JP5442208B2 - うつ病の検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、うつ病の検査方法に関する。より詳しくは、被験者から単離された末梢血中の特定18遺伝子の発現量に基づき、当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定する検査方法に関する。
うつ病は生涯罹患率が10%前後の頻度の高い疾患であり、その頻度は現代社会のストレスに促進されて今後さらに増加することが予想される。この疾患は、罹患者の精神と身体に著しい苦悩をもたらし、その社会生活に甚大な支障をきたすばかりか、自殺に結びつくことも少なくない重大な疾患である。年間3万人以上にものぼる自殺者の大半はうつ病に罹患していたと推定されている。また、怠学、失職、引きこもりなどの社会的問題やアルコール関連障害などの医学的問題にも深く関連している。この疾患を的確に診断し、すみやかに治療する体制を確立することは、国民生活の向上に必須であり、社会全体の急務である。
うつ病の診断は、しかし決して簡単ではない。うつ病の主症状は、抑うつ気分、意欲低下、興味と喜びの喪失、集中力と注意力の減退、自己評価と自信の低下、罪責感と無価値感、将来への悲観、自殺念慮、睡眠障害、食欲不振などである。これらの症状には特有の特徴があり、誰でもが経験する気分の落ち込みとは異なっており、身体疾患罹患時の疲弊感に伴う精神活動低下とも異なっている。うつ病の症状を把握するためには、詳しく病歴を聴取し、心理行動面に表れる症状がいつからどのように出現し、社会生活や家庭生活の上でどのような支障が生じているのかを聞きとり、受診時の患者の態度や会話内容などから、諸症状を確認することが主体となる。家族歴、既往歴、身体的健康状態、生育歴、生活史、性格傾向、病前社会適応状況、きっかけとなった出来事の有無、などは重要な参考事項となる。これらを的確に把握するためには、十分に熟練した精神科専門医による一時間ほどの面接が必要となる。さらに一般的身体状態および神経学的状態に大きな異常のないことを確認し、必要に応じて脳波や脳画像検査によって脳器質性疾患を除外して診断に至る。得られた所見を、世界保健機構(WHO)やアメリカ精神医学会による診断基準と照合し、診断を確定することが一般的である。
従来の診断方法の大きな問題点は、診断には熟練した技能を要することである。うつ病に関する十分な知識と経験が必要であることはいうまでもないが、うつ病には該当しなくともうつ状態を呈する心理的、精神科的および身体的状態は数多い。それらとの鑑別診断も必須となる。したがって、診断には十分な研修を積んだ精神科専門医師があたらねばならない。しかし、生涯罹患率が10%前後というありふれた病気であるうつ病は、プライマリーケア医師を受診することが多い。精神科的な診察に習熟していない一般医師にとって、客観的検査所見のないうつ病の診断は必ずしも容易ではない。また、うつ病は薬物療法をはじめとする身体(脳)に対する治療が必要である医学的疾患であり、臨床心理士などの臨床心理学の専門家や保健婦などの精神保健活動従事者にとっては、単独では診断することは困難である。
診断に習熟を要するのは、簡便かつ客観的な症状評価方法が存在しないことが大きな要因となっている。現在も、自己記入式の質問紙によるスクリーニング方法もあるが、あくまで主観的に記入されるため、性格要因、環境要因あるいは身体状態不良による気分の落ち込みと本来のうつ病を区別することはできない。医師の用いる症状評価尺度もあり、重症度の判定にはしばしば使用されるが、これも各項目の評価には適切な問診が必要であって、診察に代わる物ではない。
客観的な指標を目指して、これまでにもいくつかの検査方法が試みられている。うつ病は、脳内のモノアミン系の機能的変調があり、その変調は心身相関作用を通して、神経内分泌系、神経免疫系、自律神経系に少なからぬ影響を及ぼしていることが知られている。特に、神経内分泌的な異常のひとつである軽度の副腎皮質ホルモン分泌亢進をデキサメサゾン抑制試験によって的確に把握してうつ病の診断に応用する試みは、1980年代以降に精力的に研究されたが、試験薬服用という煩雑さおよび感度や特異性の限界から臨床応用には至らなかった。研究段階では、その他の神経内分泌系、神経免疫系、自律神経系、日内リズムや睡眠構築の異常なども報告されている。最近では、脳血流や脳内モノアミン受容体の変化なども指摘されているが、いずれも感度や再現性に問題が残る。いずれに着目するにしても、限られた因子を測定する方法ではうつ病という複雑な精神疾患を評価することそのものが困難であるとも言える。また、従来の検査は、施行と評価には膨大な時間と労力が必要であり、簡便性という観点をも考慮すると、日常診療への応用はとうてい望むことが出来ないのが現状である。
発明者らは、末梢血を対象とした遺伝子発現解析でうつ病患者特有の発現パターンを解析し、その特徴を判断指標とするうつ病の診断方法を開発し、報告している(特許文献1および2)。しかし、開示されている方法は、搭載遺伝子数約1500のマイクロアレイを用いて疾患関連遺伝子を探索したものであり、末梢血細胞で発現している遺伝子転写物約10000から20000種類に比べて非常に少なく、十分なマーカー探索になっていない可能性や、よりうつ病罹患患者に特有な発現挙動を示すマーカー遺伝子が見落とされている可能性がある。
特開2004-208547号公報(米国特許公開2004-185474号公報) 特開2005-312435号公報(米国特許公開2005-239110号公報)
本発明の目的は、簡便でかつ数多くの因子を測定することで精度高くうつ病か否かを判定できる検査方法を提供することにある。特に、ヒトの全遺伝子に匹敵する41000種類の遺伝子転写物の発現量を一度に測定し得るマイクロアレイを用いてうつ病患者特有の発現量を示すマーカー遺伝子群を選定したものである。
うつ病の病因としてこれまで、カテコラミン仮説、インドールアミン仮説をはじめ、最近では、GABA仮説、グルタミン仮説、ドーパミン仮説、神経新生仮説、などが提唱されてきた。これらの仮説に対して多くの矛盾点が指摘され、現在に至っても結論は得られていない。分子遺伝学的手法による連鎖研究や関連研究ならびに連鎖解析による染色体の感受性領域の検索もなされているが、うつ病のように、複数の遺伝子の相互作用により素因(生物学的特性)が形成され、さらに、ストレスのような環境因子によって発症する疾患では、病原遺伝子を解析することは極めて困難である。これまでの遺伝子解析から、うつ病に関連する機能的候補遺伝子として、セロトニントランスポーター、セロトニン1A/2C受容体、ドーパミンD2/D3受容体、ドーパミントランスポーター、チロシン水酸化酵素、トリプトファン水酸化酵素、モノアミン酸化酵素などとの関連が報告されているが、一方では否定的な追試もなされている。
本発明者らは、ストレスが発症に重要な役割を果たすうつ病の病態を客観的に評価するため、検体として容易に得られ、しかも、ストレスに関連する因子の受容体の多くを発現する末梢血白血球に着目し、かつ、全血から白血球を分離すると白血球細胞へのダメージが大きくため全血から直接RNAを抽出し白血球に多く発現している遺伝子群の発現パターンを網羅的に解析する方法を採用し、発現量をパターン化した。また、本解析では、ヒトの全遺伝子に匹敵する41000種類の遺伝子転写物を網羅的に探索しうるマイクロアレイを用いてうつ病患者特有の発現量を示すマーカー遺伝子群を広く探索し、選定した。
かくして、発明者らはうつ病のマーカーとなる新規な18遺伝子を決定し、当該遺伝子の発現量あるいはその平均値に基づき、被験者のうつ病の罹患可能性を高い確度で診断しうる方法を完成させた。
本発明は、被験者から単離された末梢血中における、FASLG、CX3CR1、TBX21、ID2、SLAMF7、PRSS23、YWHAQ、TARDBP、ADRB2、PPP1R8、MMAA、SQLE、PDHA1、HAVCR2、RACGAP1、AHNAK、EDG8、およびDUSP5の18遺伝子の発現量を測定し、前記測定結果に基づき前記被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定することを特徴とする、うつ病の検査方法を提供する。
1つの実施形態では、前記被験者の18遺伝子の発現量を、健常人における当該遺伝子の発現量とそれぞれ比較解析することにより、被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定する。
別な実施形態では、前記被験者の18遺伝子の発現量と、健常人における当該遺伝子の発現量との発現比を求め、前記発現比を予め取得されたうつ病患者および健常人の18遺伝子の発現量のデータと比較解析することにより、被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定する。この比較解析は、例えばサポートベクターマシン等を用いて実施できる。
また別な実施形態では、前記被験者の18遺伝子の発現量の平均値を求め、この平均値を健常人の当該18遺伝子の発現量の平均値と比較解析することにより、被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定する。具体的には、前記被験者の18遺伝子の発現量の平均値が、健常人における当該18遺伝子の発現量の平均値に対して有意に低い場合、被験者はうつ病の罹患可能性が高いと判定することができる。
遺伝子の発現量はDNAチップやアレイ等の核酸固相化試料を用いることにより簡便に測定することができる。
前記した18遺伝子は、その一部の発現量を用いることによっても、被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定することができる。本発明は、さらなる実施形態として、前記18遺伝子の少なくとも一つの発現量を測定し、前記測定結果に基づき当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定する、うつ病の検査方法も提供する。
前記方法では、被験者の18遺伝子の少なくとも一つの発現量を、所定の基準値と比較し、比較結果に基づいて当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定することができる。
あるいは、前記被験者の18遺伝子の少なくとも一つの発現量と、所定の基準値との比を求め、前記比を所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定することができる。
また前記被験者の18遺伝子の少なくとも二つの発現量の平均値を求め、前記平均値を所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定することもできる。たとえば、前記被験者の18遺伝子の少なくとも二つの発現量の平均値が、前記閾値よりも低い場合、当該被験者はうつ病の罹患可能性が高いと判定することができる。
本発明は、本発明のうつ病の検査方法を実施するためのプログラムも提供する。本発明のプログラムは、
1)被験者から単離された末梢血中における、FASLG、CX3CR1、TBX21、ID2、SLAMF7、PRSS23、YWHAQ、TARDBP、ADRB2、PPP1R8、MMAA、SQLE、PDHA1、HAVCR2、RACGAP1、AHNAK、EDG8、およびDUSP5の18遺伝子の発現量を入力する手段と、
2)予め入力されたうつ病患者および健常人の前記18遺伝子の発現量に関するデータを記憶する手段と、
3)前記被験者における18遺伝子の発現量と前記健常人における18遺伝子の発現量を比較解析する手段と、
4)前記解析結果に基づき、当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定する手段と、
5)前記判定結果を出力する手段、を有する。
1つの実施形態では、前記3)において、前記被験者の18遺伝子の発現量と、健常人における当該遺伝子の発現量との発現比を求め、前記発現比を記憶手段に予め記憶されているうつ病患者および健常人の発現量と比較解析する。この比較解析は、例えばサポートベクターマシン等を用いて実施できる。
別な実施形態では、前記3)において、被験者における前記18遺伝子の発現量の平均値を求め、この平均値と健常人における前記18遺伝子の発現量の平均値を比較解析する。
本発明のプログラムは、前述した手段に加えて、前記被験者の18遺伝子の発現量を記憶し、必要に応じて、前記うつ病患者および健常人のデータを更新する手段を有していることが好ましい。
本発明の検査方法の概念図を図1に示す。本発明では、被験者の抹消血を採取しRNAを抽出して、その発現プロファイルを調べることで被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定するものである。採取する血液量は2−5cc程度で十分に評価できる。
本発明で用いられる、遺伝子の発現量を調べる方法は、DNAチップやマイクロアレイ等の核酸固相化試料に限られるものではなく、定量的PCR法、ノーザンブロット法等も使用できる事は明白である。
本発明では、うつ病患者および健常者の発現データを臨床情報と合わせてデータベースとして蓄えておき、被験者の発現データをデータベースを参照して解析することで、被験者のうつ病の状態を検査することが好ましい。データの解析方法は、サポートベクターマシンに限られるものではないことは明白であり、例えば他の機械学習のアルゴリズムも使用できる。うつ病患者および健常者の発現データをコンピューターにあらかじめ学習させておき、被験者の発現データがうつ病患者と健常者のどちらの発現パターンに近いかをコンピューターに判断させ、それによって被験者のうつ病の状態を検査する方法であればよい。こうしたうつ病の検査システムの概念図を図2に示す。
既報(特開2004-208547号公報(米国特許公開2004-185474号公報)、特開2005-312435号公報(米国特許公開2005-239110号公報))には、マーカー遺伝子群の発現量を指標にした階層クラスタ解析法により、被験者の罹患の有無を判断する評価方法が開示されている。クラスタ解析法では、被験者の発現パターンが患者と健常者のどちらのグループに属するかの判定について、デンドログラム(樹状図)を最終的にヒトが判断せざるを得ず、客観性を確保することが難しい。一方、サポートベクターマシンによる分別法では、判断をコンピュータが行うため、客観性が保たれる(Proceedings of National Academy of Sciences of the United States of America, Vol. 97, Issue 1, 262-267, (2000). “Knowledge-based analysis of microarray gene expression data by using support vector machines”)。さらに、境界(うつ病患者と健常人との境界)からの距離を算出することもでき、被験者がどれだけその境界から離れているかを客観的に判断することも可能である。したがって、本発明のような複数の遺伝子の発現量を総合的に判断して罹患の有無を判断する方法に適している。
本発明は、末梢血白血球中のRNA発現量を一括定量することによってうつ病に特有の所見を得ることでうつ病を検査する方法を提供するものであって、うつ病の診療に画期的な向上をもたらすものである。
本法は、患者の特別な協力を必要とせず、通常の採血による2-5ccの血液をもとに解析可能であり、非侵襲的、簡便かつ日常的に行うことのできる検査方法である。数多くのRNA発現量から生体機能を多面的に把握する本法は、従来の限られた因子を測定する方法に比べ、うつ病のように心と身体にまたがる複雑な精神疾患の検査方法として原理的にも適切である。
結果の判定は簡単明瞭であり、うつ病の客観的な指標としてプライマリーケア医師が容易に使用でき、診断の確立や治療の導入にきわめて有用となる。また、職場、学校及び地域の検診時や人間ドック等で、集団の中からハイリスクグループを簡便かつ高精度に、しかも安価に選び出すことにより、うつ病の早期発見が可能となり、予防医学的見地から国民のこころの健康の向上にも大きく寄与することができる。
本法の有用性はプライマリーケアと検診に限らない。精神科専門医師にとっても、うつ病発症に関わる心理社会環境因子の検索、病態の評価、診断、及び治療評価、予後判定に応用することができ、精神医学の分野でも革命的な検査技術となる。
以下、本発明の実施の形態について、具体例を示して詳細に説明する。
本発明のマーカー遺伝子の探索・選定方法について説明する。
発明者らは、以下に記載する患者及び健常者より採血し、全血よりRNAを抽出した後DNAチップを用いて、患者及び健常者発現解析を行った。DNAチップとは、ガラス等の支持基体上に多数の遺伝子に相当する塩基配列を有するDNA断片を固定化したものであり、ハイブリダイゼーションにより、サンプル中のDNAあるいはRNAを検出するものである。
対象患者は次の通りである。徳島大学医学部附属病院精神科神経科を平成14年11月から平成18年12月までの間に受診した未治療のうつ病患者のうち、本診断法開発のための研究に参加することについて文書により説明し同意を得たものを対象とした。本研究は徳島大学医学部附属病院倫理委員会の承認を得ている。診断は、ICD-10(International Classification of Diseases 10th edition)のうつ病エピソードに合致するものとした。また重篤な身体合併症を有するものや身体疾患治療薬を服用しているものは除外した。午前10時から午後1時までの空腹時に医師または看護師が、安静下に肘静脈より採血した。
被験者の詳細情報を表1にまとめて示す。未治療のサンプルを得た46名の患者は、男性17名、女性29名で年齢は17歳から76歳まで(平均42歳)であり、ハミルトン評価尺度得点は平均19.8点(標準偏差6.8)であった。
Figure 0005442208
比較対照となる健常者は、男性49名、女性73名の合計122名、年齢は21歳から88歳まで(平均45歳)であり、これらの方の協力を得て健常者サンプルを収集した。未治療患者・健常者ともほぼ男女比・年齢はマッチしている。健常者の採血は午前10時から午後1時までの空腹時に行った。
抗うつ薬の薬物療法による治療後のサンプルを得たのは40名であり、治療開始後1ヶ月(32名)、2ヶ月(7名)及び3ヶ月(1名)のサンプルを収集した。治療後のハミルトン評価尺度得点はそれぞれ平均値で、19.8点、7.8点及び4点であった。未治療うつ病患者46検体、治療後うつ病患者40検体及び健常者122検体の合計208検体を対象に解析を行った。
すべての被験者からPAXgene Blood RNA System(キアゲン社製)を用いて5cc(2.5ccを2本)採血し、トータルRNAを抽出した。トータルRNAの収量は、5-15マイクログラムであった。次に、各被験者より抽出したトータルRNAの品質をBioanalyzer2100(Agilent社製)により調べ、分解がないことを確認した。次に、それぞれのトータルRNA 0.2 μgに対して、in vitro Transcription 反応を用いてcRNAを増幅して合成するAgilent社製試薬(Low RNA Input Linear Amp Kit PLUS, One-Color)を用いてaminoallyl-CTP存在下でaminoallyl-CTPが導入されたcRNAを合成した。次に、合成したcRNA 中のアミノ基とスクシンイミド基付き蛍光色素(Cy3)(アマシャム社製)をカップリング反応させ蛍光標識したRNAを合成した。次に、Agilent社製マイクロアレイ(Whole Human Genome Microarray 4 Pack)に対して蛍光標識されたRNAを65℃/17時間の条件でハイブリさせた。Agilent社の所定のプロトコルに従い洗浄後、Agilent scanner(Agilent社製)により蛍光画像を読み取った。画像データから数値データへの変換は専用ソフトFeature Extraction(Agilent社製)を用いて行った。続いて、信号強度の25%から75%までに含まれる遺伝子の信号強度の総和が全208検体間で同一になるようノーマリゼーション処理を行った。同一の総和の値はが11,234,345であった。次に、全208検体のデータセットの中で半分の104検体以上で信号強度が100以上得られた遺伝子を抽出して、それらを末梢血で発現している遺伝子とみなし、解析対象遺伝子群とし、以下の解析を行った。解析対象遺伝子として、21,895個の遺伝子が抽出された。
ノーマリゼーション処理、信号強度に基づく遺伝子の選別を施した後、健常者122検体のデータを対象に、各遺伝子の発現強度の平均値を算出し、平均値のデータセットを作成して比較データセットとした。次に、全208検体個々の発現強度データを前記比較データセットで割り算を行い、全208検体について発現強度比を算出した。この208検体の発現比データを用いて以下のデータ解析を実施した。
未治療患者患者46検体と健常者122検体の2群について、群間で発現量が有意に異なる遺伝子群を抽出することを目的に、有意水準0.05、Bonferroniの多重補正、等分散を仮定しない条件の下t検定を行った。その結果、631個の遺伝子が抽出された。631個の発現量の特徴を見ると、3/4以上が健常者に対して患者において発現量が減少している遺伝子であり、その減少の程度はほぼ均一であった。
以上のように、この631個の遺伝子は、末梢血サンプルにおいて十分な発現量を持ち、かつ、健常者と患者間で有意な発現量差を持つマーカー遺伝子として有用であることが判明した。
赤血球は核を持たないため、全血サンプルのRNAは大部分が白血球由来だと考えられる。白血球は、単球、顆粒球、リンパ球からなるが、例えば、リンパ球にはT細胞、B細胞、NK細胞等があることから、本検討で用いた全血サンプルは、非常に数多くの種類の異なる細胞由来のRNAの混合物であるといえる。したがって、本検討で評価している遺伝子の発現量は、その遺伝子が発現している個々の細胞の数とその細胞中での遺伝子の発現量を掛け算したものの総和を評価していることになる。したがって、患者と健常者間で血中の特定の細胞の数に変化があるとすると、その細胞で多く発現している遺伝子に発現量としての大きな差が検出されることになる。また、それらの遺伝子群の変化量は細胞数が変化することに起因するためほぼ均一になることになる。
そこで、前記実施例1で記載した、健常者群と患者群で発現量に優位に差の認められた631個の遺伝子群が主にどの細胞群に由来するのかを以下のように調べた。
健常者2名の血液を30ccほど採血し、そのうち25ccからミルテニーバイオテク社製表面抗原認識マイクロ磁気ビーズを用いて、T細胞、好中球、単球を分画し、各々からRNAを抽出し、残りの5ccの全血からRNAを抽出し、全血と各分画間で遺伝子発現比較解析を行った。2被験者間の平均値として求めた発現量を用いて、T細胞、好中球、単球の各々について、他の2分画と比較して発現量が2倍以上多いこと、2被験者間の発現量の差が2倍以下であることを基準として個々の細胞で特異的に発現する遺伝子を抽出した。その結果、T細胞では141個、好中球では120個、単球では204個、各細胞に特異的に発現する遺伝子を抽出できた。これらの遺伝子群と群間検定で抽出した631遺伝子との関係を調べるため、解析対象遺伝子21,895遺伝子をグルーピングするクラスタ解析を208検体のデータについて行い、その上に、631個の遺伝子セットと各分画の特異的発現遺伝子セットとをマッピングした。その結果、解析対象遺伝子21,895遺伝子は大きく分けて4群に分けることができ、T細胞特異的発現遺伝子141個中107個が集中して集まる遺伝子グループに、うつ病関連遺伝子631個中281個が集中していることが判明した。他の分画の特異的発現遺伝子は他のグループに集中していた。以上のことから、健常者と患者で発現量が有意に異なっていたうつ病関連遺伝子631個は、T細胞由来であることが明らかとなった。したがって、うつ病に罹患することで、T細胞の数、あるいはキラーT細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞等の種々あるT細胞の種類の存在割合が変化するものと考えられる。
以上の検討結果より、被験者の末梢血全血由来の遺伝子発現解析において、T細胞において他の血液細胞の発現量よりも少なくとも2倍以上発現量が多い遺伝子群の発現量を測定し、前記測定結果を基に判断することでうつ病の評価をおこなうことができることが判明した。
次に、実施例1で記載した、うつ病関連遺伝子631個のうち、どの遺伝子群に着目すればより効果的にうつ病を評価できるかを検討した。631個の遺伝子からp値の小さい方から1個,2個,3個と順々に選び、それらの発現量の平均値を算出して、その平均値の健常者群122名と患者群46名での有意差検定を行うとどのくらいのp値が得られるかを調べた。具体的には、患者の遺伝子の発現量と健常者の遺伝子の発現量の比のLog値の遺伝子間の平均値を用いて有意差検定を実施した。図3にその結果を示す。評価に用いる平均値算出の対象となる遺伝子の数が増えるにしたがって得られるp値(平均値を用いた群間検定による値)は減少するが、p値(各遺伝子1個だけの場合の値)の大きな遺伝子を対象とすると次第に得られるp値(対象遺伝子群の平均値の場合の値)が大きくなることが判明し、p値が最小値を示す遺伝子セットが存在することが明らかとなった。その遺伝子セットを表2に示す。なお、表2中のp値はEXAMPLE1において、631個の遺伝子を抽出する際に求められたp値であり、多重検定の補正がされた値である。
Figure 0005442208
また、表3〜6に各患者の18遺伝子の発現量(蛍光強度)のデータを示し、表7〜17に各健常者の18遺伝子の発現量(蛍光強度)のデータを示す。患者データと健常者データとの比較により、うつ病の患者の18遺伝子の発現量が健常者のそれに比べて有為に低下していることが理解される。
Figure 0005442208
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Figure 0005442208
かくして、被験者の末梢血全血から抽出したメッセンジャーRNAから、FASLG、CX3CR1、TBX21、ID2、SLAMF7、PRSS23、YWHAQ、TARDBP、ADRB2、PPP1R8、MMAA、SQLE、PDHA1、HAVCR2、RACGAP1、AHNAK、EDG8、DUSP5の発現量を解析した後それらの発現量の平均値を算出し、前記平均値を指標とすることで健常者と患者を識別することが可能であることが判明した。
また、表2に挙げた遺伝子のp値はいずれも0.000004以下であり、1つの遺伝子の発現量を測定しただけで十分健常者と患者を識別することができる。したがって、被験者の末梢血全血から抽出したメッセンジャーRNAから、FASLG、CX3CR1、TBX21、ID2、SLAMF7、PRSS23、YWHAQ、TARDBP、ADRB2、PPP1R8、MMAA、SQLE、PDHA1、HAVCR2、RACGAP1、AHNAK、EDG8、DUSP5から選ばれる、少なくとも1つの遺伝子の発現量を測定し、前記測定結果を基に判断することでうつ病を検査できることが判明した。
次に、実施例3に記載した18遺伝子の発現量を指標とし、サポートベクターマシンで診断した場合の感度、特異度をleave-one-out法により評価した。結果を表18に示す。
Figure 0005442208
感度は約83%、特異度は約92%、正診率は約89%と、非常に良好にうつ病患者と健常者を識別できることが明らかとなった。したがって、被験者の末梢血全血から抽出したメッセンジャーRNAから、FASLG、CX3CR1、TBX21、ID2、SLAMF7、PRSS23、YWHAQ、TARDBP、ADRB2、PPP1R8、MMAA、SQLE、PDHA1、HAVCR2、RACGAP1、AHNAK、EDG8、DUSP5の各遺伝子の発現量を求め、前記サポートベクターマシンの判定結果を基に判断することでうつ病を検査できることが判明した。
次に、治療経過に伴ううつ病の評価結果について検討した。未治療の患者に加え、薬物治療開始後1ヶ月後の患者32名、2ヵ月後7名の血液についても遺伝子発現解析を行った。各患者の前記18遺伝子の発現量の平均値と各健常者の発現量の平均値(比較データセット)との比のLog値の平均値を求め図4にプロットした。治療に伴い、HAMDの値は治療前の19.8から、1ヵ月後7.8、2ヵ月後5.3とうつ病の病状が改善するのに伴い、18遺伝子の発現量も一様に増加している(健常者のレベルに回復している)のが分かる。
さらに、18遺伝子の発現量の平均値(Log Ratioの平均値)を、未治療のうつ病患者(D1)と健常人(N1)について、図5にプロットした。うつ病患者と健常人では、18遺伝子の発現量の平均値は、有意に異なることが分かる(p-value=1.19944E-21)。
この結果は、前記18遺伝子の発現量の平均値が健常者と患者を識別する指標となるだけではなく、治療の効果を評価する指標としても有効であることを示している。したがって、前記うつ病の評価方法において、遺伝子発現解析をおこなうことで、うつ病に対する治療効果を調べることができることが明確に示された。
30代、40代及び50代の男女各々1名の健常人(総数6名)から、PAXgene Blood RNA System(キアゲン社製)を用いて各々5cc採血し、トータルRNAを抽出した。トータルRNAの収量は、5-15マイクログラムであった。抽出したトータルRNAの品質をBioanalyzer2100(Agilent社製)により調べ、分解がないことを確認した。次に、それぞれのトータルRNA 0.2 μgに対して、in vitro Transcription 反応を用いてcRNAを増幅して合成するAgilent社製試薬(Low RNA Input Linear Amp Kit PLUS, One-Color)を用いてaminoallyl-CTP存在下でaminoallyl-CTPが導入されたcRNAを合成した。次に、合成したcRNA 中のアミノ基とスクシンイミド基付き蛍光色素(Cy3)(アマシャム社製)をカップリング反応させ蛍光標識されたRNAを合成した。次に、Agilent社製マイクロアレイ(Whole Human Genome Microarray 4 Pack)に対して蛍光標識されたRNAを65℃/17時間の条件でハイブリさせた。Agilent社の所定のプロトコルに従い洗浄後、Agilent scanner(Agilent社製)により蛍光画像を読み取った。画像データから数値データへの変換は専用ソフトFeature Extraction(Agilent社製)を用いて行った。続いて、信号強度の25%から75%までに含まれる遺伝子の信号強度の総和が11,234,345になるようノーマリゼーション処理を行った。
対象患者は次の通りである。診断は、ICD-10(International Classification of Diseases 10th edition)のうつ病エピソードに合致するものとした。また重篤な身体合併症を有するものや身体疾患治療薬を服用しているものは除外した。治療前のサンプルを得た6名の患者は、男性3名、女性3名、年齢は38歳から55歳まで(平均44歳)であり、ハミルトン評価尺度得点は17点から31点(平均25.2点)であった。患者からPAXgene Blood RNA System(キアゲン社製)を用いて各々5cc採血し、トータルRNAを抽出した。トータルRNAの収量は、5-10マイクログラムであった。抽出したトータルRNAの品質をBioanalyzer2100(Agilent社製)により調べ、分解がないことを確認した。次に、それぞれのトータルRNA 0.2 μgに対して、in vitro Transcription 反応を用いてcRNAを増幅して合成するAgilent社製試薬(Low RNA Input Linear Amp Kit PLUS, One-Color)を用いてaminoallyl-CTP存在下でaminoallyl-CTPが導入されたcRNAを合成した。次に、合成したcRNA 中のアミノ基とスクシンイミド基付き蛍光色素(Cy3)(アマシャム社製)をカップリング反応させ蛍光標識されたRNAを合成した。次に、Agilent社製マイクロアレイ(Whole Human Genome Microarray 4 Pack)に対して蛍光標識されたRNAを65℃/17時間の条件で一色法でハイブリさせた。Agilent社の所定のプロトコルに従い洗浄後、Agilent scanner(Agilent社製)により蛍光画像を読み取った。画像データから数値データへの変換は専用ソフトFeature Extraction(Agilent社製)を用いて行った。続いて、信号強度の25%から75%までに含まれる遺伝子の信号強度の総和が11,234,345になるようノーマリゼーション処理を行った。
評価指標の遺伝子として、FASLG、CX3CR1、TBX21、ID2、SLAMF7、PRSS23、YWHAQ、TARDBP、ADRB2、PPP1R8、MMAA、SQLE、PDHA1、HAVCR2、RACGAP1、AHNAK、EDG8、DUSP5を用い、それらの発現量を求めた。比較参照データセットには(実施例1)で記載した方法と同じ、健常者122名の平均値のデータセットを用い、各被験者のデータを比較参照データで割り算して発現比を算出した。(実施例4)で記載した方法により作成した、患者群及び健常者群のデータベース、サポートベクターマシン判定プログラムをそのまま用いて、健常者6名及び患者6名について発現データをサポートベクターマシンによるソフトウエアにクエリーとして投げて、被験者を判定させた。その結果を表19に示す。
Figure 0005442208
表19より明らかなように、感度83.3%、特異度100%、正診率91.7%と良好に、健常者及びうつ病患者を識別できることが明らかとなった。
以上のように、特定遺伝子群の発現解析によるうつ病の評価は、臨床所見による結果と非常によい一致を示し、本発明の有効性が非常に高い事が示された。
実施例3に記載した18遺伝子のうち9遺伝子(FASLG、CX3CR1、TBX21、ID2、SLAMF7、PRSS23、YWHAQ、TARDBP、ADRB2)の発現量を指標とし、サポートベクターマシンで診断した場合の感度、特異度をleave-one-out法により評価した。その結果を下記に示す。
Figure 0005442208
実施例3に記載した18遺伝子のうち7遺伝子(FASLG、CX3CR1、ID2、YWHAQ、TARDBP、EDG8、DUSP5)の発現量を指標とし、サポートベクターマシンで診断した場合の感度、特異度をleave-one-out法により評価した。その結果を下記に示す。
Figure 0005442208
実施例3に記載した18遺伝子のうち5遺伝子(FASLG、CX3CR1、ID2、YWHAQ、TARDBP)の発現量を指標とし、サポートベクターマシンで診断した場合の感度、特異度をleave-one-out法により評価した。その結果を下記に示す。
Figure 0005442208
実施例3に記載した18遺伝子のうち11遺伝子(TBX21、SLAMF7、PRSS23、ADRB2、PPP1R8、MMAA、SQLE、PDHA1、HAVCR2、RACGAP1、AHNAK)の発現量を指標とし、サポートベクターマシンで診断した場合の感度、特異度をleave-one-out法により評価した。その結果を下記に示す。
Figure 0005442208
実施例7〜10の結果から18遺伝子のうちの一部の遺伝子を用いた場合でも70%以上の正診率を得られることがわかる。うつ病の非専門医によるうつ病の診断の正診率は20〜40%程度であるといわれており、本実施形態のうつ病の検査方法が、うつ病の診断を支援するためのツールとして有用であることが確認できた。また、専門医が診断を行う場合であっても、患者の診断の参考情報として非常に有為な情報を提供することが可能である。
なお、上述した実施形態においては、健常者の発現量から求めた比較データセットを用いてうつ病の検査を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、多数の健常者の各遺伝子の発現量および/または多数の患者の上記各遺伝子の発現量に基づいて、18遺伝子のうちの判定に用いる各遺伝子の発現量についてカットオフ値を設定し、対象者の各遺伝子の発現量をこれらのカットオフ値と比較して判定するようにしてもよい。
また、多数の健常者の各遺伝子の発現量および/または多数の患者の上記各遺伝子の発現量に基づいて、18遺伝子のうちの判定に用いる各遺伝子の発現量の基準値を設定し、対象者の各遺伝子の発現量と各遺伝子の基準値との比を求め、求められた各遺伝子の比を予め設定したカットオフ値と比較して判定するようにしてもよい。
また、多数の健常者の各遺伝子の発現量および/または多数の患者の上記各遺伝子の発現量に基づいて、18遺伝子のうちの判定に用いる各遺伝子の発現量の平均値についてカットオフ値を設定し、対象者の各遺伝子の発現量をこれらのカットオフ値と比較して判定するようにしてもよい。
本発明は、うつ病の患者の末梢血全血サンプルにおける遺伝子発現を解析した実験結果をもとに完成されたものであって、本発明の検査方法を用いることで、簡便で精度良くうつ病を検査することができる。
本発明のうつ病の検査方法の概念図。 うつ病検査システムの概念図。 631個の遺伝子について、p-valueの小さいほうから1個、2個、3個と順々に選ばれた遺伝子の発現量を基に有意差検定を行って得られたp-valueをプロットした図。 治療経過に伴う18遺伝子の発現量(比較データセットとの発現比)のLog値の平均値の変化を示す図。 うつ病患者(D1)と健常人(N1)の18遺伝子の発現量の平均値(Log Ratioの平均値)の比較を示す図。
配列番号1:FASLG(GenBank Accession No.NM_000639)
配列番号2:CX3CR1(GenBank Accession No. NM_001337)
配列番号3:TBX21(GenBank Accession No. NM_013351)
配列番号4:ID2(GenBank Accession No. NM_002166)
配列番号5:SLAMF7(GenBank Accession No. NM_021181)
配列番号6:PRSS23(GenBank Accession No. NM_007173)
配列番号7:YWHAQ(GenBank Accession No. NM_006826)
配列番号8:TARDBP(GenBank Accession No. NM_007375)
配列番号9:ADRB2(GenBank Accession No. NM_000024)
配列番号10:PPP1R8(GenBank Accession No. NM_138558)
配列番号11:MMAA(GenBank Accession No. NM_172250)
配列番号12:SQLE(GenBank Accession No. NM_003129)
配列番号13:PDHA1(GenBank Accession No. NM_000284)
配列番号14:HAVCR2(GenBank Accession No. NM_032782)
配列番号15:RACGAP1(GenBank Accession No. NM_013277)
配列番号16:AHNAK(GenBank Accession No. NM_001620)
配列番号17:EDG8(GenBank Accession No. NM_030760)
配列番号18:DUSP5(GenBank Accession No. NM_004419)

Claims (17)

  1. 被験者から単離された末梢血中における、FASLG、CX3CR1、TBX21、ID2、SLAMF7、PRSS23、YWHAQ、TARDBP、ADRB2、PPP1R8、MMAA、SQLE、PDHA1、HAVCR2、RACGAP1、AHNAK、EDG8、およびDUSP5の18遺伝子の発現量を測定し、前記測定結果に基づき当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを検出することを特徴とする、うつ病の検出を補助する方法。
  2. 前記被験者の18遺伝子の発現量を、健常人における当該遺伝子の発現量とそれぞれ比較解析することにより、当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを検出することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記被験者の18遺伝子の発現量と、健常人における当該遺伝子の発現量との発現比を求め、前記発現比を予め取得されたうつ病患者および健常人の当該遺伝子の発現量に関するデータと比較解析することにより、当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを検出することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  4. 前記比較解析がサポートベクターマシンを用いて行なわれることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 前記被験者の18遺伝子の発現量の平均値を求め、前記平均値を健常人の当該18遺伝子の発現量の平均値と比較解析することにより、当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを検出することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  6. 前記被験者の18遺伝子の発現量の平均値が、健常人における当該18遺伝子の発現量の平均値に対して有意に低い場合、当該被験者はうつ病の罹患可能性が高いと決定することを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 前記18遺伝子の発現量が、DNAチップやアレイ等の核酸固相化試料を用いて測定されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  8. 被験者から単離された末梢血中における、FASLG、CX3CR1、TBX21、ID2、SLAMF7、PRSS23、YWHAQ、TARDBP、ADRB2、PPP1R8、MMAA、SQLE、PDHA1、HAVCR2、RACGAP1、AHNAK、EDG8、およびDUSP5の18遺伝子の少なくともつの発現量を測定し、前記測定結果に基づき当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを検出することを特徴とする、うつ病の検出を補助する方法。
  9. 前記被験者の18遺伝子の少なくともつの発現量を、所定の基準値と比較し、比較結果に基づいて当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを検出することを特徴とする、請求項8記載の方法。
  10. 前記被験者の18遺伝子の少なくともつの発現量と、所定の基準値との比を求め、前記比を所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを検出することを特徴とする、請求項8記載の方法。
  11. 前記被験者の18遺伝子の少なくともつの発現量の平均値を求め、前記平均値を所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを検出することを特徴とする、請求項8記載の方法。
  12. 前記被験者の18遺伝子の少なくともつの発現量の平均値が、前記閾値よりも低い場合、当該被験者はうつ病の罹患可能性が高いと決定することを特徴とする、請求項11記載の方法。
  13. 1)被験者から単離された末梢血中における、FASLG、CX3CR1、TBX21、ID2、SLAMF7、PRSS23、YWHAQ、TARDBP、ADRB2、PPP1R8、MMAA、SQLE、PDHA1、HAVCR2、RACGAP1、AHNAK、EDG8、およびDUSP5の18遺伝子の発現量を入力する手段と、
    2)予め入力されたうつ病患者および健常人の前記18遺伝子の発現量に関するデータを記憶する手段と、
    3)前記被験者における18遺伝子の発現量と前記健常人における18遺伝子の発現量を比較解析する手段と、
    4)前記解析結果に基づき、当該被験者がうつ病に罹患しているか否かを判定する手段と、
    5)前記判定結果を出力する手段を有することを特徴とする、うつ病の検査用プログラム。
  14. 前記3)において、前記被験者の18遺伝子の発現量と、前記健常人における当該遺伝子の発現量との発現比を求め、前記発現比を記憶手段に予め記憶されているうつ病患者および健常人の発現量と比較解析することを特徴とする、請求項13記載のプログラム。
  15. 前記比較解析がサポートベクターマシンを用いて行なわれることを特徴とする、請求項14記載のプログラム。
  16. 前記3)において、前記被験者の18遺伝子の発現量の平均値を求め、前記平均値と健常人における当該18遺伝子の発現量の平均値を比較解析することを特徴とする、請求項13記載のプログラム。
  17. 前記被験者の18遺伝子の発現量を記憶し、必要に応じて、前記うつ病患者および健常人のデータを更新する手段をさらに有することを特徴とする、請求項13記載のプログラム。
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