JP5445150B2 - 自動合焦制御装置、電子撮像装置及びデジタルスチルカメラ - Google Patents
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Description
その図1において、矢印A1はレンズ位置fpの数値が小さい方向から数値が大きい方向にフォーカスレンズfLを駆動してピーク値FVpを取得する場合を示しており、矢印A2はレンズ位置fpの数値が大きい方向から数値が小さい方向にフォーカスレンズfLを駆動してピーク値FVpを取得する場合を示している。
その一方、このピーク値スキャン方式は、実際にフォーカスレンズfLを駆動させながら、そのフォーカスレンズfLの最適合焦レンズ位置fbpを探索しなければならないので、探索を行いかつこのフォーカスレンズfLを最適合焦レンズ位置fbpにセットするのに時間がかかるという問題点がある。
このパルスモータとギヤとからなるフォーカスレンズfLのメカニカル駆動機構によれば、フォーカスレンズfLの光軸方向のレンズ位置fpはパルスの個数を制御することによって決定される。
このため、焦点評価値FVのピークと判定された最適合焦レンズ位置fbpにフォーカスレンズfLを戻す必要がある。
従来のピーク値スキャン方式では、最適合焦レンズ位置fbpにフォーカスレンズfLをセットするためには、少なくとも二度の停止励磁時間が必要となる。
このため、より一層フォーカスレンズfLを最適合焦レンズ位置fbpにセットするまでに時間がかかることになる。
従って、1個の焦点評価値FVを得るたびに、フォーカスレンズfLを別のレンズ位置fpに向かって駆動するためのパルス数を増やして、スキャン時間の短縮を行っている。
このため、フォーカスレンズfLが最適合焦レンズ位置fbpを通過後に1個の焦点評価値FVを取得してピークからの下降を検知したとしても、1個の焦点評価値FVの取得あたりの行き過ぎ量が多くなる。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、フォーカスレンズの駆動による焦点評価値の取得から被写体に対するフォーカスレンズの合焦完了までに要する時間短縮を図ることができる自動合焦制御装置、電子撮像装置及びデジタルスチルカメラを提供することにある。
前記予測合焦レンズ位置決定手段は、取得された前記焦点評価値に基づき算出される、前記フォーカスレンズのレンズ位置に対応する焦点評価値により形成される山形形状の特性曲線の傾きが、連続して少なくとも2回下降した場合に、前記傾きから前記合焦レンズ位置を予測すると共に、前記予測した合焦レンズ位置を前記傾きから求めた下降率に基づいて補正し、補正後の合焦レンズ位置を前記予測合焦レンズ位置として決定することを特徴とする。
請求項4に記載の自動合焦制御装置は、前記目標レンズ位置決定手段は、前記被写体までの距離を測距する測距センサであることを特徴とする。
請求項5に記載の自動合焦制御装置は、前記目標レンズ位置決定手段は、前記被写体までの距離を手動により指定する指定手段であることを特徴とする。
請求項7に記載の自動合焦制御装置は、前記焦点評価値取得タイミング決定手段は、前記各取得レンズ位置のうち互いに隣接する取得レンズ位置の間隔が前記目標レンズ位置に近づくに伴って小さくなるように前記取得レンズ位置を決定することを特徴とする。
請求項8に記載の自動合焦制御装置は、前記焦点評価値取得タイミング決定手段は、前記現在レンズ位置が前記目標レンズ位置に対して小さい場合には、前記合焦レンズ位置の数値が大きい方向から小さい方向に向かって前記各取得レンズ位置を決定することを特徴とする。
請求項10に記載の自動合焦制御装置は、前記焦点評価値取得タイミング決定手段は、前記取得レンズ位置に対応する取得時間を決定することを特徴とする。
請求項12に記載の電子撮像装置は、請求項1に記載の自動合焦制御装置を有することを特徴とする。
請求項13に記載のデジタルスチルカメラは、請求項1に記載の自動合焦制御装置を有することを特徴とする。
図4は、本発明に係わる自動合焦制御装置を有する電子撮像装置として、静止画が記録可能なデジタルスチルカメラの回路構成を模式的に示すブロック図である。
この図4において、fLはフォーカスレンズ、2は絞り兼用メカニカルシャッター、3は撮像素子(CCD)、4はいわゆるFE−IC102回路部、5はデジタルスチルカメラプロセッサ(DSP)部、6はドライバ部、7はCCD駆動回路部、8は中央演算処理装置(CPU)、9は内蔵メモリ、10は通信ドライバ回路、11はメモリカード、12は表示部、13はスイッチ部、14は測距センサ(外部AF)、15はストロボ発光部、16はメインコンデンサ、17はストロボ受光部である。
デジタルスチルカメラプロセッサ部5はA/D変換された撮像信号(デジタル信号)をYUVデータに変換する機能、そのYUVデータをJPEG圧縮する等のデジタル信号処理を行う機能を有する。
このパルスモータは移動手段としての中央演算処理装置(CPU)8から出力されるパルスにより駆動制御され、フォーカスレンズfLはその中央演算処理装置8からのパルスによって駆動制御される。
この内蔵メモリ9はデジタルスチルカメラプロセッサ部5、中央演算処理装置(CPU)8のワークメモリとしても用いられる。なお、メモリカード11はデジタルスチルカメラに着脱自在に装着される。
表示部12は、デジタルスチルカメラプロセッサ部5からの撮像データを液晶表示ディスプレイ(図示を略す)に表示可能な信号に変換する表示コントローラ部(図示を略す)と、液晶表示ディスプレイ(LCD)とからなる。
デジタルスチルカメラのユーザーは、このスイッチ部13を操作して所望の処理をデジタルスチルカメラに実行させる。ここで、符号SW1はシャッターボタンの第1段スイッチ、符号SW2はシャッターボタンの第2段スイッチを示している。
ストロボ発光部15は、中央演算処理装置(CPU)8からの制御信号に基づいて発光制御される。メインコンデンサ16は、ストロボ発光用の電力を蓄積する。中央演算処理装置(CPU)8はそのメインコンデンサ16の充電電圧を監視する機能を有する。
受光センサは中央演算処理装置(CPU)8からの受光指令信号に基づいて受光を開始し、発光停止回路部は受光積分量が設定値に達すると、ストロボ発光部15に発光停止信号を出力する。
なお、この図5は、メイン処理と並行処理との関係を概念的に示す説明図であって、ハード構成を示すものではない。
定期割り込み処理は、定期タイマーによって起動され、図4に示すスイッチ部13のスイッチ状態を中央演算処理装置8に読み込ませる等の処理を実行する。
モータ制御割り込み処理は、メイン処理のうちのスキャン処理の実行中に、パルスモータ制御のための駆動速度や、目標レンズ位置AFfpのパラメータのセット後に許可される。
このモータ制御割り込み処理は、その割り込み処理開始以降に、パルスモータの制御相に対応する駆動タイミングで割り込みが発生して、このタイミングで処理される。このモータ制御割り込み処理では、駆動パラメータがチェックされ、駆動パラメータの変更があったときに、その駆動パラメータの変更に対応する制御に切り替えられる。
モニタリング処理実行中、デジタルスチルカメラプロセッサ部5は撮像素子3により得られた撮像信号を表示部12(図4参照)に向かって出力する。これにより、表示部12の液晶表示ディスプレイにスルー画像(動画)が表示される。
このモニタリング処理によって、スルー画像が適正な色合い、明るさに保たれる。なお、このモニタリング処理は、例えば、20ms毎の定期的タイマー割り込み処理によって実行される。
S.3において、シャッタボタンの第1段スイッチSW1がオンすると、中央演算処理装置8はモニタリング停止処理を実行後(S.4)、露出値評価処理(AE処理)を実行する(S.5)。AE処理(S.5)では、露光量評価値が取得され、撮像素子3の露光時間が設定されると共に、オートゲインコントロール(AGC)の増幅率が設定される。
中央演算処理装置8は、この測距センサ14による測距結果に基づき調整値を参照して目標レンズ位置AFfpを算出する。
また、ここでは、フォーカスレンズfLの駆動により焦点評価値FVを取得するためのスキャン処理の実行によるフォーカスレンズfLのスキャン範囲(光軸方向の駆動範囲)は、目標レンズ位置AFfpに基づき、この目標レンズ位置AFfpの近傍をスキャンすることにする。
というのは、目標レンズ位置AFfpの近傍のレンズ位置fpをスキャンすることにより、迅速に最適合焦レンズ位置fbp付近にフォーカスレンズfLを位置させることができるからである。
なお、以下の説明では、焦点評価値取得用の取得開始レンズ位置、取得途中レンズ位置、取得最終レンズ位置としてのレンズ位置fpを、符号fsp’、fp’、fep’又は取得レンズ位置fp’と表記して図面に示すことにする。
なお、既述の通り、目標レンズ位置AFfpは、測距センサ14により得られた測距値に基づき求めたレンズ位置fpであり、最適合焦レンズ位置fbpとは、山形形状の特性曲線MOのピーク値FVpにより求められたレンズ位置fpである。
中央演算処理装置8は、焦点評価値取得用のレンズ位置fp’を決定する配列Scfp[]をセットする。その配列Scfp[]の配列番号を示す要素数は適宜変更できるものとする。ここでは、要素数nは100個とする。
配列Scfp[]には、レンズ位置fp’が順次格納される。この配列Scfp[]には、フォーカスレンズfLの現在レンズ位置frpに基づき、取得開始レンズ位置fsp’、取得最終レンズ位置fep’を含めてこの途中に存在する焦点評価値取得用の途中レンズ位置fp’が格納される。
ここでは、最大配列番号の配列Scfp[]に取得開始レンズ位置fsp’が格納され、最小配列番号の配列Scfp[0]に焦点評価値取得用の取得最終レンズ位置fep’が格納されるものとする。
目標レンズ位置AFfp近傍に、最適合焦レンズ位置fbpが存在する可能性が高いからである。
尚、取得最終レンズ位置fep’は、取得した焦点評価値の特性から、後述する処理中に変更できるものとする。
ついで、配列Scfp[0]に取得最終レンズ位置fep’を格納する(S.22)。すなわち、配列Scfp[0]に「AFfp」を格納する。ここでは、目標レンズ位置AFfpは109と仮定しているので、取得最終レンズ位置fep’は「109」である。
フォーカスレンズfLの現在レンズ位置frpが現時点で配列Scfp[n]に格納されている取得レンズ位置fp’よりも小さい場合には、NOと判定して、nが2よりも小さいか否かを判定する(S.25)。
この場合、スキャンに用いられる配列Scfp[n]はScfp[0]=AFfp=109と、Scfp[1]=AFfp−2=107と、Scfp[2]=AFfp−3=106の3個である。
ここでは、変数n=2であったので、変数nはn=3にセットされ、Scfp[3]=Scfp[2]−4=105−4=101の処理が実行される。つまり、前回得られた取得レンズ位置fp’は「105」であったので、配列Scfp[3]には今回「101」が格納される。
ここで、4パルス間隔毎の取得レンズ位置fp’で焦点評価値FVを取得することにしたのは、迅速にフォーカスレンズfLを最適合焦レンズ位置fbpに近づけるためである。
例えば、フォーカスレンズfLの現在レンズ位置frpがfrp=95であると仮定すると、今回得られた取得レンズ位置fp’はfp’=101であったので、S.28において、フォーカスレンズfLの現在レンズ位置frp=95が今回得られたレンズ位置fp’=101よりも小さい(NO)と判定される。
ここでは、変数nはn=3であったので、YESと判定され、S.27に戻り、変数n+1を変数nにセットし、Scfp[n]=Scfp[n−1]−4の処理を行なう。これにより、配列Scfp[4]=Scfp[3]−4=97が格納される。
今回得られたレンズ位置fp’はfp’=97であったので、S.28において、フォーカスレンズfLの現在レンズ位置frp=95は今回得られたレンズ位置fp’=97よりも小さい(NO)と再び判定される。
中央演算処理装置8は、現在レンズ位置frpは「95」であり、現時点で配列Scfp[5]に格納されている今回得られた取得レンズ位置fp’は「93」であるので、S.28において、フォーカスレンズfLの現在レンズ位置frp=95が今回得られたレンズ位置fp’=93よりも大きい(YES)と判定する。
これにより、現在レンズ位置frpが目標レンズ位置AFfpに対して小さい場合には、レンズ位置fpの数値が大きい方向から小さい方向に向かって各取得レンズ位置fp’が決定される。
中央演算処理装置8は、この焦点評価値取得タイミング決定処理(S.7)の実行後、実際にフォーカスレンズfLの駆動により焦点評価値FVを取得するスキャン処理(図6のS.8)を実行する。
スキャン処理には、スキャンモード判定メモリCCDAFmodeが準備されると共に、フラグ「1」とフラグ「2」とフラグ「3」とが準備されている。フラグ「1」は合焦予測スキャンモードを意味し、フラグ「2」は従来のピーク値スキャンモードを意味し、フラグ「3」は所定位置モードを意味する。このフラグ、「2」、「3」のセットについては後述する。
中央演算処理装置8は、メイン処理の実行中にスキャン処理(S.8)に入ると、図9に示すように、CCDAFmode=1に設定する(S.31)。
ついで、中央演算処理装置8は、スキャンモード判定メモリCCDAFmodeの判定を行い(S.34)、CCDAFmode=1のときには、S.36の焦点深度判定の処理を行い、その時のレンズの位置(予測合焦レンズ位置fp”として演算により求めたレンズ位置fp)、すなわち、求めた予測合焦レンズ位置fp”が焦点深度範囲内かを算出し、S.37において焦点深度範囲外ならレンズ位置移動必要と判断し、S.38に移行して予測合焦レンズ位置fp”までレンズ位置を移動させる。
S.34において、CCDAFmodeが「1」以外の場合は、S.35に移行して、CCDAFmodeが「2」であるか、又は「3」であるかを判定する。
中央演算処理装置8は、CCDAFmode=2のときには、行き過ぎ戻し制御処理(S.39)を実行した後、スイッチ状態判定処理に移行する(図6のS.9参照)。
また、CCDAFmode=3のときには、所定位置駆動制御(S.40)を実行した後、スイッチ状態判定処理に移行する(図6のS.9参照)。
これらの処理S.34、S.35及びS.39、S.40の詳細な説明は後述する。
その図10にはモータ制御によるフォーカスレンズfLのレンズ位置fpと垂直同期信号VSと露出タイミングと焦点評価値生成タイミングと評価値割り込みタイミングとの関係が示されている。
Scfp[0]=fep’=109
Scfp[1]=fp’=107
Scfp[2]=fp’=105
Scfp[3]=fp’=101
Scfp[4]=fsp’=97
図9に示すスキャン開始処理(S.32)では、現在レンズ位置frp=95において、パルスモータの初期励磁に要する初期励磁時間t0が必要である。
また、パルモータの駆動速度を決定するため、4パルス毎に垂直同期信号VSが得られる時間、2パルス毎に垂直同期信号VSが得られる時間も必要である。
そこで、中央演算処理装置8は、初期励磁時間t0と垂直同期信号VSが得られる時間とを考慮して、各レンズ位置fpにおいて焦点評価値FVが得られるようなタイミングを計算して、垂直同期信号VSに同期するタイミングで初期励磁後の割り込みタイマーを設定する。
モータ制御割り込み処理は、初期励磁時間t0で割り込みが発生し、その後、駆動速度に準じた時間間隔でタイマー割り込みが発生する。パルスモータはこれにより1パルスずつ駆動される。なお、モータ制御割り込み処理は、この割り込み毎に、他の処理によりセットされた駆動パラメータを参照し直す。これにより、適宜パルスモータの駆動速度、最終的に停止させるべき取得最終レンズ位置fep’を適切に切り替える。
デジタルスチルカメラプロセッサ部5は、パルスモータ駆動処理中に、撮像信号の水平走査方向のデジタル画素データの輝度データに対して、−1/2、1、1/2の3タップデジタルフィルタ処理を行って、高周波成分を検出する。
デジタルスチルカメラプロセッサ部5は、このフィルタ処理により得られた出力値を、液晶表示ディスプレイ(図示を略す)の画面の中央1/4の面積を占有する画素分にわたって積算することにより求める。
まず最初に、S.401で生成された焦点評価値を取得する。
ついで、S.402で後述する予測処理を行い、予測OKの場合(予測処理で予測合焦レンズ位置fp”が求められた場合)、S.420に移行して、現在のレンズ位置frpと予測合焦レンズ位置fp”を比較し、現在のレンズ位置frpが予測合焦レンズ位置fp”を超えていない場合、S.421に移行してレンズ停止の目標位置を予測合焦レンズ位置fp”へ切替え、S.422に移行して、評価値割り込み禁止処理をして、この評価値割り込み処理を抜け、S.33の処理に戻る。
評価値割りこみが禁止された以降は、レンズの駆動制御が終了すると、図9のS.33のスキャン処理停止待ちループを抜ける。
以下、予測NGの繰り返しとなった場合について説明を続ける。
S.405において、現在レンズ位置frpがScfp[2]に格納されている取得レンズ位置fp’でないときには、NOと判定される。
これにより、4パルス間隔での焦点評価値FVの取得が実行され、Scfp[4]、Scfp[3]、Scfp[2]に格納されている取得開始レンズ位置fsp’=97、途中取得レンズ位置fp’=101、fp’=105おける焦点評価値FVが取得される。
S.405においては、現在レンズ位置frpはfrp=107であり、Scfp[2]に格納されている取得レンズ位置fp’=105ではないので、NOと判定されてS.406に進む。
これにより、フォーカスレンズfLの現在レンズ位置frpが変更され、現在レンズ位置frpがfrp=107からfrp=109となる。これにより、配列Scfp[0]に格納されている取得最終レンズ位置fep’における焦点評価値FVが取得される。
S.406では、現在レンズ位置frpとScfp[0]の値とを比較して、いまだ、Scfp[0]の値に達していない場合は、図9のS.33の処理に戻る。
Scfp[0]を5回更新しても予測処理でOKにならない時は、S.411に移行して、レンズ駆動を停止するするようにパルスモータの駆動パラメータが切り替えられ、ついで、S.412において、CCDAFmode=3にセットされ、S.413に移行して評価値割り込み処理禁止処理をする。評価値割り込みが禁止された以降は、レンズの駆動制御が終了すると、図9のS.33のスキャン処理停止待ちループを抜ける。
また、所定レンズ位置は、自動焦点検出ができなかった場合に採用するもので、撮影装置のズーム位置等で予め決められているレンズ位置である。
また、CCDAFmode=2の場合、スキャン処理中に合焦予測スキャンモードが解除され、焦点評価値FVのピーク値FVpを超えたレンズ位置fpにフォーカスレンズfLが存在すると判定する。
CCDAFmode=3の場合は、S.40において、フォーカスレンズfLは予め決めたレンズ位置へ駆動制御される。
垂直同期信号VS毎に撮像素子3が露出され、現在の垂直同期号VSが発生してから次回の垂直同期信号VSが発生するまでの転送期間において、撮像素子3のデータ転送処理と焦点評価値生成タイミング処理と焦点評価値割り込み処理とが行われる。
Scfp[0]=fep’=109
Scfp[1]=fp’=107
Scfp[2]=fp’=105
Scfp[3]=fp’=101
Scfp[4]=fsp’=97
この焦点評価値FVの生成タイミングに同期して図11に示す評価値割り込み処理が行われる。
図12は、スキャン処理によりスキャンしたときのレンズ位置fpと焦点評価値FVとの関係を示すグラフである。ここで、レンズ位置fpは、現在レンズ位置frp、取得開始レンズ位置fsp’、取得最終レンズ位置fep’、この取得開始レンズ位置fsp’と取得最終レンズ位置fep’との間に存在する途中の取得レンズ位置fp’、目標レンズ位置AFfp、最適合焦レンズ位置fbp、予測合焦レンズ位置fp”を含む意味で使用されている。
測距センサ14により得られたデジタルスチルカメラから被写体までの測距結果に基づくレンズ位置fp(目標レンズ位置AFfp)は、既述の通り、AFfp=109である。
測距センサ14による測距精度は、例えば、三角測距方式の場合、基線長とオートフォーカス(AF)光学系の焦点距離により決まる固定精度である。このため、望遠レンズ等に対して測距精度が不十分である。
例えば、レンズ位置fpに換算して、測距誤差が例えば8パルスに相当する程度とすると、この測距誤差による余裕を見込んで、例えば、10パルス程度に設定して、最適合焦レンズ位置fbpを探索するのが効率的である。
ついで、再度、パルスモータを励磁して、この戻しレンズ位置fqpから最適合焦レンズ位置fbpに向かってA1方向にフォーカスレンズfLを駆動させることになる。
まず、垂直同期信号VSの間隔は16msとする。焦点評価値FVを1回取得するのに要する時間は、図10に示すように、ここでは、最大16msである。図13に示すように、現在レンズ位置frp=100から取得最終レンズ位置fep’=124までの間に4パルス間隔で焦点評価値FVが7回取得される。
この場合、フォーカスレンズfLを取得最終レンズ位置fep’=124から戻し合焦レンズ位置fqp=106にまで戻すのに要する時間は、18パルス×2ms=36msである。停止励磁時間t0は10msである。
従って、現在レンズ位置frp100から合焦完了までに要する時間は、合計194msである。
fsp’=101
fp’=105
fp’=107
fep’=109
fsp’=101のとき、焦点評価値FV=1179、fp’=105のとき、焦点評価値FV=2073、fp’=107のとき、焦点評価値FV=2427、fep’=109のとき、焦点評価値FV=2703であり、図13にはその各取得レンズ位置fp’とその位置で取得された焦点評価値FVとが掲載されている。
図13に示すAF評価値の「傾き」の項目欄に示す通りに、取得レンズ位置fp’=105における焦点評価値FV=2073と、そのひとつ前のfp’=101のFV=1179とにより、4パルスおきの差分値「894」を算出して、さらに、レンズ位置fpを2間隔に正規化する意味で、「894」を「2」で徐して、仮想的にfp’=103における傾き値「894」/2=「447」を得る。
予測処理は、上述のように求めた傾きで、「447」、「354」、「276」で連続2回下降した場合で、かつ、その2データ「354」、「276」を用いて合焦予測処理を行う。
ここで、下降二データの下降率を、下降二つめのデータ/下降ひとつめのデータ×100%と定義する。本例では、「276」/「354」×100=78(%)である。
この下降率に基づき、直線補間式で求めたfpを補正する。
補正入力値は、傾きの下降率であり、補正出力値は、評価値取得パルス間隔数に対する補正率である。下降率が0%の場合は、下降二つ目の傾きはほぼゼロであり、下降一つ目及び下降二つ目のデータで直線補間で求めたレンズ位置は、傾きゼロ、つまり、評価値の山形特性のピークを示しており、それに対する補正はゼロである。
この例では、下降率は78%で、図15に示す補正率特性曲線に基づき、補正率は−60(%)である。
−0.6×2=−1.2パルスであり、
直線補間で求めたレンズ位置115を補正して、
「115」― 1.2 = 113.8が得られる。
以上により、予測合焦レンズ位置fp”=114となり、最適合焦レンズ位置fbpに一致する値を得ることができる。
図9において、スキャン終了後で、CCDAFmodeが「1」の場合に、焦点深度判定を実施する。
もし、レンズの停止した位置が、予測合焦レンズ位置に対してピントが合って見える焦点深度範囲内であれば、レンズの移動は必要はなく、S.37の移動判定で、移動は不要と判定される。
取得開始レンズ位置fsp’=101から取得レンズ位置fp’=105までの間に合計2回焦点評価値FVを取得する。焦点評価値FVを1回取得するのに要する時間は、最大16msであるから、取得開始レンズ位置fsp’=101から取得レンズ位置fp’=105までの間に焦点評価値FVを取得するのに要する時間は、2×16ms=32msである。
以上、合焦完了後は、図6のメイン処理に戻って、S.9に移行し、スイッチ状態判定処理が実行され、第1段スイッチSW1がオンのときには、S.10に移行し、第2段スイッチSW2がオンのときにはS.11に移行する。
S.11においては、撮影が実行されて、静止画記録処理が行われた後、S.1に戻ってメイン処理が続行される。
この実施例では、焦点評価値生成手段が被写体に対する合焦レンズ位置を決定するためにフォーカスレンズを通じて撮像された撮像データに基づいて焦点評価値を生成し、目標レンズ位置決定手段がフォーカスレンズを駆動して合焦動作を行う際に目標となる目標レンズ位置を決定し、焦点評価値取得タイミング決定手段がフォーカスレンズの現在レンズ位置から目標レンズ位置が存在する方向に焦点評価値を取得する複数の取得レンズ位置を決定し、スキャン手段が各取得レンズ位置で焦点評価値を取得するために現在レンズ位置から目標レンズ位置が存在する方向にフォーカスレンズを光軸方向に駆動し、予測合焦レンズ位置決定手段が焦点評価値に基づいて合焦レンズ位置を予測し、予測合焦レンズ位置が決定されると、移動手段がスキャン手段によるフォーカスレンズの駆動を中止し、フォーカスレンズを、前記スキャン手段によるレンズの駆動方向と同じ方向に駆動して予測合焦レンズ位置まで移動させる。
また、予測合焦レンズ位置決定手段が、予測した合焦レンズ位置を傾きから求めた下降率に基づいて補正し、補正後の合焦レンズ位置を前記予測合焦レンズ位置として決定する。
一般的に、予測合焦レンズ位置fp”と目標レンズ位置AFfpとの差が大きい場合には、被写体に対するフォーカスレンズfLの合焦精度が低いと考えられる。
従って、予測合焦レンズ位置fp”の精度が劣化する。その結果、被写体に対するフォーカスレンズfLの合焦精度が低下する。
更に、測距センサ14そのものの測距精度が低い場合も考えられる。測距センサ14による目標レンズ位置AFfpを基準にして、各取得レンズ位置fp’を決定しているから、基準そのものの信頼度が低い場合には、最終的に得られる予測合焦レンズ位置fp”の信頼度が低いものとなる。
中央演算処理装置8は、評価値割り込み処理に入ると、S.500で評価値取り込みを行い、スキャンモードCCDAFmodeがCCDAFmode=1であるか否かを判断する(S.51)。
CCDAFmode=1の場合、S502において、予測結果がNGの場合は、配列Scfp[3]に格納されている取得レンズ位置fp’おける焦点評価値FVが得られるまで、S.51〜S54の処理が繰り返される。
評価値割りこみが禁止された以降は、レンズの駆動制御が終了すると、図9のS.33のスキャン処理停止待ちループを抜ける。
すなわち、配列Scfp[3]に格納されている取得レンズ位置fp’における焦点評価値FVが所定値に等しいかこれよりも大きいときにはNOと判定されて、図9のS.33の処理に戻る。
フォーカスレンズfLの現在レンズ位置frpが配列Scfp[2]に格納されているレンズ位置fp’であるときには、S.52においてNOと判定され、S.53に移行する。
S.56においては、4パルス間隔の焦点評価値FVの取得処理から2パルス間隔の焦点評価値FVの取得処理への切り替え処理が行われる。そして、スキャン処理に戻る。
S.54において、現在レンズ位置frpがScfp[0]の値と同じ場合は、それまでに、S.502において、予測処理の結果もいまだOKになっていないので、Scfp[0]の値に、新たに「+2」を加えた値にScfp[0]を更新する(S.507)。ついで、S.508に移行し、スキャン処理開始時にゼロにしたov値(図示を略す)を「+1」にセットする。
ついで、S.62に移行して、前回の取得レンズ位置fp’において取得した焦点評価値FVに対して今回の取得レンズ位置fp’で取得した焦点評価値FVが小さいか否かを判断する。
その後、中央演算処理装置8は停止切り替え処理を実行する(S.64)。これにより、一旦、パルスモータが停止され、評価値割り込み禁止処理が実行され(S.65)、図9に示すスキャン処理に戻る。
このS.51、S59〜S.62の処理は、予測合焦レンズ位置fp”の信頼度が低いときの処理に対応している。
以上の実施例では、目標位置決定手段としての測距センサを用いて得られた目標レンズ位置AFfpを基準にして、焦点評価値FVの取得タイミングを決定することにして説明したが、測距結果に対応するレンズ位置fpを目標レンズ位置AFfpとして使用する場合以外に、デジタルスチルカメラの使用者が手動で指定手段により指定した距離あるいはレンズ位置を目標レンズ位置AFfpとして使用する場合にも、本発明を適用可能である。
5…デジタルスチルカメラプロセッサ部(焦点評価値生成手段)
6…ドライバ部(スキャン手段)
8…中央演算処理装置(焦点評価値取得タイミング決定手段、予測合焦レンズ位置決定手段、移動手段)
14…測距センサ(目標レンズ位置決定手段)
Claims (13)
- 被写体に対する合焦レンズ位置を決定するためにフォーカスレンズを通じて撮像された撮像データに基づいて焦点評価値を生成する焦点評価値生成手段と、
前記フォーカスレンズを駆動して合焦動作を行う際に目標となる目標レンズ位置を決定する目標レンズ位置決定手段と、
前記フォーカスレンズの現在レンズ位置から前記目標レンズ位置が存在する方向に前記焦点評価値を取得する複数の取得レンズ位置を決定する焦点評価値取得タイミング決定手段と、
前記各取得レンズ位置で前記焦点評価値を取得するために前記現在レンズ位置から前記目標レンズ位置が存在する方向に前記フォーカスレンズを光軸方向に駆動するスキャン手段と、
取得された前記焦点評価値に基づいて合焦レンズ位置を予測し、予測合焦レンズ位置を決定する予測合焦レンズ位置決定手段と、
前記予測合焦レンズ位置が決定されると、前記スキャン手段によるフォーカスレンズの駆動を中止し、前記フォーカスレンズを、前記スキャン手段によるレンズの駆動方向と同じ方向に駆動して前記予測合焦レンズ位置まで移動させる移動手段とを備え、
前記予測合焦レンズ位置決定手段は、取得された前記焦点評価値に基づき算出される、前記フォーカスレンズのレンズ位置に対応する焦点評価値により形成される山形形状の特性曲線の傾きが、連続して少なくとも2回下降した場合に、前記傾きから前記合焦レンズ位置を予測すると共に、前記予測した合焦レンズ位置を前記傾きから求めた下降率に基づいて補正し、補正後の合焦レンズ位置を前記予測合焦レンズ位置として決定することを特徴とする自動合焦制御装置。 - 前記予測合焦レンズ位置決定手段は、前記フォーカスレンズを前記現在レンズ位置から前記目標レンズ位置に向かってのスキャン中に、前記目標レンズ位置を超えるまで駆動させるか否かを判定する判定手段を備え、
前記スキャン手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて前記焦点評価値取得タイミング決定手段により決定された取得レンズ位置にフォーカスレンズを駆動するモードから、前記目標レンズ位置を超えて前記焦点評価値を取得するモードに切り替えられることを特徴とする請求項1に記載の自動合焦制御装置。 - 前記目標レンズ位置決定手段は、前記フォーカスレンズから前記被写体までの距離を設定して設定された距離に対応して前記目標レンズ位置を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動合焦制御装置。
- 前記目標レンズ位置決定手段は、前記被写体までの距離を測距する測距センサであることを特徴とする請求項3に記載の自動合焦制御装置。
- 前記目標レンズ位置決定手段は、前記被写体までの距離を手動により指定する指定手段であることを特徴とする請求項3に記載の自動合焦制御装置。
- 前記目標レンズ位置決定手段は、前記被写体に対するデフォーカス量に基づき前記被写体までの距離を測距する測距センサであることを特徴とする請求項3に記載の自動合焦制御装置。
- 前記焦点評価値取得タイミング決定手段は、前記各取得レンズ位置のうち互いに隣接する取得レンズ位置の間隔が前記目標レンズ位置に近づくに伴って小さくなるように前記取得レンズ位置を決定することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の自動合焦制御装置。
- 前記焦点評価値取得タイミング決定手段は、前記現在レンズ位置が前記目標レンズ位置に対して小さい場合には、前記合焦レンズ位置の数値が大きい方向から小さい方向に向かって前記各取得レンズ位置を決定することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自動合焦制御装置。
- 前記焦点評価値取得タイミング決定手段は、前記現在レンズ位置が前記目標レンズ位置に対して大きい場合には、前記合焦レンズ位置の数値が小さい方向から大きい方向に向かって前記各取得レンズ位置を決定することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自動合焦制御装置。
- 前記焦点評価値取得タイミング決定手段は、前記取得レンズ位置に対応する取得時間を決定することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自動合焦制御装置。
- 前記スキャン手段による前記フォーカスレンズの前記現在レンズ位置から前記目標レンズ位置が存在する方向に駆動する方向が、メカニカル駆動機構に基づくバックラッシュの存在しない方向に対応していることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の自動合焦制御装置。
- 請求項1に記載の自動合焦制御装置を有する電子撮像装置。
- 請求項1に記載の自動合焦制御装置を有するデジタルスチルカメラ。
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