JP5444720B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクタに関する。
プロジェクタで画像を投影するとき、投影面に模様や反射率のムラがある場合、プロジェクタに照明ムラがある場合、または投影画像に対して周囲の照明環境の影響が無視できない場合がある。このような場合、投影面の模様やムラなどが投影画像に重なるため、投影画像は正確に表示されない。このような模様の影響などを相殺して投影画像を正確に表示するために、所定の投影画像を投影した投影面を撮影し、撮影画像の投影面内における各画素の最小輝度の中の最大値と、各画素の最大輝度の中の最小値との間に投影画像のダイナミックレンジが収まるように投影画像を補正する技術が特許文献1に開示されている。
特開2004−158941号公報
しかしながら、投影面の投影画像を見てユーザが視認性を判断することになるので、事前に投影面が画像の投影に適しているか否かを評価できない。
(1)請求項1の発明のプロジェクタは、投影画像を投影する投影手段と、投影手段により所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像に基づいて、投影面が投影に適しているか否かを判定する判定手段と、判定手段で判定した結果をユーザに通知する判定通知手段とを備えるプロジェクタであって、判定手段は、撮影画像の画素の中から、撮影画像の中の最大輝度値と所定の反射率閾値とを乗算した値より小さい輝度を有する画素を抽出し、撮影画像の画素に対する抽出された画素の割合が所定割合未満である場合、投影面が投影に適していると判定することを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、投影画像を投影する投影手段と、投影手段により所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像に基づいて、投影面が投影に適しているか否かを判定する判定手段と、判定手段で判定した結果をユーザに通知する判定通知手段とを備えるプロジェクタであって、判定手段は、複数の予め定めた反射率閾値Ri(i=1,2,・・・,N)と画素割合閾値Ci(i=1,2,・・・,N)とを用いて、撮影画像の画素の中から、撮影画像の中の最大輝度値と反射率閾値Riとを乗算した値より小さい輝度を有する画素を抽出し、撮影画像の画素に対する抽出された画素の割合が画素割合閾値Ci未満である条件を、i=1,2,・・・、Nについて全て満たす場合、投影面が投影に適していると判定し、i=jのときの反射率閾値Rjは、i=j+1のときの反射率閾値Rj+1より小さく(j=1,2,・・・,N−1)、i=jのときの画素割合閾値Cjは、i=j+1のときの画素割合閾値Cj+1より小さい(j=1,2,・・・,N−1)ことを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、投影画像を投影する投影手段と、投影手段により所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像に基づいて、投影面が投影に適しているか否かを判定する判定手段と、判定手段で判定した結果をユーザに通知する判定通知手段とを備えるプロジェクタであって、判定手段は、撮影画像の画素の中から、撮影画像の中の最大輝度値と、所定の反射率閾値とを乗算した値より小さい輝度を有する連続した複数の画素を抽出し、撮影画像の画素に対する抽出した画素の割合が所定割合未満である場合、投影面が投影に適していると判定することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、投影画像を投影する投影手段と、投影手段により所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像に基づいて、投影面が投影に適しているか否かを判定する判定手段と、判定手段で判定した結果をユーザに通知する判定通知手段とを備えるプロジェクタであって、判定手段は、プロジェクタの画素原色画像を単色毎に投影された投影面を撮影して得られる各撮影画像の画素の中から、各撮影画像の全画素の中の最大輝度値と、所定の反射率閾値とを乗算した値より小さい輝度を有する画素を抽出し、全ての画素原色画像について、撮影画像の画素に対する抽出した画素の割合が所定割合未満である場合、投影面が投影に適していると判定することを特徴とする。
本発明によれば、投影面が投影に適しているか否かを判定し、その判定結果をユーザに通知することができる。
本発明の一実施の形態によるプロジェクタの外観図である。 本発明の実施形態におけるプロジェクタの構成を説明するブロック図である。 画像処理部で行う画像処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態における投影面判断処理を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態における投影面判断処理を説明するためのフローチャートである。 投影画像を補正する補正量を緩和するとき第2の実施形態の投影面判断処理を説明するためのフローチャートである。 複数のR*_min_thおよびC_thの組み合わせに基づく第3の実施形態の投影面判断処理を説明するためのフローチャートである。 連続した画素に基づく第4の実施形態の投影面判断処理を説明するためのフローチャートである。 投影面の彩度に基づく第5の実施形態の投影面判断処理を説明するためのフローチャートである。 図9の処理に続くフローチャートである。 図10の処理に続くフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態における画像処理を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための一実施形態について説明する。本発明によるプロジェクタは、投影面の状態に応じて投影画像の見栄えや視認性を向上させるため、投影面に投影するために使用する入力画像を補正するものである。そして、投影に先だって、投影面上に投影された画像を撮影し、その撮影画像に基づいて、投影面が投影に適切か否かを判定し、ユーザに報知するようにしたものである。
−第1の実施の形態−
図1は、本発明の実施形態によるプロジェクタ1を前方から見た図である。図1に示すように、プロジェクタ1の正面には、投影光学系111(図2参照)を構成する投影レンズ111Aと、撮像光学系121(図2参照)を構成する撮影レンズ121Aが設けられている。プロジェクタ1は、机上などに載置された状態で前方のスクリーンなどに向けて、内蔵する投射ユニット110(図2参照)によって画像などの投影情報を投影する。
図2は、プロジェクタ1の構成を説明するブロック図である。図2においてプロジェクタ1は、投射ユニット110と、撮像ユニット120と、制御回路101と、メモリ102と、操作部103と、外部インターフェイス(I/F)回路104と、メモリカードインターフェイス(I/F)105とを備え、メモリカードインターフェイス105にはメモリカード150が接続される。
制御回路101は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなる。制御回路101は、制御プログラムに基づいて、プロジェクタ内各部から入力される信号を用いて所定の演算を行う。そして、制御回路101は、演算結果を制御信号としてプロジェクタ内各部に送出し、プロジェクタ1の投影動作および撮影動作を制御する。なお、制御プログラムは制御回路101内の不図示のROMに格納される。
制御回路101は画像処理部101Aを有する。画像処理部101Aでは、外部インターフェイス104を介して取得した画像データまたはメモリカード150より取得した画像データに対して画像処理を行う。画像処理部101Aで行う画像処理の詳細については後述する。
メモリ102は制御回路101の作業用メモリとして使用される。操作部103はボタンやスイッチなどで構成され、操作されたボタンやスイッチに対応する操作信号を制御回路101へ送出する。メモリカード150は、制御回路101の指示によりデータの書き込み、保存および読み出しが可能である。
投射ユニット110は、投影光学系111、液晶パネル112、LED光源113、および投射制御回路114を含む。LED光源113は、供給電流に応じた明るさで液晶パネル112を照明する。液晶パネル112は、投射制御回路114からの駆動信号に応じて光像を生成する。投影光学系111は、液晶パネル112から射出される光像を投射する。投射制御回路114は、制御回路101からの指示により、LED光源113および液晶パネル112へ制御信号を送出する。
投射ユニット110は、メモリカード150内に保存されている画像データの他、外部インターフェイス回路104を介して外部機器から供給される画像データによる画像を投影可能に構成され、制御回路101から指示された画像を投影する。メモリカード150内に保存されている画像データの画像、または、外部インターフェイス回路104を介して外部機器から供給される画像データの画像を、以下、投影原画像と呼ぶ。
撮像ユニット120は撮像光学系121、撮像素子122および撮像制御回路123を有し、制御回路101からの指示に応じて投影面の撮像を行う。撮像光学系121は、撮像素子122の撮像面上に被写体像を結像させる。撮像素子122としては、CCDやCMOS撮像素子などが用いられる。撮像制御回路123は、制御回路101からの指示により撮像素子122を駆動制御するとともに、撮像素子122から出力される画像信号に対して所定の信号処理を行う。
制御回路101の画像処理部101Aで行われる画像処理を説明する。本発明の実施形態の画像処理では、投影原画像を投影面に投射したときに投影面の模様や汚れが目立たなくなるように、撮像ユニット120により撮影した投影面の画像に基づいて、投影原画像の色補正を行う。また、画像処理部101Aは、投射光学系111の光軸と撮像光学系121の光軸とが一致していないことによる投影画像の歪や、投影光学系111の光軸が投影面に対して垂直でないことに起因する投影画像のあおりや歪に対する補正も行うことができる。本発明の実施形態の画像処理は、上述の色補正に特徴を有するので、色補正について主に説明する。
図3のフローチャートを参照して、画像処理部101Aで行う画像処理について説明する。図3の処理は、プロジェクタ1が、投影を開始するための処理を開始するとスタートするプログラムにより画像処理部101Aにおいて実行される。
ステップS1では、投影原画像の幾何補正を行うための幾何補正係数を算出する。幾何補正とは、投射ユニット110の光学系光軸と、撮像ユニット120の光学系光軸とが一致していないことによる投影画像の歪や、投射ユニット110の光学系光軸が投射面に対して垂直でないことに起因する投影画像のあおり、歪などを解消するための補正である。幾何補正係数の算出方法は従来技術であるので、説明を省略する。
ここで、制御回路101の画像処理部101Aは、投影原画像の画像数がプロジェクタ1の解像度に一致するように補間処理を行う。さらに、画像処理部101Aは、撮像ユニット120により撮影された画像を、プロジェクタ1の解像度と一致するように補間処理を行う。この補間処理を行った撮影画像を使用して上述の補間処理を行った投影原画像を以下のように補正し、補正した画像を投影するものとする。投影画像の画素と撮影画像の画素との間の対応関係を明確にし、処理速度を速くするためである。
ステップS2では、投射ユニット110の投影特性の算出を行う。投影特性とは、入力画像の画素値(R,G,B)と、投影面で再現される投影画像の測色値(X,Y,Z)との間の関係を示す特性である。換言すると、投影特性とは、投影面に投影されるべき投影原画像と、この投影原画像が投影された投影面を撮影した撮影画像との関係を表す特性である。測色値は、投射ユニット110の照明ムラ、投影面の色や模様、周囲照明による投影面の明るさに影響を受ける。そこで、投射ユニット110から、既知の画素値(R,G,B)で表される所定の投影画像(後述するように、黒画像、R画像、G画像、B画像)をそれぞれ投影して投影面上の投影画像を撮影ユニット120で撮影し、撮影した画像から測色値(X,Y,Z)を検出して投影特性を算出する。そして、投影特性に基づいて決定する補正係数により入力画像を補正して投影することにより、投射ユニット110の照明ムラ、投影面の色や模様、周囲照明による投影面の明るさに依存することなく、入力画像の見た目が近くなるより表現された投影画像を鑑賞することができる。投影特性の具体的な処理については後述する。
ステップS3は、投影画像の補正係数を決定する。すなわち、ステップS2で得られた投影特性を用いて、投影面の状態や周囲照明環境等に影響されることなく投影画像が入力画像(投影原画像)を再現するように、入力画像に施す補正係数を決定する。投射ユニット110から投影された前述の既知の画素値の所定の投影画像を撮影ユニット120で撮影し、撮影した画像を解析して投影画像の補正係数を決定する。この補正係数が投影原画像の補正量となる。この処理の詳細についても後述する。
ステップS4は、投影面が投影に適切であるか否かの投影面判断を行う。この処理の詳細についても後述する。
ステップS5では、投影原画像の画像データを、外部インターフェイス回路104を介して、またはメモリカード150より読み込み、メモリ102に記憶する。ステップS6では、ステップS3で決定した補正係数で、ステップS5で読み込んだ投影原画像データを補正する。ステップS7では、ステップS6で補正した投影原画像データをアナログ変換し、投影画像を投影する。
ステップS8では、次に投影する投影原画像データがあるか否かを判定する。次に投影する投影原画像データがある場合はステップS8が肯定判定され、ステップS5に戻る。次に投影する投影原画像データがない場合はステップS8が否定判定され、処理を終了する。
次に、ステップS2、S3、S4,S6について、さらに詳細に説明する。
−投影特性の算出−
ステップS2で行う投影特性の算出について説明する。
i番目の画素値が(R,G,B)で与えられる入力画像データにより投影画像を生成して投射ユニット110で投影したとき、i番目の画素値に対応する投影面の測色値(X,Y,Z)は以下の(1)式で表される。
Figure 0005444720
ただし、
Figure 0005444720
ここで、γは投射ユニット110の階調特性を表す。Mpiは、投射ユニット110の画素値(Rγ,Gγ,Bγから投射ユニット110の照明の測色値へ変換する色変換マトリックスを表す。(Xkp,Ykp,Zkpは、投射ユニット110で黒画像を投影した時の周囲照明も含めた投影面の照明条件を表す。R*は、投影面の反射率特性を表す。
なお、添字iは次の意味を有している。この実施の形態のプロジェクタでは、白画像や黒画像など既知の画像を投射して投影面を撮像し、その撮像画像に基づいて、投影面の模様などによる反射率のムラだけではなく、投射ユニット110の照明ムラ、周囲照明や黒点の面内ムラも合わせて補正する。したがって、投影面の各画素領域に異なる投影特性を表現するため、添え字iを使用する。
(1)式において、(X,Y,Z)は、黒画像((R,G,B)=(0,0,0))を投影した時の投影面撮影画像に基づいて決定する。なお、投影面上の投影画像の測色値は、撮影画像の画素値から予め決まった色変換処理を用いることで算出できる。すなわち、撮影画像のプロファイルがsRGBであれば、画素値に対して通常のsRGB変換処理を適用して(X,Y,Zを決定することができる。
同様に、R画像((R,G,B)=(255,0,0))、G画像((R,G,B)=(0,255,0))、およびB画像((R,G,B)=(0,0,255))をそれぞれ投影した投影面を撮影した各撮影画像から、色変換マトリックスMの3×3のマトリックス係数を決定する。具体的には、R画像、G画像およびB画像をそれぞれ投影した投影面の撮像画像(以下、投影面撮影画像と呼ぶ)の測色値をそれぞれ、(X,Y,Z)、(X,Y,Z)および(X,Y,Z)とすると、色変換マトリックスMは以下の(3)式で表される。
Figure 0005444720
−投影画像補正係数の決定−
ステップS3で行う投影画像補正係数の決定について説明する。
投影面にムラ(以後、投影面の反射率のムラや照明ムラを含めて、単に「ムラ」と表現する)や模様がある場合、投影面を撮影して得た撮像画像の画素値は均一ではなく、ムラや模様に応じた画素値となる。換言すると、各画素で最大表示可能な色域は変化する。この実施の形態では、まずこの最大表示可能な色域範囲を決定する。投影面での輝度Yは、(1)式より、
Figure 0005444720
したがって、表示可能な輝度範囲は、(4)式において、0≦R,G,B≦255の範囲で振ったときにYがとり得る範囲で決まる。通常、Y,Y,Y>Yであるから、各画素の表示可能な輝度範囲は、白画像((R,G,B)=(255,255,255))を投影したときの表示輝度を表示可能な最大輝度YMAX,i、黒画像を投影したときの表示輝度をYMIN,iとして求めることができる。
ここで、投影面のムラや模様が投影画像の視認性に対する影響を低減するためには、投影面撮影画像の投影面での最大輝度YMAXがMIN(YMAX,i)、最小輝度YMINがMAX(YMIN,i)になるように投影原画像データを補正する必要がある。すなわち、補正対象投影原画像を投影したときの最大輝度YMAXが、白画像投影時の撮影画像を構成する複数画素の中で最小の輝度値MIN(YMAX,i)になるように補正する必要がある。また、補正対象投影原画像を投影したときの最小輝度YMINが、黒画像投影時の撮影画像を構成する複数画素の中で最大の輝度値MAX(YMIN,i)になるように補正する必要がある。
しかし、極端に暗い部分が投影面にある場合などに、上述した補正を全画素に対して行うと、ダイナミックレンジが非常に狭くなり、補正後の投影画像そのものの視認性が悪くなる。そこで、輝度閾値Ythを設定し、投影画像の画素のうち、投影したときの輝度が輝度閾値Ythより低い輝度の画素に対しては、補正量を緩和し、最大輝度YMAXを以下の(5)式のように決定する。
Figure 0005444720
すなわち、最大輝度YMAXをMIN(YMAX,i)まで補正せず、閾値Yth(<MIN(YMAX,i)まで補正することにより、低輝度側の画素値の補正量を抑制する。
−投影面判断−
ステップS4で行う投影面判断の処理は、本発明のメインの処理であるので、具体的な方法は、後述する。
−投影画像の補正−
ステップS6で行う投影画像の補正について説明する。
投影原画像(入力画像)の色空間がsRGBとすれば、投影原画像の画素値(R,G,B)に対して、投影面での測色値(X,Y,Z)は以下のようになればよい。
Figure 0005444720
ここで、黒画像を投影したときの画素の最大輝度、すなわち、YMIN=MAX(YMIN,i)となる画素値を投影画面の黒点(Xk0,Yk0,Zk0)とする。なお、MsRGB→XYZはsRGB色空間からXYZ色空間への変換マトリックスである。
したがって、(1)式を用いて、補正後の投射ユニット110への入力画素値(R,G,B)は、以下の(7)式で算出できる。
Figure 0005444720
(7)式は簡単のため、sRGBのγ=2.2として記述した。しかし、定義どおり線形関数とγ=2.4の組み合わせで算出してもよい。
−投影面判断−
次に、図4を参照して、本発明の実施形態におけるステップS4の投影面判断処理について説明する。図4(a)は、投影面30を説明するための図である。投影面30は、星の模様が付されている壁である。投影画像を投影するに先立って、白画像を投影面30に投影する。投影面30が投影に不適切であると判定すると、図4(b)に示すように、投影面30が不適切であることを示すバツマーク31がプロジェクタ1から投影される。バツマーク31を見たユーザは、投影面が投影に不適切であることを認識する。そして、ユーザは、投影原画像による投影を開始する前に投影面を別の面に移すことができる。
図4(c)は、不適切と判断された投影面に投影画像を投影した場合の投影画像の一例を示す。投影原画像を補正しても投影面上の投影画像32に星マークが重畳表示され、見栄えが悪い。
次に、図5のフローチャートを参照して、制御回路101で行う投影面判断処理について説明する。図5の処理は、プロジェクタ1が、投影を開始するための処理を開始するとスタートするプログラムにより制御回路101において実行される。
ステップS11では、投射ユニット110から白画像((R,G,B)=(255,255,255))を投影面に投影する。ステップS12では、撮像ユニット120で投影面を撮影する。
ステップS13では、撮影画像の画素値RGBから輝度Yを算出する。輝度Yの算出は以下のようにして行う。予め制御回路101に記憶したRGB表色系からXYZ表色系(CIE 1931 表色系)への変換マトリックスを用いて、撮影画像の画素値RGBを、XYZ表色系に変換し、各画素の輝度Yを算出する。なお、変換マトリックスは、撮像ユニット120における撮像素子122の分光特性から決定される。
ステップS14では、撮影画像を構成する複数画素の輝度の中で最大の輝度Y_maxを算出する。ステップS15では、撮影画像全体の画素の中から、輝度YがY_max×R*_min_th>Yの関係を満たす画素を抽出し、抽出した画素の割合、すなわち、撮影画像全体の全画素数に対する抽出した画素数の割合がC_th以上であるか否かを判定する。
ここで、R*_min_thは反射率の閾値であり、次のように定めることができる。すなわち、投影面の反射率が低くなるほど投影原画像データの補正量が多くなる。そして、反射率が所定値以下になると補正しても投影画像の視認性を改善することが難しくなる。そこで、補正により視認性を改善することができる最小の反射率をR*_min_thとして設定する。R*_min_thの値はたとえば0.02である。
また、C_thは、たとえば0%であり、次のように定めることができる。上述したように投影原画像データを補正しても、輝度YがY_max×R*_min_th>Yの関係を満たす画素が多い場合、補正不完全な画素が多くなり、ユーザが投影画像の視認性に対して不満を抱くことになる。したがって、このようなユーザの不満が生じない範囲で上記C_thの値を決定すればよく、たとえばC_thは0%になる。
輝度YがY_max×R*_min_th>Yの関係を満たす画素の割合がC_th未満である場合はステップS15が否定判定され、ステップS16に進む。輝度YがY_max×R*_min_th>Yの関係を満たす画素の割合がC_th以上である場合はステップS15が肯定判定され、ステップS17に進む。
ステップS16では、投射ユニット110から、投影面が投影に適していることを示すマークである投射可マーク(マルマーク)を投影面に投影する。そして、図3のステップS5に進み、上述の方法で補正した画像を投影することになる。ステップS17では、投射ユニット110から、投影面が投影に適していないことを示すマークである投射不可マーク(バツマーク)を投影面に投影する。
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)所定の投影画像、本例では白画像が投影された投影面を撮影して得られる投影面撮影画像に基づいて、投影面が投影に適しているか否かを判定し、その判定結果をユーザに通知するようにした。したがって、投影原画像データを補正しても投影面のムラや模様などによる画質低下を避けられないような投影面で投影を行うのを防止することができる。
(2)投影面撮影画像の全画素の中で最大である輝度Y_maxを検出し、輝度Y_maxに投影面の最小反射率R*_min_thを乗じた基準輝度値を設定する。最大でもこの基準輝度値よりも小さい輝度しか表現できない画素の数、すなわち、輝度YがY_max×R*_min_th>Yの関係を満たす画素の全画素数に対する割合を算出し、その割合が閾値C_th以上であれば投影に適さない投影面であると判定するようにした。換言すると、基準輝度よりも暗い輝度しか最大でも表現できない画素の割合が所定値よりも少ないような投影面は、投影に適していると判断する。これにより、投影面撮影画像を構成する画素の輝度値を用いるだけで投影面が投影に適しているか否かを適切に判定できる。
−第2の実施の形態−
第2の実施形態によるプロジェクタでは、以下の(a)〜(c)の判定基準を採用して、投影面の状態に応じて投影原画像データの補正量を緩和するものである。
(a)投影面を撮影して得た投影面撮影画像の中で基準値よりも輝度が低い画素(以下、低輝度画素と呼ぶ)の割合が所定値よりも少ない場合
(b)投影面撮影画像内の低輝度画素の位置が投影面の周辺の場合
(c)連続する低輝度画素の画素数が少ない場合
すなわち、(a)〜(c)の場合、投影面の低輝度部分が投影面上での投影画像の画質に影響を与えにくいときは、補正量を緩和する。補正は以下の(8),(9)式により行う。
補正後の投射ユニット110への入力画素値(R,G,B)は、YMAX,iの大きさに基づいて、以下の(8),(9)式で算出できる。
(1)YMAX,i≧YMAXを満たす画素i;
Figure 0005444720
(2)YMAX,i<YMAXを満たす画素i;
Figure 0005444720
(8),(9)式は簡単のため、sRGBのγ=2.2として記述した。しかし、定義どおり線形関数とγ=2.4の組み合わせで算出してもよい。
第1の実施の形態のプロジェクタでは、投影面が画像投影に適しているか否かの判断基準として最小反射率R*_min_thと閾値C_thを使用したが、第2の実施形態では、補正量を緩和し、補正過剰による視認性悪化を防ぐことで、第2の判断基準を採用する。
第2の判断基準は、最小反射率R*_min_th1×Y_maxと、第2閾値C_th1との大小関係である。ただし、最小反射率R*_min_th1<最小反射率R*_min_th、閾値C_th1>閾値C_thである。また、最小反射率R*_min_th1はたとえば0.02であり、閾値C_th1はたとえば0.01(1%)である。
次に、図6のフローチャートを参照して、第2の実施の形態による投影面判断処理について説明する。図6の処理は、プロジェクタ1が、投影を開始するための処理を開始するとスタートするプログラムにより制御回路101において実行される。図5の処理と同じ処理には同じ符号を付し、図5の処理と異なる部分を主に説明する。
ステップS14の次にステップS21に進む。ステップS21では、投影原画像データを補正する程度を少なくするか否か、言い換えると補正量を緩和するか否かを判定する。撮影画像全体の画素の中から、輝度YがY_max×R*_min_th1>Yの関係を満たす画素を抽出し、抽出した画素数の全画素数に対する割合が閾値C_th1以上であるか否かを判定する。ここで、最小反射率R*_min_th1は、上述したとおり、予め定められた投影面の最低反射率であり、第1の実施の形態における基準反射率R*_min_thより小さな値である。閾値C_th1は予め定められた割合であり、上述したとおり、閾値C_thより大きな値である。輝度YがY_max×R*_min_th1>Yの関係を満たす画素の割合がC_th1未満である場合はステップS21が否定判定され、ステップS16に進む。輝度YがY_max×R*_min_th1>Yの関係を満たす画素の割合が閾値C_th1以上である場合はステップS21が肯定判定され、ステップS17に進む。
投射ユニット110における液晶パネル112の画素欠陥数の許容範囲を考慮して、C_thやC_th1を決定してもよい。また、ステップS21では、上述(a)の判定基準を用いたが、(b)、(c)などの判定基準を代りに用いたり、併用したりしてもよい。
−第3の実施の形態−
第1の実施の形態のプロジェクタでは、投影面が画像投影に適しているか否かの判断基準として最小反射率R*_min_thと閾値C_thとの積で表したひとつの判断基準値を使用した。第3の実施形態によるプロジェクタでは、投影面が画像投影に適しているか否かの判断基準としてそれぞれ異なる大中小3つの最小反射率R*_min_th2〜4と大中小3つの閾値C_th2〜4とを定め、それらの積で表した第1判断基準値R*_min_th2×C_th2と、第2判断基準値R*_min_th3×C_th3と、第3判断基準値R*_min_th4×C_th4を使用する。
第3の実施形態では、投影面においてムラがそれほど目立たない場合でも、そのムラの面積の割合が大きい場合は投影画像の視認性が悪くなることを考慮して、上述した3つの判断基準値、第1判断基準値R*_min_th2×C_th2(たとえば、0.002×0.001)と、第2判断基準値R*_min_th3×C_th3(たとえば、0.02×0.01)と、第3判断基準値R*_min_th4×C_th4(たとえば、0.2×0.1)を使用する。
次に、図7のフローチャートを参照して、第3の実施の形態による投影面判断処理について説明する。図7の処理は、プロジェクタ1が、投影を開始するための処理を開始するとスタートするプログラムにより制御回路101において実行される。図5の処理と同じ処理には同じ符号を付し、図5の処理と異なる部分を主に説明する。ここで、R*_min_th2はR*_min_th3より小さく、R*_min_th3はR*_min_th4より小さいものとする。また、C_th2はC_th3より小さく、C_th3はC_th4より小さいものとする。
ステップS14の次にステップS31に進む。ステップS31では、撮影画像全体の画素の中から、輝度YがY_max×R*_min_th2>Yの関係を満たす画素を抽出し、全画素数に対する抽出した画素数の割合がC_th2以上であるか否かを判定する。たとえば、R*_min_th2は0.002であり、C_th2は0.1%である。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th2未満である場合はステップS31が否定判定され、ステップS32に進む。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th2以上である場合はステップS31が肯定判定され、ステップS17に進む。
ステップS32では、撮影画像全体の画素の中から、輝度YがY_max×R*_min_th3>Yの関係を満たす画素を抽出し、抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th3以上であるか否かを判定する。たとえば、R*_min_th3は0.02であり、C_th3は1%である。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th3未満である場合はステップS32が否定判定され、ステップS33に進む。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th3以上である場合はステップS32が肯定判定され、ステップS17に進む。
ステップS33では、撮影画像全体の画素の中から、輝度YがY_max×R*_min_th4>Yの関係を満たす画素を抽出し、抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th4以上であるか否かを判定する。たとえば、R*_min_th4は0.2であり、C_th4は10%である。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th4未満である場合はステップS33が否定判定され、ステップS16に進む。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th4以上である場合はステップS33が肯定判定され、ステップS17に進む。
複数のR*_min_thおよびC_thの組み合わせは、使用者、撮影画像、撮影条件などにより加減可能にしてもよい。
−第4の実施の形態−
第1の実施の形態のプロジェクタでは、輝度YがY_max×R*_min_th>Yの関係を満たす画素であれば、単独の画素でも、連続した画素でも全て画素数として加算した。第4の実施の形態のプロジェクタでは、輝度YがY_max×R*_min_th>Yの関係を満たす画素が少なくとも2つ以上連続している場合、それらの画素を加算し、加算結果の全画素数に対する割合を算出する。すなわち、輝度YがY_max×R*_min_th>Yの関係を満たすが連続せずに分散して存在する画素を除外して投影面の評価を行うようにする。
次に、図8のフローチャートを参照して、第4の実施の形態による投影面判断処理について説明する。図8の処理は、プロジェクタ1が、投影を開始するための処理を開始するとスタートするプログラムにより制御回路101において実行される。図5の処理と同じ処理には同じ符号を付し、図5の処理と異なる部分を主に説明する。
ステップS14からステップS41に進むと、撮影画像の画素の中から、輝度YがY_max×R*_min_th>Yの関係を満たす画素であって連続した画素を抽出する。ステップS42では、ステップS41で抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th以上であるか否かを判定する。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th未満である場合はステップS42が否定判定され、ステップS16に進む。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th以上である場合はステップS42が肯定判定され、ステップS17に進む。
この場合、図6と同様に、(a)投影面を撮影して得た投影面撮影画像の中で基準値よりも輝度が低い画素(以下、低輝度画素と呼ぶ)の割合が少ない場合、(b)投影面撮影画像内の低輝度画素の位置が周辺の場合、(c)低輝度画素が連続する場合の画素数が少ない場合に補正量を緩和するようにしてもよい。そして、補正量を緩和した場合は、図6で説明した第2判断基準値を使用すればよい。
−第5の実施の形態−
第1の実施の形態のプロジェクタでは、投射ユニット110から白画像((R,G,B)i=(255,255,255))を投影面に投影して、モノクロ画像により投影面が投影に適しているか否かを判定した。しかし、R画像((R,G,B)=(255,0,0))、G画像((R,G,B)=(0,255,0))およびB画像((R,G,B)=(0,0,255))を投影面に投影し、色彩を有する画像を投影面に投影して投影面を評価してもよい。たとえば、投影面の一部に彩度の高い部分がある場合、その投影面は投影に適していないと判定することができる。
次に、図9〜図11のフローチャートを参照して、第5の実施の形態による投影面判断処理について説明する。図9〜図11の処理は、プロジェクタ1が、投影を開始するための処理を開始するとスタートするプログラムにより制御回路101において実行される。
図9のステップS501では、投射ユニット110からR画像((R,G,B)=(255,0,0))を投影面に投影する。ステップS502では、撮像ユニット120で投影面を撮影する。ステップS503では、撮影画像の画素値RGBから、輝度YRを算出する。ステップS504では、撮影画像内の輝度YRの最大値であるYR*_maxを算出する。
ステップS505では、撮影画像全体の画素の中から、輝度YRがYR*_max×R*_min_th>YRの関係を満たす画素を抽出し、抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th以上であるか否かを判定する。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th未満である場合はステップS505が否定判定され、ステップS506に進む。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th以上である場合はステップS505が肯定判定され、ステップS517に進む。
図10のステップS506では、投射ユニット110からG画像((R,G,B)=(0,255,0))を投影面に投影する。ステップS507では、撮像ユニット120で投影面を撮影する。ステップS508では、撮影画像の画素値RGBから、輝度YGを算出する。ステップS509では、撮影画像内の輝度YGの最大値であるYG_maxを算出する。
ステップS510では、撮影画像全体の画素の中から、輝度YGがYG_max×R*_min_th>YGの関係を満たす画素を抽出し、抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th以上であるか否かを判定する。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th未満である場合はステップS510が否定判定され、ステップS511に進む。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th以上である場合はステップS510が肯定判定され、ステップS517に進む。
図11のステップS511では、投射ユニット110からB画像((R,G,B)=(0,0,255))を投影面に投影する。ステップS512では、撮像ユニット120で投影面を撮影する。ステップS513では、撮影画像の画素値RGBから、輝度YBを算出する。ステップS514では、撮影画像内の輝度YBの最大値であるYB_maxを算出する。
ステップS515では、撮影画像全体の画素の中から、輝度YBがYB_max×R*_min_th>YBの関係を満たす画素を抽出し、抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th以上であるか否かを判定する。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th未満である場合はステップS515が否定判定され、ステップS516に進む。抽出した画素数の全画素数に対する割合がC_th以上である場合はステップS515が肯定判定され、ステップS517に進む。
ステップS516では、投射ユニット110から、投影面が投影に適していることを示すマークである投射可マーク(マルマーク)を投影面に投影する。ステップS517では、投射ユニット110から、投影面が投影に適していないことを示すマークである投射不可マーク(バツマーク)を投影面に投影する。
この場合も図7で説明した第3の実施の形態と同様に、複数のR*_min_thおよびC_thの組み合わせにおいて、各輝度Y(R,G,B)がY(R,G,B)_max×R*_min_th>Y(R,G,B)の関係を満たす画素の割合がC_th未満である場合、投影面が投影に適していると判定するようにしてもよい。
以上の実施の形態を次のように変形することができる。
(1)投影面が投影に適しているか否かの2段階で投影面を評価したが、(i)投影面が投影に適している、(ii)投影面の一部に投影に適していない部分があるが、その他の部分は投影に適している、(iii)投影面が投影に適していない、の3段階で投影面を評価するようにしてもよい。このとき、投影面が投影に適している場合、丸マークが投影され、投影面の一部に投影に適していないがその他の部分は投影に適している場合、三角マーク印が投影され、投影面が投影に適していない場合、バツマークが投影される。投影面の一部に投影に適していない部分がある場合、その投影面で投影するか否かをユーザが判断することができ、プロジェクタの利便性が向上する。投影画像によっては、投影画像の一部が見づらくてもよい場合があるからである。
(2)投影面撮影画像内の輝度Yの最大値(Y_max)に基づいて、投影面が投影に適しているか否かを判定するようにした。しかし、投影面撮影画像の平均輝度から投影面が投影に適しているか否かを判定するようにしてもよい。この場合、投影面撮影画像の平均輝度が所定値より大きい場合は投影面が投影に適していると判定し、投影面撮影画像の平均輝度が所定値以下の場合は投影面が投影に適していないと判定する。
(3)彩度の観点から投影面が投影に適しているか否かを判定するとき、投影面撮影画像の画素値RGBを、XYZ表色系に変換し、さらにCIELABに変換し、彩度C=√(a+b)の値を用いて判定するようにしてもよい。この場合は、予め明度L毎にCの閾値を記憶しておく。Cの閾値は明度Lに依存するので、Cの閾値を一定値とできないからである。
(4)以上の実施形態のR*_min_thやC_thの数値は一例であり、実施形態の値に限定されない。R*_min_thやC_thの数値は、プロジェクタ1の特性(照明ムラ、欠陥などの許容範囲)や投影画像の補正方法などによって変わるからである。たとえば、LED光源113の駆動量をx倍に大きくできるとすれば、R*_min_thの値を実施形態の約1/x倍にすることが可能となる。
(5)投影面が投影に適しているか否かを判定した結果をユーザに通知する方法は、バツマーク31を投影面30に投影する方法に限定されない。たとえば、プロジェクタに表示部が設けられている場合、表示部に投影面適表示および投影面不適表示を行うことにより、投影面の状態をユーザに通知してもよい。
(6)投影画像を考慮に入れて、投影面が投影に適しているか否かを判定するようにしてもよい。たとえば、投影画像が青空を撮影したものである場合、投影面の模様などが目立つので、投影面が投影に適しているか否かを判定する判定基準を高くする。つまり、投影面に目立つ模様などが少しでもあれば、投影に適していないと判定する。一方、投影画像がジャングルを撮影したものである場合、投影画像が複雑であるために投影面の模様は目立たないので、投影面が投影に適しているか否かを判定する判定基準を低くする。つまり、多少目立つ模様などが投影面にあっても、投影に適していると判定する。
このように、投影面における投影の適否を判定するための判定基準に影響を与える投影画像の評価は以下の(A),(B)ようにして行う。
(A)投影画像データの周波数成分の分布を調べ、高周波成分が多い場合、投影画像はジャングルの画像のように構造の細かい画像であるので、投影面における投影の適否の判定基準を低くする。一方、高周波成分が少ない場合、投影画面は青空の画像のように構造が粗い画像であるので、投影面における投影の適否の判定基準を高くする。
たとえば、ラプシアンフィルタなどを用いて、投影画像を所定のエッジ強度の閾値で二値化する。この二値化した画像に基づいて、投影画像は構造の細かい画像であるか、構造の粗い画像であるかを判定する。たとえば、投影画像全体の画素数に対する、エッジ強度が閾値より大きい画素の画素数の割合が所定値以上の場合、構造の細かい画像であると判定するようにする。
(B)投影画像と、投影画像の縮小・拡大を繰り返した画像との差分を利用して、構造の細かい画像であるか、構造の粗い画像であるかを判定するようにしてもよい。たとえば以下のようなラプラシアン・ピラミッドを使用してもよい。
すなわち、投影画像から1/2倍の縮小画像を作成する。この1/2倍の縮小画像を2倍の拡大画像とし、投影画像と拡大画像との差分をとる。この差分が高周波成分となる。さらに、1/2倍の縮小と2倍の拡大を繰り返した画像と投影画像との差分画像取得を繰り返すことで周波数成分に分けることができる。投影画像と、投影画像から所定の回数の1/2倍の縮小と2倍の拡大を繰り返した画像との間の差分をとった画像を所定の閾値で二値化する。この二値化した画像に基づいて、投影画像が構造の細かい画像であるか、構造の粗い画像であるかを判定するようにしてもよい。
二値化するための閾値は、どの程度エッジを抽出するか、また、投影画像のノイズレベル(投影面撮影時の明るさなどに依存)により変わる。たとえば、8bit階調であれば、10程度にしてもよい。
上述のエッジを強調した画像より、投影画像を構造の細かい領域と構造の粗い領域とに分割し、構造の細かい領域では投影画像の補正を行わず、構造の粗い領域では投影画像の補正を行うようにしてもよい。
(7)第3の実施の形態によるプロジェクタでは、それぞれ異なる3つの最小反射率R*_min_th2〜4と3つの閾値C_th2〜4とを定め、それらの積で表した3つの第1判断基準値R*_min_th2×C_th2と、第2判断基準値R*_min_th3×C_th3と、第3判断基準値R*_min_th4×C_th4とを、投影面が画像投影に適しているか否かの判断基準として使用したが、判断基準の数は3つに限定されない。それぞれ異なるN個(Nは3以上の自然数)の最小反射率R(i=1,2,・・・,N)と閾値C(i=1,2,・・・,N)とを定め、N個のそれらの積で表したR×C(i=1,2,・・・,N)を投影面が画像投影に適しているか否かの判断基準として使用してもよい。ここで、i=jのときの最小反射率Rは、i=j+1のときの最小反射率Rj+1より小さくし、i=jのときの閾値Cは、i=j+1のときの閾値Cj+1より小さくする(j=1,2,・・・,N−1)。
(8)第5の実施形態によるプロジェクタでは、R画像((R,G,B)=(255,0,0))、G画像((R,G,B)=(0,255,0))およびB画像((R,G,B)=(0,0,255))を投影面に投影して投影面を評価した。しかし、プロジェクタの画素原色画像を投影面に投影して投影面を評価するものであれば、投影面に投影するプロジェクタの画素原色画像は、R画像、G画像およびB画像に限定されない。
図12は、第6の実施の形態における画像処理を説明するフローチャートである。ステップS601からステップS607は、図5のステップS11からステップS17と同一である。すなわち、図12のステップS601の「白画像を投影」は、図5のステップS11と同一であり、同様に図12のステップS602の「投影面を撮影」、ステップS603の「撮影画像の画素値RGBから輝度Yを算出」、ステップS604の「Y_max算出」、ステップS605の「Y_max×R*_min_th>Yを満たす画素の割合はC_th以上?」、ステップS606の「投影可のマークを投影」及びステップS607の「投影不可のマークを投影」は、それぞれ、図5のステップS12、ステップS13、ステップS14、ステップS15、ステップS16、ステップS17と同一である。
ステップS606において投影可のマークを投影した場合には、ステップS608により「投影特性の算出」を行う。このステップS608の「投影特性の算出」は、図3のステップS2の投影特性の算出と同一である。
同様に図12のステップS609の「投影画像補正係数の決定」、ステップS610の「投影原画像読み込み」、ステップS611の「投影画像の補正」、ステップS612の「投影画像を投影」、及びステップS613の「次の投影原画像あり?」は、それぞれ、図3のステップS3、ステップS5、ステップS6、ステップS7、及びステップS8と同一である。
このように、本実施の形態にあっては、白画像を投影した投影面を撮影してその撮影画像に基づき投影面が投影に適するか否かを判別し、投影面が、投影に適している場合には投影可のマークを投影し、投影に適していない場合には投影不可のマークを投影する。
投影面可のマークを投影した場合には、投影特性を算出して、これに基づき投影画像補正係数を決定する。その後に投影原画像を読み込み、投影画像補正係数に基づきこの読み込んだ投影原画像を補正して、この補正後の投影画像を投影する。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明は上記実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
1 プロジェクタ
30 投影面
31 バツマーク
32 投影画像
101 制御回路
102 メモリ
103 操作部
104 外部インターフェイス
105 メモリカードインターフェイス
110 投射ユニット
120 撮像ユニット

Claims (4)

  1. 投影画像を投影する投影手段と、前記投影手段により所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像に基づいて、前記投影面が投影に適しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で判定した結果をユーザに通知する判定通知手段と、を備えるプロジェクタであって、
    前記判定手段は、前記撮影画像の画素の中から、前記撮影画像の中の最大輝度値と所定の反射率閾値とを乗算した値より小さい輝度を有する画素を抽出し、前記撮影画像の画素に対する前記抽出された画素の割合が所定割合未満である場合、前記投影面が投影に適していると判定することを特徴とするプロジェクタ。
  2. 投影画像を投影する投影手段と、前記投影手段により所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像に基づいて、前記投影面が投影に適しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で判定した結果をユーザに通知する判定通知手段と、を備えるプロジェクタであって、
    前記判定手段は、複数の予め定めた反射率閾値Ri(i=1,2,・・・,N)と画素割合閾値Ci(i=1,2,・・・,N)とを用いて、
    前記撮影画像の画素の中から、前記撮影画像の中の最大輝度値と前記反射率閾値Riとを乗算した値より小さい輝度を有する画素を抽出し、前記撮影画像の画素に対する前記抽出された画素の割合が前記画素割合閾値Ci未満である条件を、i=1,2,・・・、Nについて全て満たす場合、前記投影面が投影に適していると判定し、
    i=jのときの反射率閾値Rjは、i=j+1のときの反射率閾値Rj+1より小さく(j=1,2,・・・,N−1)、i=jのときの画素割合閾値Cjは、i=j+1のときの画素割合閾値Cj+1より小さい(j=1,2,・・・,N−1)ことを特徴とするプロジェクタ。
  3. 投影画像を投影する投影手段と、前記投影手段により所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像に基づいて、前記投影面が投影に適しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で判定した結果をユーザに通知する判定通知手段と、を備えるプロジェクタであって、
    前記判定手段は、前記撮影画像の画素の中から、前記撮影画像の中の最大輝度値と、所定の反射率閾値とを乗算した値より小さい輝度を有する連続した複数の画素を抽出し、前記撮影画像の画素に対する前記抽出した画素の割合が所定割合未満である場合、前記投影面が投影に適していると判定することを特徴とするプロジェクタ。
  4. 投影画像を投影する投影手段と、前記投影手段により所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像に基づいて、前記投影面が投影に適しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で判定した結果をユーザに通知する判定通知手段と、を備えるプロジェクタであって、
    前記判定手段は、
    前記プロジェクタの画素原色画像を単色毎に投影された投影面を撮影して得られる各撮影画像の画素の中から、前記各撮影画像の全画素の中の最大輝度値と、所定の反射率閾値とを乗算した値より小さい輝度を有する画素を抽出し、全ての画素原色画像について、前記撮影画像の画素に対する前記抽出した画素の割合が所定割合未満である場合、前記投影面が投影に適していると判定することを特徴とするプロジェクタ。
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