JP2006000015A - ストレスの評価方法 - Google Patents

ストレスの評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006000015A
JP2006000015A JP2004177147A JP2004177147A JP2006000015A JP 2006000015 A JP2006000015 A JP 2006000015A JP 2004177147 A JP2004177147 A JP 2004177147A JP 2004177147 A JP2004177147 A JP 2004177147A JP 2006000015 A JP2006000015 A JP 2006000015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stress
gene
subject
genes
evaluation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004177147A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhito Rokutan
一仁 六反
Kyoko Morita
恭子 森田
Kumiko Kanbara
久美子 神原
Toshiro Saito
俊郎 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2004177147A priority Critical patent/JP2006000015A/ja
Priority to EP05012933A priority patent/EP1607486A1/en
Priority to US11/152,365 priority patent/US20050282207A1/en
Publication of JP2006000015A publication Critical patent/JP2006000015A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/158Expression markers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

【課題】 健常人のストレスを、客観的かつ高精度に評価するための簡便な方法を提供すること。
【解決手段】 被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAにおいて、ストレスの評価マーカーとなる特定遺伝子群の発現プロファイルを解析し、その解析結果に基づいて該被験者のストレスを評価する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、ストレスの評価方法に関する。より詳しくは、被験者の末梢血メッセンジャーRNAにおける特定遺伝子群の発現プロファイルに基づいて、該被験者のストレスを評価する方法に関する。
ストレスの概念は、「外から生体に加わった外力であるストレス刺激に対してそのゆがみを元に戻そうとする反応」であり、免疫反応や炎症反応と同様に、体を守るためには重要な反応である。一般的なストレス反応では、外部からストレス刺激を受けると、中枢神経から発せられた信号に対して、各組織でさまざまな反応が見られる。通常の場合、ある程度の反応が起こると、それを抑制しようとするフィードバック機構が働く。しかしながら、何らかの理由によりこのフィードバック機構が過剰に又は不要に働くと、生体にさまざまな影響を及ぼす。
古くから、精神的・身体的ストレスがさまざまな疾患に関与していることは、臨床的な観察から経験的に知られている。例えば、ストレスが原因となって引き起こされる、又は助長される疾患として、虚血性心疾患、高血圧、消化管機構異常、摂食障害、慢性頭痛等がある。また、怠学、失職、引きこもり等の社会的問題やアルコール関連障害等の医学的問題にもストレスが深く関連している。これらの疾患を未然に防ぐためにも、ストレスを評価する体制を確立することは、社会的ストレスが増加している今日、注目すべき課題といえる。
一般に、精神的ストレス刺激のうち点数が高いライフイベントとしては、近親者の死、病気、試験、転居、転職、出産等が挙げられるが、これらの刺激が常に病気に結びつくかというと、必ずしもそうではない。というのも、同程度のストレス刺激を受けた場合、ある個体にとっては重大な負荷であっても、ある個体にとってはそうではないからである。つまり、ストレス刺激が生体に及ぼす影響は、ストレス刺激の強さの他にストレスを受ける個体の脆弱性によって左右される。
個体の脆弱性は、家族歴、身体的健康状態、生育歴、生活史、社会適応状況、性格傾向等によって決まる。そのうち性格傾向については、疫学調査から得られたデータとして、時間への切迫感、勤勉、仕事欲、敵意と攻撃性を特徴とする性格をA型、そうでないものをB型と分類し、A型の人のほうが高血圧症や虚血性心疾患の発生率が2〜3倍高いという報告がある。しかし、最近ではこのパターンで判断できないものも少なからずある。
1990年代初頭、一連のストレス評価の研究で対象となった生理指標は、瞬目、血圧、心拍変動、呼吸、発汗等であったが、これらの研究はストレス関連成分を直接計測することを狙ったため、複雑な要因で生じるストレスを的確に評価できる方法には至らなかった。その後、ストレスの評価方法として生理指標の長時間計測と同時に主観的評価を用いる方法、自律神経機能の推定による方法等が紹介された。しかしながら、対象者のストレス疲労状態、ストレス刺激の種類、タスクの種類、タスクの受け止め方、タスクへの対処の仕方等は個人差が大きく、「ストレス評価は簡便な方法で、個人的に持続して行うべきである」という課題が残された。
一方、特開2002-340917には、遺伝子の発現状態によって、ストレス等の症状や疾患を簡便に評価するためのオリゴヌクレオチドアレイが記載されている(特許文献1)。このアレイは、遺伝子をその機能や遺伝子同士の相関関係に基づいて基盤上に配置することで、検査結果が一目で理解できるようにしたことを特徴とする。すなわち、特開2002-340917はストレス評価の指標とすべき具体的な遺伝子を提供するものではなく、ストレス評価の客観的な検査方法として適切なものは、今なお存在しないのが現状である。
特開2002-340917号公報
本発明は、健常人のストレスを客観的かつ高精度に評価するための簡便な方法を提供することを目的とする。特に、ストレスの程度を評価する上で不可欠な遺伝子群を特定することで、アレイ上に固定するDNA断片の数を最小化し、再現性・信頼性の高いストレス評価用アレイを提供することを目的とする。
本発明者らは、ストレス刺激によって引き起こされるストレス反応を客観的に評価するために、検体として容易に得られ、しかも、ストレスに関連する因子の受容体の多くを発現する末梢血白血球に着目した。そして、ストレス応答に関連する1500遺伝子のメッセンジャーRNAの発現パターンを網羅的に解析することで、ストレスを精度高く評価しうる方法を見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAにおいて、表3に示される10遺伝子を含む遺伝子の発現量を解析し、その解析結果に基づいて該被験者のストレスを評価することを特徴とする、ストレスの評価方法を提供する。
ある態様において、本発明の方法は、被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAにおいて、表3に示される10遺伝子及び/又は表4に示される11遺伝子を含む遺伝子の発現量を解析し、その解析結果に基づいて該被験者のストレスを評価することを特徴とする、ストレスの評価方法である。
また別な態様において、本発明の方法は、被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAにおいて、表1及び表2に示される遺伝子群から選ばれる遺伝子の発現量を解析し、その解析結果に基づいて該被験者のストレスを評価する方法であって、前記遺伝子が少なくとも表3に示される10遺伝子を含むことを特徴とする、ストレスの評価方法である。
また別な態様において、本発明の方法は、被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAにおいて、表1及び表2に示される遺伝子群から選ばれる遺伝子の発現量を解析し、その解析結果に基づいて該被験者のストレスを評価する方法であって、前記遺伝子が少なくとも表3に示される10遺伝子及び/又は表4に示される11遺伝子を含むことを特徴とする、ストレスの評価方法である。
上記方法において、表1及び表2に示される遺伝子群は、ストレスの評価マーカーとして特定された遺伝子群である。また、表3に示される10遺伝子は、前記ストレスの評価マーカーのうち特に有用なものであると同時に、ストレスによって発現量が増加する評価マーカー遺伝子として特に有用なものである。また、表4に示される11遺伝子は、ストレスによって発現量が減少する評価マーカー遺伝子として特に有用なものである。
ある実施態様において、本発明の方法は、ユニバーサルRNAサンプルの遺伝子発現プロファイルと被験者の遺伝子発現プロファイルとを比較解析することにより、該被験者のストレス評価を行うものである。
また別な実施態様において、本発明の方法は、同一被験者の平常時における遺伝子発現プロファイルとストレス負荷時における遺伝子発現プロファイルを比較解析することにより、該被験者のストレス評価を行うものである。
本発明で用いられる遺伝子発現解析方法は特に限定されないが、多数の遺伝子を一度に網羅的に解析できるという点でDNAチップ、DNAアレイ、メンブレンフィルター、及びキャピラリー等のDNA固相化試料が好ましい。
前記固相化試料は、表1及び表2に示される遺伝子から選ばれるいずれか1の遺伝子に特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するためのプローブをガラス、ナイロンメンブレン等の固相上に固定することにより作製される。本発明は、そのようなストレス評価用固相化試料をも提供する。固相上に固定化される検出対象遺伝子には、少なくとも、表3に示されるFRAT1、NFIL3、SCYB5、BTK、IL8RB、GRO1、CSF3R、LMNB1、HSPA6、及びIFNGR2が含まれることが好ましく、さらに、表4に示されるGZMA、IL2RB、IGFBP7、CCNA2、PPP3CC、COX10、HSPA10、CDC16、TRAF5、RBBP7、及びLIPAが含まれることがより好ましい。
本発明はさらに、本発明のストレスの評価方法を実施するためのシステムであって、被験者の遺伝子発現データと、あらかじめ取得しておいた被験者の平常時の遺伝子発現データ又はユニバーサルRNAサンプルの遺伝子発現データとを比較解析する手段を備えていることを特徴とする、ストレス評価システムを提供する。
本発明は、末梢血白血球における遺伝子発現量をDNAチップを用いて解析することで、健常人のストレスを、個々の遺伝子だけでなく、神経系、内分泌系、免疫系それぞれのバランスの変化に着目して評価するものである。本発明によれば、非侵襲的に、しかも簡便かつ高精度に健常人のストレスを評価することができる。
1.ストレスの評価マーカー遺伝子
発明者らは、精神疾患に罹患していないことが確認された健常人から得た全血よりRNAを抽出し、DNAチップを用いて1500の遺伝子の発現量を網羅的に解析し、その結果に基づいてストレスの評価マーカーとなる遺伝子群を決定した。DNAチップとは、ガラス等の支持基体上に多数の遺伝子に相当する塩基配列を有するDNA断片を固定化したものであり、ハイブリダイゼーションにより、サンプル中のRNAを検出するものである。解析は遺伝子の網羅的な発現解析が可能であれば、上記DNAチップに代えて、他のDNA固相化試料(DNAアレイ、キャピラリー、メンブレンフィルター等)や定量法を利用してもよい。なお、本発明において、「ストレス」とは運動や痛み等の物理的ストレスではなく、緊張、不安、恐怖等の精神的なストレスを意味する。
具体的には、修論発表を控えた学生を対象として、修論発表の4週間前のサンプルを平常時の基準としたときの修論発表の直前と、直後、発表後の翌日における、各遺伝子の発現量比を求め、A:修論発表直前/平常時比較データ(10組)、B:修論発表直後/平常時比較データ(10組)、C:修論発表翌日/平常時比較データ(10組)の30組すべてにおいて蛍光強度が300以上である遺伝子群(519)を対象としてクラスタ解析を行った。
クラスタ解析の結果、平常時と比較して、発表直前(A)や翌日(C)の発現値は顕著に変動するものではないが、発表直後(B)の発現値は大きく変動することが確認された。そこで、平常時や発表直前に比べて発表直後(ストレス刺激を受けた直後)に発現量が有意に増加し、発表終了の翌日には平常時の発現値に回復する遺伝子73個(表1)、平常時や発表直前に比べて発表直後に発現量が有意に減少し、発表終了の翌日には平常時の発現値に回復する遺伝子93個(表2)を、それぞれ「ストレスの評価マーカー遺伝子」として選択した。
さらに、上記の評価マーカー遺伝子のうち、発表直前と直後(B)の間でp値が小さく、かつ発表直後(B)と翌日(C)でp値が小さい(P≦0.25)遺伝子を、A−B、B−Cの群間検定を行って抽出し、A−B間のp値とB−C間のp値の幾何平均をとってランク付けを行い、上位10個の遺伝子を特に有用な評価マーカー遺伝子として選択した(表3)。
前項で選択された10個の遺伝子はいずれもストレス負荷により発現量が増加する遺伝子であった。そこで、ストレス負荷により発現量が減少する遺伝子についても、特に有用な評価マーカー遺伝子を次のようにして選択した。まず、発表直前と直後(B)の間でp値が小さい(P≦0.25)か、又は発表直後(B)と翌日(C)でp値が小さい(P≦0.25)遺伝子を、A−B、B−Cの群間検定を行って抽出し、次いで、前項同様にランク付けを行って、上位11個の遺伝子を選択した(表4)。
すなわち、表1及び表2に示される遺伝子群が、本発明においてストレスの評価マーカーとして特定された遺伝子群である。このうち、表3に示される10遺伝子は、前記ストレスの評価マーカーのうち特に有用なものであると同時に、ストレスによって発現量が増加する評価マーカー遺伝子として特に有用なものである。また、表4に示される11遺伝子は、ストレスによって発現量が減少する評価マーカー遺伝子として特に有用なものである。
2.評価マーカー遺伝子の特徴
ストレスの評価マーカーとして選定された遺伝子群には、アポトーシス関連遺伝子、ATPase関連遺伝子、細胞周期関連遺伝子、サイトカイン関連遺伝子、熱ショックタンパク質関連遺伝子、ポリメラーゼ関連遺伝子、GTP結合タンパク質関連遺伝子、プロテインキナーゼC関連遺伝子、ミトコンドリアのストレス応答性チトクロームCオキシダーゼ関連遺伝子、ガン関連遺伝子が多く含まれている。
精神的ストレス刺激は情動を介して自律神経系及び内分泌系の機能を調節して適応反応を起こす。本発明の解析結果において、修士論文発表直後にアンギオテンシンII(AGTRL2)の発現量の上昇が見られた。一方、アンギオテンシンIIの前駆体であるアンギオテンシンIは逆に減少していた。アンギオテンシンは、強い血圧上昇活性をもち、ストレスが原因となる精神疾患との関連が指摘されている。また、統合失調症とACE遺伝子の多型解析も行われている(Neuropsychobiology 2001;44(1):31-35)。
ストレスが免疫機能にも影響を及ぼすことは既に知られていることだが、ストレスを受けると、末梢血中の白血球数の増加、T細胞、B細胞数の低下、ヘルパーT細胞数の低下、NK細胞活性の低下等がみられることが明らかにされており(PsychosomMed 1993;55 364-379)、生化学的なストレス指標に用いることも提唱されている。本発明の解析結果においても、T細胞受容体(TRB、CD8B1)、B細胞受容体(CD79B)がストレス刺激を受けた直後において発現量の低下が見られたことから、本発明によるストレス評価の妥当性がうかがえる。
さらに、インターロイキン(IL)-1、6、8等の炎症性サイトカインは、ストレス反応に関連した多彩な生理作用を示し、中枢にも作用して、発熱、傾眠、食欲低下等をきたす。今回の解析においても、IL-1受容体(IL1R1、IL1R2)、IL-13受容体(IL13RA1)、GM-CSF受容体(CSG2RA)、IL-8受容体(IL8RA、IL8RB)、IL-2受容体γ鎖(IL2RG)、インターフェロン調節因子2(IRF2)、インターフェロン誘導蛋白質(IFITM1)、インターフェロンγ誘導遺伝子(IFITM3)、インターフェロンγ受容体(IFNGR2)等のmRNAの発現が亢進していた。逆に、IL-10受容体(IL10RA)、IL-11受容体(IL11RA)、IL-2受容体β鎖(IL2RB)、IL-13受容体(IL13RA2)、CX3Cケモカイン前駆体(SCYD1)等のmRNAの発現量が低下していた。ストレス刺激は免疫機構にも影響を及ぼすことが知られているが、本解析結果においても、多くのサイトカイン関連遺伝子において発現変動が認められた。
多くの刺激は、受容体tyrosine kinaseとtyrosine phosphataseの活性のバランスによって、シグナルの強弱が調節されている。よって、CD45(RBBP4)mRNAの発現低下は免疫機能に少なからず影響を及ぼすと考えられる。また、TGF-βやToll様受容体の下流にあり、これらのレセプターの重要なシグナル伝達分子であるTAK1(MAP3K7)や、β1インテグリン(ITGB1)の発現は共に低下し、ストレス刺激から解放された翌日には、共に発現が回復した。これらの結果から、免疫系細胞の機能調節因子のmRNA発現パターンはストレスの評価に極めて有用と考えられる。
種々の環境ストレスで誘導され、細胞のストレス応答と耐性能の獲得に寄与する熱ショック蛋白質(HSP)ファミリーも、ストレス刺激を受けた被験者の白血球で比較的大きな変動が認められた。MHC関連HSP70-1(HSPA1A)、HSPA1L、HSPA6、のmRNA発現の亢進を認めた。しかしながら、本来ストレスで発現が亢進すべき熱ショック転写因子HSC70(HSPA10)、HSP90α(HSPCA)、シャペロニンHSP60(HSPD1)、シャペロニン10 (HSPE1)等多くの熱ショック蛋白質の発現が逆に低下していることを見いだした。このことは過剰なストレス刺激により、ストレス反応の均衡が崩れていることを反映しているのではないかと考えられる。
ストレス刺激を受けることによって発現された熱ショック蛋白質HSP70はアポトーシスを引き起こす。しかし過剰に発現すると、c-Jun N-terminal kinase(JNK)やカスパーゼ等のアポトーシスを引き起こす細胞内経路の活性化が抑制されることが報告されている(Mol.Cell Biol.;1997 17,5317-5327)。
解析結果では、ストレス刺激を受けた直後のサンプルにおいて、カスパーゼの関連遺伝子(APAF1、CFLAR)の発現は増加している一方で、細胞死を促すアポトーシス関連遺伝子(DAP3、CSE1L)の発現は低下していた。また細胞増殖促進因子であるWntシグナル経路に属するグリコーゲンシンターゼキナーゼ3βや、APCタンパク等のmRNAの発現量増加が見られ、それに伴い、ガン遺伝子であるBCL3、RALB、VAV2、FOS、RAF1、ARHA、LYN、SKIL等の発現量の増加が特徴的に見られた。ガン抑制遺伝子であるRb関連蛋白質(RBBP4、RBBP7)は低下していた。いずれの遺伝子もストレス刺激から解放されるとその発現量は平常時の値に回復した。これらの結果を総合すると、過剰なストレス刺激を受けることにより、細胞のガン化が発生又は進行する可能性があることが推察できる。
一方、通常の細胞周期に関わる遺伝子(CDKN2C、PCNA、CCNA、CDC10)や、DNA複製に関与するDNAポリメラーゼ(POLG2、POLE)や転写に関わる酵素RNAポリメラーゼI、II関連遺伝子群(POLRMT、POLR2B、RPA40、TCEB1、TCEB1L)では、そのmRNA発現低下が認められ、ストレス刺激から解放された翌日には平常時の値に回復していた。
以上のとおり、選択された評価マーカー遺伝子には、ストレスとの関連が未だ報告されていない遺伝子も一部含まれるものの、ストレスとの関連が既に予測されている遺伝子の多くが含まれており、本発明によるストレス評価の妥当性がうかがえる。しかしながら、個々の遺伝子とストレスとの関連が既知であるか否かは、本発明の重要なポイントではない。本発明のポイントは、ストレス状態を反映した特徴的発現プロファイルを示す特定遺伝子群(すなわち評価マーカー遺伝子)の選択と、前記遺伝子群を利用したストレス評価の妥当性の実証にある。
3.ストレスの評価方法、及びストレス評価システム
本発明は、上記実験結果に基づき完成されたものであり、被験者の末梢血からメッセンジャーRNAを用いて、ストレスの評価マーカーとなる特定遺伝子群の発現プロファイルを解析し、その解析結果に基づいて該被験者のストレスを評価する方法に関する。本発明のストレスの評価方法の概念図を図6に示す。
遺伝子の発現解析方法は、DNAチップに限定されず、DNAアレイやメンブレンフィルター等の他のDNA固相化試料を用いた核酸ハイブリダイゼーション法、RT-PCRやリアルタイムPCR等の定量的PCR法、ノーザンブロット法、サブトラクション法、ディファレンシャル・ディスプレイ法、ディファレンシャル・ハイブリダイゼーション法、及びクロスハイブリダイゼーション法等、当該技術分野で知られた任意の解析方法を用いることができる。特に、多数の遺伝子を一度に網羅的に解析できるという点で、DNAチップ、DNAアレイ、メンブレンフィルター、及びキャピラリー等のDNA固相化試料が好ましい。
本発明で用いられる固相化試料は、表1及び表2に示される遺伝子から選ばれるいずれか1の遺伝子に特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するためのプローブをガラス、ナイロンメンブレン等の固相上に固定することにより作製される。固定化される検出対象遺伝子には、少なくとも、表3に示される10遺伝子が含まれることが好ましく、さらに、表4に示される11遺伝子が含まれることがより好ましい。遺伝子を検出するためのプローブは、周知の方法に従って、マーカー遺伝子の特異性の高い領域(例えば、3’UTR部分)に相補的な配列として設計することができ、100〜1500塩基長が好ましく、200〜1100塩基長であることがより好ましい。固相上へのプローブの固定方法は、特に限定されず、周知の方法に従い、合成したプローブを固相上にスポットするか、プローブを固相上で合成すればよい。
ストレスの評価は、一定のRNAサンプル、例えば、ユニバーサルRNAサンプルをコントロールサンプルとして、被験者サンプルの遺伝子発現プロファイルとコントロールサンプルの遺伝子発現プロファイルを比較解析することにより行ってもよい。「ユニバーサルRNAサンプル」とは、一群の異なるヒト組織から抽出したトータルRNA(あるいはmRNA)を混合して作製されたRNAサンプルであって、ヒト全発現遺伝子の大部分(好ましくは、90%以上)をカバーする標準RNAサンプルである。そのようなユニバーサルRNAサンプルは、常法にしたがって調製することもできるが、市販のユニバーサルRNAサンプル(例えば、BD ClontechのPremium RNATMヒト汎用リファレンス用トータルRNA(Clontech)等)を好適に利用することができる。
あるいは、ストレスの評価は、同一被験者の平常時における遺伝子発現プロファイルとストレス負荷時における遺伝子発現プロファイルとを比較解析することにより、該被験者のストレスを評価するものであってもよい。
データの解析方法は、クラスタ解析に限定されず、サポートベクターマシン等の機械学習のアルゴリズム等、当該技術分野で知られた任意の解析方法を用いることができる。
同一被験者の平常時の遺伝子発現データやユニバーサルRNAサンプルの遺伝子発現データをデータベースに蓄えておけば、データベースから当該被験者の平常時のデータを取り出すだけで、被験者のストレス状態をいつでも簡便に評価することができる。本発明は、そのようなストレス評価システムも提供する。
本発明のストレスの評価方法は、対象者の特別な協力を必要とせず、通常の採血による5ccの血液をもとに解析可能であり、非侵襲的、簡便かつ日常的に行うことのできる評価方法である。数多くのRNA発現量から生体機能を多面的に把握する本法は、従来の限られた因子を測定する方法に比べ、心と身体にまたがる複雑なストレスの評価方法として原理的にも適切である。
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
修論発表を控えた学生を対象として、修論発表の4週間前のサンプルを平常時の基準としたときの修論発表の直前と、直後、発表後の翌日における、メッセンジャーRNA発現量を比較した。
1.試験方法
徳島大学医学部で修論発表を控えた学生のうち、本診断法開発のための研究に参加することについて文書により説明し同意を得たものを対象とした。本研究は徳島大学医学部附属病院倫理委員会の承認を得ている。対象となった10名の健常人は、男性2名、女性8名、年齢は24歳から27歳まで(平均24.9歳)だった。
10名の被験者から、修論発表の1〜4週間前、修論発表の直前と、直後、発表後の翌日において、午前10時から午後1時までの空腹時に医師又は看護師が安静下に肘静脈より5ccずつ採血した。採血された血液より、PAXgene Blood RNA System(キアゲン社製)を用いて、トータルRNAを抽出した。トータルRNAの収量は、5-15μgであった。
各被験者より抽出したトータルRNAを5μgずつ取り出し、T7プロモータ配列を付加したオリゴ(dT)24プライマーをアニールさせ、まず、First strand DNA合成を行った。次に、このFirst strand DNAを鋳型にして、T7プロモータ配列を有するSecond strand DNAを合成した。最後にSecond strand DNAを鋳型にして、T7 RNA polymeraseによるRNA合成を行った。合成したRNA 6μgに対し、ランダムヘキサマーをアニールさせ逆転写酵素反応を行い、Cy5-dCTPを鎖中に取り込ませることで蛍光標識したcDNAを合成した。基準となる修論発表の1〜4週間前のサンプルについては、蛍光ラベルとしてCy3を用いてcDNAを合成した。
比較解析を行う2種類のcDNAを等量混合した後、DNAチップ(日立製作所社製薬物応答解析用DNAチップ)にかけてハイブリダイゼーションを62℃で、12時間行った。洗浄後スキャナー(GSI-Lumonics社製ScanArray 5000)により各スポットの蛍光強度を測定し、A:修論発表の直前サンプルと修論発表の4週間前のサンプル(10組)、B:修論発表の直後サンプルと修論発表の4週間前のサンプル(10組)、C:発表後の翌日サンプルと修論発表4週間前のサンプル(10組)、の各サンプル間の各遺伝子の発現量比を求めた。
2.結果
30組すべてのデータで蛍光強度が300以上である遺伝子群(519個)を選び、この遺伝子群をグループ分けするクラスタ解析を行った。図1に519遺伝子の発現解析結果を示す。図1−1〜11は、各遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)であり、図1−12は、クラスタ解析結果を示すカラーチャートである。図中、サンプル番号(1-10)は被験者番号に該当し、実験番号Aは、修士論文発表直前(Cy5)と修士論文発表4週間前(平常時)(Cy3)との比較、実験番号Bは、同一人物の修士論文発表直後(Cy5)と平常時(Cy3)との比較、実験番号Cは同一人物の修士論文発表後翌日(cy5)と平常時(cy3)との比較である。
クラスタ解析の結果、図2に示す遺伝子群では、平常時や修士論文発表直前に比べて発表直後(ストレス刺激を受けた直後)に発現量が増加し、発表終了の翌日には平常時の発現値に戻る傾向がみられた。一方、図3に示す遺伝子群では、平常時や修士論文発表直前に比べて発表直後に発現量が減少し、発表終了の翌日には平常時の発現値に戻る傾向がみられた。これらの特定の遺伝子群は、ストレスの負荷による発現量の変化が顕著に現れる遺伝子であり、一過性の精神的ストレスを評価するためのマーカー遺伝子として有用であるといえる。すなわち、これらの遺伝子群の発現量が平常時に比べて変動している場合には、ストレス刺激に対して身体的にもストレスと感じている状態である可能性が高い。
表1及び表2に、それぞれ図2−1及び図3−1に示されるストレスの評価マーカーとなりうる遺伝子群を纏めて示す。表1はストレスの負荷時に平常時に比較して有意に発現量が増加した遺伝子(73個)であり、表2はストレスの負荷時に平常時に比較して有意に発現量が減少した遺伝子(93個)である。
Figure 2006000015
Figure 2006000015
Figure 2006000015
Figure 2006000015
Figure 2006000015
上記解析の結果、発表直前(A)や翌日(C)の発現値は平常時と顕著に変わるものではなかったが、発表直後(B)の発現値は平常時の値から大きく変動していることがわかった。実際、発表直前(A)と直後(B)の間でp値が小さく、かつ発表直後(B)と翌日(C)でp値が大きい遺伝子、すなわちストレス刺激の負荷から1日たっても発現量が平常時の値に戻らないような遺伝子は存在せず、評価マーカーは発表直前から直後にかけて大きく変動し、翌日には平常値近くに回復する。
そこで、上記の「ストレスの評価マーカー遺伝子」のうち、発表直前と直後(B)の間でp値が小さく、かつ発表直後(B)と翌日(C)でp値が小さい(P≦0.25)遺伝子を絞り込むこととした。まず、A−B、B−Cの群間検定を行い、p値からA−B間及びB−C間で共に変動が大きい遺伝子18個を抽出した。次いで、A−B間のp値とB−C間のp値の幾何平均をとってランク付けを行い、上位10個の遺伝子を選択した(表3)。選択された10個の遺伝子はいずれも、表1に示されるストレス負荷により発現量が増加する遺伝子であった。
Figure 2006000015
前項で選択された10個の遺伝子はいずれもストレス負荷により発現量が増加する遺伝子であったため、ストレス負荷により発現量が減少する遺伝子についても、特に有用な評価マーカー遺伝子を以下の手順で絞り込んだ。まず、発表直前と直後(B)の間でp値が小さい(P≦0.25)か、又は発表直後(B)と翌日(C)でp値が小さい(P≦0.25)遺伝子を、A−B、B−Cの群間検定を行って抽出し、次いでA−B間のp値とB−C間のp値の幾何平均をとってランク付けを行い、上位11個の遺伝子を選択した(表4)。
Figure 2006000015
表3及び表4に示される、特に有用な評価マーカー遺伝子には、サイトカイン系や熱タンパク質などが多く含まれていた。
〔実施例2〕
前記実施例の比較対照として、音楽鑑賞等のストレスには無関係の刺激によって、ストレスの評価マーカー遺伝子群の発現量がどのように変動するかを確認した。
1.試験方法
20〜40代の健常人13人(サンプルNo.11−23)に、音楽鑑賞をしてもらい、その直後に静脈から5ccの血液を採血し、実施例1と同様に、トータルRNAを抽出した。抽出されたトータルRNA量は6〜20μgであった。
次に各被験者より抽出したトータルRNAを5μgずつ取り出し、T7プロモータ配列を付加したオリゴ(dT)24プライマーをアニールさせ、まず、First strand DNA合成を行った。次に、このFirst strand DNAを鋳型にして、T7プロモータ配列を有するSecond strand DNAを合成した。最後にSecond strand DNAを鋳型にして、T7 RNA polymeraseによるcRNA合成を行った。合成したcRNAに対し、ランダムヘキサマーをアニールさせ逆転写酵素反応を行い、Cy5-dCTPを鎖中に取り込ませることで蛍光標識したcDNAを合成した。基準となる音楽鑑賞直前(平常時)のサンプルについては、蛍光ラベルとしてCy3を用いてcDNAを合成した。
2.結果
表1及び表2に記載した遺伝子群の鑑賞前と鑑賞後の発現強度比を図4−1及び図5−1に示す。ストレスの評価マーカーとして有用であると判断したこれら遺伝子群の発現量には、大きな変動が殆どみられなかった。したがって、表1及び表2に記載された遺伝子群の発現変動は、精神的なストレス刺激を受けた場合にのみ特徴的に起こることが確認された。
本発明の方法は、個人の健康管理はもとより、職場、学校、及び地域の検診や人間ドック等において、ストレスの客観的かつ簡便な評価方法として利用できる。本発明は予防医学的見地から、国民のこころの健康の向上に大きく寄与するものである。
図1−1は、解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−2は、解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−3は、解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−4は、解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−5は、解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−6は、解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−7は、解解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−8は、解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−9は、解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−10は、解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−11は、解析対象とした519遺伝子の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図1−12は、解析対象とした519遺伝子のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図2−1は、ストレスの負荷によって発現量が増加する遺伝子群の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図2−2は、ストレスの負荷によって発現量が増加する遺伝子のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図3−1は、ストレスの負荷によって発現量が減少する遺伝子群の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図3−2は、ストレスの負荷によって発現量が減少する遺伝子群のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図4−1は、表1に記載した遺伝子群の鑑賞前と鑑賞後の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図4−2は、表1に記載した遺伝子群のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図5−1は、表2に記載した遺伝子群の鑑賞前と鑑賞後の発現強度比(Cy5/Cy3)を示す。 図5−2は、表2に記載した遺伝子群のクラスタ解析結果を示すカラーチャートである。 図6は、本発明のストレスの評価方法の概念図である。

Claims (10)

  1. 被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAにおいて、表3に示される10遺伝子を含む遺伝子の発現量を解析し、その解析結果に基づいて該被験者のストレスを評価することを特徴とする、ストレスの評価方法。
  2. 被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAにおいて、表3に示される10遺伝子及び/又は表4に示される11遺伝子を含む遺伝子の発現量を解析し、その解析結果に基づいて該被験者のストレスを評価することを特徴とする、ストレスの評価方法。
  3. 被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAにおいて、表1及び表2に示される遺伝子群から選ばれる遺伝子の発現量を解析し、その解析結果に基づいて該被験者のストレスを評価する方法であって、前記遺伝子が少なくとも表3に示される10遺伝子を含むことを特徴とする、ストレスの評価方法。
  4. 被験者の末梢血由来のメッセンジャーRNAにおいて、表1及び表2に示される遺伝子群から選ばれる遺伝子の発現量を解析し、その解析結果に基づいて該被験者のストレスを評価する方法であって、前記遺伝子が少なくとも表3に示される10遺伝子及び/又は表4に示される11遺伝子を含むことを特徴とする、ストレスの評価方法。
  5. ユニバーサルRNAサンプルの遺伝子発現プロファイルと被験者の遺伝子発現プロファイルとを比較解析することにより、該被験者のストレスを評価することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のストレスの評価方法。
  6. 同一被験者の平常時における遺伝子発現プロファイルとストレス負荷時における遺伝子発現プロファイルとを比較解析することにより、該被験者のストレスを評価することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のストレスの評価方法。
  7. 前記遺伝子の発現量が、チップ、アレイ、メンブレンフィルター、及びキャピラリーを含むDNA固相化試料を用いて解析されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のストレスの評価方法。
  8. 表1及び表2に示される遺伝子から選ばれるいずれか1の遺伝子に特異的にハイブリダイズし、該遺伝子を検出するためのプローブを固相上に固定した、ストレス評価用固相化試料であって、
    前記遺伝子として、少なくとも表3に示される10遺伝子を含むことを特徴とする、前記ストレス評価用固相化試料。
  9. さらに、表4に示される11遺伝子を検出するためのプローブが固相上に固定されていることを特徴とする、請求項8記載のストレス評価用固相化試料。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のストレスの評価方法を実施するためのシステムであって、被験者の遺伝子発現データと、あらかじめ取得しておいた被験者の平常時の遺伝子発現データ又はユニバーサルRNAサンプルの遺伝子発現データとを比較解析する手段を備えていることを特徴とする、ストレス評価システム。
JP2004177147A 2004-06-15 2004-06-15 ストレスの評価方法 Pending JP2006000015A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004177147A JP2006000015A (ja) 2004-06-15 2004-06-15 ストレスの評価方法
EP05012933A EP1607486A1 (en) 2004-06-15 2005-06-15 Method of stress evaluation
US11/152,365 US20050282207A1 (en) 2004-06-15 2005-06-15 Method of stress evaluation

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004177147A JP2006000015A (ja) 2004-06-15 2004-06-15 ストレスの評価方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006000015A true JP2006000015A (ja) 2006-01-05

Family

ID=34993170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004177147A Pending JP2006000015A (ja) 2004-06-15 2004-06-15 ストレスの評価方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20050282207A1 (ja)
EP (1) EP1607486A1 (ja)
JP (1) JP2006000015A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008016101A1 (fr) 2006-08-04 2008-02-07 Ajinomoto Co., Inc. Procédé d'évaluation de stress, appareil d'évaluation de stress, système d'évaluation de stress, programme d'évaluation de stress et support d'enregistrement associé
JP2011167149A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 実験動物飼育管理手法およびキット
JP2013150558A (ja) * 2012-01-24 2013-08-08 Kyushu Univ 疲労状態及びストレス状態の評価方法
KR102135178B1 (ko) * 2019-01-15 2020-07-17 한남대학교 산학협력단 고중력에 노출된 쥐의 유전자 분석방법

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5442208B2 (ja) * 2007-03-15 2014-03-12 株式会社日立ハイテクノロジーズ うつ病の検査方法
US8492096B2 (en) * 2008-12-24 2013-07-23 Boris Pasche TGFBR1 expression modifies risk for colorectal cancer
CN113712559B (zh) * 2021-09-06 2024-04-12 中国人民解放军军事科学院军事医学研究院 一种人类应激负荷测量方法及其应用

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002340917A (ja) * 2001-02-28 2002-11-27 Hitachi Ltd オリゴヌクレオチドアレイおよび検査方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7625697B2 (en) * 1994-06-17 2009-12-01 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Methods for constructing subarrays and subarrays made thereby
DE60039190D1 (de) * 1999-12-23 2008-07-24 Univ California Massnahmen welche die effekte einer kalorischen beschränkung nachahmen

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002340917A (ja) * 2001-02-28 2002-11-27 Hitachi Ltd オリゴヌクレオチドアレイおよび検査方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008016101A1 (fr) 2006-08-04 2008-02-07 Ajinomoto Co., Inc. Procédé d'évaluation de stress, appareil d'évaluation de stress, système d'évaluation de stress, programme d'évaluation de stress et support d'enregistrement associé
US8673647B2 (en) 2006-08-04 2014-03-18 Ajinomoto Co., Inc. Stress evaluating apparatus, method, system and program and recording medium therefor
JP2011167149A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 実験動物飼育管理手法およびキット
JP2013150558A (ja) * 2012-01-24 2013-08-08 Kyushu Univ 疲労状態及びストレス状態の評価方法
KR102135178B1 (ko) * 2019-01-15 2020-07-17 한남대학교 산학협력단 고중력에 노출된 쥐의 유전자 분석방법

Also Published As

Publication number Publication date
EP1607486A1 (en) 2005-12-21
US20050282207A1 (en) 2005-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004208547A (ja) うつ病の評価方法
JP5442208B2 (ja) うつ病の検査方法
JP3856734B2 (ja) 多発性硬化症に対するインターフェロン・ベータ薬物治療の有効性予測方法
Lazuardi et al. Microarray analysis reveals similarity between CD8+ CD28− T cells from young and elderly persons, but not of CD8+ CD28+ T cells
US20050282207A1 (en) Method of stress evaluation
Hansel et al. Oligonucleotide-microarray analysis of peripheral-blood lymphocytes in severe asthma
Kawai et al. Gene expression signature in peripheral blood cells from medical students exposed to chronic psychological stress
JP2004041121A (ja) アレルギー解析方法及びシステム
JP2008054590A (ja) 運動ストレス状態の評価方法
JP3694674B2 (ja) オリゴヌクレオチドアレイおよび検査方法
JP6010848B2 (ja) ストレスの評価方法、ストレス評価マーカー、ストレス負荷モデル動物の作成方法、及びストレス負荷モデル動物
Faiz et al. How can microarrays unlock asthma?
US20040024534A1 (en) Process of creating an index for diagnosis or prognosis purpose
JP5641470B2 (ja) 生理的疲労状態の評価方法および装置
Yoshikawa et al. Identification of specific gene expression profiles in fibroblasts derived from middle ear cholesteatoma
JP2011092100A (ja) 生理的状態変化と生理的状態に変化を与える要因の効果を評価する遺伝子マーカー、評価方法、評価システム、及びコンピュータプログラム
WO2007102402A1 (ja) 慢性疲労症候群の診断方法
WO2008063521A2 (en) Gene-based clinical scoring system
JP2005160440A (ja) 多発性硬化症に関連する遺伝子の発現測定方法、多発性硬化症関連遺伝子の発現を測定するためのチップ、多発性硬化症の罹患を判断するための遺伝子群、多発性硬化症の評価方法
ES2339841B1 (es) Metodo para diagnosticar o determinar la predisposicion genetica a desarrollar miocardiopatia hipertrofica.
JP2011004743A (ja) 関節リウマチ患者におけるインフリキシマブ薬効の有効性を判別する方法
KR102018830B1 (ko) 섬유근통 진단용 바이오마커 및 이의 용도
WO2020188136A1 (es) Panel de citoquinas/quimiocinas para el diagnóstico diferencial en el síndrome vestibular episódico
JP2011125326A (ja) 運動疲労状態を評価する方法及び評価用キット、並びに物質が有する運動疲労予防回復効果を評価する方法
TW592658B (en) Determination of physiological conditions defined in traditional Chinese medicine

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070523

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100720