JP2005312435A - うつ病の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被験者のうつ病の病態を、簡便に、しかも客観的かつ高精度に評価するための新規な方法を提供すること。
【解決手段】 被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAを用いた遺伝子発現解析結果に基づいて、該被験者のうつ病に対する罹患の有無を判断し、次いで、うつ病に罹患していると判断された被験者について、そのうつ病のタイプを同定し、該タイプ別にうつ病の病態を評価することを特徴とする、うつ病の評価方法。
【選択図】 図5

Description

本発明は、うつ病の評価方法に関する。より詳しくは、末梢血由来メッセンジャーRNAの遺伝子発現解析結果に基づき、うつ病患者を層別化し、その病態を評価することを特徴とする、うつ病の評価方法に関する。
うつ病は生涯罹患率が10%前後の頻度の高い疾患であり、その頻度は現代社会のストレスに促進されて今後さらに増加することが予想される。この疾患は、罹患者の精神と身体に著しい苦悩をもたらし、その社会生活に甚大な支障をきたすばかりか、自殺に結びつくことも少なくない重大な疾患である。年間3万人以上にものぼる自殺者の大半はうつ病に罹患していたと推定されている。また、怠学、失職、引きこもりなどの社会的問題やアルコール関連障害などの医学的問題にも深く関連している。この疾患を的確に診断し、すみやかに治療する体制を確立することは、国民生活の向上に必須であり、社会全体の急務である。
うつ病の診断は、しかし決して簡単ではない。うつ病の主症状は、抑うつ気分、意欲低下、興味と喜びの喪失、集中力と注意力の減退、自己評価と自信の低下、罪責感と無価値感、将来への悲観、自殺念慮、睡眠障害、食欲不振などである。これらの症状には特有の特徴があり、誰もが経験する気分の落ち込みとは異なっており、身体疾患罹患時の疲弊感に伴う精神活動低下とも異なっている。うつ病の症状を把握するためには、詳しく病歴を聴取し、心理行動面に表れる症状がいつからどのように出現し、社会生活や家庭生活の上でどのような支障が生じているのかを聞きとり、受診時の患者の態度や会話内容などから、諸症状を確認することが主体となる。家族歴、既往歴、身体的健康状態、生育歴、生活史、性格傾向、病前社会適応状況、きっかけとなった出来事の有無、などは重要な参考事項となる。これらを的確に把握するためには、十分に熟練した精神科専門医による一時間ほどの面接が必要となる。さらに一般的身体状態及び神経学的状態に大きな異常のないことを確認し、必要に応じて脳波や脳画像検査によって脳器質性疾患を除外して診断に至る。得られた所見を、世界保健機構(WHO)やアメリカ精神医学会による診断基準と照合し、診断を確定することが一般的である。
従来の診断方法の大きな問題点は、診断に熟練した技能を要することである。うつ病に関する十分な知識と経験が必要であることはいうまでもないが、うつ病には該当しなくともうつ状態を呈する心理的、精神的及び身体的状態は数多い。それらとの鑑別診断も必須となる。したがって、診断には十分な研修を積んだ精神科専門医師があたらねばならない。しかし、生涯罹患率が10%前後というありふれた病気であるうつ病は、プライマリーケア医師を受診することが多い。精神科的な診察に習熟していない一般医師にとって、客観的検査所見のないうつ病の診断は必ずしも容易ではない。また、うつ病は薬物療法をはじめとする身体(脳)に対する治療が必要である医学的疾患であり、臨床心理士などの臨床心理学の専門家や保健婦などの精神保健活動従事者が、単独で診断することは困難である。
診断に習熟を要するのは、簡便かつ客観的な症状評価方法が存在しないことが大きな要因となっている。自己記入式の質問紙によるスクリーニング方法もあるが、あくまで主観的に記入されるため、性格要因、環境要因あるいは身体状態不良による気分の落ち込みと本来のうつ病を区別することはできない。医師の用いる症状評価尺度が重症度の判定にしばしば使用されるが、これも各項目の評価には適切な問診が必要であって、診察に代わる物ではない。
客観的な指標を目指して、これまでにもいくつかの検査方法が試みられている。うつ病では、脳内のモノアミン系の機能的変調があり、その変調は心身相関作用を通して、神経内分泌系、神経免疫系、自律神経系に少なからぬ影響を及ぼしていることが知られている。特に、神経内分泌的な異常のひとつである軽度の副腎皮質ホルモン分泌亢進をデキサメサゾン抑制試験によって的確に把握してうつ病の診断に応用する試みは、1980年代以降に精力的に研究されたが、試験薬服用という煩雑さ及び感度や特異性の限界から臨床応用には至らなかった。研究段階では、その他の神経内分泌系、神経免疫系、自律神経系、日内リズムや睡眠構築の異常なども報告されている。最近では、脳血流や脳内モノアミン受容体の変化なども指摘されているが、いずれも感度や再現性に問題が残る。いずれに着目するにしても、限られた因子を測定する方法ではうつ病という複雑な精神疾患を評価することそのものが困難であるとも言える。また、従来の検査は、施行と評価には膨大な時間と労力が必要であり、簡便性という観点をも考慮すると、日常診療への応用はとうてい望むことが出来ないのが現状である。
一方、うつ病の病因としては、これまで、カテコラミン仮説、インドールアミン仮説、GABA仮説、グルタミン仮説、ドーパミン仮説、神経新生仮説、などが提唱されてきた。これらの仮説に対しては多くの矛盾点が指摘され、現在に至っても結論は得られていない。分子遺伝学的手法による連鎖研究や関連研究、ならびに連鎖解析による染色体の感受性領域の検索もなされているが、うつ病のように、複数の遺伝子の相互作用により素因(生物学的特性)が形成され、さらに、ストレスのような環境因子によって発症する疾患では、病原遺伝子を解析することは極めて困難である。これまでの遺伝子解析から、うつ病に関連する機能的候補遺伝子として、セロトニントランスポーター、セロトニン1A/2C受容体、ドーパミンD2/D3受容体、ドーパミントランスポーター、チロシン水酸化酵素、トリプトファン水酸化酵素、モノアミン酸化酵素、ATPaseなどの遺伝子が報告されている。例えば、Na,K-ATPaseと精神疾患については、うつ病(例えば、非特許文献1参照)や気分変調症(例えば、非特許文献2参照)との関連が指摘されている。また、うつ病治療薬carbamazepineによる症状の改善と赤血球のNa,K-ATPase活性の上昇が相関することも報告されている(例えば、非特許文献3参照)。しかしながら、一方ではこれらに対しては否定的な追試もなされている。
Depress Anxiety 1997;5:p53-65 J. Basic Clin Physiol Pharmacol 2000;11(4):p375-394 Neuropsychobiology 1999;40(3):p134-139
本発明の目的は、被験者のうつ病の病態を、簡便に、しかも客観的かつ高精度に評価するための新規な方法を提供することにある。
本発明者らは、ストレスが発症に重要な役割を果たすうつ病の病態を客観的に評価するために、検体として容易に得られ、しかも、ストレスに関連する因子の受容体の多くを発現する末梢血白血球に着目した。そして、ストレス応答に関連する約1500遺伝子のメッセンジャーRNAの発現パターンを網羅的に解析し、パターン化することで、うつ病患者を層別化し、その病態を評価しうる方法を見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAを用いた遺伝子発現解析結果に基づいて、該被験者のうつ病に対する罹患の有無を判断し、次いで、うつ病に罹患していると判断された被験者について、そのうつ病のタイプを同定し、該タイプ別にうつ病の病態を評価することを特徴とする、うつ病の評価方法に関する。
前記方法において、被験者のうつ病に対する罹患の有無は、表1に記載された遺伝子から選ばれるうつ病マーカー遺伝子(うつ病の罹患の有無を評価するための指標)の発現プロファイルに基づいて判断することができる。また、うつ病に罹患していると判断された被験者については、表2に記載された遺伝子から選ばれる層別マーカー遺伝子(うつ病患者をタイプ分けするための指標)の発現プロファイルに基づいて、そのうつ病のタイプをPAかPBか同定することができる。
前記うつ病マーカー遺伝子としては、ATP2A2、SCYA5、STIP1、EEF1A1、GRB10、CASP6、TSSC1、RAB9、NFATC3、及びTPRが特に有用である。また、前記層別マーカー遺伝子としては、GNG10、CLK1、P2Y5、IFNGR1、TAF2F、PIM1、MAP2K3、HDGF、INSR、及びCOX6Cが特に有用である。
PAタイプと同定された被験者は、表3に記載された遺伝子から選ばれるPA評価用マーカー遺伝子(PAタイプのうつ病患者の病態や治療経過の指標)の発現プロファイルに基づいて、また、PBタイプと同定された被験者は、表4に記載された遺伝子から選ばれるPB評価用マーカー遺伝子(PBタイプのうつ病患者の病態や治療経過の指標)の発現プロファイルに基づいて、そのうつ病の病態をさらに詳細に評価することができる。
前記PA評価用マーカー遺伝子としては、CDC10、GZMA、TNFRSF6、HSPCA、NR3C1、TOPBP1、ARNTL、RAP1A、POLR2B、及びITGB1が特に有用である。また、前記PB評価用マーカー遺伝子としては、POU2F2、BCL2L1、DAXX、COX4、CD3G、FCER1G、NME2、CPT1B、HSPE1、及びCOX7A2が有用である。
前記方法において、被験者のうつ病に対する罹患の有無は、表1に記載された遺伝子から選ばれるうつ病マーカー遺伝子(うつ病の罹患の有無を評価するための指標)の発現プロファイルに基づいて判断することができる。また、うつ病に罹患していると判断された被験者については、表2に記載された遺伝子から選ばれる層別マーカー遺伝子(うつ病患者をタイプ分けするための指標)の発現プロファイルに基づいて、そのうつ病のタイプをPAかPBか同定することができる。
前記うつ病マーカー遺伝子としては、ATP2A2、SCYA5、STIP1、EEF1A1、GRB10、CASP6、TSSC1、RAB9、NFATC3、及びTPRが特に有用である。また、前記層別マーカー遺伝子としては、GNG10、CLK1、P2Y5、IFNGR1、TAF2F、PIM1、MAP2K3、HDGF、INSR、及びCOX6Cが特に有用である。
PAタイプと同定された被験者は、表3に記載された遺伝子から選ばれるPA評価用マーカー遺伝子(PAタイプのうつ病患者の病態や治療経過の指標)の発現プロファイルに基づいて、また、PBタイプと同定された被験者は、表4に記載された遺伝子から選ばれるPB評価用マーカー遺伝子(PBタイプのうつ病患者の病態や治療経過の指標)の発現プロファイルに基づいて、そのうつ病の病態をさらに詳細に評価することができる。
前記PA評価用マーカー遺伝子としては、CDC10、GZMA、TNFRSF6、HSPCA、NR3C1、TOPBP1、ARNTL、RAP1A、POLR2B、及びITGB1が特に有用である。また、前記PB評価用マーカー遺伝子としては、POU2F2、BCL2L1、DAXX、COX4、CD3G、FCER1G、NME2、CPT1B、HSPE1、及びCOX7A2が有用である。
あるいは、本発明の方法の別な態様として、被験者のうつ病に対する罹患の有無は、表7に記載された遺伝子から選ばれるうつ病マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づいて判断することができる。また、うつ病に罹患していると判断された被験者については、表8に記載された遺伝子から選ばれる層別マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づいて、そのうつ病のタイプをPAかPBか同定することができる。
前記うつ病マーカー遺伝子としては、HLA-G、HRH4、PSMB9、ATP2A2、SCYA5、SLC6A4、CASP6、CSF2、HSD3B1、及びRAB9が特に有用である。また、前記層別マーカー遺伝子としては、HSPE1、PSMA4、ADH5、PSMA6、COX17、HMG1、GPR24、COX6C、FGF2、及びCOX7Cが特に有用である。
PAタイプと同定された被験者は、表9に記載された遺伝子から選ばれるPA評価用マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づいて、また、PBタイプと同定された被験者は、表10に記載された遺伝子から選ばれるPB評価用マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づいて、そのうつ病の病態をさらに詳細に評価することができる。
前記PA評価用マーカー遺伝子としては、CLK1、PSMC6、TAF2F、P2Y5、CASP3、HSPCA、MSH2、SLC38A2、B2M、及びAKAP11が特に有用である。また、前記PB評価用マーカー遺伝子としては、CCNA2、HGF、GPR24、PTGER3、COX7A2、BDKRB2、UFD1L、HMG1、PSMA4、及びATP6Jが有用である。
本発明のうつ病の評価方法では、うつ病患者と判定された被験者の治療前後における遺伝子発現プロファイルを比較解析することにより、該被験者の治療経過を精度高く評価することができる。
本発明で用いられる遺伝子発現解析方法は特に限定されないが、チップ、アレイ、メンブレンフィルター、及びキャピラリー等のDNA固相化試料が好ましい。
本発明はまた、表1〜4に記載された遺伝子から選ばれるいずれか1の遺伝子に特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するためのプローブを固相上に固定した、うつ病評価用固相化試料を提供する。検出対象遺伝子には、少なくとも、表1に記載されたATP2A2、SCYA5、STIP1、EEF1A1、GRB10、CASP6、TSSC1、RAB9、NFATC3、及びTPR;表2に記載されたGNG10、CLK1、P2Y5、IFNGR1、TAF2F、PIM1、MAP2K3、HDGF、INSR、及びCOX6C;表3に記載された、CDC10、GZMA、TNFRSF6、HSPCA、NR3C1、TOPBP1、ARNTL、RAP1A、POLR2B、及びITGB1;ならびに、表4に記載されたPOU2F2、BCL2L1、DAXX、COX4、CD3G、FCER1G、NME2、CPT1B、HSPE1、及びCOX7A2が含まれていることが好ましい。
あるいは、別な態様として、表7〜10に記載された遺伝子から選ばれるいずれか1の遺伝子に特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するためのプローブを固相上に固定した、うつ病評価用固相化試料を提供する。検出対象遺伝子には、少なくとも、表7に記載されたHLA-G、HRH4、PSMB9、ATP2A2、SCYA5、SLC6A4、CASP6、CSF2、HSD3B1、及びRAB9;表8に記載されたHSPE1、PSMA4、ADH5、PSMA6、COX17、HMG1、GPR24、COX6C、FGF2、及びCOX7C;表9に記載された、CLK1、PSMC6、TAF2F、P2Y5、CASP3、HSPCA、MSH2、SLC38A2、B2M、及びAKAP11;ならびに、表10に記載されたCCNA2、HGF、GPR24、PTGER3、COX7A2、BDKRB2、UFD1L、HMG1、PSMA4、及びATP6Jが含まれていることが好ましい。
本発明はさらに、本発明のうつ病の評価方法を実施するためのうつ病評価システムを提供する。本発明のうつ病評価システムは、被験者の遺伝子発現データと、あらかじめ取得しておいた健常者及びうつ病患者の遺伝子発現データとを比較解析する手段を有し、該被験者のうつ病の病態をタイプ別に評価することができる。
前記システムは、被験者、健常者及びうつ病患者の遺伝子発現データに、それぞれの年齢及び性別のデータを加えて比較解析する手段をさらに有することが好ましい。
本発明は、被験者の末梢血を用いた遺伝子発現解析結果に基づき、うつ病患者を層別化して、その病態や治療経過を評価するものであるため、非侵襲的で、簡便かつ高精度にうつ病を評価することができる。
1.うつ病評価用マーカー遺伝子
発明者らは、以下に記載する患者及び健常者から得た全血よりRNAを抽出し、DNAチップを用いて遺伝子発現解析を行い、その結果に基づいて各マーカー遺伝子を決定した。DNAチップとは、ガラス等の支持基体上に多数の遺伝子に相当する塩基配列を有するDNA断片を固定化したものであり、ハイブリダイゼーションにより、サンプル中のRNAを検出するものである。解析は、遺伝子の網羅的な発現解析が可能であれば、上記DNAチップに代えて、他のDNA固相化試料(DNAアレイ、キャピラリー、メンブレンフィルター等)や定量法を利用してもよい。
対象患者は、未治療のうつ病患者のうち、本診断法開発のための研究に参加することについて文書により説明し同意を得たものとし、重篤な身体合併症を有するものや身体疾患治療薬を服用しているものは除外した。診断は、ICD-10(International Classification of Diseases 10th edition)のうつ病エピソードに従う。各患者に対し、性、年齢の合致した健常対照者を選定し、比較対照とした。
患者サンプルと健常者サンプル間、あるいは同一人物の治療前後のサンプル間の各遺伝子の発現量比を求め、患者/健常者比較データ、及び治療後/治療前比較データのすべてにおいて蛍光強度が300以上である遺伝子群を解析対象遺伝子とした。
患者/健常者比較データにおいて、発現量が有意に増加もしくは減少している遺伝子を有意差検定により抽出し、健常者に比べ、患者において発現量が有意に増加している遺伝子、及び有意に減少している遺伝子を、うつ病の罹患の有無を評価するための指標、すなわち「うつ病マーカー遺伝子」として選定した。
次に、患者/健常者比較データに対し、全解析対象遺伝子を用いたクラスタ解析(クラスタ間の重み無しコサイン係数距離による階層型クラスタリング法)を行った。その結果、発明者らは、患者/健常者比較サンプルが大きく2つのグループ(PA群とPB群)に分類されることを見出した。そして、群間検定を行い、各群を特徴づけている遺伝子をうつ病患者をタイプ分けするための指標、すなわちうつ病患者の「層別マーカー遺伝子」として選定した。
上記結果に基づき、治療後/治療前比較データをグループ分けし、各グループ別に、患者/健常者比較データと治療後/治療前比較データを患者ごとに並べて比較検討し、患者/健常者比較データと治療後/治療前比較データの間で発現パターンが反転する遺伝子群を抽出した。患者/健常者比較データと治療後/治療前比較データにおいて発現パターンが反転する現象は、うつ病患者が抗うつ剤治療を受けたことによって特徴的に現れる遺伝子発現の変化である。すなわち、抽出された遺伝子群は、各グループに属するうつ病患者の病態や治療経過の指標として有用であり、これらを「各グループ評価用マーカー遺伝子(例えば、PA評価用マーカー遺伝子、PB評価用マーカー遺伝子等)」として選定した。
上記マーカー遺伝子の発現を指標として、被験者のうつ病の罹患の有無、層別化による治療経過の評価を行ったところ、その結果は臨床所見による結果と非常によい一致を示した。これにより、本発明にかかる各マーカー遺伝子の有効性が確認された。
2.マーカー遺伝子とうつ病の関連
現在のところ、うつ病のメカニズムは不明確であるが、マーカー遺伝子として選ばれた遺伝子群とうつ病、又はその他の精神疾患との関連を以下に記載する。
患者/健常者比較サンプルにおいて有意に変動していた遺伝子の中には、T細胞特異的タンパクをコードする遺伝子SCYA5、TNFスーパーファミリー遺伝子であるTNFRSF9やTNFSF10、インターロイキン受容体遺伝子であるIL1R2やIL2RBといったサイトカイン関連遺伝子が多く含まれていた。サイトカインとうつ病の関連性は以前から指摘されており、インターロイキン-1, 6,8などの炎症性サイトカインは、ストレス反応に関与し、中枢にも作用して、傾眠、食欲低下などをきたす。また、C型肝炎の治療に用いるインターフェロンαの主な副作用としてうつ病状態が発症することも良く知られている事実である。本発明から得られた結果においても、ストレスが発症に関与するとされるうつ病患者では、予想通り、多くのサイトカイン関連遺伝子の発現変化が認められた。特に、インターフェロン関連遺伝子の発現変化が大きく、インターフェロン治療によるうつ病発症との関連を説明するデータを考えられる。これらの結果から、免疫系細胞の機能調節因子のmRNA発現パターンはうつ病の評価に極めて有用と考えられる。
ATRXは、X染色体に関連した知能発育不全症(ATR-X症候群、Carpenter症候群、Juberg-Marsidi症候群、Smith-Fineman-Myers症候群)との関連が指摘されている。
レニン・アンギオテンシン系に関与した遺伝子では、NR3C1、SGK2などがうつ病患者において、もしくは治療前後において変動が観察された。レニン・アンギオテンシン系は、散発性アルツハイマー病の関連性が指摘されている (Eur J Hum Genet 2001;9(6):437-444)。また、統合失調症とアンギオテンシン変換酵素遺伝子であるACEの多型解析も行われている(Neuropsychobiology 2001;44(1):31-35)。
最近、イオンチャンネルの機能障害が関係する病態を“チャンネル病”として捉える概念が提唱されている。イオンチャンネルは神経細胞の活動に最も重要な機能であり、てんかん、失調症、偏頭痛、統合失調症、アルツハイマー病や他の神経変性疾患などとの関連が指摘されている(CNS Drug Rev 2001;7(2):214-240)。なかでも、Na,K-ATPaseと精神疾患については、うつ病(Depress Anxiety 1997;5:53-65)や気分変調症(J Basic Clin Physiol Pharmacol 2000;11(4):375-94)との関連は以前から指摘されている。例えば、Na,K-ATPaseのαサブニットATP1A3(Biol Psychiatry 1998;44:47-51)とβサブユニットATP1B3 (Biol Psyciatry 1995;37:235-244)と双極性障害病との関連が報告されている。さらに、うつ病治療薬carbamazepineによる症状の改善と赤血球のNa,K-ATPase活性の上昇が相関することも知られている(Neuropsychobiology 1999;40(3):134-9)。ATP1B3P1はATP1B3の偽遺伝子で同一のゲノムから転写される。本発明においてもATP2A2、ATP2C1、ATP5JD、ATP6HなどATPaseをコードする遺伝子のmRNA発現パターンの変化は、うつ状態を反映しており、これらの遺伝子が何らかの形でうつ病に関与していることが示唆された。
種々の環境ストレスで誘導され、細胞のストレス応答と耐性能の獲得に寄与する熱ショック蛋白質(HSP)ファミリーも、うつ病患者の白血球で比較的大きな変動が認められた。HSPCB、HSPD1、HSPA10、HSPA4などにおいてmRNA発現の変動を認めた。これらのHSPファミリーはうつ病の診断に有力な遺伝子群であると考えられる。
うつ病との関連は明らかではないが、今回、RNAポリメラーゼIIのサブユニットや結合蛋白質遺伝子のmRNAの発現低下が共通に認められ、また、病状の軽快に伴いそれらの発現が回復していることが確認された。140 kDaのRNA ポリメラーゼIIサブユニット蛋白質遺伝子(POLR2B)、RNA ポリメラーゼII転写伸張因子B(SIII)ポリペプチド1(TCEB1)、RNA ポリメラーゼII転写伸張因子B(SIII)ポリペプチド1ホモログ(TCEB1L) 、poly(A) ポリメラーゼ、βRNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼIII、UDP-ガラクトーストランスポーター新規アイソザイム(SLC35A1)などのポリメラーゼ関連遺伝子群の発現はうつ病の病状を反映した。
最近、モノアミンを初めとする神経伝達物質の代謝やその受容体にうつ病との関連を求めようとする以外に、受容体以降のシグナル伝達や転写因子を介した遺伝子発現の経路にその原因を探る研究が注目されている。モノアミン受容体は7回膜貫通型の受容体でG蛋白質とカップリングし、イノシトールリン酸回路やprotein kinase C (PKC)の活性化を引き起こす。また、cyclic AMPの上昇とprotein kinase A(PKA)の経路も活性化する。さらに、これらのシグナル伝達経路により活性化される転写因子とその遺伝子産物にも焦点が当てられ、これらの経路の包括的な機能障害との関連を見出そうとしている。事実、双極性障害病患者の気分安定剤として効果が実証されているリチウム製剤は、G蛋白質、イノシトールリン酸回路、PKC、PKA、glycogen synthase kinase3-beta、Aktカスケードなどのシグナル伝達経路に働いて、その効果を発揮することが報告されている(Br J Psychiatry 2001;41:suppl 128-133)。
このような報告を裏付けるような結果が、うつ病の病状と関連する遺伝子群の中に認められた。シグナル伝達因子として、PKCη(PRKCH)、及びPKCβ1アイソザイム、phosphoinosidite 3’-kinase αサブユニット(PIK3CA)のmRNAの低下が認められた。また、リチウムは、glycogen synthase kinase3を不活性化して、Wntシグナルを増強するが、うつ病患者では、このWntシグナル経路に属する結合組織増殖因子関連蛋白質WISP-3、βカテニン(CTNNB1)、転写因子E2A(TCF3)などの低下が認められ、病状の軽快に伴い発現が回復した。また、GTP結合蛋白質であるRAB4、RAB7L1のmRNA発現低下が認められ、治療による回復が認められた。
増殖因子関連では、TGF-β受容体、TGF-β誘導性クローン22ホモログ(TSC22)、インスリンシグナル伝達分子IRS4などのmRNAの発現はうつ病の病状を反映した。その他、ガン抑制遺伝子であるRb関連蛋白質RBBP7、増殖抑制因子ING1、PTENなど、これらのmRNAが共通してうつ病患者で発現が低下し、病状軽快とともに発現が回復した。さらに、これらの増殖に関連した遺伝子の発現状況を反映して、細胞周期に関連するCDKN2C、CDK7、CCNB2、CCNG1のmRNA発現が共通して低下し、DNA複製に関与するトポイソメラーゼIIβとトポイソメラーゼII結合蛋白質(TOPBP1)のmRNA発現低下が認められ全般的な増殖能低下を疑わせる所見がうつ病患者の白血球に認められた。また、これらの遺伝子の発現も病状回復とともに回復した。逆に、DNA修復酵素MSH6、アポトーシスシグナル分子であるDAP3、API1、カスパーゼ10のmRNAの発現低下もうつ病患者の病状と関連した。これらの増殖に関連した遺伝子の変化を総合すると、うつ病患者の白血球では細胞周期が全般的に低下していると推察される。
3.うつ病評価方法、及びうつ病評価システム
本発明は、上記実験結果に基づき完成されたものであり、被験者の末梢血からメッセンジャーRNAを抽出し、その発現プロファイルを解析することで被験者のうつ病をタイプ別に評価するものである。本発明のうつ病評価方法の概念図を図5に、またうつ病評価システムの概念図を図6に示す。
遺伝子の発現解析方法は、図5に示すDNAチップに限定されず、DNAアレイやメンブレンフィルター等の他のDNA固相化試料を用いた核酸ハイブリダイゼーション法、RT-PCRやリアルタイムPCR等の定量的PCR法、ノーザンブロット法、サブトラクション法、ディファレンシャル・ディスプレイ法、ディファレンシャル・ハイブリダイゼーション法、及びクロスハイブリダイゼーション法等、当該技術分野で知られた任意の解析方法を用いることができる。特に、多数の遺伝子を一度に網羅的に解析できるという点で、DNAチップ、DNAアレイ、メンブレンフィルター、及びキャピラリー等のDNA固相化試料が好ましい。
本発明で用いられる固相化試料は、表1〜4に示される遺伝子から選ばれるいずれか1の遺伝子に特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するためのプローブをガラス、ナイロンメンブレン等の固相上に固定化することにより作製される。固定化される検出対象遺伝子には、少なくとも、表1に記載されたATP2A2、SCYA5、STIP1、EEF1A1、GRB10、CASP6、TSSC1、RAB9、NFATC3、及びTPR;表2に記載されたGNG10、CLK1、P2Y5、IFNGR1、TAF2F、PIM1、MAP2K3、HDGF、INSR、及びCOX6C;表3に記載された、CDC10、GZMA、TNFRSF6、HSPCA、NR3C1、TOPBP1、ARNTL、RAP1A、POLR2B、及びITGB1;ならびに、表4に記載されたPOU2F2、BCL2L1、DAXX、COX4、CD3G、FCER1G、NME2、CPT1B、HSPE1、及びCOX7A2を含むことがより好ましい。あるいは、本発明の固相化資料は、表7〜10に示される遺伝子から選ばれるいずれか1の遺伝子に特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するためのプローブをガラス、ナイロンメンブレン等の固相上に固定化することにより作製される。固定化される検出対象遺伝子には、少なくとも、表7に記載されたHLA-G、HRH4、PSMB9、ATP2A2、SCYA5、SLC6A4、CASP6、CSF2、HSD3B1、及びRAB9;表8に記載されたHSPE1、PSMA4、ADH5、PSMA6、COX17、HMG1、GPR24、COX6C、FGF2、及びCOX7C;表9に記載された、CLK1、PSMC6、TAF2F、P2Y5、CASP3、HSPCA、MSH2、SLC38A2、B2M、及びAKAP11;ならびに、表10に記載されたCCNA2、HGF、GPR24、PTGER3、COX7A2、BDKRB2、UFD1L、HMG1、PSMA4、及びATP6Jを含むことがより好ましい。遺伝子を検出するためのプローブは、周知の方法に従って、マーカー遺伝子の特異性の高い領域(例えば、3’UTR部分)に相補的な配列として設計することができ、25−100塩基長の合成オリゴプローブ、あるいは300−1000塩基長のPCR産物を使用することができる。固相上へのプローブの固定化方法は、特に限定されず、周知の方法に従い、合成したプローブを固相上にスポットするか、プローブを固相上で合成すればよい。
例えば、被験者由来のRNAサンプルと、健常者由来のRNAサンプルを互いに発光波長の異なる蛍光色素でラベルした後、同一のうつ病評価用DNAチップで競合ハイブリダイゼーションを行う。チップ上の各プローブの蛍光強度は、被験者と健常者の各遺伝子の発現強度比を示し、その発現プロファイルを解析することにより、被験者のうつ病の状態を評価することができる。
あるいは、一定のRNAサンプル(例えば、市販のユニバーサルRNAサンプル)をコントロールサンプルとして、被験者サンプルとコントロールサンプルの発現比較解析と、健常者サンプルとコントロールサンプルとの発現比較解析を、上記に従って、それぞれ個別に実施する。そして、両者の発現データを照らし合わせて解析することで、被験者のうつ病の状態を評価することもできる。
上記のいずれの場合においても、比較する健常者と被験者は、年齢、性別を合わせておくことが好ましい。例えば、許容される健常者と被験者の年齢差は5才以内である。
健常者の発現データを年齢、性別に分けてデータベースとして蓄えておけば、データベースから被験者と年齢、性別が合致したデータを取り出すだけで、被験者と健常者の比較解析を行うことができる。また、うつ病患者及び健常者の発現データをコンピュータにあらかじめ学習させておき、被験者の発現データがうつ病患者と健常者のどちらの発現パターンに近いかをコンピュータに判断させることにより、被験者の病態を評価することもできる(図6参照)。
さらに、うつ病患者の発現データをグループ別(PA群及びPB群)にコンピュータに学習させておけば、被験者のうつ病のタイプに合わせた、より高精度の診断が可能になる。例えば、コンピュータに記憶されたグループ別発現データに従い、うつ病と診断された被験者がどちらのグループの発現パターンに近いかをコンピュータに判断させ、層別化する。層別化された被験者のデータは、各グループ特異的評価マーカーの発現プロファイルに基づき、その病態や治療経過をさらにコンピュータにより評価する。
データの解析方法は、クラスタ解析に限定されず、サポートベクターマシン等の機械学習のアルゴリズム等、当該技術分野で知られた任意の解析方法を用いることができる。
本発明の方法は、患者の特別な協力を必要とせず、通常の採血による5 cc程度の血液をもとに解析可能であり、非侵襲的、簡便かつ日常的に行うことのできる評価方法である。数多くのRNA発現量から生体機能を多面的に把握する本発明の方法は、従来の限られた因子を測定する方法に比べ、うつ病のような、心と身体にまたがる複雑な精神疾患の評価方法として原理的にも適切である。
結果の判定は簡単明瞭で、うつ病の客観的指標としてプライマリーケア医師が容易に使用でき、診断の確立や治療の導入にきわめて有用となる。また、職場、学校、及び地域の検診時や人間ドック等で、集団の中からハイリスクグループを高精度に選び出し、うつ病の早期発見のための簡便かつ安価な手段となる。したがって、本発明の方法は、予防医学的見地から、国民のこころの健康の向上に大きく寄与する。
本発明の方法の有用性はプライマリーケアや検診に限らず、精神科専門医師にとっても、うつ病発症に関わる心理社会環境因子の検索、病態の評価、診断、及び治療評価、予後判定の有用な手段となる。すなわち、本発明の方法は、精神医学の分野における革命的な検査技術であり、うつ病の診療に画期的な向上をもたらすものである。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕マーカー遺伝子の選定
1.患者及び健常対照者
対象患者は、徳島大学医学部附属病院精神科神経科を平成13年11月から平成14年6月までの間に受診した未治療のうつ病患者のうち、本診断法開発のための研究に参加することについて文書により説明し同意を得たものとした。本研究は徳島大学医学部附属病院倫理委員会の承認を得ている。診断は、ICD-10(International Classification of Diseases 10th edition)のうつ病エピソードに合致するものとした。また、重篤な身体合併症を有するものや身体疾患治療薬を服用しているものは除外した。各患者に対し、性、年齢の合致する健常者を選び、健常対照者とした。
治療前のサンプルを得た33名の患者は、男性25名、女性8名、年齢は23歳から74歳まで(平均45.7歳)であり、ハミルトン評価尺度得点は10点から38点(平均23.2点)であった。
治療後のサンプルを得た15名は、男性13名、女性2名、年齢は27歳から68歳(平均48.1歳)であり、ハミルトン評価尺度得点は2点から25点(平均6.9点)であった。治療は主として抗うつ薬による薬物療法である。寛解は臨床的総合判断によるが、通常寛解状態に達しているとみなされるハミルトン評価尺度得点7点以下という基準を5例を除いて満たしていた。治療後のサンプルは治療前サンプルから68日から211日後(平均121日)に採取された。治療後のRNA発現量は、治療前の同一人物のサンプルと比較した。
2.遺伝子発現解析
患者から、PAXgene Blood RNA System(キアゲン社製)を用いて5 cc採血し、トータルRNAを抽出した。採血は、午前10時から午後1時までの空腹時とし、医師又は看護師が安静下に肘静脈より採血した。トータルRNAの収量は、5-15マイクログラムであった。
次に、各患者より抽出したトータルRNAを5マイクログラムずつ取り出し、T7プロモータ配列を付加したオリゴ(dT)24プライマーをアニールさせ、まず、First strand DNA合成を行った。次に、このFirst strand DNAを鋳型にして、T7プロモータ配列を有するSecond strand DNAを合成した。最後にSecond strand DNAを鋳型にして、T7 RNA polymeraseによるRNA合成を行った。合成したRNA 6マイクログラムに対し、ランダムヘキサマーをアニールさせ逆転写酵素反応を行い、Cy5-dCTPを鎖中に取り込ませることで蛍光標識したcDNAを合成した。
各患者に対して、性、年齢の合致した健常対照者33名から、患者の場合と同様に5 cc採血した後トータルRNAを抽出し、蛍光ラベルとしてCy3を用いた以外は同様の手順でcDNAを合成した。
治療前後の同一人物のサンプルを比較する場合には、治療後のサンプルをCy5で、治療前のサンプルをCy3でラベルしたcDNAを合成した。
比較解析を行う2種類のcDNAを等量混合した後、DNAチップ(日立製作所社製薬物応答解析用DNAチップ)にかけてハイブリダイゼーションを62℃で12時間行った。洗浄後、スキャナー(GSI-Lumonics社製ScanArray 5000)により各スポットの蛍光強度を測定し、患者サンプルと健常対照者サンプル、あるいは治療前後の同一人物のサンプル間の各遺伝子における発現量の比を求めた。
3.データ解析
(1)うつ病のマーカー遺伝子の選定
解析対象とする遺伝子は、48組のデータすべてにおいて蛍光強度が300以上である遺伝子群(489個)とした。まず、患者/健常者比較データにおいて、発現量が有意に増加もしくは減少している遺伝子を有意差検定により抽出した。健常者と比べ、患者において発現量が有意に増加している遺伝子は30個、有意に減少している遺伝子が22個であった(図1及び図10、表1)。これら52個の遺伝子は、被験者がうつ病に罹患しているか否かの判定、すなわちうつ病のマーカー遺伝子として有用である。なかでも、ATP2A2、SCYA5、STIP1、EEF1A1、GRB10、CASP6、TSSC1、RAB9、NFATC3、TPRは顕著な変動を示し、うつ病マーカー遺伝子として特に有用と考えられた。
Figure 2005312435
(2)層別マーカー遺伝子の選定
次に、患者/健常者比較の33組に対し、全遺伝子(489個)を用いてクラスタ解析を行った。解析には、クラスタ間の重み無しコサイン係数距離による階層型クラスタリング法を用いた。このクラスタ解析から、全遺伝子(489個)を用いたクラスタリングによって、患者/健常者比較サンプルは大きく2群に分かれることがわかった。この2群をPA群、PB群とすると、患者/健常者比較の33組は、PA群(16組)、PB群(16組)、どちらの群にも属さない(1組)に分類された。PA群、PB群を特徴づけている遺伝子を抽出するために、PA群、PB群について群間検定を行った。PA群、PB群の間で有意差のある遺伝子は、56個であった(図2及び図11、表2)。これら56個の遺伝子は、うつ病患者がPA群、PB群どちらのグループに属するかの判定、すなわちうつ病患者の層別マーカー遺伝子として有用である。なかでも、GNG10、CLK1、P2Y5、IFNGR1、TAF2F、PIM1、MAP2K3、HDGF、INSR、COX6Cは顕著な変動を示し、層別マーカー遺伝子として特に有用と考えられた(表4)。
Figure 2005312435
(3)各グループの評価用マーカー遺伝子の選定
上記結果に基づいて、治療後/治療前比較の15組をPA群(7名)、PB群(8名)に分け、それぞれの群について、患者/健常者比較データと治療後/治療前比較データを患者ごとに並べて比較検討を行い、患者/健常者比較と治療後/治療前比較の間で発現パターンが反転する遺伝子群を抽出した(PA群:図3及び図12、表3)(PB群:図4及び図13、表4)。PA群では、表3に示した遺伝子群のうち、特にCDC10、GZMA、TNFRSF6、HSPCA、NR3C1、TOPBP1、ARNTL、RAP1A、POLR2B、ITGB1の変動が顕著であった。また、PB群では、表4に示した遺伝子群のうち、特にPOU2F2、BCL2L1、DAXX、COX4、CD3G、FCER1G、NME2、CPT1B、HSPE1、COX7A2の変動が顕著であった。
治療前後におけるハミルトン評価尺度得点の推移を表5に示す。患者/健常者比較データと治療後/治療前比較データにおいて発現パターンが反転する現象は、うつ病患者が抗うつ剤による治療を受けたことによって特徴的に現れる遺伝子発現の変化であり、これらの遺伝子群は、それぞれのグループに属するうつ病患者の病態や治療経過の指標、つまり各群に特異的な評価用マーカー遺伝子として有用である。
Figure 2005312435
Figure 2005312435
Figure 2005312435
〔実施例2〕評価マーカーによるうつ病診断
うつ病患者と健常者のサンプルを用いて、うつ病患者と健常者の層別化とうつ病患者の治療経過の評価を行った。
1.被験者
3名のうつ病患者と3名の健常者を被験者とした。うつ病患者の診断は、ICD-10 (International Classification of Diseases 10th edition)のうつ病エピソードに合致するものとした。また重篤な身体合併症を有するものや身体疾患治療薬を服用しているものは除外した。6名の被験者はうつ病患者か健常者か分からないようにサンプル名をブラインドとし、被験者A, B, C, D, E, Fとした。
2.遺伝子発現解析
被験者より、PAXgene Blood RNA System(キアゲン社製)を用いて各々5 cc採血し、トータルRNAを抽出した。トータルRNAの収量は、5-10 マイクログラムであった。各被験者より抽出したトータルRNA 5マイクログラムに対して、T7プロモータ配列を付加したオリゴ(dT)24プライマーをアニールさせ、まず、First strand DNA合成を行った。次に、このFirst strand DNAを鋳型にして、T7プロモータ配列を有するSecond strand DNAを合成した。最後にSecond strand DNAを鋳型にして、T7 RNA polymeraseによるRNA合成を行った。RNA 6 マイクログラムに対し、ランダムヘキサマーをアニールさせて逆転写酵素反応を行い、Cy5-dCTPを鎖中に取り込ませることで蛍光標識したcDNAを合成した。
コントロールとして、各被験者と性別及び年齢が合致する健常者から採血し、前記被験者サンプルと同様にCy3-cDNAを合成した。それぞれの被検者サンプルから作製したCy5-cDNAと、コントロールサンプルのCy3-cDNAを6 マイクログラムずつ等量混合した後、DNAチップ(日立製作所社製薬物応答解析用DNAチップ)にかけハイブリダイゼーションを62℃で12時間行った。洗浄後スキャナー(GSI-Lumonics社製 ScanArray 5000)により各スポットの蛍光強度を測定し、数値化ソフトウエア(GSI-Lumonics社製 QuantArray)を用いて各遺伝子におけるコントロールサンプルと各被検者サンプルとの発現強度比を求めた。
3.被験者の層別化
実施例1に記載した方法に則り、この6人の被験者を先に解析した患者/健常者比較の33名と合わせ、クラスタ間の重み無しコサイン係数距離による階層型クラスタリング法によりクラスタ解析を行ったところ、被験者D, EはPA群に、被験者BはPB群に、被験者A, C, Fはどちらの群にも属さなかった(図7)。ブラインドしてあったサンプル名とクラスタリングの結果を照合すると、被験者B, D, Eはうつ病患者、被験者A, C, Fは健常者であり、クラスタリングの結果と完全に合致することが確認された。
4.タイプ別の治療経過評価
次に、被験者B, D, Eの抗うつ剤による治療後サンプルと治療前サンプルを用いて、同様にDNAチップによる解析を行い、PA群に属する被験者D, Eについては表3に示した遺伝子群、PB群に属する被験者Bについては表4に示した遺伝子群を用いて治療前と治療後で発現パターンがどのように変化しているかを見た。いずれの患者においても、治療前と治療後では上記遺伝子の発現パターンが反転しており、病状が回復傾向にあることが示唆された(図8、図9)。
5.検証(ハミルトン評価との比較)
3名のうつ病患者のハミルトン評価尺度得点は、被験者Bの治療前が22点、治療後が6点、被験者Dは治療前が15点、治療後が1点、被験者Eは治療前が30点、治療後が2点であったことから、遺伝子群の発現パターンで示唆された病状の回復傾向とハミルトン評価尺度得点は非常によい一致を示した。治療前後におけるハミルトン評価尺度得点の推移を表6に示す。
Figure 2005312435
6.結論
以上のように、特定遺伝子群の発現解析によるうつ病の評価は、うつ病患者の層別化及び治療経過の評価において、臨床所見による結果と非常によい一致を示し、本発明の有効性が非常に高いことが示された。
〔実施例3〕評価マーカーの選定
1.患者及び健常対照者
対象患者は、徳島大学医学部附属病院精神科神経科を平成13年11月から平成16年2月までの間に受診した未治療のうつ病患者のうち、本診断方法開発のための研究に参加することについて文書により説明し同意を得たものとした。本研究は徳島大学医学部附属病院倫理審査委員会の承認を得ている。診断は、ICD-10(International Classification of Diseases 10th edition)のうつ病エピソードに合致するものとした。また、重篤な身体合併症を有するものや身体疾患治療薬を服用しているものは除外した。各患者に対し、性、年齢の合致する健常者を選び、健常対照者とした。
治療前のサンプルを得た32名の患者は、男性20名、女性12名、年齢は23歳から74歳まで(平均45.1歳)であり、ハミルトン評価尺度得点は10点から35点(平均21.3点)であった。
治療後のサンプルを得た16名は、男性9名、女性7名、年齢は23歳から70歳まで(平均47.5歳)であり、ハミルトン評価尺度得点は1点から10点(平均4.3点)であった。治療は主として抗うつ薬による薬物療法である。寛解は臨床的総合判断によるが、通常寛解状態に達しているとみなされるハミルトン評価尺度得点7点以下という基準、または治療によりハミルトン評価尺度得点が治療前の半分以下に改善したという基準をもって判断したところ、全ての患者がこの条件を満たしていたため、全ての治療後サンプルは寛解状態に達しているものと判断した。
2.遺伝子発現解析
患者から、PAXgene Blood RNA System(キアゲン社製)を用いて5cc採血し、トータルRNAを抽出した。採血は、午前10時から午後1時までの空腹時とし、医師又は看護士が安静下に肘静脈より採血した。トータルRNAの収量は、5-15マイクログラムであった。
次に、各患者より抽出したトータルRNAを5マイクログラムずつ取り出し、T7プロモータ配列を付加したオリゴ(dT)24プライマーをアニールさせ、まず、First strand DNA合成を行った。次に、このFirst strand DNAを鋳型にして、T7プロモータ配列を有するSecond strand DNAを合成した。最後にSecond strand DNAを鋳型にして、T7 RNA polymeraseによるRNA合成を行った。合成したRNA 6マイクログラムに対し、ランダムヘキサマーをアニールさせ逆転写酵素反応を行い、Cy5-dCTPを鎖中に取り込ませることで蛍光標識したcDNAを合成した。
各患者に対して、性、年齢の合致した健常対照者32名から、患者の場合と同様に5 cc採血した後トータルRNAを抽出し、蛍光ラベルとしてCy3を用いた以外は同様の手順でcDNAを合成した。
治療前後の同一人物サンプルを比較する場合には、治療後のサンプルをCy5で、治療前のサンプルをCy3でラベルしたcDNAを合成した。
比較解析を行う2種類のcDNAを等量混合した後、DNAチップ(日立製作所社製ストレスチップ)にかけてハイブリダイゼーションを62℃で12時間行った。洗浄後、スキャナー(GSI-Lumonics社製ScanArray 5000)により各スポットの蛍光強度を測定し、患者サンプルと健常者サンプル、あるいは治療前後の同一人物のサンプル間の各遺伝子における発現量の比を求めた。
3.データ解析
(1)うつ病のマーカー遺伝子の選定
解析対象とする遺伝子は、48組のデータ全てにおいて蛍光強度がCy5またはCy3で300以上である遺伝子群(801個)とした。まず、患者/健常者比較データにおいて、発現量が有意に増加もしくは減少している遺伝子を有意差検定により抽出した。健常者と比べ、患者において発現量が有意に増加している遺伝子は14個、有意に減少している遺伝子は7個であった(図14、表7)。これら21個の遺伝子は、被験者がうつ病に罹患しているか否かの判定、すなわちうつ病のマーカー遺伝子として有用である。なかでも、HLA-G、HRH4、PSMB9、ATP2A2、SCYA5、SLC6A4、CASP6、CSF2、HSD3B1、RAB9は顕著な変動を示し、うつ病マーカー遺伝子として特に有用と考えられた。
Figure 2005312435
(2)層別マーカー遺伝子の選定
次に、患者/健常者の32組に対し、全遺伝子(801個)を用いてクラスタ解析を行った。解析には、クラスタ間の重み無しコサイン係数距離による階層型クラスタリング方を用いた。このクラスタ解析から、全遺伝子(801個)を用いたクラスタリングによって、患者/健常者比較サンプルは大きく2群に分かれることがわかった。この2群をPA群、PB群とすると、患者/健常者比較の32組はPA群(16組)、PB群(16組)に分類された。PA群、PB群を特徴づけている遺伝子を抽出するために、PA群、PB群について群間検定を行った。PA群、PB群の間で有意差のある遺伝子は、75個であった(図15、表8)。これら75個の遺伝子は、うつ病患者がPA群、PB群どちらのグループに属するかの判定、すなわちうつ病患者の層別マーカー遺伝子として有用である。なかでも、HSPE1、PSMA4、ADH5、PSMA6、COX17、HMG1、GPR24、COX6C、FGF2、COX7Cは顕著な変動を示し、層別マーカー遺伝子として特に有用と考えられた。
Figure 2005312435
Figure 2005312435
(3)各グループの評価用マーカー遺伝子の選定
上記結果に基づいて、治療後/治療前比較の16組をPA群(7名)、PB群(9名)に分け、それぞれの群について、患者/健常者比較データと治療後/治療前比較データを患者ごとに並べて比較検討を行い、患者/健常者比較と治療後/治療前比較の間で発現パターンが反転する遺伝子群を抽出した(PA群:図16(PA群では、反転パターンが明確に観察されたのは4名であった)、表9)(PB群:図17、表10)。PA群では表9に示した遺伝子群のうち、CLK1、PSMC6、TAF2F、P2Y5、CASP3、HSPCA、MSH2、SLC38A2、B2M、AKAP11の変動が顕著であった。また、PB群では、表10に示した遺伝子群のうち、特にCCNA2、HGF、GPR24、PTGER3、COX7A2、BDKRB2、UFD1L、HMG1、PSMA4、ATP6Jの変動が顕著であった。
Figure 2005312435
Figure 2005312435
本発明の方法は、臨床現場における、うつ病の診断やうつ病患者の治療経過の客観的評価方法として有用である。
図1は、患者と健常者で有意差のある遺伝子群を示す。 図2は、PA群とPB群で有意差のある遺伝子群を示す。 図3は、PA群の治療前後で有意差のある遺伝子群を示す。 図4は、PB群の治療前後で有意差のある遺伝子群を示す。 図5は、本発明のうつ病評価方法の概念図である。図中、F1はDNAチップ、F2は本発明で選択された遺伝子に相当するプローブDNA、F3は励起光源及び蛍光検出器、F4は蛍光検出器制御コンピュータを表す。 図6は、本発明のうつ病評価システムの概念図である。図中、個人情報データベースには性、年齢等の情報管理が格納されている。 図7は、患者/健常者比較のクラスタリングを示す。 図8は、PA群に属する被験者の遺伝子発現データを示す。 図9は、PB群に属する被験者の遺伝子発現データを示す。 図10は、患者群に共通は変動遺伝子群のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図11は、患者/健常者のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図12は、PA群における、患者/健常者と治療後/治療前のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図13は、PB群における、患者/健常者と治療後/治療前のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図14は、患者群に共通は変動遺伝子群のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図15は、患者/健常者のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図16は、PA群における、患者/健常者(P)と治療後/治療前(N)のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図17は、PB群における、患者/健常者(P)と治療後/治療前(N)のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。

Claims (15)

  1. 被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAを用いた遺伝子発現解析結果に基づいて、該被験者のうつ病に対する罹患の有無を判断し、次いで、うつ病に罹患していると判断された被験者について、そのうつ病のタイプを同定し、該タイプ別にうつ病の病態を評価することを特徴とする、うつ病の評価方法。
  2. 前記方法において、表1に記載された遺伝子から選ばれるうつ病マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づいて、被験者のうつ病に対する罹患の有無を判断し、表2に記載された遺伝子から選ばれる層別マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づいて、うつ病のタイプをPAかPBか同定することを特徴とする、請求項1に記載のうつ病の評価方法。
  3. 前記うつ病マーカー遺伝子が、少なくとも表1に記載されたATP2A2、SCYA5、STIP1、EEF1A1、GRB10、CASP6、TSSC1、RAB9、NFATC3、及びTPRを含み、ならびに、前記層別マーカー遺伝子が、少なくとも表2に記載されたGNG10、CLK1、P2Y5、IFNGR1、TAF2F、PIM1、MAP2K3、HDGF、INSR、及びCOX6Cを含むことを特徴とする、請求項2に記載のうつ病の評価方法。
  4. さらに、同定されたタイプ別に、PAタイプは表3に記載された遺伝子から選ばれるPA評価用マーカー遺伝子の発現プロファイル、PBタイプは表4に記載された遺伝子から選ばれるPB評価用マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づいて、うつ病の病態を評価することを特徴とする、請求項2又は3に記載のうつ病の評価方法。
  5. 前記PA評価用マーカー遺伝子が、少なくとも表3に記載されたCDC10、GZMA、TNFRSF6、HSPCA、NR3C1、TOPBP1、ARNTL、RAP1A、POLR2B、及びITGB1を含み、ならびに、前記PB評価用マーカー遺伝子が、少なくとも表4に記載されたPOU2F2、BCL2L1、DAXX、COX4、CD3G、FCER1G、NME2、CPT1B、HSPE1、及びCOX7A2を含むことを特徴とする、請求項4に記載のうつ病の評価方法。
  6. 同一被験者の治療前後における遺伝子発現プロファイルを比較解析することにより、該被験者の治療経過を評価することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のうつ病の評価方法。
  7. 前記遺伝子発現解析が、チップ、アレイ、メンブレンフィルター、及びキャピラリーを含むDNA固相化試料を用いて行われることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のうつ病の評価方法。
  8. 表1〜4に記載された遺伝子から選ばれるいずれか1の遺伝子に特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するためのプローブを固相上に固定した、うつ病評価用固相化試料であって、
    前記遺伝子として、少なくとも表1に記載されたATP2A2、SCYA5、STIP1、EEF1A1、GRB10、CASP6、TSSC1、RAB9、NFATC3、及びTPR;表2に記載されたGNG10、CLK1、P2Y5、IFNGR1、TAF2F、PIM1、MAP2K3、HDGF、INSR、及びCOX6C;表3に記載された、CDC10、GZMA、TNFRSF6、HSPCA、NR3C1、TOPBP1、ARNTL、RAP1A、POLR2B、及びITGB1;ならびに、表4に記載されたPOU2F2、BCL2L1、DAXX、COX4、CD3G、FCER1G、NME2、CPT1B、HSPE1、及びCOX7A2を含むことを特徴とする、前記固相化試料。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のうつ病の評価方法を実施するためのシステムであって、被験者の遺伝子発現データと、あらかじめ取得しておいた健常者及びうつ病患者の遺伝子発現データとを比較解析する手段を有し、該被験者のうつ病の病態をタイプ別に評価することを特徴とする、うつ病評価システム。
  10. 被験者、健常者及びうつ病患者の遺伝子発現データに、それぞれの年齢及び性別のデータを加えて比較解析する手段を有することを特徴とする、請求項9に記載のうつ病評価システム。
  11. 前記方法において、表7に記載された遺伝子から選ばれるうつ病マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づいて、被験者のうつ病に対する罹患の有無を判断し、表8に記載された遺伝子から選ばれる層別マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づいて、うつ病のタイプをPAかPBか同定することを特徴とする、請求項1に記載のうつ病の評価方法。
  12. 前記うつ病マーカー遺伝子が、少なくともHLA-G、HRH4、PSMB9、ATP2A2、SCYA5、SLC6A4、CASP6、CSF2、HSD3B1、及びRAB9を含み、ならびに、前記層別マーカー遺伝子が、少なくともをHSPE1、PSMA4、ADH5、PSMA6、COX17、HMG1、GPR24、COX6C、FGF2、及びCOX7Cを含むことを特徴とする、請求項11に記載のうつ病の評価方法。
  13. さらに、同定されたタイプ別に、PAタイプは表9に記載された遺伝子から選ばれるPA評価用マーカー遺伝子の発現プロファイル、PBタイプは表10に記載された遺伝子から選ばれるPB評価用マーカー遺伝子の発現プロファイルに基づいて、うつ病の病態を評価する事を特徴とする、請求項11または12に記載のうつ病の評価方法。
  14. 前記PA評価用マーカー遺伝子が、少なくともCLK1、PSMC6、TAF2F、P2Y5、CASP3、HSPCA、MSH2、SLC38A2、B2M、及びAKAP11を含み、ならびに、前記PB評価用マーカー遺伝子が、少なくともCCNA2、HGF、GPR24、PTGER3、COX7A2、BDKRB2、UFD1L、HMG1、PSMA4、及びATP6Jを含むことを特徴とする、請求項13に記載のうつ病の評価方法。
  15. 表7〜10に記載されたいずれか1の遺伝子に特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するためのプローブを基板上に固定した、うつ病評価用固相化試料であって、前記遺伝子として、少なくとも表7に記載されたHLA-G、HRH4、PSMB9、ATP2A2、SCYA5、SLC6A4、CASP6、CSF2、HSD3B1、及びRAB9;表8に記載されたHSPE1、PSMA4、ADH5、PSMA6、COX17、HMG1、GPR24、COX6C、FGF2、及びCOX7C;表9に記載されたCLK1、PSMC6、TAF2F、P2Y5、CASP3、HSPCA、MSH2、SLC38A2、B2M、及びAKAP11;ならびに、表10に記載されたCCNA2、HGF、GPR24、PTGER3、COX7A2、BDKRB2、UFD1L、HMG1、PSMA4、及びATP6Jを含むことを特徴とする、前記固相化試料。
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