JP5205978B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクタに関する。
プロジェクタで画像を投影するとき、投影面に模様や反射率のムラがある場合、プロジェクタに照明ムラがある場合、または投影画像に対して周囲の照明環境の影響が無視できない場合がある。このような場合、投影面の模様やムラなどが投影画像に重なるため、投影画像は正確に表示されない。このような模様の影響などを相殺して投影画像を正確に表示するために、所定の投影画像を投影した投影面を撮影し、撮影画像の投影面内における各画素の最小輝度の中の最大値と、各画素の最大輝度の中の最小値との間に投影画像のダイナミックレンジが収まるように投影画像を補正する技術が特許文献1に開示されている。
特開2004−158941号公報
投影中に何らかの原因でプロジェクタが動いてしまう場合がある。このような場合、投影画像を投影する投影面と、投影画像を補正するために撮影した投影面とが異なることになる。このような場合、投影画像を補正しても投影面の模様などの影響を相殺できないという問題点がある。
(1)請求項1の発明のプロジェクタは、所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像を用いて、投影画像を補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段と、補正係数算出手段によって算出された補正係数を用いて投影画像を補正する補正手段と、補正手段により補正された投影画像を投影する投影手段と、補正手段により補正された投影画像と投影面と相対的なずれを検出するずれ検出手段とを備え、補正係数算出手段は、ずれ検出手段により投影面のずれを検出すると、改めて補正係数を算出し、補正手段は、改めて補正係数が算出されるまで、所定の補正係数を用いて投影画像を補正し、改めて補正係数が算出されると、補正係数算出手段により改めて算出された補正係数を用いて投影画像を補正することを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のプロジェクタにおいて、補正係数算出手段は、投影手段により投影される投影画像が切り替わる間を利用して、所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像を用いて、改めて補正係数を算出することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載のプロジェクタにおいて、ずれ検出手段は、プロジェクタが動いたことを検出することによってずれを検出することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1または2に記載のプロジェクタにおいて、補正手段により補正された投影画像を投影した投影面を撮像して得られる撮影画像を算出する撮影画像算出手段とを備え、ずれ検出手段は、補正手段により補正された投影画像を投影した投影面を撮像して得られる撮影画像と、撮影画像算出手段により算出された撮影画像とに基づいて、ずれを検出することを特徴とする。
(5)請求項5の発明のプロジェクタは、所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像を用いて、投影画像を補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段と、補正係数算出手段によって算出された補正係数を用いて投影画像を補正する補正手段と、補正手段により補正された投影画像を投影する投影手段と、本体が動いたことを検出する動き検出手段とを備え、投影手段は、動き検出手段により本体が動いたことを検
出すると、補正手段による補正を行わないで投影画像を投影することを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項5に記載のプロジェクタにおいて、投影手段は、動き検出手段により本体が動いたことを連続して検出した場合に、補正手段による補正を行わないで投影画像を投影することを特徴とする。
本発明によれば、投影中に何らかの原因でプロジェクタが動いてしまっても、投影画像を適切に補正することができる。
−第1の実施の形態−
以下、図面を参照して本発明を実施するための第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による投射機能付きカメラ1を前方から見た図である。図1において、投射機能付きカメラ1の正面には、撮像光学系121(図2参照)を構成する撮影レンズ121Aと、投影光学系111(図2参照)を構成する投影レンズ111Aとが設けられている。投射機能付きカメラ1は、机上などに載置された状態、または手に持った状態で、前方のスクリーンなどに向けて、内蔵する投射ユニット110によって画像などの投影情報を投影する。投射機能付きカメラ1の上面には、レリーズスイッチ103Aが設けられている。投射機能付きカメラ1において、投射ユニット110の投影光学系111は縦方向に配設される。
図2は、投射機能付きカメラ1の構成を説明するブロック図である。図2において投射機能付きカメラ1は、投射ユニット110と、撮像ユニット120と、制御回路101と、メモリ102と、操作部103と、外部インターフェイス(I/F)回路104と、メモリカードインターフェイス(I/F)105と、加速度センサ106とを備え、メモリカードインターフェイス105にはメモリカード150が接続される。
制御回路101は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなる。制御回路101は、制御プログラムに基づいて、投射機能付きカメラ内各部から入力される信号を用いて所定の演算を行う。そして、制御回路101は、演算結果を制御信号として投射機能付きカメラ内各部に送出し、投射機能付きカメラ1の投影動作および撮影動作を制御する。なお、制御プログラムは制御101内の不図示のROMに格納される。
制御回路101は画像処理部101Aを有する。画像処理部101Aでは、外部インターフェイス104を介して取得した画像データまたはメモリカード150より取得した画像データに対して画像処理を行う。画像処理部101Aで行う画像処理の詳細については後述する。
メモリ102は制御回路101の作業用メモリとして使用される。操作部103はレリーズスイッチ103Aを含み、操作されたボタンやスイッチに対応する操作信号を制御回路101へ送出する。メモリカード150は、制御回路101の指示によりデータの書き込み、保存および読み出しが可能である。
投射ユニット110は、投影光学系111、液晶パネル112、LED光源113、および投射制御回路114を含む。LED光源113は、供給電流に応じた明るさで液晶パネル112を照明する。液晶パネル112は、投射制御回路114からの駆動信号に応じて光像を生成する。投影光学系111は、液晶パネル112から射出される光像を投射する。投射制御回路114は、制御回路101からの指示により、LED光源113および液晶パネル112へ制御信号を送出する。
投射ユニット110は、メモリカード150内に保存されている画像データの他、外部インターフェイス回路104を介して外部機器から供給される画像データによる画像を投影可能に構成され、制御回路101から指示された画像を投影する。
撮像ユニット120は撮像光学系121、撮像素子122および撮像制御回路123を有し、制御回路101からの指示に応じて投影面の撮像を行う。撮像光学系121は、撮像素子122の撮像面上に被写体像を結像させる。撮像素子122としては、CCDやCMOS撮像素子などが用いられる。撮像制御回路123は、制御回路101からの指示により撮像素子122を駆動制御するとともに、撮像素子122から出力される画像信号に対して所定の信号処理を行う。信号処理後の画像のデータは、所定形式の画像ファイルとしてメモリカード150に記録される。
加速度センサ106は、投射機能付きカメラ1の加速度を検出することができる。これにより、投射機能付きカメラ1が動いたことを検出することができる。
制御回路101の画像処理部101Aで行われる画像処理を説明する。本発明の実施形態の画像処理は、投影面を撮影した撮影画像に基づいて投影画像の色補正を行う。また、画像処理部101Aは、投射光学系111の光軸と撮像光学系121の光軸とが一致していないことによる投影画像の歪や、投影光学系111の光軸が投影面に対して垂直でないことに起因する投影画像のあおりや歪に対する補正も行うことができる。本発明の実施形態の画像処理は、投影画像の色補正に特徴を有するので、色補正について主に説明する。
図3および図4を参照して、本発明の実施形態における画像処理によって投影画像の画像処理を行い、その処理された投影画像を投影したときに視認される投影画像について説明する。図3(a)は、投影画像を投影する投影面30を説明するための図である。投影面30には、丸いシミ31が付着しているものとして説明する。図3(b)は、投影面30に投影する投影画像32を示す図である。
図4(a)は、本発明の実施形態における画像処理によって投影画像32を処理した投影画像を投影面30に投影したときに視認される投影画像33を示す図である。投影画像33には、シミ31が目立たたず、投影画像33の視認性も良好である。図4(b)は、投影面がずれたときに、投影画像32を処理した投影画像を投影面30に投影したときに視認される投影画像34を示す図である。投影面30におけるシミ31の位置がずれているので、投影画像34の一部34aでは、シミ31が目立つように表示され、他の一部34bでは、シミ31がないにもかかわらず輝度が高く補正されて表示される。このように投影面がずれた場合、本発明の第1の実施の形態では、再び投影面を撮影し、投影画像を補正するために使用する補正係数を算出し直す。そして、その補正係数を用いて投影画像32を補正し、図4(c)に示すように、シミ31が目立たたず、視認性が良好な投影画像35を再び表示することができる。
図5のフローチャートを参照して、本発明の第1の実施の形態における画像処理について説明する。この画像処理は、投影面である壁の模様やシミなどが目立たなくなるとともに、投影画像のダイナミックレンジが狭くなりすぎない適切な補正量に調整することができる。図5の処理は、投射機能付きカメラ1が、投影を開始するための処理を開始するとスタートするプログラムにより制御回路101において実行される。
なお、制御回路101は、投影画像の画像数がプロジェクタ1の解像度に一致するように補間処理を行い、撮像ユニット120により撮影された画像を、プロジェクタ1の解像度と一致するように補間処理を行う。そして、補間処理を行った撮影画像を使用して、補間処理を行った投影画像を以下のように補正し、補正した画像を投影するものとする。投影画像の画素と撮影画像の画素との間の対応関係が明確になるので、処理速度が速くなる。
ステップS1では、投射ユニット110の投影特性の算出を行う。投影特性とは、入力画像の画素値(R,G,B)と、投影面で再現される投影画像の測色値(X,Y,Z)との間の関係を示す特性である。測色値は、投射ユニット110の照明ムラ、投影面の色や模様、周囲照明による投影面の明るさに影響を受ける。そこで、投射ユニット110から、既知の画素値(R,G,B)で表される所定の投影画像(後述するように、黒画像、R画像、G画像、B画像)をそれぞれ投影して投影面上の投影画像を撮影ユニット120で撮影し、撮影した画像から測色値(X,Y,Z)を検出して投影特性を算出する。そして、投影特性に基づいて決定する補正係数により入力画像を補正して投影することにより、投射ユニット110の照明ムラ、投影面の色や模様、周囲照明による投影面の明るさに依存することなく、入力画像の見た目が近くなるより表現された投影画像を鑑賞することができる。投影特性の具体的な処理については後述する。
ステップS2では、投影画像の補正係数を決定する。すなわち、ステップS1で得られた投影特性を用いて、投影面の状態や周囲照明環境等に影響されることなく投影画像が入力画像(投影画像)を再現するように、入力画像に施す補正係数を決定する。投射ユニット110から投影された投影画像を撮影ユニット120で撮影し、撮影した画像を解析して投影画像の補正係数を決定する。この補正係数が投影画像の補正量となる。この処理の詳細についても後述する。
ステップS3では、投影面のずれの有無を判定する。投射機能付きカメラ1が動くと、投影面はずれる。したがって、投射機能付きカメラ1の動きを検出することにより、投影面のずれの有無を判定する。投射機能付きカメラ1の動きは加速度センサ106により検出される。投射機能付きカメラ1が動いたことを検出した場合、投影面はずれたと判定する。投射機能付きカメラ1が動いたことを検出しない場合、投影面はずれていないと判定する。投影面のずれがあった場合はステップS3が肯定判定され、ステップS4に進む。投影面のずれがない場合はステップS3が否定判定され、ステップS1に戻る。これにより、投影画像の補正係数の決定をやり直すことができる。
ステップS4では、投影画像の画像データを、外部インターフェイス回路104を介して、またはメモリカード150より読み込み、メモリ102に記憶する。ステップS5では、ステップS2で決定した補正係数で、ステップS4で読み込んだ投影画像データを補正する。この処理の詳細についても後述する。ステップS6では、ステップS4で補正した投影画像データをアナログ変換し、投影画像を投影する。
ステップS7では、次に投影する投影画像データがあるか否かを判定する。次に投影する投影画像データがある場合はステップS7が肯定判定され、ステップS3に戻る。次に投影する投影画像データがない場合はステップS7が否定判定され、処理を終了する。
次に、ステップS1、S2、S5について、さらに詳細に説明する。
−投影特性の算出−
ステップS1で行う投影特性の算出について説明する。
i番目の画素値が(R,G,B)で与えられる入力画像データにより投影画像を生成して投射ユニット110で投影したとき、i番目の画素値に対応する投影面の測色値(X,Y,Z)は以下の(1)式で表される。
Figure 0005205978
ただし、
Figure 0005205978
ここで、γは投射ユニット110の階調特性を表す。Mpiは、投射ユニット110の画素値(Rγ,Gγ,Bγから投射ユニット110の照明の測色値へ変換する色変換マトリックスを表す。(Xkp,Ykp,Zkpは、投射ユニット110で黒画像を投影した時の周囲照明も含めた投影面の照明条件を表す。R*は、投影面の反射率特性を表す。
なお、添字iは次の意味を有している。この実施の形態のプロジェクタでは、白画像や黒画像など既知の画像を投射して投影面を撮像し、その撮像画像に基づいて、投影面の模様などによる反射率のムラだけではなく、投射ユニット110の照明ムラ、周囲照明や黒点の面内ムラも合わせて補正する。したがって、投影面の各画素領域に異なる投影特性を表現するため、添え字iを使用する。
(1)式において、(X,Y,Z)は、黒画像((R,G,B)=(0,0,0))を投影した時の投影面撮影画像に基づいて決定する。なお、投影面上の投影画像の測色値は、撮影画像の画素値から予め決まった色変換処理を用いることで算出できる。すなわち、撮影画像のプロファイルがsRGBであれば、画素値に対して通常のsRGB変換処理を適用して(X,Y,Zを決定することができる。
同様に、R画像((R,G,B)=(255,0,0))、G画像((R,G,B)=(0,255,0))、およびB画像((R,G,B)=(0,0,255))をそれぞれ投影した投影面を撮影した各撮影画像から、色変換マトリックスMの3×3のマトリックス係数を決定する。具体的には、R画像、G画像およびB画像をそれぞれ投影した投影面の撮像画像(以下、投影面撮影画像と呼ぶ)の測色値をそれぞれ、(X,Y,Z)、(X,Y,Z)および(X,Y,Z)とすると、色変換マトリックスMは以下の(3)式で表される。
Figure 0005205978
−投影画像補正係数の決定−
ステップS2で行う投影画像補正係数の決定について説明する。
投影面にムラ(以後、投影面の反射率のムラや照明ムラを含めて、単に「ムラ」と表現する)や模様がある場合、投影面を撮影して得た撮像画像の画素値は均一ではなく、ムラや模様に応じた画素値となる。換言すると、各画素で最大表示可能な色域は変化する。この実施の形態では、まずこの最大表示可能な色域範囲を決定する。投影面での輝度Yは、(1)式より、
Figure 0005205978
したがって、表示可能な輝度範囲は、(4)式において、0≦R,G,B≦255の範囲で振ったときにYがとり得る範囲で決まる。通常、Y,Y,Y>Yであるから、各画素の表示可能な輝度範囲は、白画像((R,G,B)=(255,255,255))を投影したときの表示輝度を表示可能な最大輝度YMAX,i、黒画像を投影したときの表示輝度をYMIN,iとして求めることができる。
ここで、投影面のムラや模様が投影画像の視認性に対する影響を低減するためには、投影面撮影画像の投影面での最大輝度YMAXがMIN(YMAX,i)、最小輝度YMINがMAX(YMIN,i)になるように投影画像データを補正する必要がある。すなわち、補正対象投影画像を投影したときの最大輝度YMAXが、白画像投影時の撮影画像を構成する複数画素の中で最小の輝度値MIN(YMAX,i)になるように補正する必要がある。また、補正対象投影画像を投影したときの最小輝度YMINが、黒画像投影時の撮影画像を構成する複数画素の中で最大の輝度値MAX(YMIN,i)になるように補正する必要がある。
しかし、極端に暗い部分が投影面にある場合などに、上述した補正を全画素に対して行うと、ダイナミックレンジが非常に狭くなり、補正後の投影画像そのものの視認性が悪くなる。そこで、輝度閾値Ythを設定し、投影画像の画素のうち、投影したときの輝度が輝度閾値Ythより低い輝度の画素に対しては、補正量を緩和し、最大輝度YMAXを以下の(5)式のように決定する。
Figure 0005205978
すなわち、最大輝度YMAXをMIN(YMAX,i)まで補正せず、閾値Yth(<MIN(YMAX,i)まで補正することにより、低輝度側の画素値の補正量を抑制する。
−投影画像の補正−
ステップS5で行う投影画像の補正について説明する。
投影画像(入力画像)の色空間がsRGBとすれば、投影画像の画素値(R,G,B)に対して、投影面での測色値(X,Y,Z)は以下のようになればよい。
Figure 0005205978
ここで、黒画像を投影したときの画素の最大輝度、すなわち、YMIN=MAX(YMIN,i)となる画素値を投影画面の黒点(Xk0,Yk0,Zk0)とする。なお、MsRGB→XYZはsRGB色空間からXYZ色空間への変換マトリックスである。
したがって、(1)式を用いて、補正後の投射ユニット110への入力画素値(R,G,B)は以下の(7)式で算出できる。
Figure 0005205978
(7)式は簡単のため、sRGBのγ=2.2として記述した。しかし、定義どおり線形関数とγ=2.4の組み合わせで算出してもよい。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)投影面30のずれを検出したとき、投影画像の補正係数の算出をやり直すようにした。したがって、投影中に何らかの原因で投射機能付きカメラ1が動いてしまっても、投影画像を適切に補正することができる。
(2)加速度センサ106のように投射機能付きカメラ1が動いたことを検出するセンサによって、投影面30のずれを検出したので、投影面30のずれを確実に検出することができる。
−第2の実施の形態−
第1の実施の形態では、投影画像の補正係数を算出するのに時間がかかる場合がある。このような場合、投影画像の補正係数を算出し直してから投影を再開すると、投影が再開されるまでの時間が長くなる。そこで、第2の実施の形態では、投影画像が切り替わる間に、所定の投影画像(白画像、黒画像、R画像、G画像、B画像)を投影し、その投影画像を投影した投影面を撮影する。これにより、ユーザは、投影が再開されるまで長い時間待つ必要がない。
図6に示すように、投影面30に投影される投影画像が投影画像35から投影画像37に切り替わる間に、白画像36を投影して撮影する。同様に、投影面30に投影される投影画像が切り替わる度に、黒画像、R画像、G画像およびB画像を投影し、投影面を撮影する。そして、新たな投影画像の補正係数が算出されたとき、新たな投影画像の補正係数で補正した投影画像を投影する。
−第3の実施の形態−
第1の実施の形態では、投射機能付きカメラ1が動いたことを検出することによって、投影面のずれを検出した。第3の実施の形態では、投影画像が投影面に投影されたときの投影面を撮影した撮影画像と、補正した投影画像を投影面に投影し、その投影した投影画像を撮影して得られるであろうと推定される推定撮影画像とを比較することにより、投影面のずれを検出する。これにより、加速度センサ106などのセンサ類を設けなくても投影面のずれを検出することができる。
撮影画像と、推定撮影画像との間の比較は以下のように行う。図7に示すように推定撮影画像41の輝度分布と撮影画像34の輝度分布を比較する。その結果、撮影画像41には、推定撮影画像41には見られない輝度の低い部分34aや輝度の高い部分34bが検出される。このような輝度の異常部分が検出された場合、投影面30がずれたものと判定する。以上のように、撮影画像34と推定撮影画像41とを比較して輝度の高い部分および輝度の低い部分を検出することにより、投影面30のずれを検出する。
推定撮影画像は、たとえば、白画像などを投影して撮影した投影面の撮影画像に、補正した投影画像を合わせることにより算出する。
第3の実施の形態を次のように変形することができる。
(1)投影面の模様が顕著で投影画像の補正を行っても投影面の模様を完全に目立たないようにすることができないと判断される場合、推定撮影画像の代わりに、白画像で撮影された投影面内の輝度の変化に応じて投影画像内の輝度を変化させた画像を、撮影画像と比較して投影面のずれを検出するようにしてもよい。推定撮影画像を算出するよりも白画像で撮影された投影面内の輝度の変化に応じて投影画像内の輝度を変化させた画像を算出する方が容易だからである。
(2)投影面の模様が目立たないため、投影画像の補正により投影面の模様を完全に目立たないようにすることができると判断される場合、推定撮影画像の代わりに、補正を行わない元の投影画像を、撮影画像と比較する画像として使用してもよい。推定撮影画像は、補正を行わない元の投影画像とほとんど変わらないからである。
(3)撮影画像と推定撮影画像との比較は、対応する各画素の差分や比を取るなど、2つの画像の違いを取得できる方法であれば上記の比較方法に限定されない。たとえば、各画素の輝度Y値について差分を算出し、その画像内の最大値が所定値(たとえば、最大輝度Y値の10%)を超えた場合、投影面30のずれありと判定してもよい。また、対応する各画素の差分の平均値が所定値を超えた場合、投影面30のずれありと判定してもよい。さらに、輝度Y値の代りに画素値RGBの値を使用してもよい。また、投影面上で特徴的な模様がある部分を中心とした一部分において、撮影画像と推定撮影画像とを比較するようにしてもよい。
−第4の実施の形態−
第3の実施の形態では、撮影画像と推定撮影画像とを比較することにより投影面のずれを検出した。第4の実施の形態では、さらに、撮影画像と推定撮影画像とを比較することにより投影面のずれの方向やずれの程度を検出する。
投影面のずれの方向やずれの程度の検出は、以下のように行う。まず、図8(a)に示すように、投影特性の決定や投影画像の補正係数の決定を行うとき、投影画像と投影する投影面30よりも広い領域50(以下、広域領域と呼ぶ)に所定の投影画像(白画像、黒画像、R画像、G画像、B画像)を投影し、撮影を行う。そして、広域領域50の撮影画像うち、投影面30の部分の画像を用いて、投影特性の決定や投影画像の補正係数の決定を行う。
次に、図7の撮影画像34と推定撮影画像41とを比較して、図9(a)に示すように、輝度の暗い部分34aと輝度の明るい部分34bとを抽出する。図9(b)に示すように、白画像を投射したときの投影面30における撮影画像により輝度の暗い部分31を抽出する。
ところで、撮影画像34の中で、投影面30がずれる前に暗い部分31が存在し、投影面30がずれた後、暗い部分31が存在しなくなった部分の輝度は、推定撮影画像の輝度に比べて高くなる。一方、撮影画像34の中で、投影面30がずれる前に暗い部分31が存在せず、投影面30がずれた後、暗い部分31が存在するようになった部分の輝度は推定撮影画像の輝度に比べて低くなる。このような輝度の関係と、輝度の暗い部分31の形状とから、図9(c)に示すように、投影面のずれに起因する投影面上における暗い部分31の移動(矢印61)を検出することができる。
それに合わせて、図8(b)に示すように、広域領域50の中で投影特性の決定や投影画像の補正係数の決定を行うため使用する画像の領域を投影面30から投影面30Aに移動する(矢印51の方向)。そして、投影面30Aの部分の画像を用いて投影特性の決定や投影画の像補正係数の決定を行い、その投影画像の補正係数で投影画像の補正を行う。
これにより、再度、投影面に投影画像(白画像、黒画像、R画像、G画像、B画像)を投影し、投影した投影面を撮影する必要がないので、投影画像の補正係数を速やかに算出することができる。
−第5の実施の形態−
投影面のずれを検出したということは、投射機能付きカメラ1を手で持って投影していると考えられる。このような場合、再び投影面がずれる可能性があるので、投影面を撮影した撮影画像に基づいて投影画像を補正しない方がよい。以上より、第5の実施の形態では、投影面のずれを検出した後は、投影画像の補正を行わない。
図10のフローチャートを参照して、投影面のずれを検出した場合、投影画像の補正を行わない画像処理について説明する。図10の処理は、投射機能付きカメラ1が、投影を開始するための処理を開始するとスタートするプログラムにより制御回路101において実行される。図5の画像処理に共通するステップには共通の符号を付し、図5の画像処理と異なる部分を主に説明する。
ステップS11では、投影面のずれの有無を判断するためのフラグfの値を0にする。ここで、フラグfの値が0のとき、投影面のずれなしと判断し、フラグfの値が1のとき、投影面のずれありと判断する。そして、ステップS1に進む。
ステップS3が否定判定されるとステップS12に進む。ステップS12では、フラグfの値を1にする。そして、ステップS13に進む。また、ステップS4の次もステップS13に進む。
ステップS13では、フラグfの値が0であるか否かを判定する。フラグfの値が0である場合はステップS13が肯定判定され、ステップS5に進む。フラグfの値が1である場合はステップS13が否定判定され、ステップS6に進む。これにより投影画像は補正されない。なお、投射機能付きカメラ1の動きを連続して検出した場合のみ、投影画像の補正を停止するようにしてもよい。投射機能付きカメラ1を手で持って投影していることを確実に検出するためである。
プロジェクタであれば、投射機能付きカメラ1に限定されない。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明は上記実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
本発明の第1の実施の形態による投射機能付きカメラの外観図である。 本発明の第1の実施の形態における投射機能付きカメラの構成を説明するブロック図である。 投影面と投影画像を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態における画像処理によって処理された投影画像を投影したときに視認される投影画像について説明する図である。 本発明の第1の実施の形態における画像処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における投影画像が切り替わる間に、所定の投影画像を投影し、その投影画像を投影した投影面を撮影する処理を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態における撮影画像と推定撮影画像との比較を説明するための図である。 本発明の第4の実施の形態における広域領域と投影面との間の関係を説明するための図である。 本発明の第4の実施の形態における撮影画像と推定撮影画像とを比較することによる投影面のずれの方向やずれの程度の検出を説明するための図である。 本発明の第5の実施の形態における投影面のずれを検出した場合、投影画像の補正を行わない画像処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 投射機能付きカメラ1
30,30A 投影面
31 投影面のシミ
32〜35,37 投影画像
41 推定撮影画像
50 広域領域
101 制御回路
102 メモリ
103 操作部
104 外部インターフェイス
105 メモリカードインターフェイス
110 投射ユニット
120 撮像ユニット

Claims (6)

  1. 所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像を用いて、投影画像を補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段と、
    前記補正係数算出手段によって算出された補正係数を用いて投影画像を補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された投影画像を投影する投影手段と、
    前記補正手段により補正された前記投影画像と前記投影面と相対的なずれを検出するずれ検出手段とを備え、
    前記補正係数算出手段は、前記ずれ検出手段により投影面のずれを検出すると、改めて補正係数を算出し、
    前記補正手段は、改めて補正係数が算出されるまで、所定の補正係数を用いて投影画像を補正し、改めて補正係数が算出されると、前記補正係数算出手段により改めて算出された補正係数を用いて投影画像を補正することを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記補正係数算出手段は、前記投影手段により投影される投影画像が切り替わる間を利用して、前記所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像を用いて、改めて補正係数を算出することを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項1または2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記ずれ検出手段は、前記プロジェクタが動いたことを検出することによってずれを検出することを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1または2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記補正手段により補正された投影画像を投影した投影面を撮像して得られる撮影画像を算出する撮影画像算出手段とを備え、
    前記ずれ検出手段は、前記補正手段により補正された投影画像を投影した投影面を撮像して得られる撮影画像と、前記撮影画像算出手段により算出された撮影画像とに基づいて、ずれを検出することを特徴とするプロジェクタ。
  5. 所定の投影画像が投影された投影面を撮影して得られる撮影画像を用いて、投影画像を補正するための補正係数を算出する補正係数算出手段と、
    前記補正係数算出手段によって算出された補正係数を用いて投影画像を補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された投影画像を投影する投影手段と、
    本体が動いたことを検出する動き検出手段とを備え、
    前記投影手段は、前記動き検出手段により本体が動いたことを検出すると、前記補正手段による補正を行わないで投影画像を投影することを特徴とするプロジェクタ。
  6. 請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
    前記投影手段は、前記動き検出手段により本体が動いたことを連続して検出した場合に、前記補正手段による補正を行わないで投影画像を投影することを特徴とするプロジェクタ。
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