JP5440462B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
検知用延出部の延出端部がリテーナの組付け方向へ不正に変位すると、それに伴って、検知用延出部がその基端部を支点として姿勢を傾けるので、検知用延出部の姿勢の傾きを規制すれば、検知用延出部の延出端部の不正な変位を規制することができる。この点に着目し、本発明では、検知用延出部の嵌合凸部を嵌合凹部に対して傾きを規制した状態で嵌合させることにより、第1ハウジングに対する検知用延出部の傾きを規制している。これにより、検知用延出部の延出端部が不正に変位するのが確実に防止されて、検知用延出部による検知機能の信頼性が高められている。
収容室の内面とサブハウジングの外面との隙間を、嵌合凹部として有効利用しているので、専用の嵌合凹部を形成する場合に比べると、第1ハウジングの外面の形状を簡素化することができる。
ロック部が弾性復帰していれば、検知部が撓み空間に進入しながらリテーナが正しい組付け状態となり、ロック部が弾性撓みしたままの状態では、検知部が撓み空間内に進入することができないので、リテーナを正しく組み付けることができない。これにより、リテーナが正しく組み付けられるか否かに基づいて、サブハウジングの取付け状態を検知することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図24を参照して説明する。本実施形態のコネクタは、第1ハウジング10と第2ハウジング80とを嵌合させるようにしたものである。第1ハウジング10には、2つのサブハウジング30と、2つのショート端子40と、二対の第1端子金具50と、リテーナ60とが取り付けられている。
第1ハウジング10は、合成樹脂製であり、図2,5に示すように、端子保持部11と、端子保持部11の前端外周縁から前方(図2,5における右方)へ片持ち状に突出した概ね角筒状をなすフード部12とを一体に形成したものである。端子保持部11は、フード部12の側面壁の後端に対して面一状に連なる側壁部13と、側壁部13の上端縁に対して直角に連なるとともにフード部12の上面壁に対して面一状に連なる上壁部14と、側壁部13の側縁に対して直角に連なる後壁部15と、側壁部13と後壁部15の下縁に対して直角に連なるとともにフード部12の下面壁に対して段差状に且つ平行に連なる下壁部16とから構成されている。
サブハウジング30は、合成樹脂製であり、図13〜17に示すように、全体としてブロック状をなしている。図14〜16に示すように、サブハウジング30内には、その一方の側面(左右方向において、収容室17の着脱口18側と同じ側の側面)に開放した形態の収容凹部31が形成されている。収容凹部31の前面のうち下端部を除いた領域は、サブハウジング30の前端面に開放されている。図16,17に示すように、サブハウジング30には、その底面から収容凹部31に連通する形態の係止孔32が形成されている。
図18〜20に示すように、ショート端子40は、略方形の水平な板状をなす基板部41(本発明の構成要件である連結部)と、係止片42と、左右一対の弾性接触片43と、治具当て部44と、補強部45とを備えて構成されている。係止片42は、基板部41の一部を切り起こした形態であって、斜め下側方へ片持ち状に延出した形態である。弾性接触片43は、基板部41の後端縁から斜め上前方へ延出した形態であり、上下方向(両ハウジング10,80の嵌合方向と交差する方向であり、第1端子金具50のタブ52に対する当接方向と平行に方向)に弾性撓みとなっている。左右一対の弾性接触片43は、その後端部において基板部41を介して連結されている。弾性接触片43の前端部は、山形に屈曲した形態の接点部46となっている。治具当て部44は、基板部41の一方の側縁の後端部から板状に立ち上がった形態である。補強部45は、基板部41の後端縁から立ち上がって治具当て部44に係止することで、治具当て部44の倒れ変形を規制するようになっている。
図2,5に示すように、第1端子金具50は、前後方向に細長く、角筒状をなす端子本体51と、端子本体51から前方へ突出した細長いタブ52と、端子本体51から後方へ突出したオープンバレル状の圧着部53とを備えた周知形態の雄形の端子である。第1端子金具50は、第1ハウジング10に取り付けられた状態では、端子保持部11によって保持されるとともに、タブ52がフード部12によって包囲される。
リテーナ60は、合成樹脂製であり、図21〜24に示すように、側板部61と、側板部61の上端縁に対し直角に連なる上板部62と、側板部61から側方(上板部62と平行な方向)へ突出する横長の枠状をなす抜止め用枠部63と、側板部61の下端部から側方(上板部62及び抜止め用枠部63と平行な方向)へ突出する下板部64とを備えている。図22に示すように、抜止め用枠部63には、前後方向に貫通する1つの端子貫通部65が形成されている。端子貫通部65は、全体として左右方向に長く大きく開口しており、端子貫通部65の孔縁部が第1端子金具50に係止されるようになっている。上板部62には、その後端縁に沿ったヒンジ部66を介して変位可能に連なる電線保持部67が形成されている。図23に示すように、下板部64には、左右方向に延びる案内溝68が形成されている。同じく下板部64には、図22に示すように、左右2つの係止溝69が形成されている。
第2ハウジング80は、合成樹脂製であり、図3〜5に示すように、ブロック状をなす端子収容部81と、端子収容部81を包囲する筒状嵌合部82とを一体に形成したものである。端子収容部81の外周と筒状嵌合部82の内周との間には、前方(図4,5における左方)へ開放された筒状の嵌合空間83が形成されている。端子収容部81内には、周知形態の雌形をなす二対の第2端子金具85が収容されている。二対の第2端子金具85は、左右方向(両ハウジング10,80の嵌合方向と直交する方向)に一列に並んで配置されている。また、端子収容部81の前端部のうち第2端子金具85よりも少し前方のリブ状の部分は、ショート端子40による第1端子金具50の短絡を解除するための短絡解除部84となっている。
第1ハウジング10側における組付け作業について説明する。組付けに際しては、まず、2つのサブハウジング30に、夫々、ショート端子40を1つずつ個別に組み付けておく。そして、この2つのサブハウジング30を、第1ハウジング10の側方から着脱口18を通過させて収容室17内へ順に挿入していく。このとき、図2,6,7に示すように、前後両ロック部36F,36Rを、夫々、前後2つのガイド溝20に嵌合させるとともに、規制リブ39を規制溝22に嵌合させる。
本実施形態のコネクタは、一列に並ぶ二対の第1端子金具50を、2つのショート端子40によって各対毎に短絡させるものであって、2つのショート端子40を第1端子金具50の並び方向(左右方向)と平行に取り付けることができるようになっている。その為の手段として、ショート端子40を1つずつ保持する絶縁性のサブハウジング30を2つ設け、第1ハウジング10内には、第1ハウジング10の一方の外側面のみにおいて着脱口18として開口した形態の1つの収容室17を形成し、この収容室17に、対をなす第1端子金具50の並び方向と略平行に2つのサブハウジング30を挿入するようにした。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、嵌合凸部を検知用延出部の延出端部に配置したが、嵌合凸部の形成位置は、検知用延出部の延出端部よりも基端側の位置であってもよい。
(2)上記実施形態では、検知用延出部に形成される嵌合凸部の数を1つとしたが、検知用延出部に複数の嵌合凸部を形成してもよい。
(3)上記実施形態では、収容室の内面とサブハウジングの外面との隙間を嵌合凹部として有効利用したが、第1ハウジングの外面に専用の嵌合凹部を形成してもよい。
(4)上記実施形態では、リテーナが仮係止位置にある状態で嵌合凸部が嵌合凹部に浅く嵌合するようにしたが、リテーナが仮係止位置にある状態で嵌合凸部が嵌合凹部に嵌合しない形態としてもよい。
(5)上記実施形態では、ロック部をサブハウジングの外面に形成したが、ロック部は、収容室の内面に形成してもよい。
(6)上記実施形態では、サブハウジングがショート端子を保持するための部材である場合について説明したが、サブハウジングは、ショート端子を保持する以外の機能を有するものであってもよい。
12…フード部
17…収容室
24…嵌合凹部
30…サブハウジング
36F,36R…ロック部
37…撓み空間
50…第1端子金具
52…タブ
60…リテーナ
70…検知用延出部
71…嵌合凸部
72F…前側検知部
72R…後側検知部
80…第2ハウジング
81…端子収容部
82…筒状嵌合部
85…第2端子金具
Claims (3)
- フード部を有する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに取り付けられ、先端のタブが前記フード部で包囲された雄形の第1端子金具と、
前記フード部に内嵌される端子収容部と、前記フード部に外嵌される筒状嵌合部とを備えた第2ハウジングと、
前記端子収容部内に収容された雌形の第2端子金具と、
前記第1ハウジングに対し、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合方向と交差する方向に組み付けられることで、前記第1端子金具を抜止めするリテーナと、
前記リテーナに形成され、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが嵌合した状態で前記筒状嵌合部の内部に収容されるように片持ち状に延出した板状の検知用延出部とを備え、
前記リテーナが不正な組付け状態のままで前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを嵌合させようとしたときには、嵌合の途中で前記検知用延出部が前記筒状嵌合部と干渉するようにしたコネクタにおいて、
前記第1ハウジングには、その外面に開口する嵌合凹部が形成され、
前記検知用延出部には、前記嵌合凹部に対し、傾きを規制された状態で嵌合可能な嵌合凸部が形成されていることを特徴とするコネクタ。 - 前記第1ハウジングには、前記第1ハウジングの外面に開口する収容室が形成され、
前記収容室内にサブハウジングが挿入されているコネクタであって、
前記収容室の内面と前記サブハウジングの外面との隙間が、前記嵌合凹部となっていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。 - 前記サブハウジングの外面又は前記収容室の内面には、前記サブハウジングを前記収容室内に保持するための弾性撓み可能なロック部が形成され、
前記サブハウジングを前記収容室に挿入する過程では前記ロック部が弾性撓みし、前記サブハウジングが前記収容室内に正しく挿入された状態では前記ロック部が弾性復帰するようになっており、
前記検知用延出部には、前記リテーナを正しく組み付けた状態において前記ロック部の撓み空間内に進入可能な検知部が形成されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
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