JP5442477B2 - 耐突刺し性手袋 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は耐突刺し性手袋に関し、最外層(2)と最内層(3)との間に複数枚の積層シート(4)を備えた耐突刺し性手袋であって、上記の積層シート(4)に少なくとも、伸縮性を備える高分子ポリマーでコーティングされた布帛(6)と、極細繊維で構成された織物(7)と、を含むことを特徴とする。
またこの高分子ポリマーは、例えばポリウレタン樹脂のように摩擦力の大きなものを用いた場合、この布帛を積層シートの中間部分に配置することで、縫製の際に隣接する生地との間で滑ることが防止され、安全に且つ効率的に作業できて好ましい。
例えばこの極細繊維は、単繊維繊度が0.001デシテックス以上1.5デシテックス以下であると、この極細繊維織物の柔らかさを良好にできるうえ、緻密な織物に形成して優れた突刺し抵抗性を発揮できるので好ましく、単繊維繊度が0.001デシテックス以上1.0デシテックス以下であるとより好ましく、0.005 デシテックス以上0.9デシテックス以下であるとさらに好ましく、0.01デシテックス以上0.8デシテックス以下であると特に好ましい。
また上記の布帛が織物である場合、経糸や緯糸の繊度は100〜4000デシテックスが好ましく、より好ましくは215〜3300デシテックスの範囲である。その単糸繊度は0.1〜10デシテックスが好ましく、より好ましくは0.4〜5デシテックスの範囲である。そしてこの繊維も上記の高圧流体噴射処理によりフィブリル化されると好ましい。
図1に示すように、この耐突刺し性手袋(1)は、皮革又は編織物あるいは不織布などの生地からなる最外層(2)と最内層(3)との間に、複数枚の積層シート(4)を備える。この積層シート(4)は、複数の高分子ポリマーコーティング布帛(6)と極細繊維で構成された織物(7)とを含み、さらに、高強度繊維からなる布帛(8)とを含む。なおこの実施形態では、手袋(1)の手の平部(1a)と手の甲部(1b)との両方に上記の積層シート(4)が配設してある。但し本発明では、例えば手の平部(1a)と手の甲部(1b)との少なくとも一方など、所望の部位に上記の積層シート(4)が配設してあればよい。
200デシテックスのナイロン6製マルチフィラメントを経糸に、320デシテックスのナイロン6製マルチフィラメントを緯糸に用い、経糸織密度70本/2.54cm、緯糸織密度52本/2.54cmの平組織に織成して基材を得た。この基材の片面に、ポリウレタン樹脂を塗布によりコーティングして、目付175g/m2の高分子ポリマーコーティング布帛を得た。
島成分がポリエチレンテレフタレートであり、海成分がポリエステルの酸成分としてテレフタル酸と5−ナトリウムイソフタル酸の共重合体である、アルカリ熱水可溶性ポリエステルからなる海島型ポリエステル複合繊維を用いた。この海島型ポリエステル複合繊維は、海/島比が20/80であり、単繊維1本の島数が70である。このポリエステル複合繊維の、トータル66デシテックス(9フィラメント)のフィラメントヤーンを経糸と緯糸に用いて、織密度110本/2.54cmの平組織の織物(目付62g/m2)にしたのち脱海処理を施した。次いで、この織物の片面にウォータージェットパンチ(WJP)処理を施し、目付68g/m2の極細繊維織物を得た。
なお、上記のウォータージェットパンチ処理は、高圧流体噴射装置(PERFOJET社製「JETLACE(登録商標)」、ノズル孔径0.1mm、ノズル列1列、ノズルピッチ0.6mm)を用い、ノズル噴射孔と織物の距離を1.5cmとし、織物の移動速度を5m/分とし、最大処理水圧を10MPaとし、処理回数を1回として処理した。
東レ・デュポン株式会社製のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維フィラメント糸条(「KEVLAR(登録商標)29」、引張強度20.3cN/デシテックス、引張弾性率490cN/デシテックス、単糸繊度1.65デシテックス)のカットステープル(繊維長51mm)100%から得た紡績糸20番双糸(綿番手)を用いた。この紡績糸を経糸と緯糸に用い、タテ密度58本/2.54cm、ヨコ密度47本/2.54cm、目付230g/m2の2/1ツイル組織のアラミド繊維100%織物を得た。次いで、この織物の両面に、前記の高圧流体噴射装置を用いてウォータージェットパンチ処理を施し、248g/m2の高強度繊維織物を得た。なお、このときのウォータージェットパンチ処理は、ノズル噴射孔と織物の距離を1.5cmとし、織物の移動速度を1m/分とし、最大処理水圧を20MPaとし、処理回数を片面3回ずつ、両面合計で6回処理した。
東レ・デュポン株式会社製のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(「KEVLAR(登録商標)29」、引張強度20.3cN/デシテックス、引張弾性率490cN/デシテックス、単糸繊度1.65デシテックス)のカットステープル(繊維長51mm)を用いた。このカットステープルを公知の方法により開綿、開繊して短繊維ウエブを作製し、その短繊維ウエブを複数積層した後、ニードルパンチングして、目付290g/m2、密度0.209g/cm3を有する不織布を作製した。次いで、この不織布の両面に、前記の高圧流体噴射装置を用いてウォータージェットパンチ処理を施し、目付305g/m2、密度0.565g/cm3を有する不織布を得た。なお、このときのウォータージェットパンチ処理は、ノズル噴射孔と不織布の距離を1.5cmとし、不織布の移動速度を1m/分とし、最大処理水圧を20MPaとし、処理回数を片面3回ずつ、両面合計で6回処理した。
実施例1:上面から順に、ポリウレタン樹脂コーティング布帛3枚と、極細繊維織物4枚とを重ねて検体とした。
実施例2:上面から順に、ポリウレタン樹脂コーティング布帛4枚と、極細繊維織物3枚とを重ねて検体とした。
実施例3:上面から順に、高強度繊維織物1枚と、ポリウレタン樹脂コーティング布帛3枚と、極細繊維織物4枚とを重ねて検体とした。
実施例4:上面から順に、高強度繊維織物1枚と、ポリウレタン樹脂コーティング布帛4枚と、極細繊維で構成された織物3枚とを重ねて検体とした。
実施例5:上面から順に、ポリウレタン樹脂コーティング布帛5枚と、極細繊維織物4枚とを重ねて検体とした。
実施例6:上面から順に、高強度繊維不織布1枚と、ポリウレタン樹脂コーティング布帛3枚と、極細繊維織物4枚とを重ねて検体とした。
実施例7:上面から順に、高強度繊維不織布1枚と、ポリウレタン樹脂コーティング布帛4枚と、極細繊維織物3枚とを重ねて検体とした。
比較例1:上面から順に、極細繊維織物7枚を重ねて検体とした。
比較例2:上面から順に、高強度繊維織物1枚と、極細繊維織物7枚とを重ねて検体とした。
比較例3:上面から順に、高強度繊維不織布1枚と、極細繊維織物7枚とを重ねて検体とした。
また、手袋の柔らかさは、手触りでの官能検査により行い、上記の比較例1を基準として、これと同等の場合を「柔らかい」とし、柔らかさがこれよりもやや劣るものを「やや柔らかい」とした。
(1) 高分子ポリマーコーティング布帛と極細繊維織物とを組み合わせた本発明の実施例1、2では、同じ枚数の極細繊維織物のみからなる比較例1に比べて、同じ程度の柔らかさを有しながら、この比較例1よりも高い突刺し抵抗性が得られた。
(2) 高強度繊維織物を1枚増やした実施例3、4では、実施例1、2よりもさらに優れた突刺し抵抗性を発揮でき、しかも、柔らかさはこれらに比べてやや劣るものの、作業性に支障がない程度の、十分に柔らかな装着感が得られた。
(3) また上記の実施例3、4では、比較例1に高強度繊維織物を1枚増やし同じ枚数とした比較例2よりも高い突刺し抵抗性が得られ、特にCE用鉄針に対し優れた突刺し抵抗性が得られた。即ち、高強度繊維織物を組み合わせることにより、先端が鈍器のような棒状のものに対し優れた突刺し抵抗性が発揮された。
(5) 高強度繊維不織布を1枚増やした実施例6、7では、比較例1に高強度繊維不織布を1枚増やし同じ枚数とした比較例3に比べて、優れた突刺し抵抗性が得られた。
(6) しかもこの実施例6、7では、上記の不織布が織物よりも柔らかいことから、上記の高強度繊維織物を用いた実施例3、4よりも、優れた柔らかさと装着感が得られた。
1a…手の平部
1b…手の甲部
2…最外層
3…最内層
4…積層シート
6…高分子ポリマーコーティング布帛
7…極細繊維織物
8…高強度繊維布帛(高強度繊維織物、高強度繊維不織布)
Claims (7)
- 最外層(2)と最内層(3)との間に複数枚の積層シート(4)を備えた耐突刺し性手袋であって、
上記の積層シート(4)に少なくとも、伸縮性を備える高分子ポリマーでコーティングされた布帛(6)と、極細繊維で構成された織物(7)と、を含むことを特徴とする、耐突刺し性手袋。 - 上記の高分子ポリマーがポリウレタン樹脂である、請求項1に記載の耐突刺し性手袋。
- 上記の高分子ポリマーコーティング布帛(6)の基材が、ナイロン繊維で構成された織物である、請求項1または請求項2に記載の耐突刺し性手袋。
- 上記の極細繊維が、0.001デシテックス以上1.5デシテックス以下の単繊維繊度である、請求項1から3のいずれか1項に記載の耐突刺し性手袋。
- 上記の積層シート(4)に、高強度繊維からなる布帛(8)を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の耐突刺し性手袋。
- 上記の高強度繊維が、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維である、請求項5に記載の耐突刺し性手袋。
- 上記の積層シート(4)は、手の平部(1a)と手の甲部(1b)との少なくとも一方に配設してある、請求項1から6のいずれか1項に記載の耐突刺し性手袋。
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