を与えた状態で、上側アームトランジスタTr3及び下側アームトランジスタTr4のゲート信号を発振させる。このとき、フルブリッジ回路110では、図5に示す如く、かかるゲート信号に応じて状態21及び状態22を交互に高い周波数で切替えられる動作が実施される。このうち、状態21は、図5(a)に示す如く、上側アームトランジスタTr1及び下側アームトランジスタTr4のゲート信号がHighとされ、下側アームトランジスタTr2及び上側アームトランジスタTr3のゲート信号がLowとされ、これにより、上側アームトランジスタTr1から下側アームトランジスタTr4に向けて電流が流れる。一方、状態22は、図5(b)に示す如く、上側アームトランジスタTr1及び下側アームトランジスタTr4のゲート信号がLowとされ、下側アームトランジスタTr2及び上側アームトランジスタTr3のゲート信号がHighとされ、これにより、上側アームトランジスタTr3から下側アームトランジスタTr2に向けて電流が流れる。これにより、定常発振動作時のブリッジ回路110では、状態21及び状態22が交互に切換えられると、一次コイルLaの両端に周期変動する電位差が生じるため、出力トランスから所定電力の出力が開始される。尚、本切換動作にあって、パワートランジスタにおけるスパイク電流の発生を回避させるためデッドタイムを設けても良い。具体的に説明すると、かかるデッドタイムを設ける場合、上述した状態30がドライブ回路によって実施され、当該ドライブ回路では、状態30→状態21→状態30→状態22→状態30、といった具合に、デッドタイム対策に係る状態30を切換動作の合間に実施させる。
即ち、かかる動作を実施するフルブリッジ型電力変換回路100では、第1の電源回路140の出力電圧が低い場合、制御回路160が初期発振動作を実施させ、フルブリッジ回路からの出力電力の供給を停止させる。このとき、第1の電源回路140では、発振電力の供給によって出力電圧が規定値へ近づくように制御される。一方、第1の電源回路140の出力電圧が規定値に到達すると、制御回路160が定常発振動作を実施させ、フルブリッジ回路からの出力電力の供給を開始させる。このとき、第1の電源回路140では出力電圧が規定値に到達しているので、当該電源回路140によって駆動される電流値判別回路150の出力信号は正確なものとされる。
上述した初期発振動作及び定常発振動作の切換は、所定のマイコンを用いることにより、以下の実施手順を規定したプログラムにて実施させることも可能である。尚、この場合、かかるプログラムは、制御回路160に設けられた記憶回路に格納されている。
図6に示す如く、発振信号の切換動作に係るプログラムでは、先ず、初期発振動作処理(S01)を実施させる。初当該期発振動作処理では、第1インバータ部側発振信号と第2インバータ部側発振信号とを同一の位相で出力させる。このとき、フルブリッジ回路110では、初期発振動作が実施されるため、一次コイルLaには誘起電圧が発生しない。
その後、当該プログラムの処理では判別処理(S02)を実施させる。当該判別処理では、プログラム上で信号の有無を判定し、第1の電源回路で生成された判別回路用電圧が基準値以上へ到達したか否かを判別する。また、判別処理(S02)では、判別回路用電圧が基準値以下の場合、初期発振動作維持処理(S03)へ移行させ、判別回路用電圧が基準値以上の場合、定常発振動作処理(S04)へと移行させる。
このとき、プログラムの処理が初期発振動作維持処理(S03)へ移行されると、初期発振動作が維持され、判別回路用電圧が基準値を上回るまで、当該処理(S03)が継続される。一方、定常発振動作処理(S04)へ移行されると、定常発振動作に相当する駆動信号に切換させ、当該信号を駆動信号として出力させる。
上述の如く、本実施の形態に係るフルブリッジ型電力変換回路100によると、第1の電源回路の出力電圧が規定値に到達してからフルブリッジ回路の出力電圧が生成されるので、過電流保護機能が適切に機能し、これにより、過電流の未発生時には出力電圧Vout1の生成が持続され、過電流の発生時にのみ出力電圧Vout1の生成が停止される。
図7には、フルブリッジ型電力変換回路を適用させたフルブリッジ型DC−DCコンバータが示されている。本実施例に係るフルブリッジ型DC−DCコンバータは、フルブリッジ回路210と、出力トランスToと、バッテリー電源220と、ドライブ回路230a,230bと、第1の電源回路140と、電流値判別回路150と、制御IC(260)と、第2の電源回路170と、整流平滑回路270とから構成されている。尚、実施の形態にて既に説明した共通部分については、同一符号を付し其の説明を省略することとする。尚、本実施例におけるフルブリッジ型電力変換回路100’は、上述したフルブリッジ型DC−DCコンバータ200の構成から整流平滑回路270を排除したものとされる。
フルブリッジ回路210は、信号入力端子P01〜P04に対応して新たな端子P09〜P12が追加されている。また、出力トランスToに接続された出力端子P13,P14が設けられ、ハイサイドバスラインLu及びローサイドバスラインLdが各出力端子に接続されている。
出力トランスToは、フルブリッジ回路210の出力端子Ta,Tbに接続された一次コイルLaと、鉄芯を介して設けられた二次コイルLbとから成り、一次コイルLaで発生した誘起電圧Vout1 に応じて、周期変動する交流電力を整流平滑回路270へ出力させる。
バッテリー電源220は、車載用バッテリー、また、OA機器用バッテリーパック、この他、携帯式の電気機器に用いられるバッテリー等、用いられる装置の種別を問うものではない。
ドライブ回路230aは、図示の如く、ドライブIC(231a)とドライブ用トランスとから構成される。このうち、ドライブIC(231a)は、ドライブ用トランスの一次コイルL11が接続され、制御ICから出力される駆動信号に基づいてドライブ用トランスL11を駆動させる。ドライブ用トランスは、ドライブIC(231a)に接続される一次コイルL11と、上側アームトランジスタTr1に対応して設けられる二次コイルL12と、下側アームトランジスタTr2に対応して設けられる二次コイルL22と、一次コイルL11と二次コイルL12,L22の間に介在する鉄芯とから構成される。当該ドライブ用トランスは、二次コイルL12と二次コイルL22との巻回方向が逆向きとされており、一方のゲート電圧がHigh値とされるとき他方のゲート電圧はLow値とされ、かかる動作が周期的に切替えられることにより、パワートランジスタの信号端子P01,P02に周期電圧を供給させる。尚、ドライブ回路230bにあっても、ドライブ回路230aと同様の構成とされ、同様の動作によって上側アームトランジスタTr3及び下側アームトランジスタTr4を駆動させる。
制御IC(260)は、電源ポートVcc、及び、グランドポートVss、入力ポートIN1,IN2、出力ポートSG1,SG2、が設けられている。電源ポートVccは、第2の電源回路170に接続され、制御回路用の電力が供給される。グランドポートVssは、第2のグランド電位Eg2と同電位とされる。入力ポートIN1には、電流値判別回路150の信号ラインが接続され、シャント抵抗Raの電流値情報に関するH−L信号が印加される。入力ポートIN2には、電圧判定回路141の信号ラインが接続され、第1の電源回路140の出力電圧に係るH−L信号が印加される。出力ポートSG1には、ドライブ回路230aへ導入される信号ラインが接続され、第1インバータ部側発振信号を出力させる。出力ポートSG2には、ドライブ回路230bで導入される信号ラインが接続され、第2インバータ部側発振信号が接続される。かかる制御IC(260)では、実施の形態にて用いられる制御回路160と同様、入力ポートIN1,IN2へ入力される信号に応じて初期発振動作及び定常発振動作を切換え、第1インバータ部側発振信号と第2インバータ部側発振信号との位相差を適宜に制御させる。尚、制御IC(260)の動作については、図8及び図9にて詳述することとする。
整流平滑回路270は、バスラインLu,Ldを介して出力トランスに接続される、当該整流平滑回路270は、ダイオードブリッジ等の整流回路271と平滑コンデンサ272とリアクトル273とを備え、出力用トランスで生成された発振状態の出力電圧Vout1を直流状態の出力電圧に変換させる。かかる整流平滑回路270は、商用電源を用いる場合、更にPFC回路を構成させ、供給される電力の力率を向上させるのが好ましい。
かかる構成を具備するフルブリッジ型DC−DCコンバータ200では、以下の如く動作する。先ず、フルブリッジ回路210に流れる電流が異常な範囲とされる場合、電流値判別回路150では、シャント抵抗Raからの電圧値に基づいて当該異常状態を検知し、異常状態を示すL信号を出力させる。このとき、制御IC(260)では、かかるH−L信号を受けて駆動信号の出力を停止させ、これにより、フルブリッジ型DC−DCコンバータ200では、直流電力の供給が停止される。尚、かかる制御IC(260)の制御では、異常状態を示すL信号が一度入力されると、直ちに駆動信号の出力を所定時間停止させるようにしても良い。また他の例として、当該制御IC(260)は、異常状態を示すL信号の入力回数をカウントし、当該入力回数が所定回数に到達すると、駆動信号の出力を所定時間停止させるようにしても良い。更に、当該入力回数のカウントフラグは、所定時間経過するとクリヤされることとしても良い。
一方、フルブリッジ回路210に流れる電流が正常な範囲とされる場合、電流値判別回路150による正常状態を示すH信号が制御IC(260)に入力される。このとき、第1の電源回路140の出力電圧が規定値に到達していない場合、制御IC(260)では、電圧判定回路141から其の旨のH−L信号が入力され、初期発振動作に相当する駆動信号の出力を実施させる。フルブリッジ回路110の駆動開始直後には、制御IC(260)では、初期発振動作が選択され、第1インバータ部側発振信号の位相と第2インバータ部側発振信号の位相とを一致させた状態にて駆動信号を出力させる。このとき、ドライブ回路130aでは、第1インバータ部側発振信号を受信し、上側アームトランジスタTr1及び下側アームトランジスタTr2のゲート信号を発振させる。また、ドライブ回路130bでは、第2インバータ部側発振信号を受信し、ドライブ回路130aから出力されるゲート信号の位相に一致した状態で、上側アームトランジスタTr3及び下側アームトランジスタTr4のゲート信号を発振させる。このとき、フルブリッジ回路210では、図8に示す如く、かかるゲート信号に応じて状態11及び状態12を交互に高い周波数で切替えられる動作が実施される。尚、ドライブ用トランスの各々示される「●」は、電圧値が高い状態を示し、「○」は電圧値が低くなっている状態を示す。即ち、初期発振動作時のブリッジ回路210では、状態11及び状態12が交互に切換えられても、出力トランスToから出力される電力は零とされるため、整流平滑回路270からは電力が出力されることはない。
他方、フルブリッジ回路210に流れる電流が正常な範囲とされる場合であって、且つ、第1の電源回路140の出力電圧が規定値に到達した場合、制御IC(260)では、定常発振動作に相当する駆動信号の出力に切替える。制御IC(260)では、第1インバータ部側発振信号と第2インバータ部側発振信号とを所定の位相差が生じる状態で駆動信号を出力させる。このとき、ドライブ回路130aでは、第1インバータ部側発振信号を受信し、上側アームトランジスタTr1及び下側アームトランジスタTr2のゲート信号を発振させる。また、ドライブ回路130bでは、第2インバータ部側発振信号を受信し、ドライブ回路130aから出力されるゲート信号の位相から位相差が生じる状態で、上側アームトランジスタTr3及び下側アームトランジスタTr4のゲート信号を発振させる(図9参照)。かかる場合、定常発振動作時のブリッジ回路210では、第1の電源回路140の出力電圧が規定値に到達しているので、状態21及び状態22が交互に切換えられると、これに応じて、出力トランスから電力の出力が開始され、整流平滑回路270から適性値に制御された電力が出力されることとなる。
即ち、かかる動作を実施させるフルブリッジ型DC−DCコンバータ200では、第1の電源回路140の出力電圧が低い場合、制御IC(260)が初期発振動作を実施させ、整流平滑回路270からの直流電力の出力を停止させる。このとき、第1の電源回路140では、発振電力の供給によって出力電圧が規定値へ近づくように制御される。一方、第1の電源回路140の出力電圧が規定値に到達すると、制御IC(260)が定常発振動作を実施させ、整流平滑回路270からの直流電力の出力を開始させる。このとき、第1の電源回路140では出力電圧が規定値に到達しているので、当該電力によって駆動される電流値判別回路150の出力信号は正確なものとされる。
上述の如く、本実施の形態に係るフルブリッジ型電力変換回路100’によると、第1の電源回路の出力電圧が規定値に到達してからフルブリッジ回路の出力電圧が生成されるので、過電流保護機能が適切に機能し、これにより、過電流の未発生時には出力電圧Vout1の生成が持続され、過電流の発生時にのみ出力電圧Vout1の生成が停止される。
また、本実施例に係るフルブリッジ型DC−DCコンバータ200によると、過電流保護機能が適切に効いた状態にてフルブリッジ回路210を駆動させるので、火災または異常発熱の発生の危険なく出力電力の安定供給を実現できる。
尚、上述した実施の形態に記されるフルブリッジ型電力変換回路およびフルブリッジ型DC−DCコンバータは、一つの実施形態が示されているに過ぎず、この他、種々の改変が可能である。例えば、実施の形態における制御回路160では、タイムカウント手段を追加させると供に、電源判別部141及び第1の電源回路140の信号ラインを省略させても良い。かかる場合、タイムカウント手段は、第1の電源回路140に電力が供給されてから規定値に到達するまでの閾値時間T1を記録したメモリ回路と、クロック回路と、閾値時間に到達したか否かを論理演算させる判別回路とから構成される。そして、制御回路160では、フルブリッジ回路110の駆動直後に初期発振動作に係る駆動信号を出力させ、閾値時間T1に到達すると、定常発振動作に係る駆動信号を出力させる。
かかる処理をプログラムによって実施させる場合、当該プログラムは、第1インバータ部側発振信号と第2インバータ部側発振信号とを同一の位相で出力させる初期発振動作処理を実施させた後、閾値時間T1への到達を待って、第1インバータ部側発振信号と第2インバータ部側発振信号とを所定の位相差が生じる状態で出力させる定常発振動作処理を実施させる。
100 フルブリッジ型電力変換回路
110 フルブリッジ回路
Tr パワートランジスタ
Ra シャント抵抗
120 直流電源
130 ドライブ回路
140 電源回路
150 電流値判別回路
200 フルブリッジ型DC−DCコンバータ
270 整流平滑回路

Claims (6)

  1. 直流電源と、パワートランジスタの各々を直列接続させた第1インバータ部及び第2インバータ部から成り且つ前記直流電源に電源ラインを介して接続され当該直流電源の入力電圧を発振状態の出力電圧に変換させるフルブリッジ回路と、前記パワートランジスタの各々を駆動させるドライブ回路と、前記フルブリッジ回路に流れる電流を検出する電流検出回路と、前記電流値検出回路の出力信号に基づいて前記フルブリッジ回路に過電流が流れているか否かを判別する電流値判別回路と、前記電流値判別回路の出力信号に基づいてドライブ回路へ供給する駆動信号を制限的に出力させる制御回路と、前記パワートランジスタのゲート電圧に相当する周期電圧を略一定の電圧値とされる判別回路用電圧へ変換させ前記電流値判別回路へ前記判別回路用電圧を印加させる第1の電源回路と、前記制御回路へ制御回路用の電源電圧を供給させる第2の電源回路とを備え、
    前記制御回路は、前記第1インバータ部の上側アームトランジスタ及び前記第1インバータ部の下側アームトランジスタを交互に駆動させる第1インバータ部側発振信号の位相と前記第2インバータ部の上側アームトランジスタ及び前記第2インバータ部の下側アームトランジスタを交互に駆動させる第2インバータ部側発振信号の位相とを一致させる初期発振動作と、前記第1インバータ部側発振信号の位相と前記第2インバータ部側発振信号の位相との間に所定の位相差を与える定常発振動作と、を実施させることを特徴とするフルブリッジ型電力変換回路。
  2. 前記電流検出回路は、前記第1インバータ部及び前記第2インバータ部の接点と前記直流電源とを接続させる電源ライン、又は、前記第1インバータ部及び前記第2インバータ部の接点と前記第1のグランド電位とを導通させるグランドラインに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフルブリッジ型電力変換回路。
  3. 前記ドライブ回路は、前記パワートランジスタの信号端子に周期電圧を供給する複数のドライブ用トランスと、前記駆動信号に基づいて前記ドライブ用トランスを駆動させるドライブICとを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフルブリッジ型電力変換回路。
  4. 前記制御回路は、前記初期発振動作と前記定常発振動作との実施手順を規定するプログラムが、当該制御回路に設けられた記憶回路へ格納されたものであって、
    前記プログラムは、
    前記第1インバータ部側発振信号と前記第2インバータ部側発振信号とを同一の位相で出力させる初期発振動作処理と、前記第1インバータ部側発振信号と前記第2インバータ部側発振信号とを所定の位相差が生じる状態で出力させる定常発振動作処理と、を実行させることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のフルブリッジ型電力変換回路。
  5. 前記プログラムは、前記初期発振動作処理と、前記第1の電源回路で生成された前記判別回路用電圧が基準値以上へ到達したか否かを判別する判別処理と、前記判別処理にて前記判別回路用電圧が基準値以下と判別された場合に前記初期発振動作を維持させる初期発振動作維持処理と、前記判別処理にて前記判別回路用電圧が基準値以上と判別された場合に前記定常発振動作を実施する定常発振動作処理とを実行させることを特徴とする請求項4に記載のフルブリッジ型電力変換回路。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のフルブリッジ型電力変換回路と、前記フルブリッジ回路の出力端子に接続された出力用トランスと、前記出力用トランスで生成された前記発振状態の出力電圧を直流状態の出力電圧に変換させる整流平滑回路とを備えることを特徴とするフルブリッジ型DC−DCコンバ-タ。
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