JP5443780B2 - イミダゾール化合物を内包した微粒子の製造方法 - Google Patents
イミダゾール化合物を内包した微粒子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5443780B2 JP5443780B2 JP2009038068A JP2009038068A JP5443780B2 JP 5443780 B2 JP5443780 B2 JP 5443780B2 JP 2009038068 A JP2009038068 A JP 2009038068A JP 2009038068 A JP2009038068 A JP 2009038068A JP 5443780 B2 JP5443780 B2 JP 5443780B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fine particles
- hollow resin
- resin fine
- raw material
- absorption rate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Description
以下に本発明を詳述する。
なお、上記浸透工程において、上記中空樹脂微粒子を目的とする液状化合物又は液状化合物を溶解した溶液に浸漬し、混合してもよい。また、目的とする液状化合物又は液状化合物を溶解した溶液を、上記中空樹脂微粒子に添加して混合してもよい。
メタノール吸液率(%)=[(A−5)/5]×100
上記アルコールとして、例えば、メタノール、エタノール又はプロパノール等が挙げられる。上記セロソルブとして、例えば、メチルセロソルブ又はエチルセロソルブ等が挙げられる。上記ケトンとして、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン又は2−ブタノン等が挙げられる。上記酢酸エステルとして、例えば、酢酸エチル又は酢酸ブチル等が挙げられる。上記炭化水素として、例えば、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる。
上記有機過酸化物の具体例として、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート又はジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。上記アゾ化合物の具体例として、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル又はアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
上記モノマーの合計100重量部に対して、上記重合開始剤は0.1〜5重量部の範囲内で用いられることが好ましい。
上記空隙率とは、(空孔の最大径)3/(原料中空樹脂微粒子の粒子径)3により算出された値を百分率で示した数値である。上記空孔の最大径及び上記原料中空樹脂微粒子の粒子径は、任意の原料中空樹脂微粒子50個を電子顕微鏡で観察することにより得られた最大径及び粒子径の平均値である。なお、上記最大径とは、空孔が円形であると仮定した場合、最も大きな円形の最大径を示す数値を意味する。
上記浸透工程により、上記目的とする液状化合物を空孔内に内包した微粒子は得られた。しかしながら、上記原料中空樹脂微粒子は、メタノール吸液率が60%以上であることから、せっかく内包した目的とする液状化合物が再び透過して外へ漏れ出してしまう可能性があり、貯蔵安定性の点で問題がある。そこで、上記原料中空樹脂微粒子のシェルの外側にアウターシェルを形成する、又は、内側にインナーシェルを形成することにより中空樹脂微粒子のメタノール吸液率を30%以下にして、内包した目的とする液状化合物が漏出しないようにする。好ましくは中空樹脂微粒子のメタノール吸液率を20%以下にすることである。
なお、中空樹脂微粒子のメタノール吸液率とは、上記原料中空樹脂微粒子がもともと有していたシェルと、新たに形成されたアウターシェル又はインナーシェルとを含む微粒子全体でのメタノール吸液率を意味する。
上記インナーシェルを形成させる具体的方法は、例えば、中空樹脂微粒子の空孔内でのコアセルベーション法等が挙げられる。
上記液状化合物に影響されることなく容易に吸液率を低下できることから、上記原料中空樹脂微粒子のシェルの外側にアウターシェルを形成することが好ましい。
(1)原料中空樹脂微粒子の調製
スチレン100重量部、過硫酸カリウム3重量部、n−オクチルメルカプタン25重量部、水2500重量部を混合し、撹拌しながら70℃で24時間反応させ、粒径0.5μm、CV値15%、球状、かつ、非架橋のポリスチレン粒子が1.5重量%の濃度で水に分散された種粒子分散液を調製した。
得られた膨潤粒子液滴の分散液を撹拌しながら85℃で、10時間反応させることにより、コアとしてヘプタン、シェルとしてポリアクリロニトリル/トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体からなる微粒子分散液を得た。
得られた微粒子を、イオン交換水で繰り返して洗浄し、真空乾燥してヘプタンを揮発させて、原料中空樹脂微粒子を得た。
得られた原料中空樹脂微粒子5gとメタノール100gとを混合してから15分間攪拌した。その混合液をろ過し、原料中空樹脂微粒子のケーク表面からメタノールが揮発したことを確認してから50秒後に、原料中空樹脂微粒子の重量(A(g))を測定し、以下の式を用いて、メタノール吸液率(%)を測定した。得られた原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は、91%であった。
メタノール吸液率(%)={(A−5)/5}×100
硬化促進剤としてイミダゾール化合物(2−エチル−4−メチルイミダゾール)をメタノールに溶解して、濃度30重量%のイミダゾール化合物が溶解したメタノール溶液を調製した。
このメタノール溶液20mLに、得られた原料中空樹脂微粒子4.5gを加え、25℃で、15時間撹拌した
メタノール溶液に、ジビニルベンゼン4.5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]4水和物(VA−057)9.0重量部を加え、70℃で、12時間重合を行い、アウターシェルを形成して硬化促進剤を内包した微粒子を得た。得られた硬化促進剤を内包した微粒子は、平均粒子径は3.1μm、粒子径のCV値は4.2%であった。なお、硬化促進剤を内包した微粒子の平均粒子径、CV値は、原料中空樹脂微粒子と同様に測定した。
上記(3)を行なわずに、上記(4)と同様にして、原料中空樹脂微粒子に、アウターシェルを形成した。次いで、上記(2)と同様にして、アウターシェルを形成した原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率を測定した。
アウターシェルを形成した原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は、21%であった。
上記(1)において、親水性モノマーとしてアクリロニトリル50重量部、メチルメタクリレート20重量部とし、架橋性モノマーとしてトリメチロールプロパントリメタクリレート30重量部とし、油溶性溶剤としてイソオクタン100重量部とした以外は、実施例1と同様にして硬化促進剤を内包した微粒子を得た。
得られた硬化促進剤を内包した微粒子は、平均粒子径3.0μm、粒子径のCV値は4.3%であった。また、原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は65%であり、アウターシェルを形成した原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は18%であった。
上記(4)において、シェル材としてジビニルベンゼン2.5重量部、スチレン2.0重量部とした以外は、実施例1と同様にして硬化促進剤を内包した微粒子を得た。
得られた硬化促進剤を内包した微粒子は、平均粒子径3.1μm、粒子径のCV値は4.3%であった。また、原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は91%であり、アウターシェルを形成した原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は29%であった。
上記(4)において、アウターシェルを設けない以外は、実施例1と同様にして硬化促進剤を内包した微粒子を得た。
得られた硬化促進剤を内包した微粒子は、平均粒子径3.0μm、粒子径のCV値は4.0%であった。また、原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は91%であり、アウターシェルを形成した原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は91%であった。
上記(1)において、親水性モノマーとしてアクリロニトリル30重量部、メチルメタクリレート50重量部とし、架橋性モノマーとしてトリメチロールプロパントリメタクリレート20重量部とし、油溶性溶剤としてトルエンとした以外は、実施例1と同様にして硬化促進剤を内包した微粒子を得た。
得られた硬化促進剤を内包した微粒子の平均粒子径は3.0μm、粒子径のCV値は5.1%であった。また、原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は57%であり、アウターシェルを形成した原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は19%であった。
上記(4)において、シェル材としてジビニルベンゼン1重量部、メチルメタクリレート3.5重量部として、重合開始剤として過硫酸カリウム7.5重量部とした以外は、実施例1と同様にして硬化促進剤を内包した微粒子を得た。
得られた硬化促進剤を内包した微粒子の平均粒子径は3.2μm、粒子径のCV値は4.2%であった。また、原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は91%であり、アウターシェルを形成した原料中空樹脂微粒子のメタノール吸液率は34%であった。
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた硬化促進剤を内包した微粒子について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
得られた硬化促進剤を内包した微粒子とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「jER828」)とを1:2の重量割合で混合し、樹脂組成物を調製した後、樹脂組成物の25℃における粘度(貯蔵前粘度)をB型粘度計により測定した。その後、樹脂組成物を25℃で30日間放置し、25℃における粘度(貯蔵後粘度)をB型粘度計により測定した。貯蔵後粘度と貯蔵前粘度との差を算出し、貯蔵安定性を評価した。
得られた硬化促進剤を内包した微粒子とビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「jER828」)とを1:2の重量割合で混合し、樹脂組成物を調製した。樹脂組成物を150℃で30分間硬化させることにより、厚さ200μmのフィルム状の測定サンプルを作製した。テンシロン試験機(オリエンテック社製「RTC−1310A」)を用いて、JIS K−6911に準拠した方法により、引張速度5mm/minにおける、測定サンプルの引張強度を測定した。
Claims (3)
- メタノール吸液率が60%以上である中空樹脂微粒子と、イミダゾール化合物又はイミダゾール化合物を溶解した溶液とを混合して、前記イミダゾール化合物を前記吸液率が60%以上である中空樹脂微粒子の空孔内に浸透させる浸透工程と、
前記浸透工程後に、前記メタノール吸液率が60%以上である中空樹脂微粒子のシェルの外側にアウターシェルを形成して、中空樹脂微粒子のメタノール吸液率を30%以下とする封入工程とを有する
ことを特徴とするイミダゾール化合物を内包した微粒子の製造方法。 - アウターシェルは、懸濁重合法、ミニエマルション重合法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、分散重合法、液中硬化法、液中乾燥法、コアセルベーション法、ヘテロ凝集法、又は、スプレードライ法により形成されることを特徴とする請求項1記載のイミダゾール化合物を内包した微粒子の製造方法。
- 封入工程は、吸液率が60%以上である中空樹脂微粒子に、有機溶媒、架橋性モノマー、及び、重合開始剤を加えて重合反応させ、前記中空樹脂微粒子のシェルの外側にアウターシェルを形成する工程であることを特徴とする請求項1又は2記載のイミダゾール化合物を内包した微粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009038068A JP5443780B2 (ja) | 2009-02-20 | 2009-02-20 | イミダゾール化合物を内包した微粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009038068A JP5443780B2 (ja) | 2009-02-20 | 2009-02-20 | イミダゾール化合物を内包した微粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010189606A JP2010189606A (ja) | 2010-09-02 |
JP5443780B2 true JP5443780B2 (ja) | 2014-03-19 |
Family
ID=42815973
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009038068A Expired - Fee Related JP5443780B2 (ja) | 2009-02-20 | 2009-02-20 | イミダゾール化合物を内包した微粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5443780B2 (ja) |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5322581A (en) * | 1976-08-13 | 1978-03-02 | Ishii Hideki | Porous fine particle and preparation thereof |
US4683092A (en) * | 1985-07-03 | 1987-07-28 | Damon Biotech, Inc. | Capsule loading technique |
JPH02258053A (ja) * | 1989-03-31 | 1990-10-18 | Mita Ind Co Ltd | 単核含水マイクロカプセルの製造方法 |
JPH02258052A (ja) * | 1989-03-31 | 1990-10-18 | Mita Ind Co Ltd | 芯物質の保持性に優れた含水マイクロカプセルの製造方法 |
JP2801312B2 (ja) * | 1989-12-13 | 1998-09-21 | 松本油脂製薬株式会社 | アミン系硬化剤のマイクロカプセル |
JPH093164A (ja) * | 1995-06-15 | 1997-01-07 | Nitto Denko Corp | マイクロカプセル型硬化剤または硬化促進剤、およびそれを含有してなるエポキシ樹脂組成物 |
JP4714780B2 (ja) * | 2008-09-29 | 2011-06-29 | 積水化学工業株式会社 | 単孔中空ポリマー微粒子の製造方法 |
JP5291484B2 (ja) * | 2009-02-13 | 2013-09-18 | 積水化学工業株式会社 | 硬化剤又は硬化促進剤含有ポリマー微粒子の製造方法 |
-
2009
- 2009-02-20 JP JP2009038068A patent/JP5443780B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010189606A (ja) | 2010-09-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6513273B1 (ja) | 樹脂粒子 | |
CN101508823B (zh) | 一种室温快速自修复型聚合物复合材料 | |
EP3078035B1 (en) | Improved process for producing magnetic monodisperse polymer particles | |
CN107056999B (zh) | 一种基于两亲性含氟大分子嵌段物稳定高内相乳液的含氟多孔材料制备方法 | |
CN108752520B (zh) | 一种具有核壳结构的多孔聚合物微球的制备方法 | |
EP2944679A1 (en) | Microcapsule heat storage material, production method thereof and use thereof | |
JP4742161B2 (ja) | 単孔中空ポリマー微粒子の製造方法 | |
JP2020510745A (ja) | 親水性ポリマーを含有する高内相エマルションから調製する多孔性架橋親水性ポリマー材料 | |
KR20220031557A (ko) | 중공 수지 입자의 제조 방법 | |
CN110172123B (zh) | 亲水疏油性多孔聚合物及其制备方法 | |
WO2010035680A1 (ja) | 単孔中空ポリマー微粒子の製造方法 | |
EP2944375A1 (en) | Microcapsule production method and microcapsule | |
CN110465251B (zh) | 一种长效修复型双层微胶囊 | |
CN105859935B (zh) | 一种内部具有体型网状结构的海绵体聚合物微球的制备方法 | |
Yu et al. | Monodisperse macroporous microspheres prepared by microfluidic methods and their oil adsorption performance | |
JP5291484B2 (ja) | 硬化剤又は硬化促進剤含有ポリマー微粒子の製造方法 | |
US11236184B1 (en) | Method for producing porous microstructure | |
JP2015530433A (ja) | 多孔質ゲルおよびその使用 | |
JP5443780B2 (ja) | イミダゾール化合物を内包した微粒子の製造方法 | |
JP5438659B2 (ja) | 硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの製造方法、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル、並びに、熱硬化性樹脂組成物 | |
KR101816284B1 (ko) | 광중합 유도 상분리 현상을 이용한 고분자 반투과성 미세캡슐 및 이의 제조방법 | |
Tawonsree et al. | Control of various morphological changes of poly (meth) acrylate microspheres and their swelling degrees by SPG emulsification | |
KR102014742B1 (ko) | 혼합염 현탁 중합방법 및 그로부터 제조된 수지 및 촉매 | |
TW202204499A (zh) | 用於製造多孔微結構的方法 | |
Hata et al. | Preparation of hollow poly (divinyl benzene) particles with multiple holes in the shell by microsuspension polymerization with the SaPSeP method |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130305 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130924 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131203 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131220 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |