JP5440788B2 - フロー型反応器を用いたアルミノキサン組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
有機アルミニウム化合物と水とを反応させてアルミノキサン組成物を製造する方法であって、
有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物と水と有機溶媒の混合物を、前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が0.3〜0.8の範囲となる量比で
外管及び、外管の内部に収容された内管を有し、内管は入口側から外管の途中まで外管内に延存して二重管を構成し、内管の出口から外管の出口までは一重管であるフロー型反応器を用い、前記有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物は前記入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記内管の出口から外管の出口までの一重管である反応領域で前記反応を生じさせて、前記外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得ることを含み、
前記外管及び内管はいずれも略円管であり、
前記外管の内径r1(直径)は10μm〜5mmの範囲であり、
前記内管の外径r2(直径)は上記r1の10〜90%の範囲であり、
前記内管の内径r3(直径)は上記r2の10〜50%の範囲であり、
前記内管の出口から外管の出口までの一重管は100〜500cmの範囲であり、
前記内管の出口から外管の出口までの一重管である反応領域は、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却される
前記アルミノキサン組成物の製造方法。
[2]
有機アルミニウム化合物と水とを反応が、前記フロー型反応器を用いて多段階に行われ、2段目以降では、前段で生成したアルミノキサン組成物を含有する溶液を、有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物の代りに用いることを特徴とする[1]に記載のアルミノキサン組成物の製造方法。
[3]
前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が0.3〜0.5の範囲となる量比で[1]に記載の方法を実施してアルミノキサン組成物を得る工程A、得られたアルミノキサン組成物と水と有機溶媒の混合物を、前記工程Aで得たアルミノキサン組成物に含まれるアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、前記工程Aで使用した水量との合量で、0.5〜0.8の範囲となる量比で、[1]に記載のフロー型反応器に、前記フロー型反応器の反応領域を、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却しつつ、前記アルミノキサン組成物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記反応領域で前記工程Aで得たアルミノキサン組成物に含まれる有機アルミニウム化合物と水とを反応させて、前記フロー型反応器の外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得る工程Bを含む、アルミノキサン組成物の製造方法。
[4]
前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、工程AとBで使用した水量の合量で、0.5〜0.7の範囲となる量比で、[3]に記載の方法の工程A及びBを実施してアルミノキサン組成物を得る工程、得られたアルミノキサン組成物と水と有機溶媒の混合物を、前記工程Bで得たアルミノキサン組成物に含まれるアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、前記工程A及びBで使用した水量との合量で、0.6〜0.8の範囲となる量比で、[1]に記載のフロー型反応器に、前記フロー型反応器の反応領域を、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却しつつ、前記アルミノキサン組成物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記反応領域で前記工程Bで得たアルミノキサン組成物に含まれる有機アルミニウム化合物と水とを反応させて、前記フロー型反応器の外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得る工程Cを含む、アルミノキサン組成物の製造方法。
[5]
前記2つの混合物は、前記一重管である反応領域における流速が3〜10cm/秒の範囲とするように供給される[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
前記2つの混合物またはアルミノキサン組成物及び水と有機溶媒の混合物は、それぞれ一定の流速で連続して供給される[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
前記一重管である反応領域の長さは、この反応領域における混合物の滞留時間が、20〜100秒の範囲となるように、設定される[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]
前記有機アルミニウム化合物がトリメチルアルミニウムであり、反応生成物中のアルミノキサン化合物に由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が20mol%以下である[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]
前記アルミノキサン化合物は、下記繰返単位(1)および(2)を含むアルミノキサン化合物であって、繰返単位(1)および(2)の合計数は2〜30の範囲であり、繰返単位(1)および(2))の順番は任意である[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
繰返単位(2)中、R2は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基またはC6〜C20のアリール基を表し、前記アルキル基、アルケニル基およびアリール基はハロゲン原子、水酸基またはC1〜C8の炭化水素基で置換されていても良い。)
[10]
反応生成物中のアルミノキサン化合物に由来する有機基及び有機アルミニウム化合物に由来する有機基の合計量に対する有機アルミニウム化合物に由来する有機基のモル分率が20mol%以下である[9]に記載の製造方法。
[11]
前記前記有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物は、前記外管と内管の隙間の流路に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は、前記内管に供給される[1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]
前記アルミノキサン組成物は、前記外管と内管の隙間の流路に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は、前記内管に供給される[3]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[13]
[8]に記載の方法で得られた、アルミノキサン化合物に由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が20mol%以下であるアルミノキサン組成物。
[14]
[10]に記載の方法で得られた、アルミノキサン化合物に由来する有機基及び有機アルミニウム化合物に由来する有機基の合計量に対する有機アルミニウム化合物に由来する有機基のモル分率が20mol%以下であるアルミノキサン組成物。
本発明は、有機アルミニウム化合物と水とを反応させてアルミノキサン化合物を製造する方法である。
本アルミノキサン組成物の製造に用いられる有機アルミニウム化合物は、一般式(I)
本発明の製造方法で得られるアルミノキサン組成物は、有機アルミニウム化合物と水との反応により得られるものである。通常、このような反応でアルミノキサン組成物を得ようとする場合、原料として用いる有機アルミニウム化合物が残存する。すなわち、ここで言うアルミノキサン組成物とは、アルミノキサン化合物に加えて、残存する有機アルミニウム化合物および有機溶媒、例えば、不活性炭化水素溶媒の混合物を意味する。但し、残存する有機アルミニウム化合物は少ない程好ましい。
。
繰返単位(ii)中、R2は上記R1で例示した基と同一のものを用いることができる。
繰返単位(i)および(ii)の合計数が2未満では、アルミノキサン繰返単位の連鎖が形成されないため触媒性能を十分発現させることが出来ず、30を超えるとアルミノキサン同士の会合のため触媒反応に寄与できるアルミノキサンユニットの量が低下し触媒性能の十分な発現を妨げてしまう。繰返単位(i)および(ii)の合計数は、アルミノキサンユニット連鎖の特徴を効率的に発現するという観点から、5〜10の範囲であることが好ましい。アルミノキサン化合物において、繰返単位(i)および(ii)の順番は任意である。
[試験方法]
溶液状メチルアルミノキサン組成物のアルミニウム含量は、基本的に0.5Nの硫酸水溶液で加水分解した溶液に過剰量のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを加えた後に、ジチゾンを指示薬とし硫酸亜鉛で逆滴定することにより求めた。測定濃度が希薄な場合は、原子吸光分析法を用いて測定を行った。
メチルアルミノキサン組成物中のそれぞれの成分のモル分率は、メチルアルミノキサン組成物の1H−NMR測定により、それぞれの成分に帰属される面積比から求めた。以下にメチルアルミノキサン組成物の具体的なMe(MAO),Me(TMAL)のモル分率の求め方を例示する。メチルアルミノキサンに由来するメチル基のモル分率をMe(MAO)と表す。トリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率をMe(TMAL)と表す。ここで求めたMe(TMAL)は、メチルアルミノキサン組成物中のトリメチルアルミニウム残留量の指標としての意味を有する。
(i)−0.3ppmから−1.2ppm程度に現われるトリメチルアルミニウムを含むメチルアルミノキサンのMe基ピークの全体の積分値を求め、これをI(メチルアルミノキサン)とする。
(ii)−1.1ppm付近のTMALに由来するMe基ピークを接線−1により切り出し、その積分値I(TMAL−Me)を求める。
(iii)(ii)で求めたそれぞれの積分値を、(i)で求めた積分値 I(メチルアルミノキサン)から引くと、トリメチルアルミニウムを含まないメチルアルミノキサンのみのMe−基の積分値I(MAO−Me)を求めることができる。I(TMAL−Me)およびI(MAO−Me)をI(メチルアルミノキサン)で割って規格化すると、Me(MAO,Me(TMAL)のモル分率を求めることが出来る。
また、溶液状ポリメチルアルミノキサン組成物の分析サンプルは、溶液状メチルアルミノキサン組成物約0.05mlに対しd8−THFを約0.5ml添加することにより調製した。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
実験には図1に示すように、3台のシリンジポンプと1台のミキサー、1台のフロー型反応器を用いて行った。水を入れたシリンジよりシリンジポンプを用いて流速0.054ml/min(3.0mmol/min)で、トルエンを入れたシリンジよりシリンジポンプにより流速0.054ml/minでミキサー(図2に示す構造を有する)により混合し、これにトリメチルアルミニウムのトルエン溶液(10ml/min,6.0mmol/min)を、シリンジポンプを介し−10℃に冷却したフロー型反応器(図3に示す構造を有する。)で反応させた。この時、トリメチルアルミニウムと水のモル比(水/トリメチルアルミニウム)は0.5であった。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液はほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は65mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた収率は96%であった。
攪拌装置を有する500mlのフラスコにトルエン250mlを導入し、これにAl原子基準で0.16gのメチルアルミノキサン溶液を加えた。次いで、Al/Zrモル比5000となるようにジシクロペンタジエニルジルコニウムクロライドを加え、40℃でエチレンガスを吹き込んだ。重合系内の圧力は1気圧で、重合時間は10minとした。重合停止は酸性メタノールを添加することにより行い、生成したポリエチレンを濾取、減圧乾燥後に重量測定することで重合活性を求めたところ、4.1×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
実施例1で得たメチルアルミノキサン組成物の濾過溶液に、実施例1と同様の装置を用いて水を追加添加し、水の追加添加後のトリメチルアルミニウムと水のモル比(水/トリメチルアルミニウム)合量を0.6としたメチルアルミノキサン組成物の溶液を得た。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液はほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は56mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は92%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は8.5×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
実施例2で得たメチルアルミノキサン組成物の濾過溶液に、実施例1と同様の装置を用いて水を追加添加し、水の追加添加後のトリメチルアルミニウムと水のモル比(水/トリメチルアルミニウム)合量を0.7としたメチルアルミノキサン組成物の溶液を得た。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液は外観上、実施例1で得たものと同程度のほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は9mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は88%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は10.6×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
フロー型反応器の外管の内径を2mmから3mmに代え、その結果、流速は53.4mm/秒から23.7mm/秒に変わり、反応領域における滞留時間は38秒から85秒になった条件で、それ以外は実施例1〜3と同様に第一段階の水添加後のモル比(H2O/Al)を0.5、第二段階の水添加後のモル比(H2O/Al)合量を0.6、第三段階の水添加後のモル比(H2O/Al)合量を0.7としてメチルアルミノキサン組成物の溶液を得た。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液は外観上、実施例3で得たものと同程度のほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は15mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は80%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は15×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。この重合評価に用いたメチルアルミノキサン組成物を60℃加熱処理し、同様な重合評価を行ったところ、その重合活性は30×106g−PE/mol−Zr・atm・hrとなった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
流速を23.7mm/秒から35.6mm/秒に代え(シリンジポンプの吐出量を変化させた)、反応領域における滞留時間は85秒から56秒になった条件で、それ以外は実施例4と同様にメチルアルミノキサン組成物の溶液を得た。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液は外観上実施例4で得たものと同程度のほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
得られたメチルアルミノキサン溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は10mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は87%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は14.5×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。この重合評価に用いたメチルアルミノキサン組成物を60℃加熱処理し、同様な重合評価を行ったところ、その重合活性は45×106g−PE/mol−Zr・atm・hrとなった
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
流速を35.6mm/秒から53.9mm/秒に代え(シリンジポンプの吐出量を変化させた)、反応領域における滞留時間は56秒から37秒になった条件で、それ以外は実施例5と同様にメチルアルミノキサン組成物の溶液を得た。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液は外観上実施例5で得たものと同程度のほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は10mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は88%であった。
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は13.3×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。この重合評価に用いたメチルアルミノキサン組成物を60℃加熱処理し、同様な重合評価を行ったところ、その重合活性は40×106g−PE/mol−Zr・atm・hrとなった
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
実験には図1に示すように、3台のシリンジポンプと1台のミキサー、1台のフロー型反応器を用いて行った。水を入れたシリンジよりシリンジポンプを用いて流速0.081ml/min(4.5mmol/min)で、トルエンを入れたシリンジよりシリンジポンプにより流速0.081ml/minでミキサーにより混合し、これにトリメチルアルミニウムのトルエン溶液(5ml/min,6.0mmol/min)をシリンジポンプを介し−10℃に冷却したフロー型反応器(T字型反応器,図4)で反応させた。この時、トリメチルアルミニウムと水のモル比(水/トリメチルアルミニウム)は0.75と設定した。しかしながら、水酸化アルミニウム様の固形物形成のため、反応を開始して数秒で流路が閉塞し、目的とするメチルアルミノキサン組成物は得られなかった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
フロー型反応器を十字型反応器(図4)としたこと以外は比較例1(1)と同様の装置を用いてメチルアルミノキサン組成物の合成反応を行った。比較例1と同様に反応を開始して数秒で流路が閉塞し、目的とするメチルアルミノキサン組成物は得られなかった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
フロー型反応器を多段衝突型反応器(AISTリアクター,図4)としたこと以外は比較例1(1)と同様の装置を用いてメチルアルミノキサン組成物の合成反応を行った。比較例1と同様に反応を開始して数秒で流路が閉塞し、目的とするメチルアルミノキサン組成物は得られなかった。
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
攪拌装置と反応により発生するメタンガス放出ベントラインを接続した反応器に、硫酸銅五水和物30kg(120.2mol)とトルエン78.5kgを加え、懸濁液とした。この温度を0℃にまで低下させ、TMAL28.9kg(401.4mol)を8時間かけて添加した。この時の硫酸銅五水和物の水とTMALのモル比(水/TMAL)は1.50であった。室温へ5時間かけて昇温し、室温で24hr攪拌熟成を行った。得られたスラリー溶液を1μの孔径を有するフィルターで濾過することにより硫酸銅の残渣を除去することによりメチルアルミノキサン組成物のトルエン溶液を得た。
得られたメチルアルミノキサン組成物のAl濃度測定結果より、用いたTMALのAl原子基準の収率を求めたところ、55%であった。1H−NMR測定によりMe(TMAL)値を求めたところ、75.0mol%であった。
重合評価は実施例1記載の方法と同様に実施した。その結果、重合活性は10×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
Claims (14)
- 有機アルミニウム化合物と水とを反応させてアルミノキサン組成物を製造する方法であって、
有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物と水と有機溶媒の混合物を、前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が0.3〜0.8の範囲となる量比で
外管及び、外管の内部に収容された内管を有し、内管は入口側から外管の途中まで外管内に延存して二重管を構成し、内管の出口から外管の出口までは一重管であるフロー型反応器を用い、前記有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物は、前記入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記内管の出口から外管の出口までの一重管である反応領域で前記反応を生じさせて、前記外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得ることを含み、
前記外管及び内管はいずれも略円管であり、
前記外管の内径r1(直径)は10μm〜5mmの範囲であり、
前記内管の外径r2(直径)は上記r1の10〜90%の範囲であり、
前記内管の内径r3(直径)は上記r2の10〜50%の範囲であり、
前記内管の出口から外管の出口までの一重管は100〜500cmの範囲であり、
前記内管の出口から外管の出口までの一重管である反応領域は、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却される
前記アルミノキサン組成物の製造方法。 - 有機アルミニウム化合物と水とを反応が、前記フロー型反応器を用いて多段階に行われ、2段目以降では、前段で生成したアルミノキサン組成物を含有する溶液を、有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物の代りに用いることを特徴とする請求項1に記載のアルミノキサン組成物の製造方法。
- 前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が0.3〜0.5の範囲となる量比で請求項1に記載の方法を実施してアルミノキサン組成物を得る工程A、得られたアルミノキサン組成物と水と有機溶媒の混合物を、前記工程Aで得たアルミノキサン組成物に含まれるアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、前記工程Aで使用した水量との合量で、0.5〜0.8の範囲となる量比で、請求項1に記載のフロー型反応器に、前記フロー型反応器の反応領域を、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却しつつ、前記アルミノキサン組成物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間及び内管のいずれか一方の流路に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記反応領域で前記工程Aで得たアルミノキサン組成物に含まれる有機アルミニウム化合物と水とを反応させて、前記フロー型反応器の外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得る工程Bを含む、アルミノキサン組成物の製造方法。
- 前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、工程AとBで使用した水量の合量で、0.5〜0.7の範囲となる量比で、請求項3に記載の方法の工程A及びBを実施してアルミノキサン組成物を得る工程、得られたアルミノキサン組成物と水と有機溶媒の混合物を、前記工程Bで得たアルミノキサン組成物に含まれるアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、前記工程A及びBで使用した水量との合量で、0.6〜0.8の範囲となる量比で、請求項1に記載のフロー型反応器に、前記フロー型反応器の反応領域を、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却しつつ、前記アルミノキサン組成物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記反応領域で前記工程Bで得たアルミノキサン組成物に含まれる有機アルミニウム化合物と水とを反応させて、前記フロー型反応器の外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得る工程Cを含む、アルミノキサン組成物の製造方法。
- 前記2つの混合物は、前記一重管である反応領域における流速が3〜10cm/秒の範囲とするように供給される請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記2つの混合物またはアルミノキサン組成物及び水と有機溶媒の混合物は、それぞれ一定の流速で連続して供給される請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記一重管である反応領域の長さは、この反応領域における混合物の滞留時間が、20〜100秒の範囲となるように、設定される請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記有機アルミニウム化合物がトリメチルアルミニウムであり、反応生成物中のアルミノキサン化合物に由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が20mol%以下である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 前記アルミノキサン化合物は、下記繰返単位(1)および(2)を含むアルミノキサン化合物であって、繰返単位(1)および(2)の合計数は2〜30の範囲であり、繰返単位(1)および(2))の順番は任意である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
繰返単位(2)中、R2は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基またはC6〜C20のアリール基を表し、前記アルキル基、アルケニル基およびアリール基はハロゲン原子、水酸基またはC1〜C8の炭化水素基で置換されていても良い。) - 反応生成物中のアルミノキサン化合物に由来する有機基及び有機アルミニウム化合物に由来する有機基の合計量に対する有機アルミニウム化合物に由来する有機基のモル分率が20mol%以下である請求項9に記載の製造方法。
- 前記前記有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物は、前記外管と内管の隙間の流路に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は、前記内管に供給される請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 前記アルミノキサン組成物は、前記外管と内管の隙間の流路に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は、前記内管に供給される請求項3〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項8に記載の方法で得られた、アルミノキサン化合物に由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が20mol%以下であるアルミノキサン組成物。
- 請求項10に記載の方法で得られた、アルミノキサン化合物に由来する有機基及び有機アルミニウム化合物に由来する有機基の合計量に対する有機アルミニウム化合物に由来する有機基のモル分率が20mol%以下であるアルミノキサン組成物。
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